JP6048868B2 - 核磁気共鳴現象測定用rfコイル - Google Patents

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Description

本発明は、核磁気共鳴現象を励起または検出するためのRFコイルに関する。
核磁気共鳴現象(NMR: Nuclear Magnetic Resonance)を利用した装置として、NMR装置やMRI(Magnetic Resonance Imaging)装置が実用化されている。磁場中におかれた原子核はゼーマン分裂を起こして、複数のエネルギー準位に分かれる。これらの準位のエネルギー差に相当するエネルギー(周波数によって決定される)を電磁波によって与えることで、エネルギーの吸収と放出が発生する。この現象が核磁気共鳴現象である。NMR装置やMRI装置は、物理学、化学の分野に限られず、生物学、医学、薬学、農学、食品科学、材料科学、化学工業などの様々な分野で幅広く利用されている。例えば、有機化学などにおける構造決定や同定、タンパク質などの立体構造解析や分子間相互作用解析、医療用MRIなどである。
これらの装置は、同一同位体種の原子核でも試料中での各原子周囲の磁気的環境によって生じるわずかな周波数変化や核磁気共鳴の緩和現象を測定することができる。これにより、化学シフト、信号強度(定量)、緩和時間、スピン結合、NOE(Nuclear Overhauser Effect: 核オーバーハウザー効果)などの情報を得ることができる。これらの情報か
ら分子構造、分子間相互作用、運動性などを求めることが可能である。このように、非侵襲的に原子レベルの測定が可能であるという利点がある。一方、測定信号が弱い(感度が悪い)という問題がある。これは、ゼーマン分裂によるエネルギー差は非常に小さく、それぞれのエネルギー準位の占有数はボルツマン分布に依存するためである。
信号強度は、磁場強度の3/2乗に比例するため、NMR装置やMRI装置において磁場強度を向上させる開発が行われてきた。現在は、残余磁気双極子間相互作用の観測や、TROSY効果、四極子核の観測などでは23.5T(1Hの共鳴周波数で1GHz)以
上の強磁場が必要とされている。そのため、今後も超電導磁石の開発による磁場強度の向上が続けられていくと予想できる。
核磁気共鳴現象を発生させるには、超電導磁石などによる静磁場と直交する向きに核磁気共鳴周波数の信号を送受信するアンテナ(RFコイル)が必要となる。パワーアンプから高周波信号をこのRFコイルに送信し測定試料に高周波磁場(B1磁場)を照射するこ
とで励起状態を作り出し、測定試料から発生するNMR信号をRFコイルによって受信する。
NMR装置やMRI装置に用いられる従来のRFコイルとして、図19に示すような形状のRFコイルが知られている。図19(A)は非特許文献1などで紹介されており、Alderman−Grant型と称される。図19(B)は、非特許文献2などで紹介されており、鞍型と称される。これらのRFコイルは巻き数1ターンのコイルである。RFコイルの巻き数を増やすと自己共振周波数が低くなってしまい、高い周波数ではRFコイルとして利用できないためである。
自己共振周波数(Self Resonance Frequency)とは、コイルがコイルとして振る舞える最大の周波数である。コイルには望まなくても浮遊キャパシタンスが存在し、これとの間で並列共振を起きるため自己共振が生じる。自己共振周波数よりも高い周波数では、コイルはコイルとして機能せずコンデンサとして機能してしまう。
Alderman DW, Grant DM. "Efficient Decoupler Coil Design which Reduces Heating in Conductive Samples in Superconducting Spectrometers", Journal of Magnetic Resonance, 1979;36:447-451. Gerald J. Kost, et. al., "A Cylindrical-Window NMR Probe with Extended Tuning Range for Studies of the Developing Heart", Journal of Magnetic Resonance, 1989;82:238-252.
900MHz程度のNMR装置では、図19に示した形状のRFコイルが用いられているが、このRFコイルの自己共振周波数は900MHzから1GHz程度である。核磁気共鳴周波数が1GHz(静磁場強度で23.5T)を超える場合には、900MHz用のRFコイルをそのまま利用することができない。したがって、RFコイルの自己共振周波数を従来よりも高くする必要がある。
なお、RFコイルの自己共振周波数の高周波化は、1GHz超のNMR装置のみに要請されるわけではない。RFコイルの自己共振周波数は、RFコイルの大きさやその他の要因によっても規定される。したがって、1GHzよりも低い共鳴周波数を用いるNMR装置やMRI装置においても、磁場強度の向上により核磁気共鳴周波数が高くなれば、いずれ自己共振周波数の限界に到達してしまう。
自己共振周波数の向上させるための最も簡単な方法は、RFコイルや測定試料の直径を小さくすることである。しかしこの方法では、測定感度の低下につながるため好ましくない。また、他の方法として垂直バンド部とガードリングの距離を離すという手法もあるが、キャパシタンス成分の低下により自己共振周波数は向上するものの、測定試料空間の直径は変化せずコイルの直径が大きくなり、これによりコイルと測定試料の距離が離れてしまう。また、高周波磁場が照射されてしまう測定試料が存在しない空間も大きくなりRFコイルの効率が低下し、コイルの性能が低下してしまう。
このような課題を考慮し、本発明の目的は、測定感度の低下を招くことなく、従来よりも高い自己共振周波数を有する核磁気共鳴現象測定用のRFコイルを提供することにある。
本発明にかかるRFコイルは、核磁気共鳴現象を励起または検出するためのRFコイルであって、
外形がほぼ円筒形または楕円筒形または多角筒形をしており、前記円筒または楕円筒または多角筒の軸方向に離間して設けられた2つのガードリングと、
前記軸方向に延びるほぼ直線形状の第1および第2の垂直バンド部であって、互いに対向して設けられた第1および第2の垂直バンド部と、
を備え、
各ガードリング位置において、
(1)前記第1および第2の垂直バンド部の両方が、ほぼ直線形状またはテーパ形状(順テーパと逆テーパを含む)のストレート型、または、
(2)前記第1および第2の垂直バンド部の両方が、ほぼ直線形状またはテーパ形状のストレート型であり、かつ、ガードリングの周面に対向する位置であり前記第1および第2の垂直バンドの間に、これらの垂直バンド部と分離して分離ウィング部が設けられた分離ウィング型、または、
