JP6047257B1 - 杭孔用貫入試験機及び杭施工管理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】杭孔用貫入試験機として、ドライブハンマーが自由落下する際の摺接抵抗が非常に小さく、杭孔内での貫入試験機の着底姿勢に多少の傾きがあっても円滑に落下し、孔底地盤の支持強度を高精度で測定できるものを提供する。【解決手段】外側ケーシング1内に内側ケーシング2が昇降自在に保持され、内側ケーシング2の下端から垂下する貫入ロッド3が外側ケーシング1を貫通して下方へ突出する。内側ケーシング2は、上下全長にわたって配置するセンターロッド4を備え、下端部にノッキングブロック21が固着され、自由落下によってノッキングブロック21を打撃するドライブハンマー5と、落下後のドライブハンマー5を吊り上げて所定高さで下放する吊上げ機構6とを内蔵する。ドライブハンマー5は、センターロッド4に昇降自在に外嵌して内側ケーシング2に対して非接触に保持され、貫入ロッド3が孔底Hbから所定深さまで貫入するのに要する打撃回数(N値)から孔底地盤の支持強度を測定する。【選択図】図3

Description

本発明は、アースドリル工法、プレボーリング工法、オールケーシング工法等によって地盤に穿設した杭孔における杭底地盤の支持強度を調べるための杭孔用貫入試験機と、この杭孔用貫入試験機を用いた杭施工管理方法に関する。
一般的に、場所打ち杭の施工にはケリーバ式アースドリル工法やオールケーシング工法が汎用され、またPHC杭やRC杭の如き既製杭の施工にはアースオーガによるプレボーリング工法が多用されている。しかして、これら工法による建て込み完了後の杭の支持強度が充分であるか否かは一般的に載荷試験によって判定できるが、それによって支持強度不足が判明した場合は杭施工のやり直しに多大な労力と時間及びコストを費やすことになる。従って、通常では、施工予定地での試験ボーリングにて得られた地質試料のデータに基づき、所定の深度まで掘孔することで支持層に届いたものとみなしているが、施工予定地全体の地下深部が一様な層序で均質であるとは限らず、地歴によっては局所的に支持層の深さが異なったり、支持層自体の硬さの違いが大きかったりすることも多々あるため、個々の杭孔の底部が実際に充分な杭先端の支持力を有するとは言えない。
一方、形成した杭孔について杭先端の支持力が充分であるか否かを杭建て込み前に判定する手段として、掘削部材の回転駆動用モータの電流値から掘削負荷の変化を捉え、この掘削負荷の増大によって杭孔が地盤深部の硬い支持層に達したことを確認する方法が提案されている(特許文献1〜3)。しかるに、これらの方法では、掘孔が深くなるに伴い、掘削部材と孔壁との摩擦抵抗が大きくなることで、支持層に達していなくとも掘削負荷が著しく増大したり、掘削部位で滑りが発生することで、逆に支持層に達していても掘削負荷が減少したり、更には作業者の掘削作業の巧拙によっても掘削負荷は大きく変動するから、支持層への到達を確認する指標として信頼性に乏しい。
そこで、本発明者は先に、杭施工管理方法として、地盤に設定深度の杭孔を形成後、該杭孔内への杭の建て込み前に、杭孔内に貫入試験機を配置して孔底の支持強度を判定し、その支持強度が所定値以上である場合に該杭孔に杭を建て込むようにすることを提案している(特許文献4)。その貫入試験機は、縦筒状のケーシング内に、該ケーシングの下端から下方突出する貫入ロッドを一体化したノッキングブロックと、該ノッキングブロックを自由落下によって打撃するドライブハンマーと、落下後のドライブハンマーを吊り上げて所定高さで下放する吊上げ機構とを備えており、貫入ロッドが孔底から所定深さまで貫入するのに要する打撃回数(N値)から孔底の支持強度を判定するものであり、国際標準のN値での管理を行えるので測定値の高い信頼評価が得られる。また、本発明者は、このような貫入試験機として、クレーンのワイヤで吊下げて杭孔に出入させる吊下げ式のもの(特許文献5)、アースオーガのスクリューロッドやアースドリルのケリーバ等の掘削ロッドに、その杭孔を掘削後の掘削先部材に代えて連結する掘削ロッド連結式のもの(特許文献6)、アースオーガにおけるスクリューロッドの先端側中空ロッド内やアースドリルにおける軸堀りバケット又は拡底バケットの中空ロッド内に組み込んだ掘削部材の中空ロッド内蔵型のもの(特許文献7)を提案している。
特開平5−280031号公報 特開2000−245058号公報 特開2003−74045号公報 特許第5948435号公報 特願2016−071845号 特願2016−078302号 特許第5932178号公報
本発明者の提案に係る前記の貫入試験機は、既述のように測定値の高い信頼評価が得られているが、実機試験を重ねる過程で更に改良の余地を残すことが判明した。すなわち、この貫入試験機では、ドライブハンマーは吊上げ位置から自由落下するが、その落下姿勢を安定にするために、該ドライブハンマーの周面の複数箇所に嵌合キーを突設し、各嵌合キーが内側ケーシングの内周に設けたガイド溝に摺動自在に嵌合した形になっており、その摺接抵抗でノッキングブロックに対する落下衝撃が幾分減じることになり、また杭孔内での貫入試験機の着底姿勢に僅かに傾きがあると、ドライブハンマーが落下する際に嵌合キーの部分で引っ掛かりを生じ、落下速度の低下によってノッキングブロックへの衝撃力が弱まる懸念もあり、これらの要因で測定精度が落ちる可能性があった。
