JP6045729B2 - 粘着剤を取り付けた患者インターフェースデバイス - Google Patents

粘着剤を取り付けた患者インターフェースデバイス Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本特許出願は、内容が参照により本明細書中に組み込まれる、2013年6月13日に出願された米国仮特許出願第61/834,555号の優先権利益を米国特許法第119条(e)の下で主張する。
1.本発明の分野
本発明は、患者に呼吸ガスの流れを送達するように構成された患者インターフェースデバイスに関し、特に、治療における使用時に患者の頭部に患者インターフェースデバイスを固定するのを支援するための特定の特性を有し且つ特定の構成にある粘着剤を用いた患者インターフェースデバイスに関する。
2.従来技術の説明
呼吸ガスの流れを患者の気道に非侵襲的に、即ち、患者に挿管することなく又は患者の食道に気管チューブを外科的に挿入することなく送達することが必要である又は望まれる多くの状況がある。例えば、非侵襲的換気療法として公知の手技を用いて患者に人工呼吸を行うことはよく知られている。特定の医療疾患(そのうち最も注目すべきはOSA(閉塞型睡眠時無呼吸:obstructive sleep apnoea)である)の治療のため気道陽圧(PAP:positive airway pressure)治療を提供することもよく知られている。よく知られているPAP治療には、患者の気道を開存するため患者の気道に一定の陽圧が供給される持続的陽圧法(CPAP:continuous positive airway pressure)及び患者の気道に供給される圧力が患者の呼吸周期と共に変化する可変気道陽圧法を含む。そのような治療は、一般に、夜間、患者が眠っている間に患者に提供される。
上述の非侵襲的換気療法及び圧支持療法(pressure support therapy)には、軟質で可撓性のあるシーリングクッションを有するマスク構成要素を含む患者インターフェースデバイスを患者の顔に配置することを含む。マスク構成要素は、患者の鼻を覆う鼻マスク、患者の鼻及び口を覆う鼻/口マスク、患者の鼻の下に載る鼻クッション(患者の鼻内に受け入れられる鼻プロングを有する「ピロー」型鼻クッション若しくは患者の鼻の下に載り、患者の鼻を覆う「クレードル」型鼻クッションなど)、又は患者の顔を覆うフルフェイスマスクであってもよいが、これらに限定されない。このような患者インターフェースデバイスは、また、前頭支持物、頬パッド及び顎パッドなどの他の患者接触構成要素を用いてもよい。呼吸ガスの流れが圧力/流れ発生デバイスから患者の気道へと送達され得るように、患者インターフェースデバイスはガス送達チューブ又は導管に連結され、人工呼吸器又は圧支持デバイスを患者の気道に接続する。そのようなデバイスを、患者の頭部上/周囲にフィットするように構成された1つ又は複数のストラップを有するヘッドギアによって着用者の顔上に保持することはよく知られている。
ヘッドギアは、通常、適切なシールを得るために必要な力を顔に対して垂直に印加するために患者の頭部に巻き付ける(患者の毛髪及び顔に接触させる)。この顔への垂直力の印加が強過ぎる場合、発赤などの望ましくない皮膚刺激及び/又は患者の不快感につながる可能性がある。加えて、フルフェイスマスク又は鼻マスクなどの幾つかのマスク構成では、顔に沿ってシールが得られるのを可能にするためマスクの輪郭に沿ったフラップに依存している。それぞれの人の顔の特有性のため、マスクの輪郭に沿って漏洩経路(leak paths)又はマスクの不安定性が生じる可能性があり、患者が不快な量の力を用いることが必要となる。
一実施形態においては、呼吸ガスの流れを患者の気道に送達するように構成された患者インターフェースデバイスが提供される。患者インターフェースデバイスは、患者インターフェースが患者によって装着されたことに応答して患者の顔に接触及び付着するように構成された部材であって、部材が、基部領域と、基部領域の反対側に位置する頂点領域と、第1側部領域と、第1側部領域の反対側に位置する第2側部領域と、を含む接触面を有し、部材が、接触面に設けられた粘着層を有し、粘着層が、粘着層全体において40kPa以下の剥離強度値及び粘着層全体において27kPa以下の粘着剤剪断強度値を有し、基部領域の粘着層の第1の厚みが0.1mm以上0.5mm以下であり、頂点領域、第1側部領域及び第2側部領域それぞれの粘着層の第2の厚みが0.5mm以上1.0mm以下である、部材を含む。
別の実施形態においては、患者の鼻に接触し、呼吸ガスの流れを鼻に送達するように構成された鼻クッションと、鼻クッションの少なくとも一部に結合され且つ鼻クッションの少なくとも一部を取り囲む取付部材であって、取付部材が、患者インターフェースが患者によって装着されたことに応答して患者の顔に接触及び付着するように構成されている取付部材と、を含む、呼吸ガスの流れを患者の気道に送達するように構成された患者インターフェースデバイスが提供される。取付部材は接触面と、接触面に設けられた粘着層と、を有し、粘着層は、粘着層全体において40kPa以下の剥離強度値及び粘着層全体において27kPa以下の粘着剤剪断強度値を有し、その第1の領域の粘着層の第1の厚みが0.1mm以上0.5mm以下であり、その第2の領域の粘着層の第2の厚みが0.5mm以上1.0mm以下である。
本発明のこれら及び他の目的、特徴及び特性、並びに構造の関連要素の動作方法及び機能、並びに部品の組み合わせ並びに製造の経済性については、全てが本明細書の一部を成し、同様の参照符号が種々の図の対応する部品を示す添付の図面を参照して以下の説明及び添付の特許請求の範囲を考察するとより明らかになろう。しかしながら、図面は単に説明及び記載目的であり、本発明の制限の定義を意図するものではないことは特に理解されるべきである。
1つの例示的な実施形態による、患者に対し呼吸療法の方式を提供するように構成されたシステムの概略図である。 1つの例示的な実施形態による、患者に対し呼吸療法の方式を提供するように構成されたシステムの概略図である。 図1A及び図1Bのシステムの患者インターフェースデバイスの一部を形成する鼻密閉カバーの前部等角図である。 図1A及び図1Bのシステムの患者インターフェースデバイスの一部を形成する鼻密閉カバーの後部立面図である。 図1A及び図1Bのシステムの患者インターフェースデバイスの一部を形成する鼻密閉カバーの底部等角図である。 図1A及び図1Bのシステムの患者インターフェースデバイスの一部を形成する鼻密閉カバーの頂部立面図である。 別の例示的な実施形態による、患者に対し呼吸療法の方式を提供するように構成されたシステムの概略図である。 別の例示的な実施形態による、患者に対し呼吸療法の方式を提供するように構成されたシステムの概略図である。 図2A及び図2Bのシステムの患者インターフェースデバイスの一部を形成する鼻シェル部材の等角図である。 図2A及び図2Bのシステムの患者インターフェースデバイスの一部を形成する鼻シェル部材の前部立面図である。 図2A及び図2Bのシステムの患者インターフェースデバイスの一部を形成する鼻シェル部材の後部立面図である。 更に別の例示的な実施形態による患者に対し呼吸療法の方式を提供するように構成されたシステムの概略図である。 図3Aのシステムの患者インターフェースデバイスの後部立面図である。 別の代替的例示的な実施形態による、患者に対し呼吸療法の方式を提供するように構成されたシステムの概略図である。 図4Aのシステムの患者インターフェースデバイスの後部立面図である。 本発明の更なる代替的実施形態によるマスクの等角図である。 本発明の更なる代替的実施形態によるマスクの後部立面図である。 本発明の別の代替的実施形態によるマスクの後部立面図である。 本発明の更に別の代替的実施形態によるマスクの後部立面図である。 別の代替的例示的な実施形態による、患者に対し呼吸療法の方式を提供するように構成されたシステムの概略図である。 図6Aのシステムの患者インターフェースデバイスの一部を形成する取付パッドの後部立面図である。 本明細書中に記載される粘着層のいずれに用いられてもよい(規則的且つ繰り返しの)粘着剤堆積パターンの概略図である。 本明細書中に記載される粘着層のいずれに用いられてもよい(規則的且つ繰り返しの)粘着剤堆積パターンの概略図である。 本明細書中に記載される粘着層のいずれに用いられてもよい(規則的且つ繰り返しの)粘着剤堆積パターンの概略図である。 本明細書中に記載される粘着層のいずれに用いられてもよい(規則的且つ繰り返しの)粘着剤堆積パターンの概略図である。
本明細書で使用される場合、文中に別段の明確な指示のない限り、単数形「a」、「an」及び「the」には複数の参照物を含む。本明細書で使用される場合、2つ以上の部品又は構成要素が「結合される(coupled)」という文は、当該部品が接合されるか、直接的又は間接的、即ち、連結が行われる限りは1つ若しくは複数の中間部品又は構成要素を介して、のいずれかにおいて共に動作することを意味する。本明細書で使用される場合、「直接結合される(directly coupled)」は、2つの要素が互いに直に接していることを意味する。本明細書で使用される場合、「固定的に結合される(fixedly coupled)」又は「固定される(fixed)」は、2つの構成要素が互いに対し一定姿勢を維持しつつ一つとして動くように結合されることを意味する。
本明細書で使用される場合、「一体(unitary)」という語は、構成要素が単一部品又はユニットとして作製されることを意味する。つまり、別個に作製され、その後、ユニットとして共に結合された部品を含む構成要素は「一体」構成要素或いは本体ではない。本明細書で使用される場合、2つ以上の部品又は構成要素が互いに「係合する(engage)」という文は、部品が直接的又は1つ若しくは複数の中間部品若しくは構成要素を介してのいずれかにおいて互いに力を作用することを意味する。本明細書で使用される場合、用語「数(number)」は、1又は1を超える整数(即ち複数)を意味する。
