JP6046515B2 - ロータ、及びモータ - Google Patents

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本発明は、ロータ、及びモータに関するものである。
モータのロータとしては、コアベースの外周部に複数の爪状磁極をそれぞれ有して組み合わされる2つのロータコアと、それらの間に配置され軸方向に磁化された界磁磁石とを備え、各爪状磁極を交互に異なる磁極に機能させるいわゆる永久磁石界磁のランデル型構造のロータがある(例えば、特許文献1参照)。
実開平5−43749号公報
しかしながら、上記のようなロータでは、界磁磁石がコアベースに直接挟まれる構成であるため、例えば、界磁磁石を挟みつつ両コアベースの軸方向の外側の距離が一定となるように回転軸と圧入固定する際等に、各部材の軸方向の寸法誤差により、界磁磁石とコアベース間に隙間ができたり、界磁磁石に大きな圧力が掛かるという虞があった。その結果、界磁磁石がコアベース間でがたついたり、界磁磁石が割れるといった虞があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、各部材の軸方向の寸法精度を高精度としなくても、界磁磁石のがたつきを抑制することができるとともに、界磁磁石の割れを抑制することができるロータ、及びモータを提供することにある。
上記課題を解決するロータは、それぞれ略円板状のコアベースの外周部に、等間隔に複数の爪状磁極が径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成され、互いのコアベースが対向されつつ爪状磁極が周方向に交互に配置された第1及び第2ロータコアと、前記コアベース同士の軸方向の間に配置され、前記軸方向に磁化されることで、第1ロータコアの前記爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2ロータコアの前記爪状磁極を第2の磁極として機能させる硬質の界磁磁石とを備えたロータであって、前記界磁磁石と前記コアベースとの軸方向の間には、軸方向から見て前記界磁磁石と同形状の弾性部材が挟持される。
同構成によれば、界磁磁石とコアベースとの軸方向の間に弾性部材が挟持されるため、例えば、各部材の軸方向の寸法精度を高精度としなくても、界磁磁石のがたつきを抑制することができるとともに、界磁磁石の割れを抑制することができる。
上記ロータにおいて、前記弾性部材は、弾性を有する磁性体であることが好ましい。
同構成によれば、弾性部材は弾性を有する磁性体であるため、例えば非磁性体のものに比べて、界磁磁石とコアベース間の磁気抵抗を小さくすることができ、ひいてはモータ効率の低下を回避することができる。
上記ロータにおいて、前記弾性部材は、弾性を有し軸方向に磁化された磁石であることが好ましい。
同構成によれば、弾性部材は弾性を有し軸方向に磁化された磁石であるため、界磁磁石からの磁束に弾性部材からの磁束を重畳させてモータ効率を向上させることができる。
上記ロータにおいて、前記弾性部材は、前記界磁磁石と両コアベースとの軸方向の間にそれぞれ設けられることが好ましい。
同構成によれば、弾性部材は、界磁磁石と両コアベースとの軸方向の間にそれぞれ設けられるため、界磁磁石に硬いコアベースが押圧接触することが回避され、界磁磁石の割れをより抑制することができる。
上記課題を解決するモータは、上記ロータと、回転磁界を発生するステータとを備える。
同構成によれば、モータにおいて、上記効果を得ることができる。
本発明のロータ、及びモータでは、各部材の軸方向の寸法精度を高精度としなくても、界磁磁石のがたつきを抑制することができるとともに、界磁磁石の割れを抑制することができる。
一実施形態におけるモータの断面図。 同形態におけるモータの一部断面斜視図。 別例におけるロータの断面図。
以下、モータの一実施形態を図1及び図2に従って説明する。
図1に示すように、モータとしてのブラシレスモータ11のモータケース12は、有底筒状に形成された筒状ハウジング13と、該筒状ハウジング13のフロント側(図1中、左側)の開口部を閉塞するフロントエンドプレート14とを有している。
図1に示すように、筒状ハウジング13の内周面にはステータ16が固定されている。ステータ16は、径方向内側に延びる複数(本実施形態では12個)の集中巻用ティースとしてのティース17aを有する電機子コア17と、電機子コア17のティース17aにインシュレータ18を介して巻回される巻線19とを備えている。ステータ16は、外部の制御回路Sから巻線19に駆動電流が供給されることで回転磁界を発生する。
