JP6046639B2 - (メタ)アクリル酸および誘導体ならびにそれらから製造されるポリマーの製造のためのプロセス - Google Patents

(メタ)アクリル酸および誘導体ならびにそれらから製造されるポリマーの製造のためのプロセス Download PDF

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Description

本発明は、塩基触媒の存在下における選択された酸の脱カルボキシル化および反応媒体からの(メタ)アクリル酸生成物の抽出による、(メタ)アクリル酸(本明細書において、アクリル酸またはメタクリル酸を意味する)またはその誘導体(例えば、エステル)の製造のためのプロセスに関する。
アクリル酸(AA)およびメタクリル酸(MAA)ならびにそれらのエステル、特にメチル、エチルおよびブチルエステル(例えば、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、メチルメタクリレート(MMA)およびブチルメタクリレート)は、化学工業において重要なモノマーである。それらの主な用途は、種々の用途のためのポリマーの製造にある。最も重要なポリマー用途は、超吸収ポリマーにおけるアクリル酸用、ならびに表面塗料用およびポリメチルメタクリレート(PMMA)の流延、成形または押出により製造される高光学的透明度のプラスチック用のメタクリル酸エステルおよびアクリル酸エステル用である。また、AAおよびそのエステルならびにMAAまたはMMAの多くのコポリマーが使用されており、重要なコポリマーは、MMAとα−メチルスチレン、エチルアクリレートおよびブチルアクリレートとのコポリマーである。現在のところ、AA、MMAおよびMAAは、もっぱら石油化学供給原料から製造されている。
従来、MMAは、いわゆるアセトン−シアノヒドリン経路により工業的に製造されてきた。このプロセスは、資本集約的であり、比較的高コストでアセトンおよびシアン化水素からMMAを製造する。このプロセスは、アセトンおよびシアン化水素からアセトンシアノヒドリンを形成することによって行われ、この中間体の脱水により、硫酸メタクリルアミドが得られ、次いでこれを加水分解して、MAAを生じさせる。中間体シアノヒドリンは、硫酸を用いてメタクリルアミドの硫酸エステルに変換され、そのメタノリシスにより、重硫酸アンモニウムおよびMMAが得られる。しかしながら、この方法は、費用がかかるだけでなく、硫酸およびシアン化水素の両方が、安全な操作を維持するために、慎重なかつ費用のかかる取扱いを必要とし、このプロセスは、多量の硫酸アンモニウムを副生物として生じさせる。この硫酸アンモニウムの有用な肥料への変換または硫酸に戻す変換はいずれも、高い資本コストの設備および著しいエネルギーコストを必要とする。
代替的に、さらなるプロセスにおいては、イソブチレン反応物、または等価的に、t−ブタノール反応物から出発することが知られており、その場合、これは、メタクロレインに酸化され、次いでMAAに酸化される。
高い収率および選択性ならびにはるかに少ない副生物をもたらす改善されたプロセスが、アルファ法として知られる二段法である。第I段階は、国際公開第96/19434号パンフレットに記述されており、高い収率および選択性でのエチレンからメチルプロピオネートへのパラジウム触媒によるカルボキシル化における、1,2−ビス−(ジ−t−ブチルホスフィノメチル)ベンゼンリガンドの使用に関する。本出願人はまた、ホルムアルデヒドを用いたメチルプロピオネート(MEP)からMMAへの触媒変換のための方法も開発した。これに好適な触媒は、担体(例えば、シリカ)担持セシウム触媒である。この二段法は、利用可能な競合プロセスに比べてかなり有利ではあるが、バイオエタノールもエチレン源として利用可能であるとはいえ、依然としてやはり、主として原油および天然ガスからのエチレン供給原料に依拠している。
従来、アクリル酸は、もっぱら油、ガスまたは石炭供給原料から得られるプロペンの酸化により調製されている。
長年にわたり、バイオマスは、有望な代替エネルギー資源および化学プロセス供給原料の代替資源の両方として、化石燃料の代替物として提供されてきた。したがって、化石燃料への依存に対する明白な解決策の一つは、バイオマス由来の供給原料を用いてAA、MMAまたはMAAの製造のための既知のプロセスのいずれかを実施することである。
この点に関して、バイオマスから合成ガス(一酸化炭素および水素)が得られ得ること、および合成ガスからメタノールが製造され得ることがよく知られている。いくつかの工業プラントは、例えば、Lausitzer Analytik GmbH Laboratorium fuer Umwelt und Brennstoffe Schwarze Pumpe(ドイツ)およびBiomethanol Chemie Holdings(オランダ、デルクゼイル(Delfzijl))においては、これに基づいて合成ガスからメタノールを製造している。Nouri and Tillman,Evaluating synthesis gas based biomass to plastics(BTP)technologies(ESA−Report 2005:8 ISSN 1404−8167)は、直接の供給原料として、または他の供給原料(例えば、ホルムアルデヒド)の製造のために、合成ガスから製造されるメタノールを使用することの実行可能性を教示している。バイオマスからの化学物質の製造に好適な合成ガスの製造に関する特許文献および非特許文献も多くある。
バイオマス由来のエタノールの脱水によるエチレンの製造も、特にブラジルにおいて、製造プラントにより十分に確立されている。
エタノールのカルボニル化、ならびにバイオマス由来のグリセロールからアクロレインおよびアクリル酸などの分子への変換からのプロピオン酸の製造もまた、特許文献において十分に確立されている。
したがって、エチレン、一酸化炭素およびメタノールは、バイオマスからの十分に確立された製造経路を有している。このプロセスにより製造された化学物質は、油/ガス由来の物質と同じ仕様で販売される、または同じ純度が求められるプロセスにおいて使用される。
したがって、原則的に、バイオマス由来の供給原料からのメチルプロピオネートの製造に係る上記のいわゆるアルファ法の実施を妨げるものはない。それどころか、それが単純な供給原料(例えば、エチレン、一酸化炭素およびメタノール)を使用することが、むしろそれを理想的な候補として際立たせている。
この点に関して、特許文献1は、明示的に、上記のアルファ法のためのバイオマス供給原料の使用、およびホルムアルデヒドを用いた生成されたメチルプロピオネート(MEP)からMMAへの触媒変換に関するものである。これらのMEPおよびホルムアルデヒド供給原料は、上で述べたようなバイオマス源に由来し得るであろう。しかしながら、このような解決策は、供給原料を得るためのバイオマス資源のかなりの加工および精製を依然として必要とし、この加工工程自体が、化石燃料のかなりの使用を必要とする。
さらに、アルファ法は、1カ所に複数の供給原料を必要とし、このことは、利用可能性の問題に繋がり得る。したがって、複数供給原料を回避するかまたは供給原料数を減らす生化学的経路があれば、有利であろう。
従来、アクリル酸は、もっぱら油、ガスまたは石炭供給原料から得られるプロペンの酸化により調製されている。
したがって、アクリレートモノマー(例えば、AA、MMAおよびMAA)への非化石燃料ベースの改善された代替経路が、依然として求められている。
国際出願PCT/英国特許出願公開2010/052176号明細書は、リンゴ酸およびその塩ならびにシトラマル酸およびその塩の溶液からそれぞれアクリレートおよびメタクリレートの水溶液を製造するためのプロセスを開示している。
非特許文献1は、最大収率70%の、360℃という高温での、MAAへのイタコン酸の脱カルボキシル化を開示しており、ここで、この酸の一部は、塩基塩(例えば、イタコン酸ナトリウム)として存在している。あいにく、非特許文献1は、反応媒体からそのMAAを回収するための精製方法は何ら開示していない。非特許文献1は、この分解反応に対する活性が、遊離酸に対するナトリウム塩の濃度と共に増大することを開示している。分解前の溶液中のイタコン酸の濃度が高められるにつれ、選択性が低下する。
特許文献2は、向流下におけるMMAとトルエンとの混合物を用いた酸性水溶液からのメタクリル酸の抽出を開示している。水相は、無駄になる。特許文献3は、メチルエチルケトンおよびキシレンを用いた水相からのアクリル酸および/またはメタクリル酸の抽出を開示している。特許文献4は、6個〜9個の炭素原子を有する脂肪族鎖状飽和炭化水素を溶媒として用いてメタクリル酸をその水溶液から抽出することを開示している。キシレンおよびトルエンは、問題があると述べられている。特許文献5は、有機溶媒を用いてメタクリル酸をその水溶液から抽出し、その有機抽出物を水で処理して、その抽出物からの、沸点が近い酸であるシトラコン酸およびマレイン酸の除去を助ける。特許文献6,7は、塩基性イオン交換樹脂での有機相の処理を扱っており、特許文献8は、アミンを用いた同様のプロセスを開示している。これらのプロセスは、それらはさらなる不純物を導入し、かつ装置の故障に繋がるメタクリル酸の重合を引き起こす副生物に繋がり得るので、問題がある。
当業者は、非特許文献1の教示に従って生成される溶液の条件が、その低いMAA濃度および高い塩基濃度のため、その後の溶媒抽出に適していないのではないかということに気付かれるであろう。AAおよびMAAの塩基性塩は、水への高い溶解度および有機溶媒への非常に低い溶解度を有している。
国際公開第2010/058119号パンフレット 米国特許第4142058号明細書 米国特許第3968153号明細書 米国特許第4956493号明細書 欧州特許第710643号明細書 米国特許第4879412号明細書 米国特許出願公開第1989193740号公報 米国特許第5196578号明細書
Carlssonら.Ind.Eng.Chem.Res.1994,33,1989−1996
驚くべきことに、今回、AAおよびMAAが、驚くほど改善された収率で、塩基性触媒
の存在下において水性脱カルボキシル化反応媒体から抽出され得ることが発見された。さらに、当該抽出プロセスは、ジカルボン酸およびトリカルボン酸からAAおよびMAAを生成するための連続的な脱カルボキシル化および抽出操作が1回の塩基の添加により達成され得るように、抽出後の塩基性溶液を脱カルボキシル化反応に再循環させて、塩基触媒反応が連続的に行われ得るようにすることを可能にする。