(3)前記第1および第2の垂直バンド部の一方は、ほぼ直線形状またはテーパ形状であり、他方の垂直バンド部は、ガードリングに沿って前記一方の垂直バンド部に突出するウィング部を有する非対称ウィング型、または、
(4)前記第1および第2の垂直バンド部が、ガードリングの周面に対向して設けられた接続部によって接続されている接続型、
のいずれかの構造をとる。
本発明の一態様にかかるRFコイルは、上記のストレート型同士の組合せであり、
外形がほぼ円筒形または楕円筒形または多角筒形をしており、前記円筒または楕円筒または多角筒の軸方向に離間して設けられた2つのガードリングと、
前記軸方向に延びるほぼ直線形状またはテーパ形状の第1および第2の垂直バンド部であって、互いに対向して設けられた第1および第2の垂直バンド部と、
を備える。
本発明の別の一態様にかかるRFコイルは、上記の分離ウィング型同士の組合せであり、
外形がほぼ円筒形または楕円筒形または多角筒形をしており、前記円筒または楕円筒または多角筒の外形がほぼ円筒形であり、軸方向に離間して設けられた2つのガードリングと、
前記軸方向に延びるほぼ直線形状またはテーパ形状の第1および第2の垂直バンド部であって、互いに対向して設けられた第1および第2の垂直バンド部と、
を備え、
前記ガードリングの周面と対向する位置であり、前記第1および第2の垂直バンド部の間に、これらの垂直バンド部と分離して設けられた分離ウィング部をさらに備える。
上記のRFコイルにおいて、前記2つのガードリングは、前記分離ウィング部と対向する位置において、分割されている、ことも好ましい。
また、前記分離ウィング部は、前記第1および第2の垂直バンド部と比較して、前記ガードリングからより離れた位置に設けられる、ことも好ましい。
また、前記第1および第2の垂直バンド部の軸方向の長さは、前記2つのガードリングの上端と下端の間の長さよりも短く、ガードリングの上端または下端において前記第1および第2の垂直バンドと対向しない部分を有する、ことも好ましい。
また、前記第1および第2の垂直バンドと対向しないガードリングの上端または下端において、前記分離ウィング部を接続する接続部が前記ガードリングの周面と対向する位置に設けられる、ことも好ましい。
また、本発明の別の一態様にかかるRFコイルは、上記の非対称ウィング型同士の組合せであり、
外形がほぼ円筒形または楕円筒形または多角筒形をしており、前記円筒または楕円筒または多角筒の軸方向に離間して設けられた2つのガードリングと、
前記軸方向に延びるほぼ直線形状またはテーパ形状の第1および第2の垂直バンド部であって、互いに対向して設けられた第1および第2の垂直バンド部と、
を備え、
前記第1の垂直バンド部は、一方のガードリング付近において、当該ガードリングに沿って前記第2の垂直バンド部に向かって突出する第1のウィング部を有し、前記一方のガードリングとは異なる他方のガードリング付近においてほぼ直線形状またはテーパ形状であり、
前記第2の垂直バンド部は、前記他方のガードリング付近において、当該ガードリングに沿って前記第1の垂直バンド部に向かって突出する第2のウィング部を有し、前記一方のガードリング付近においてほぼ直線形状またはテーパ形状である。
また、本発明の別の一態様にかかるRFコイルは、上記の非対称ウィング型同士の組合せの変形であり、
核磁気共鳴現象を励起または検出するためのRFコイルであって、
外形がほぼ円筒形または楕円筒形または多角形筒形をしており、前記円筒または楕円筒または多角筒の軸方向に離間して設けられた2つのガードリングと、
前記軸方向に延びるほぼ直線形状またはテーパ形状の第1および第2の垂直バンド部であって、互いに対向して設けられた第1および第2の垂直バンド部と、
を備え、
前記第1の垂直バンド部は、前記2つのガードリング付近において、ほぼ直線形状またはテーパ形状であり、
前記第2の垂直バンド部は、前記2つのガードリング付近において、各ガードリングに沿って前記第1の垂直バンド部に向かって突出するウィング部をそれぞれ有する。
このような構成を採用することで、RFコイルのインダクタンスを下げたり、試料とRFコイルの距離を遠くしたりすることなく、キャパシタンスを低下させることができる。したがって、信号強度の低下を招くことなく、RFコイルの自己共振周波数を高くすることができる。
また、上記の非対称ウィング型の組合せまたはその変形にかかるRFコイルにおいて、前記第1および第2の垂直バンド部がほぼ直線形状またはテーパ形状をとる端部の軸方向の長さは対向する垂直バンド部の軸方向の長さよりも短く、前記ガードリングの端部はほぼ直線形状またはテーパ形状をとる垂直バンド部と対向しない部分を有する、ことも好ましい。
また、前記垂直バンドと対向しないガードリングの端部において、前記ウィング部を接続する接続部が前記ガードリングの周面と対向する位置に設けられる、ことも好ましい。
また、本発明の別の一態様にかかるRFコイルは、上記の非対称ウィング型同士の組合せのさらなる変形であり、
外形がほぼ円筒形または楕円筒形または多角筒形をしており、前記円筒または楕円筒または多角筒の軸方向に離間して設けられた2つのガードリングと、
前記軸方向に延びるほぼ直線形状またはテーパ形状の第1および第2の垂直バンド部であって、互いに対向して設けられた第1および第2の垂直バンド部と、
を備え、
前記第1および第2の垂直バンド部は、前記2つのガードリング付近において、各ガードリングに沿って他方の垂直バンド部に向かって突出するウィング部をそれぞれ有し、
前記ガードリングの周方向において互いに対向する前記第1の垂直バンド部のウィング部と前記第2の垂直バンド部のウィングの周方向の長さが、互いに異なる。
本発明において、前記第1および第2の垂直バンド部と前記ガードリングとの間の距離は、端部においてより大きくすることも好ましい。
本発明において、第1および第2の垂直バンド部の軸と垂直な断面形状は、円弧形状(真円弧と楕円弧を含む)であっても良いし、一つの平板としても良く、また、複数の平板を組み合わせた形状としても良い。
また、本発明において、第1および第2の垂直バンド部は、ガードリングの外側に設けられても良いし、内側に設けられても良い。
また、本発明において、第1および第2の垂直バンド部は、ガードリングの周面と対向しない部分に、スリット部を有しても良い。
本発明によれば、従来よりも高い自己共振周波数を有する核磁気共鳴現象測定用のRFコイルを実現することができる。
第1の実施形態にかかるRFコイルの形状を示す図。 第1の実施形態にかかるRFコイルの特性を示すシミュレーション結果(スミスチャート)である。 第2の実施形態にかかるRFコイルの形状を示す図。 第2の実施形態にかかるRFコイルの特性を示すシミュレーション結果(スミスチャート)である。 第2の実施形態の変形例にかかるRFコイルの形状を示す図。 第3の実施形態にかかるRFコイルの形状を示す図。 第3の実施形態の変形例にかかるRFコイルの形状を示す図。 第3の実施形態にかかるRFコイルの特性を示すシミュレーション結果(スミスチャート)である。 変形例にかかるRFコイルの形状を示す図。 変形例にかかるRFコイルの形状を示す図。 変形例にかかるRFコイルの形状を示す図。 変形例にかかるRFコイルの形状を示す図。 変形例にかかるRFコイルの形状を示す図。 変形例にかかるRFコイルの形状を示す図。 変形例にかかるRFコイルの形状を示す図。 変形例にかかるRFコイルの形状を示す図。 変形例にかかるRFコイルの形状を示す図。 変形例にかかるRFコイルの形状を示す図。 NMR装置の概要を示す図である。 従来技術にかかるRFコイルの形状を示す図である。 RFコイルの等価回路である。
