JP6048996B1 - 車輌等運搬用船舶の上部構造とそれを備えた車輌等運搬用船舶 - Google Patents

車輌等運搬用船舶の上部構造とそれを備えた車輌等運搬用船舶 Download PDF

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Abstract

【課題】操舵室が船舶の中心線から離れた位置に設置されることで、居室スペースや車輌等の積載スペースを増加させ、乗船効率や積載効率を向上させることができる車輌等運搬用船舶の上部構造を提供する。【解決手段】居室50等が設けられる甲板2と、この甲板2に設置される操舵室3と、を備える車輌等運搬用船舶の上部構造1であって、甲板2の一方の舷側2aに設置され、操舵室3を支持する支持体4を備え、支持体4は、一方の舷側2aに立設される縦支持部5と、縦支持部5に対し一定角度をなして取り付けられ、操舵室3の底面を支持する底面支持部6と、を備え、甲板2と、縦支持部5と、底面支持部6と、で囲まれる空間7が形成される。【選択図】図1

Description

本発明は、居室や車輌等の積載スペースが設けられる甲板と、操舵室と、を備える車輌等運搬用船舶の上部構造に係り、特に、操舵室が甲板の片舷に設置される車輌等運搬用船舶の上部構造とそれを備えた車輌等運搬用船舶に関する。
従来、船舶の操舵室は、両舷の間であって船体の中心線に沿った甲板上に配置されている。これは、船体が、両舷方向にローリングするのをできるだけ防止するためである。
しかし、居室や車輌の積載スペースが甲板に設置される車輌等運搬用船舶では、上記のような操舵室の配置によって居室用スペース等が減少し、乗船効率や積載効率が低下するという課題があった。
そこで、近年、航行時に生ずる風圧抵抗を低減することを目的としているが、甲板における居室用スペース等の拡張にも適用の可能性がある技術が開発されており、それに関して既に考案や発明が開示されている。
特許文献1には「吹抜型居住区構造付き船舶」という名称で、居住区が上甲板上に支柱を介して支持される居住区構造付き船舶に関する考案が開示されている。
以下、特許文献1に開示された考案について説明する。特許文献1に開示された考案は、船舶の上甲板上に居住区構造を備え、上甲板上の機関室と居住区構造を分離すべく、居住区構造が上甲板上に左右の支柱を介し支持されて、これらの支柱の相互間に吹抜け部が形成され、かつ居住区構造が船幅に近い幅を有するとともに、居住区構造の前壁が前方へ突出した湾曲面を備え、居住項構造の後部がアフトピークタンクの前壁直上付近まで延在することを特徴とする。
このような特徴を有する吹抜型居住区構造付き船舶によれば、支柱の相互間に形成された吹抜け部を、車輌等の積載スペースとして利用しうる可能性がある。
次に、特許文献2には「船舶」という名称で、船舶の船橋及び上部構造物のスペースを確保可能な船舶に関する発明が開示されている。
以下、特許文献2に開示された発明について説明する。特許文献2に開示された発明は、船舶の上甲板の上に設けられ、かつ、船橋を有する上部構造物の最下の部分よりも上側の部分の一部又は全部を、最下の部分よりも船首側に張り出して構成することを特徴とする。 このような特徴を有する船舶によれば、張り出し部分の直下の空間を、居室スペースや車輌等の積載スペースとして利用しうる可能性がある。
実願昭61−201206号(実開昭63−107293号)のマイクロフィルム 特開2012−56443号公報
しかしながら、特許文献1に開示された発明においては、船体の中心線付近の上甲板上に左右の支柱が配置されているので、車輌等の積載スペースの拡張割合(例えば、拡張前の積載スペースの面積に対する拡張後の積載スペースの面積)が小さくなる可能性がある。そのため、特に小型の船舶では、上記の拡張割合がわずかとなる傾向にあるため、このような技術を利用し難い。
次に、特許文献2に開示された発明においては、上部構造物を支持する居住区が、船体の中心線付近に配置されているので、特許文献1に開示された発明と同様に、居室スペース等の拡張割合が小さくなる可能性がある。
