JP6047688B1 - 基板の製造方法 - Google Patents

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Abstract

基板(1)は、導電材料からなる導電層(2)が複数形成されている積層配線板(3)と、積層配線板(3)を貫通して形成されているスルーホール(6)と、スルーホール(6)全長に亘ってスルーホール(6)の内側に配されている金属片(10)と、スルーホール(6)の外縁から外方に膨らんでスルーホール(6)の長手方向全長に亘って切欠いて形成された膨出部(8)と、膨出部(8)及び膨出部(8)内に露出した金属片(10)の表面で囲まれて形成された膨出孔(9)と、膨出孔(9)の内壁を覆うめっき膜(13)とを備えている。

Description

本発明は、プリント配線板等の基板であって、金属片が嵌め込まれて大電流特性及び放熱特性に優れた基板の製造方法に関する。
電気回路における半導体素子は、高密度化や高電流化により発熱量が増加する傾向にある。特にSiを用いた半導体は周囲の温度が100℃以上になると誤動作、故障の原因となる。このような半導体素子等の発熱部品としては例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)やIPM(Intelligent Power Module)等のスイッチング素子がある。
発熱部品を効果的に冷却するため、発熱部品から発せられる熱を基板の反対側に向けて逃がすように放熱経路を形成している。具体的には、発熱部品から発生する熱を基板の背面側(部品搭載面(実装面)とは反対側)にあるヒートシンク等に伝導することで冷却している。
放熱経路としては、例えば熱伝導率の高い金属(Cu、Al等)からなる金属片が用いられる。この金属片は、基板に形成されたスルーホール内に固定されている。スルーホールへの金属片の固定は、圧入や塑性変形による密着、接着剤や半田による接合等で行われる(例えば特許文献1参照)。金属片が発熱部品と接することで、発熱部品から発生する熱はこの金属片(例えば柱状の銅)を介して外部に放熱される。
特開平2−134895号公報
しかしながら、金属片を放熱だけではなく、電気的な接続にも用いたいという要望がある。従来、スルーホールに固定された状態の金属片は、単にスルーホールと物理的に接しているのみであるので、電気的な導通が不安定である。すなわち、安定して確実に導電性を確保することができない。このため、従来は別途基板に電気的な導通のためのスルーホールを設け、このスルーホールの内壁に銅めっきを施して形成されたスルーホールめっきを用いている。しかしこのようなスルーホールめっきを施すことは、基板にそのためのスペースが必要となってしまい、部品実装の高密度化の観点から好ましくない。
本発明は、上記従来技術を考慮したものであって、放熱特性を有するともに十分な電気的導通を図ることができる基板の製造方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明では、導電材料からなる導電層が複数形成されている積層配線板と、該積層配線板を貫通して形成されているスルーホールと、該スルーホール全長に亘って前記スルーホールの内側に配されている金属片と、前記スルーホールの外縁から外方に膨らんで前記スルーホールの長手方向全長に亘って切欠いて形成された膨出部と、該膨出部及び前記膨出部内に露出した前記金属片の表面で囲まれて形成された膨出孔と、該膨出孔の内壁を覆うめっき膜とを備えたことを特徴とする基板を提供する。
好ましくは、前記スルーホールと前記金属片との間、及び前記膨出部と前記めっき膜との間には、金属膜であるスルーホールめっきが介されている。
好ましくは、前記めっき膜で囲まれた空間としての細孔とをさらに有し、該細孔内は充填材にて埋められている。
また、本発明では、絶縁樹脂材料からなる絶縁層と前記導電材料がパターンとして形成された前記導電層とを重ねて積層方向にプレスすることで前記積層配線板を形成する積層配線板形成工程と、前記積層配線板を貫通する前記スルーホール及び前記膨出部を形成する孔あけ工程と、前記金属片を前記スルーホールに挿通して前記スルーホール内に配した状態で、前記金属片を押圧することにより前記金属片を拡径させ、前記金属片を前記スルーホール内に仮保持する押圧工程と、前記膨出孔内をめっき処理して前記めっき膜を形成するめっき膜形成工程とを備えたことを特徴とする基板の製造方法を提供する。