本発明は、上述の状況に照らし、杭孔用貫入試験機として、ドライブハンマーが吊上げ位置から自由落下する際の摺接抵抗が非常に小さく、また杭孔内での貫入試験機の着底姿勢に多少の傾きがある場合でも、ドライブハンマーが引っ掛かりを生じることなく円滑に落下し、もって孔底地盤の支持強度を高精度で測定できるものを提供すると共に、この杭孔用貫入試験機を用いた杭施工管理方法を提示することを目的としている。
上記目的を達成するための手段を図面の参照符号を付して示せば、請求項1の発明に係る杭孔用貫入試験機は、地盤Gに穿設した杭孔Hに杭(場所打ち杭P1,既製杭P2)を建て込む前に、孔底Hbに着底させて該孔底Hbの支持強度を測定する杭孔用貫入試験機M1〜M4であって、縦筒状の外側ケーシング1内に縦筒状の内側ケーシング2が昇降自在に保持され、該内側ケーシング2の下端から垂下する貫入ロッド3が外側ケーシング1の下端部を貫通して下方外部へ突出し、内側ケーシング2は、その中心に沿って上下全長にわたって配置するセンターロッド4を備えると共に、下端部にノッキングブロック21が固着され、該内側ケーシング2の内部に、自由落下によってノッキングブロック21を打撃するドライブハンマー5と、落下後のドライブハンマー5を吊り上げて所定高さで下放する吊上げ機構6とが設けられ、ドライブハンマー5がセンターロッド4に昇降自在に外嵌して内側ケーシング2の内周に対して非接触に保持され、貫入ロッド3が孔底Hbから所定深さまで貫入するのに要するドライブハンマー5の打撃回数(N値)から孔底地盤の支持強度を測定するように構成されてなる。
請求項2の発明は、上記請求項1の杭孔用貫入試験機M1〜M4において、センターロッド4と貫入ロッド3が単一のロッド部材から構成されてなるものとしている。
請求項3の発明は、上記請求項1又は2の杭孔用貫入試験機M1〜M4において、吊上げ機構6は、油圧シリンダー61より下方突出するピストンロッド61aの先端に設けたクランプ部61によってドライブハンマー5を把持し、該ピストンロッド61aの短縮作動でドライブハンマー5を持ち上げて上限位置で開放するものであり、そのピストンロッド61aが筒状に構成され、センターロッド4の上部側が該ピストンロッド61a内及び油圧シリンダー内を貫通してなる構成としている。
請求項4の発明は、上記請求項1〜3のいずれかの杭孔用貫入試験機M1〜M4において、外側ケーシング1内の上部に、内側ケーシング2の下降量を計測するエンコーダー8を備えてなるものとしている。
請求項5の発明に係る杭施工管理方法は、地盤Gに穿設した杭孔H1に杭(場所打ち杭P1,既製杭P2)を建て込む前に、孔底Hb1に請求項1〜4のいずれかに記載の杭孔用貫入試験機M1〜M4を着底させ、孔底Hb1に当接させた貫入ロッド3が所定深さまで地盤Gに貫入するのに要するドライブハンマー5の打撃回数から孔底Hb1地盤の支持強度を判定し、該支持強度が所定値以上である場合に該杭孔H1に杭P1,P2を建て込む一方、該支持強度が所定値未満である場合に、該杭孔H1を更に深く再掘削して、再掘削後の孔底Hb2の支持強度を貫入試験機M1〜M4によって同様にして判定し、該支持強度が所定値以上に達した段階で、元の杭長さに対して再掘削による深度増加分の長さを継ぎ足し調整した杭P1,P2を該杭孔H2に建て込むことを特徴とする。
次に、本発明の効果について、図面の参照符号を付して説明する。まず、請求項1の発明に係る杭孔用貫入試験機M1〜M4では、地盤Gに穿設した杭孔Hに着底させて孔底Hb地盤の支持強度を測定する際、内側ケーシング2内で吊上げ機構6によって吊り上げたドライブハンマー5を自由落下させてノッキングブロック4を打撃するが、該ドライブハンマー5はセンターロッド4に昇降自在に外嵌して内側ケーシング2の内周に対して非接触に保持され、その自由落下時の摺接抵抗が極めて小さく、また杭孔H内での貫入試験機M1〜M4の着底姿勢に多少の傾きがある場合でも、ドライブハンマー5は引っ掛かりを生じることなく円滑に落下するから、ノッキングブロック4に対して略設定通りの打撃力を確実に加えることができ、もって孔底Hb地盤の支持強度を高精度で測定できる。
請求項2の発明によれば、センターロッド4と貫入ロッド3が単一のロッド部材から構成されるから、両ロッド3,4に各々独立したロッド部材を用いる場合に比較して貫入試験機の組立て製作が容易になるという利点がある。
請求項3の発明によれば、吊上げ機構6における油圧シリンダー61のピストンロッド61aが筒状をなし、該ピストンロッド61a内及び油圧シリンダー61内をセンターロッド4が貫通し、センターロッド4をガイド軸としてピストンロッド61aが直線的にぶれなく伸縮動作するから、ドライブハンマー5の把持及び吊上げと下放が安定して確実になされる。
