JP6046351B2 - 絶縁膜およびその製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、絶縁膜およびその製造方法に関するものである。
従来、下地絶縁膜上に第1の層間絶縁膜、第2の層間絶縁膜および第3の層間絶縁膜を順次積層する半導体装置の製造方法が知られている(特許文献1)。
第1および第3の層間絶縁膜は、シリコンナイトライド膜(SiN膜)からなり、第2の層間絶縁膜は、フッ化シリコンオキサイド膜(SiOF膜)からなる。
そして、第1および第3の層間絶縁膜としてのSiN膜は、フッ化シラン(SiF)ガスおよび窒素(N)ガスを材料ガスとして用い、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法によって成膜される。
この製造方法においては、水素(H)原子を含まないガス(SiF)を用いてSiN膜を成膜するため、成膜中にフッ素(F)を含む層間絶縁膜がHラジカルに晒されることが無く、Fとの反応を抑制できる。
また、アモルファスIn−Ga−Zn−oxide(a−IGZO)をチャネル層に用いた薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)が知られている(非特許文献1)。
このTFTは、ガラス基板上にゲート電極、絶縁膜およびa−IGZOを順次積層し、a−IGZO上にソース電極およびドレイン電極を配置した構造からなる。そして、ゲート電極は、タングステン(W)からなり、ソース電極およびドレイン電極は、チタン(Ti)からなり、絶縁膜は、酸化シリコン(SiO)からなる。
このTFTは、絶縁膜を成膜した後にa−IGZOを成膜することによって製造される。
特許第3148183号公報
Hiromichi Godo, Daisuke Kawae, Shuhei Yoshitomi, Toshinari Sasaki, Shunichi Ito, Hiroki Ohara, Hideyuki Kishida, Masahiro Takahashi, Akiharu Miyanaga, and Shunpei Yamazaki, "Temperature Dependence of Transistor Characteristics and Electronic Structure for Amorphous In-Ga-Zn-Oxide Thin Film Transistor," Japanese Journal of Applied Physics 49 (2010) 03CB04.
しかし、特許文献1および非特許文献1に記載の製造方法においては、ガラスおよびa−IGZO等の酸素(O)原子を含む材料上に絶縁膜を形成したときに電気絶縁性能が大きく低下するという問題に対処することが困難である。
そこで、この発明は、かかる問題を解決するためになされたものであり、その目的は、酸素(O)原子を含む材料上に形成された絶縁性能の良好な絶縁膜を提供することである。
また、この発明の別の目的は、酸素(O)原子を含む材料上に絶縁性能の良好な絶縁膜を製造する製造方法を提供することである。
この発明の実施の形態によれば、絶縁膜は、第1および第2のシリコンナイトライド膜を備える。第1のシリコンナイトライド膜は、酸素原子を含む基板上に配置される。第2のシリコンナイトライド膜は、第1のシリコンナイトライド膜に接して配置される。そして、第2のシリコンナイトライド膜に含まれるフッ素量は、第1のシリコンナイトライド膜に含まれるフッ素量よりも多い。
また、この発明の実施の形態によれば、絶縁膜の製造方法は、シリコン原子とフッ素原子とを含む主ガスと、少なくとも窒素ガスからなる副ガスとのガス流量比を基準値以上に設定して酸素原子を含む基板上に第1のシリコンナイトライド膜を堆積する第1の工程と、主ガスと窒素ガスとのガス流量比を基準値よりも小さい値に設定して第1のシリコンナイトライド膜に接して第2のシリコンナイトライド膜を堆積する第2の工程とを備える。
この発明の実施の形態による絶縁膜においては、第2のシリコンナイトライド膜のフッ素濃度が第1のシリコンナイトライド膜のフッ素濃度よりも多い構造からなる。つまり、第1のシリコンナイトライド膜のフッ素濃度は、第2のシリコンナイトライド膜のフッ素濃度よりも少ない。これは、第1のシリコンナイトライド膜の成膜時におけるプラズマ中のFラジカルの濃度を第2のシリコンナイトライド膜の成膜時におけるプラズマ中のFラジカルの濃度よりも低くして第1のシリコンナイトライド膜を成膜することに起因している。
また、プラズマ中のFラジカルを少なくすると、酸素原子が基板から引き抜かれることが抑制され、酸素原子が第1および第2のシリコンナイトライド膜に取り込まれることが抑制される。その結果、絶縁破壊電界強度が高く、かつ、リーク電流が小さい絶縁膜を製造できる。
従って、製造された絶縁膜において、基板側の第1のシリコンナイトライド膜中のフッ素濃度が絶縁膜の表面側の第2のシリコンナイトライド膜中のフッ素濃度よりも低くなっていれば、酸素原子の絶縁膜への混入が少なくなり、良好な絶縁性能を得ることができる。