本明細書で使用する場合、用語「粘着剤剪断強度(adhesive shear strength)」は、粘着部材(例えばシリコーンゴム製の、例えば裏張り片)と、特定条件(脂性、乾性等)のヒトの皮膚との間の接着の、キロパスカル(単位面積当たりの力)における剪断応力を意味する。粘着剤剪断強度と共に、剪断荷重は皮膚に平行な力により誘起される。
本明細書で使用する場合、用語「剥離強度」は、粘着部材(例えばシリコーンゴム製の、例えば裏張り片)と、特定条件(脂性、乾性等)のヒトの皮膚との間の接着の、キロパスカル(単位面積当たりの力)における引張応力を意味する。従って、「剥離強度」は、皮膚と粘着部材との間の接着を破壊する特徴が付与されたピーク応力を意味する。剥離強度と共に、引張荷重は皮膚に垂直な方向に力を印加することによって得られる。
本明細書中で使用される、例えば、頂部、底部、左、右、上部、低部、前部、後部及びそれらの派生語などであるがこれらに限定されない方向を示す文言は、図面に示される要素の向きに関するものであり、特に明記されない限りは特許請求の範囲を限定するものではない。
特許請求の範囲においては、括弧内に配置される任意の参照符号は特許請求の範囲を限定するものと解釈されるものではない。「含む(comprising)」又は「含む(including)」という語は、特許請求の範囲に列挙したもの以外の要素又はステップの存在を排除するものではない。幾つかの手段を列挙するデバイスクレームにおいては、これら手段の幾つかは同一のハードウェア物品によって具現化されてもよい。要素に先行する「a」又は「an」の語は、複数のそのような要素の存在を排除するものではない。幾つかの手段を列挙する任意のデバイスクレームにおいては、これら手段の幾つかが同一のハードウェア物品によって具現化されてもよい。相互に異なる従属請求項に特定の要素が列挙されているという単なる事実はこれら要素が組み合わせにおいて使用され得ないことを示すものではない。
1つの例示的な実施形態による、患者に対し呼吸療法の方式を提供するように構成されたシステム2が図1A及び図1Bに全体的に示される。システム2は、圧力発生デバイス4と、送達導管6と、流体カップリング導管10を有する患者インターフェースデバイス8(患者インターフェースデバイス8は図1Aの等角図及び図1Bの後部立面図に示される)と、を含む。圧力発生デバイス4は呼吸ガスの流れを発生させるように構成されており、人工呼吸器、定圧補助デバイス(持続的気道陽圧デバイス、即ちCPAPデバイスなど)、可変圧デバイス(例えば、Murrysville,Pennsylvaniaに所在のPhilips Respironicsによって製造及び販売されているBiPAP(登録商標)、Bi−Flex(登録商標)又はC−Flex(商標)デバイス)、並びに自動滴定圧支持デバイスを含んでもよいが、これらに限定されない。送達導管6は図示される実施形態においてはエルボコネクタである流体カップリング導管10を介して圧力発生デバイス4から患者インターフェースデバイス8へと呼吸ガスの流れを伝達するように構成されている。送達導管6及び患者インターフェースデバイス8は患者回路と総称されることが多い。
図1A及び図1Bに見られるように、患者インターフェースデバイス8は、患者の気道に呼吸ガスの流れを送達するのを容易にする患者密閉アセンブリ12を含む。患者密閉アセンブリ12は、鼻クッション14と、鼻クッション14に結合された鼻密閉カバー16と、を含む。
図示される実施形態においては、鼻クッション14は、シリコーン、適切に軟質の熱可塑性エラストマー、独立気泡発泡体又はそのような材料の任意の組み合わせなどであるが、これらに限定されない可撓性があり、クッション性のあるエラストマー材料で作製された「ピロー」型鼻クッションである。図1A及び図1Bに見られるように、例示的なピロー型鼻クッション14は主要本体部分18を含み、主要本体部分18はその上部側から延出する鼻プロング20A及び20B(図1B)を有する。鼻プロング20A及び20Bは患者の鼻内に受け入れられるように構成されている。或いは、鼻クッション28は患者の鼻の下に載り、患者の鼻を覆う「クレードル」型鼻クッションであっても、患者の鼻に係合するように構成された幾つかの他の適切な鼻クッション構成であってもよい。
図1C、1D、1E及び1Fは、鼻密閉カバー16のそれぞれ、前部等角図、後部立面図、底部等角図及び頂部立面図である。鼻密閉カバー16は、鼻クッション14に着脱可能に結合されるように構成されている。鼻密閉カバー16は、鼻クッション14と同様に、例示的な実施形態においては、シリコーン、適切に軟質の熱可塑性エラストマー、独立気泡発泡体又はそのような材料の任意の組み合わせなどであるが、これらに限定されない可撓性があり、クッション性のあるエラストマー材料で作製されている。鼻密閉カバー16は、また、鼻プロング20A及び20Bを取り囲み且つ覆うように構成されており、且つこの目的のため中心部22を含む(周囲空気が鼻密閉カバー16の下の鼻の外部を取り囲む)。
図1C乃至図1Eに見られるように、鼻密閉カバー16は、鼻プロング20A及び20Bを着脱可能に受け入れるための孔23A及び23Bを含む。傾斜のある密閉縁端部24は中心部22に結合されており、且つ中心部22からほぼ半径方向外側に延出している。患者インターフェースデバイス8が患者によって装着され、顔に対して鼻クッション14を支持すると、密閉縁端部24は患者の顔に係合するように構成されている。密閉縁端部24は、底部/基部領域26と、底部領域26の反対側に配置された頂点領域28と、第1側部領域30と、第1側部領域30の反対側に配置された第2側部領域32と、を含む略三角形の形状を有する。底部/基部領域26は患者の上唇/口領域に係合するように構成されており、頂点領域28は患者の鼻梁領域に係合するように構成されており(及びそのための傾斜のある凹みを含む)、第1側部領域30及び第2側部領域32は患者の頬領域に係合するように構成されている。
本実施形態の患者インターフェースデバイス8は、また、患者インターフェースデバイス8に結合されたヘッドギア装置を用いる必要なく患者の顔に固定されるように構造化されており且つ構成されている。例示的な実施形態においては、50g以下の患者インターフェースデバイスはこのようにして固定されてもよい。顔への患者インターフェースデバイス8のそのような固定は粘着層34(図1Bの破線によって示され、示されるように連続的なものとすることも、幾つかの隣接する堆積物に分割されることもできる)によって実現される。粘着層34は密閉縁端部24の内部表面の特定部分に/上に設けられ、少なくとも部分的に、粘着層34に用いられた粘着剤の、粘着剤が付与された領域全体の剪断力性能に依存する。
粘着層34に用いられる粘着剤は、例示的な実施形態においては、医療グレード及び/又は生体適合性粘着剤であり、例えば、シリコーン系粘着剤又はポリウレタン系粘着剤であってもよいが、これらに限定されない。粘着層34に用いられる1つの好適な粘着剤は、Wacker Chemie AGにより販売されているSilpuran(登録商標)2130である。Silpuran(登録商標)2130は、軟質の、粘着性を持つシリコーン粘着剤へと硬化する2成分系付加硬化型シリコーン組成物である。そのような実施においては、Silpuran(登録商標)2130の塗布には、表面処理、プライマーの塗布及び/又は人の顔のピール(皮)パターンに対し横断方向における(即ち左から右への)密閉縁端部24への表面粗化の適用を含まなくてもよい。他の好適な粘着剤としては、Dow Corning(登録商標)MG7−9900及びTechnogel(登録商標)BTGS−125AXを含むが、これらに限定されない。
例示的な実施形態においては、粘着剤及び粘着層34は、(粘着剤剪断強度、剥離強度、層厚さ及び/又は引き剥がし粘着力値に関する)以下に記載される特定の特性及び構成を有する。
更に、例示的な実施形態においては、粘着層34は以下の機械的特性を有する。第1に、粘着層34に用いられる粘着剤は、粘着剤が、シリコーン又は鼻密閉カバー16の他の材料に結合的に接着されたままとなる一方で顔に対し着脱可能に接着され得るような状態でヒトの皮膚と粘着的に反応する必要がある(粘着剤材料が患者の顔に残るリスクを軽減するために、全ての粘着剤材料は、鼻密閉カバー16に取り付けられたままとなる一方で皮膚から分離すべきである)。粘着層34は、約140mm/kPa乃至約270mm/kPaの面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比を有し、この範囲は、本発明者によって乾性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比である150及び本発明者によって脂性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比である257を含む。
粘着層34は約60mm/kPa乃至約105mm/kPaの面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比を有し、この範囲は、本発明者によって乾性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である66.3及び本発明者によって脂性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である99.5を含む。また、密閉縁端部24の内部表面上に堆積される粘着層34の厚みは0.1mm乃至1.0mmの範囲である。特に、例示的な実施形態においては、密閉縁端部24の底部/基部領域26の粘着層34の厚みは0.1mm以上0.5mm以下である(最適な粘着剤剪断強度のため)が、これは、底部/基部領域26が顔の他の部分に比べてより高密度の油を有する傾向にある患者の上唇/口領域に接するように構成されているためである。加えて、例示的な実施形態においては、密閉縁端部24の頂点領域28、第1側部領域30及び第2側部領域32の粘着層34の厚みは0.5mm以上1.0mm以下であるが、この理由は、これらの領域が、(上唇/口領域と比べて)より低密度の油を有する傾向がある患者の顔の部分に接するように構成されているためである。