本発明は、このような従来の事情に対処してなされたものであり、操舵室が船舶の中心線から離れた位置に設置されることで、居室スペースや車輌等の積載スペースを増加させ、乗船効率や積載効率を向上させることができる車輌等運搬用船舶の上部構造とそれを備えた車輌等運搬用船舶を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、第1の発明は、居室や車輌等の積載スペースが設けられる甲板と、この甲板に設置される操舵室と、を備える車輌等運搬用船舶の上部構造であって、甲板の一方の舷側に設置され、操舵室を支持する支持体を備え、この支持体は、一方の舷側に立設される縦支持部と、この縦支持部に対し一定角度をなして取り付けられ、操舵室の底面を支持する底面支持部と、を備え、甲板と、縦支持部と、底面支持部と、で囲まれる空間が形成されることを特徴とする。
このような構成の発明においては、操舵室が甲板の一方の舷側に設置され、かつ、操舵室の直下に空間が形成される。これにより、従来のように操舵室の直下に空間が形成されない場合と比較して、車輌等の積載スペースが拡張される。
次に、第2の発明は、第1の発明において、甲板の他方の舷側に、バラストタンクが設置されることを特徴とする。
このような構成の発明においては、第1の発明の作用に加えて、バラストタンクにバラスト水が注入されることで、このバラスト水の荷重と、操舵室やその直下の空間に積載される車輌等の荷重がつり合い、両舷方向のローリングの頻度やその程度が軽減される。
続いて、第3の発明は、第1又は第2の発明において、縦支持部又は甲板に取り付けられる一端と、底面支持部に取り付けられる他端と、一端と他端を連結する体部と、からなり、底面を甲板と平行になるように保持する補強部材を備えることを特徴とする。
このような構成の発明において、補強部材は、例えば、縦支持部に対して傾斜して縦支持部と底面支持部に固定される棒状体である。
上記構成の発明においては、第1又は第2の発明の作用に加えて、操舵室の荷重によって縦支持部が変形し底面支持部が甲板に対して傾斜すること等が防止される。
さらに、第4の発明は、第1乃至第3のいずれかに記載の発明において、操舵室の天井面に取り付けられ、車輌等運搬用船舶の中心線へ向かうように延設される下方部と、この下方部と屈曲部を介して接続され、中心線と一致するように鉛直上方へ向かって延設される上方部と、からなるマストを備えることを特徴とする。
このような構成の発明においては、第1乃至第3のいずれかに記載の発明の作用に加えて、下方部と下方部により、マストに取り付けられるマスト灯が車輌等運搬用船舶の中心線に一致して配置される。
続いて、第5の発明は、第4の発明において、下方部は、間隔を空けて対向する一対の縦桟と、この一対の縦桟の間に懸架される複数の横桟と、からなる梯子状構造をなすことを特徴とする。
このような構成の発明においては、第4の発明の作用に加えて、下方部は、梯子状構造をなすため、マスト付近で行われる作業の足場として利用される。
そして、第6の発明は、第1乃至第5のいずれかに記載の発明において、操舵室に、舷灯が設置されることを特徴とする。
このような構成の発明においては、第1乃至第5のいずれかに記載の発明の作用に加えて、従来、一方及び他方の舷側に設置されていた舷灯が、支持体が設置されることによって、設置困難になるという課題が解決される。
最後に、第7の発明は、請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の上部構造を備えることを特徴とする車輌等運搬用船舶である。
このような構成の発明に係る車輌等運搬用船舶においては、第1乃至第6のいずれかに記載の発明の作用を発揮する。
第1の発明によれば、従来と比較して、車輌等の積載スペースが拡張されるので、乗船効率や積載効率を向上させることができる。このような効果は、もともと甲板の面積が小さい小型船舶の場合に、特に有効である。
第2の発明によれば、第1の発明の効果に加えて、両舷方向のローリングの頻度やその程度が軽減されるので、安全性を確保することができる。
第3の発明によれば、第1又は第2の発明の効果に加えて、底面支持部の甲板に対する傾斜等が防止されるので、操舵室の揺れや不意の落下を回避することができる。