請求項4の発明によれば、外側ケーシング1内の上部に内側ケーシング2の下降量を計測するエンコーダー8を備えるから、ノッキングブロック4の打撃による貫入ロッド3の孔底Hbへの貫入量を正確に捉えることができる。
請求項5の発明に係る杭施工管理方法によれば、地盤Gに所定深度の杭孔H1を形成後、請求項1〜4のいずれかに記載の杭孔用貫入試験装置M1〜M4を着底させたのち、孔底Hb1に当接した貫入ロッド3が所定深さまで地盤に貫入するのに要するドライブハンマー5の打撃回数から孔底地盤Ghの支持強度を判定し、該支持強度が所定値以上である場合に建て込み可能と判定し、該杭孔H1に杭(場所打ち杭P1、既製杭P2)を建て込んで杭施工を効率よく完了させることができる。一方、該支持強度が所定値未満の場合には、建て込み不可となるから、該杭孔H1を更に深く再掘削し、再掘削後の孔底Hb2の支持強度を貫入試験機M1〜M4で同様にして判定し、該支持強度が所定値以上に達した場合に、元の杭長さに対して再掘削による深度増加分の長さを継ぎ足し調整した杭を該杭孔H2に建て込むようにしている。従って、この杭施工管理方法によれば、最初に掘削した設定深度の杭孔H1の孔底Hb1の支持強度が不足しても、場所を代えて新たに杭孔を形成する必要はなく、同じ杭孔H1の再掘削と再判定を行うことで対応できるから、建造物の設計変更、大幅な施工コスト増大や工期延長等を回避できる上、設定深度の杭孔H1用として予め準備している既製杭Pや場所打ち杭用の鉄筋籠Fを杭本体P1や鉄筋籠本体F1として長さ不足分だけ簡単に継ぎ足す形で利用できるから、資材コストが嵩まず、且つ能率よく杭の建て込み作業を行える。なお、再掘削と再判定は、所定値以上の支持強度が得られるまで繰り返し行える。
ケリーバ式アースドリル機を示し、(a)は全体の側面図、(b)はケリーバに第一実施形態の貫入試験機を連結した状態の要部の側面図である。 同貫入試験機の外側ケーシングの内部を示し、(a)は縦断正面図、(b)は(a)のX−X線の矢視断面図である。 同貫入試験機における内側ケーシングの内部を示し、(a)は落下位置にあるドライブハンマーを吊上げ機構のクランプ部で把持した状態の縦断正面図、(b)は吊上げ機構によって上限位置へ持ち上げたドライブハンマーを開放した状態の縦断正面図である。 同吊上げ機構のクランプ部を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のY−Y線の断面図である。 同貫入試験機におけるパイプストッパーの縦断側面図である。 同貫入試験機を用いたケリーバ式アースドリル工法による杭施工において、貫入試験による孔底の支持強度が所定値以上であった場合の工程を(a)〜(k)の順に示す概略縦断面図である。 同貫入試験機の貫入試験時の動作を示し、(a)は孔底に貫入ロッドが着底した状態、(b)は外側ケーシングの下降によって内側ケーシングが上限位置に配置した試験開始時の状態、(c)は貫入ロッドが孔底地盤に貫入した状態、のそれぞれ縦断側面図である。 同アースドリル工法による杭施工において、貫入試験による孔底の支持強度が所定値未満であった場合の貫入試験以降の工程を(a)〜(e)の順に示す概略縦断面図である。 アースオーガの三点式杭打機を示し、(a)は全体の側面図、(b)はスクリューロッドに第二実施形態の貫入試験機を連結した状態の要部の側面図である。 同貫入試験機を用いたプレボーリング工法による杭施工において、貫入試験による孔底の支持強度が所定値以上であった場合の工程を(a)〜(h)の順に示す概略縦断面図である。 同プレボーリング工法による杭施工において、貫入試験による孔底の支持強度が所定値未満であった場合の貫入試験以降の工程を(a)〜(f)の順に示す概略縦断面図である。 第三実施形態の吊下げ式の貫入試験機を示し、(a)は全体の斜視図、(b)は上部側の縦断正面図である。 第四実施形態の吊下げ式の貫入試験機を示す斜視図である。
以下に、本発明に係る杭孔用貫入試験機及び杭施工管理方法の実施形態について、図面を参照して具体的に説明する。図1〜図8は第一実施形態、図9〜図11は第二実施形態、図12は第三実施形態、図13は第四実施形態、をそれぞれ示すが、これら第一〜第四実施形態において共通する構成部分には同一符号を附している。
第一実施形態の貫入試験機M1は、図1(a)の如くアースドリル機ADのケリーバKの下端に連結していた、実線で示す軸堀りバケットB1や仮想線で示す拡底バケットB2に代えて、図1(b)の如く該ケリーバKの下端に連結して用いるようになっている。しかして、アースドリル機ADは、ブームBo及びフロントフレームFを備えた走行式クレーンよりなり、斜め前方へ張出するフロントフレームFの先端にケリードライブ装置KDが保持され、ブームBoによって巻上げロープWを介して吊持されたケリーバKが該ケリードライブ装置KDに上下動可能に挿通しており、ケリードライブ装置KDの下位には、一対のホースリールHrを設置したロータリーテーブルRTが取り付けられ、このロータリーテーブルRTには油圧用及び電気配線用のロータリーカップリング(図示省略)が設けてある。
