JP6047779B2 - セラミック焼結体の製造方法および機能性セラミック焼結体 - Google Patents

セラミック焼結体の製造方法および機能性セラミック焼結体 Download PDF

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Description

本発明は、セラミック焼結体に、導電性や誘電性、熱伝導性等の機能性を付与する技術に関するものである。
近年、半導体製造技術の進歩に伴い、配線パターンの微細化技術は、酸アルカリ溶剤などを用いるウェットエッチング方式から、精度の高いドライエッチング方式へと移行している。中でも、反応性イオンエッチング技術は、FやCl等のハロゲン系プラズマを用いて微細パターンを形成するため、LSIなどの製造に大幅に取り入れられている。
しかし、反応性ガスプラズマは活性であるため、真空容器構成部材に著しくダメージを与える。それ故、これらの腐食性雰囲気で使用される材料には、シリコンウエハへのパーティクル脱落や金属汚染を防止するため、また、コスト面から部材交換頻度を抑えるため、耐プラズマ性が強く求められる。従来、これらハロゲンプラズマに曝される半導体製造装置の構成部材には、高純度アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、イットリア(Y)、YAG(Al12)等のセラミックスが用いられており、中でも、耐プラズマ性に優れるイットリアやYAGが好適に用いられている。しかし、イットリアやYAGは、加工性や強度の面でアルミナより劣ることから、アルマイト処理を施したアルミニウムや、アルミニウムとイットリア焼結体との複合材、アルミニウム上に耐プラズマ性に優れたイットリア溶射膜を形成したもの等も多く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、配線パターンの微細化によって、キズの発生を防止する観点から、Siウエハを載せる試料台には、非接触で固定することができる静電チャックが使用されるようになってきている。静電チャックには、誘電層部に体積抵抗率が1×1015Ω・cm以上のセラミックスを用いるクーロン力型と、誘電層部に体積抵抗率が10〜1012Ω・cm程度の導電性セラミックスを用いるジョンソン・ラベック力型(J−R力型)がある。前者のクーロン力型は、吸着・離脱に要する時間が短い反面、必要な吸着力を得るための印加電圧が高く、一方、後者のJ−R力型は、吸着に必要な印加電圧を低くできるという利点があり、今後の使用拡大が期待されている。
また、最近では、静電気対策として、チャンバ内の部材や搬送アームに対して導電性が要求される場合も多くなってきている。
上記導電性セラミックスとしては、セラミックス素材中に金属粉末や金属酸化物を分散させたものが知られている。例えば、特許文献2には、アルミナを主成分とし、これに酸化錫や酸化チタン等を添加することで10〜1011Ω・cmの導電性を付与したアルミナセラミックス焼結体が、特許文献3には、酸化イットリウムに、導電性物質としてイットリウム、ケイ素およびアルミニウムから選ばれる1種または2種以上を含有させた体積抵抗率が10〜1010Ω・cm程度の導電性を付与した溶射被膜が、また、特許文献4には、イットリア粉末にタングステンおよび/またはモリブデンの粉末を、イットリアに対して50wt%以上300wt%以下添加することで10−6〜10−1Ω・cmの導電性を有するセラミックス焼結体が開示されている。
特開2004−002101号公報 特開2003−095732号公報 特開2010−261069号公報 特開2008−174800号公報
ところで、耐プラズマ性と導電性とは一般に相反する関係にあり、導電性付与物質として金属粉末や金属酸化物を使用する場合、特に特許文献4に記載の導電性セラミックスのように、導電性付与物質を多量に含む場合には、導電性が良くなる反面、耐プラズマ性が劣化するという問題がある。したがって、添加する導電性付与物質の量は、必要な導電性を確保できる範囲で、できる限り少ないことが好ましい。
上記要求に応える方策の一つとして、添加する導電性付与物質を微細化し、セラミックスのマトリックス中に均一に混合・分散してやることが有効であると考えられる。