第4の発明によれば、第1乃至第3のいずれかの発明の効果に加えて、マスト灯が中心線上に設置されることから、法律上の規定(航海用具の基準を定める告示第2条第2項第二号イ)で定められる要件「マスト灯は船の中心線上であること。」を満足することができる。
第5の発明によれば、第4の発明の効果に加えて、船員が複数の横桟を足場としてマストを構成する上方部へ容易に接近可能である。
第6の発明によれば、第1乃至第5の発明のいずれかの効果に加えて、法律上の規定(航海用具の基準を定める告示第2条第2項第三号ロ)で定められる要件「舷灯を装置する位置は、全長20メートル以上の小型船舶に装置する場合は、舷側又はその付近であること。」を満足することができる。
第7の発明に係る車輌等運搬用船舶によれば、第1乃至第6の発明のいずれかの効果を発揮する。
実施例に係る車輌等運搬用船舶の上部構造を、船体の長軸方向に沿って視た場合の正面図である。 実施例に係る車輌等運搬用船舶の上部構造を備える船体の側面図である。 (a)及び(b)は、それぞれ実施例及び実施例の第1の変形例に係る車輌等運搬用船舶の上部構造を構成する甲板を、その鉛直上方から視た場合の平面図である。 実施例の第1の変形例に係る車輌等運搬用船舶の上部構造を構成する支持体を、船体の長軸方向に沿って視た場合の正面図である。 実施例の第2の変形例に係る車輌等運搬用船舶の上部構造を構成する支持体を、船体の長軸方向に沿って視た場合の正面図である。 (a)及び(b)は、それぞれ実施例の第3の変形例に係る車輌等運搬用船舶の上部構造を構成する操舵室を、船体の長軸方向に沿って視た場合の正面図及び鉛直上方から視た場合の平面図である。
本発明の実施の形態に係る車輌等運搬用船舶の上部構造(以下、実施例において上部構造という。)について、図1乃至図6を用いて詳細に説明する。図1は、実施例に係る上部構造を、船体の長軸方向に沿って視た場合の正面図である。
図1に示すように、実施例に係る上部構造1は、居室50や車輌等の積載スペース51(図5参照)が設けられる甲板2と、この甲板2に設置される操舵室3と、を備える車輌等運搬用船舶Sの上部構造である。このうち、操舵室3は、側壁面3cに出入口3dが設置される。
さらに、上部構造1は、甲板2の一方の舷側2aに設置され、操舵室3を支持する支持体4を備える。
この支持体4は、一方の舷側2aに甲板2に対し直角をなして立設される縦支持部5と、この縦支持部5に対し直角をなして取り付けられ、操舵室3の底面3aを支持する底面支持部6と、を備え、甲板2と、縦支持部5と、底面支持部6と、で囲まれる空間7が形成される。このうち、縦支持部5は、空間7を居室50として利用可能な高さに設計され、底面支持部6は一様な平板状をなしている。
また、他方の舷側2bには、甲板2に対し側壁62が立設される。これに対し、一方の舷側2aにおいては、側壁62に相当するものが縦支持部5である。すなわち、縦支持部5は、底面支持部6とともに新設されても良いが、既設の側壁がそのまま利用されても良い。
また、甲板2の他方の舷側2bに、バラスト水(図示せず)を注排水することで、車輌等運搬用船舶Sの船体60の浮力を調整するバラストタンク8が設置される。
さらに、上部構造1においては、操舵室3の天井面3bに取り付けられ、船体60の中心線Lへ向かうように延設される下方部9と、この下方部9と屈曲部11を介して接続され、中心線Lと一致するように鉛直上方Vへ向かって延設される直線状の上方部10と、からなるマスト12を備える。なお、このマスト12には、複数のマスト灯12aと、船尾灯12bが取り付けられている。また、操舵室3の天井面3bには、マスト12の他、風速計やレーダー装置といった機器Kが設置されている。
加えて、操舵室3の天井面3bに、舷灯13aが設置されるとともに、他方の舷側2bにも舷灯13bが設置される。この舷灯13bは、側壁62の上端面に設置される。これは、従来、舷灯13aは、一方の舷側2aに設けられていた側壁の上端面に設置されるが、上部構造1ではこのような上端面が操舵室3を支持しているため、代わりに操舵室3の天井面3bに設置されるものである。