図1に示すように、ブラシレスモータ11のロータ21は回転軸22を有し、ステータ16の内側に配置されている。回転軸22は非磁性体の金属シャフトであって、筒状ハウジング13の底部13a及びフロントエンドプレート14に支持された軸受23,24により回転可能に支持されている。
図1及び図2に示すように、ロータ21は、前記回転軸22が圧入されることで互いの軸方向の間隔が保持されつつ回転軸22に固定される第1及び第2ロータコア31,32と、第1ロータコア31と第2ロータコア32との軸方向の間に介在される界磁磁石としての環状磁石33及び弾性部材としてのゴム磁石34とを備える。
第1ロータコア31は、略円板状の第1コアベース31aの外周部に、等間隔に複数(本実施形態では5つ)の第1爪状磁極31bが径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出して形成されている。
第2ロータコア32は、第1ロータコア31と同形状であって、略円板状の第2コアベース32aの外周部に、等間隔に複数の第2爪状磁極32bが径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出して形成されている。そして、第1及び第2ロータコア31,32は、その中央孔に回転軸22が圧入されるとともに、第1及び第2コアベース31a,32aの軸方向の外側(相反する側)の距離が予め設定された一定の距離となるように回転軸22に対して圧入固定される。この際、第2ロータコア32は、各第2爪状磁極32bが周方向に隣り合う第1爪状磁極31b間に配置されるようにして、且つ第1コアベース31aと第2コアベース32aとの軸方向の間に環状磁石33及びゴム磁石34が配置(挟持)されるようにして第1ロータコア31に対して組み付けられている。
環状磁石33は、フェライト磁石やネオジム磁石等の硬質な磁石であって、中央孔が形成された円環状に形成され、第1爪状磁極31bを第1の磁極(本実施形態ではN極)として機能させ、第2爪状磁極32bを第2の磁極(本実施形態ではS極)として機能させるように、軸方向に磁化されている。即ち、本実施形態のロータ21は、界磁磁石としての環状磁石33を用いた所謂ランデル型構造のロータである。ロータ21は、N極となる5つの第1爪状磁極31bと、S極となる5つの第2爪状磁極32bとが周方向に交互に配置されており、極数が10極(極対数が5個)となる。すなわち、本実施形態では、ロータ21の極数が「10」に設定され、ステータ16のティース17aの数が「12」に設定されている。
又、ゴム磁石34は、弾性を有し軸方向に磁化された磁石であって、前記環状磁石33と厚さのみが異なる円盤状に形成され、本実施形態では環状磁石33と第1コアベース31aとの軸方向の間に挟持されている。尚、ゴム磁石34の磁化される方向は、環状磁石33と同じである。
又、図1に示すように、ロータ21には、略円板状のマグネット固定部材41を介してセンサ磁石42が設けられている。詳しくは、マグネット固定部材41は、中央にボス部41aが形成された円板部41bと、該円板部41bの外縁から筒状に延びる筒部41cとを有し、該筒部41cの内周面及び円板部41bの表面に当接するように環状のセンサ磁石42が固着されている。そして、マグネット固定部材41は、第1ロータコア31と近い側で、そのボス部41aが回転軸22に外嵌されて固定されている。
そして、フロントエンドプレート14において、センサ磁石42と軸方向に対向する位置には磁気センサとしてのホールIC43が設けられている。ホールIC43は、センサ磁石42に基づくN極とS極の磁界を感知するとそれぞれHレベルの検出信号とLレベルの検出信号とを前記制御回路Sに出力する。
次に、上記のように構成されたブラシレスモータ11の作用について説明する。
制御回路Sから巻線19に3相の駆動電流が供給されると、ステータ16にて回転磁界が発生され、ロータ21が回転駆動される。この際、ホールIC43と対向するセンサ磁石42が回転することで、ホールIC43から出力される検出信号のレベルがロータ21の回転角度(位置)に応じて切り替わり、その検出信号に基づいて制御回路Sから巻線19に最適なタイミングで切り替わる3相の駆動電流が供給される。これにより、良好に回転磁界が発生され、ロータ21が良好に連続して回転駆動される。