図1は、トルエン中へのMAAの抽出の濃度依存性を示している。 図2は、トルエン中のMMAの割合に対する様々な酸についての分配係数のプロットを示している。 図3は、トルエン中のMMAの割合に対する、様々な酸とMMAとについての相対的分配係数のプロットを示している。 図4は、水相と有機相との間のMAAの移動に対する、塩基およびジカルボン酸を添加することによる影響を示している。 図5は、水とトルエンとの間のアクリル酸の分配を示している。 図6は、ジカルボン酸の塩基触媒分解に好適な装置の略図を示している。
本発明の第1の態様によれば、水性反応媒体から(メタ)アクリル酸を抽出する方法であって、当該水性反応媒体は、少なくとも1種の塩基触媒と、水溶液の状態のマレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、およびシトラマル酸またはそれらの混合物から選択される少なくとも1種のジカルボン酸とから生成され、(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸塩基塩を含むその塩基触媒脱カルボキシル化生成物を含有し、当該方法は、有機相中への(メタ)アクリル酸の溶媒抽出のために有機溶媒を前記水性反応媒体に導入する工程を含み、当該方法は、その有機溶媒中への(メタ)アクリル酸の溶媒抽出を高めるために、追加量の前記ジカルボン酸のうちの少なくとも1種および/またはその前駆体が前記水性反応媒体に添加されることを特徴とする、方法が提供される。
好ましくは、水相抽出物(aqueous phase extraction)中の(メタ)アクリル酸の濃度は、少なくとも0.05mol dm−3、より好ましくは少なくとも0.1mol dm−3、最も好ましくは少なくとも0.2mol dm−3、特には少なくとも0.3または0.4mol dm−3である。バッチ反応においては、この濃度は、抽出開始時の反応媒体に適用され、連続プロセスにおいては、抽出における出発点に適用される。抽出終了時の(メタ)アクリル酸の濃度は、段階数によるが、好ましくは、出発レベルの50%未満、より好ましくは30%未満、最も好ましくは20%未満である。
有利には、こうしたレベルの(メタ)アクリル酸の濃度は、有機相中へのより良好な抽出をもたらす。
概して、水性反応媒体中のそこからの(メタ)アクリル酸の抽出の間の塩基触媒のモル濃度は、≦その中の全酸濃度(mol/mol)であり、より好ましくは、塩基触媒のモル濃度は、抽出の間、全酸濃度の≦75%(mol/mol)であり、最も好ましくは、水性反応媒体中のそこからの(メタ)アクリル酸の抽出の間の塩基触媒のモル濃度は、≦非(メタ)アクリル酸の酸濃度(mol/mol)であり、より特定的には、抽出の間、非(メタ)アクリル酸の酸濃度の≦80%(mol/mol)である。
好ましくは、前記少なくとも1種のジカルボン酸および/またはその前駆体に対する塩基触媒のモルレベルは、抽出操作の間、その第1酸塩の形成に関して準化学量論的レベルで維持され、添加されるジカルボン酸の量は、それに応じて決定される。
メタクリル酸の製造に好適なジカルボン酸混合物は、イタコン酸、シトラマル酸、シトラコン酸およびメサコン酸、より好ましくは、イタコン酸、シトラマル酸およびシトラコン酸である。アクリル酸の製造に好適なジカルボン酸混合物は、マレイン酸、フマル酸、およびリンゴ酸、より好ましくは、リンゴ酸である。
有利には、抽出は、水相へのいかなるプロセス外部からの薬剤の添加も必要としないので、塩基触媒条件下におけるさらなる脱カルボキシル化、それに続くさらなる抽出のために、水相は、脱カルボキシル化反応媒体中に容易かつ効率的に再循環され得る。このような方法において、さらなるジカルボン酸を(メタ)アクリル酸に加工するために、さらなる塩基は全くまたはほとんど必要とされない。同様に、この系に唯一添加される酸は、(メタ)アクリル酸の製造において必要とされるジカルボン酸および/もしくは前駆体酸、またはその製造プロセスにおいて形成される酸である。外部からの無機酸は必要とされない。
本発明の第2の態様によれば、水性反応媒体から(メタ)アクリル酸を抽出する方法であって、当該水性反応媒体は、少なくとも1種の塩基触媒と、水溶液の状態のフマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、もしくはシトラマル酸またはそれらの混合物から選択される少なくとも1種のジカルボン酸とから生成され、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸塩基塩を含むその塩基触媒脱カルボキシル化生成物を含有し、当該方法は、有機相中への(メタ)アクリル酸の溶媒抽出のために有機溶媒を水性反応媒体に導入する工程を含み、当該方法は、前記少なくとも1種のジカルボン酸および/またはその前駆体に対する塩基触媒のレベルが、抽出操作の間、その第1酸塩の形成に関して準化学量論的レベルで維持されることを特徴とする、方法が提供される。
本発明のさらなる態様によれば、水性反応媒体からそれと接触している有機相中に(メタ)アクリル酸を抽出する方法であって、当該水性反応媒体は、少なくとも1種の塩基触媒と、水溶液の状態のフマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸もしくはシトラマル酸またはそれらの混合物から選択される少なくとも1種のジカルボン酸とから生成され、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸塩基塩を含むその塩基触媒脱カルボキシル化生成物を含有し、有機相は、前記(メタ)アクリル酸に好適な有機溶媒を含み、当該方法は、水性反応媒体において、前記少なくとも1種のジカルボン酸および/またはその前駆体に対する塩基触媒の相対レベルが、抽出の少なくとも一部の間、その第1酸塩の形成に関して準化学量論的レベルで維持されることを特徴とする、方法が提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、水性反応媒体から(メタ)アクリル酸を抽出する方法であって、当該水性反応媒体は、少なくとも1種の塩基触媒と、水溶液の状態のマレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸もしくはシトラマル酸またはそれらの混合物から選択される少なくとも1種のジカルボン酸とから生成され、(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸塩基塩を含むその塩基触媒脱カルボキシル化生成物を含有し、当該方法は、前記水性反応媒体と接触している有機溶媒を含む有機相中への(メタ)アクリル酸の溶媒抽出の工程を含み、当該方法は、有機相中への(メタ)アクリル酸の溶媒抽出を高めるために、追加量の前記ジカルボン酸のうちの少なくとも1種および/またはその前駆体が、前記その塩基触媒脱カルボキシル化生成物を含有する前記水性反応媒体に添加されることを特徴とする、方法が提供される。
好ましくは、本発明における任意の態様の方法は、抽出後に有機相と水相とを分離し、続いて次に、抽出操作において抽出された(メタ)アクリル酸を有機溶媒から単離するた
めに有機相を処理する工程を含む。有機相の好適な処理は、(メタ)アクリル酸を得るための蒸留である。
二塩基酸であるジカルボン酸は、ある塩基とその第1および第2酸塩を形成し得るものと理解され、第1酸塩という用語は、それに応じて理解されるべきであり、ジカルボン酸またはその前駆体上の第2のまたはさらなる酸基との塩ではなく、形成する第1酸塩のみをいうことが意図されている。
有利には、水性媒体/反応媒体中のジカルボン酸および/または前駆体のレベルに対して準化学量論的第1酸塩レベルで塩基を維持することにより、好適な有機溶媒中への(メタ)アクリル酸の抽出が改善される。
好ましくは、MAAの形成のための酸の分解の場合において、有機溶媒は、水性媒体/反応媒体に対して外部の(external)有機溶媒である。
好ましくは、少なくともいくらかのシトラコン酸が、水性媒体中に存在する。有利には、このことは、抽出を改善する。しかしながら、最も好適な酸は、現在のところ、その商業的入手性からイタコン酸、またはシトラマル酸である。
好適な前駆体は、前記ジカルボン酸のうちの1種以上を生じさせるために再循環され得る前駆体である。典型的に、当該前駆体は、好適な温度および圧力条件下で分解して前記ジカルボン酸を生じるものである。したがって、当該前駆体は、ジカルボン酸源と見なされ得る。塩基触媒が既に存在しているので、前駆体分解は、そのような好適な条件下において有利には塩基触媒され得るということが理解されるであろう。イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸またはシトラマル酸に好適な前駆体は、クエン酸であり、これは、脱水および脱カルボキシル化されて、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸のうちの少なくとも1種を生じるか、または脱カルボキシル化されて、シトラマル酸を生じ得る。この反応は、好適な温度および圧力条件下ならびに任意選択で塩基触媒の存在下において、さらなる別個の触媒の必要性なしに行われる。他方において、抽出前にクエン酸を水性媒体/反応媒体に添加することはまた、添加される酸としてメタクリル酸の抽出を助けると同時に、クエン酸は連続プロセスにおいて次いで続いて処理されて、さらなるジカルボン酸、したがってメタクリル酸を生成し得るので、それ自体が水性媒体/反応媒体から除去される必要がある外部試薬を導入することもないということが見出された。
本発明の第3の態様によれば、
少なくとも1種の塩基触媒と、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸もしくはシトラマル酸またはそれらの混合物から選択される少なくとも1種のジカルボン酸との水性媒体を生成する工程と、
水性媒体中に(メタ)アクリル酸および/またはその塩基塩を生じさせるのに好適な温度および圧力条件下で、少なくとも1種の塩基触媒の存在下において、少なくとも1種のジカルボン酸を脱カルボキシル化する工程と、