また、この発明の実施の形態による絶縁膜の製造方法においては、主ガスと副ガスとの流量比を基準値以上に設定して第1のシリコンナイトライド膜を成膜し、主ガスと副ガスとの流量比を基準値よりも小さい値に設定して第2のシリコンナイトライド膜を成膜する。その結果、第1のシリコンナイトライド膜の成膜時におけるプラズマ中のFラジカルの濃度が第2のシリコンナイトライド膜の成膜時におけるプラズマ中のFラジカルの濃度よりも低くなり、酸素原子が基板から引き抜かれることが抑制され、酸素原子が第1および第2のシリコンナイトライド膜に取り込まれることが抑制される。
従って、絶縁破壊電界強度が高く、かつ、リーク電流が小さい絶縁膜、即ち、絶縁性能が良好な絶縁膜を製造できる。
この発明の実施の形態による絶縁膜の断面図である。 この発明の実施の形態におけるプラズマ装置の構成を示す断面図である。 図2に示す整合回路側から見た平面導体、給電電極および終端電極の平面図である。 図1に示す絶縁膜の製造方法1におけるガス流量のタイミングチャートである。 製造方法1によって製造された絶縁膜の電気的特性を測定する方法を示す図である。 製造方法1によって製造された絶縁膜における絶縁破壊電界強度およびリーク電流密度とガス流量比との関係を示す図である。 製造方法1を示す工程図である。 図1に示す絶縁膜の製造方法2におけるガス流量のタイミングチャートである。 製造方法2によって製造された絶縁膜における絶縁破壊電界強度およびリーク電流密度とガス流量比との関係を示す図である。 製造方法2を示す工程図である。 図1に示す絶縁膜の製造方法3におけるガス流量のタイミングチャートである。 製造方法3によって製造された絶縁膜の電気的特性を測定する方法を示す図である。 製造方法3によって製造された絶縁膜におけるリーク電流とガス流量比との関係を示す図である。 製造方法3を示す工程図である。 この発明の実施の形態による絶縁膜の製造方法を示す工程図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
図1は、この発明の実施の形態による絶縁膜の断面図である。図1を参照して、この発明の実施の形態による絶縁膜10は、基板1と、シリコンナイトライド膜2と、シリコンナイトライド膜3とを備える。
基板1は、ガラスおよびa−IGZO等のO原子を含む材料からなる。シリコンナイトライド膜2は、基板1の一主面に接して配置される。シリコンナイトライド膜3は、シリコンナイトライド膜2に接して配置される。
シリコンナイトライド膜2,3の各々は、フッ素原子および水素原子を含む。そして、シリコンナイトライド膜2,3の各々は、5at%よりも少ない水素濃度を有する。また、シリコンナイトライド膜3のフッ素濃度は、シリコンナイトライド膜2のフッ素濃度よりも多い。更に、シリコンナイトライド膜2は、例えば、5〜100nmの膜厚を有し、シリコンナイトライド膜3は、例えば、5〜500nmの膜厚を有する。
図2は、この発明の実施の形態におけるプラズマ装置の構成を示す断面図である。図2を参照して、プラズマ装置100は、真空容器20と、天板22と、排気口24と、ガス導入部26と、ホルダ32と、ヒータ34と、軸36と、軸受部38と、マスク42と、仕切り板44と、平面導体50と、給電電極52と、終端電極54と、絶縁フランジ56と、パッキン57,58と、シールドボックス60と、高周波電源62と、整合回路64と、接続導体68,69とを備える。
真空容器20は、金属製であり、排気口24を介して真空排気装置(図示せず)に接続される。また、真空容器20は、電気的に接地ノードに接続される。天板22は、真空容器20の上側を塞ぐように真空容器20に接して配置される。この場合、真空容器20と天板22との間には、真空シール用のパッキン57が配置される。
ガス導入部26は、真空容器20内において仕切り板44よりも上側に配置される。軸36は、軸受部38を介して真空容器20の底面に固定される。ホルダ32は、軸36の一方端に固定される。ヒータ34は、ホルダ32内に配置される。マスク42は、ホルダ32の周縁部においてホルダ32上に配置される。仕切り板44は、ホルダ32よりも上側において真空容器20とホルダ32との間を塞ぐように真空容器20の側壁に固定される。
給電電極52および終端電極54は、絶縁フランジ56を介して天板22に固定される。この場合、天板22と絶縁フランジ56との間には、真空シール用のパッキン58が配置される。
平面導体50は、X方向における両端部がそれぞれ給電電極52および終端電極54に接するように配置される。
給電電極52および終端電極54は、後述するようにY方向(図2の紙面に垂直な方向)において平面導体50とほぼ同じ長さを有する。そして、給電電極52は、接続導体68によって整合回路64の出力バー66に接続される。終端電極54は、接続導体69を介してシールドボックス60に接続される。平面導体50、給電電極52および終端電極54は、例えば、銅およびアルミニウム等からなる。
シールドボックス60は、真空容器20の上側に配置され、天板22に接する。高周波電源62は、整合回路64と接地ノードとの間に接続される。整合回路64は、シールドボックス60上に配置される。
接続導体68,69は、Y方向において給電電極52および終端電極54とほぼ同じ長さを有する板形状からなる。
ガス導入部26は、ガスボンベ(図示せず)から供給されたSiFガス、HガスおよびNガス等のガス28を真空容器20内に供給する。ホルダ32は、基板1を支持する。ヒータ34は、基板1を所望の温度に加熱する。軸36は、ホルダ32を支持する。マスク42は、基板1の周縁部を覆う。これによって、絶縁膜が基板1の周縁部に形成されるのを防止できる。仕切り板44は、プラズマ70が基板1の保持機構に達するのを防止する。