図18Aは、本実施形態にかかるNMR装置100の概要を示す図である。超電導磁石101の内部には、超伝導線により主コイル102が巻回されている。主コイル102は、通常、液体ヘリウム等を蓄えることができる断熱容器(不図示)中に置かれ、転移温度以下に冷却されている。NMRプローブ103は、このような磁石の外側に配置されるベース部と、磁石の内部に挿入される筒状部とから構成される。筒状部は、通常、超電導磁石101の中心軸に沿って貫通された筒状の穴104に向けて下側の開口部から上方向に向けて挿入される。
図18Bは、NMRプローブ103の内部構造を示す図である。NMRプローブ103には測定対象の溶液試料を入れたサンプル管が上方から挿入される。NMRプローブ103には、超電導磁石101が作る静磁場B0と垂直方向の磁場B1を印加するために、RFコイル106が組み込まれている。RFコイル106から高周波磁場B1を試料に送信し
て核磁気共鳴現象を励起し、緩和現象に伴って生じる電磁波(NMR信号)をRFコイル
106によって検出(受信)する。なお、標準的に使われるサンプル管の直径は5mmであり、したがってRFコイル106の直径は5mmより大きく通常RFコイルの最小内径が5.4mmから10mmの間である。である。RFコイル106が作る横向き磁場の周波数は、静磁場強度に比例する。例えば、静磁場強度が24.2Tであれば、1.03GHzの磁場が必要となる。
高周波磁場を作成するためには、RFコイル106の自己共振周波数はその周波数以上でなければならない。自己共振周波数は、コイルがコイルとして振る舞える最大の周波数である。コイルには浮遊キャパシタンスが存在し、これとの間で並列共振が起きるため自己共振が生じる。RFコイル106の自己共振周波数は、以下の式で表される。
Figure 0006048868
ここで、Lはコイルのインダクタンス、Cはコイルのキャパシタンスである。
自己共振周波数を大きくするための解決策として、RFコイルを小さくしたり、ターン数を減らしたりすることによって、Lを小さくすることが考えられる。RFコイルを小型化すると、従来使用されている5mmのサンプル管が利用できなくなるという問題がある。また、ターン数はすでに1ターンでありこれ以上減らすことはできない。また、RFコイルを小型化して自己共振周波数を上昇させても、サンプル量が減ってしまうため測定感度が悪化してしまう。
したがって、自己共振周波数を大きくする解決策としては、RFコイルの大きさを変えることなく、キャパシタンスを減少させる必要がある。図19に示すような、Alderman−Grant型コイルのキャパシタンス成分は、垂直バンド部のウィング部が向かい合っている部分に発生するキャパシタンス、垂直バンド部とガードリングの間に発生するキャパシタンス、RFコイルと周囲の金属間に発生する浮遊キャパシタンスからなる。Alderman−Grant型コイルの等価回路を図20に示す。このように、2つのインダクタンスLR,LLの間には、垂直バンド部のウィング部が向かい合っている部分のキャパシタンスCLRと、垂直バンド部とガードリングの間のキャパシタンスが並列に接続されることになる。なお、垂直バンド部とガードリングの間のキャパシタンスは、一方の垂直バンド部とガードリングの間のキャパシタンスCLGおよび他方の垂直バンド部とガードリングの間のキャパシタンスCRGが直列に接続された構成になっている。RFコイルの自己共振周波数を向上させるためには、これらのキャパシタンスCLR,CRG,CLGのうち少なくともいずれかを小さくすることが必要である。
なお、垂直バンド部とガードリングの間に発生するキャパシタンスを減少させるために、垂直バンド部とガードリングの距離を離すという手法もある。しかし、そうするとコイルと測定試料の距離が離れてしまい、高周波磁場が照射される測定試料が存在しない空間も大きくなってRFコイルの効率が低下してしまう。したがって、本発明においては、この方法以外によって、RFコイルのキャパシタンス成分を低下させる。
以下、性能を下げることなく自己共振周波数を向上させたRFコイルのいくつかの具体的な実施形態について説明する。
<第1の実施形態:ストレート型>
図1Aに、第1の実施形態にかかるRFコイルの外観を示す。本実施形態では、Alderman−Grant型コイルのウィング部を除去し、垂直バンド部とガードリングの
間の極板面積を減少させることで、キャパシタンスを減少させる。なお、本実施形態にかかるRFコイルを、本明細書中では「ストレート型」と称する。
本実施形態にかかるRFコイル10は、大略、上部ガードリング11、下部ガードリング12、および2つの垂直バンド部13,14から構成される。なお、本明細書中において、上下方向とは、超電導磁石101が作る静磁場の方向を意味し、図18に示すようなNMR装置では鉛直方向を意味する。また、左右方向とは、静磁場の方向と垂直な方向を意味する。ただし、NMR装置(あるいはMRI装置)の構成によっては、静磁場の向きが鉛直方向以外(例えば、水平方向)になる場合もあるので、その場合は本明細書における向きについての用語を適宜読み替えればよい。
ガードリング11,12は、それぞれ円筒形(楕円筒形を含む)をしており、円筒の軸方向に離間して同軸に配置されている。また、垂直バンド部13,14は、ガードリング11,12の外側に配置され、それぞれが上下方向に延びる。垂直バンド部13,14は、ガードリング11,12の外側に配置され、互いの垂直バンド部は対向している。また、本実施形態では、垂直バンド13,14は、ガードリング11,12の外周に沿うように、垂直断面形状は円弧状(楕円弧上を含む)である。また本実施形態においては、垂直バンド部13,14の上端位置と上部ガードリング11の上端位置は一致し、垂直バンド部13,14の下端位置と下部ガードリング12の下端位置は一致する。ただし、垂直バンド部の端部位置とガードリングの端部位置を一致させることは必要ではなく、これらの位置を異なるようにしても構わない。
垂直バンド部13,14とガードリング11,12の間には、石英管などの筒状の誘電体(不図示)が設けられる。ただし、これはRFコイルの形状の維持を目的とするためのものであり、電磁気的には必須ではない。したがって、RFコイルが自立するだけの強度があれば筒状誘電体を省略しても構わない。
コイルに対する給電は任意の方法で行えば良い。例えば、垂直バンド部とガードリングから給電しても良いし、2つの垂直バンド部から給電を行っても良いし、2つのガードリングから給電を行っても良い。