好ましくは、前記孔あけ工程の後、前記スルーホール及び前記膨出部の内壁に前記導電層と電気的に接続するスルーホールめっきを形成するスルーホールめっき形成工程を行う。
好ましくは、前記めっき膜形成工程の後、前記めっき膜で囲まれた空間としての細孔の内側に充填材を充填する充填工程とを備えた。
本発明によれば、スルーホール内に配された金属片は、スルーホール内壁に接している部分にて導電層と電気的に接続されるとともに、めっき膜を介しても導電層と電気的に接続されることになる。このように金属片が金属製のめっき膜を介して導電層と接続されることで、化学的に安定した電気的導通を得ることができる。すなわち、金属片による放熱特性を有するとともに十分な電気的導通を図ることができる基板を得ることができる。またこのようなめっき膜を通じて導電性を確保できるので、積層配線板に別途電気導通のためのスルーホールめっきを形成する必要がなくなる。このためこのようなスルーホール形成のためのスペースが不要となり、近年求められている基板における部品実装の高密度化に寄与することができる。また、めっき膜を形成するための膨出部は、スルーホール形成のための手段(ドリルやパンチプレス、あるいはレーザ等)をそのまま利用できるので、効率的な製造が可能である。
また、スルーホールと金属片との間、及び膨出部とめっき膜との間に金属膜であるスルーホールめっきを形成することで、スルーホール内への金属片の挿入動作を円滑に行うことができる。さらに、スルーホールめっきにて予め導電層との接続を実現でき、金属片と導電層との接続性を高めることができる。
また、細孔に充填材を埋め込むことにより、部品実装時にはんだがめっき膜内側を流れて基板の反対側の面に漏洩してしまうことを防止できる。また、積層配線板の両面はその全面がめっき処理されて形成された蓋めっき層で覆われていてもよい。これにより、はんだ濡れ性の改善に有効となる。
また、本発明によれば、孔あけ工程にて膨出部を形成するので、その後の押圧工程にて金属片を押圧した際に金属片は膨出部が形成されている箇所以外のスルーホールの内壁に当接させることができる。このため、金属片がスルーホール内に仮保持された状態を形成することができる。したがって後工程で膨出部へのめっき処理や細孔への充填材の充填作業がやりやすくなる。また、スルーホールめっき工程を行った場合でも、押圧工程を行うことで初めて金属片はスルーホールめっきに接触するので、スルーホール内に金属片を挿入する際には金属片とスルーホールめっきとは接触しない。このため、スルーホールめっきが傷つくことを防止できる。
本発明に係る基板の概略断面図である。 図1のスルーホール近傍の貫通方向から視た金属片周辺の概略断面図である。 本発明に係る基板の製造方法のフローチャートである。 積層配線板形成工程の説明図である。 孔あけ工程にてスルーホールを形成したときの説明図である。 孔あけ工程にて膨出部を形成したときの説明図である。 図6のスルーホール近傍を貫通方向から視たときの概略断面図である。 押圧工程にて金属片をスルーホールに挿通したときの説明図である。 押圧工程にて金属片を押圧したときの説明図である。 図9のスルーホール近傍の貫通方向から視た金属片周辺の概略断面図である。 めっき膜形成工程にて膨出孔にめっき処理を施したときの説明図である。 図11のスルーホール近傍の貫通方向から視た金属片周辺の概略断面図である。 充填工程にて細孔に充填材を埋め込んだ際の説明図である。 スルーホールめっき工程を行って形成された基板の概略断面図である。 図14のスルーホール近傍の貫通方向から視た金属片周辺の概略断面図である。 孔あけ工程にてスルーホール形成に先立って膨出部を含む小孔を形成したときの説明図である。
図1及び図2に示すように、本発明に係る基板1は、導電層2が複数形成されている多層板(両面板も含む)と称される積層配線板3を主な構造として有している。図1の例では、導電層2が4層形成されているいわゆる4層板が示されている。導電層2は導体パターンとして各層に形成されている。導電層2の間には絶縁層4が配されている。絶縁層4は例えばプリプレグ等の絶縁材料で形成されている。より詳しくは、絶縁層4は、例えばエポキシ樹脂内にガラス繊維の糸で織った布であるシート状のガラスクロス5が配されているプリプレグが用いられる。
