JP6046525B2 - 撥水撥油剤組成物、撥水撥油性繊維製品、及び、撥水撥油性繊維製品の製造方法 - Google Patents

撥水撥油剤組成物、撥水撥油性繊維製品、及び、撥水撥油性繊維製品の製造方法 Download PDF

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本発明は、撥水撥油剤組成物に関する。また本発明は、前記組成物によって撥水撥油性を付与された繊維製品並びにその製造方法に関する。
従来から、繊維製品に撥水撥油性を付与する目的で、炭素数が8以上のパーフルオロアルキル基(以下、パーフルオロアルキル基をRF基と記す)を有する単量体に基づく構成単位を有する共重合体を媒体に分散させたエマルションからなる撥水撥油剤組成物が用いられてきた。
しかしながら、前記組成物には、ごく微量ではあるが、非意図的な不純物としてパーフルオロオクタン酸(以下、PFOAと記す)が含まれている。PFOAは化学的にきわめて安定な物質であるため、自然界では分解されずに残留すると考えられている。また、一旦生体内に取り込まれると排出されにくい性質(生体蓄積性)があること、更には長期にわたり摂取した場合毒性を発現することが環境・安全上の懸念材料として取りざたされている。
そのため、炭素数が6以下のRF基を有する単量体に基づく構成単位を有する共重合体を媒体に分散させたエマルションからなる撥水撥油剤組成物に代替する検討が行われている。
しかしながら、炭素数が6以下のRF基を有する撥水撥油成剤組成物は、炭素数が8以上のものに比べ、撥水撥油性の洗濯耐久性が劣る傾向にある。
洗濯耐久性を向上させる技術としては、フッ素系撥水撥油剤組成物にブロックポリイソシアネート化合物を組合せて繊維に処理することが従来から行われている。
前記ブロックポリイソシアネート化合物は、加熱によって解離するブロック剤によって分子内の複数の末端イソシアネート基がブロックされている化合物であり、繊維処理時にブロック剤を解離させ、前記フッ素系撥水撥油剤と繊維とを架橋させることにより、または、フッ素系撥水撥油剤同士を架橋させることにより、撥水撥油性の洗濯耐久性を向上させることができる。
例えば、下記特許文献1〜4に開示されているようなフッ素系撥水撥油組成物とブロックポリイソシアネート化合物とを併用した撥水撥油加工の方法が知られている。
特表2002−511507号公報 特開2007−254598号公報 特開2012−31285号公報 特開2012−72381号公報
しかしながら、炭素数が6以下のRF基を有する撥水撥油成剤組成物を用いた場合、上記特許文献に記載のブロックポリイソシアネート化合物の水分散液では十分な洗濯耐久撥水撥油性が得られないという問題があった。
より具体的には、特許文献1、特許文献2、特許文献4では自己乳化型ブロックポリイソシアネート化合物が記載されているが、ブロックポリイソシアネートを水に安定に分散あるいは溶解するために、ポリイソシアネートの一部をポリオキシエチレン基を有する親水基と多量に反応させる必要がある。そのため、このような自己乳化型ブロックポリイソシアネートでは、十分なイソシアネート基濃度を確保することができないという問題がある。
また、特許文献3では、非イオン界面活性剤により疎水性ピラゾールブロックポリイソシアネートを乳化したものが記載されている。しかしながら、疎水性ピラゾールブロックポリイソシアネートを安定して水中に分散させるためには疎水性ピラゾールブロックポリイソシアネートに対して約10%の量の非イオン界面活性剤が必要である。
乳化時に使用する界面活性剤は、撥水撥油性を阻害するため少量で使用するのが好ましいが、少量であれば製品安定性が悪くなるという課題を残していた。
したがって、本発明は、疎水性ブロックポリイソシアネートを極めて少量の界面活性剤で水中に安定して分散させる方法を提供し、炭素数が6以下のRF基を有する撥水撥油性成分を用いた場合でも、優れた洗濯耐久性の撥水撥油性を付与できる組成物、並びに、十分な耐久撥水撥油性を有する繊維製品、および、当該繊維製品の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、特定のカチオン界面活性剤を使用して、特定の疎水性ブロックポリイソシアネートを強制乳化させることによって、安定した水分散液を極少量の界面活性剤使用量で得ることに成功し、当該水分散液と炭素数が6以下のRF基を有する撥水撥油性成分を併用することにより、優れた洗濯耐久性を有する撥水撥油性を繊維製品に付与できることを見出し、本発明を完成した。
本発明に係る撥水撥油性組成物は、以下の構成を有する。
(A)疎水性ブロックポリイソシアネートが、水、又は、水を主成分とする溶液中に、カチオン界面活性剤で強制乳化されてなる疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液、及び、(B)炭素数が6以下のパーフルオロアルキル基を有する撥水撥油性成分、とを含む、撥水撥油剤組成物であって、
前記疎水性ブロックポリイソシアネートが下記式(1)で表される化合物よりなり、当該式(1)で示される全化合物において、各化合物のRは同一でも異なっていてもよいが、Zの全てが下記式(2)のピラゾール基である化合物の割合が、95重量%以上であること、
Figure 0006046525
[式(1)中、mは3以上の整数を示し、Rはm個のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物からm個のイソシアネート基を除いた残基を示し、Zは同一でも異なっていてもよく、イソシアネート基と反応可能な活性水素含有化合物から水素原子を除いた残基を示す]、
Figure 0006046525
[式(2)中、Rは、nが1を超える場合には同一であっても異なっていてもよく、かつ各Rは、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数7〜12のアラルキル基、N−置換カルバミル基、フェニル基、−NO2、ハロゲン原子または−C(O)−O−R(式中Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である)の基であり、nは0〜3の整数である];
前記疎水性ブロックポリイソシアネートと前記カチオン界面活性剤の重量比率が100:0.2〜100:3であること;および
前記カチオン界面活性剤が、炭素数8〜24のモノアルキルトリメチルアンモニウム塩および炭素数8〜24のモノアルキルアミン塩よりなる群から選択されること;
を特徴とする撥水撥油剤組成物。
本発明の撥水撥油剤組成物は、上記カチオン界面活性剤を使用することによって、非イオン界面活性剤では成しえなかった極少量の界面活性剤使用量で、安定した疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液を得ることができる。このように界面活性剤の量が極少量であるため、撥水撥油剤と併用しても、撥水撥油性への悪影響がない。そのため、当該疎水性ブロックポリイソシアネートの水分散液と、炭素数が6以下のRF基を有する撥水撥油性成分とを併用することにより、処理された繊維製品の耐久撥水撥油性を十分な水準に向上させることができる。
本発明において、前記カチオン界面活性剤は、炭素数12〜18のモノアルキルトリメチルアンモニウム塩および炭素数12〜18のモノアルキルアミン塩よりなる群から選択されることがより好ましい。