更に、例示的な実施形態においては、粘着層34は、老化した、敏感な及び/又は医療的に冒された(例えば、糖尿病、皮膚疾患)皮膚の損傷を防止するために、全体にわたり、40kPa(「剥離強度限界値」)以下の剥離強度値を有する。また、例示的な実施形態においては、粘着層34は、老化した、敏感な及び/又は医療的に冒された(例えば、糖尿病、皮膚疾患)皮膚の損傷を防止するために、全体にわたり、(学術的な皮膚の機能的構造に関する文献の分析に基づく)27kPa(「粘着剤剪断強度限界値」)以下の推奨粘着剤剪断強度値を有する。代替的実施形態においては、粘着層34は、全体にわたり、(学術的な皮膚の機能的構造に関する文献の分析に基づく)18kPa以下の推奨粘着剤剪断強度値を有する。更に、例示的な実施形態においては、粘着層34は痛みを避けるために0.15乃至0.2Nmm−1の推奨引き剥がし粘着力値を有する(この限度を超えると人が粘着剤材料の取り外しによる痛みを感じることが判明している)。
別の例示的な実施形態による、患者に対し呼吸療法の方式を提供するように構成されたシステム40が全体として図2A及び図1Bに示される。システム40はシステム2と同じ構成要素を多く含み、同様の構成要素には同様の参照符号が付される。図2A及び図2Bに見られるように、システム40は別の患者インターフェースデバイス8’を含む。患者インターフェースデバイス8’は上述の患者インターフェースデバイス8に類似し、且つ本明細書中に記載される鼻密閉カバー16(例示的な実施形態においては、上述の機械的特性を有する)を含む多くの同じ構成要素を含む。しかしながら、図1Aに見られるように、患者インターフェースデバイス8’は、射出成形熱可塑性プラスチック又はシリコーンなどであるがこれらに限定されない剛性又は半剛性材料で作られた鼻シェル部材42を更に含む。
図2C、図2D及び図2Eは、それぞれ、鼻シェル部材42の等角図、前部立面図及び後部立面図である。鼻シェル部材42は、鼻の外面(オーバレイ)の形状に整合し、鼻シェル部材内に鼻密閉カバー16を受け入れるように構成されている。したがって、鼻シェル部材42は、中心部44と、底部/基部領域46と、底部領域46の反対側に配置された頂点領域48と、第1側部領域50と、第1側部領域50の反対側に配置された第2側部領域52と、を含む略三角形の形状を有する。底部/基部領域46は、鼻プロング20A及び20Bを着脱可能に受け入れるためのスロット53A及び53Bを含む。加えて、第1側部領域50は環状取付部材54Aを含み、第2側部領域52は環状取付部材54Bを含む。環状取付部材54A及び54Bは、患者インターフェースデバイス8’に追加の安定性及び支持を付与するための単一ストラップヘッドギア構成要素(不図示)のストラップ部材を受け入れるように構成されている。一実施形態においては、この追加の安定性及び支持により、粘着層34により低い剪断強度の粘着剤が用いられることも可能とし、皮膚の敏感性及び/又は皮膚の問題(糖尿病、開放創等)を有する者にとって有利となり得る。
別の代替的例示的な実施形態による、患者に対し呼吸療法の方式を提供するように構成されたシステム60が全体として図3Aに示される。システム60は、圧力発生デバイス4と、以下に詳細に記載される患者インターフェースデバイス62に結合された送達導管6(本明細書中の別の箇所に記載されるような)と、を含む。圧力発生デバイス4は呼吸ガスの流れを発生させるように構成されており、送達導管6は圧力発生デバイス4から患者インターフェースデバイス62への呼吸ガスの流れを伝達するように構成されている。送達導管6及び患者インターフェースデバイス62は患者回路と総称されることが多い。以下に記載されるように、患者インターフェースデバイス62では、睡眠中の動作時に患者との密閉を解除する可能性のあるトルクを患者インターフェースデバイス62の送達導管6から分離するため、送達導管6連結部は患者の前頭へと通される。
図3Bは、患者インターフェースデバイス62の後部立面図である。図3A及び図3Bに見られるように、例示的な実施形態においては、患者インターフェースデバイス62は、圧力発生デバイス4によって発生した呼吸ガスの流れを患者の気道へと送達するように構成された組み込み式の一体構造である。1つの特定の例示的な実施形態においては、患者インターフェースデバイス62は、シリコーン、適切に軟質の熱可塑性エラストマー、独立気泡発泡体又はそのような材料の任意の組み合わせなどであるが、これらに限定されない可撓性があり、クッション性のあるエラストマー材料で作製される。別の特定の例示的な実施形態においては、患者インターフェースデバイス62は射出成形熱可塑性プラスチック又はシリコーンなどであるがこれらに限定されない剛性又は半剛性材料で作製される。
患者インターフェースデバイス62は、患者の鼻を密閉的に覆うように構成された鼻マスク部分64と、鼻マスク部分64の頂部に流体連通し、且つ鼻マスク部分64の頂部から延出する中空送達チューブ部66と、送達チューブ部66の先端部に結合された前頭支持部68と、を含む。送達チューブ部66の先端部は、また、送達導管6が送達チューブ部66、故に、患者インターフェースデバイス62に密閉的に結合されることを可能にするように構成されたポート部70を含む。
上に示したように、鼻マスク部分64は、患者インターフェースデバイス62が患者によって装着されると患者の鼻を取り囲み且つ覆うように構成されており、且つこのための丸みのある中心部72を含む。中心部72は、鼻マスク部分64を送達チューブ部66の基端部へと流体的に連結するための孔74を含む。加えて、傾斜のある密閉縁端部76は中心部72の底部に結合されており、且つ中心部72の底部からほぼ半径方向外側に延出している。密閉縁端部76は、患者インターフェースデバイス62が患者によって装着されると患者の顔に密閉的に係合するように構成されている。
図3Bを参照すると、密閉縁端部76は、底部/基部領域78と、底部領域78の反対側に配置された頂点領域80と、第1側部領域82と、第1側部領域82の反対側に配置された第2側部領域84と、を含む略三角形の形状を有する。底部/基部領域78は患者の上唇/口領域に密閉的に係合するように構成されており、頂点領域80は患者の鼻梁領域に密閉的に係合するように構成されており(及びそのための傾斜のある凹みを含む)、第1側部領域82及び第2側部領域84は患者の頬領域に密閉的に係合するように構成されている。加えて、前頭支持部68は、患者インターフェースデバイス62が患者によって装着されると患者の前頭に係合するように構成された裏面86を含む。
本実施形態の患者インターフェースデバイス62は、また、患者インターフェースデバイス62に結合されたヘッドギア装置を用いる必要なく患者の顔に固定されるように構造化されており且つ構成されている。例示的な実施形態においては、50g以下の患者インターフェースデバイスはこのようにして固定されてもよい。顔への患者インターフェースデバイス62のそのような固定は、密閉縁端部76の内部表面の特定部分に/上に設けられた第1の粘着層88(図3Bに破線で示され、示されるように連続的なものとすることも、幾つかの隣接する堆積物に分割されることもできる)と、第2の粘着層90(同じく図3Bに破線で示され、示されるように連続的なものとすることも、幾つかの隣接する堆積物に分割されることもできる)と、によって実現される。このような顔への患者インターフェースデバイス62の固定は、少なくとも部分的に、粘着層88及び90に用いられた粘着剤の、粘着剤が付与された領域全体の剪断力性能に依存する。粘着層88及び90に用いられる粘着剤は、例示的な実施形態においては、医療グレード及び/又は生体適合性粘着剤であり、例えば、シリコーン系粘着剤又はポリウレタン系粘着剤であってもよいが、これらに限定されない。粘着層88及び90に用いられる1つの好適な粘着剤はSilpuran(登録商標)2130であり、これについては本明細書中の別の箇所に記載されている。そのような実施においては、Silpuran(登録商標)2130の塗布には、表面処理、プライマーの塗布及び/又は人の顔のピール(皮)パターンに対し横断方向における(即ち左から右への)密閉縁端部76及び裏面86への表面粗化の適用を含まなくてもよい。他の好適な粘着剤としては、Dow Corning(登録商標)MG7−9900及びTechnogel(登録商標)BTGS−125AXを含むが、これらに限定されない。
例示的な実施形態においては、粘着層88及び90は(粘着剤剪断強度、剥離強度、層厚さに関する)以下に記載される特定の特性及び構成を有する。
更に、例示的な実施形態においては、粘着層88は以下の機械的特性を有する。第1に、粘着層88に用いられる粘着剤は、粘着剤がシリコーン又は患者インターフェースデバイス62の他の材料に結合的に接着されたままとなる一方で顔に対し着脱可能に接着され得るような状態でヒトの皮膚と粘着的に反応する必要がある(粘着剤材料が患者の顔に残るリスクを軽減するために、全ての粘着剤材料は、患者インターフェースデバイス62に取り付けられたままとなる一方で皮膚から分離すべきである)。粘着層88は約110mm/kPa乃至約200mm/kPaの面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比を有し、この範囲は、本発明者によって乾性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比である115及び本発明者によって脂性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比である196を含む。粘着層88は約45mm/kPa乃至約80mm/kPaの面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比を有し、この範囲は、本発明者によって乾性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である50.7及び本発明者によって脂性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である76を含む。