次に、本実施例に係る上部構造について、図2を用いてより詳細に説明する。図2は、実施例に係る上部構造を備える船体の側面図である。なお、図1で示した構成要素については、図2においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図2に示すように、上部構造1を備える船体60は、両端部に旅客や車輌等の乗船及び下船が行われるランプドア61a,61bが備えられる。
また、操舵室3、支持体4及びマスト12は、ランプドア61aとランプドア61bの中間部に配置される。さらに、バラストタンク8も、ランプドア61aとランプドア61bの中間部において、他方の舷側2bに設置されて船腹を形成する。そして、バラストタンク8の内部では隔壁によって複数の区画8a〜8dが形成される。
さらに、本実施例及びその第1の変形例に係る上部構造について、図3を用いてより詳細に説明する。図3(a)及び図3(b)は、それぞれ実施例及び実施例の第1の変形例に係る上部構造を構成する甲板を、その鉛直上方から視た場合の平面図である。なお、図1及び図2で示した構成要素については、図3においても同一の符号を付して、その説明を省略する。また、機器Kの図示も省略する。
図3(a)に示すように、上部構造1において、支持体4を構成する底面支持部6は、略四角形状に形成され、その一辺が操舵室3の他方の舷側2b方向へ張り出されて、台形状をなす張出部6aを備える。底面支持部6の上面には操舵室3が配置され、底面支持部6の下方に形成される空間7には、居室50と、バリアフリー便所50aが配置されている。
また、マスト12の下方部9は、略鋭角三角形状に形成された板状体である。すなわち、下方部9の底辺とその付近に相当する部分が操舵室3の天井面3bに固定され、下方部9の鋭角に相当する部分に屈曲部11が接続され、さらに屈曲部11に上方部10が接続されている。
次に、上部構造1の代わりに、車輌等運搬用船舶Sに設けられる上部構造1aについて説明する。図3(b)に示すように、本実施例の第1の変形例に係る上部構造1aにおいては、底面支持部15は、縦支持部14に対し直角をなして取り付けられる。さらに、底面支持部15は、底面支持部6のような張出部6aが備えられず、四角形状に形成される。また、底面支持部15の長辺の長さMは、底面支持部6の最大長さMよりも短いものとなっている。そして、居室50の面積も、上部構造1の場合よりも増大している。
さらに、底面支持部15の下方に形成される空間7には、底面支持部15を介して底面3a(図1参照)を甲板2に対し平行に保持するように、縦支持部14を補強する補強部材16,16を備える。この補強部材16,16は、それぞれ底面支持部15の短辺付近に設置される。
上部構造1aのこれ以外の構成については、実施例の上部構造1と同様である。
続いて、本実施例の第1の変形例に係る上部構造について、図4を用いてより詳細に説明する。図4は、実施例の第1の変形例に係る車輌等運搬用船舶の上部構造を構成する支持体を、船体の長軸方向に沿って視た場合の正面図である。なお、図1乃至図3で示した構成要素については、図4においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図4に示すように、本実施例の第1の変形例に係る上部構造1aにおいては、縦支持部14に取り付けられる一端16aと、底面支持部15に取り付けられる他端16bと、一端16aと他端16bを連結する体部16cと、からなり、底面支持部15を介して底面3aを甲板2と平行になるように保持する長尺状の補強部材16(筋交い)を備える。なお、図3(b)に示したように、補強部材16,16は、それぞれ底面支持部15の短辺付近に設置されるが、居室50等のレイアウトに対応し、その配置や本数が適宜調整される。
上部構造1aのこれ以外の構成については、実施例の上部構造1の構成と同様である。
さらに、本実施例の第2の変形例に係る上部構造について、図5を用いてより詳細に説明する。図5は、実施例の第2の変形例に係る車輌等運搬用船舶の上部構造を構成する支持体を、船体の長軸方向に沿って視た場合の正面図である。なお、図1乃至図4で示した構成要素については、図5においても同一の符号を付して、その説明を省略する。