しかしながら、金属粉末は、消防法に規定された危険物に該当し、非常に活性で、微粉化すると容易に酸化し、場合によっては、発火や爆発を引き起こすおそれがあるため、工業的には取り扱いが難しいという問題がある。そのため、金属粉末を微細化するには限度があり、セラミックス中に均一に分布させることが難しく、導電性のバラつきも大きくなる。さらに、上記バラつきに起因して、必要な導電性を確保するために、金属粉末の添加量も増やさざるを得ない。
また、半導体製品の金属汚染を防止する観点からは、製造設備に使用される部材を構成する元素数は、少ないほど望ましい。しかし、上記特許文献2〜4に記載された導電性セラミックスの多くは、セラミックッス中に添加される金属種がセラミックスを構成する金属成分ではない。そのため、プラズマによって腐食を受けた場合には、Siウエハ等がセラミックス構成成分以外の金属によって汚染されるという問題がある。
本発明は、従来技術が抱える上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、工業的に取り扱いが容易かつ安全で、しかも、金属成分の添加量が少量でも導電性等の機能性を効果的に付与することができるセラミック焼結原料を用いたセラミック焼結体の製造方法およびその焼結原料を焼結した機能性セラミック焼結体を提供することにある。
発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討を重ねた。その結果、従来技術において、セラミックス中に添加していた金属粉末に代えて、金属水素化物の粉末を混合した焼結原料は、取り扱いが容易かつ安全であり、また、この焼結原料を焼結した焼結体は、金属水素化物の添加量が少量でも、導電性が良好でバラつきも小さいことを見出し、本発明を開発するに至った。
すなわち、本発明は、セラミックスの粉末中に粒径250μm以下の金属水素化物の粉末を混合し、該混合した粉末材料を焼結するセラミック焼結体の製造方法において、前記焼結によって、焼結体内に金属水素化物を構成する金属からなる導電経路を形成することを特徴とするセラミック焼結体の製造方法を提案する。
また、本発明のセラミック焼結体の製造方法に用いる上記金属水素化物は、水素化イットリウムYHであることを特徴とする。
また、本発明のセラミック焼結体の製造方法における上記セラミックスは、イットリア(Y)、アルミナ(Al)、窒化アルミニウムおよびYAGのうちのいずれかであることを特徴とする。
また、本発明のセラミック焼結体の製造方法は、上記セラミックスの粉末を構成する金属と上記金属水素化物を構成する金属とが、同じ金属であることを特徴とする。
本発明によれば、セラミックス中に混合する導電性付与物質として、従来技術の金属粉末に代えて金属水素化物の粉末を用いることにより、取り扱いが容易でかつ安全なセラミック焼結原料を得ることができる。また、上記焼結原料を用いて焼結体を製造した場合には、金属水素化物の粉末が焼結時に熱分解して金属成分を生成し、セラミック粒子の表面に残留して緻密な導電経路を形成するので、金属水素化物の添加量が少量でも、導電性等が良好でバラつきの小さい機能性セラミック焼結体を得ることができる。
セラミック焼結体の製造に用いたSPS装置を説明する図である。 焼結体の光学顕微鏡写真である。 Al焼結体の光学顕微鏡写真である。
従来、セラミックスの焼結体に導電性等の機能性を付与する場合には、セラミックスの粉末中に機能性付与物質として金属粉末を添加した焼結原料を用いてセラミック焼結体を製造していた。しかし、セラミック焼結体に、バラつきが小さく優れた導電性を付与するには、添加する金属粉末を、セラミックスの粉末中に均一かつ緻密に分散させる必要があり、そのためには金属粉末を微細化する必要がある。しかし、金属粉末は、粒径が小さくなると、表面積が増大し、着火や爆発を起こすおそれがあるため、金属粉末を、微細化するには限界があった。
例えば、イットリア(Y)の粉末中に導電性付与物質として金属イットリウムを添加した焼結原料を工業的に使用しようとした場合、数十μm程度の粒径でも着火するため、安全に使用できる金属イットリウムの粉末は、平均粒径250μm程度が限界であった。そのため、従来の焼結原料を用いて焼結体を形成しても、得られる導電率のバラつきが大きく、必然的に金属粉末の添加量も増やさざるを得なかった。