また、密閉縁端部76の内部表面に堆積される粘着層88の厚みは0.1mm乃至1.0mmの範囲である。特に、例示的な実施形態においては、密閉縁端部76の底部/基部領域78の粘着層88の厚みは0.1mm以上0.5mm以下である(最適な粘着剤剪断強度のため)が、これは、底部/基部領域76が顔の他の部分に比べてより高密度の油を有する傾向にある患者の上唇/口領域に接するように構成されているためである。加えて、例示的な実施形態においては、密閉縁端部76の頂点領域80、第1側部領域82及び第2側部領域84の粘着層88の厚みは0.5mm以上1.0mm以下であるが、これは、これらの領域が、(上唇/口領域と比べて)より低密度の油を有する傾向がある患者の顔の部分に接するように構成されているためである。
加えて、例示的な実施形態においては、粘着層90は以下の機械的特性を有する。第1に、粘着層90に用いられる粘着剤は、粘着剤がシリコーン又は患者インターフェースデバイス62の他の材料に結合的に接着されたままとなる一方で顔に対し着脱可能に接着され得る(粘着剤材料が患者の顔に残るリスクを軽減するために、全ての粘着剤材料は、患者インターフェースデバイス62に取り付けられたままとなる一方で皮膚から分離すべきである)ような状態でヒトの皮膚と粘着的に反応する必要がある。粘着層90は約100mm/kPa乃至約185mm/kPaの面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比を有し、この範囲は、本発明者によって乾性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比である105及び本発明者によって脂性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比である178.5を含む。
粘着層90は約40mm/kPa乃至約75mm/kPaの面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比を有し、この範囲は、本発明者によって乾性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である46及び本発明者によって脂性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である69を含む。また、裏面86に堆積される粘着層90の厚みは0.1mm以上0.5mm以下である(最適な粘着剤剪断強度のため)が、これは、裏面86が顔の他の部分に比べてより高密度の油を有する傾向にある患者の前頭に接するように構成されているためである。
更に、例示的な実施形態においては、粘着層88及び90の両方は、老化した、敏感な及び/又は医療的に冒された(例えば、糖尿病、皮膚疾患)皮膚の損傷を防止するために、全体にわたり、40kPa(「剥離強度限界値」)以下の剥離強度値を有する。また、例示的な実施形態においては、粘着層88及び90はそれぞれ、老化した、敏感な及び/又は医療的に冒された(例えば、糖尿病、皮膚疾患)皮膚の損傷を防止するために、全体にわたり、(学術的な皮膚の機能的構造に関する文献の分析に基づく)27kPa「粘着剤剪断強度限界値」)以下の推奨粘着剤剪断強度値を有する。代替的実施形態においては、粘着層88及び90はそれぞれ、全体にわたり、(学術的な皮膚の機能的構造に関する文献の分析に基づく)18kPa以下の推奨粘着剤剪断強度値を有する。更に、例示的な実施形態においては、粘着層88及び90はそれぞれ、痛みを避けるために0.15乃至0.2Nmm−1の推奨引き剥がし粘着力値を有する(この限度を超えると人が粘着剤材料の取り外しによる痛みを感じることが判明している)。
更なる代替的実施形態においては、患者インターフェースデバイス62の鼻マスク部分64は、(送達チューブ部66に流体的に結合された)鼻クッション14と、鼻クッション14に結合された鼻密閉カバー16と(両方とも本明細書中の別の箇所に記載されるような)、を含む、本明細書中に記載される(図1A乃至図1F)患者密閉アセンブリ12に類似する構造を有する鼻ピロー型マスクに交換され得る。そのような別の患者インターフェースデバイス62はヘッドギア装置を用いる必要なく患者の顔に固定されるように構造化されており且つ構成されている。
更に別の代替的例示的な実施形態による、患者に対し呼吸療法の方式を提供するように構成されたシステム100が全体として図4Aに示される。システム100は、圧力発生デバイス4と、以下に詳細に記載される患者インターフェースデバイス102に結合された送達導管6(本明細書中の別の箇所に記載されるような)と、を含む。圧力発生デバイス4は呼吸ガスの流れを発生させるように構成されており、送達導管6は圧力発生デバイス4から患者インターフェースデバイス102へと呼吸ガスの流れを伝達するように構成されている。送達導管6及び患者インターフェースデバイス102は患者回路と総称されることが多い。
図4Bは、患者インターフェースデバイス102の後部立面図である。患者インターフェースデバイス102は、中空U字形カップリング/送達導管106に流体的に結合された患者密閉アセンブリ104を含む。患者密閉アセンブリ104は患者の気道に呼吸ガスの流れを送達するのを容易にし、且つ鼻クッション108と、鼻クッション108に結合された鼻密閉カバー110と、を含む。カップリング/送達導管106は、鼻クッション108に流体的に結合された第1部分112と、送達導管6に流体的に結合されるように構成された第2部分114と、第1部分112と第2部分114との間に設けられたU字形の湾曲部116と、を含む。図4Aに示すように、患者の頭部への患者インターフェースデバイス102の固定を補助し、且つ所定の位置における患者インターフェースデバイス102の保持を補助するために、U字形の湾曲部116は耳と頭部との間の患者の耳上にフィットするように構成される。
図示される実施形態においては、鼻クッション108は、シリコーン、適切に軟質の熱可塑性エラストマー、独立気泡発泡体又はそのような材料の任意の組み合わせなどであるが、これらに限定されない可撓性があり、クッション性のあるエラストマー材料で作製された「ピロー」型鼻クッションである。図1Bに見られるように、例示的なピロー型鼻クッション108は、鼻プロング120A及び120Bを有する主要本体部分118を含む。鼻プロング120A及び120Bは患者の鼻内に受け入れられるように構成されている。或いは、鼻クッション108は患者の鼻の下に載り、患者の鼻を覆う「クレードル」型鼻クッションであっても、患者の鼻に係合するように構成された幾つかの他の適切な鼻クッション構成であってもよい。
鼻密閉カバー110は、鼻クッション108に着脱可能に結合されるように構成されている。鼻密閉カバー110は鼻クッション108と同様に、例示的な実施形態においては、シリコーン、適切に軟質の熱可塑性エラストマー、独立気泡発泡体又はそのような材料の任意の組み合わせなどであるが、これらに限定されない可撓性があり、クッション性のあるエラストマー材料で作製されている。鼻密閉カバー110は、また、鼻プロング120A及び120Bを取り囲み且つ覆うように構成されており、且つこの目的のためスロット123を有する中心部122を含む。傾斜のある密閉縁端部124が中心部122に結合されており、且つ中心部122からほぼ半径方向外側に延出している。患者インターフェースデバイス102が患者によって装着されると密閉縁端部124は患者の顔に密閉的に係合するように構成されている。密閉縁端部124は、底部/基部領域126と、底部領域126の反対側に配置された頂点領域128と、第1側部領域130と、第1側部領域130の反対側に配置された第2側部領域132と、を含む略三角形の形状を有する。底部/基部領域126は患者の上唇/口領域に密閉的に係合するように構成されており、頂点領域128は患者の鼻梁領域に密閉的に係合するように構成されており(及びそのための傾斜のある凹みを含む)、第1側部領域130及び第2側部領域132は患者の頬領域に密閉的に係合するように構成されている。
本実施形態の患者インターフェースデバイス102は、また、患者インターフェースデバイス102に結合されたヘッドギア装置を用いる必要なく患者の顔に固定されるように構造化されており且つ構成されている。例示的な実施形態においては、50g以下の患者インターフェースデバイスはこのようにして固定されてもよい。顔への患者インターフェースデバイス102のそのような固定は、密閉縁端部126の内部表面の特定部分に/上に設けられた粘着層134によって実現される(図4Bに破線で示され、示されるように連続的なものとすることも、幾つかの隣接する堆積物に分割されることもできる)。このような手法での顔への患者インターフェースデバイス102の固定は、少なくとも部分的に、粘着層134に用いられた粘着剤の、粘着剤が付与された領域全体の剪断力性能に依存する。顔用取り外しタブ131が第1側部領域130に設けられており、顔用取り外しタブ133が第2側部領域132に設けられている。顔用取り外しタブ131及び133は引張りを促進し、マスク取り外し時における剪断成分を軽減する。
粘着層134に用いられる粘着剤は、例示的な実施形態においては、医療グレード及び/又は生体適合性粘着剤であり、例えば、シリコーン系粘着剤又はポリウレタン系粘着剤であってもよいが、これらに限定されない。粘着層134に用いられる1つの好適な粘着剤はSilpuran(登録商標)2130であり、これについては本明細書中の別の箇所に記載されている。そのような実施においては、Silpuran(登録商標)2130の塗布には、表面処理、プライマーの塗布及び/又は人の顔のピール(皮)パターンに対し横断方向における(即ち左から右への)密閉縁端部124への表面粗化の適用を含まなくてもよい。他の好適な粘着剤としては、Dow Corning(登録商標)MG7−9900及びTechnogel(登録商標)BTGS−125AXを含むが、これらに限定されない。
例示的な実施形態においては、粘着層134は(粘着剤剪断強度、剥離強度、層厚さに関する)以下に記載される特定の特性及び構成を有する。