本実施形態における垂直バンド部13,14は、円周方向端部の形状が直線状となっている点で、ガードリング付近でウィング部が設けられるAlderman−Grant型コイルと異なる。なお、本実施形態における垂直バンド部の軸方向の先端部はテーパ形状であっても良いが、ガードリングが存在しない部分(以下、本明細書では「窓」と称する)では、直線形状にすることが好ましい。
このような構成を採用することで、垂直バンド部とガードリングの間の極板面積が減少し、キャパシタンスが小さくなるため、自己共振周波数を向上させることができる。この際、コイルサイズやインダクタンスは減少しないので、測定感度の減少も伴わない。また、窓の部分において、電流が流れる縁部分で角が無いので、損失が生じないという利点もある。また、RFコイルの形状が単純であり、静磁場(B0)磁場均一度を乱しにくいと
いう利点もある。さらに、形状が単純であるため、製造が容易であるという利点もある。
本実施形態にかかるRFコイルの特性をシミュレーションによって解析した結果を図2に示す。図2は、RFコイルに給電ポートを取り付けたときの周波数ごとの複素インピーダンスを表示しており、通常スミスチャートと呼ばれている。
まず、実施したシミュレーション方法について説明する。シミュレーションにはCST社の3次元高周波電磁界シミュレーションソフトMICROWAVE STUDIOを用
いて過渡応答解析を行った。RFコイルの二つの垂直バンドの下部それぞれに短いワイヤを取り付け、何も接続されていない二つのワイヤ端同士をつなぐように50Ωにマッチングされた平衡型の給電用ポートを取り付けた。この解析では、給電ポートから高周波パルスを入力しそれに対するRFコイルの応答を、時間領域の電磁界解析手法であるFDTD法を用いて計算を行う。時間領域のパルス入力と結果をフーリエ変換すれば周波数領域の結果を得ることができる。得ることができる結果は、解析対象内の周波数ごとの磁場分布、電場分布、電流分布、それらによるエネルギーの蓄積や損失の発生、給電ポートに対応する応答として周波数ごとの複素インピーダンス(スミスチャート)などである。得られたスミスチャートを解析することでRFコイルの自己共振周波数を求めることができる。また、上記の結果を組み合わせることでRFコイルの性能を評価することも可能である。
シミュレーションと実際に製作したRFコイルの測定値を比較する際には、垂直バンド部と石英管などの筒状の誘電体の間、石英管などの筒状の誘電体とガードリングの間に発生する隙間の大きさ(通常0.1mm未満)まで考慮してシミュレーションを行うとより精度よく解析を行うことができるが、計算メッシュ数が膨大になり計算時間が長くなるため、このような計算は通常行わない。また、隙間等の大きさを考慮したシミュレーションでも、考慮しないシミュレーションでも、RFコイルの形状に依存する自己共振周波数の変化等のような相対値におおよそ乖離は無い。従って、隙間等の大きさを考慮しないシミュレーションによっても精度良く計算することができ、結果は信頼のおけるものである。一方、RFコイルをNMR装置やMRI装置で使用する場合、測定試料によってRFコイルの共振周波数が変わってしまう。これに対応するために調整用のトリマコンデンサをRFコイルに接続することが一般的に行われている。この調整用トリマコンデンサを取り付けるとキャパシタンスが増えるため共振周波数が低下する。したがって、実際のRFコイルの設計、解析、製作ではこれらを考慮してRFコイルの共振周波数を決定する必要がある。
スミスチャートでは、周波数ごとの複素インピーダンスがひとつの点で表示される。周波数が上昇するにつれて、その点は通常時計回りに移動していく。ある素子のある周波数の複素インピーダンスを示す点がスミスチャートの上半分に存在する場合、その素子はその周波数ではインダクタンス的に振舞うことを示しており、下半分に存在する場合キャパシタンス的に振舞うことを示している。
実際の素子やそれを解析するシミュレーションの場合、複素インピーダンスが複雑に変化し周波数を上昇させるとスミスチャート上で時計回りに何周もすることがある。これはその素子が周波数領域ごとにさまざまな磁場、電場、電流分布(モード)を持っていることを示している。RFコイルの場合も同様のことが起こるが、RFコイルとして静磁場に垂直な向きに高周波磁場を効率よく作ることができるのは最初のモード、つまりスミスチャートの上半分に存在する周波数領域のうち一番低い周波数領域である。したがって、RFコイルとして使用できる限界を示す自己共振周波数は、周波数の上昇に連れてスミスチャート上を時計周りに回る複素インピーダンスのうち一番最初に右端中央を上から下へ通過する点に対応する周波数となる。
また、別の見方をすると、本実施形態にかかるRFコイルはインダクタンス(L)とキャパシタンス(C)の並列共振回路とみなすことができる。LC並列共振回路の場合共振周波数では複素インピーダンスが無限大となるため、スミスチャート上では右端中央に位置することになる。
本実施形態にかかるRFコイルのうち、5mmのNMR試料管用に設計したRFコイルについて上記の方法により自己共振周波数を求めた。その結果は、1066MHzであった。一方、従来型の垂直バンドが二つに分割されたAlderman−Grant型で同
様の直径で設計したRFコイルの場合、自己共振周波数は842MHzという結果が得られた。したがって、自己共振周波数が224MHzと大幅に上昇しより高い周波数で使用することができることが確認できた。
<第1の実施形態の変形例>
第1の実施形態では、垂直バンド部の形状を直線形状として説明したが、図1Bに示すように、軸方向の先端部13u,13b,14u,14bにおいて先端ほど幅が狭い先細り形状(順テーパ形状)としても良い。図1Bに示すように、ガードリングが存在しない窓部分では直線形状にし、ガードリングが存在する部分において先細り形状としても良いし、窓部分から先細り形状にしても良い。また、先端部に角を設けず、丸みを持たせることも好ましい。このように、角を設けないことで損失を抑制することができる。また、先細り形状とすることで、垂直バンド部とガードリングの間の極板面積をさらに小さくできるので、キャパシタンスを低下させることができる。
<第2の実施形態:分離ウィング型>
図3Aに、第2の実施形態にかかるRFコイル20の外観を示す。本実施形態では、第1の実施形態のRFコイルの構造に加えて、2つの垂直バンド部23,24の間であってガードリング21,22の周面と対向する位置に、垂直バンドから分離した分離ウィング部25−28が設けられている。その他の構造については、第1の実施形態と同様である。なお、本実施形態にかかるRFコイルを、本明細書中では「分離ウィング型」と称する。