貫入試験機M1は、図2(a)に示すように、縦筒状の外側ケーシング1内に筒状の内側ケーシング2が昇降自在に装填されており、外側ケーシング1の裁頭円錐状の上端テーパープレート1aの頂端に平面視正方形の突軸部11が突設されると共に、内側ケーシング2の下端中央から垂下する貫入ロッド3が外側ケーシング1の下端を貫通して下方外部へ突出している。この貫入ロッド3の先端側には地質試料を採取するための二つ割り可能なサンプラー3aが設けてある。また、突軸部11にはケリーバKの下端にピン止め連結するためのピン孔11aが水平に貫設されている。
そして、図2(b)でも示すように、外側ケーシング1の内周には、上下方向に沿う平行2条の凸条より構成されるガイドレール12が周方向複数箇所(図では4カ所)に等配形成され、内側ケーシング2の外周の上下部に突設した嵌合キー22が各ガイドレール12に摺動自在に嵌合すると共に、外側ケーシング1の内側上端部に固設した取付板13と内側ケーシング2の上端板2aとの間に、二重管状のパイプストッパー7が介装されている。
このパイプストッパー7は、上端を取付板13の下面中央に固着した外筒71内に、下端を内側ケーシング2の上端板2aの中央に固着した内筒72が上下摺動自在に嵌合している。そして、図5で示すように、内筒72が外筒71内に最も退入した短縮限において、内筒72の上端が取付板13の下面に当接するため、内側ケーシング2は外側ケーシング1内での上限位置になる。一方、内筒72が外筒71から最も伸長した状態では、その上端の外向きフランジ部72aが外筒71の下端の内向きフランジ部71aに係合することにより、該内筒72が外筒71から抜出不能となり、もって内側ケーシング2は外側ケーシング1内での下限位置になる。
更に、外側ケーシング1の取付板13と内側ケーシング2の上端との間には、内側ケーシング2内の後述する油圧シリンダー61(図3参照)に対する作動油の給排路を構成する二重管式の2本の伸縮配管23が介装されている。そして、各伸縮配管23は、上部側を外側ケーシング1に固定した外管23aと、下端を内側ケーシング2に固定した内管23bとからなるが、外管23aから上方に延出した曲管部23cが上端テーパープレート1aのテーパー部を貫通して上方外部へ突出し、アースドリル機ADのロータリーテーブルRTから垂下する油圧ホースh1,h2をアダプタaを介して接続する油圧ジョイントJ1,J2を構成している。また、取付板13の下面側には、外側ケーシング1に対する内側ケーシング2の下降量を計測するエンコーダー8が取り付けられ、該エンコーダー8から延出する計測コード8aが内側ケーシング2の上端に止着されている。なお、エンコーダー8用の電気配線は二重構造とした一方の油圧ホースh1内に挿通させている。
外側ケーシング1の下部側には、内側ケーシング2の昇降空間10から隔絶した蓄圧室14が設けられ、該蓄圧室14内は圧縮空気の封入によって高圧になっている。この蓄圧室14は独立の下端部材1bとして外側ケーシング1の下端に着脱可能にボルト止めされている。そして、該蓄圧室14の天井部14a及び底板部14bの開口部14c,14dに、貫入ロッド3がパッキン部材9A,9Bを介して気密に挿通されている。
図3(a)(b)に示すように、内側ケーシング2は、その内側に中心に沿って上下全長にわたって配置するセンターロッド4を備え、下端部にノッキングブロック21が固着されると共に、該ノッキングブロック21を自由落下によって打撃する略円柱状のドライブハンマー5と、落下後のドライブハンマー5を吊り上げて所定高さで下放する吊上げ機構6とを内蔵している。しかして、センターロッド4と貫入ロッド3は、ノッキングブロック21を貫通した単一のロッド部材から構成されており、貫入ロッド3の基部に嵌装した固定用リング24を当該貫入ロッド3及びノックキングブロック21にねじ止めすることで、内側ケーシング2に固定されている。
ドライブハンマー5は、上部に裁頭円錐部5aとこれに続くネック部5bを備え、上下に透通する中心孔50にセンターロッド4を挿通することにより、該センターロッド4に昇降自在に外嵌して、且つ内側ケーシング2の内周に対して非接触に保持されている。
吊上げ機構6は、内側ケーシング2の上端板2aに基端側を固着した油圧シリンダー61と、そのピストンロッド61aの先端部に各々枢支ピン62を介して垂直面内で揺動自在に枢着された一対のクランプアーム63,63と、油圧シリンダー61の下端外周部に固設された短円筒状の把持解除筒64とで構成されている。そして、把持解除筒64の内周下部は下方へ拡大する環状テーパー面64aとなっている。また、ピストンロッド61aは筒状に構成されており、センターロッド4の上部側が該ピストンロッド61a内を貫通して内側ケーシング2の上端板2aに固着されている。なお、油圧シリンダー61から導出する2本の油圧ホースh,hは、各々上側の伸縮配管23に接続している。