更に、例示的な実施形態においては、粘着層134は以下の機械的特性を有する。第1に、粘着層134に用いられる粘着剤は、粘着剤がシリコーン又は鼻密閉カバー110の他の材料に結合的に接着されたままとなる一方で顔に対し着脱可能に接着され得るような状態でヒトの皮膚と粘着的に反応する必要がある(粘着剤材料が患者の顔に残るリスクを軽減するために、全ての粘着剤材料は、鼻密閉カバー110に取り付けられたままとなる一方で皮膚から分離すべきである)。粘着層134は、約140mm/kPa乃至約270mm/kPaの面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比を有し、この範囲は、本発明者によって乾性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比である150及び本発明者によって脂性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比である257を含む。
粘着層134は約60mm/kPa乃至約105mm/kPaの面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比を有し、この範囲は、本発明者によって乾性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である66.3及び本発明者によって脂性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である99.5を含む。また、密閉縁端部124の内部表面上に堆積される粘着層134の厚みは0.1mm乃至1.0mmの範囲である。特に、例示的な実施形態においては、密閉縁端部124の底部/基部領域126の粘着層134の厚みは0.1mm以上0.5mm以下である(最適な粘着剤剪断強度のため)が、これは、底部/基部領域126が顔の他の部分に比べてより高密度の油を有する傾向にある患者の上唇/口領域に接するように構成されているためである。加えて、例示的な実施形態においては、密閉縁端部124の頂点領域128、第1側部領域130及び第2側部領域132の粘着層134の厚みは0.5mm以上1.0mm以下であるが、これは、これらの領域が、(上唇/口領域と比べて)より低密度の油を有する傾向がある患者の顔の部分に接するように構成されているためである。
更に、例示的な実施形態においては、粘着層134は、老化した、敏感な及び/又は医療的に冒された(例えば、糖尿病、皮膚疾患)皮膚の損傷を防止するために、全体にわたり、40kPa(「剥離強度限界値」)以下の剥離強度値を有する。また、例示的な実施形態においては、粘着層134は、老化した、敏感な及び/又は医療的に冒された(例えば、糖尿病、皮膚疾患)皮膚の損傷を防止するために、全体にわたり、(学術的な皮膚の機能的構造に関する文献の分析に基づく)27kPa(「粘着剤剪断強度限界値」)以下の推奨粘着剤剪断強度値を有する。代替的実施形態においては、粘着層134は、全体にわたり、(学術的な皮膚の機能的構造に関する文献の分析に基づく)18kPa以下の推奨粘着剤剪断強度値を有する。更に、例示的な実施形態においては、粘着層134は、痛みを避けるために0.15乃至0.2Nmm−1の推奨引き剥がし粘着力値を有する(この限度を超えると人が粘着剤材料の取り外しによる痛みを感じることが判明している)。
図5Aは、本発明の更なる代替的実施形態によるマスク140の等角図であり、図5Bは、本発明の更なる代替的実施形態によるマスク140の後部立面図である。図示される実施形態においては、マスク140はフルフェイスマスク型マスクであるが、マスク140は、また、鼻マスクであってもよいことは理解されよう。マスク140は、エルボ導管などの流体カップリングデバイスに流体連通するための構造とされた穴144を有する面板142を含む。例示的な実施形態においては、面板142は射出成形熱可塑性プラスチック又はシリコーンなどであるがこれらに限定されない剛性又は半剛性材料で作られている。マスク140は、面板142に結合されたクッション146を更に含む。クッション146は、患者の顔に密閉的に係合するように構成されており、シリコーン、適切に軟質の熱可塑性エラストマー、独立気泡発泡体又はそのような材料の任意の組み合わせなどであるが、これらに限定されない可撓性があり、クッション性のあるエラストマー材料で作製される。
クッション146は略三角形の形状を有し、底部/基部領域150と、底部領域150の反対側に配置された頂点領域152と、第1側部領域154と、第1側部領域154の反対側に配置された第2側部領域156と、を含む密閉面148を含む。底部/基部領域150は患者の下唇/口領域に密閉的に係合するように構成されており、頂点領域152は患者の鼻梁領域に密閉的に係合するように構成されており、第1側部領域154及び第2側部領域156は患者の頬領域に密閉的に係合するように構成されている。
例えば、適切なヘッドギアを用いた患者の顔へのマスク140の固定を容易にするために、粘着層158、160、162、164A及び164Bが密閉面148の特定部分に/上に設けられている。粘着層158、160、162、164A及び164Bに用いられる粘着剤は、例えば、シリコーン系粘着剤又はポリウレタン系粘着剤であってもよいが、これらに限定されない。例示においては、漏洩が存在し、従って、そのような漏洩の克服のために、通常、より高いストラップ力(strapping force)を要する選択領域に粘着層158、160、162、164A及び164Bが設けられる。特に、粘着層158が底部/基部領域150に設けられ、粘着層160が第1側部領域154に設けられ、粘着層162が第2側部領域156に設けられ、粘着層164A及び164Bが頂点領域152の両側に設けられている。
例示的な実施形態においては、粘着剤及び粘着層158、160、162、164A及び164Bは(粘着剤剪断強度、剥離強度、層厚さに関する)以下に記載される特定の特性及び構成を有する。
更に、例示的な実施形態においては、粘着層158は約10mm/kPa乃至約25mm/kPaの面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比を有し、この範囲は、本発明者によって乾性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比である14及び本発明者によって脂性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比である23を含む。粘着層158は約4mm/kPa乃至約12mm/kPaの面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比を有し、この範囲は、本発明者によって乾性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である6.16及び本発明者によって脂性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である9.2を含む。また、粘着層158の厚みは0.1mm以上0.5mm以下である(最適な粘着剤剪断強度のため)が、これは、底部/基部領域150が顔の他の部分に比べてより高密度の油を有する傾向にある患者の下唇/口/顎領域に接するように構成されているためである。
また、例示的な実施形態においては、粘着層160及び162はそれぞれ、約5mm/kPa乃至約15mm/kPaの面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比を有し、この範囲は、本発明者によって乾性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比である7.4及び本発明者によって脂性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比である13.2を含む。粘着層160及び162はそれぞれ、約2mm/kPa乃至約7mm/kPaの面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比を有し、この範囲は、本発明者によって乾性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である3.4及び本発明者によって脂性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である5.14を含む。また、各粘着層160及び162の厚みは0.5mm以上1.0mm以下である(最適な粘着剤剪断強度のため)が、これは、第1側部領域154及び第2側部領域156が(下唇/口/顎領域と比べて)より低密度の油を有する傾向がある患者の顔の部分(頬)に接するように構成されているためである。
加えて、例示的な実施形態においては、粘着層164A及び164Bはそれぞれ、約5mm/kPa乃至約13mm/kPaの面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比を有し、この範囲は、本発明者によって乾性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比である6.83及び本発明者によって脂性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比である11.5を含む。粘着層164A及び164Bはそれぞれ、約2mm/kPa乃至約6mm/kPaの面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比を有し、この範囲は、本発明者によって乾性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である3及び本発明者によって脂性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である4.5を含む。また、各粘着層164A及び164Bの厚みは0.5mm以上1.0mm以下である(最適な粘着剤剪断強度のため)が、これは、頂点領域152が(下唇/口/顎領域と比べて)より低密度の油を有する傾向がある患者の顔の部分(頬)に接するように構成されているためである。