また、前記式(1)で示される全化合物において、Zの全てが下記式(3)のピラゾール基である化合物の割合が、95重量%以上であることがより好ましい。
Figure 0006046525
また、本発明の撥水撥油剤組成物において、疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液の液状媒体が、水、又は、80重量%以上の水と20重量%未満の水溶性溶剤の混合溶液であることが好ましい。
本発明はまた、前記本発明に係る組成物によって撥水撥油性が付与された繊維製品を提供する。本発明の繊維製品の撥水撥油性は、洗濯耐久性に優れている。
本発明はまた、前記本発明に係る組成物を使用して、撥水撥油性繊維製品を製造する方法であって、前記(A)および(B)を共に含む処理液を調製し、当該処理液に繊維製品を接触させるか、または、前記(A)を含む処理液と(B)を含む処理液とを調製し、各処理液に繊維製品を接触させる工程を含む、撥水撥油性繊維製品の製造方法を提供する。
本発明によれば、式(1)で表わされる疎水性ブロックポリイソシアネートを、極少量のカチオン界面活性剤(100重量部の疎水性ブロックポリイソシアネートに対し、0.2〜3重量部のカチオン界面活性剤)のみで水中に安定に分散させることができるため、界面活性剤による撥水撥油性への悪影響を最小限に抑えることができる。
そして、それによって、炭素数が6以下のRF基を有する撥水撥油性成分を用いた場合においても優れた洗濯耐久性を付与することができ、十分な耐久撥水撥油性を有する繊維製品を提供することができる。
また、本発明の撥水撥油剤組成物によれば、炭素数が8以上のRF基を有する撥水撥油性成分にブロックポリイソシアネート水分散液を併用した従来の加工方法と同等の耐久撥水撥油性を繊維製品に付与することができるため、PFOA(パーフルオロオクタン酸)問題が指摘されている炭素数が8以上のRF基を有する撥水撥油性成分の代替或いは低減が可能となる。
本発明において、上記式(1)で表わされる疎水性ブロックポリイソシアネートは、m個のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と、イソシアネート基と反応可能な活性水素含有化合物とを反応させることにより得ることが出来る。
mは3以上の整数であり、3より少ないと合成繊維に処理した場合に十分な性能が発揮されない。
また、上記式(1)で表される全化合物のうち、Zの全てが式(2)で表わされるピラゾール基である化合物が、重量比で95%以上の割合となるように、イソシアネート基と反応可能な活性水素含有化合物として、以下の式(4)で表わされるピラゾール化合物をm個のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物と反応させる。
Figure 0006046525
[式中のRおよびnの定義は、式(2)と同じ]
前述したm個のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物としては、公知のポリイソシアネート化合物が使用できる。例えば、アルキレン(炭素数12以下が好ましい)ジイソシアネート、アリールジイソシアネート及びシクロアルキルジイソシアネート化合物の三量体などの変性ポリイソシアネート化合物を使用することができる。
また、ジイソシアネート化合物から誘導される変性ポリイソシアネート化合物は、3個以上のイソシアネート基を有するものであればよく、例えば、イソシアヌレート結合を有するポリイソシアネート組成物や、ビュレット結合を有するポリイソシアネート組成物や、ウレタン結合を有するポリイソシアネート組成物を使用することができる。
具体的には、例えばジイソシアネートにヘキサメチレンジイソシアネートを用いヌレート体にしたものやビュレット体にしたもの、ジイソシアネートにトリレンジイソシアネートを用いトリメチロールプロパンのアダクト体等にしたものが挙げられる。
ポリイソシアネート化合物は1種単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
前記ポリイソシアネート化合物は市販品を用いることができ、例えばデュラネートTPA−100(旭化成ケミカルズ製、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体)(固形分100%)やデュラネート24A−100(旭化成ケミカルズ製、ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体)(固形分100%)やコロネートL(日本ポリウレタン製、トリレンジイソシアネートとトリメチロールプロパンのアダクト体)(固形分75%)などが挙げられる。
また、上述した化合物を更にポリオールと反応させて、より多官能にしてもよい。
式(4)で表わされる化合物としては、例えば、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチル−4−ニトロピラゾール、3,5−ジメチル−4−ブロモピラゾール、ピラゾールなどが挙げられる。
これらのピラゾール化合物は、1種単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特に、3,5−ジメチルピラゾールを用いると、高い耐久撥水撥油性を有する繊維製品が得られるため、好ましい。
本発明に係る「疎水性ブロックポリイソシアネート」において、「疎水性」とは、式(1)で示される個々のブロックポリイソシアネートが全て疎水性を示すという意味ではなく、式(1)で示される化合物が全体として疎水性である(すなわち、後述する「自己乳化する状態」とはならない)ことを意味する。すなわち、本発明に係る水分散液は、式(1)で示されるブロックポリイソシアネート化合物を多数含むが、このうち少量が親水性を示すものであっても大多数が疎水性であり、全体として疎水性を示せば、本発明の「疎水性ブロックポリイソシアネート」に該当する。
例えば、本発明に係る疎水性ブロックポリイソシアネートは、式(I)のZ(好ましくは、m個のZのうち1つのみ)が、オキシエチレン基を有するノニオン性親水性基である化合物を、式(I)の化合物全量に対し5重量%未満の割合で含んでも良い。ノニオン性親水性基を有する前記化合物の存在により、水分散性を向上させることができる。ただし、繊維製品の耐久撥水撥油性に及ぼす影響を小さくする観点からは、前記ノニオン性親水性基を含んだブロックポリイソシアネート化合物の含有率は小さい方がより好ましく、0重量%であることが特に好ましい。
水に自己乳化する状態とは、ブロックポリイソシアネート化合物に界面活性剤を外添することなく、水中に均一に乳化分散できる状態をいい、その水分散液をガラス容器に入れ密封し45℃で静置した場合、12時間以上分離や沈降などが無く均一に乳化分散している状態を意味する。
本発明の疎水性ブロックポリイソシアネートは、水に自己乳化しないため、カチオン性界面活性剤で強制的に乳化させる必要がある。
前述した、オキシエチレン基を有するノニオン性親水基を含んだブロックポリイソシアネート化合物は、ポリイソシアネート化合物に、部分的にノニオン性親水性化合物を反応させ、残りのイソシアネート基をブロック剤と反応させることにより得ることが出来る。