図5に示すように、本実施例の第2の変形例に係る上部構造1bは、上部構造1の代わりに、車輌等運搬用船舶Sに設けられる。上部構造1bにおいては、甲板2と、縦支持部5と、底面支持部6と、で囲まれる空間7は、居室50等(図1,2参照)が設置されず、特に壁等の構造物によって区画されていない構造である。そのため、空間7を、例えば車輌51aや大型荷物(図示せず)の積載スペース51として利用することができる。なお、上部構造1bでは、補強部材16は設けられないが、船体60の中心線L(図1,2参照)付近の甲板2に配置されない限り、補強部材16が設けられても良い。
上部構造1bのこれ以外の構成については、実施例の上部構造1の構成と同様である。
さらに、本実施例の第3の変形例に係る上部構造について、図6を用いてより詳細に説明する。図6(a)及び図6(b)は、それぞれ実施例の第3の変形例に係る車輌等運搬用船舶の上部構造を構成する操舵室を、船体の長軸方向に沿って視た場合の正面図及び鉛直上方から視た場合の平面図である。なお、図1乃至図5で示した構成要素については、図6においても同一の符号を付して、その説明を省略する。また、図6(b)では、機器Kの図示も省略する。
図6(a)及び図6(b)に示すように、本実施例の第3の変形例に係る上部構造1cは、上部構造1の代わりに、車輌等運搬用船舶Sに設けられる。上部構造1cは、操舵室3の天井面3bに取り付けられ、船体60(図1参照)の中心線Lへ向かうように延設される下方部17と、この下方部17と屈曲部19を介して接続され、中心線Lと一致するように鉛直上方へ向かって延設される直線状の上方部18と、からなるマスト20を備える。
図6(b)に示すように、下方部17は、鉛直上方から視た場合に互いに傾斜するように間隔を空けて対向する一対の縦桟17a,17aと、この一対の縦桟17a,17aの間に懸架される複数の横桟17bと、からなる略梯子状構造をなす。すなわち、一対の縦桟17a,17aが互いに接近するように傾斜しながら鉛直上方Vへ向かうように屈曲し、上方部18へと変化する部分が屈曲部19である。
上部構造1cのこれ以外の構成については、実施例の上部構造1の構成と同様である。
本実施例の車輌等運搬用船舶Sの上部構造1においては、支持体4によって、操舵室3が縦支持部5の高さ分甲板2よりも高い位置に配置されることで、操舵室3の直下に空間7が形成される。さらに、操舵室3が、中心線Lに一致するのではなく一方の舷側2aに配置されることから、従来のように操舵室の直下に空間が形成されない場合と比較して、居室50用のスペースや車輌等の積載スペース51が拡張される。より詳細には、縦支持部5と底面支持部6によって、操舵室3の底面3aは、甲板2と平行になるように保持される。
なお、操舵室3が一方の舷側2aに配置されることや、空間7に車輌51a等が収容されることによって、船体60の舷側2aに荷重が偏るおそれがあるが、バラスト水を注入可能なバラストタンク8が設けられることで、バラスト水の荷重と、操舵室3及び居室50等の荷重がつり合い、舷側2a,2b方向のローリングの頻度やその程度が軽減される。
また、下方部9と上方部10により、マスト12が中心線に一致して配置され、マスト灯12aも同様に配置される。なお、中心線Lに配置された操舵室の鉛直上方にマストが設置されるという従来の構成を維持したまま、操舵室3を一方の舷側2aに配置すると、マスト灯12aが中心線L上に設置されなくなるという不利益が発生する。しかし、上部構造1においては、上記の構成により、このような不利益が解決されている。
さらに、支持体4が設置されることによって、従来、一方の舷側2aに設置されていた舷灯13aが設置困難になるという不利益が解決される。
そして、上部構造1においては、底面支持部6が張出部6aを備えることから、出入口3dを出入りする際に、乗員が甲板2へ落下することが防止される。
また、マスト12の下方部9が板状体であることから、マスト12に近づいてメンテナンスを行う際の足場として利用可能である。