そこで、発明者らは、導電性付与物質として、従来技術の金属粉末に代えて、金属水素化物の粉末を用いることを検討した。その理由は、金属水素化物の粉末は、金属粉末よりも安定で、酸化や発火、爆発を起こす危険性が小さいため、取り扱いが容易かつ安全で、金属粉末よりも微細化することが可能であること、また、金属水素化物は、減圧雰囲気下または還元性雰囲気下で高温に加熱された場合には、熱分解を起こして金属成分と水素を生成し、金属成分は、セラミックスの基地中に残留して導電性付与物質として機能し、一方、水素はセラミックス中や金属水素化物中に含まれる酸化物の還元剤として作用することが期待されるからである。
発明者らは、上記検討結果を検証するため、以下の実験を行った。
市販の平均粒径が50μmのイットリア(Y)粉末(日本イットリウム(株)製)中に、導電性付与物質として、レーザー回折・散乱法で測定したときの最大粒径が250μmで、平均粒径が60μmの水素化イットリウムYH(日本重化学工業(株)製)を4.0mass%および6.0mass%添加し、ボールミルで均一に混合した焼結原料と、平均粒径が250μmのイットリウム金属粉末(日本イットリウム(株)製)を6.0mass%添加し、ボールミルで均一に混合した焼結原料の計3種類の焼結原料を用意した。なお、参考として、平均粒径が50μmのイットリア(Y)粉末のみの焼結原料も用意した。
次いで、図1に示した、放電プラズマ焼結装置(SPS;住友石炭鉱業(株)製:SPS−510L)を使用し、100Paの減圧雰囲気下で、上記4種類の焼結原料を焼結し、外径:20mmφ、厚さ:3mmのコイン状の焼結体を得た。なお、図1において、1はグラファイト製の内径が20mmφの焼結型であり、2は焼結原料、3はチャンバである。焼結は、焼結型1に焼結原料2を詰めて、40MPaの加圧下で、電源4から20A/30秒の速度で電流値を上昇させて1150℃まで昇温し、1150℃で10分間保持することで行った。
斯くして得られた焼結体の表面を研磨して、研磨面を光学顕微鏡で観察し、その結果を図2に示した。この結果から、水素化イットリウムの粉末を添加した焼結原料を焼結して得た焼結体のイットリアマトリックス中には、小さな黒色の混入物が分散していると共に、その中には白色の混入物が認められている。これに対して、イットリウムの金属粉末を添加した焼結原料を焼結して得た焼結体は、イットリアマトリックス中に、金属光沢を有する粗大な混入物の点在は認められるが、微細な混入物はほとんど認められない。
また、上記試験片について、体積抵抗率と相対密度を測定した結果を、表1に示した。なお、体積抵抗率の測定は、四端子四探針法(ロレスタAX:(株)三菱化学アナリティック製)で測定した。また、測定は1条件当たり5回測定し、相乗平均値μと標準偏差σおよびそれらの比である変動係数(σ/μ)を求めた。また、相対密度は、アルキメデス法で、(Y+Y)の理論密度に対する相対密度を求めた。
Figure 0006047779
表1に示したように、イットリア中に水素化イットリウムを4.0mass%混合した焼結体は、Y単味の焼結体と比較して体積抵抗率が約11桁も小さく、金属イットリウムを6.0mass%混合した焼結体と体積抵抗率が同程度である。また、イットリア中に水素化イットリウムを6.0mass%混合した焼結体は、金属イットリウムを6.0mass%混合した焼結体と比較して体積抵抗率が1桁小さく、バラつきの大きさ(変動係数)も小さいことがわかる。このように良好な導電性を示す原因について、発明者らは以下のように考えている。
特許文献3によれば、セラミックス中に導電性付与物質を添加した溶射材料を溶射して得た溶射被膜では、導電性付与物質がセラミックス粒子の表面(粒界)に偏析して網目状構造の導電経路を形成し、導電性が発現するとされている。焼結体の場合も同様に、焼結時の熱で金属粒子が溶融してセラミックス粒子同士を結合するバインターとして機能し、網目状構造の導電経路を形成し、導電性が発現すると考えられる。しかし、比較的大きな粒径の金属粉末を混合した焼結原料を用いた場合には、図2に示したように、セラミックスのマトリックス中に粗大な混入物として存在するため、上記導電経路は途中で途切れる確率が高くなる。その結果、体積抵抗率の低減効果が十分に得られないと共に、バラつきも大きくなる。