給電電極52は、接続導体68から供給された高周波電流を平面導体50に流す。終端電極54は、平面導体50の端部を直接またはキャパシタを介して接地ノードに接続し、高周波電源62から平面導体50にかけて高周波電流の閉ループを作る。
高周波電源62は、例えば、13.56MHzの高周波電力を整合回路64へ供給する。整合回路64は、高周波電源62から供給された高周波電力を反射を抑制して接続導体68に供給する。
図3は、図2に示す整合回路64側から見た平面導体50、給電電極52および終端電極54の平面図である。図3を参照して、平面導体50は、例えば、長方形の平面形状からなり、辺50a,50bを有する。辺50aは、辺50bよりも長い。そして、辺50aは、X方向に沿って配置され、辺50bは、Y方向に沿って配置される。
給電電極52および終端電極54は、それぞれ、平面導体50の辺50bに沿って平面導体50のX方向の両端部に配置される。給電電極52および終端電極54のY方向の長さは、高周波電流14をY方向においてできる限り一様に流すために、平面導体50のY方向に平行な辺50bの長さに近づける(例えば、辺50bの長さと実質的に同じにする)のが好ましいが、辺50bの長さよりも幾分短くてもよいし、長くてもよい。数値で表せば、給電電極52および終端電極54のY方向の長さは、辺50bの長さの85%以上の長さに設定すればよい。
このように、給電電極52および終端電極54は、ブロック状の電極からなるので、Y方向において平面導体50にほぼ一様に高周波電流14を流すことができる。
そして、プラズマ装置100は、高周波電流14を平面導体50に一様に流すことによって誘導結合型のプラズマを発生する。
そうすると、真空容器20内に発生した誘導結合型のプラズマによって、ホルダ32上に設置された基板上に絶縁膜が堆積される。
(製造方法1)
図4は、図1に示す絶縁膜10の製造方法1におけるガス流量のタイミングチャートである。
絶縁膜10の製造方法1においては、SiFガス、HガスおよびNガスを用いてシリコンナイトライド膜2を基板1上に堆積し、その後、SiFガスおよびNガスを用いてシリコンナイトライド膜3をシリコンナイトライド膜2上に堆積して絶縁膜10を製造する。
また、基板1は、パターン化されたモリブデン(Mo)をガラス上に形成したパターン化Mo/ガラスからなる。そして、Moの膜厚は、100nmであり、ガラスの厚みは、0.5mmである。また、Moの幅は、10μmであり、Moの間隔は、20μmである。
更に、基板温度は、150℃であり、成膜時の圧力は、2.6Paであり、高周波電力は、1.1W/cmである。
製造方法1を用いて絶縁膜10を製造する場合、プラズマ装置100のガス導入部26は、タイミングt1からタイミングt2までの間、25sccmのSiFガスと、450sccmのNガスと、200sccmのHガスとを真空容器20に供給する。
そして、真空排気装置は、真空容器20の圧力を2.6Paに設定する。また、ヒータ34は、基板1の温度を150℃に設定する。
そうすると、高周波電源62は、整合回路64、接続導体68および給電電極52を介して1.1W/cmの高周波電力を平面導体50に供給する。
これによって、真空容器20内でプラズマが発生し、100nmの膜厚を有するシリコンナイトライド膜2が基板1上に堆積される。
そして、タイミングt2において、ガス導入部26は、SiFガスの流量を25sccmから100sccmに増加し、Nガスの流量を450sccmから250sccmに減少し、Hガスを停止する。その後、ガス導入部26は、タイミングt3まで、100sccmのSiFガスと、250sccmのNガスとを真空容器20に供給する。
これによって、200nmの膜厚を有するシリコンナイトライド膜3がシリコンナイトライド膜2上に堆積される。
そして、ガス導入部26は、タイミングt3において、SiFガスおよびNガスを停止する。
なお、タイミングt1からタイミングt3までの間、高周波電力、反応圧力および基板温度は、それぞれ、上述した値に設定されている。
このように、製造方法1においては、基板1(=パターン化Mo/ガラス)に接して配置されるシリコンナイトライド膜2は、シリコンナイトライド膜2を成膜するときの主ガスであるSiFガスにHガスを添加して成膜され、シリコンナイトライド膜3は、SiFガスにHガスを添加しないで成膜される。
その結果、シリコンナイトライド膜2を成膜するときのプラズマ中においては、SiFガスから生成されたFラジカルと、Hガスから生成されたHラジカルとが反応してHFになり、プラズマ中のFラジカルが基板1(=パターン化Mo/ガラス)と反応し、基板1(=パターン化Mo/ガラス)から酸素原子を引き抜くことが抑制される。
従って、基板1(=パターン化Mo/ガラス)中の酸素原子は、シリコンナイトライド膜2に取り込まれ難くなる。
また、シリコンナイトライド膜2の成膜時、SiFガスから生成されたFラジカルは、HFになり、シリコンナイトライド膜3の成膜時、SiFガスから生成されたFラジカルは、HFにならないので、フッ素原子は、シリコンナイトライド膜2よりもシリコンナイトライド膜3へ多く取り込まれる。従って、シリコンナイトライド膜3のフッ素濃度は、シリコンナイトライド膜2のフッ素濃度よりも多くなる。
図5は、製造方法1によって製造された絶縁膜の電気的特性を測定する方法を示す図である。