有機相中への(メタ)アクリル酸の溶媒抽出のために有機溶媒を前記水性媒体に導入する工程と
を含む、(メタ)アクリル酸の製造のためのプロセスであって、前記少なくとも1種のジカルボン酸および/またはその前駆体に対する塩基触媒のレベルが、抽出操作の間、その第1酸塩の形成に関して準化学量論的レベルで維持されることを特徴とする、プロセスが提供される。
本発明における任意の態様において、有機溶媒は、脱カルボキシル化の前または後に水性媒体に導入され得る。
好ましくは、本発明における抽出操作の少なくとも脱カルボキシル化工程後に実施され
る部分の間、必要に応じて、添加される酸による後反応が行われた後に、準化学量論的レベルが維持される。
本発明の第4の態様によれば、
少なくとも1種の塩基触媒と、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸もしくはシトラマル酸またはそれらの混合物から選択される少なくとも1種のジカルボン酸との水性媒体を生成する工程と、
水性媒体中に(メタ)アクリル酸および/またはその塩基塩を生じさせるのに好適な温度および圧力条件下で、少なくとも1種の塩基触媒の存在下において、少なくとも1種のジカルボン酸を脱カルボキシル化する工程と、
有機相中への(メタ)アクリル酸の溶媒抽出のために有機溶媒を前記水性媒体に導入する工程と
を含む、(メタ)アクリル酸の製造のためのプロセスであって、有機相中への(メタ)アクリル酸の溶媒抽出を高めるために、追加量の前記ジカルボン酸のうちの少なくとも1種および/またはその前駆体を、前記水性媒体に、好ましくは脱カルボキシル化工程の後に、添加する工程を特徴とする、プロセスが提供される。
有利には、本発明の一部の実施形態によれば、前記少なくとも1種のジカルボン酸および/またはその前駆体に対する塩基触媒のレベルを、脱カルボキシル化の間、その第1酸塩の形成に関して準化学量論的レベルで維持することも可能である。
(メタ)アクリル酸抽出に好適な有機溶媒としては、炭化水素溶媒または酸素化溶媒、特にC〜C20炭化水素溶媒が挙げられる。炭化水素溶媒は、脂肪族、芳香族、または部分芳香族、飽和または不飽和、環式、非環式または部分環式、直鎖または分枝のものであり得る。酸素化溶媒は、エステル、エーテルまたはケトンであり得る。好適な溶媒としては、トルエン、ベンゼン、エチルベンゼン、キシレン、トリメチルベンゼン、オクタン、ヘプタン、ヘキサン、ペンタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン、メチルエチルケトン、メチルメタクリレートまたはそれらの混合物が挙げられる。水と不混和性のイオン液体もまた使用され得る。
MAAの抽出のための溶媒の好ましい混合物は、C〜C20炭化水素溶媒およびMMAである。好適な混合物は、1〜40%のMMA、より典型的には5〜30%のMMAを含有し、残部は1種または複数種の炭化水素溶媒からなるものである。この目的のための好ましい炭化水素溶媒は、トルエンおよびキシレンである。
とは言うものの、C〜C20炭化水素のみを、単独で、または他の炭化水素との混合物として、抽出溶媒として使用することは好ましい。好ましくは、炭化水素または炭化水素混合物中の各炭化水素の比(静的)誘電率は、20℃および大気圧で、20未満、より好ましくは8未満、最も好ましくは3未満である。したがって、20℃および大気圧で、1.6〜20の範囲内の比(静的)誘電率を有する炭化水素が好ましく、より好ましくは1.7〜8の範囲内、最も好ましくは1.8〜3の範囲内にある。
AAの抽出のための好ましい溶媒および混合物は、20℃および大気圧で、20未満、より好ましくは10未満、最も好ましくは7未満の比(静的)誘電率を有する。典型的には、比(静的)誘電率は、少なくとも1.6、より典型的には少なくとも2.0、最も典型的には少なくとも2.3である。したがって、1.6〜20の範囲内の比(静的)誘電率を有する溶媒が好ましく、より好ましくは2.0〜10の範囲内、最も好ましくは2.2〜8の範囲内にある(全て20℃および大気圧でのものである)。
ジカルボン酸反応物および塩基触媒は、必ずしも、水性媒体/反応媒体中に唯一存在する化合物である必要はない。ジカルボン酸は、存在する任意の他の化合物と共に、概して、塩基触媒による熱脱カルボキシル化のための水溶液中に溶解している。
好ましくは、当該少なくとも1種のジカルボン酸の塩基触媒脱カルボキシル化は、350℃未満、典型的には330℃未満、より好ましくは310℃まで、最も好ましくは300℃までで行われる。いずれの場合においても、本発明の脱カルボキシル化操作のための好ましい低い方の温度は、200℃である。本発明の脱カルボキシル化操作のための好ましい温度範囲は、200〜最高349℃の間、より好ましくは220〜320℃の間、最も好ましくは240〜310℃の間、特には240〜290℃の間である。特に好ましい温度範囲は、240〜275℃、最も特定的には245〜275℃である。
塩基触媒脱カルボキシル化反応は、水性媒体/反応媒体が液相の状態にある温度で行われる。典型的に、水性媒体/反応媒体は、水溶液である。
好ましくは、塩基触媒脱カルボキシル化は、ジカルボン酸反応物および好ましくは塩基触媒を、水溶液の状態で用いて行われる。
有利には、より低い温度で脱カルボキシル化を実施することは、除去が困難であり得かつ工業プロセスにおいてさらなる精製および加工の問題を引き起こし得る、著しい量の副生物の生成を妨げる。したがって、当該操作は、この温度範囲において、驚くほど改善された選択性を提供する。さらに、より低い温度の脱カルボキシル化は、より少ないエネルギーを使用し、その結果、高温の脱カルボキシル化よりも小さいカーボンフットプリントを生成する。
好ましくは、(メタ)アクリル酸の抽出工程は、上で詳述した脱カルボキシル化温度以下で行われ、より好ましくは100℃未満、最も好ましくは80℃未満、特には60℃未満で行われる。いずれの場合においても、本発明の抽出工程のための好ましい低い方の温度は−10℃であり、より好ましくは0℃である。本発明の抽出工程のための好ましい温度範囲は、−10〜最高349℃の間、より好ましくは−10〜100℃の間、最も好ましくは0〜80℃の間、特には10〜60℃の間、より特定的には30〜50℃である。
抽出工程は、有機相および水相が液相の状態にある温度で行われる。
したがって、抽出工程は、有機相および水相が液相の状態にある圧力で行われ、概して、抽出は、大気圧で行われる。
ジカルボン酸は、非化石燃料源から入手可能である。例えば、イタコン酸、シトラマル酸、シトラコン酸またはメサコン酸は、適切に高い温度での脱水および脱カルボキシル化によりクエン酸またはイソクエン酸などの前駆体から、または適切に高い温度での脱カルボキシル化によりアコニット酸から、生成され得る。塩基触媒が既に存在しているので、前駆体は、塩基触媒による脱水および/または分解に供され得るということが理解されるであろう。クエン酸およびイソクエン酸は、それ自体は、既知の発酵プロセスから製造され得、アコニット酸は、前者の酸から製造され得る。したがって、本発明のプロセスは、化石燃料への依存を最小限に抑えながら直接(メタ)アクリレートを生成するための生物学的なまたは実質的に生物学的な経路を提供することにいくらか役立つ。
米国特許第5849301号明細書は、グルコースからのリンゴ酸およびフマル酸の製造のためのプロセスを開示している。米国特許第5766439号明細書は、マレイン酸の製造のためのプロセスを開示している。リンゴ酸はまた、農業において生産される生産物(例えば、リンゴ果汁)の抽出によっても入手可能である。
上記の温度条件下において反応物を液相の状態に維持するために、少なくとも1種のジカルボン酸の脱カルボキシル化反応は、大気圧を超える好適な圧力で実施される。上記の温度範囲において反応物を液相の状態に維持する好適な圧力は、200psiより高く、より好適には300psiより高く、最も好適には450psiより高く、いずれの場合においても、それ未満では反応物媒体が沸騰する圧力よりも高い圧力にある。圧力の上限はないが、当業者であれば、実用限度内かつ装置の許容範囲内で、例えば、10,000psi未満、より典型的には5,000psi未満、最も典型的には4000psi未満で、操作するであろう。
好ましくは、上記の脱カルボキシル化反応は、約200〜10000psiの間の圧力で行われる。より好ましくは、この反応は、約300〜5000psiの間、さらにより好ましくは、約450〜3000psiの間の圧力で行われる。
好ましい実施形態において、上記の反応は、水性媒体/反応媒体が液相の状態にある圧力で行われる。
上記の反応は、水性媒体/反応媒体が液相の状態にある温度および圧力で行われる。
上で述べたように、触媒は、塩基触媒である。
好ましくは、触媒は、OHイオン源を含む。好ましくは、塩基触媒は、金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩(エタン酸塩)、アルコキシド、炭酸水素塩、または分解可能なジ−もしくはトリ−カルボン酸の塩、または上記のもののうちの1つのものの第四級アンモニウム化合物を含み;より好ましくは、第I族もしくは第II族の金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、酢酸塩、アルコキシド、炭酸水素塩、またはジ−もしくはトリ−カルボン酸もしくは(メタ)アクリル酸の塩を含む。塩基触媒はまた、1種以上のアミンも含み得る。
好ましくは、塩基触媒は、以下:LiOH、NaOH、KOH、Mg(OH)、Ca(OH)、Ba(OH)、CsOH、Sr(OH)、RbOH、NHOH、LiCO、NaCO、KCO、RbCO、CsCO、MgCO、CaCO、SrCO、BaCO、(NHCO、LiHCO、NaHCO、KHCO、RbHCO、CsHCO、Mg(HCO、Ca(HCO、Sr(HCO、Ba(HCO、NHHCO、LiO、NaO、KO、RbO、CsO、MgO、CaO、SrO、BaO、Li(OR)、Na(OR)、K(OR)、Rb(OR)、Cs(OR)、Mg(OR、Ca(OR、Sr(OR、Ba(OR、NH(OR)(ここで、Rは、任意のC〜Cの分枝、非分枝または環状のアルキル基であって、任意選択で、1つ以上の官能基で置換されているものである);NH(RCO)、Li(RCO)、Na(RCO)、K(RCO)、Rb(RCO)、Cs(RCO)、Mg(RCO、Ca(RCO、Sr(RCOまたはBa(RCO(ここで、RCOは、マレート、フマレート、マレエート、シトラマレート、メサコネート、シトラコネート、イタコネート、シトレート、オキサレートおよび(メタ)アクリレートから選択される);(NH(CORCO)、Li(CORCO)、Na(CORCO)、K(CORCO)、Rb(CORCO)、Cs(CORCO)、Mg(CORCO)、Ca(CORCO)、Sr(CORCO)、Ba(CORCO)、(NH(CORCO)(ここで、CORCOは、マレート、フマレート、マレエート、シトラマレート、メサコネート、シトラコネート、イタコネートおよびオキサレートから選択される);(NH(COR(CO2)CO)、Li(COR(CO)CO)、Na(COR(CO2)CO)、K(COR(CO)CO)、Rb(COR(CO)CO)、Cs(COR(CO)CO)、Mg(COR(CO)CO、Ca