2つの垂直バンド部間の合成キャパシタンスのうち、ガードリングを経由しないキャパシタンスに着目すると、Alderman−Grant型コイルではウィング部間の1つのコンデンサ(図20におけるCLR)によるものであるのに対して、本実施形態では垂直バンド部と分離ウィング部の間の直列な2つのコンデンサによるものになる。本実施形態における垂直バンド部と分離ウィングの間のそれぞれの距離が、Alderman−Grant型コイルにおけるウィング部間の距離と等しいとすれば、本実施形態におけるキャパシタンス成分はAlderman−Grant型コイルの半分とすることができる。なお、本実施形態において垂直バンド部と分離ウィング部の間の距離を、Alderman−Grant型コイルの場合の半分よりも大きくすれば、全体的なキャパシタンス成分を小さくすることができる。また、第1の実施形態と同様に垂直バンド部とガードリングの間の極板面積が減少し、キャパシタンスが小さくなるため、自己共振周波数を向上させることができる。
本実施形態にかかるRFコイルの特性をシミュレーションによって解析した結果を図4に示す。図4は、RFコイルに給電ポートを取り付けたときの周波数ごとの複素インピーダンスをスミスチャートで示している。本実施形態にかかるRFコイルのうち、5mmのNMR試料管用に設計したRFコイルについて上記の方法により自己共振周波数を求めた。その結果は、1070MHzであった。一方、従来型の垂直バンドが二つに分割されたAlderman−Grant型で同様の直径で設計したRFコイルの場合、自己共振周波数は842MHzという結果が得られた。したがって、自己共振周波数が228MHzと大幅に上昇しより高い周波数で使用することができることが確認できた。
<第2の実施形態の変形例>
第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様に、図3Bに示すように、垂直バンド部23,24の軸方向の先端部を先細り形状(順テーパ形状)としても良い。この場合、さらに、図3Cに示すように分離ウィング部25−28の形状を、軸方向の先端ほど幅が広い形状(逆テーパ形状)としても良い。図3Cでは、垂直バンド部23,24と分離ウィング部25−28の間の距離が一定となるように、それぞれが同一のテーパ度合いと
しているが、テーパ度合いは必ずしも同一でなくても構わない。テーパ度合いを異ならせる場合は、先端ほど垂直バンド部と分離ウィングの間の距離が広くなるようにしても良いし、狭くなるようにしても良い。
また、第2の実施形態において、図5Aに示すように、ガードリング21,22を分割しても良い。この際、ガードリング21,22の分割位置は、分離ウィング部と対向する位置とする。このようにすると、例えばガードリング21を経由する垂直バンド部23,24の間のキャパシタンスに着目すると、4つのコンデンサ(図中のC1−C4)によって直列接続されていることになる。したがって、キャパシタンス成分をより小さくして、自己共振周波数をより高くすることができる。なお、ガードリングを2分割ではなくより多くに分割しても良い。
また、第2の実施形態において、図5Bに示すように、分離ウィング部25−28とガードリング21,22との間の距離d2を、垂直バンド部23,24とガードリング21,22との間の距離d1よりも大きくすることも好ましい。このようにすれば、コイル直径の増大に伴う効率低下の影響を抑制しつつ、分離ウィング部25−28とガードリング21,22との間のキャパシタンスを小さくすることができる。
また、第2の実施形態において、垂直バンド部間に設けられる分離ウィング部の数は1つではなく2つ以上であっても良い。図16Aに垂直バンド部間に2つの分離ウィング部を設けた場合のRFコイルを示す。この例は、図5Aにおける分離ウィング部25−28をそれぞれ分離ウィング部25a−28aと分離ウィング部25b−28bの2つに分割した変形例と捉えることができる。このようにすることで、RFコイルの合成キャパシタンスを低下させることができる。図16では、垂直バンド部間に2つの分離ウィング部を設ける例を示しているが、垂直バンド部間に3つ以上の分離ウィング部を設けるようにしても構わない。
また、第2の実施形態において、垂直バンド部にウィング部が設けられていても構わない。図16Bに垂直バンド部にウィング部を設け、これらウィング部の間に垂直バンド部と分離した分離ウィング部を設けたRFコイルを示す。図に示すように、例えば、垂直バンド部23は、上部ガードリング21付近で、垂直バンド部24(より正確には、分離ウィング部25、26)に向かって突出するウィング部23a,23bを備える。ウィング部23a,23bは垂直バンド部23と接続している。同様に、垂直バンド部24は、上部ガードリング21付近で、垂直バンド部23(より正確には、分離ウィング部25,26)に向かって突出するウィング部24a,24bを備える。垂直バンド部の下端も同様である。このようにしても、垂直バンド部間のガードリングを介さないキャパシタンスが、例えば、垂直バンド部23(ウィング部23a)と分離ウィング部25、分離ウィング部25と垂直バンド部24(ウィング部24a)の2つのコンデンサが直接接続された場合と等価であるため、合成キャパシタンスが低下する。
<第3の実施形態:非対称ウィング型>
図6Aに、第3の実施形態にかかるRFコイル30の外観を示す。本実施形態では、第1の実施形態のRFコイルにおいて、垂直バンド部33にウィング部33a,33bを設け、垂直バンド部34にウィング部34a,34bを設けている。より具体的には、垂直バンド部33は、下部ガードリング32付近ではストレート形状であるのに対し、上部ガードリング31付近では、上部ガードリングの周面に沿って垂直バンド部34に向かって突出するウィング部33aおよび33bを有する。同様に、垂直バンド部34は、上部ガードリング31付近ではストレート形状であるのに対して、下部ガードリング32付近では、下部ガードリングの周面に沿って垂直バンド部33に向かって突出するウィング部34aおよび34bを有する。
Alderman−Grant型コイルでは2つの垂直バンド部から互いにウィング部が突出して向かい合うのに対し、本実施形態では、一方の垂直バンド部はストレート形状であり、他方の垂直バンドにのみウィング部が設けられている。
本実施形態にかかるRFコイルにおいては(Alderman−Grant型コイルと同様に)、例えば、ガードリング31を経由する合成キャパシタンスは、垂直バンド部33とガードリング31の間のコンデンサと、ガードリング31と垂直バンド部34の間のコンデンサの直列接続(図20におけるCLGとCRG)になる。ガードリング31と垂直バンド部34の間の極板面積(キャパシタンス)が他方に比べて十分に小さければ、ガードリング31を経由する合成キャパシタンスは、ガードリング31と垂直バンド部34の間のコンデンサに近い値となる。本実施形態では、垂直バンド部33の上端部にはウィング部を設けるが、垂直バンド部34の上端部にはウィング部を設けていない。したがって、ガードリング31と垂直バンド部34の間のキャパシタンスは小さくなり、ガードリング31を経由する合成キャパシタンスも小さくなる。