次に、上記実施の形態の特徴的な効果を以下に記載する。
(1)環状磁石33と第1コアベース31aとの軸方向の間にゴム磁石34が挟持されるため、例えば、各部材の軸方向の寸法精度を高精度としなくても、環状磁石33のがたつきを抑制することができるとともに、環状磁石33の割れを抑制することができる。
(2)挟持する弾性部材として弾性を有し軸方向に磁化された磁石であるゴム磁石34を用いたため、環状磁石33からの磁束にゴム磁石34からの磁束を重畳させてモータ効率を向上させることができる。
上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
・上記実施形態では、環状磁石33と第1コアベース31aとの軸方向の間にのみゴム磁石34を挟持させたが、図3に示すように、環状磁石33と第2コアベース32aとの軸方向の間にもゴム磁石35を挟持させてもよい。このようにすると、環状磁石33に硬いコアベース(第1及び第2コアベース31a,32a)が押圧接触することが回避され、環状磁石33の割れをより抑制することができる。尚、この例(図3参照)のゴム磁石34,35の外周部には、第1及び第2爪状磁極31b,32bの径方向外側に突出する部位を覆う外出部が形成されている。
・上記実施形態では、弾性部材としてゴム磁石34を用いたが、弾性を有する他の部材に変更してもよく、例えば、マグネットシートに変更してもよい。又、例えば、磁性を有する鉄粉等をゴムに混ぜ合わせた磁性ゴム等、弾性を有する(磁石以外の)磁性体に変更してもよい。このようにしても、例えば非磁性体のものに比べて、環状磁石33とコアベース間の磁気抵抗を小さくすることができ、ひいてはモータ効率の低下を回避することができる。
・上記実施形態では、ロータ21の極数が「10」に設定され、ステータ16のティース17aの数が「12」に設定されたブラシレスモータに具体化したが、ロータ21の極数やステータ16のティース17aの数は変更してもよい。例えば、ロータ21の極数が「8」に設定され、ステータ16のティース17aの数が「12」に設定されたブラシレスモータに具体化してもよい。
・上記実施形態のロータ21において、第1及び第2爪状磁極31b,32bの径方向内側(背面)に、その部分の漏れ(短絡)磁束を抑えるべく径方向に磁化された背面補助磁石を設けてもよい。
・上記実施形態のロータ21において、第1及び第2爪状磁極31b,32b同士の周方向の各間に、その部分の漏れ磁束を抑えるべく周方向に磁化された極間磁石を設けてもよい。
16…ステータ、21…ロータ、31…第1ロータコア、31a…第1コアベース(コアベース)、31b…第1爪状磁極(爪状磁極)、32…第2ロータコア、32a…第2コアベース(コアベース)、32b…第2爪状磁極(爪状磁極)、33…環状磁石(界磁磁石)、34,35…ゴム磁石(弾性部材、弾性を有する磁性体及び磁石)。

Claims (5)

  1. それぞれ略円板状のコアベースの外周部に、等間隔に複数の爪状磁極が径方向外側に突出されるとともに軸方向に延出形成され、互いのコアベースが対向されつつ爪状磁極が周方向に交互に配置された第1及び第2ロータコアと、
    前記コアベース同士の軸方向の間に配置され、前記軸方向に磁化されることで、第1ロータコアの前記爪状磁極を第1の磁極として機能させ、前記第2ロータコアの前記爪状磁極を第2の磁極として機能させる硬質の界磁磁石と
    を備えたロータであって、
    前記界磁磁石と前記コアベースとの軸方向の間には、軸方向から見て前記界磁磁石と同形状の弾性部材が挟持されたことを特徴とするロータ。
  2. 請求項1に記載のロータにおいて、
    前記弾性部材は、弾性を有する磁性体であることを特徴とするロータ。
  3. 請求項2に記載のロータにおいて、
    前記弾性部材は、弾性を有し軸方向に磁化された磁石であることを特徴とするロータ。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1項に記載のロータにおいて、
    前記弾性部材は、前記界磁磁石と両コアベースとの軸方向の間にそれぞれ設けられたことを特徴とするロータ。
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載のロータと、
    回転磁界を発生するステータと
    を備えたことを特徴とするモータ。
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