(COR(CO)CO、Sr(COR(CO)CO、Ba(COR(CO)CO、(NH(COR(CO)CO)(ここで、COR(CO)COは、シトレート、イソシトレートおよびアコニテートから選択される);メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ペンチルアミン、ヘキシルアミン、シクロへキシルアミン、アニリン;およびRNOH(ここで、Rは、メチル、エチル、プロピル、ブチルから選択される)のうちの1種以上から選択される。より好ましくは、塩基は、以下:LiOH、NaOH、KOH、Mg(OH)、Ca(OH)、Ba(OH)、CsOH、Sr(OH)、RbOH、NHOH、LiCO、NaCO、KCO、RbCO、CsCO、MgCO、CaCO、(NHCO、LiHCO、NaHCO、KHCO、RbHCO、CsHCO、Mg(HCO、Ca(HCO、Sr(HCO、Ba(HCO、NHHCO、LiO、NaO、KO、RbO、CsO;NH(RCO)、Li(RCO)、Na(RCO)、K(RCO)、Rb(RCO)、Cs(RCO)、Mg(RCO、Ca(RCO、Sr(RCOまたはBa(RCO(ここで、RCOは、マレート、フマレート、マレエート、イタコネート、シトレート、オキサレート、(メタ)アクリレートから選択される);(NH(CORCO)、Li(CORCO)、Na(CORCO)、K(CORCO)、Rb(CORCO)、Cs(CORCO)、Mg(CORCO)、Ca(CORCO)、Sr(CORCO)、Ba(CORCO)、(NH(CORCO)(ここで、CORCOは、マレート、フマレート、マレエート、シトラマレート、メサコネート、シトラコネート、イタコネート、オキサレートから選択される);(NH(COR(CO2)CO)、Li(COR(CO)CO)、Na(COR(CO2)CO)、K(COR(CO)CO)、Rb(COR(CO)CO)、Cs(COR(CO)CO)、Mg(COR(CO)CO、Ca(COR(CO)CO、Sr(COR(CO)CO、Ba(COR(CO)CO、(NH(COR(CO)CO)(ここで、COR(CO)COは、シトレート、イソシトレートから選択される);水酸化テトラメチルアンモニウムおよび水酸化テトラエチルアンモニウムのうちの1種以上から選択される。最も好ましくは、塩基は、以下:NaOH、KOH、Ca(OH)、CsOH、RbOH、NHOH、NaCO、KCO、RbCO、CsCO、MgCO、CaCO、(NHCO、NH(RCO)、Na(RCO)、K(RCO)、Rb(RCO)、Cs(RCO)、Mg(RCO、Ca(RCO、Sr(RCOまたはBa(RCO(ここで、RCOは、マレート、フマレート、マレエート、イタコネート、シトレート、オキサレート、(メタ)アクリレートから選択される);(NH(CORCO)、Na(CORCO)、K(CORCO)、Rb(CORCO)、Cs(CORCO)、Mg(CORCO)、Ca(CORCO)、(NH(CORCO)(ここで、CORCOは、マレート、フマレート、マレエート、シトラマレート、メサコネート、シトラコネート、イタコネート、オキサレートから選択される);(NH(COR(CO)CO)、Na(COR(CO2)CO)、K(COR(CO)CO)、Rb(COR(CO)CO)、Cs(COR(CO)CO)、Mg(COR(CO)CO、Ca(COR(CO)CO、(NH(COR(CO)CO)(ここで、COR(CO)COは、シトレート、イソシトレートから選択される);および水酸化テトラメチルアンモニウムのうちの1種以上から選択される。
触媒は、均一系または不均一系であり得る。一実施形態において、触媒は、液体反応相に溶解され得る。しかしながら、触媒は、固体担体上に分散(suspend)され得、その上を反応相が通過し得る。この場合、反応相は、好ましくは、液相、より好ましくは
水相の状態に維持される。
好ましくは、脱カルボキシル化反応のための塩基OH:酸の有効モル比は、0.001〜2:1の間、より好ましくは0.01〜1.2:1の間、最も好ましくは0.1〜1:1の間、特には0.3〜1:1の間である。塩基OHの有効モル比とは、関与する化合物から得られるOHの公称モル含有率を意味する。
酸とは、酸のモル数を意味する。したがって、一塩基性塩基の場合、塩基OH:酸の有効モル比は、関与する化合物のものと一致するが、二塩基性または三塩基性塩基の場合は、有効モル比は、関与する化合物のモル比のものと一致しない。
具体的には、これは、一塩基性塩基:ジカルボン酸またはトリカルボン酸のモル比と見なされ得、好ましくは0.001〜2:1の間、より好ましくは0.01〜1.2:1の間、最も好ましくは0.1〜1:1の間、特には0.3〜1:1の間である。
塩を形成するための酸の脱プロトン化とは、本発明においては、第1酸脱プロトン化のみを指して言うものである。二塩基性または三塩基性塩基の場合は、上記の塩基のモル比はそれに応じて変化することになる。
任意選択で、(メタ)アクリル酸生成物は、エステル化されてそのエステルを生じ得る。可能なエステルは、C〜C12アルキルまたはC〜C12ヒドロキシアルキルエステル、グリシジルエステル、イソボルニルエステル、ジメチルアミノエチルエステル、トリプロピレングリコールエステルから選択され得る。最も好ましくは、エステルを形成するために使用されるアルコールまたはアルケンは、バイオ源から得られ得るものである(例えば、バイオメタノール、バイオエタノール、バイオブタノール)。
上で述べたように、前駆体(例えば、クエン酸、イソクエン酸またはアコニット酸)は、好ましくは、好適な温度および圧力条件下ならびに任意選択で塩基触媒の存在下において、本発明のジカルボン酸のうちの1つに分解する。この分解に好適な条件は、350℃未満、典型的には330℃未満であり、より好ましくは310℃まで、最も好ましくは300℃までにおいてである。いずれの場合においても、分解のための好ましい低い方の温度は、180℃である。前駆体分解のための好ましい温度範囲は、190〜最高349℃の間、より好ましくは200〜300℃の間、最も好ましくは220〜280℃の間、特には220〜260℃の間である。
前駆体分解反応は、水性反応媒体が液相の状態にある温度で行われる。
上記の前駆体分解温度条件下において反応物を液相の状態に維持するために、脱カルボキシル化反応は、大気圧を超える好適な圧力で行われる。上記の温度範囲において反応物を液相の状態に維持する好適な圧力は、150psiより高く、より好適には180psiより高く、最も好適には230psiより高く、いずれの場合においても、それ未満では反応物媒体が沸騰する圧力よりも高い圧力にある。圧力の上限はないが、当業者であれば、実用限度内かつ装置の許容範囲内で、例えば、10,000psi未満、より典型的には5,000psi未満、最も典型的には4000psi未満で、操作するであろう。
好ましくは、前駆体分解反応は、約150〜10000psiの間の圧力で行われる。より好ましくは、この反応は、約180〜5000psiの間、さらにより好ましくは約230〜3000psiの間の圧力で行われる。
好ましい実施形態において、前駆体分解反応は、反応媒体が液相の状態にある圧力で行われる。
好ましくは、前駆体分解反応は、水性反応媒体が液相の状態にある温度および圧力で行われる。
本発明のさらなる態様によれば、
(i)本発明の第3または第4の態様に従う(メタ)アクリル酸の調製工程と、
(ii)(i)において調製された(メタ)アクリル酸の、(メタ)アクリル酸エステルを生成するための、任意選択でのエステル化工程と、
(iii)(i)において調製された(メタ)アクリル酸および/または(ii)において調製されたエステルの、任意選択で1種以上のコモノマーとの、そのポリマーまたはコポリマーを生成するための、重合工程と
を含む、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸エステルのポリマーまたはコポリマーを調製する方法が提供される。
好ましくは、上記の(ii)の(メタ)アクリル酸エステルは、C〜C12アルキルもしくはC〜C12ヒドロキシアルキルエステル、グリシジルエステル、イソボルニルエステル、ジメチルアミノエチルエステル、トリプロピレングリコールエステル、より好ましくは、エチルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、i−ブチルメタクリレート、ヒドロキシメチルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレートまたはメチルメタクリレート、最も好ましくは、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルメタクリレートまたはブチルアクリレートから選択される。
有利には、そのようなポリマーは、全てのモノマー残基ではないにしても、化石燃料以外の源に由来する部分をかなりの程度有する。
いずれの場合においても、好ましいコモノマーとしては、例えば、モノエチレン性不飽和カルボン酸およびジカルボン酸ならびにそれらの誘導体(例えば、エステル、アミドおよび無水物)が挙げられる。