本実施形態にかかるRFコイルの特性をシミュレーションによって解析した結果を図7に示す。図7は、RFコイルに給電ポートを取り付けたときの周波数ごとの複素インピーダンスをスミスチャートで示している。本実施形態にかかるRFコイルのうち、5mmのNMR試料管用に設計したRFコイルについて上記の方法により自己共振周波数を求めた。その結果は、876MHzであった。一方、従来型の垂直バンドが二つに分割されたAlderman−Grant型で同様の直径で設計したRFコイルの場合、自己共振周波数は842MHzという結果が得られた。したがって、自己共振周波数が小幅ではあるが34MHz上昇しより高い周波数で使用することができることが確認できた。そこで図10(B)のように垂直バンド部のストレート部分を短くしたRFコイルに変更して再度シミュレーションを行った。その結果自己共振周波数は1148MHzまで上昇した。この結果より、本発明ではストレート部分の形状を変更することで容易に自己共振周波数を向上させることができることがわかった。
<第3の実施形態の変形例>
第3の実施形態にかかるRFコイルの形状は種々の変更が可能である。
第3の実施形態においても、第1および第2の実施形態と同様に、図6Bに示すように、垂直バンド部の先端部を先細り形状(順テーパ形状)としても良い。なお、本実施形態の場合は、垂直バンド部のストレート形状を取る端部(ウィング部が設けられていない端部)において、先細り形状とする。また、垂直バンド部のストレート側を先細り形状とする場合には、図6Cに示すように、ウィング部を先端部ほど幅が広い形状(逆テーパ形状)としても良い。図6Cでは、垂直バンド部とウィング部の間の距離が一定となるように、それぞれが同一のテーパ度合いとしているが、テーパ度合いは必ずしも同一でなくても構わない。テーパ度合いを異ならせる場合は、先端ほど垂直バンド部とウィング部の間の距離が広くなるようにしても良いし、狭くなるようにしても良い。
また、ストレート形状を取る側の垂直バンドの形状を、先端に行くほど徐々に幅が細くなるようにする代わりに、先端に行くほど幅が広くなる形状(逆テーパ形状)にしても構わない。この場合は、ウィングをストレート形状にしても良いし、ウィング部の形状を先端に行くほど幅が細くなる形状(順テーパ形状)にしても良い。
また、垂直バンド部とウィング部との間のなす角度は、垂直以外の角度としても構わない。
また、図6−2Dに示すように、2つの垂直バンド部33,34の両方にウィング部を設けても良い。ただし、上端部においては、垂直バンド部33のウィング部33a,33bとそれぞれ周方向に対向する、垂直バンド部34のウィング部34c,34dの周方向の長さは、ウィング部33a,33bの周方向長さよりも短く設定される。同様に、下端部においては、垂直バンド部34のウィング部34a,34bとそれぞれ周方向に対向する、垂直バンド部33のウィング部33c、33dは、ウィング部34a,34bの周方向長さよりも短く設定される。この変形例は、図6Aに示すRFコイルにおいて、ストレート形状をとる垂直バンド部の端部に、対向する垂直バンド部のウィング部の周方向長さよりも短いウィング部を設けたRFコイルということができる。あるいは、Alderman−Grant型コイルにおいて、対向する2つのウィング部について周方向長さを異ならせたということもできる。なお、図6−2Dでは、上端において垂直バンド部33が有するウィング部の周方向長さを大きくし、垂直バンド部34が有するウィング部の周方向長さを小さくしているが、これは必須ではない。例えば、ウィング部33aの周方向長さをウィング部34cの周方向長さよりも大きくし、ウィング部34dの周方向長さをウィング部33bの周方向長さより大きくしても良い。すなわち、互いに対向するウィング部の周方向長さを異ならせればよい。このようなRFコイルにおいても、垂直バンドとガードリングの間のキャパシタンスに差が生じるので、ガードリングを介した垂直バンド部間の合成キャパシタンスは、Alderman−Grant型コイルのように2つの等しいキャパシタを直列接続した場合よりも小さくなる。なお、ウィング部や垂直バンド部の一部を切り取ってもかまわない。
図6の説明では、それぞれの垂直バンド部が一方の端部においてウィング部を有し、他方の端部においてストレート形状を有するものとして説明した。しかしながら、図17Aに示すように、一方の垂直バンド部は両端においてストレート形状であり、他方の垂直バンド部が両端においてウィングを有しても構わない。より具体的には、一方の垂直バンド部33は、上端および下端の両方においてストレート形状を取るのに対し、他方の垂直バンド部34は、上端において垂直バンド部33に向かって突出するウィング部34a,34bを有し、下端において垂直バンド部33に向かって突出するウィング部34c,34dを有する。なお、ストレート形状の垂直バンド部33の先端をテーパ形状(順テーパおよび逆テーパのいずれも可)としたり、さらにウィング部をテーパ形状(順テーパおよび逆テーパのいずれも可)したりしても構わない。
<その他の変形例>
上記の説明は本発明の実施形態の例示にすぎず、本発明にかかるRFコイルは種々の形態を取ることができる。
(1.各構造の組合せ)
上記の説明では、2つのガードリング付近での垂直バンド部の形状を同様のものとしたが、それぞれ異なるようにしても良い。例えば、上記第1から第3の実施形態(およびその変形例)を、任意に組み合わせた形状とすることができる。すなわち、一端においてストレート型であり他端において分離ウィング型、一端において分離ウィング型であり他端において非対称ウィング型、一端において非対称ウィング型であり他端においてストレート型を採用しても構わない。
(2.一端における構造の変形)
さらに、一方のガードリングにおける形状は、上記の説明と異なる形状として構わない。例えば、2つの垂直バンド部の間にガードリングの周面に対向して接続部が設けられており、この接続部によって2つの接続部が接続されて、ガードリングの全周を覆うようにしても構わない。このような形状を接続型と称すると、本発明にかかるRFコイルは、一端においてストレート型であり他端において接続型(図8A)、一端において分離ウィン
グ型であり他端において接続型(図8B)、一端において非対称ウィング型であり他端において接続型(図8C)を採用しても構わない。なお、図8ではストレート型、分離ウィング型および非対称ウィング型の基本形(図1A,3A,6A)と、接続型とを組み合わせた例を示したが、各タイプの変形例(図1B,3B,3C,5A,5B,6B、6Cおよび以下で説明する図9,10,11等)と接続型を組み合わせても良い。
(3.垂直バンド部の短縮化)
また、上記の説明では、垂直バンド部の上端位置が上部ガードリングの上端位置と等しく、垂直バンド部の下端位置が下部ガードリングの下端位置と等しいものとして説明したが、垂直バンド部の長さはこれよりも短くしても構わない。特に、垂直バンド部の先端形状がストレート型(テーパ形状を含む)の場合には、垂直バンド部の端部位置をガードリングの端部位置と異なるようにしてキャパシタンスをより小さくすることも好ましい。ストレート型、分離ウィング型、非対称ウィング型のそれぞれにおける変形例を、図9に示す。