図5を参照して、シリコンナイトライド膜は、製造方法1によってパターン化Mo/ガラス上に堆積される。そして、シリコンナイトライド膜の表面に電極を形成する。
電源および電流計をシリコンナイトライド膜上の電極とガラス上のMoとの間に直列に接続する。
電源は、電圧値を変えながら電圧をシリコンナイトライド膜の膜厚方向に印加する。そして、電流計は、シリコンナイトライド膜に流れるリーク電流を測定する。また、電源によって印加された電圧値をシリコンナイトライド膜の膜厚で除算した値を絶縁破壊電界強度とする。
図6は、製造方法1によって製造された絶縁膜における絶縁破壊電界強度およびリーク電流密度とガス流量比との関係を示す図である。
図6において、縦軸は、絶縁破壊電界強度およびリーク電流密度を表し、横軸は、SiFガスの流量に対するHガスの流量の比を表す。また、曲線k1は、絶縁破壊電界強度とガス流量比との関係を示し、曲線k2は、リーク電流密度とガス流量比との関係を示す。更に、ガス流量比(=H/SiF)は、SiFガスの流量およびNガスの流量をそれぞれ25sccmおよび450sccmに保持し、Hガスの流量を0sccm、25sccm、50sccm、100sccmおよび200sccmと変化させることによって変えられた。
図6を参照して、絶縁破壊電界強度は、ガス流量比(=H/SiF)が4までは、ガス流量比(=H/SiF)の増加に従って大きくなり、ガス流量比(=H/SiF)が4以上になると、5[MV/cm]を超えて微増する(曲線k1参照)。
そして、ガス流量比(=H/SiF)に対する絶縁破壊電界強度の増加率は、ガス流量比(=H/SiF)が4までは大きく、ガス流量比(=H/SiF)が4以上になると、小さくなる。従って、ガス流量比(=H/SiF)に対する絶縁破壊電界強度の増加率は、ガス流量比(=H/SiF)=4を境にして明らかに変化しており、ガス流量比(=H/SiF)=4は、臨界点である。
また、リーク電流密度は、ガス流量比(=H/SiF)が4までは、ガス流量比(=H/SiF)の増加に従って減少し、ガス流量比(=H/SiF)が4以上になると、1×10−6[A/cm]程度になる(曲線k2参照)。
そして、ガス流量比(=H/SiF)に対するリーク電流密度の減少率は、ガス流量比(=H/SiF)が4までは大きく、ガス流量比(=H/SiF)が4以上になると、小さくなる。従って、ガス流量比(=H/SiF)に対するリーク電流密度の減少率は、ガス流量比(=H/SiF)=4を境にして明らかに変化しており、ガス流量比(=H/SiF)=4は、臨界点である。
このように、絶縁破壊電界強度は、ガス流量比(=H/SiF)=4を臨界点としてガス流量比(=H/SiF)の増加に伴って増加し、リーク電流密度は、ガス流量比(=H/SiF)=4を臨界点としてガス流量比(=H/SiF)の増加に伴って減少する。
そして、ガス流量比(=H/SiF)が4以上になると、絶縁破壊電界強度が5[MV/cm]程度になり、リーク電流密度が1×10−6[A/cm]程度になり、絶縁性能が良好な絶縁膜(シリコンナイトライド膜2/シリコンナイトライド膜3)を製造できる。これは、上述したように、シリコンナイトライド膜2を成膜するとき、プラズマ中のFラジカルが減少し、基板1(=パターン化Mo/ガラス)中の酸素原子が基板1から引き抜かれてシリコンナイトライド膜2に取り込まれ難くなるからである。
従って、製造方法1によってリーク電流密度が小さく、かつ、絶縁破壊電界強度が大きい絶縁膜(シリコンナイトライド膜)を製造するためには、ガス流量比(=H/SiF)が4以上であればよい。
上述したように、SiFガスの流量およびNガスの流量をそれぞれ25sccmおよび450sccmに保持し、Hガスの流量を0sccm、25sccm、50sccm、100sccmおよび200sccmと変化させることによってガス流量比(=H/SiF)を変えたので、ガス流量比(=H/SiF)が4以上である場合、SiFガスの流量に対するNガスとHガスとの合計流量の比(=(Nガス+Hガス)/SiFガス)は、(Nガス+Hガス)/SiFガス=(450+100)/25=22以上になる。
そこで、製造方法1においては、SiFガスの流量に対するNガスとHガスとの合計流量の比(=(Nガス+Hガス)/SiFガス)を(Nガス+Hガス)/SiFガス=(450+100)/25=22以上に設定してシリコンナイトライド膜2を成膜し、SiFガスの流量に対するNガスの流量の比(=Nガス/SiFガス)をNガス/SiFガス=250/100=2.5に設定してシリコンナイトライド膜3を成膜することにした。
従って、SiFガスを主ガスとし、NガスおよびHガスを副ガスとした場合、シリコンナイトライド膜2は、主ガスの流量に対する副ガスの流量の比を基準値(=22)以上に設定して成膜され、シリコンナイトライド膜3は、主ガスの流量に対する副ガスの流量の比を基準値(=22)よりも小さい値(=2.5)に設定して成膜される。
なお、製造方法1においては、Hガスに代えてアンモニア(NH)ガスを用いてシリコンナイトライド膜2を成膜してもよく、一般的には、H原子を含むガスを用いてシリコンナイトライド膜2を成膜すればよい。
図7は、製造方法1を示す工程図である。図7を参照して、絶縁膜10の製造が開始されると、SiFガスの流量に対する水素原子を含むガスおよびNガスの合計流量の比を基準値以上に設定して酸素原子を含む基板上にシリコンナイトライド膜2を成膜する(工程S1)。