ノニオン性親水性化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコールポリエチレングリコールモノブチルエーテル等のポリオキシアルキレンモノアルキルエーテル類;エチレングリコール、または、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール等の(ポリ)エチレングリコール類;ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールのブロック重合体、ランダム共重合体、エチレンオキサイドとプロピレンオキサイド、エチレンオキサイドとブチレンオキサイドのランダム共重合体やブロック共重合体;ポリオキシアルキレンモノアミン類、ポリオキシアルキレンジアミン類;などが挙げられる。
上記ノニオン性親水性化合物は、1種単独で用いてもよく、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明においては、オキシエチレン基を有するノニオン性親水基を含んだブロックポリイソシアネート化合物についても、架橋性能を持たせるために、m個のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物(mは3以上の整数)1モルに対してノニオン性親水性化合物を1モルの割合で反応させることが好ましい。1モルを超えてノニオン性親水性化合物を反応させると架橋基の数が減るため好ましくない。また、残りのイソシアネート基については、公知のブロック剤を使用してブロックをすることができる。
前記公知のブロック剤としては、例えば、活性メチレン系、フェノール系、アルコール系、メルカプタン系、酸アミド系、イミド系、アミン系、イミダゾール系、尿素系、カルバミン酸塩系、イミン系、オキシム系、亜硫酸塩系、ピラゾール系の化合物を使用することができ、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。より好ましくは、ブロック剤はブタノンオキシムや3,5−ジメチルピラゾールが好ましい。
本発明の疎水性ブロックポリイソシアネートは、例えば、上記のポリイソシアネート化合物と、活性水素含有化合物として上記式(4)で表わされるピラゾール化合物を反応させることにより得ることが出来る。
また、上述したように、必要に応じて、ポリイソシアネート化合物とノニオン性親水性化合物、ブロック剤を反応させて得られた化合物を、式(1)で表わされる化合物全量に対し、5重量%未満となる量で含有させてもよい。
ポリイソシアネート化合物と活性水素含有化合物との反応は、従来公知のワンショット法又は、多段法にて行うことができる。この場合、反応を促進させる公知の各種触媒を用いることができる。このような触媒類としては、有機錫化合物、有機亜鉛化合物、有機アミン化合物等が挙げられる。
また、反応のいずれかの段階で、イソシアネート基と反応しない有機溶剤を添加してもよい。
本発明に係る疎水性ブロックポリイソシアネートは、遊離イソシアネート基を含まないことが好ましい。
このような疎水性ブロックポリイソシアネートの製造方法の一例を具体的に説明すると、例えば、(反応1)ポリイソシアネート化合物aをメチルイソブチルケトンに溶解させた後、上記式(4)で示されるピラゾール化合物でイソシアネート基が完全に消費されるまで反応させる。
また、任意で、その後、(反応2)ポリイソシアネート化合物bをさらに添加し、ノニオン性親水性化合物を上記触媒の添加により反応させ(ポリイソシアネート化合物とノニオン性親水性化合物のモル比は1:1)、残りのイソシアネート基を公知のブロック剤で反応させる。この際、得られるブロックポリイソシアネート全量に対し、(反応1)で得られるブロックポリイソシアネートの割合が95重量%以上となるように、仕込み量を調整する。
前記(反応1)で使用するポリイソシアネート化合物aと、前記(反応2)で使用するポリイソシアネート化合物bは同一でも異なっていてもよい。また、(反応1)で得られる化合物と(反応2)で得られる化合物を別々に合成したものを後で配合してもよい。
また、本発明に係る疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液は、上記式(1)で表わされる疎水性ブロックポリイソシアネートの1種又は2種以上を含有することができる。
本発明に係る疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液は、上記式(1)で表わされる疎水性ブロックポリイソシアネートを、特定のカチオン界面活性剤を特定量添加することによって、水、又は、水を主成分とする溶液中で乳化分散することにより得ることが出来る。
前記カチオン界面活性剤としては、炭素数8〜24のモノアルキルトリメチルアンモニウム塩及び/又は炭素数8〜24のモノアルキルアミン塩を使用する。炭素数12〜18のモノアルキルトリメチルアンモニウム塩及び/又は炭素数12〜18のモノアルキルアミン塩がより好ましい。また、前記モノアルキルトリメチルアンモニウム塩としては、塩化物塩が好ましく、前記モノアルキルアミン塩としては、酢酸塩が好ましい。特に好ましいカチオン界面活性剤として、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルアミンアセテート、ココナットアミンアセテートが挙げられる。
本発明に係る疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液は、前記カチオン界面活性剤を1種又は2種以上含有することができる。また、本発明に係る疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液は、界面活性剤として、前記カチオン界面活性剤のみを含むことが好ましい。
なお、同じ第四級アンモニウム塩型カチオン界面活性剤でも、炭素数8〜24のジアルキルジメチルアンモニウム塩や、直鎖もしくは分岐鎖の炭素数8〜44の脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物の4級化物などは、良好な水分散体を得ることができないため、本発明に係るカチオン界面活性剤としては好ましくない。
前記疎水性ブロックポリイソシアネートと前記カチオン界面活性剤の比率(重量基準)は100:0.2〜100:3の範囲が好ましく、100:0.2〜100:1がより好ましい。
疎水性ブロックポリイソシアネート100重量部に対してカチオン界面活性剤が0.2重量部未満の場合、水分散液の安定性が低下する傾向にあり、3重量部を超えると疎水性ブロックポリイソシアネートを乳化するには過剰量の使用となり、撥水撥油性を低下させる原因となるため好ましくない。さらには、カチオン界面活性剤の使用量を多くしすぎると逆に、安定した乳化液を得ることができない。
本発明に係る疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液は、公知の乳化方法で製造することができる。
例えば、上記式(1)で表わされる疎水性ブロックポリイソシアネートと上記カチオン界面活性剤をメチルイソブチルケトンなどの有機溶剤に溶解し、そこに撹拌しながら徐々に水を添加していくことでプレ乳化液を得ることができる。