積層配線板3にはスルーホール6が形成されている。このスルーホール6は、積層配線板3を貫通している。このスルーホール6の孔形状は略円柱形状である。積層配線板3を上方向(スルーホール6の貫通方向)から視た平面視では、スルーホール6は円形を描いている。ここで、スルーホール6の外縁から外方には、膨出部8が切欠いて形成されている。この膨出部8は平面視にてスルーホール6の外周から膨らんで形成されている。また、膨出部8はスルーホール6の長手方向全長に亘って形成されている。膨出部8の数は特に限定されないが、例えば図2のようにスルーホール6に対して対向する位置に複数設けることで、後述する金属片10と導電層2との電気的接続を安定的にすることができる。
スルーホール6内には、金属片10が配されている。具体的には、金属片10は、スルーホール6内で外方に径が押し広げられてスルーホール6の内壁に押圧されることでスルーホール6に対して係合して保持されている。金属片10が配されることで、膨出部8と膨出部8内に露出した金属片10の表面とで囲まれた空間である膨出孔9が形成される。この膨出孔9の内壁は、金属製のめっき膜13にて覆われている。このめっき膜13は、膨出部8の内壁に通じている導電層2と電気的に接続されることになるので、めっき材料としては導電性の観点から銅が好ましい。すなわちめっき膜13は、例えばめっき処理によって析出した銅で形成されている。ここで、めっき膜13で囲まれた空間は細孔11として形成され、この細孔11内は充填材14にて埋められている。
上述した金属片10は、膨出部8に臨む箇所、及び積層配線板3の両面側にてめっき膜13と接することになる。この金属片10は基板1の放熱及び導通の役割を一部として担うため、これら放熱及び導通特性に優れた金属が用いられる。例えば、高い電気的導通特性と放熱特性を有する銅、銀、又はアルミニウムのいずれかの金属製であることが好ましい。なお、積層配線板3の両面に、蓋めっき層12が配されていてもよい。蓋めっき層12は積層配線板3の両面を覆っている。この蓋めっき層12はめっき処理により形成されるので金属が積層配線板3の表面に析出したものである。
上記構造の基板1を採用することで、スルーホール6内に配された金属片10は、スルーホール6の内壁に接している部分にて導電層2と電気的に接続されるとともに、めっき膜13を介しても導電層2と電気的に接続されることになる。このように金属片10が金属製のめっき膜13を介して導電層2と接続されることで、化学的に安定した電気的導通を得ることができる。すなわち、金属片10による放熱特性を有するとともに十分な電気的導通を図ることができる基板1を得ることができる。またこのようなめっき膜13を通じて導電性を確保できるので、積層配線板3に別途電気導通のためのスルーホールめっきを形成する必要がなくなる。このためこのようなスルーホール形成のためのスペースが不要となり、近年求められている基板における部品実装の高密度化に寄与することができる。また、めっき膜13を形成するための膨出部8は、スルーホール6形成のための手段(ドリルやパンチプレス、あるいはレーザ等)をそのまま利用できるので、効率的な製造が可能である。
また、細孔11に充填材14を埋め込むことにより、部品実装時にはんだがめっき膜13の内側を流れて基板1の反対側の面に漏洩してしまうことを防止できる。また、積層配線板3の両面をその全面がめっき処理されて形成された蓋めっき層12で覆えば、はんだ濡れ性の改善に有効となる。さらに蓋めっき層12を設ければ、金属片10と積層配線板3との一体化が強まり、金属片10がスルーホール6から抜けてしまうことを確実に防止し、基板1としての一体性を確保できる。
上述した基板1は、以下に説明する基板の製造方法により製造可能である。この製造方法は図4に示すフローチャートに表される。この方法では、まず積層配線板形成工程が行われる(ステップS1)。この工程では、絶縁層4と導電層2とをそれぞれ複数重ねて積層方向にプレスすることで図4に示すような積層配線板3が得られる。絶縁層4は例えば絶縁樹脂材料からなり、導電層2は導電材料がパターンとして形成されている。導電層2が4層の積層配線板を形成するには、例えば絶縁層4の片面にのみ導電層2が形成されたいわゆる片面板(片面にのみ銅箔が形成された銅張積層板)の2枚で、絶縁層4の両面に導電層2が形成されたいわゆる両面板(両面に銅箔が形成された銅張積層板)を挟み込み、これを積層する。