そして、SiFガスの流量に対するNガスの流量の比を基準値よりも小さい値に設定してシリコンナイトライド膜2上にシリコンナイトライド膜3を成膜する(工程S2)。
これによって、製造方法1を用いた絶縁膜10の製造が終了する。
(製造方法2)
図8は、図1に示す絶縁膜10の製造方法2におけるガス流量のタイミングチャートである。
絶縁膜10の製造方法2においては、基板1をプラズマ処理した後に、SiFガスの流量に対するNガスの流量の比を変えて、SiFガスおよびNガスを用いてシリコンナイトライド膜2,3を基板1上に順次堆積して絶縁膜10を製造する。
また、基板1は、Moをガラス上に形成したMo/ガラスである。そして、Moの膜厚は、100nmであり、ガラスの厚みは、0.5mmである。
更に、基板温度は、150℃であり、成膜時の圧力は、2.6Paであり、高周波電力は、1.1W/cmである。
図8を参照して、製造方法2を用いて絶縁膜10を製造する場合、プラズマ装置100のガス導入部26は、タイミングt4からタイミングt5までの間、500sccmのNガスを真空容器20に供給する。
そして、真空排気装置は、真空容器20内の圧力を2.6Paに設定する。また、ヒータ34は、基板1の温度を150℃に設定する。
そうすると、高周波電源62は、整合回路64、接続導体68および給電電極52を介して1.1W/cmの高周波電力を平面導体50に供給する。
これによって、Nガスを用いたプラズマが真空容器20内で発生し、基板1は、その発生したプラズマによって処理される。
プラズマによる処理時間が1分になると、ガス導入部26は、タイミングt5からタイミングt6までの間、25sccmのSiFガスと、450sccmのNガスとを真空容器20に供給する。
これによって、10nmの膜厚を有するシリコンナイトライド膜2が基板1上に堆積される。
そして、タイミングt6において、ガス導入部26は、SiFガスの流量を25sccmから100sccmに増加し、Nガスの流量を450sccmから250sccmに減少する。その後、ガス導入部26は、タイミングt7まで、100sccmのSiFガスと、250sccmのNガスとを真空容器20に供給する。
これによって、90nmの膜厚を有するシリコンナイトライド膜3がシリコンナイトライド膜2上に堆積される。
そして、ガス導入部26は、タイミングt7において、SiFガスおよびNガスを停止する。
なお、タイミングt4からタイミングt7までの間、高周波電力、反応圧力および基板温度は、それぞれ、上述した値に設定されている。
このように、製造方法2においては、シリコンナイトライド膜2,3は、SiFガスの流量に対するNガスの流量の比を変えて成膜される。
製造方法2によって製造された絶縁膜10は、製造方法1によって製造された絶縁膜10と同様にして、絶縁膜10の膜厚方向から絶縁膜10に電圧を印加することによって、絶縁破壊電界強度およびリーク電流密度が測定された。
図9は、製造方法2によって製造された絶縁膜における絶縁破壊電界強度およびリーク電流密度とガス流量比との関係を示す図である。
図9において、縦軸は、絶縁破壊電界強度およびリーク電流密度を表し、横軸は、SiFガスの流量に対するNガスの流量の比を表す。また、曲線k3は、絶縁破壊電界強度とガス流量比との関係を示し、曲線k4は、リーク電流密度とガス流量比との関係を示す。更に、ガス流量比(=N/SiF)は、SiFガスの流量を25sccmに保持し、Nガスの流量を62.5sccm、250sccmおよび450sccmと変化させることによって変えられた。
図9を参照して、絶縁破壊電界強度は、ガス流量比(=N/SiF)が10までは、ガス流量比(=N/SiF)の増加に従って大きくなり、ガス流量比(=N/SiF)が10以上になると、7[MV/cm]を超えて微増する(曲線k3参照)。
そして、ガス流量比(=N/SiF)に対する絶縁破壊電界強度の増加率は、ガス流量比(=N/SiF)が10までは大きく、ガス流量比(=N/SiF)が10以上になると、小さくなる。従って、ガス流量比(=N/SiF)に対する絶縁破壊電界強度の増加率は、ガス流量比(=N/SiF)=10を境にして明らかに変化しており、ガス流量比(=N/SiF)=10は、臨界点である。
また、リーク電流密度は、ガス流量比(=N/SiF)が10までは、ガス流量比(=N/SiF)の増加に従って減少し、ガス流量比(=N/SiF)が10以上になると、1×10−6[A/cm]以下になる(曲線k4参照)。
そして、ガス流量比(=N/SiF)に対するリーク電流密度の減少率は、ガス流量比(=N/SiF)が10までは大きく、ガス流量比(=N/SiF)が10以上になると、小さくなる。従って、ガス流量比(=N/SiF)に対するリーク電流密度の減少率は、ガス流量比(=N/SiF)=10を境にして明らかに変化しており、ガス流量比(=N/SiF)=10は、臨界点である。
このように、絶縁破壊電界強度は、ガス流量比(=N/SiF)=10を臨界点としてガス流量比(=N/SiF)の増加に伴って増加し、リーク電流密度は、ガス流量比(=N/SiF)=10を臨界点としてガス流量比(=N/SiF)の増加に伴って減少する。
そして、ガス流量比(=N/SiF)が10以上になると、絶縁破壊電界強度が7[MV/cm]台になり、リーク電流密度が1×10−6[A/cm]以下になり、絶縁性能が良好な絶縁膜(シリコンナイトライド膜2/シリコンナイトライド膜3)を製造できる。これは、ガラスがMoによって覆われた基板1を用いているため、プラズマ中のFラジカルによるガラスからの酸素原子の引き抜きが無く、酸素原子がシリコンナイトライド膜2,3に取り込まれ難くなるからである。