水分散性を高めるために、水溶性溶剤を添加させてもよい。使用する水溶性溶剤としては、グリコール、グリコールエーテルおよびグリコールエステルが好ましく、例えば、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコール、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、ポリプロピレングリコール、ヘキシレングリコール等が挙げられる。
得られたプレ乳化液は、高圧ホモジナイザーなどの高圧乳化機で粒子を均一化することで安定した乳化分散液を得ることが出来る。
水分散液の作成後に、場合によっては存在する溶剤を例えば減圧下に蒸留によって除くのが好ましい。
本発明に係る水分散液の液状媒体は、水、又は、水を主成分とする溶液である。水を主成分とする溶液としては、水を80重量%以上含む溶液が好ましく、水を90重量%以上含む溶液がより好ましい。水を主成分とする溶液中に含まれる水以外の液状成分としては、前述したプレ乳化液を得る際に使用する有機溶剤や、水分散性を高めるための水溶性溶剤等が挙げられる。
水を主成分とする溶液の好ましい例として、80重量%以上の水と、20重量%未満の水溶性溶剤を含む混合溶液が挙げられる。より好ましい例は、90重量%以上の水と、10重量%未満の水溶性溶剤を含む混合溶液である。
得られる水分散液における粒子の平均粒径は1μm以下であることが好ましい。より好ましくは0.5μm以下である。平均粒径が1μmを超えると水分散液の安定性が低下する傾向にある。
上記平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置にて測定され、百分率積算値が50%の粒径(メジアン粒径)を平均粒径(μm)とする。
本発明で用いる炭素数が6以下(好ましくは炭素数4〜6、特に好ましくは炭素数6)のRF基を有する撥水撥油性成分としては、炭素数が6以下のRF基を含有する重合体またはRF基を含有するポリウレタン化合物が好ましく、特にRF基を含有する重合体が好ましい。
上記RF基を含有する重合体としては、RF基を含有するアクリレートおよび/またはメタクリレート基に基づく重合単位を含む重合体が好ましい。なお、以下において、アクリレートとメタクリレートとをまとめて(メタ)アクリレートと記す。
RF基含有(メタ)アクリレートとしては、下式(5)で表わされる化合物が好ましい。
CH=C(R)COO−Q−RF・・・(5)
ただし、式(5)において、Rは水素原子またはメチル基を示し、Qは2価の有機基を示し、RFは上記のRF基を示す。
式(5)におけるQは、アルキレン基またはアルキレン基を含む2価の有機基が好ましく、特にアルキレン基が好ましい。とりわけCHCH、CH(CH)CH、CHCHN(CH)CO、CHCHN(CH)SO、CH(CHCl)CHOCHCHN(CH)SO等が好ましい。
式(5)におけるRFは、直鎖構造または分岐構造のいずれでもよく、特にC2n+1(ただし、nは6以下の整数を示す。)で表わされる直鎖構造のRF基が好ましい。
前記式(5)で表わされる化合物の具体例を以下に挙げるがこれらに限定されない。
ここで、Rは水素原子またはメチル基を示し、RFはRF基を示す。
CH=CRCOOCHCHRF、
CH=CRCOOCH(CH)CHRF、
CH=CRCOOCHCHN(CH)CORF、
CH=CRCOOCHCHN(C)CORF、
CH=CRCOOCHCHN(C)CORF、
CH=CRCOOCHCHN(CH)SORF、
CH=CRCOOCHCHN(C)SORF、
CH=CRCOOCHCHN(C)SORF、
CH=CRCOOCH(CHCl)CHOCHCHN(CH)SORF。
RF基含有(メタ)アクリレートは、1種単独で用いてもよく2種以上を併用してもよい。また、RF基の炭素数の異なる化合物を2種以上併用してもよい。
また、撥水撥油性成分として、上記RF基含有(メタ)アクリレートに基づく重合単位を含む重合体を採用する場合には、重合体中のフッ素含有量を調節する等の目的で、RF基含有(メタ)アクリレート以外のその他の単量体に基づく重合単位を含有させることが好ましい。その他の単量体としては、ラジカル重合性の不飽和結合を有する単量体が好ましい。
その他の単量体としては、エチレン、塩化ビニリデン、塩化ビニル、フッ化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、メチロール化ジアセトン(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、ビニルアルキルエーテル、ハロゲン化アルキルビニルエーテル、ビニルアルキルケトン、ブタジエン、イソプレン、クロロプレン、アジリジニルエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アジリジニル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、メチルポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシルポリオキシアルキレン(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレンジ(メタ)アクリレート、ポリシロキサンを有する(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、アリルグリシジルエーテル、酢酸アリル、N−ビニルカルバゾール、マレイミド、N−メチルマレイミド、(2−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、炭素数8〜24のアルキル基を有する(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、側鎖にシリコーンを有する(メタ)アクリレート、ウレタン結合を有する(メタ)アクリレート、ブロック化イソシアナトエチル(メタ)アクリレート、アルキレンジ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記RF基含有(メタ)アクリレートに基づく重合単位を含む重合体における、RF基含有(メタ)アクリレートの重合単位の含有量は、該重合単位の25重量%以上が好ましい。
該重合体の製造方法としては、公知ないしは周知の、種々の重合方法や条件が任意に選択できる。例えば、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法、溶液重合等が挙げられる。また、ラジカル重合反応に加えて、放射線重合反応、光重合反応などの重合反応が挙げられる。特に、ラジカル重合反応を用いる乳化重合法が好ましい。
乳化重合法を適用する場合には、単量体、界面活性剤などを水の存在下に乳化させ、撹拌し、重合させる方法が好ましく採用される。また、ホモジナイザー等の乳化機を用いて、単量体、界面活性剤、水等を、予め乳化した後、撹拌下に重合させる方法も好ましく採用される。
重合開始剤としては、有機酸過酸化物、アゾ化合物、過硫酸塩等の各種の重合開始剤が好ましい。また、界面活性剤としては、陰イオン性、陽イオン性、両性、またはノニオン性の各種界面活性剤を使用できる。
また、炭素数が6以下のRF基を有する撥水撥油性成分として、RF基を含有するポリウレタン化合物を用いる場合は、イソシアネート基との反応性を有する官能基を含むRF化合物と、ポリイソシアネート化合物との反応生成物が好ましい。