吊上げ機構6の各クランプアーム63は、図4(a)(b)で詳細に示すように、中間が括れた壺形を縦に半割した概略形態をなし、下端内周に半円弧状の係止部63aが突設され、各係止部63aの内周下部が下向きに拡大するテーパ面63bになり、円弧状の上端部の外面側が上向きに縮小するテーパ面63cになっている。そして、両クランプアーム63,63は、相互に対向した状態で、括れ部63dよりも上位側において各々ピストンロッド61aに突設したブラケット61bに枢着されると共に、相互の括れ部63d,63dを周回する形でリング状のコイルスプリング65が嵌装されている。このコイルスプリング65の付勢により、両クランプアーム63,63は、対向する両側縁部63e,63eが中間で広角に曲折していることで、図4(a)の如く、下部側同士が閉じ合わさり、上部側同士はV字形に開くようになっている。
この吊上げ機構6では、内側ケーシング2内でドライブハンマー5が落下位置にあるとき、油圧シリンダー61のピストンロッド61aを伸長させることにより、図3(a)で示すように、両クランプアーム63,63の係止部63a,63aのテーパ面63b,63bがドライブハンマー5の裁頭円錐部5aに接触し、傾斜誘導作用によって両クランプアーム63,63がコイルスプリング65の付勢に抗して開くことで、両係止部63a,63aが裁頭円錐部5aの下側に係合する。そして、この係合状態でピストンロッド61aを収縮作動させることで、ドライブハンマー5を把持して吊り上げるが、ピストンロッド61aが上限位置まで来た際に、図3(b)に示すように、両クランプアーム63,63の上端部のテーパ面63b,63bが把持解除筒64のテーパ面64aに接触し、傾斜誘導作用によって両クランプアーム62,62がコイルスプリング65の付勢に抗して強制的に開くため、把持解除されたドライブハンマー5自由落下して内側ケーシング2の底端のノッキングブロック21を打撃する。
しかして、ドライブハンマー5は、センターロッド4に昇降自在に外嵌して内側ケーシング2の内周に対して非接触に保持されているから、その自由落下時の摺接抵抗が極めて小さく、また落下後の吊上げ機構6による吊上げも円滑になされる。
本発明を適用したケリーバ式アースドリル工法による場所打ち杭の施工では、図6に示すように、(a)アースドリル機のケリーバKに連結した前堀り用の軸掘バケットBpによって地盤上位の軟弱層Gsを掘削・排土し、(b)その掘削孔HpにスタントパイプPsを圧入し、(c)孔内にベントナイト液等の安定液Lsを注入しつつ、交換した本堀り用の径小の軸掘バケットB1にて掘削・排土し、(d)想定される地下深部の硬質支持層Ghに達する深さ(設定深度)の杭孔H1を形成する。そして、(e)軸掘バケットB1を抜出後の杭孔H内に、該軸掘バケットB1に代えてケリーバKに連結した貫入試験機M1を挿入し、(f)該貫入試験機M1を孔底Hb1に着底させ、孔底地盤の支持強度を測定し、該支持強度が所定値以上であれば、(g)該貫入試験機M1の抜出後の杭孔H1内に鉄筋籠Fcを建て込み、(h)鉄筋籠Fcの内側にトレミー管Tpを挿入し、(i)エアーAirの導入によってスライムSを排出し、(j)生コンCを打設しつつ、その打ち上げに伴ってトレミー管Tpを引き抜いてゆき、(k)最後にスタントパイプPsを引抜く、という手順で場所打ち杭P1の建て込みを完了する。
なお、図示を省略するが、拡底杭施工として、杭孔H1の形成後、その底部を拡底バケットB2〔図1(a)の仮想線参照〕で拡大した上で場所打ち杭P1を建て込む場合、前記工程(f)の貫入試験機M1による孔底地盤の支持強度の測定後に拡底バケットB2で杭底部を拡大するか、もしくは前記工程(d)の杭孔Hの形成に引き続いて拡底バケットB2による杭底部の拡大を行ったのち、貫入試験機M1による測定を行えばよい。
貫入試験機M1による孔底地盤の支持強度の測定は、まず図7(a)に示すように、アースドリル機AD〔図1(a)参照〕に保持されたケリーバKの下端開口部(図示省略)に、突軸部11を嵌入してピン止めすることにより、当該貫入試験機M1を該ケリーバKの下端に連結する。この連結状態の貫入試験機M1では、外側ケーシング1側でケリーバKに支持されているため、内側ケーシング2は自重によって外側ケーシング1内での下限位置つまりパイプストッパー7が伸長限となった位置に配置し、これに伴って外側ケーシング1の下端からの貫入ロッド3の突出長さが最大になっている。
かくしてケリーバKの下端に連結した貫入試験機M1は、該ケリーバKを非回転で下動させることにより、先に形成している杭孔H内に挿入し、孔壁に接触しないように下降させて孔底Hbに着底させる。しかして、この着底においては、図7(a)の如く貫入ロッド3の先端が孔底Hbに当接することで内側ケーシング2の下降は停止しても、外側ケーシング1は内側ケーシングに対して相対的に昇降自在であるから、図7(b)に示すように、貫入ロッド3の退入を伴って外側ケーシング1がケリーバKと一体に下降し、内側ケーシング2が外側ケーシング1内での上限位置つまりパイプストッパー7が短縮限となる位置で停止する。そして、この外側ケーシング1の下降停止位置でケリーバKを昇降不能に固定し、該貫入試験機M1を駆動して測定試験を行う。