従って、製造方法2によってリーク電流密度が小さく、かつ、絶縁破壊電界強度が大きい絶縁膜(シリコンナイトライド膜)を製造するためには、ガス流量比(=N/SiF)が10以上であればよい。
そこで、製造方法2においては、SiFガスの流量に対するNガスの流量の比(=Nガス/SiFガス)をNガス/SiFガス=250/25=10以上に設定してシリコンナイトライド膜2を成膜し、SiFガスの流量に対するNガスの流量の比(=Nガス/SiFガス)をNガス/SiFガス=250/100=2.5に設定してシリコンナイトライド膜3を成膜することにした。
そして、SiFガスを主ガスとし、Nガスを副ガスとした場合、シリコンナイトライド膜2は、主ガスの流量に対する副ガスの流量の比を基準値(=10)以上に設定して成膜され、シリコンナイトライド膜3は、主ガスの流量に対する副ガスの流量の比を基準値(=10)よりも小さい値(=2.5)に設定して成膜される。
このように、製造方法2においては、シリコンナイトライド膜2は、ガス流量比(=N/SiF)を基準値以上に設定して成膜され、シリコンナイトライド膜3は、ガス流量比(=N/SiF)を基準値よりも小さい値に設定して成膜される。その結果、プラズマ中のFラジカルは、シリコンナイトライド膜3の成膜時の方がシリコンナイトライド膜2の成膜時よりも多くなる。従って、シリコンナイトライド膜3のフッ素濃度は、シリコンナイトライド膜2のフッ素濃度よりも多くなる。
また、基板1の表面が金属によって覆われているので、シリコンナイトライド膜2,3の成膜時におけるプラズマ中のFラジカルは、基板1から酸素原子を引き抜くことがなく、酸素原子は、シリコンナイトライド膜2,3に取り込まれない。従って、上述したように、製造方法2によって製造された絶縁膜10は、良好な絶縁性能を有する。
なお、上述した製造方法2においては、Nガスを用いたプラズマ処理は、無くてもよい。
図10は、製造方法2を示す工程図である。図10を参照して、絶縁膜10の製造が開始されると、SiFガスの流量に対するNガスの流量の比を基準値以上に設定して酸素原子を含む基板上にシリコンナイトライド膜2を成膜する(工程S11)。
そして、SiFガスの流量に対するNガスの流量の比を基準値よりも小さい値に設定してシリコンナイトライド膜2上にシリコンナイトライド膜3を成膜する(工程S12)。
これによって、製造方法2を用いた絶縁膜10の製造が終了する。
(製造方法3)
図11は、図1に示す絶縁膜10の製造方法3におけるガス流量のタイミングチャートである。
絶縁膜10の製造方法3においては、SiFガス、酸素原子または水素原子を含むガスおよびNガスを用いてシリコンナイトライド膜2を基板1上に堆積し、その後、SiFガスおよびNガスを用いてシリコンナイトライド膜3をシリコンナイトライド膜2上に堆積して絶縁膜10を製造する。
また、基板1は、シリコンウェハ上にSiNおよびa−IGZOを順次堆積したIGZO/SiN/シリコンウェハである。そして、a−IGZOの膜厚は、100nmであり、SiNの膜厚は、100nmであり、シリコンウェハの厚みは、0.55mmである。
更に、基板温度は、150℃であり、成膜時の圧力は、2.6Paであり、高周波電力は、1.1W/cmである。
製造方法3を用いて絶縁膜10を製造する場合、プラズマ装置100のガス導入部26は、タイミングt1からタイミングt2までの間、25sccmのSiFガスと、450sccmのNガスと、100sccmのNOガスとを真空容器20に供給する。
そして、真空排気装置は、真空容器20内の圧力を2.6Paに設定する。また、ヒータ34は、基板1の温度を150℃に設定する。
そうすると、高周波電源62は、整合回路64、接続導体68および給電電極52を介して1.1W/cmの高周波電力を平面導体50に供給する。
これによって、真空容器20内でプラズマが発生し、50nmの膜厚を有するシリコンナイトライド膜2が基板1上に堆積される。
そして、タイミングt2において、ガス導入部26は、SiFガスの流量を25sccmから100sccmに増加し、Nガスの流量を450sccmから250sccmに減少し、NOガスを停止する。その後、ガス導入部26は、タイミングt3まで、100sccmのSiFガスと、250sccmのNガスとを真空容器20に供給する。
これによって、50nmの膜厚を有するシリコンナイトライド膜3がシリコンナイトライド膜2上に堆積される。
そして、ガス導入部26は、タイミングt3において、SiFガスおよびNガスを停止する。
なお、タイミングt1からタイミングt3までの間、高周波電力、反応圧力および基板温度は、それぞれ、上述した値に設定されている。
このように、製造方法3においては、基板1(=IGZO/SiN/シリコンウェハ)に接して配置されるシリコンナイトライド膜2は、シリコンナイトライド膜2を成膜するときの主ガスであるSiFガスにNOガスを添加して成膜され、シリコンナイトライド膜3は、SiFガスにNOガスを添加しないで成膜される。
その結果、シリコンナイトライド膜2を成膜するときのプラズマ中においては、NOガスから生成されたOラジカルが存在しているため、プラズマ中のFラジカルが基板1(=IGZO/SiN/シリコンウェハ)のa−IGZOから酸素原子を引き抜くことが抑制される。つまり、Fラジカルがa−IGZOから酸素原子を引き抜いても、プラズマ中のOラジカルによって酸素原子がa−IGZO中に補充される。