次に、本実施例の第1の変形例に係る上部構造1aにおいては、縦支持部14を補強する補強部材16,16が備えられることから、操舵室3の荷重によって縦支持部14が変形又は破損し、底面支持部15が甲板2に対して傾斜することが防止される。また、補強部材16,16は、底面支持部15の短辺付近にそれぞれ設置されるため、底面支持部15が甲板2と平行になるように強固に保持される。
上部構造1aのこれ以外の作用については、実施例の上部構造1の作用と同様である。
さらに、本実施例の第2の変形例に係る上部構造1bにおいては、空間7に車輌51aの積載スペース51が設けられることから、従来、操舵室3が設けられることで制限されていた車輌51a等の積載スペース51が増大する。
上部構造1bのこれ以外の作用については、実施例の上部構造1の作用と同様である。
続いて、本実施例の第3の変形例に係る上部構造1cにおいては、下方部17は、一対の縦桟17a,17aと複数の横桟17bからなる略梯子状構造をなすことから、横桟17bによって乗員の足底がホールドされ、上部構造1の下方部9と比較して滑り難いという作用が発揮される。
上部構造1cのこれ以外の作用については、実施例の上部構造1の作用と同様である。
以上説明したように、実施例に係る上部構造1によれば、空間7が居室50用のスペースとして利用されると、従来と比較して、乗船効率を向上させることができる。この場合の乗船効率とは、同じ甲板の面積を有する車輌等運搬用船舶において、操舵室が船体の中心線Lに沿った甲板上に配置されている場合の乗船人数に対する、上部構造1が採用された場合の乗船人数の割合を言う。
また、下方部9と上方部10の形状や大きさを調整することで、使用目的に応じて居室50等のレイアウトを様々に設定可能なため、汎用性も良好である。
さらに、上部構造1によれば、バラストタンク8が設けられることで、舷側2a,2b方向のローリングの頻度やその程度が軽減されるため、航行時の安全性を確保することができる。もちろん、区画8a〜8dへバラスト水がそれぞれ独立して注入されることにより、操舵室3等の荷重の変化に細かく対応可能である。
加えて、下方部9と上方部10により、マスト灯12aが中心線Lに一致して配置されることから、前述した法律上の要件を満たすことができる。また、下方部9は、乗員の足場として利用できるので、操舵室3が一方の舷側2aに配置されたことによる不利益を解消可能である。
そして、舷灯13aが一方の舷側2aに設置されるため、車輌等運搬用船舶Sが全長20メートル以上の小型船舶の場合、前述した法律上の要件を満たすことができる。
また、本実施例の第1の変形例に係る上部構造1aによれば、補強部材16,16によって、操舵室3の傾斜を防止するとともに、空間7を安定的に維持することができる。したがって、旅客や乗員の危険を回避し、車輌等を確実に輸送することが可能である。また、補強部材16,16は、底面支持部15の短辺付近にそれぞれ設置されるが、この他にも配置や本数が適宜調整されても良いので、この場合、居室50等のレイアウトへの柔軟な対応と、旅客等の安全性を同時に確保することができる。
上部構造1aのこれ以外の効果については、実施例の上部構造1の効果と同様である。
次に、本実施例の第2の変形例に係る上部構造1bによれば、空間7が積載スペース51として利用されると、従来と比較して、積載効率を向上させることができる。この場合の積載効率とは、同じ甲板の面積を有する車輌等運搬用船舶において、操舵室が船体の中心線に沿った甲板上に配置されている場合の車輌等の積載スペースに対する、上部構造1が採用された場合の車輌51a等の積載スペース51の割合を言う。
上部構造1bのこれ以外の効果については、実施例の上部構造1の効果と同様である。
さらに、本実施例の第3の変形例に係る上部構造1cによれば、下方部17によって、上部構造1の下方部9と比較して滑り難いことから、作業時の落下事故を防止することができる。
上部構造1cのこれ以外の効果については、実施例の上部構造1の効果と同様である。