測定試験では、既述のように、内側ケーシング2内の吊上げ機構6の駆動により、図3(a)の如くドライブハンマー5を両クランプアーム63,63で把持して吊り上げ、図3(b)の如く上限位置で把持解除筒64によって両クランプアーム63,63を開いて該ドライブハンマー5を下放し、自由落下する該ドライブハンマー5にて下端のノッキングブロック21を打撃する。その打撃力により、図7(c)に示すように、内側ケーシング2の下動を伴って貫入ロッド3が杭底Hbの地盤Gに貫入するから、以降同様に打撃操作を繰り返すことにより、貫入ロッド3が孔底Hbから所定深さまで貫入するのに要する打撃回数を計測し、その打撃回数に基づいて杭底Hbの地盤の支持強度が所定値以上であるか否かを判定する。
ドライブハンマー5の打撃回数(N値)は吊上げ機構6の油圧シリンダー61の作動を司る地上側の油圧駆動制御装置(図示省略)によってカウントされ、孔底地盤への貫入ロッド3の貫入量は内側ケーシング2の下降量としてエンコーダー8で計測される。そして、エンコーダー8による計測信号は、電気配線を通して地上の自動計測装置(図示省略)に送られ、1打撃当たりの沈下量つまり貫入ロッド3の地盤Gに対する貫入量及び累計貫入量が打撃回数(N値)と共に記録・表示される。なお、JIS A 1219で規定される標準貫入試験では、質量63.5±0.5kgのドライブハンマー5を76±1cm自由落下させてノッキングブロック21を打撃し、外径51±1mm,内径35±1mmの貫入ロッド3が地盤に30cm貫入するのに要する打撃回数をN値として表すから、この貫入試験機M1においても上記標準貫入試験に準拠して支持強度をN値として掌握すればよい。
かくして測定した孔底地盤の支持強度が所定値以上であれば、杭の建て込みが可能と判定し、既述した図6(g)〜(k)の工程手順で場所打ち杭P1の杭施工を行うが、例えば図8(a)で示すように、地下深部の支持層Ghが当初の想定よりも深い位置にあり、杭孔H1が該支持層Ghに達していないこと等で、前記貫入試験機M1にて測定した杭底地盤の支持強度が所定値に満たなかった場合には、以下の手順を採用する。すなわち、貫入試験機M1を抜出した杭孔H1に対し、図8(b)安定液Lsを追加注入しつつ、再びケリーバKに連結した軸掘バケットB2にて掘削・排土することにより、より深い杭孔H2を形成し、同(c)再掘削後の杭孔H2に再びワイヤWで吊り下げた貫入試験機M1を挿入して孔底Hb2に着底させ、前記同様にして杭底地盤の支持強度を測定する。そして、該杭孔H2が当初の想定より深い位置にあった支持層Ghに達していること等で、該支持強度が所定値以上であれば、同(d)当初想定の杭孔H1用として準備していた鉄筋籠Fを鉄筋籠本体F1として、この鉄筋籠本体F1に籠延長部F2を継ぎ足し構築して長くした鉄筋籠FCを用い、同(e)再掘削後の杭孔H2に該鉄筋籠FCを建て込み、以降は図6(g)〜(k)と同様の手順で場所打ち杭P1の建て込みを完了する。
再掘削後の杭孔H2に建て込む鉄筋籠FCは、上述のように当初想定の杭孔H1に対応する鉄筋籠Fである鉄筋籠本体F1に籠延長部F2を継ぎ足すことで、再掘削後の杭孔H2に対応する長さにする。この継ぎ足しには、鉄筋籠を構成する主筋、フープ筋、補強リング等の個々の部材を杭施工の現場で鉄筋籠本体F1に組み付けてゆく方法も採用できるが、予め籠形態とした短い鉄筋籠部材を用意しておき、この鉄筋籠部材を鉄筋籠本体F1に継ぎ足し連結する方法によれば、その継ぎ足しを簡単に行えるので再掘削が必要になった時に迅速に対応できる。更に、再掘削の掘削深さを一律とし、鉄筋籠部材の籠延長部F2を該掘削深さに応じた長さに設定しておけば、再掘削への対応をより迅速に行える。
第二実施形態の貫入試験機M2は、図9(a)の如くプレボーリング工法に用いるアースオーガAAのスクリューロッドRsの下端に連結していた先端ロッド部材Rhに代えて、図9(b)の如く該スクリューロッドRsの下端に連結して用いるようになっている。しかして、例示したアースオーガAAは、三点支持式杭打ち機の垂直に保持されたリーダLにオーガーマシンAMが昇降可能に装着され、該オーガーマシンAMにスクリューロッドRsが上端部で保持されている。このスクリューロッドRsは、直線状の中空ロッドRの周囲に略全長にわたって螺旋羽根Scが形成されたもので、先端側が下端に掘削刃Eを備える独立の短い先端ロッド部材Rhより構成されている。
この貫入試験機M2では、既述した第一実施形態の貫入試験機M1が上端にケリーバ連結用の突軸部11を備える代わりに、上端部にスクリューロッドRsに対する連結部(図示省略)を備えるが、他の構成は第一実施形態の貫入試験機M1と同様であるため、内部構造の説明を省略する。なお、スクリューロッドRsに対する連結部については本出願人に係る既述の特許文献6(特願2016−078302号)に詳細な開示がある。