図9Aは、ストレート型において垂直バンド部を短くした構成である。すなわち、垂直バンド部13,14の上端位置13u,14uを、上部ガードリング11の上端位置11uより低い位置としている。同様に、垂直バンド部13,14の下端位置13b、14bを、下部ガードリング12の下端位置12bより高い位置としている。なお、図9Aでは、垂直バンド部13,14の上端位置13u,14uを、ガードリング11の下端位置11bよりも高い位置としているが、これは必ずしも必須ではなく、上部ガードリング11の下端位置11bよりも低い位置であっても構わない。同様に、垂直バンド部13,14の下端位置13b,14bも、下部ガードリング12の上端位置12uよりも高い位置であっても構わない。このような構成により、垂直バンド部とガードリングの間の極板面積を小さくできるので、キャパシタンス成分をより小さくできる。
図9Bは、分離ウィング型において垂直バンド部を短くした構成である。図9Aの構成と基本的に同様であるので詳細な説明は省略する。図9Cは、非対称ウィング型において、ストレート形状を取る垂直バンド部の端部(ウィング部が設けられていない端部)の上下方向の長さを短くしている。ウィング部が設けられる端部の位置は、ガードリングの端部位置と一致するようにしているが、ウィング部の端部位置についても必ずしもガードリングと一致させなくても構わない。
第3の実施形態のシミュレーション結果の説明の欄で説明したように、垂直バンド部の長さを調整することで、RFコイルの自己共振周波数を容易に調整することができる。Alderman−Grant型コイルでは、静磁場の均一度に与える影響等を考慮すると、コイル形状を調整できる余裕が少ないのに対して、本発明にかかるRFコイルではこのような調整の余地が大きい点で有利である。
(4.ウィング部の接続)
また、分離ウィング型において、垂直バンド部の長さを短くした場合には、図10Aに示すように、空き領域(垂直バンド部が存在しないガードリングの周面)を用いて、ウィング部を接続させても構わない。図10Aでは、分離ウィング部25、26を接続する接続リング25aが、ガードリング21の上端部分を取り囲むように設けられている。同様に、下部ガードリング22の下端部分を取り囲むように設けられた接続リング27aによって、分離ウィング部27,28を接続する。このように接続リング部を設けることで、分離ウィング部の固定が容易となる。
非対称ウィング型において、垂直バンド部の長さを短くした場合も、上記と同様に図10Bに示すように、空き領域を用いてウィング部を接続させても構わない。図10Bでは
、垂直バンド部33は、上部ガードリング31付近でウィング部33aおよび33bを有するが、これらのウィング部33aおよび33bを接続する接続部33cが空き領域に設けられる。同様に、垂直バンド部34は、下部ガードリング32付近において、ウィング部34aおよび34bを接続する接続部34cを、下部ガードリング32の周囲に有する。このように接続部33c、34cを有することで、ウィング部の固定が容易となる。
また、図17Aに示すような非対称ウィング型の変形例においても、同様に図17Bに示すようにウィング部を接続できる。この例では、垂直バンド部33は長さが短いストレート型であり、垂直バンド部33の上下端は、ガードリングの上下端よりも内側である。また、垂直バンド部34が上端においてウィング部34a,34bを有しており、下端においてウィング部34c,34dを有している。そして、空き領域を用いてウィング部34a,34bを接続する接続部34eがガードリング31の周囲に設けられ、ウィング部34c,34dを接続する接続部34fがガードリング32の周囲に設けられる。
(5.垂直バンド部端部の変形)
また、垂直バンド部のストレート形状を取る端部について、ガードリングとの間の距離をより大きくすることも好ましい。図11Aは、ストレート型のRFコイルにおいて、垂直バンド13,14の下部ガードリング12側の端部13e,14eは、ガードリング12からの距離が垂直バンド部の本体部13g,14gよりも離れた構造となっている。なお、端部13e,14eは、本体部13g,14gと平行である。また、本体部13g、14gと端部13e,14eを接続するための、接続部13f、14fも設けられる。図11Aでは、接続部13f,14fは、本体部13g、14gや端部13e,14eと直交するように描いているが、必ずしも直交させる必要は無い。また、角を丸めるようにしても良い。このように端部を設けることで、給電ポートの取り付け部分を下端にすることができ、かつ、垂直バンド部とガードリングとの間のキャパシタンスを小さくすることができる。
図11Bおよび図11Cは、それぞれ分離ウィング型および非対称ウィング型に同様の変形を施した例である。図11Bの分離ウィング型では、垂直バンド部23,24のそれぞれが、下部ガードリング22付近において、端部23e,24eはガードリング22との距離が大きくなった構造を有する。また、図11Cの非対称ウィング型では、下部ガードリング付近においてストレート形状を取る垂直バンド部33の端部33eが、下部ガードリング32との距離が大きくなった構造を有する。
なお、図11A−図11Cに示すように、垂直バンド部の端部においてガードリングからの距離を離した場合には、この部分に、図10A,図10Bに示したようにウィング部を接続する接続部を設けることもできる。
(6.ガードリング形状および垂直バンド部形状の変形)
また、ガードリングは円筒形状であるとして説明したが、楕円筒形状であっても構わないし、多角形筒形状であっても構わない。また、垂直バンド部の形状も、円弧筒形状(楕円弧筒形状を含む)に限られず、平板形状であっても構わないし、複数の平板を組み合わせた形状であっても構わない。図12Aにストレート型のRFコイルにおいて、垂直バンド部の形状を平板形状とする例を示した。また、図12Bに、ストレート型のRFコイルにおいて、垂直バンド部の形状を、2つの平板を組み合わせた形状とする例を示した。ここで説明した、ガードリングの形状および垂直バンド部の形状は、任意に組み合わせて構わない。図12では、ストレート型のRFコイルに対する変形例を示したが、その他のタイプに対しても同様の変形は可能である。
(7.ガードリングと垂直バンド部の位置の変形)
また、上記の説明では、ガードリングの外側に垂直バンド部が設けられるものとして説明したが、垂直バンド部はガードリングの内側に設けられても構わない。図13A−図13Cに、それぞれストレート型、分離ウィング型、非対称ウィング型において、垂直バンド部をガードリングの内側に設けたRFコイルの例を示す。また、給電ポートを、垂直バンド部の上端と下端に設ける場合や、ガードリングの上端と下端に設ける場合には、このような構成にすることが好ましい。