特に好ましいコモノマーは、アクリル酸、メチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソ−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレート、イソ−ボルニルアクリレート、メタクリル酸、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソ−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルへキシルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、イソ−ボルニルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル、イソシアネート(トルエンジイソシアネートおよびp,p’−メチレンジフェニルジイソシアネートを含む)、アクリロニトリル、ブタジエン、ブタジエンおよびスチレン(MBS)ならびにABSであるが、上記のコモノマーはいずれも、(i)における前記酸モノマーまたは(ii)における前記エステルモノマーと当該コモノマーのうちの1種以上のものとの任意の所与の共重合において、上記の(i)または(ii)におけるメタクリル酸またはメタクリル酸エステルから選択されるモノマーでないことを条件とする。
当然のことながら、異なるコモノマーの混合物を使用することも可能である。コモノマー自体は、上記の(i)または(ii)からのモノマーと同じプロセスによって調製されてもよいし、そうでなくてもよい。
本発明のさらなる態様によれば、上記の態様のポリマーまたはコポリマーを調製する方法から形成される、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアルキルアクリレート、ポリメチルメタクリレート(PMMA)およびポリブチルメタクリレートの、ホモポリマー
またはコポリマーが提供される。
本発明のさらに別の態様によれば、
アコニット酸、クエン酸および/またはイソクエン酸から選択される前駆体酸の源を供給することと、
塩基触媒の存在下または不在下においてイタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸および/またはシトラマル酸をもたらすのに十分に高い温度に前駆体酸源を曝露することによって、前駆体酸源に対して脱カルボキシル化および必要に応じて脱水工程を行うことと、
そのもたらされたイタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸および/またはシトラマル酸を、メタクリル酸をもたらしかつ/または有機相中へのその抽出を高めるために、本発明の他の態様のいずれかに従うプロセスにおいて用いることと
を含む、メタクリル酸の製造のためのプロセスが提供される。
アコニット酸、クエン酸および/またはイソクエン酸の源とは、酸およびその塩(例えば、その第I族または第II族金属塩)を意味し、前駆体酸およびその塩の溶液(例えば、その水溶液)を含む。
任意選択で、塩は、前駆体酸の脱カルボキシル化工程の前、その間またはその後に、酸性化されて、遊離酸を放出し得る。
好ましくは、本発明のジカルボン酸反応物またはその前駆体は、必要とされる反応を生じさせるのに好適な時間にわたり、典型的には少なくとも30秒、より好ましくは少なくとも約100秒、さらにより好ましくは少なくとも約120秒、最も好ましくは少なくとも約150秒の時間にわたり、反応条件に曝露される。
典型的に、ジカルボン酸反応物またはその前駆体は、約2000秒未満、より典型的には約1500秒未満、さらにより典型的には約1000秒未満の時間にわたり、反応条件に曝露される。
好ましくは、本発明のジカルボン酸反応物またはその前駆体は、約75秒〜2500秒の間、より好ましくは約90秒〜1800秒の間、最も好ましくは約120秒〜800秒の間の時間にわたり、反応条件に曝露される。
好ましくは、本発明のジカルボン酸反応物またはその前駆体は、反応が水性条件下で起こるように水に溶解される。
上記の反応の定義のされ方から、反応媒体中で前駆体が脱カルボキシル化されかつ必要に応じて脱水される場合は、その時は、反応媒体は、本発明の任意の態様に従い、その前駆体から生じたマレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、シトラマル酸またはそれらの混合物から選択される少なくとも1種のジカルボン酸の塩基触媒脱カルボキシル化を同時に生じさせ得るということが、はっきりと分かるであろう。したがって、前駆体の脱カルボキシル化および必要に応じての脱水と、少なくとも1種のジカルボン酸の塩基触媒脱カルボキシル化とは、1つの反応媒体中で行われ得る、すなわち、この2つの操作は、ワンポットプロセスとして行われ得る。しかしながら、前駆体の脱カルボキシル化および必要に応じての脱水と少なくとも1種のジカルボン酸の塩基触媒脱カルボキシル化とが別個の工程で行われるように、実質的に塩基触媒なしに前駆体が脱カルボキシル化されかつ必要に応じて脱水されると、好ましい。
好ましくは、脱カルボキシル化反応におけるジカルボン酸反応物の濃度は、好ましくはその水性源中、少なくとも0.1Mであり;より好ましくは、好ましくはその水性源中、少なくとも約0.2Mであり;最も好ましくは、好ましくはその水性源中、少なくとも約0.3M、特には少なくとも約0.5Mである。概して、水性源は、水溶液である。
好ましくは、脱カルボキシル化反応におけるジカルボン酸反応物の濃度は、好ましくはその水性源中、約10M未満、より好ましくは8M未満であり;より好ましくは、好ましくはその水性源中、約5M未満であり;より好ましくは、好ましくはその水性源中、約3M未満である。
好ましくは、脱カルボキシル化反応におけるジカルボン酸反応物の濃度は、0.05M〜20の範囲内、典型的には0.05〜10Mの範囲内、より好ましくは0.1M〜5Mの範囲内、最も好ましくは0.3M〜3Mの範囲内にある。
塩基触媒は、水であり得る液状媒体に溶解可能であってもよいし、または塩基触媒は、不均一系であってもよい。塩基触媒は、(メタ)アクリル酸への反応物のおよび/またはジカルボン酸への前駆体酸の塩基触媒脱カルボキシル化が起こる温度を超える温度(例えば、上で示したそうした温度)に反応物を曝露することによって反応が行われるように水性媒体/反応媒体に溶解可能であり得る。触媒は、水溶液の状態であり得る。したがって、触媒は、均一系または不均一系であり得るが、典型的には均一系である。好ましくは、(前駆体酸媒体の分解を含む)水性媒体/反応媒体中の触媒の濃度は、好ましくはその水性源中、少なくとも0.1M以上であり;より好ましくは、好ましくはその水性源中、少なくとも約0.2Mであり;より好ましくは少なくとも約0.3Mである。
好ましくは、(前駆体酸媒体の分解を含む)水性媒体/反応媒体中の触媒の濃度は、約10M未満、より好ましくは約5M未満、より好ましくは約2M未満であり、いずれの場合においても、好ましくは、反応の温度および圧力において飽和溶液となる濃度以下である。
好ましくは、水性媒体/反応媒体または前駆体酸分解におけるOHのモル濃度は、0.05M〜20Mの範囲内、より好ましくは0.1〜5Mの範囲内、最も好ましくは0.2M〜2Mの範囲内にある。
好ましくは、反応条件は、弱酸性である。好ましくは、反応pHは、約2〜9の間、より好ましくは約3〜約6の間である。
疑義を避けるために述べると、イタコン酸という用語は、以下の式(i)の化合物を意味する。
疑義を避けるために述べると、シトラコン酸という用語は、以下の式(ii)の化合物を意味する。
疑義を避けるために述べると、メサコン酸という用語は、以下の式(iii)の化合物を意味する。
疑義を避けるために述べると、シトラマル酸という用語は、以下の式(iv)の化合物を意味する。
上で述べたように、本発明のプロセスは、均一系または不均一系であり得る。また、当該プロセスは、バッチプロセスまたは連続プロセスであり得る。
有利には、MAAの生成における1つの副生物は、ヒドロキシイソ酪酸(HIB)であり得、これは、ジカルボン酸の分解に使用される条件において、生成物MAAと平衡状態で存在する。したがって、分解反応の生成物からMAAの一部または全部を分離することで、HIBからMAAの方に平衡を移動させ、そうして、抽出操作の間、またはMAA分離後の続く溶液の処理において、さらなるMAAを生成する。少なくともメタクリル酸の一部が分解反応の間に有機媒体中に抽出されるように、分解反応の間、任意選択で、溶媒が存在し得る。
有利には、AAの生成における1つの副生物は、ヒドロキシプロピオン酸(HPA)であり得、これは、ジカルボン酸の分解に使用される条件において、生成物AAと平衡状態で存在する。したがって、分解反応の生成物からAAの一部または全部を分離することで、HPAからAAの方に平衡を移動させ、そうして、抽出操作の間、またはAA分離後の続く溶液の処理において、さらなるAAを生成する。少なくともアクリル酸の一部が分解反応の間に有機媒体中に抽出されるように、分解反応の間、任意選択で、溶媒が存在し得る。
本明細書におけるある式の化合物(例えば、上記の式(iv)の化合物)が2種以上の立体異性体として存在し得る場合は、全ての立体異性体が、本発明の範囲内に包含される。具体的に言えば、シトラマル酸のR+形またはS−形およびそれらのラセミ混合物は、シトラマル酸という用語の範囲内に包含される。
本明細書に含まれる特徴の全てが、上記の態様の任意のものと、任意の組み合わせで組み合わされ得る。
次に、本発明のより良い理解のため、および本発明の実施形態がどのように実施され得るかを示すために、例として、以下の図面および実施例に言及する。
溶媒抽出
別段の記載がない限り、以下の実験条件を使用した。
・0.1Mの酸
・1:1(体積:体積)の水:溶媒
・室温
・1分の撹拌時間;5分の沈降時間
・溶媒は、指定されている場合を除き、トルエンである。
・HPLCによる分析
比較実施例1
水溶液からのメタクリル酸の移動の程度を調べるために、上記の手順を用いて一連の溶媒を試験した。その結果を表1に示す。
この実施例は、遊離酸形態で存在するMAAが、様々な溶媒中に効率的に抽出され得ることを示している。芳香族炭化水素が、最も高い抽出効率を提供する。
比較実施例2
二塩基酸または三塩基酸の分解から見出されると予想されるモノカルボン酸およびジカルボン酸の部分分解後に水溶液中に存在すると思われる一塩基酸および二塩基酸を、それらのトルエンへの溶解度について比較した。
水中初期0.1Mのそれぞれの酸の溶液を、同体積のトルエンへの溶解度について別個に試験した。その結果を表2に示す。
この実施例は、MAAの製造のためのプロセスにおいて有用なジカルボン酸およびトリカルボン酸が、MAAの抽出に使用され得る一溶媒であるトルエンに溶け易くないことを示している。さらに、MAAとの平衡状態で形成されるHIBは、著しい割合では抽出されず、望ましくない副生物として形成されるピルビン酸もまた、トルエン中に抽出されない。