第二実施形態の貫入試験機M2を利用し、プレボーリング工法による既製杭の施工を行う場合、図10に示すように、(a)三点式杭打機等のリーダ[図示省略、図9(a)参照]に沿って昇降するオーガーマシンAMに取り付けたスクリューロッドRsを回転駆動しつつ下降させることにより、その下端に連結している先端ロッド部材Rhの掘削刃Eによって地盤G(軟弱層Gs)を掘削し、(b)想定される地下深部の支持層Ghに達する深さの杭孔H1を形成したのち、(c)スクリューロッドRsを引き上げつつ、ソイルセメント等の根固め液Lsを注入し、(d)続いて孔周固定液Lfを杭孔H1の上部まで注入し、該スクリューロッドRsを抜出する。そして、(e)スクリューロッドRsの先端ロッド部材Rhに代えて貫入試験機M2を該スクリューロッドRsに連結し、オーガーマシンAMの下動によって該貫入試験機M2を杭孔H1に挿入し、(f)該貫入試験機M2を孔底Hb1に着底させ、既述のように孔底地盤の支持強度を測定し、該支持強度が所定値以上であれば、(g)オーガーマシンAMに連結用ロッドRjを介してPHC杭やRC杭の如き既製杭P2を連結し、この既製杭P2を杭孔H1に挿入し、(h)該既製杭P2を杭孔H1内に埋入して杭施工を完了する。
しかるに、例えば図11(a)で示すように、地下深部の支持層Ghが当初の想定よりも深い位置にあり、杭孔H1が該支持層Ghに達していないこと等で、前記貫入試験機M2にて測定した杭底地盤の支持強度が所定値に満たなかった場合には、貫入試験機M2を抜出した杭孔H1に対し、図11(b)再び先端ロッド部材Rhを連結したスクリューロッドRsを挿入して掘削することにより、より深い杭孔H2を形成したのち、該スクリューロッドRsを引上げつつ根固め液Lsを追加注入し、同(c)再掘削後の杭孔H2に再び該スクリューロッドRsに連結した貫入試験機M2を挿入して着底させ、前記同様にして杭底地盤の支持強度を測定する。そして、該杭孔H2が当初の想定より深い位置にあった支持層Ghに達していること等で、該支持強度が所定値以上であれば、同(d)当初想定の杭孔H1用の既製杭P2を杭本体PAとして、該杭本体PAに鋼管等からなる短尺杭部材PBを継ぎ足し連結した既製杭P2を用い、同(e)再掘削後の杭孔H2に前記同様にして該既製杭P2を挿入し、同(f)該杭孔H2の底まで埋め込んで既製杭P2の建て込みを完了する。
図12(a)(b)に示す第三実施形態の貫入試験機M3は、クローラクレーンのブーム等より垂下するワイヤ下端のフックHoに対し、吊支部材25の上端に連結した吊り金具25aに通したワイヤ製の掛け輪26を掛けることにより、全体を吊り下げて用いるものである。この貫入試験機M3では、既述の第一及び第二実施形態の貫入試験機M1,M2と同様に外側ケーシング1内に内側ケーシング2が昇降自在に装填されているが、外側ケーシング1の上側テーパーキャップ15に設けた上端開口部15aから棒軸状の吊支部材25が突出すると共に、該上端開口部15aと吊支部材25の中間部との間、ならびに下端開口部(図示省略)と貫入ロッド3の中間部との間にゴム等よりなる封止用のベローズ筒体16がそれぞれ装着されている。また、外側ケーシング1の下部には、上下の径大のパイプリング17a,17bを複数本(図では4本)のパイプ支柱17cで連結した支脚17が、下側パイプリング17bを外側ケーシング1の下端より低位とするように、上部側で放射状に配置するブラケット17dを介して固設されている。
吊支部材25は、下端を枢支ピン25bを介して内側ケーシング2の上端に枢着連結しているが、外側ケーシング1の内側に位置する中間部に円形フランジ状のストッパー27が設けてあり、このストッパー27を介して吊下げ時の外側ケーシング1を上側テーパーキャップ15の内側において支承するように構成されている。そして、この吊下げ状態では、嵌入ロッド3の先端が支脚17の下端に対して同レベルもしくは若干高位になるように設定されている。なお、内側ケーシング2の内部は第一実施形態の貫入試験機M1と全く同様であるため、その説明を省略する。
上記構成の貫入試験装置M3は、アースドリル工法、オールケーシング工法、プレボーリング工法等による杭施工において、穿設後の杭孔に杭を建て込む前に、クローラクレーンのブーム等より垂下するワイヤで吊り下げて該杭孔に挿入して着底させ、杭底地盤の支持強度を測定する。この着底状態では、吊り下げていたワイヤを弛緩させて測定試験を行うが、孔底に支脚17が接地することで装置全体が自立して直立姿勢を保つと共に、該ワイヤの弛緩の弛緩によって内側ケーシング2が降下自在になるから、貫入ロッド3の先端が確実に孔底に当接する。
なお、オールケーシング工法等で杭孔の径が大きい場合、図13に示す第四実施形態の吊下げ式の貫入試験機M4のように、外側ケーシング1の上部外周にスタビライザ18を設けてもよい。このスタビライザ18は、各々放射状に側方へ張出する複数本(図では4本)のステー18aの各先端に、縦帯板片18bを設けたものであり、杭孔内での突っ張りによって貫入試験機M4が倒れるのを防止する。なお、この貫入試験機M4のスタビライザ18以外の構成は第三実施形態の貫入試験機M3と同様である。
これら吊下げ式の貫入試験機M3,M4を用いる場合でも、最初に測定した杭底地盤の支持強度が所定値に満たなかった場合には、杭孔を更に深く掘削して再度の支持強度の測定を行うことは言うまでもない。