イソシアネート基との反応性を有する官能基を含むRF化合物としては、RF基と水酸基とを有する化合物、RF基とアミノ基とを有する化合物、RF基とカルボキシル基とを有する化合物が好ましい。また、ポリイソシアネート化合物としては、イソシアネート基を2個以上有するポリイソシアネート化合物が好ましく、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素添加MDI、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、及びこれらの多量体、ヌレート体、ビュレット体等が挙げられる。
また、RF基含有ポリウレタン化合物は、イソシアネート基との反応性を有する官能基を含むRF化合物と、イソシアネート基との反応性を有する官能基を含み、RF基を含まない化合物とを、ポリイソシアネート化合物と反応させた化合物であってもよい。イソシアネートとの反応性を有する官能基を含み、RF基を含まない化合物としては、アルコール、アミン、カルボン酸等が挙げられる。
上記の撥水撥油性成分は、乳化分散された形態で用いることが好ましい。
上記撥水撥油性成分としては、市販されているものを用いることができる。たとえば、炭素数が6のRF基を有する撥水撥油性成分である、旭硝子社製の「AsahiGuard E-SERIES AG-E061」や「AsahiGuard E-SERIES AG-E082」や「AsahiGuard E-SERIES AG-E500D」等を使用できる。
本発明の撥水撥油剤組成物における、本発明に係る疎水性ブロックポリイソシアネートと炭素数が6以下のRF基を有する撥水撥油性成分の配合割合は、撥水撥油性成分100重量部に対して、上記式(1)で表わされる疎水性ブロックポリイソシアネートが5〜100重量部、より好ましくは20〜60重量部となるよう設定されることが好ましい(いずれも固形分として)。疎水性ブロックポリイソシアネートの割合が、撥水撥油性成分100重量部に対して5重量部未満であると、十分な洗濯耐久性を発現させることが困難になる。疎水性ブロックポリイソシアネートの割合が、撥水撥油性成分100重量部に対して100重量部を超えると、使用量に見合う効果は得られず、逆に撥水撥油性が悪くなる。
本発明の撥水撥油剤組成物は、本発明に係る疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液(A)と、炭素数が6以下のRF基を有する撥水撥油性成分(B)を共に含む形態であっても、別々に含む形態であってもよい。例えば、(A)と(B)の両方が一液中に含まれている1液型の形態であっても、(A)を含む液と(B)を含む液とに分けられている2液型の形態であってもよい。
1液型の場合、(A)と(B)を共に含む水分散液の形態であることが好ましく、2液型の場合、(A)は上述の通りであり、(B)も水分散液の形態であることが好ましい。
また、前記1液型の組成物は、(A)の水分散液と(B)の水分散液を別々に準備した後、これらを混合して調製することが好ましい。
2液型の場合、繊維製品を処理するための処理液を調製する際に2液を混合し、当該処理液に繊維製品を接触させてもよく、或いは、(A)を含む処理液及び(B)を含む処理液をそれぞれ調製し、各処理液に繊維製品を接触させてもよい。
また、本発明に係る組成物は、1液型の場合も2液型の場合も、使用時に希釈する濃縮液の形態とすることができる。
例えば、1液型の場合は、(A)および(B)を合計で、固形分(不揮発分)として20〜30重量%含む液とし、使用時に水で数十倍に希釈して使用することができ、2液型の場合は、(A)を固形分として20〜40重量%含む液と、(B)を固形分として20〜30重量%含む液とし、使用時に(A)を含む液と(B)を含む液それぞれを水で数十倍に希釈して使用するか、あるいは(A)を含む液と(B)を含む液を混合した後、水で数十倍に希釈して使用することができる。
なお、(A)と(B)を共に含む処理液として繊維製品と接触させる場合も、(A)を含む処理液と(B)を含む処理液を別々に繊維製品と接触させる場合も、使用する状態となった処理液中に、(A)を固形分として0.01〜2重量%、より好ましくは、0.1〜1重量%、(B)を固形分として0.2〜2重量%、より好ましくは、0.6〜1.5重量%含むことが好ましい。また、使用する状態となった処理液は、水の含有率が90重量%以上(より好ましくは、95重量%以上)であることが好ましい。
本発明の撥水撥油剤組成物を使用して、繊維製品を撥水、撥油加工する方法としては、特に限定されず、種々の方法が採用でき、撥水撥油加工すべき繊維に所望の量を付着させればよい。撥水撥油加工方法としては、連続法またはバッチ法等が挙げられる。
連続法としては、まず、本発明の撥水撥油剤組成物を水に希釈して処理液を調製する。次に、処理液で満たされた含浸装置に、被処理物(すなわち、繊維製品)を連続的に送り込み、被処理物に処理液を含浸させた後、不要な処理液を除去する。含浸装置としては特に限定されず、パッダ、キスロール式付与装置、グラビアコーター式付与装置、スプレー式付与装置、フォーム式付与装置、コーティング式付与装置等が好ましく採用でき、特にパッダ式が好ましい。続いて、乾燥機を用いて被処理物に残存する水を除去する操作を行う。乾燥機としては、特に限定されず、ホットフルー、テンター等の拡布乾燥機が好ましい。該連続法は、被処理物が織物等の布帛状の場合に採用するのが好ましい。
バッチ法は、被処理物を処理液に浸漬する工程、処理を行った被処理物に残存する水を除去する工程からなる。該バッチ法は、被処理物が布帛状でない場合、たとえばバラ毛、トップ、スライバ、かせ、トウ、糸等の場合、または編物等連続法に適さない場合に採用するのが好ましい。浸漬する工程においては、たとえば、ワタ染機、チーズ染色機、液流染色機、工業用洗濯機、ビーム染色機等を用いることができる。水を除去する操作においては、チーズ乾燥機、ビーム乾燥機、タンブルドライヤー等の温風乾燥機、高周波乾燥機等を用いることができる。
本発明の撥水撥油剤組成物を付着させた被処理物には、乾熱処理を行うことが好ましい。乾熱処理の温度としては、120〜180℃が好ましく、特に160〜180℃が好ましい。該乾熱処理の時間としては、10秒間〜3分間が好ましく、特に1〜2分間が好ましい。乾熱処理の方法としては、特に限定されないが、被処理物が布帛状である場合にはテンターが好ましい。
本発明に係る撥水撥油剤組成物によって撥水撥油性を付与できる繊維製品は、布帛状であっても、バラ毛、トップ、スライバ、かせ、トウ、糸等でもよく、また、合成繊維、天然繊維、合成繊維及び天然繊維との混紡繊維からなる製品のいずれであってもよい。
本発明を以下の実施例によって更に詳細に説明する(特に断らない限り、「部」は「重量部」を意味し、「%」は「重量%」を意味し、「:」は重量比率を意味する)。
以下に示す合成例に用いた原料は、以下の通りである。
<原料イソシアネート>
ブロックポリイソシアネートを合成するための原料イソシアネートとして、以下の化合物を準備した。
・デュラネートTPA−100(旭化成ケミカルズ製):ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体(NCO官能基数3、NCO%=23.1)、固形分100%
・デュラネート24A−100(旭化成ケミカルズ製):ヘキサメチレンジイソシアネートのビウレット体(NCO官能基数3、NCO%=23.5)、固形分100%