また、図17A,図17Bに示すRFコイルにおいて、垂直バンド部をガードリングの内側に設けた変形例を図17C、図17Dにそれぞれ示す。
(8.スリット部の付加)
また、窓部分(ガードリングがない部分)において垂直バンド部にスリット部を設けても構わない。こうすることで、他のRFコイルを用いて異なる周波数の磁場を印加することができる。複数の周波数を用いる場合には、1つのRFコイルでは対応できなくなるので、スリット部を設けたRFコイルの外側に、向きが90度異なるRFコイルを取り付ける。外側RFコイルの高周波磁場はスリットのすき間を通して測定試料に照射される。窓部分においてスリットが設けられればスリット部の形状はどのようなものであって構わない。一例を図14A−図14Cに示す。図14A―図14Cは、それぞれストレート型、分離ウィング型、非対称ウィング型において、垂直バンド部にスリット部を設けたRFコイルの例を示す図である。ここでは、垂直バンド部の上端から窓部分に至るスリット部を設けている。なお、スリット部の形状は種々変形が可能である。一例として図15Aに示すように、スリット部の下端位置13sbを下部ガードリング12の上端位置12uよりも低くしても良い。また、図15Bに示すように、スリット部をより長くして、垂直バンド部を2つに分割してしまっても良い。また、図15Cに示すように、スリット部の幅をガードリング付近と窓付近とで異なるようにして、窓付近でのスリット幅をより広くするようにしても良い。図15の各例はストレート型に対する変形のみを示しているが、分離ウィング型や非対称ウィング型にも同様の変形が適用可能である。
(9.その他)
また、上記の説明では、1.03GHz超の高周波磁場を印加するための、直径5mm試料管用のRFコイル(RFコイルの最小内径が5.4mm程度から10mm)を例として説明したが、本発明にかかるRFコイルが印加する磁場の周波数は1.03GHzよりも高くても低くても構わないし、RFコイルの直径は上記範囲よりも大きくても小さくても構わない。他の条件を一定として本発明にRFコイルの形状を用いることで、コイルの直径や磁場生成効率などを低下させることなく、RFコイルの自己共振周波数を向上させることができる。したがって、静磁場強度を向上させた場合に受信感度を悪化させることなく、より高い周波数の高周波磁場を送信もしくは受信することができる。
また、上記の説明では、1つのRFコイルを用いて核磁気共鳴現象の励起(高周波磁場の送信)と、核磁気共鳴現象の検出(NMR信号の受信)を行っているが、それぞれを異なるRFコイルで行っても構わない。本発明にかかるRFコイルは、励起と検出のために共用されるコイル以外にも、励起用のコイルおよび検出用のコイルのいずれにも用いることができる。
また、上記の説明では、溶液NMR装置を例に説明したが、本発明にかかるRFコイルは固体NMR装置にも適用することもできる。また、核磁気共鳴現象を用いて生体の内部情報を画像化するMRI(核磁気共鳴画像法)装置も、装置の大きさや印加する磁場の大きさ等では異なるものの、測定原理はNMR装置と同一である。したがって、本発明にかかるRFコイルはMRI装置にも適用することができる。MRI装置で用いられる静磁場強度は数T程度であるが、RFコイルの直径も大きいためRFコイルの自己共振周波数も
小さくなる。静磁場強度を増加させた場合に、コイルの大きさを小さくしたりすることなく自己共振周波数を向上させるために、本発明にかかるRFコイルは有用である。
また、上記の説明では、垂直バンド部間にチップコンデンサを設けていないが、非特許文献1等に記載されるように、垂直バンド部同士をチップコンデンサによって接続しても構わない。チップコンデンサを用いることでRFコイルの形状の保持に役立つし、コイルのみではキャパシタンスが不十分になる場合に補うことができる。
上記で説明した変形例は、技術的に矛盾の生じない限り、第1から第3の実施形態の任意の形態と組み合わせたり、また変形例同士を組み合わせたりしても構わない。また、上部および下部のガードリング付近における垂直バンド部や分離ウィング部などの形状は、上記で説明した各種の実施形態および変形例の構造を、任意に組み合わせることができる。すなわち、垂直バンド部に着目すると、2つの垂直バンド部の上端および下端の4つの端部に関して、各種の構造を任意に採用することができる。
10,20,30 RFコイル
11,12,21,22,31,32 ガードリング
13,14,23,24,33,34 垂直バンド部
25,26,27,28 分離ウィング部
33a,33b,34a,34b ウィング部

Claims (8)

  1. 核磁気共鳴現象を励起または検出するためのRFコイルであって、
    外形がほぼ円筒形または楕円筒形または多角筒形をしており、前記円筒または楕円筒または多角筒の軸方向に離間して設けられた2つのガードリングと、
    前記軸方向に延びるほぼ直線形状またはテーパ形状の第1および第2の垂直バンド部であって、前記2つのガードリングを挟んで互いに対向して設けられた第1および第2の垂直バンド部と、
    を備え、
    前記2つのガードリングの少なくとも一方のガードリングの周面と対向する位置の、周方向に沿った前記第1および第2の垂直バンド部の間に、これらの垂直バンド部と分離して設けられた分離ウィング部をさらに備える、
    RFコイル。
  2. 前記垂直バンド部と前記分離ウィング部との間にキャパシタが形成される、
    請求項に記載のRFコイル。
  3. 前記2つのガードリングは、前記分離ウィング部と対向する位置において、分割されている、
    請求項1または2に記載のRFコイル。
  4. 前記分離ウィング部は、前記第1および第2の垂直バンド部と比較して、前記ガードリングからより離れた位置に設けられる、
    請求項1から3のいずれかに記載にRFコイル。
  5. 前記第1および第2の垂直バンド部の軸方向の長さは、前記2つのガードリングの上端と下端の間の長さよりも短く、ガードリングの上端または下端において前記第1および第2の垂直バンドと対向しない部分を有する、
    請求項1〜4のいずれかに記載のRFコイル。
  6. 前記第1および第2の垂直バンドと対向しないガードリングの上端または下端において、前記分離ウィング部を接続する接続部が前記ガードリングの周面と対向する位置に設け
    られる、
    請求項5に記載のRFコイル。
  7. 前記ガードリングの周面と対向する位置であり、前記第1および第2の垂直バンド部の間に、これらの垂直バンド部と分離し、かつ、互いに分離している複数の分離ウィング部を備える、
    請求項1〜6のいずれかに記載のRFコイル。
  8. 前記第1および第2の垂直バンド部は、前記ガードリングの周面と対向しない部分にスリット部を有する、請求項1〜7のいずれかに記載のRFコイル。
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