比較実施例3
水溶液における一連の異なる濃度のMAAを、トルエン(水溶液に対する体積比1:1)中に抽出した。その溶解度パーセントを表3に示す。
MAAの濃度と共に、移動する割合が高まる。表3からのデータを、式:
[MAA]tol=K[MAA] aq
に従ってプロットし、式中の値Kを、14.6と評価した。その結果を図1にプロットする。
この実施例は、トルエン中へのMAAの抽出が、濃度依存的であることを示している。効率的な抽出のためには、0.1Mより高い濃度が好ましい。
比較実施例4
比較実施例2において例示したジカルボン酸のそれぞれの水溶液を調製した。これらを、トルエンとメチルメタクリレート(MMA)との溶媒混合物を同体積用いて抽出した。結果として得られた抽出度を表4に示す。
この実施例は、MMAが、MAAの抽出効率を改善するためにトルエンに添加され得ることを示している。しかしながら、それよりも高いレベルにおいてジカルボン酸およびHIBが著しい量で抽出されるという最適MMAレベルが観察される。
有機溶媒への溶解度を分配係数に換算して比較するために、各試料を、式:
[MAA]solv=K[MAA] aq
に基づき分配係数に変換した。そのデータを図2に示す。
MAA、クロトン酸およびヒドロキシイソ酪酸のみが、当該溶媒相のいずれに対しても著しい溶解度を有している。どの例においても、MMAの割合と共に、成分の溶解度が上昇する。
相対的分配係数もまた、組成と共に変化し得る。図3は、MAAについての分配係数とその他の酸のそれぞれについての分配係数との比を比較したものである。
したがって、この比較実施例は、純粋なトルエンを使用すると選択性が高まることを示している。しかしながら、選択性を低下させるとはいえ、いくらかのMMAの使用は、より高い濃度のMAAが抽出されることを可能にする。
比較実施例5
水溶液中0.1MのMAAの溶液の同体積のトルエン中への抽出量を、0.05Mの水酸化ナトリウムの添加後に測定した。移動するMAAの量は、48%から26%に減少した。その結果を、表5の最初の2行に示す。
実施例1〜3
0.1M溶液をもたらすのに十分なイタコン酸を、MAA+水酸化ナトリウムを含有する比較実施例5の水溶液に添加したところ、トルエン中への44.7%の抽出まで、MAAの移動は飛躍的に改善した。そのデータを表5に示す。この実験を、イタコン酸の代わりにシトラコン酸またはメサコン酸を用いて繰り返した。非常に類似した結果が得られた。
実施例4〜30および比較実施例6〜9
異なるレベルのNaOHを含有する0.1M MAAの水溶液に添加した、0.1M濃度の種々のジカルボン酸およびトリカルボン酸を、同体積のトルエンを用いて抽出した。
抽出されたMAAの量は、添加したカルボン酸のうちの1つの存在下の方が、添加したジ/トリカルボン酸の不在下よりもはるかにゆっくりと、水酸化ナトリウム濃度が上昇するにつれて減少した。その効果は、クエン酸およびメサコン酸の場合に最も顕著であった。表6はその実験データを示しており、これを図4にグラフで示す。
実施例31〜34
表7は、より高い有機相対水相比の使用が、0.3M MAAの溶液のより高い抽出度に繋がることを示している。
実施例35〜39
表8は、さらに、連続抽出の使用が、MAA移動をなおさらに増加させ得ることを示している。出発溶液は、水中0.3MのMAAであった。
実施例40
さらなる実験において、0.01Mのシトラマル酸の分解を、反応の間のトルエン抽出の使用を試験するために反応流れを用いて行った。この実験においては、ジカルボン酸の水溶液の流れを、それが反応器に入る前に、同流量のトルエンと混合した。条件は以下のとおりであった:50mMのNaOHを含む水中0.01Mのシトラマル酸(CM)、480秒の一定の滞留時間で、可変温度にて2000psi。初期流れは、体積比50:50の水およびトルエンに溶解させたCMおよびNaOHからなるものであった。HPLC分析により検出されたその2相中の生成物の収率を、表9に示す。有機相の分析により、3.42%というMAAの絶対収率が示され、他の生成物は検出されなかった。周囲温度
までの冷却後、水相において検出されたMAAの収率は34.61%であったので、トルエン相と水相との間のMAAについての分配係数=28.5であった。したがって、溶媒は、冷却後だけでなく分解期間前にも水相に添加され得る。
実施例41〜46および比較実施例10
それぞれの酸を0.1M含有する、二塩基酸とメタクリル酸との混合物の溶液を、水中で調製した。水酸化ナトリウムを、表10に示されるように異なる濃度でそれぞれの溶液に添加した。この水溶液を、同体積のトルエンを用いて室温にて抽出した。有機層中および水層中の量を表に示す。
合わせたジカルボン酸0.3Mの存在下において、塩基の添加は、抽出されるMAAの濃度には何ら影響を及ぼさない。実際に、実施例5および表5におけるデータとの比較により、抽出された量が、ジカルボン酸および塩基を含まない溶液についてと同じであったということは明白である。このことは、塩基の存在下における有機溶媒への溶解度の低下を妨げることにおける、ジカルボン酸の存在の有効性を示している。
比較実施例11
水中のアクリル酸の溶液を、酸をMAAからAAに変更したこと以外は比較実施例3の場合と同じ条件下において、トルエンを用いて抽出した。
出発濃度およびトルエン中に抽出された量を、表11に示す。
水相と有機相との間の相対濃度を、式
[AAtol]=K[AAaq
に従ってプロットして図5に示す。
優れた直線適合は、実施例3についてよりもはるかに低い勾配を示し、このことは、AAが水層の方をはるかに好むということを示している。
比較実施例12
有機層へのAAの溶解度を高めるためには、より高い極性が、必要とされるものと考えられる。0.1MのAA水溶液の抽出を、トルエンとブタノンとの間の混合物を同体積用いて調べた。
抽出の選択性は低下するが、ブタノン濃度が高まるにつれて、抽出の程度の非常に大幅な増大がある。ナトリウム塩を含有する混合物は、アクリル酸溶解度とマレイン酸溶解度との間の非常に改善された離隔(separation)を示すであろうと考えられ、中間の極性を有する溶媒の適切な選択により、アクリル酸が例えば蒸留によりさらに精製され得るのに十分に有効な離隔を可能になるであろうと考えられる。
調製実施例−流動反応を用いて行う実験は、以下に概説されるような手順を用いる。
流動反応手順
0.5Mの濃度のイタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸またはシトラマル酸および同じく0.5Mの濃度の水酸化ナトリウムを含む反応物供給溶液を調製した。使用したイタコン酸(≧99%)は、Sigma Aldrichから得た(カタログ番号:L2,920−4);シトラコン酸(98+%)は、Alfa Aesarから得た(L044178);メサコン酸(99%)は、Sigma Aldrichから得た(カタログ番号:13,104−0)。シトラマル酸溶液は、水酸化ナトリウム触媒と共に固体(R)−(−)−シトラマル酸(VWR Internationalから市販されている)をナノピュア水に必要濃度まで溶解させることにより調製する。
酸/NaOHの溶媒和に使用される脱イオン水は、5分間にわたる超音波浴(30KHz)中での超音波処理により、最初に脱気した。
この反応物供給溶液は、Gilson 10 SCポンプヘッドを備えたGilson
305 HPLCポンプモジュールにより、反応器系中に供給された。反応物供給溶液を反応器系中に送り込む速度は、必要とされる滞留時間、および反応器の容積に依存した。供給量はまた、反応媒体の密度にも依存し、更にはこれは、反応温度に依存した。
反応物供給溶液は、1/16インチ内径のステンレス鋼(SS 316)管(Sandvik)を介して反応器に送られた。反応器は、2つの800W Watlowヒーターカートリッジを備えたアルミニウムブロック中に入れられた、1/2インチSS 316管の直線部分で構成された。1/16インチから1/2インチへのSS 316管の移行は、Swagelok SS 316の径違いユニオン継手を用いて達成され、1/8インチ管の中間段階(すなわち、1/16インチ管〜1/8インチ管〜1/2インチ管)を必要とした。
反応器の容積は、理論的に算出され、反応器が水で満たされた時とそれに水が入っていない時との重量差から確認された。記載した実験については、反応器の容積は、19.4
cmであった。1/2インチ管「反応器」の後、管を縮小して1/16インチに戻してから、Swagelok SS 316 1/16インチクロスピースに接続した。このクロスピースにおいて、熱電対(K型)を使用して、流出供給原料の温度をモニタリングした。
(滞留時間のために用いられる)反応器容積は、アルミニウムブロックの直前および直後に位置する2つの1/2インチから1/8インチへの径違い継手の間の、1/2インチの管の部分の容積として定義される。
生成物混合物は、最後に熱交換器(逆方向の流れで冷水が通される1/4インチ管内のある長さの1/8インチ管)および背圧(この地点とポンプヘッドとの間の系全体にわたる圧力)を発生させる手動のTescom背圧調整器に通される。使用した圧力は、記載した全ての実験について3000psiであった。試料をバイアル中に回収した後、分析用に調製した。
反応に必要とされる温度は、2つのWatlowカートリッジヒーターに印加される電力を仲介する、Gefranコントローラ(800 P)を備えたサーモスタットを用いて達成された。各組の実験は、実験作業(run)間で滞留時間を変更しながら、単一の温度で作業することを含んだ。第1の実験作業に必要とされる流量を、Gilsonポンプモジュールにおいて設定した。次いで、アルミニウムブロック間の伝熱が安定した状態になっているようにするために、このポンプを、約20分間にわたり、脱イオン水のみを送り込んでいる状態にしておいた。伝熱は、反応器の流出供給原料位置に設置された熱電対により示される温度が5分間を超えて変化しなかった(1℃の精度)時に、平衡に達したと見なされた。この段階において、ポンプの入口を、脱イオン水の容器から、調製した反応物混合物の容器に移した。装置(反応器を含む)の全容積は、反応器自体のもののおよそ2倍であり、これは、実験により予め求められた。特定の流量については、確実に反応の定常状態が達成されているようにするために、反応物混合物を、それが最終出口から出て来始めるのに必要とされる期間のおよそ3倍の時間にわたり、流れ込んでいる状態のままにしておいた。この時間後、装置流出溶液の20ml試料を分析のために回収した。流出溶液の回収の速度および反応溶液が消費される速度の両方を、ポンプ効率の一貫性をモニタリングするために、時間に対して記録した。特定の実験作業からの試料回収の後、ポンプ入口を脱イオン水の容器に戻し、確実に前の実験作業からのあらゆる残った物質が系からパージされてしまうようにするために、流量をおよそ10分間にわたりその最高値まで増加させた。次いで、この手順を、次の調べられるべき滞留時間について繰り返した。