これに対して、金属水素化物をセラミック粒子中に混合した焼結原料では、金属水素化物は、焼結温度で熱分解して金属成分と水素ガスを発生し、そのうちの金属成分は、溶融して金属粒子の場合と同様、バインダーとして機能する。しかし、金属水素化物が微細である場合には、生成した金属成分は、セラミックスの粒子間に均一に分散しているため互いに連結し、緻密な導電経路を形成する。さらに、熱分解で生成した金属成分の一部は、蒸気化してセラミックス粒子の表面に付着したり、固溶したりして上記導電経路をより確かなものにする。その結果、金属成分の添加量が少なくても、体積抵抗率もバラつきも小さくなるものと考えられる。
上記のように、金属水素化物の粉末を導電性付与物質として用いた場合には、少ない添加量で、良好でかつバラつきが小さい導電性を付与することができる。このことは、金属水素化物の添加量を変えることによって、セラミック焼結体の導電性を自由に変化させることができることを意味している。また、導電性は、その他の物理的特性、例えば、誘電率や熱伝導率とも密接な関係があるため、導電性を制御できることは、それらの特性をも制御できることを意味している。したがって、本発明の適用分野は、広い範囲に及ぶことが期待される。
本発明は、斯かる知見に基いて開発したものである。
次に、本発明の焼結原料について説明する。
まず、本発明を適用するセラミック焼結原料としては、特に制限されるものではなく、半導体製造装置に多用されているイットリア(Y)、アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)およびYAG(Al12)等であれば好ましく適用することができる。
また、本発明において、セラミック焼結原料中に添加する金属水素化物としては、特に制限されるものではないが、工業的に入手が容易であることから、水素化イットリウム(YHx)を挙げることができる。この水素化イットリウムは、上記セラミック焼結原料を構成する金属と同じ金属の水素化物であることから、プラズマガスによる金属汚染の元素数を増やさないという点からも好ましい。なお、上記YHx中の水素原子数を表すxは、一般に0.1〜3の範囲内の値である。
また、本発明において用いる上記金属水素化物の粒径は、少量の添加量でも、良好でバラつきのない導電性等の機能性を付与するため、小さいほど望ましく、最大粒径は250μm以下が好ましい。最大粒径が250μmを超えると、本発明の特徴的効果、すなわち、少量の添加量でも良好でバラつきが小さい機能性を付与することができるという効果が得られなくなるだけでなく、金属粉末としても入手が可能であり、本発明を適用する利点が失われるからである。なお、金属水素化物の平均粒径としては、100μm以下が好ましく、より好ましくは30μm以下である。金属水素化物は、粒径が小さくなっても、金属粉末と比べて、酸化したり、発火や爆発を起こしたりする危険性が小さいので、上記のような微細粒でも、工業的に安全に取り扱うことができる。なお、本発明では、金属水素化物の粒径には、レーザー回折・散乱法で測定した値を用いる。
なお、焼結原料に添加する金属水素化物の量は、導電性や誘電率、熱伝導性等の特性の目標レベルによって異なるが、20mass%以下の範囲で添加するのが好ましい。20mass%を超えると、金属成分が多くなるため耐プラズマ性が低下するからである。
次に、本発明の焼結体の製造方法について説明する。
本発明の焼結体の製造方法は、上述した焼結原料を用いて、減圧雰囲気下(および/または還元雰囲気下)で焼結を行うことが必要である。酸化性の雰囲気では、金属水素化物が熱分解して生成した金属成分が酸化を起こすおそれがあるからである。なお、具体的な減圧雰囲気としては300Pa以下が好ましく、また、還元雰囲気としては、アルゴンと水素の混合ガスが挙げられる。
なお、焼結方法については、上述した減圧雰囲気下(および/または還元性雰囲気下)でセラミックスを焼結でき、かつ、金属水素化物の分解に必要な熱量を加えることができる方法であれば特に制限はなく、上述したSPS法の他、熱間等方加圧焼結法(HIP)、ホットプレス成形法、通電加熱焼結法等を用いることができる。中でも、SPS法や熱間等方加圧焼結法は、焼結体の高密度化の観点から好ましく用いることができる。
次に、本発明の焼結体について説明する。