次に孔あけ工程を行う(ステップS2)。この工程では、まず積層配線板3を貫通する図5に示すようなスルーホール6を形成する。このスルーホール6はドリルやパンチプレス、あるいはレーザ等により積層配線板3に対して孔あけ加工することで形成される。スルーホール6の孔形状は略円柱形状である。積層配線板3を上方向から視た平面視では、スルーホール6は円形を描いている。スルーホール6が形成された後、図6及び図7に示すように、さらにスルーホール6の外縁に膨出部8を形成する。この膨出部8もスルーホール6と同様、ドリルやパンチプレス、あるいはレーザ等により形成される。なお、スルーホール6の形成に先立ち、膨出部8を含む小孔を加工形成し、その後にスルーホール6を形成してもよい(図16参照)。この場合、小孔はスルーホール6の円周上が中心となるようにして先に形成される。このように膨出部8を含む小孔を先に形成すれば、スルーホール6を先に形成するよりも加工が容易となる。
次に、押圧工程を行う(ステップS3)。この工程では、まず図8に示すようにスルーホール6に対して金属片10を挿通させる。このとき、金属片10の径はスルーホール6の径よりも小さい。そして、金属片10がスルーホール6内に配された状態で、金属片10を上下方向(スルーホールの貫通方向両側)から押圧する。これにより、図9に示すように金属片10は外方に拡径される。また、図10に示すように、金属片10が拡径されることで、金属片10の外周表面はスルーホール6に当接する部分と、膨出部8内に露出する部分ができる。この状態で、金属片10はスルーホール6内に仮保持される。このとき、膨出部8の内壁と、膨出部8内に露出した金属片10の表面とで囲まれた空間は膨出孔9として形成される。金属片10係保持されることで、後工程で膨出部8へのめっき処理や細孔11への充填材14の充填作業がやりやすくなる(後述)。なお、押圧は金属片10の一方の面に押さえるための板を配し、他方の側からのみプレス部材を用いて押圧してもよい。
次に、めっき膜形成工程を行う(ステップS4)。この工程では、膨出孔9内をめっき処理してめっき膜13を形成する。この工程により、図11及び図12に示すように、膨出孔9内にめっき膜13が形成される。めっき膜13は、膨出孔9の内壁に沿って形成される。すなわち、めっき膜13は膨出部8の内壁と膨出部8内に露出した部分の金属片10の表面に析出して形成される。なお、めっき膜13の内側にはまだ空間(細孔11)が残っている状態である。めっき膜13が形成されることで、めっき膜13と膨出部8に通じている導電層2とは電気的に接続される。このため、めっき材料としては銅が好ましい。これと相まって、金属片10はめっき膜13を介して導電層2と電気的に接続される。このように金属片10が金属製のめっき膜13を介して導電層2と接続されることで、化学的に安定した電気的導通を得ることができる。もちろん、金属片10はスルーホール6に通じている導電層2とも接触することによる電気的導通も確保されている。すなわち、金属片10による放熱特性を有するとともに十分な電気的導通を図ることができる基板1を得ることができる。また、めっき膜13は金属片10の両面及び積層配線板3の両面にも析出する。これにより、金属片10と積層配線板3との一体化が強まり、金属片10がスルーホール6から抜けてしまうことを確実に防止し、基板1としての一体性を確保できる。
金属片10と導電層2との安定的な電気的導通は上記めっき膜形成工程にて十分に得ることができるが、さらに以下の工程を行ってもよい。すなわち、次に充填工程を行ってもよい(ステップS5)。この工程では、細孔11に充填材14を充填する。充填材14は細孔11の内側空間の全てを埋めるように充填される。この充填材14としては絶縁性のエポキシ樹脂の他、導電性のインクを用いることもできる。充填工程を終えると、図13のような状態となる。なお、図13をスルーホール近傍で貫通方向から視た断面図は、図2と同様となる。このように、細孔11に充填材14を埋め込むことにより、部品実装時にはんだがめっき膜13の内側を流れて基板1の反対側の面に漏洩してしまうことを防止できる。
さらに、次に蓋めっき層形成工程を行ってもよい(ステップS6)。この工程では、積層配線板3の両面に蓋めっき層12を形成する。この蓋めっき層12が形成されて、図1に示すような基板1となる。蓋めっき層12は積層配線板3の両面にめっき処理を施すことにより形成される。このように、蓋めっき層12を設ければ、充填材14の表面にめっきが付くので、はんだ濡れ性が向上する。一方で、金属片10と積層配線板3との一体化がより一層強まり、金属片10がスルーホール6から抜けてしまうことを確実に防止し、基板1としての一体性を確保できる。