従って、基板1(=IGZO/SiN/シリコンウェハ)中の酸素原子は、シリコンナイトライド膜2に取り込まれ難くなる。
また、製造方法2において説明した機構によって、シリコンナイトライド膜3のフッ素濃度は、シリコンナイトライド膜2のフッ素濃度よりも多くなる。
図12は、製造方法3によって製造された絶縁膜の電気的特性を測定する方法を示す図である。
図12を参照して、シリコンナイトライド膜は、製造方法3によってIGZO/SiN/シリコンウェハのa−IGZO上に堆積される。
電源および電流計をa−IGZOの異なる2点間に直列に接続する。
電源は、電圧値を変えながら電圧をa−IGZOの異なる2点間に印加する。そして、電流計は、a−IGZOの表面に流れるリーク電流を測定する。
図13は、製造方法3によって製造された絶縁膜におけるリーク電流とガス流量比との関係を示す図である。
図13において、縦軸は、リーク電流を表し、横軸は、SiFガスの流量に対するNOガスの流量の比を表す。また、曲線k5は、リーク電流とガス流量比との関係を示す。更に、ガス流量比(=NO/SiF)は、SiFガスの流量およびNガスの流量をそれぞれ25sccmおよび450sccmに保持し、NOガスの流量を0sccm、25sccm、50sccmおよび100sccmと変化させることによって変えられた。
図13を参照して、リーク電流密度は、ガス流量比(=NO/SiF)が2までは、ガス流量比(=NO/SiF)の増加に従って減少し、ガス流量比(=NO/SiF)が2以上になると、1×10−11〜1×10−10[A]になる(曲線k5参照)。
そして、ガス流量比(=NO/SiF)に対するリーク電流の減少率は、ガス流量比(=NO/SiF)が2までは大きく、ガス流量比(=NO/SiF)が2以上になると、小さくなる。従って、ガス流量比(=NO/SiF)に対するリーク電流の減少率は、ガス流量比(=NO/SiF)=2を境にして明らかに変化しており、ガス流量比(=NO/SiF)=2は、臨界点である。
このように、リーク電流は、ガス流量比(=NO/SiF)=2を臨界点としてガス流量比(=NO/SiF)の増加に伴って減少する。
そして、ガス流量比(=NO/SiF)が2以上になると、リーク電流が1×10−11〜1×10−10[A]になり、a−IGZOとの界面における抵抗の増加が抑制される絶縁膜(シリコンナイトライド膜2/シリコンナイトライド膜3)を製造できる。これは、上述したように、シリコンナイトライド膜2を成膜するとき、プラズマ中のOラジカルによって、基板1(=IGZO/SiN/シリコンウェハ)中のa−IGZOから酸素原子が引き抜かれ難くなり、酸素原子がシリコンナイトライド膜2に取り込まれ難くなるからである。
従って、製造方法3によってリーク電流が小さい絶縁膜(シリコンナイトライド膜)を製造するためには、ガス流量比(=NO/SiF)が2以上であればよい。
上述したように、SiFガスの流量およびNガスの流量をそれぞれ25sccmおよび450sccmに保持し、NOガスの流量を0sccm、25sccm、50sccmおよび100sccmと変化させることによってガス流量比(=NO/SiF)を変えたので、ガス流量比(=NO/SiF)が2以上である場合、SiFガスの流量に対するNガスとNOガスとの合計流量の比(=(Nガス+NOガス)/SiFガス)は、(Nガス+NOガス)/SiFガス=(450+50)/25=20以上になる。
そこで、製造方法3においては、SiFガスの流量に対するNガスとNOガスとの合計流量の比(=(Nガス+NOガス)/SiFガス)を(Nガス+NOガス)/SiFガス=(450+50)/25=20以上に設定してシリコンナイトライド膜2を成膜し、SiFガスの流量に対するNガスの流量の比(=Nガス/SiFガス)をNガス/SiFガス=250/100=2.5に設定してシリコンナイトライド膜3を成膜することにした。
従って、SiFガスを主ガスとし、NガスおよびNOガスを副ガスとした場合、シリコンナイトライド膜2は、主ガスの流量に対する副ガスの流量の比を基準値(=20)以上に設定して成膜され、シリコンナイトライド膜3は、主ガスの流量に対する副ガスの流量の比を基準値(=20)よりも小さい値(=2.5)に設定して成膜される。
なお、製造方法3においては、NOガスに代えて酸素(O)ガス、HガスおよびNHガスのいずれかを用いてシリコンナイトライド膜2を成膜してもよく、一般的には、水素原子または酸素原子を含むガスを用いてシリコンナイトライド膜2を成膜すればよい。
図14は、製造方法3を示す工程図である。図14を参照して、絶縁膜10の製造が開始されると、SiFガスの流量に対する水素原子または酸素原子を含むガスおよびNガスの合計流量の比を基準値以上に設定して酸素原子を含む基板上にシリコンナイトライド膜2を成膜する(工程S21)。
そして、SiFガスの流量に対するNガスの流量の比を基準値よりも小さい値に設定してシリコンナイトライド膜2上にシリコンナイトライド膜3を成膜する(工程S22)。
これによって、製造方法3を用いた絶縁膜10の製造が終了する。
上述した製造方法1〜3においては、シリコンナイトライド膜2,3を成膜するための主ガスとしてSiFガスを用いたが、この発明の実施の形態においては、これに限らず、シリコンナイトライド膜2,3を成膜するための主ガスは、フッ素原子とシリコン原子とを含むガスであればよい。