前述したように、本発明の焼結体は、金属水素化物を添加した焼結原料を用いることにより、少ない添加量で、良好でバラつきが小さい導電性や誘電率、熱伝導性等を付与することができるので、添加量を変えることによって、上記特性を広範囲に変えることが可能である。具体的には、金属水素化物の添加量を0mass%超え20mass%以下の範囲で変化させることで、体積抵抗率は10−5〜1011Ω・cm、誘電率は9〜12、熱伝導率は20〜30W/m・Kの範囲で変化させることができる。したがって、本発明の焼結体は、半導体製造技術分野の限定されるものではなく、上記特性が求められる他の技術分野においても、多機能材料として用いることができる。
次に、市販の粒径が1〜5μmのアルミナ(Al)粉末(Strem Chemicals Inc.製)中に、導電性付与物質として、レーザー回折・散乱法(日機装(株)製;マイクロトラック粒度分布測定計)で測定したときの最大粒径が250μmで、平均粒径が60μmの水素化イットリウムYH(日本重化学工業(株)製)を6.0mass%添加し、混合した焼結原料と、平均粒径が250μmのイットリウム金属粉末(日本イットリウム(株)製)を6.0mass%添加し、混合した焼結原料の2種類の焼結原料を用意した。さらに、参考として、粒径が1〜5μmのアルミナ(Al)粉末のみの焼結原料も用意した。
次いで、図1に示した放電プラズマ焼結装置(SPS)を用いて、100Paの減圧雰囲気下で、上記3種類の焼結原料を焼結し、20mmφ×厚さ3mmのコイン状焼結体を形成した。焼結は、グラファイト製の内径が20mmφの焼結型に上記焼結原料を詰めて、40MPaの加圧下で、電源から20A/30秒の速度で電流値を上昇させて1200℃まで昇温し、1200℃で30分間保持することで行った。
斯くして得られた焼結体の表面を研磨して、研磨面を光学顕微鏡で観察し、その結果を図3に示した。この結果から、水素化イットリウムを混合した焼結体では、金属イットリウムを混合した焼結体よりも、金属イットリウムと思われる小さな白色の混入物が、マトリックスのアルミナ中に微細かつ均一に分散していることが認められる。
また、上記試験片について、2重リングプローブ法(ハイレスタUP:(株)三菱化学アナリティック製)を用いて体積抵抗率を1条件当り5回測定し、相乗平均値μと標準偏差σおよびそれらの比である変動係数(σ/μ)を求めた。また、相対密度は前述した実験と同様にして測定し、これらの結果を表2に示した。この結果から、水素化イットリウムを添加した本発明の焼結原料から製造したアルミナ焼結体は、Al単味のアルミナ焼結体よりも、体積抵抗率が約5桁小さい。また、同量の金属イットリウムを添加したアルミナ焼結体と比較しても、体積抵抗率が1桁小さく、バラつきの大きさ(変動係数)も小さくなっている。
Figure 0006047779
本発明のセラミック焼結原料は、機能性付与物質に金属水素化物を利用することで、工業的に安全に取り扱うことができるので、従来、使用が制限されていた技術分野にも適用することが可能となる。また、本発明のセラミック焼結原料は、少ない量の金属水素化物の添加で、良好でバラつきの小さい導電性等の機能性を焼結体に付与することができ、さらに、添加量を変えることで導電性等を自由に制御することができるので、その適用分野は半導体製造分野に限定されるものではなく、切削工具や金型、ヒートシンク等の技術分野にも適用されることが期待される。
1:グラファイト製焼結型
2:焼結原料
3:チャンバ

Claims (4)

  1. セラミックスの粉末中に粒径250μm以下の金属水素化物の粉末を混合し、該混合した粉末材料を焼結するセラミック焼結体の製造方法において、前記焼結によって、焼結体内に金属水素化物を構成する金属からなる導電経路を形成することを特徴とするセラミック焼結体の製造方法。
  2. 前記金属水素化物は、水素化イットリウムYHxであることを特徴とする請求項1に記載のセラミック焼結体の製造方法。
  3. 前記セラミックスは、イットリア(Y)、アルミナ(Al)、窒化アルミニウムおよびYAGのうちのいずれかであることを特徴とする請求項1または2に記載のセラミック焼結体の製造方法。
  4. 前記セラミックスの粉末を構成する金属と前記金属水素化物を構成する金属とが、同じ金属であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のセラミック焼結体の製造方法。
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