・コロネートL(日本ポリウレタン製):トリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体(NCO官能基数3、NCO%=13.2)、固形分75%(希釈溶剤:酢酸エチル)
<オキシエチレン基を有するノニオン性親水基>
ブロックポリイソシアネートを合成するための原料として、以下の化合物を準備した。
・ユニオックスM−2000(日油製):分子量2000のポリエチレングリコールモノメチルエーテル、固形分100%
・ユニオックスM−550(日油製):分子量550のポリエチレングリコールモノメチルエーテル、固形分100%
<疎水性ブロックポリイソシアネートの合成>
(合成例1:式(1)のZが全て3,5−ジメチルピラゾールである疎水性ブロックポリイソシアネート)
反応容器に、デュラネートTPA−100を100部、メチルイソブチルケトン65.5部を仕込んで撹拌を開始した。そこに、3,5−ジメチルピラゾール52.9部を仕込み50℃で保持し、イソシアネート含量がゼロになるまで反応させることにより、疎水性ブロックポリイソシアネート化合物を得た。固形分70%。
(合成例2:式(1)のZが全て3,5−ジメチルピラゾールである疎水性ブロックポリイソシアネート)
反応容器に、デュラネート24A−100を100部、メチルイソブチルケトン65.9部を仕込んで撹拌を開始した。そこに、3,5−ジメチルピラゾール53.8部を仕込み50℃で保持し、イソシアネート含量がゼロになるまで反応させることにより、疎水性ブロックポリイソシアネート化合物を得た。固形分70%
(合成例3:式(1)のZの一部がノニオン性親水性基であるブロックポリイソシアネートを4%含み、式(1)のZの全てが3,5−ジメチルピラゾールであるものを96%含む疎水性ブロックポリイソシアネート)
反応容器に、デュラネート24A−100を100部、メチルイソブチルケトン65.9部を仕込んで撹拌を開始した。そこに、3,5−ジメチルピラゾール53.8部を仕込み50℃で保持し、イソシアネート含量がゼロになるまで反応させた。その後、メチルイソブチルケトン2.2部、コロネートL2.1部、ユニオックスM−2000を4.4部、メチルエチルケトオキシム0.4部を仕込み、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7を0.014部添加し50℃で保持し、イソシアネート含量がゼロになるまで反応させることにより、疎水性ブロックポリイソシアネート化合物を得た。固形分70%。
(比較合成例1:式(1)のZの一部がノニオン性親水性基であるブロックポリイソシアネートを21.2%含み、式(1)のZの全てが3,5−ジメチルピラゾールであるものを78.8%含む自己乳化型ブロックポリイソシアネート)
反応容器に、デュラネートTPA−100を85.2部、アセトン106.5部を仕込んで撹拌を開始した。そこに、3,5−ジメチルピラゾール45部を仕込み50℃で保持し、イソシアネート含量がゼロになるまで反応させた。その後、アセトン28.7部、デュラネートTPA−100を14.8部、ユニオックスM−550を15部、3,5−ジメチルピラゾール5.3部を仕込み、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7を0.014部添加し50℃で保持し、イソシアネート含量がゼロになるまで反応させることにより、自己乳化型ブロックポリイソシアネート化合物を得た。固形分55%。
<ブロックポリイソシアネートの水分散液の調製>
調製例1(疎水性ブロックイソシアネート:カチオン界面活性剤=100:0.3)
合成例1で得られた組成物を100部、有機溶剤としてメチルイソブチルケトン14部、プロピレングリコールモノメチルエーテル30部、カチオン界面活性剤としてステアリルトリメチルアンモニウムクロライド0.21部を混合し、均一な溶液とした。撹拌しながら徐々に水80部を仕込んだ後、40MPaにてホモジナイザー処理を行い均一な乳化分散液を得た。その後、減圧下有機溶剤を除去し、水を加え不揮発分20%の疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液を得た。
この水分散液中の粒子の平均粒径は0.33μmであった。前記平均粒径は、レーザー回折/散乱式粒子径分布測定装置LA-300(株式会社堀場製作所製)にて測定された、百分率積算値が50%の粒径(メジアン粒径)である(以下の調製例においても同じ)。
調製例2(疎水性ブロックイソシアネート:カチオン界面活性剤=100:0.2)
合成例2で得られた組成物を100部、有機溶剤としてメチルイソブチルケトン14部、プロピレングリコールモノメチルエーテル30部、カチオン界面活性剤としてステアリルトリメチルアンモニウムクロライド0.14部を混合し、均一な溶液とした。撹拌しながら徐々に水80部を仕込んだ後、40MPaにてホモジナイザー処理を行い均一な乳化分散液を得た。その後、減圧下有機溶剤を除去し、水を加え不揮発分20%の疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液を得た。
この水分散液中の粒子の平均粒径は0.44μmであった。
調製例3(疎水性ブロックイソシアネート:カチオン界面活性剤=100:0.3)
合成例3で得られた組成物を100部、有機溶剤としてメチルイソブチルケトン14部、プロピレングリコールモノメチルエーテル30部、カチオン界面活性剤としてステアリルトリメチルアンモニウムクロライド0.21部を混合し、均一な溶液とした。撹拌しながら徐々に水80部を仕込んだ後、40MPaにてホモジナイザー処理を行い均一な乳化分散液を得た。その後、減圧下有機溶剤を除去し、水を加え不揮発分20%の疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液を得た。
この水分散液中の粒子の平均粒径は0.29μmであった。
調製例4(疎水性ブロックイソシアネート:カチオン界面活性剤=100:0.3)
カチオン界面活性剤をステアリルトリメチルアンモニウムクロライドから、セチルトリメチルアンモニウムクロライドに変更した以外は、調製例1と同じ操作を行い、不揮発分20%の疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液を得た。
この水分散液中の粒子の平均粒径は0.33μmであった。
調製例5(疎水性ブロックイソシアネート:カチオン界面活性剤=100:0.3)
カチオン界面活性剤をステアリルトリメチルアンモニウムクロライドから、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドに変更した以外は、調製例1と同じ操作を行い、不揮発分20%の疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液を得た。
この水分散液中の粒子の平均粒径は0.33μmであった。
調製例6(疎水性ブロックイソシアネート:カチオン界面活性剤=100:0.2)
カチオン界面活性剤をステアリルトリメチルアンモニウムクロライドから、セチルトリメチルアンモニウムクロライドに変更した以外は、調製例2と同じ操作を行い、不揮発分20%の疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液を得た。
この水分散液中の粒子の平均粒径は0.43μmであった。
調製例7(疎水性ブロックイソシアネート:カチオン界面活性剤=100:0.2)