分析
生成物の定量分析は、多波長UV検出器を備えたAgilent 1200シリーズHPLCシステムを用いて達成された。ガードカラムにより保護された、75℃で維持されたPhenomenex Rezex RHM monosaccharide H(8%)カラムを用いて、生成物を分離した。使用した方法は、無勾配であり、0.4ml分−1の流量の0.005M HSO水移動相を供給した。生成物試料に含有されている化合物は、210nm(帯域幅15nm)というMWD検出器が可能な最も短い波長で、最適UV吸光度を有することが分かった。全ての生成物化合物を、それらのUV吸光度を様々な濃度に対して補正することによって、それらのUV検出について検量した。線形応答範囲を、それぞれの化合物について決定し、関心のある全ての化合物について認められる最も適合する濃度範囲は、5×10−3M〜1×10−3Mの間であった。したがって、ほとんどの生成物の適切な定量的検出は、HPLC分析前に装置から得られた試料の1対100の希釈度のものを用いて達成された(1対100の希釈度とは、0.5Mの反応溶液から出発する場合、20%〜100%の間の収率で生成される任意の生成物は、濃度の線形応答範囲内に入るということを意味することになるであろう)。化合物がこの
線形応答範囲の範囲外になる場合(例えば、20%未満の収率)は、1対10の希釈度を用いて第2のHPLC分析を行った。1対10希釈法を用いても正確に定量化されなかった試料はいずれも、濃度がごく微量であり、したがって無視できるものと見なされた。
手順
以下の手順を実施した。まず、酸および水酸化ナトリウムを含む試薬混合物を、調製した。滞留時間を達成するために必要とされる流量を、反応器容積および水の密度(温度から算出)を用いて算出した。
図6は、本発明のための装置の概略図を示している。反応溶液18は、入口16に接続された容器20内に置かれた。この入口は、導管22を介して反応物ポンプ2に接続され、この反応物ポンプ2は、溶液18を反応器チューブ24チューブに送るように作動でき、この反応器チューブ24チューブは、ヒーターカートリッジ26内に入れられており、このヒーターカートリッジ26は、反応器24の長さに沿って円周方向に延びていた。ポンプ2と反応器24との間の導管22は、ポンプから、動作制御用の弁28、圧力モニター30および圧力解放弁32を介して続いた。さらに、トリップスイッチ34が、圧力モニター30、反応物ポンプ2および温度モニター14に接続された。温度モニター14は、反応器24の直後から出口6までの導管22内に設置された。さらに、モニター14後は、導管は、フィルター36、熱交換器8および背圧調整器4を介して出口まで続いた。出口6において、生成物は、回収容器38中に回収された。
反応器24はまた、反応器24の温度を制御するための温度制御ユニット10、12を備えていた。装置はまた、クエンチ水容器42中のクエンチ水44のための別個の入口40を含むクエンチ系を備えていた。入口40は、導管46を介して出口6に接続され、この導管46は、別個のクエンチポンプ48を備え、その後にクエンチ水の制御用の弁50を備えていた。クエンチ水用導管46は、反応器24の温度モニター14の直後からフィルター36までの反応導管22と合流して、反応器後のあらゆる反応をクエンチした。クエンチポンプ48および温度コントローラユニット10、12はまた、トリップ基準(trip criteria)が満たされた時に必要な運転停止のためのトリップスイッチ34にも接続された。
反応器ポンプ2を作動させ、脱イオン水を系中に送り込んだ。背圧調整器4を、漸次、必要とされる圧力(3000psi)に調整した。
ポンプ動作効率は、5ml分−1にて、系出口6から20ml体積の水を回収するためにかかった時間を記録することにより確かめた。>90%の効率が、許容可能であった。
次いで、ポンプ流量を、実験作業に必要とされる流量に設定する。
熱交換器8への水供給(示されていない)を、反応温度および実験のためのポンプ流量に依存して、低〜中位の流量に設定した。
温度コントローラ12を備えたヒーターサーモスタット10を、実験作業に必要とされる温度に設定した。
(サーモスタット10により示されるように)必要温度に達したら、反応器出口温度を、値(1℃の精度)が少なくとも5分間にわたり不変の状態のままであることが観察されるまで(これは一般におよそ20分かかった)、反応器温度モニター14によりモニタリングした。
ポンプ入口16を、脱イオン水容器(示されていない)から、調製した試薬混合物の容器18に移した(これは数秒間のポンプ流れの停止を必要とする)。容器18中の試薬混合物の初期体積を記録した。
計算により、生成物溶液が系出口6から出て来始めるまでの期間が示され得る。しかしながら、実際にはこれを、装置から出て行く(試薬の分解から生じた)可視および可聴の気泡の存在により確認した。これを、生成物溶液が出て来るのにかかった時間×3の時間にわたり継続させた。これにより、生成物混合物が均一であることを確実にした。
出口6において、20mlの生成物溶液を回収し、この回収にかかった時間を記録した。試薬混合物についても、最終の時間および体積の測定を行った。
生成物の回収後、ポンプ入口を、脱イオン水容器に戻し、ポンプを「最高モード(prime mode)」(最大流量)に設定し、およそ10分間にわたり放置しておいた。
次いで、ポンプの流量を、次の実験作業に必要とされる値に設定した。
再度、反応器出口温度をモニタリングし、値が少なくとも5分間にわたり変化しなかった時に不変であると見なした(これは一般におよそ10分かかった)。
この実験方法を、実験に必要な全ての実験作業が行われるまで繰り返した。全ての実験作業の完了後、最高モードでポンプを用いて脱イオン水を系中に送り込み、ヒーター(サーモスタット)のスイッチを切った。
反応器出口温度が80℃未満に低下した時に、ポンプのスイッチを切り、熱交換器への水供給も止めた。
メタクリル酸抽出
上記の調製手順に従って調製した溶液を、同量のトルエンを用いて抽出した。第1の組の実験においては、追加の酸を添加しなかった。第2の組においては、最初の高温分解に使用された酸を、ジカルボン酸(イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、シトラマル酸)に2−ヒドロキシイソ酪酸を加えた総濃度が、最初の分解についての出発濃度である0.5Mとなるように添加した。表10における結果は、高濃度の塩基が存在する時に、酸の添加が抽出量に対して非常に大きな影響を与えることを示している。
比較実施例12
75:25という比での2−ブタノンとo−キシレンとの混合物中へのMAA抽出の効率を調べた。この有機混合物中のキシレンの存在は、ブタノンが有機相として単独で使用される場合の重要な問題である、水相へのブタノンの溶解度を部分的に制限する。この特定の比において、MAAについての分配係数は、最大およそK=7.00であると伝えられている23。この例において、およそ80%のMAAが有機相中に抽出されることが見出され、これは極めて望ましいと思われたが、分解実験に関わった他のジカルボン酸(すなわち、IC、CCなど)もまた、有機相への11%までの僅かな親和性を示した。
本出願に関連して、本明細書と同時にまたは本明細書に先立って提出され、かつ本明細書と共に公衆の閲覧に付されている、全ての書面および文書に注意が向けられ、全てのそのような書面および文書の内容が、参照により本明細書に援用される。
本明細書(いずれの添付の特許請求の範囲、要約書および図面も含む)に開示された特徴の全て、および/またはそのように開示されたあらゆる方法もしくはプロセスの工程の全ては、そのような特徴および/または工程の少なくとも一部が互いに矛盾する組み合わせを除き、任意の組み合わせで組み合わされ得る。
本明細書(いずれの添付の特許請求の範囲、要約書および図面も含む)に開示された各特徴は、別段の明記がない限り、同一、均等または類似の目的にかなう代替的な特徴により置き換えられ得る。したがって、別段の明記がない限り、開示された各特徴は、一般的
な一連の均等または類似の特徴の一例であるに過ぎない。
本発明は、上述の実施形態の詳細に限定されるものではない。本発明は、本明細書(いずれの添付の特許請求の範囲、要約書および図面も含む)に開示された特徴のあらゆる新規のものもしくはあらゆる新規の組み合わせ、またはそのように開示されたあらゆる方法もしくはプロセスの工程のあらゆる新規のものもしくはあらゆる新規の組み合わせに及ぶ。

Claims (21)

  1. 水性反応媒体から(メタ)アクリル酸を抽出する方法であって、前記水性反応媒体は、少なくとも1種の塩基触媒と、水溶液の状態のマレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、およびシトラマル酸またはそれらの混合物から選択される少なくとも1種のジカルボン酸とから生成され、(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸塩基塩を含むその塩基触媒脱カルボキシル化生成物を含有し、前記方法は、有機相中への前記(メタ)アクリル酸の溶媒抽出のために有機溶媒を水相の前記水性反応媒体に導入する工程を含み、前記方法は、前記有機溶媒中への前記(メタ)アクリル酸の前記溶媒抽出を高めるために、追加量の前記ジカルボン酸のうちの少なくとも1種および/またはアコニット酸、クエン酸および/またはイソクエン酸から選択される、前記追加量の前記ジカルボン酸の前駆体が前記水性反応媒体に添加されることを特徴とする、方法。