なお、本発明の車輌等運搬用船舶Sの上部構造1,1a〜1cは、本実施例に示すものに限定されない。例えば、底面支持部6は、一様な平板状をなす他にも複数の棒状体が格子状に組み合わされ略平板状に形成されたものであっても良い。そして、操舵室3、支持体4及びマスト12,20等は、ランプドア61aとランプドア61bの中間部に配置される代わりに、この中間部からランプドア61a,61bのいずれか寄りに配置されても良い。また、バラストタンク8も、上記の中間部以外に、操舵室3等の配置に対応して配置されても良く、区画8a〜8dよりも多く、又は少なく区画されても良い。
さらに、底面3aが甲板2と平行になるように保持される限り、縦支持部5は甲板2に対し直角以外の角度で立設されても良く、底面支持部6が縦支持部5に対し直角以外の角度をなして取り付けられても良い他、他端16bは甲板2のいずれかの位置に取り付けられても良い。また、操舵室3の底面3aを支持する底面支持部6と、補強部材16は、底面3aが甲板2と平行になるように保持される限り、長尺状に形成される他、湾曲形状や階段形状等に形成されても良い。この他、一対の縦桟17a,17aは、互いに平行し、屈曲部19をも含めた形状が略コ字状に形成されても良い。
本発明は、車輌等運搬用船舶の総トン数を問わず、その上部構造として利用可能である。このうち、小型の車輌等運搬用船舶の上部構造及びそれを採用した船舶として、特に有効である。
1,1a〜1c…上部構造 2…甲板 2a…一方の舷側 2b…他方の舷側 3…操舵室 3a…底面 3b…天井面 3c…側壁面 3d…出入口 4…支持体 5…縦支持部 6…底面支持部 6a…張出部 7…空間 8…バラストタンク 8a〜8d…区画 9…下方部 10…上方部 11…屈曲部 12…マスト 12a…マスト灯 12b…船尾灯 13a,13b…舷灯 14…縦支持部 15…底面支持部 16…補強部材 16a…一端 16b…他端 16c…体部 17…下方部 17a…縦桟 17b…横桟 18…上方部 19…屈曲部 20…マスト 50…居室 50a…バリアフリー便所 51…積載スペース 51a…車輌 60…船体 61a,61b…ランプドア 62…側壁 K…機器 L…中心線 S…車輌等運搬用船舶

Claims (6)

  1. 居室や車輌等の積載スペースが設けられる甲板と、この甲板に設置される操舵室と、を備える車輌等運搬用船舶の上部構造であって、
    前記甲板の一方の舷側に設置され、前記操舵室を支持する支持体を備え、
    この支持体は、前記一方の舷側に立設される縦支持部と、この縦支持部に対し一定角度をなして取り付けられ、前記操舵室の底面を支持する底面支持部と、を備え、
    前記甲板と、前記縦支持部と、前記底面支持部と、で囲まれる空間が形成され
    前記操舵室の天井面に取り付けられ、前記車輌等運搬用船舶の船体の中心線へ向かうように延設される下方部と、
    この下方部と屈曲部を介して接続され、前記中心線と一致するように鉛直上方へ向かって延設される上方部と、からなるマストを備えることを特徴とする車輌等運搬用船舶の上部構造。
  2. 前記甲板の他方の舷側に、バラストタンクが設置されることを特徴とする請求項1記載の車輌等運搬用船舶の上部構造。
  3. 前記縦支持部又は前記甲板に取り付けられる一端と、前記底面支持部に取り付けられる他端と、前記一端と前記他端を連結する体部と、からなり、前記底面を前記甲板と平行になるように保持する補強部材を備えることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の車輌等運搬用船舶の上部構造。
  4. 前記下方部は、間隔を空けて対向する一対の縦桟と、この一対の縦桟の間に懸架される複数の横桟と、からなる梯子状構造をなすことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車輌等運搬用船舶の上部構造。
  5. 前記操舵室に、舷灯が設置されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車輌等運搬用船舶の上部構造。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の上部構造を備えることを特徴とする車輌等運搬用船舶。
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