更に、例示的な実施形態においては、粘着層158、160、162、164A及び164Bはそれぞれ、老化した、敏感な及び/又は医療的に冒された(例えば、糖尿病、皮膚疾患)皮膚の損傷を防止するために、全体にわたり、40kPa(「剥離強度限界値」)以下の剥離強度値を有する。また、例示的な実施形態においては、粘着層158、160、162、164A及び164Bはそれぞれ、老化した、敏感な及び/又は医療的に冒された(例えば、糖尿病、皮膚疾患)皮膚の損傷を防止するために、全体にわたり、(学術的な皮膚の機能的構造に関する文献の分析に基づく)27kPa(「粘着剤剪断強度限界値」)以下の推奨粘着剤剪断強度値を有する。代替的実施形態においては、粘着層158、160、162、164A及び164Bはそれぞれ、全体にわたり、(学術的な皮膚の機能的構造に関する文献の分析に基づく)18kPa以下の推奨粘着剤剪断強度値を有する。更に、例示的な実施形態においては、粘着層l158、160、162、164A及び164Bはそれぞれ、痛みを避けるために0.15乃至0.2Nmm−1の推奨引き剥がし粘着力値を有する(この限度を超えると人が粘着剤材料の取り外しによる痛みを感じることが判明している)。
図5Cは、本発明の別の代替的実施形態によるマスク140’の後部立面図である。マスク140’はマスク140に類似しており、同様の部品には同様の参照符号が付される。加えて、例えば、適切なヘッドギアを用いた患者の顔へのマスク140’の固定を容易にするために、粘着層158’及び164’が密閉面148の特定部分に/上に設けられている。マスク140’の粘着層の位置は本発明者によって、特に白人系/系統の者に一般的な顔の特徴及び/又は構造に好適となるように決定されている。特に、粘着層158’は、底部/基部領域150の両側の、第1側部領域154及び第2側部領域156にそれぞれ直に隣接する箇所に設けられており、粘着層164’は、頂点領域152に、頂点領域152の一方の側から頂点領域152の中間部を通り他方の側へとまたがって設けられている。例示的な実施形態においては、粘着剤及び粘着層158’及び164’はマスク140に関して上述した(粘着剤剪断強度、剥離強度、層厚さに関する)特定の特性及び構成を有する。特に、粘着層158’はそれぞれ約4mm/kPa乃至約12mm/kPaの面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比を有し、この範囲は、本発明者によって乾性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である6.16及び本発明者によって脂性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である9.2を含む。
また、各粘着層158’の厚みは0.1mm以上0.5mm以下である(最適な粘着剤剪断強度のため)が、これは、底部/基部領域150が顔の他の部分に比べてより高密度の油を有する傾向にある患者の下唇/口/顎領域に接するように構成されているためである。粘着層164’は約2mm/kPa乃至約6mm/kPaの面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比を有し、この範囲は、本発明者によって乾性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である3及び本発明者によって脂性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である4.5を含む。また、粘着層164’の厚みは0.5mm以上1.0mm以下である(最適な粘着剤剪断強度のため)が、これは、頂点領域152が(下唇/口/顎領域と比べて)より低密度の油を有する傾向がある患者の顔の部分(頬)に接するように構成されているためである。
図5Dは、本発明の更に別の代替的実施形態によるマスク140”の後部立面図である。マスク140”はマスク140に類似しており、同様の部品には同様の参照符号が付されている。加えて、例えば、適切なヘッドギアを用いた患者の顔へのマスク140”の固定を容易にするために、粘着層158”及び160”は密閉面148の特定部分に/上に設けられている。マスク140”の粘着層の位置は、本発明者によって、特に、アジア系/系統の者に一般的な顔の特徴及び/又は構造に好適となるように決定されている。特に、粘着層158”は底部/基部領域150の両側の、第1側部領域154及び第2側部領域156にそれぞれ直に隣接する箇所に設けられており、粘着層160”は、第1側部領域154及び第2側部領域156それぞれに、頂点領域152に直に隣接して設けられている。例示的な実施形態においては、粘着剤及び粘着層158”及び160”はマスク140に関して上述した(粘着剤剪断強度、剥離強度、層厚さに関する)特定の特性及び構成を有する。特に、粘着層158”はそれぞれ約4mm/kPa乃至約12mm/kPaの面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比を有し、この範囲は、本発明者によって乾性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である6.16及び本発明者によって脂性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である9.2を含む。
また、各粘着層158”の厚みは0.1mm以上0.5mm以下である(最適な粘着剤剪断強度のため)が、これは、底部/基部領域150が顔の他の部分に比べてより高密度の油を有する傾向にある患者の下唇/口/顎領域に接するように構成されているためである。粘着層160”はそれぞれ約5mm/kPa乃至約15mm/kPaの面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比を有し、この範囲は、本発明者によって乾性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比である7.4及び本発明者によって脂性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比である13.2を含む。粘着層160”はそれぞれ約2mm/kPa乃至約7mm/kPaの面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比を有し、この範囲は、本発明者によって乾性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である3.4及び本発明者によって脂性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である5.14を含む。また、各粘着層160”の厚みは0.5mm以上1.0mm以下である(最適な粘着剤剪断強度のため)が、これは、第1側部領域154、及び第2側部領域156が(下唇/口/顎領域と比べて)より低密度の油を有する傾向がある患者の顔の部分(頬)に接するように構成されているためである。
更に別の例示的な実施形態による患者に対し呼吸療法の方式を提供するように構成されたシステム170が全体として図6Aに示される。システム170は、圧力発生デバイス4と、以下に詳細に記載される患者インターフェースデバイス172に結合された送達導管6(本明細書中の別の箇所に記載されるような)と、を含む。圧力発生デバイス4は呼吸ガスの流れを発生させるように構成されており、送達導管6は圧力発生デバイス4から患者インターフェースデバイス62への呼吸ガスの流れを伝達するように構成されている。送達導管6及び患者インターフェースデバイス172は患者回路と総称されることが多い。
図6Aに見られるように、患者インターフェースデバイス172は、患者密閉アセンブリ176に結合されたエルボ導管174を含む。患者密閉アセンブリ176は患者の気道に呼吸ガスの流れを送達するのを容易にする。患者密閉アセンブリ176は、鼻クッション178と、鼻クッション178に結合された取付パッド180と、を含む。
図示される実施形態においては、鼻クッション178はシリコーン、適切に軟質の熱可塑性エラストマー、独立気泡発泡体又はそのような材料の任意の組み合わせなどであるが、これらに限定されない可撓性があり、クッション性のあるエラストマー材料で作製された「ピロー」型鼻クッションである。例示的なピロー型鼻クッション178は主要本体部分を含み、主要本体部分はその上部側から延出する鼻プロング182A及び182Bを有する。鼻プロング182A及び182Bは患者の鼻内に受け入れられるように構成されている。或いは、鼻クッション178患者の鼻の下に載り、患者の鼻を覆う「クレードル」型鼻クッションであっても、患者の鼻に係合するように構成された幾つかの他の適切な鼻クッション構成であってもよい。
本実施形態の患者インターフェースデバイス172は、また、患者インターフェースデバイス172に結合されたヘッドギア装置を用いる必要なく患者の顔に固定されるように構造化されており且つ構成されている。例示的な実施形態においては、50g以下の患者インターフェースデバイスはこのようにして固定されてもよい。顔への患者インターフェースデバイス172のそのような固定は幾つかの粘着層(以下に記載される)によって実現される。幾つかの粘着層は、取付パッド180の内部表面の特定部分に/上に設けられ、少なくとも部分的に、粘着層に用いられた粘着剤の、粘着剤が付与された領域全体の剪断力性能に依存する。以下に記載される、粘着層に用いられる粘着剤は、例えば、シリコーン系粘着剤又はポリウレタン系粘着剤であってもよいが、これらに限定されない。