また、製造方法1においては、SiFガスを主ガスとして用い、水素原子を含むガスおよびNガスを副ガスとして用いて主ガスの流量に対する副ガスの流量の比を基準値以上に設定してシリコンナイトライド膜2を成膜し、SiFガスを主ガスとして用い、Nガスを副ガスとして用いて主ガスの流量に対する副ガスの流量の比を基準値よりも小さい値に設定してシリコンナイトライド膜3を成膜した。
更に、製造方法2においては、SiFガスを主ガスとして用い、Nガスを副ガスとして用いて主ガスの流量に対する副ガスの流量の比を基準値以上に設定してシリコンナイトライド膜2を成膜し、SiFガスを主ガスとして用い、Nガスを副ガスとして用いて主ガスの流量に対する副ガスの流量の比を基準値よりも小さい値に設定してシリコンナイトライド膜3を成膜した。
更に、製造方法3においては、SiFガスを主ガスとして用い、水素原子または酸素原子を含むガスおよびNガスを副ガスとして用いて主ガスの流量に対する副ガスの流量の比を基準値以上に設定してシリコンナイトライド膜2を成膜し、SiFガスを主ガスとして用い、Nガスを副ガスとして用いて主ガスの流量に対する副ガスの流量の比を基準値よりも小さい値に設定してシリコンナイトライド膜3を成膜した。
そこで、この発明の実施の形態による絶縁膜10の製造方法は、図15に示す製造方法であればよい。
図15は、この発明の実施の形態による絶縁膜10の製造方法を示す工程図である。
図15を参照して、絶縁膜10の製造が開始されると、シリコン原子とフッ素原子とを含む主ガスと、少なくとも窒素ガスからなる副ガスとのガス流量比を基準値以上に設定して酸素原子を含む基板上に第1のシリコンナイトライド膜を成膜する(工程S31)。そして、主ガスと窒素ガスとのガス流量比を基準値よりも小さい値に設定して第1のシリコンナイトライド膜に接して第2のシリコンナイトライド膜を成膜する(工程S32)。
これによって、絶縁膜10の製造が終了する。
上述した製造方法1〜3によって製造された絶縁膜10は、シリコンナイトライド膜3のフッ素濃度がシリコンナイトライド膜2のフッ素濃度よりも多い構造からなる。つまり、シリコンナイトライド膜2のフッ素濃度は、シリコンナイトライド膜3のフッ素濃度よりも少ない。これは、上述したように、シリコンナイトライド膜2の成膜時におけるプラズマ中のFラジカルの濃度をシリコンナイトライド膜3の成膜時におけるプラズマ中のFラジカルの濃度よりも低くしてシリコンナイトライド膜2を成膜することに起因している。
また、プラズマ中のFラジカルを少なくすると、酸素原子が基板1から引き抜かれることが抑制され、酸素原子がシリコンナイトライド膜2,3に取り込まれることが抑制される。その結果、絶縁破壊電界強度が高く、かつ、リーク電流が小さい絶縁膜20を製造できる。
従って、製造された絶縁膜10において、基板1側のシリコンナイトライド膜中のフッ素濃度が絶縁膜10の表面側のシリコンナイトライド膜中のフッ素濃度よりも低くなっていれば、酸素原子の絶縁膜10への混入が少なくなり、良好な絶縁性能を得ることができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、絶縁膜およびその製造方法に適用される。
1 基板、2,3 シリコンナイトライド膜、10 絶縁膜、20 真空容器、22 天板、24 排気口、26 ガス導入部、32 ホルダ、34 ヒータ、36 軸、38 軸受部、42 マスク、44 仕切り板、50 平面導体、52 給電電極、54 終端電極、56 絶縁フランジ、57,58 パッキン、60 シールドボックス、62 高周波電源、64 整合回路、66 出力カバー、68,69 接続導体、100 プラズマ装置。

Claims (5)

  1. 酸素原子を含む基板上に配置された第1のシリコンナイトライド膜と、
    前記第1のシリコンナイトライド膜に接して配置された第2のシリコンナイトライド膜とを備え、
    前記第1および第2のシリコンナイトライド膜の各々は、5at%より少ない水素濃度を有し、
    前記第1のシリコンナイトライド膜は、5〜100nmの膜厚を有し、
    前記第2のシリコンナイトライド膜は、5〜500nmの膜厚を有し、
    前記第2のシリコンナイトライド膜に含まれるフッ素量は、前記第1のシリコンナイトライド膜に含まれるフッ素量よりも多い、絶縁膜。
  2. シリコン原子とフッ素原子とを含む主ガスと、少なくとも窒素ガスからなる副ガスとのガス流量比を基準値以上に設定して酸素原子を含む基板上に第1のシリコンナイトライド膜を堆積する第1の工程と、
    前記主ガスと窒素ガスとのガス流量比を前記基準値よりも小さい値に設定して前記第1のシリコンナイトライド膜に接して第2のシリコンナイトライド膜を堆積する第2の工程とを備える絶縁膜の製造方法。
  3. 前記副ガスは、水素原子を含むガスと酸素原子を含むガスとのいずれかと、窒素ガスとからなる、請求項2に記載の絶縁膜の製造方法。
  4. 前記副ガスは、水素原子を含むガスと、窒素ガスとからなる、請求項2に記載の絶縁膜の製造方法。
  5. 前記基板の表面は、金属によって覆われており、
    前記副ガスは、窒素ガスのみからなる、請求項2に記載の絶縁膜の製造方法。
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