しかして、これら貫入試験機M1〜M4では、ドライブハンマー5がセンターロッド4に昇降自在に外嵌して内側ケーシング2の内周に対して非接触に保持されているため、その自由落下時の摺接抵抗が極めて小さく、また杭孔H内での貫入試験機M1〜M4の着底姿勢に多少の傾きがある場合でも、ドライブハンマー5は引っ掛かりを生じることなく円滑に落下するから、ノッキングブロック4に対して略設定通りの打撃力を確実に加えることができ、もって孔底Hb地盤の支持強度を高精度で測定できる。
実施形態のように、センターロッド4と貫入ロッド3が単一のロッド部材から構成すれば、両ロッド3,4に各々独立したロッド部材を用いる場合に比較して貫入試験機の組立て製作が容易になるという利点がある。同じく実施形態のように、吊上げ機構6における油圧シリンダー61のピストンロッド61aを筒状として、該ピストンロッド61aにセンターロッド4が貫通する構成とすれば、センターロッド4をガイド軸としてピストンロッド61aが直線的にぶれなく伸縮動作するから、ドライブハンマー5の把持及び吊上げと下放が安定して確実になされるという利点がある。しかして、センターロッド4及び貫入ロッド3には中実材及びパイプ材を使用できる。なお、センターロッド4は、例えば図2におけるパイプストッパー7の内筒72や、図12における吊支部材25と一体化することも可能である。
一方、本発明の杭施工管理方法によれば、掘削した設定深度の杭孔H1の孔底Hb1の支持強度が不足しても、場所を代えて新たに杭孔を形成する必要はなく、同じ杭孔H1の再掘削と再判定を行うことで対応できるから、建造物の設計変更、大幅な施工コスト増大や工期延長等を回避できる上、設定深度の杭孔H1用として予め準備している既製杭や場所打ち杭用の鉄筋籠を杭本体や鉄筋籠本体として長さ不足分だけ簡単に継ぎ足す形で利用できるから、資材コストが嵩まず、且つ能率よく杭の建て込み作業を行える。なお、再掘削と再判定は、所定値以上の支持強度が得られるまで繰り返し行える。
1 外側ケーシング
2 内側ケーシング
21 ノッキングブロック
3 貫入ロッド
4 センターロッド
5 ドライブハンマー
6 吊上げ機構
61 油圧シリンダー
61a ピストンロッド
8 エンコーダー
G 地盤
H 杭孔
H1 設定深度の杭孔
H2 再掘削後の杭孔
Hb 杭底
Hb1 最初の杭底
Hb2 再掘削後の杭底
M1〜M4 杭孔用貫入試験機
P1 場所打ち杭
P2 既製杭

Claims (5)

  1. 地盤に穿設した杭孔に杭を建て込む前に、孔底に着底させて該孔底の支持強度を測定する杭孔用貫入試験機であって、
    縦筒状の外側ケーシング内に縦筒状の内側ケーシングが昇降自在に保持され、該内側ケーシングの下端から垂下する貫入ロッドが外側ケーシングの下端部を貫通して下方外部へ突出し、
    内側ケーシングは、その中心に沿って上下全長にわたって配置するセンターロッドを備えると共に、下端部にノッキングブロックが固着され、
    該内側ケーシングの内部に、自由落下によって前記ノッキングブロックを打撃するドライブハンマーと、落下後のドライブハンマーを吊り上げて所定高さで下放する吊上げ機構とが設けられ、
    前記ドライブハンマーが前記センターロッドに昇降自在に外嵌して内側ケーシングの内周に対して非接触に保持され、
    前記貫入ロッドが孔底から所定深さまで貫入するのに要するドライブハンマーの打撃回数から孔底地盤の支持強度を測定するように構成されてなる杭孔用貫入試験機。
  2. 前記センターロッドと貫入ロッドが単一のロッド部材から構成されてなる請求項1に記載の杭孔用貫入試験機。
  3. 前記吊上げ機構は、油圧シリンダーより下方突出するピストンロッドの先端に設けたクランプ部によってドライブハンマーを把持し、該ピストンロッドの短縮作動でドライブハンマーを持ち上げて上限位置で開放するものであり、そのピストンロッドが筒状に構成され、前記センターロッドの上部側が該ピストンロッド内及び油圧シリンダー内を貫通してなる請求項1又は2に記載の杭孔用貫入試験機。
  4. 外側ケーシング内の上部に、内側ケーシングの下降量を計測するエンコーダーを備えてなる請求項1〜3のいずれかに記載の杭孔用貫入試験機。
  5. 地盤に穿設した杭孔に杭を建て込む前に、孔底に請求項1〜4のいずれかに記載の杭孔用貫入試験機を着底させ、孔底に当接させた貫入ロッドが所定深さまで地盤に貫入するのに要するドライブハンマーの打撃回数から孔底地盤の支持強度を判定し、
    該支持強度が所定値以上である場合に該杭孔に杭を建て込む一方、
    該支持強度が所定値未満である場合に、該杭孔を更に深く再掘削して、再掘削後の孔底の支持強度を前記杭孔用貫入試験機によって同様にして判定し、該支持強度が所定値以上に達した段階で、元の杭長さに対して再掘削による深度増加分の長さを継ぎ足し調整した杭を該杭孔に建て込むことを特徴とする杭施工管理方法。
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