図6Bは、取付パッド180の後部等角図である。取付パッド180は、図6Aに示すように鼻クッション178に係合及び結合し得るように、取付パッド180の中心本体184に設けられた中央オリフィス182内にエルボ導管174の一部を挿入することによって鼻クッション178及びエルボ導管174に着脱可能に結合されるように構成されている。取付パッド180は、鼻クッション178と同様に、例示的な実施形態においては、シリコーン、適切に軟質の熱可塑性エラストマー、独立気泡発泡体又はそのような材料の任意の組み合わせなどであるが、これらに限定されない可撓性があり、クッション性のあるエラストマー材料で作製されている。
図6Bを参照すると、取付パッド180は、中心本体184の第1の側から延出する第1のアーム部材186Aと、中心本体184の第2の側から延出する第2のアーム部材186Bと、を更に含む。第1のアーム部材186Aはその先端部に長円形頬取付部188Aを含み、同様に、第2のアーム部材186Bはその先端部に長円形頬取付部188Bを含む。図6Bに見られるように、頬取付部188Aは、その裏側に粘着層190Aを含み、頬取付部188Bはその裏側に粘着層190Bを含む。
取付パッド180は、また、中心本体184の頂部部分から脚194A及び194Bによって延出し、中心本体184と共に鼻オリフィス196を画定する鼻取付部材192を更に含む。鼻取付部材192は、第1の拡張部材200Aと、第2の拡張部材200Bと、第1の拡張部材200Aと第2の拡張部材200Bとの間に設けられた狭い連結部材202と、を含む鼻梁部198を更に含む(第1の拡張部材200A及び第2の拡張部材200Bが連結部材202から下方に延出して患者の鼻柱を受けるための鼻オリフィス196の弧形部を画定する)。鼻梁部198はその裏側に粘着層204を含む。
例示的な実施形態においては、粘着剤及び粘着層190A、190B及び204は(粘着剤剪断強度、剥離強度、層厚さに関する)以下に記載される特定の特性及び構成を有する。
更に、例示的な実施形態においては、粘着層190A及び190Bはそれぞれ、約100mm/kPa乃至約180mm/kPaの面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比を有し、この範囲は、本発明者によって乾性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比である104及び本発明者によって脂性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比である176を含む。粘着層190A及び190Bはそれぞれ、約40mm/kPa乃至約72mm/kPaの面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比を有し、この範囲は、本発明者によって乾性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である45.6及び本発明者によって脂性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である68.4を含む。また、粘着層190A及び190Bの厚みは0.5mm以上1.0mm以下である(最適な粘着剤剪断強度のため)が、これは、頬取付部188A及び188Bがより低密度の油を有する傾向がある患者の顔の部分に接するように構成されているためである。
また、例示的な実施形態においては、粘着層204は約32mm/kPa乃至約68mm/kPaの面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比を有し、この範囲は、本発明者によって乾性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比である37及び本発明者によって脂性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比である63を含む。粘着層204は約10mm/kPa乃至約30mm/kPaの面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比を有し、この範囲は、本発明者によって乾性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である6.2及び本発明者によって脂性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である24.3を含む。また、各粘着層204の厚みは0.5mm以上1.0mm以下である(最適な粘着剤剪断強度のため)が、これは、第1側部領域154及び第2側部領域156が(下唇/口/顎領域と比べて)より低密度の油を有する傾向がある患者の顔の部分(頬)に接するように構成されているためである。
加えて、例示的な実施形態においては、粘着層164A及び164Bはそれぞれ約5mm/kPa乃至約13mm/kPaの面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比を有し、この範囲は、本発明者によって乾性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比である6.83及び本発明者によって脂性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比である11.5を含む。粘着層164A及び164Bはそれぞれ約2mm/kPa乃至約6mm/kPaの面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比を有し、この範囲は、本発明者によって乾性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である3及び本発明者によって脂性皮膚に最適であると判断された面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比である4.5を含む。また、各粘着層164A及び164Bの厚みは0.1mm以上0.5mm以下である(最適な粘着剤剪断強度のため)が、これは、鼻梁部198がより高密度の油を有する傾向がある患者の顔の部分に接するように構成されているためである。
更に、例示的な実施形態においては、粘着層190A、190B及び204はそれぞれ、老化した、敏感な及び/又は医療的に冒された(例えば、糖尿病、皮膚疾患)皮膚の損傷を防止するために、全体にわたり、40kPa(「剥離強度限界値」)以下の剥離強度値を有する。また、例示的な実施形態においては、粘着層190A、190B及び204はそれぞれ、老化した、敏感な及び/又は医療的に冒された(例えば、糖尿病、皮膚疾患)皮膚の損傷を防止するために、全体にわたり、(学術的な皮膚の機能的構造に関する文献の分析に基づく)27kPa(「粘着剤剪断強度限界値」)以下の推奨粘着剤剪断強度値を有する。代替的実施形態においては、粘着層190A、190B及び204はそれぞれ、全体にわたり、(学術的な皮膚の機能的構造に関する文献の分析に基づく)18kPa以下の推奨粘着剤剪断強度値を有する。更に、例示的な実施形態においては、粘着層190A、190B及び204はそれぞれ、痛みを避けるために0.15乃至0.2Nmm−1の推奨引き剥がし粘着力値を有する(この限度を超えると人が粘着剤材料の取り外しによる痛みを感じることが判明している)。
図7A乃至図7Dは、本明細書中に記載される粘着層のいずれに用いられてもよい幾つかの粘着剤堆積パターン(規則的且つ繰り返しの)の概略図である。粘着剤堆積パターンはそれぞれ、皮膚への/皮膚からの空気/湿気の効率的且つ最適な伝達を可能にするように構成されている。図7Aは、複数の丸い粘着剤ドット/スポットを含むパターン210Aを示し、複数の丸い粘着剤ドット/スポットはそれらが付与される表面上に間隔を空けて配置されている。図7Bは、複数の四角形の粘着剤堆積物を含むチェッカーボードパターンの形態のパターン210Bを示し、複数の四角形の粘着剤堆積物はそれらが付与される表面上に間隔を空けて配置されている。図7Cは、複数の略平行の粘着剤ストリップを含むパターン210Cを示し、複数の略平行の粘着剤ストリップは複数の略平行の粘着剤ストリップが付与される表面に沿って間隔を空けて配置されている。一実施形態においては、ストリップのピッチ(即ち間隔)は、ストリップが互いに約50乃至500μm離間して配置されるような程度である。最後に、図7Dは、重なり合ったメッシュ/グリッドパターンで付与される複数の粘着剤ストリップを含むパターン210Dを示す。
1つ又は複数の特定の例示的な実施形態においては、鼻密閉カバー16、鼻マスク部分64、鼻密閉カバー110、クッション146又は取付パッド180は、シリコーン基材を含み、シリコーン基材上に親水性シリコーン層が設けられた積層構造を有してもよく、図7A乃至図7Dのいずれかに示される粘着剤パターンが親水性シリコーン層に塗布される。本発明者は、このような積層構造により透水性が向上し、湿気の蓄積に関する課題が克服されることを見出した。親水性シリコーン層に好適な親水性シリコーンについてはPCT出願公開である、国際公開第2013/001438号、国際公開第2013/001487号及び国際公開第2013/001506号に記載されており、そのそれぞれの内容は参照により本明細書中に組み込まれる。
説明のため、現在最も実際的且つ好適な実施形態であると考えられるものに基づき本発明を詳細に記載したが、そのような詳細は単に同目的のためのものであり、本発明は開示される実施形態に限定されず、逆に、添付の特許請求の範囲の範囲及び趣旨内の改良形態及び等価配置を包含することを意図することは理解されるべきである。例えば、本発明は、可能な範囲で、任意の実施形態の1つ又は複数の特徴が任意の他の実施形態の1つ又は複数の特徴と組み合わせられ得るものとすることは理解されるべきである。

Claims (20)

  1. 呼吸ガスの流れを患者の気道に送達する患者インターフェースデバイスであって、前記患者インターフェースデバイスは、