カチオン界面活性剤をステアリルトリメチルアンモニウムクロライドから、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドに変更した以外は、調製例2と同じ操作を行い、不揮発分20%の疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液を得た。
この水分散液中の粒子の平均粒径は0.43μmであった。
調製例8(疎水性ブロックイソシアネート:カチオン界面活性剤=100:0.3)
カチオン界面活性剤をステアリルトリメチルアンモニウムクロライドから、セチルトリメチルアンモニウムクロライドに変更した以外は、調製例3と同じ操作を行い、不揮発分20%の疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液を得た。
この水分散液中の粒子の平均粒径は0.30μmであった。
調製例9(疎水性ブロックイソシアネート:カチオン界面活性剤=100:0.3)
カチオン界面活性剤をステアリルトリメチルアンモニウムクロライドから、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライドに変更した以外は、調製例3と同じ操作を行い、不揮発分20%の疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液を得た。
この水分散液中の粒子の平均粒径は0.30μmであった。
調製例10(疎水性ブロックイソシアネート:カチオン界面活性剤=100:0.3)
カチオン界面活性剤をステアリルトリメチルアンモニウムクロライドから、ステアリルアミンアセテートに変更した以外は、調整例1と同じ操作を行い、不揮発分20%の疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液を得た。
この水分散液中の粒子の平均粒径は0.31μmであった。
調製例11(疎水性ブロックイソシアネート:カチオン界面活性剤=100:0.3)
カチオン界面活性剤をステアリルトリメチルアンモニウムクロライドから、ココナットアミンアセテートに変更した以外は、調整例1と同じ操作を行い、不揮発分20%の疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液を得た。
この水分散液中の粒子の平均粒径は0.30μmであった。
調製例12(疎水性ブロックイソシアネート:カチオン界面活性剤=100:1)
合成例1で得られた組成物を100部、有機溶剤としてメチルイソブチルケトン14部、プロピレングリコールモノメチルエーテル30部、カチオン界面活性剤としてステアリルトリメチルアンモニウムクロライド0.7部を混合し、均一な溶液とした。撹拌しながら徐々に水80部を仕込んだ後、40MPaにてホモジナイザー処理を行い均一な乳化分散液を得た。その後、減圧下有機溶剤を除去し、水を加え不揮発分20%の疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液を得た。
この水分散液中の粒子の平均粒径は0.14μmであった。
調製例13(疎水性ブロックイソシアネート:カチオン界面活性剤=100:1)
合成例2で得られた組成物を100部、有機溶剤としてメチルイソブチルケトン14部、プロピレングリコールモノメチルエーテル30部、カチオン界面活性剤としてステアリルトリメチルアンモニウムクロライド0.7部を混合し、均一な溶液とした。撹拌しながら徐々に水80部を仕込んだ後、40MPaにてホモジナイザー処理を行い均一な乳化分散液を得た。その後、減圧下有機溶剤を除去し、水を加え不揮発分20%の疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液を得た。
この水分散液中の粒子の平均粒径は0.14μmであった。
調製例14(疎水性ブロックイソシアネート:カチオン界面活性剤=100:1)
合成例3で得られた組成物を100部、有機溶剤としてメチルイソブチルケトン14部、プロピレングリコールモノメチルエーテル30部、カチオン界面活性剤としてステアリルトリメチルアンモニウムクロライド0.7部を混合し、均一な溶液とした。撹拌しながら徐々に水80部を仕込んだ後、40MPaにてホモジナイザー処理を行い均一な乳化分散液を得た。その後、減圧下有機溶剤を除去し、水を加え不揮発分20%の疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液を得た。
この水分散液中の粒子の平均粒径は0.15μmであった。
比較調製例1(疎水性ブロックイソシアネート:カチオン界面活性剤=100:5)
合成例1で得られた組成物を100部、有機溶剤としてメチルイソブチルケトン14部、プロピレングリコールモノメチルエーテル30部、カチオン界面活性剤としてステアリルトリメチルアンモニウムクロライド3.5部を混合し、均一な溶液とした。撹拌しながら徐々に水80部を仕込んだ後、40MPaにてホモジナイザー処理を行ったが、均一な乳化分散液とならなかった。
比較調製例2(疎水性ブロックイソシアネート:カチオン界面活性剤=100:0.1)
合成例1で得られた組成物を100部、有機溶剤としてメチルイソブチルケトン14部、プロピレングリコールモノメチルエーテル30部、カチオン界面活性剤としてステアリルトリメチルアンモニウムクロライド0.07部を混合し、均一な溶液とした。撹拌しながら徐々に水80部を仕込んだ後、40MPaにてホモジナイザー処理を行い乳化分散液を得た。その後、減圧下有機溶剤を除去し、水を加え不揮発分20%の疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液を得た。
この水分散液中の粒子の平均粒径は1.15μmであり、液安定性が悪かった。
比較調製例3(カチオン界面活性剤がジアルキルジメチルアンモニウム塩)
カチオン界面活性剤をステアリルトリメチルアンモニウムクロライドから、ジデシルジメチルアンモニウムクロライドに変更した以外は、調製例1と同じ操作を行ったが、均一な乳化分散液とならなかった。
比較調製例4(カチオン界面活性剤が脂肪族アミンのアルキレンオキサイド付加物の4級化物)
カチオン界面活性剤をステアリルトリメチルアンモニウムクロライドから、ステアリルアミンのエチレンオキサイド30モル付加物の4級化物に変更した以外は、調製例1と同じ操作を行ったが、均一な乳化分散液とならなかった。
比較調製例5(疎水性ブロックポリイソシアネートを非イオン界面活性剤で乳化)
合成例1で得られた組成物を100部、有機溶剤としてメチルイソブチルケトン14部、プロピレングリコールモノメチルエーテル30部、非イオン界面活性剤としてトリスチレン化フェノールのエチレンオキサイド30モル付加物7部を混合し、均一な溶液とした。撹拌しながら徐々に水80部を仕込んだ後、40MPaにてホモジナイザー処理を行い均一な乳化分散液を得た。その後、減圧下有機溶剤を除去し、水を加え不揮発分20%の疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液を得た。
この水分散液中の粒子の平均粒径は0.35μmであった。
比較調製例6(自己乳化型ブロックポリイソシアネート)
比較合成例1で得られた組成物100部に、撹拌しながら徐々に水80部を仕込んだ後、減圧下有機溶剤を除去し、水を加え不揮発分20%の自己乳化型ブロックポリイソシアネート水分散液を得た。