  2. 水相抽出物中の(メタ)アクリル酸の濃度が、少なくとも0.05mol dm−3である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記少なくとも1種のジカルボン酸および/またはその前駆体に対する塩基触媒のモルレベルは、前記抽出操作の間、その第1酸塩の形成に関して準化学量論的レベル、すなわち塩基OH :酸の有効モル比が0.1〜1:1の間に維持され、添加されるジカルボン酸の量は、それに応じて決定される、請求項1または2に記載の方法。
  4. 前記ジカルボン酸および/またはその前駆体が、クエン酸、イタコン酸、シトラマル酸、シトラコン酸およびメサコン酸またはそれらの混合物から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  5. 前記ジカルボン酸が、マレイン酸、フマル酸、およびリンゴ酸またはそれらの混合物から選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
  6. 水性反応媒体から(メタ)アクリル酸を抽出する方法であって、前記水性反応媒体は、
    少なくとも1種の塩基触媒と、水溶液の状態のフマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸もしくはシトラマル酸またはそれらの混合物から選択される少なくとも1種のジカルボン酸とから生成され、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸塩基塩を含むその塩基触媒脱カルボキシル化生成物を含有し、前記方法は、有機相中への前記(メタ)アクリル酸の溶媒抽出のために有機溶媒を前記水性反応媒体に導入する工程を含み、前記少なくとも1種のジカルボン酸および/またはアコニット酸、クエン酸および/またはイソクエン酸から選択される、前記少なくとも1種の前記ジカルボン酸の前駆体に対する塩基触媒のレベルが、前記抽出操作の間、その第1酸塩の形成に関して準化学量論的レベル、すなわち塩基OH :酸の有効モル比が0.1〜1:1の間に維持されることを特徴とする、方法。
  7. 前記(メタ)アクリル酸がメタクリル酸である場合、前記有機溶媒が、前記反応媒体に対して外部の有機溶媒である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記ジカルボン酸が、シトラマル酸またはイタコン酸から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 少なくとも1種の塩基触媒と、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸もしくはシトラマル酸またはそれらの混合物から選択される少なくとも1種のジカルボン酸との水性反応媒体を生成する工程と、
    前記水性反応媒体中に(メタ)アクリル酸および/またはその塩基塩を生じさせるのに好適な温度および圧力条件下で、前記少なくとも1種の塩基触媒の存在下において、前記少なくとも1種のジカルボン酸を脱カルボキシル化する工程と、
    有機相中への前記(メタ)アクリル酸の溶媒抽出のために有機溶媒を前記水性反応媒体に導入する工程と
    を含む、(メタ)アクリル酸の製造のためのプロセスにおいて、
    前記少なくとも1種のジカルボン酸および/またはアコニット酸、クエン酸および/またはイソクエン酸から選択される、前記少なくとも1種の前記ジカルボン酸の前駆体に対する塩基触媒のレベルが、前記抽出操作の間、その第1酸塩の形成に関して準化学量論的レベル、すなわち塩基OH :酸の有効モル比が0.1〜1:1の間に維持されることを特徴とする、プロセス。
  10. 少なくとも1種の塩基触媒と、フマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸もしくはシトラマル酸またはそれらの混合物から選択される少なくとも1種のジカルボン酸との水性反応媒体を生成する工程と、
    前記水性反応媒体中に(メタ)アクリル酸および/またはその塩基塩を生じさせるのに好適な温度および圧力条件下で、前記少なくとも1種の塩基触媒の存在下において、前記少なくとも1種のジカルボン酸を脱カルボキシル化する工程と、
    有機相中への前記(メタ)アクリル酸の溶媒抽出のために有機溶媒を前記水性反応媒体に導入する工程と
    を含む、(メタ)アクリル酸の製造のためのプロセスにおいて、
    前記有機溶媒中への前記(メタ)アクリル酸の前記溶媒抽出を高めるために、追加量の前記ジカルボン酸のうちの少なくとも1種および/またはアコニット酸、クエン酸および/またはイソクエン酸から選択される、前記追加量の前記ジカルボン酸の前駆体を前記水性反応媒体に添加する工程を特徴とする、プロセス。
  11. (メタ)アクリル酸抽出のための前記有機溶媒が、C〜C20炭化水素溶媒またはエステル、エーテル、もしくはケトンからなる、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法またはプロセス。
  12. 前記溶媒が、トルエン、ベンゼン、エチルベンゼン、キシレン、トリメチルベンゼン、オクタン、ヘプタン、ヘキサン、ペンタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン、メチルエチルケトン、メチルメタクリレートもしくはそれらの混合物;または水と不混和性のイオン液体を含む、請求項11に記載の方法またはプロセス。
  13. 前記(メタ)アクリル酸抽出のための溶媒の前記混合物が、C〜C20炭化水素溶媒およびメチルメタクリレートである、請求項11または12に記載の方法またはプロセス。
  14. (i)請求項9〜13のいずれか一項に記載の(メタ)アクリル酸の調製工程と、
    (ii)(i)において調製された前記(メタ)アクリル酸の、(メタ)アクリル酸エステルを生成するための任意選択でのエステル化工程と、
    (iii)(i)において調製された前記(メタ)アクリル酸および/または(ii)において調製された前記エステルの、任意選択で1種以上のコモノマーとの、そのポリマーまたはコポリマーを生成するための、重合工程と
    を含む、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸エステルのポリマーまたはコポリマーを調製する方法。
  15. アコニット酸、クエン酸および/またはイソクエン酸から選択される前駆体酸の源を供給することと、
    塩基触媒の存在下または不在下においてイタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸および/またはシトラマル酸から選択されるジカルボン酸をもたらすのに十分に高い温度に前記前駆体酸源を曝露することによって、前記前駆体酸源に対して脱カルボキシル化および必要に応じて脱水工程を行うことと、
    生成された前記ジカルボン酸を、請求項1〜13のいずれか一項に記載のプロセスにおいて用いることと
    を含む、メタクリル酸の製造のためのプロセス。
  16. 水性反応媒体からそれと接触している有機相中に(メタ)アクリル酸を抽出する方法であって、前記水性反応媒体は、少なくとも1種の塩基触媒と、水溶液の状態のフマル酸、マレイン酸、リンゴ酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸もしくはシトラマル酸またはそれらの混合物から選択される少なくとも1種のジカルボン酸とから生成され、(メタ)アクリル酸または(メタ)アクリル酸塩基塩を含むその塩基触媒脱カルボキシル化生成物を含有し、前記有機相は、前記(メタ)アクリル酸を抽出するための有機溶媒を含み、前記方法は、前記水性反応媒体において、前記抽出の少なくとも一部の間、前記少なくとも1種のジカルボン酸および/またはアコニット酸、クエン酸および/またはイソクエン酸から選択される、前記少なくとも1種の前記ジカルボン酸の前駆体に対する塩基触媒の相対レベルが、その第1酸塩の形成に関して準化学量論的レベル、すなわち塩基OH :酸の有効モル比が0.1〜1:1の間に維持されることを特徴とする、方法。
  17. 水性反応媒体から(メタ)アクリル酸を抽出する方法であって、前記水性反応媒体は、少なくとも1種の塩基触媒と、水溶液の状態のマレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸もしくはシトラマル酸またはそれらの混合物から選択される少なくとも1種のジカルボン酸とから生成され、(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸塩基塩を含むその塩基触媒脱カルボキシル化生成物を含有し、前記方法は、前記水性反応媒体と接触している有機溶媒を含む有機相中への(メタ)アクリル酸の溶媒抽出の工程を含み、前記方法は、前記有機相中への前記(メタ)アクリル酸の前記溶媒抽出を高めるために、追加量の前記ジカルボン酸のうちの少なくとも1種および/またはアコニット酸、クエン酸および/またはイソクエン酸から選択される、前記追加量の
    前記ジカルボン酸の前駆体が、前記その塩基触媒脱カルボキシル化生成物を含有する前記水性反応媒体に添加されることを特徴とする、方法。
  18. 抽出後に前記有機相と前記水相とを分離し、続いて次に、前記抽出操作において抽出された前記(メタ)アクリル酸を前記有機溶媒から単離するために前記有機相を処理する工程を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法またはプロセス。
  19. 前記有機溶媒が、脱カルボキシル化の前または後に、前記水性反応媒体に導入される、請求項1〜13または16〜18のいずれか一項に記載の方法またはプロセス。
  20. 前記抽出操作の少なくとも前記脱カルボキシル化工程後に実施される部分の間、必要に応じて後反応が行われた後に、塩基の準化学量論的レベル、すなわち塩基OH :酸の有効モル比が0.1〜1:1の間に維持される、請求項1〜13または請求項16〜19のいずれか一項に記載の方法またはプロセス。
  21. 塩基の準化学量論的レベルが、前記反応および抽出の全体を通して、塩基OH :酸の有効モル比が0.1〜1:1の間に維持される、請求項1〜13または16〜20のいずれか一項に記載の方法またはプロセス。
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