    前記患者インターフェースデバイスが患者によって装着されたことに応答して患者の顔に接触及び付着するように構成された部材であって、前記部材が、基部領域と、前記基部領域の反対側に位置する頂点領域と、第1側部領域と、前記第1側部領域の反対側に位置する第2側部領域と、を含む接触面を有し、前記部材が前記接触面上に提供された粘着層を有し、前記粘着層が、前記粘着層全体において40kPa以下の剥離強度値及び前記粘着層全体において27kPa以下の粘着剤剪断強度値を有し、前記基部領域の前記粘着層の第1の厚みが0.1mm以上0.5mm以下であり、前記頂点領域、前記第1側部領域及び前記第2側部領域それぞれの前記粘着層の第2の厚みが0.5mm以上1.0mm以下である、部材を含む、患者インターフェースデバイス。
  2. 前記粘着層が、約140mm/kPa乃至約270mm/kPaの面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比及び約60mm/kPa乃至約105mm/kPaの面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比を有する、請求項1に記載の患者インターフェースデバイス。
  3. 前記部材が、患者の鼻を密閉的に覆う鼻マスク部分であり、当該患者インターフェースデバイスが、前記鼻マスク部分の頂部に流体連通され、且つ前記鼻マスク部分の頂部から延出する中空送達チューブ部と、前記送達チューブ部の先端部に結合された前頭支持部と、を更に含み、第2の粘着層が前記前頭支持部の裏面に付与され、前記第2の粘着層が、前記第2の粘着層全体にわたり40kPa以下の剥離強度値及び前記第2の粘着層全体にわたり27kPa以下の粘着剤剪断強度値を有する、請求項1に記載の患者インターフェースデバイス。
  4. 前記粘着層が、約110mm/kPa乃至約200mm/kPaの面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比及び約45mm/kPa乃至約80mm/kPaの面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比を有し、前記第2の粘着層が、約100mm/kPa乃至約185mm/kPaの面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比及び約40mm/kPa乃至約75mm/kPaの面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比を有する、請求項3に記載の患者インターフェースデバイス。
  5. 前記部材が、患者の鼻に接触し、呼吸ガスの前記流れを鼻に送達するように構成された鼻クッションであり、前記部材が前記鼻クッションに結合された鼻密閉カバーであり、前記鼻密閉カバーが前記鼻クッションの、鼻に接触している部分を取り囲み且つ覆っている、請求項1に記載の患者インターフェースデバイス。
  6. 前記粘着層が、約140mm/kPa乃至約270mm/kPaの面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比及び約60mm/kPa乃至約105mm/kPaの面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比を有する、請求項5に記載の患者インターフェースデバイス。
  7. 前記鼻クッションが複数の鼻プロングを有するピロー型鼻クッションであり、前記鼻密閉カバーが前記鼻プロングを取り囲み且つ覆っている、請求項5に記載の患者インターフェースデバイス。
  8. 鼻の外面の形状に整合する鼻シェル部材であって、前記鼻シェル部材内に前記鼻密閉カバーを受け入れる前記鼻シェル部材を更に含み、前記鼻シェル部材が、ヘッドギア構成要素のストラップ部材を受け入れる1つ又は複数の取付部材を有する、請求項5に記載の患者インターフェースデバイス。
  9. 前記鼻クッションに流体的に結合された送達導管部材を更に含み、前記送達導管部材は、前記患者インターフェースが患者によって装着されたことに応答して患者の耳上及び後ろにフィットするU字形の湾曲部を有する、請求項5に記載の患者インターフェースデバイス。
  10. 前記部材がクッションを有するマスクであり、前記接触面が前記クッションの一部であり、前記粘着層が、前記基部領域内に設けられた第1の粘着部と、前記第1側部領域内に設けられた第2の粘着部と、前記第2側部領域内に設けられた第3の粘着部と、前記頂点領域内に設けられた第4の粘着部と、を含み、前記第1の粘着部が、約10mm/kPa乃至約25mm/kPaの面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比及び約4mm/kPa乃至約12mm/kPaの面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比を有し、前記第2の粘着部及び前記第3の粘着部がそれぞれ、約5mm/kPa乃至約15mm/kPaの面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比及び約2mm/kPa乃至約7mm/kPaの面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比を有し、前記第4の粘着部が約5mm/kPa乃至約13mm/kPaの面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比及び約2mm/kPa乃至約6mm/kPaの面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比を有する、請求項1に記載の患者インターフェースデバイス。
  11. 前記部材がクッションを有するマスクであり、前記接触面が前記クッションの一部であり、前記粘着層が、前記基部領域の両側の、前記第1側部領域及び前記第2側部領域にそれぞれ直に隣接する箇所に設けられた第1及び第2の粘着部と、前記頂点領域に、前記頂点領域の一方の側から前記頂点領域の中間部を通り他方の側へとまたがって設けられた第3の粘着部と、を含む、請求項1に記載の患者インターフェースデバイス。
  12. 前記部材がクッションを有するマスクであり、前記接触面が前記クッションの一部であり、前記粘着層が、前記基部領域の両側の、前記第1側部領域及び前記第2側部領域にそれぞれ直に隣接する箇所に設けられた第1及び第2の粘着部と、前記第1側部領域及び前記第2側部領域それぞれに、前記頂点領域に直に隣接して設けられている第3及び第4の粘着部と、を含む、請求項1に記載の患者インターフェースデバイス。
  13. 前記粘着層が、複数の丸く且つ間隔を空けて配置されたドット、略平行なストリップのチェッカーボードパターン、及び重なり合ったメッシュ/グリッドパターンで設けられた複数のストリップからなる群から選択される規則的なパターンで設けられている、請求項1に記載の患者インターフェースデバイス。
  14. 前記部材が、シリコーン基材を有し、前記シリコーン基材上に親水性シリコーン層が設けられた積層構造を含み、前記粘着層が前記親水性シリコーン層上に設けられている、請求項1に記載の患者インターフェースデバイス。
  15. 前記粘着層が、前記粘着層全体において0.15乃至0.2Nmm−1の引き剥がし粘着力値を有する、請求項1に記載の患者インターフェースデバイス。
  16. 呼吸ガスの流れを患者の気道に送達する患者インターフェースデバイスであって、前記患者インターフェースデバイスは、
    患者の鼻に接触し、呼吸ガスの前記流れを鼻に送達するように構成された鼻クッションと、
    前記鼻クッションの少なくとも一部に結合され且つ前記鼻クッションの少なくとも一部を取り囲む取付部材であって、前記取付部材は、前記患者インターフェースが患者によって装着されたことに応答して患者の顔に接触及び付着し、前記取付部材が、接触面と、前記接触面上に提供された粘着層と、を有し、前記粘着層が、前記粘着層全体において40kPa以下の剥離強度値及び前記粘着層全体において27kPa以下の粘着剤剪断強度値を有し、前記粘着層の第1の領域の前記粘着層の第1の厚みが0.1mm以上0.5mm以下であり、前記粘着層の第2の領域の前記粘着層の第2の厚みが0.5mm以上1.0mm以下である、取付部材と、
    を含む、患者インターフェースデバイス。
  17. 前記鼻クッションが複数の鼻プロングを有するピロー型鼻クッションであり、前記取付部材が前記鼻プロングを取り囲み且つ覆っている鼻密閉カバーである、請求項16に記載の患者インターフェースデバイス。
  18. 前記取付部材が、中心本体と、前記中心本体の第1の側から延出する第1のアーム部材と、前記中心本体の第2の側から延出する第2のアーム部材と、を有し、前記第1のアーム部材がその先端部に第1の頬取付部を有し、前記第2のアーム部材がその先端部に第2の頬取付部を有し、前記粘着層が、前記第1の頬取付部の裏側に設けられた第1の粘着部と、前記第2の頬取付部の裏側に設けられた第2の粘着部と、を含み、前記取付部材が、前記中心本体の頂部部分から延出し、前記中心本体と共に鼻オリフィスを画定する鼻取付部材を更に含み、前記粘着層が、前記鼻取付部材の裏側に設けられた第3の粘着部を含む、請求項16に記載の患者インターフェースデバイス。
  19. 前記第1の領域が前記第3の粘着部を含み、前記第2の領域が前記第1の粘着部及び前記第2の粘着部を含む、請求項18に記載の患者インターフェースデバイス。
  20. 前記第1の粘着部及び前記第2の粘着部がそれぞれ、約100mm/kPa乃至約180mm/kPaの面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比及び約40mm/kPa乃至約72mm/kPaの面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比を有し、前記第3の粘着部が、約32mm/kPa乃至約68mm/kPaの面積(mm)の粘着剤剪断強度(kPa)に対する比及び約10mm/kPa乃至約30mm/kPaの面積(mm)の剥離強度(kPa)に対する比を有する、請求項19に記載の患者インターフェースデバイス。
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