この水分散液中の粒子の平均粒径は0.20μmであった。
<処理浴(処理液)の調製>
処理浴1
炭素数が6のRF基を有する撥水撥油性成分である「AsahiGuard E-SERIES AG-E082」5部(固形分20%)、及び、ブロックイソシアネート成分として調製例1で得られた水分散液を1部、水94部の撥水撥油剤組成物の処理浴を調製した。
処理浴2〜14
ブロックイソシアネート成分を調製例1の水分散液の代わりに調製例2〜調製例14の水分散液に変更する以外は、処理浴1と同様の方法で処理浴の調製を行った。
比較浴1〜2
ブロックイソシアネート成分を調製例1の水分散液の代わりに比較調製例5〜比較調製例6の水分散液に変更する以外は、処理浴1と同様の方法で処理浴の調製を行った。
<撥水撥油性繊維製品の製造>
上述した撥水撥油剤組成物の処理浴1〜14および比較浴1〜2を、下記処理条件の「パッド」におけるパッド浴として使用し、撥水撥油性を有する繊維製品を得た(実施例1〜14および比較例1〜2)。
[撥水撥油剤組成物による処理条件]
繊維製品として以下の供試布を使用し、以下の処理条件にて撥水撥油加工を施した。
供試布1:ポリエステルタフタ染色布
処理条件:パッド→ドライ→キュア
パッド:1ディップ−1ニップ、ピックアップ29%
ドライ:110℃×90秒
キュア:170℃×60秒
供試布2:ナイロンタフタ染色布
処理条件:パッド→ドライ→キュア
パッド:1ディップ−1ニップ、ピックアップ39%
ドライ:110℃×90秒
キュア:170℃×60秒
供試布3:ポリエステル/綿(65/35)ブロード染色布
処理条件:パッド→ドライ→キュア
パッド:1ディップ−1ニップ、ピックアップ61%
ドライ:110℃×90秒
キュア:170℃×60秒
供試布4:綿ブロード染色布
処理条件:パッド→ドライ→キュア
パッド:1ディップ−1ニップ、ピックアップ69%
ドライ:110℃×90秒
キュア:170℃×60秒
<撥水撥油加工を施した繊維製品の評価>
実施例及び比較例で得られた繊維製品(以下、加工布)について、以下の方法で撥水撥油性および洗濯耐久性を評価した。
(1)撥水性
得られた加工布について、JIS L 1092:2009の7.2はっ水度試験(スプレー試験)に準拠して評価を行った。評価は下記の基準に従って行い、性能がわずかに良好な場合は等級に「+」をつけ、性能がわずかに劣る場合には等級に「−」をつけた。
5:表面に湿潤や水滴の付着がないもの
4:表面に湿潤しないが、小さな水滴の付着を示すもの
3:表面に小さな個々の水滴上の湿潤を示すもの
2:表面の半分に湿潤を示し、小さな個々の湿潤が布を浸透する状態のもの
1:表面全体に湿潤を示すもの
(2)撥油性
下記表1に示された試験溶液を、得られた加工布の上の五か所に数滴(径約5mm又は0.05ml)置き、30秒後の浸透状態により判別した(AATCC−118)。
Figure 0006046525
(3)洗濯耐久性(洗濯20回後の撥水性・撥油性)
得られた加工布について、JIS L 0217(1995)付表1の103法に準拠して洗濯を行い、得られた洗濯布について、上記の撥水性、撥油性の試験を行った。
上記評価結果を表2および表3に示す。
Figure 0006046525
Figure 0006046525
表2〜3に示されるように、実施例1〜14の加工布は、比較例1〜2の加工布と比較して優れた洗濯耐久性を有することが分かる。このことから、本発明によれば、PFOA問題が指摘されている炭素数が8のRF基を有する撥水撥油性成分の代替或いは低減が可能であるといえる。

Claims (6)

  1. (A)疎水性ブロックポリイソシアネートが、水、又は、水を主成分とする溶液中に、カチオン界面活性剤で強制乳化されてなる疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液、及び、(B)炭素数が6以下のパーフルオロアルキル基を有する撥水撥油性成分、とを含む、撥水撥油剤組成物であって、
    前記疎水性ブロックポリイソシアネートが下記式(1)で表される化合物よりなり、当該式(1)で示される全化合物において、各化合物のRは同一でも異なっていてもよいが、Zの全てが下記式(2)のピラゾール基である化合物の割合が、95重量%以上であること、
    Figure 0006046525
    [式(1)中、mは3以上の整数を示し、Rはm個のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物からm個のイソシアネート基を除いた残基を示し、Zは同一でも異なっていてもよく、イソシアネート基と反応可能な活性水素含有化合物から水素原子を除いた残基を示す]、
    Figure 0006046525
    [式(2)中、Rは、nが1を超える場合には同一であっても異なっていてもよく、かつ各Rは、炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のアルケニル基、炭素数7〜12のアラルキル基、N−置換カルバミル基、フェニル基、−NO2、ハロゲン原子または−C(O)−O−R(式中Rは水素原子または炭素数1〜6のアルキル基である)の基であり、nは0〜3の整数である];
    前記疎水性ブロックポリイソシアネートと前記カチオン界面活性剤の重量比率が100:0.2〜100:3であること
    前記カチオン界面活性剤が、炭素数8〜24のモノアルキルトリメチルアンモニウム塩および炭素数8〜24のモノアルキルアミン塩よりなる群から選択されること;および
    前記疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液(A)が、界面活性剤として、前記カチオン界面活性剤のみを含むこと
    を特徴とする撥水撥油剤組成物。
  2. 前記カチオン界面活性剤が、炭素数12〜18のモノアルキルトリメチルアンモニウム塩および炭素数12〜18のモノアルキルアミン塩よりなる群から選択される、請求項1に記載の撥水撥油剤組成物。
  3. 前記式(1)で表される全化合物において、Zの全てが下記式(3)のピラゾール基である化合物の割合が、95重量%以上である、請求項1または2に記載の撥水撥油剤組成物。
    Figure 0006046525
  4. 前記疎水性ブロックポリイソシアネート水分散液の液状媒体が、水、又は、80重量%以上の水と20重量%未満の水溶性溶剤を含む混合溶液である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の撥水撥油剤組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物によって撥水撥油性が付与された繊維製品。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の組成物を使用して、撥水撥油性繊維製品を製造する方法であって、前記(A)および(B)を共に含む処理液を調製し、当該処理液に繊維製品を接触させるか、または、前記(A)を含む処理液と(B)を含む処理液とを調製し、各処理液に繊維製品を接触させる工程を含むことを特徴とする、撥水撥油性繊維製品の製造方法。
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