上記のような本発明に係る基板1の製造方法によれば、孔あけ工程にて膨出部8を形成するので、その後の押圧工程にて金属片10を押圧した際に金属片10は膨出部8が形成されている箇所以外のスルーホール6の内壁に当接させることができる。このため、金属片10がスルーホール6内に仮保持された状態を形成することができる。したがって後工程で膨出部8へのめっき処理や細孔11への充填材14の充填作業がやりやすくなる。
一方で、孔あけ工程の後、スルーホール6及び膨出部8の内壁に導電層2と電気的に接続するスルーホールめっきを形成するスルーホールめっき形成工程を行ってもよい。このスルーホールめっき工程を行うことで、最終的な基板1を製造した際に、スルーホール6と金属片10との間、及び膨出部8とめっき膜13との間には、金属膜であるスルーホールめっき7が形成されることになる(図14及び図15参照)。なお、このめっき処理は積層配線板3の全表面に対して施されるため、めっき処理によって析出するスルーホールめっき7は、積層配線板3の両面とスルーホール6及び膨出部8の内壁面に形成される。このスルーホールめっき7は単独でスルーホール6や膨出部8に通じている導電層2と電気的に接続され、さらに後工程で金属片10と当接することにより大電流の電気的導通を許容するような経路を確保することができる。また、スルーホールめっき工程を行った場合でも、押圧工程を行うことで初めて金属片10はスルーホールめっき7に接触するので、スルーホール6内に金属片10を挿入する際には金属片10とスルーホールめっき7とは接触しない。このため、スルーホールめっき7が傷つくことを防止できる。金属片10がスルーホール6とほぼ同じ径だったとしても、スルーホールめっき7があることにより金属片10の挿入動作を円滑に行うことができる。すなわち、金属片10の挿入に先立ち事前にスルーホールめっき7を形成することで、回路間の導通信頼性が確保でき、金属片10もスムーズに挿入できるようになる。スルーホールめっき7を形成することで、めっき膜13により金属片10とスルーホールめっき7との電気化学的接続を実現できる。このめっき膜13は、蓋めっき層12に近い表層での接続効果も期待できる。
1:基板、2:導電層、3:積層配線板、4:絶縁層、5:ガラスクロス、6:スルーホール、7:スルーホールめっき、8:膨出部、9:膨出孔、10:金属片、11:細孔、12:蓋めっき層、13:めっき膜、14:充填材

Claims (3)

  1. 導電材料からなる導電層が複数形成されている積層配線板と、
    該積層配線板を貫通して形成されているスルーホールと、
    該スルーホール全長に亘って前記スルーホールの内側に配されている金属片と、
    前記スルーホールの外縁から外方に膨らんで前記スルーホールの長手方向全長に亘って切欠いて形成された膨出部と、
    該膨出部及び前記膨出部内に露出した前記金属片の表面で囲まれて形成された膨出孔と、
    該膨出孔の内壁を覆うめっき膜とを備え、
    前記スルーホールと前記金属片との間、及び前記膨出部と前記めっき膜との間には、金属膜であるスルーホールめっきが介されている基の製造方法であって、
    絶縁樹脂材料からなる絶縁層と前記導電材料がパターンとして形成された前記導電層とを重ねて積層方向にプレスすることで前記積層配線板を形成する積層配線板形成工程と、
    前記積層配線板を貫通する前記スルーホール及び前記膨出部を形成する孔あけ工程と、
    前記金属片を前記スルーホールに挿通して前記スルーホール内に配した状態で、前記金属片を押圧することにより前記金属片を拡径させ、前記金属片を前記スルーホール内に仮保持する押圧工程と、
    前記膨出孔内をめっき処理して前記めっき膜を形成するめっき膜形成工程とを備えたことを特徴とする基板の製造方法。
  2. 前記孔あけ工程の後、前記スルーホール及び前記膨出部の内壁に前記導電層と電気的に接続するスルーホールめっきを形成するスルーホールめっき形成工程を行うことを特徴とする請求項に記載の基板の製造方法。
  3. 前記めっき膜形成工程の後、前記めっき膜で囲まれた空間としての細孔の内側に充填材を充填する充填工程とを備えたことを特徴とする請求項又はに記載の基板の製造方法。
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