JP6045472B2 - マクラギ横移動ジャッキ - Google Patents

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本発明は、鉄道用のレールを支持するマクラギを横方向に移動させるマクラギ横移動ジャッキに関する。
鉄道用のレールやマクラギは、列車の通過や気温の変化、風雨の影響等により、経時的に上下、左右に変位が生じており、これらは高低変位や軌間変位、通り変位などと呼ばれている。例えば、図1は、レールRとマクラギMが左右に変位する通り変位を示しており、A地点では点線で示す基準線よりレールRの内側に変位しているので−の変位が生じており、そのA地点の反対側であるB地点では点線で示す基準線よりレールRの外側に変位しているので+の変位が生じている。このような各種変位が安全基準をオーバーしたとき場合には、点線で示す基準線内の正規の通りにレールRやマクラギMを押して戻す作業を「通り整正」と称し、従来は重いバールを各人が使用して、15〜20人掛かりで行っており、非常に負担の大きい作業であった(例えば、特許文献1の従来技術の参照。)。
特開平6−81304号公報
ところで、例えば、新幹線などのマクラギのようにその重量が在来線のマクラギに比べて約1.4〜1.5倍以上になって大型になると、レールとマクラギを一体で移動させる整正作業は、非常に困難であった。
そのため、レールとマクラギを一体で移動させる整正作業に代わる方法として、例えば、タイプレート等のレールとマクラギを固定している固定ボルトを緩め、一定の区間でマクラギからレールとタイプレート等を浮かした状態にして、レールとマクラギとを別にそれぞれ元の位置まで押戻す方法が考えられている。
しかしながら、上述の特許文献1の従来技術のように重いバールを使用して新幹線などの大型のマクラギを移動することは、作業者にとって作業負担がとても大きく、マクラギだけを横移動させるためのマクラギ横移動ジャッキが要求されていた。
そこで、本発明はこのような問題点に着目してなされたもので、作業者に大きな作業負担を掛けることなく、レールとは別にマクラギを横方向に簡単に移動させることができる簡易なマクラギ横移動ジャッキを提供することを目的とする。
前記課題を解決するため、本発明のマクラギ横移動ジャッキは、マクラギの端面に対向し基板の両側から一対の突出片部が延びると共に、基板のほぼ中央にピストンが通るピストン用挿通孔が形成された平面視ほぼコ字形状のジャッキ本体と、そのジャッキ本体の基板のピストン用挿通孔の周囲に先端部が固定され、その先端側からピストン用挿通孔を介してピストンを進退させ、ピストンの先端部でマクラギを押して横方向に移動させるシリンダ本体とを有し、ジャッキ本体の両側の一対の突出片部の上面側には、それぞれ、ジャッキ本体の基板側とは反対側となるレールの底部に係止するレール係止部が設けられており、シリンダ本体のピストンによってマクラギを押して横方向に移動させる際、レールの底部に係止したレール係止部から反力を得て、マクラギを横方向に移動させるマクラギ横移動ジャッキであって、ジャッキ本体の両側の一対の突出片部の上面側には、それぞれ、さらに、レール係止部と基板との間に長さの調整可能な突っ張り部材の一端部が当接する突っ張り部材当接部が設けられており、突っ張り部材の一端部は、突っ張り部材当接部に当接させる一方、突っ張り部材の他端部は、レールのあご部または上首部に当接させることを特徴とする。
ここで、ジャッキ本体の両側の一対の突出片部それぞれの下面側における少なくとも突っ張り部材当接部から基板までの間には、さらに一対の突出片部と基板との間を補強するための補強部材が設けられているとさらに良い。
本発明のマクラギ横移動ジャッキは、一対の突出片部と基板とからなる平面視ほぼコ字形状のジャッキ本体と、シリンダ本体とを有し、ジャッキ本体の両側の一対の突出片部の上面側には、それぞれ、ジャッキ本体の基板側とは反対側となるレールの底部に係止するレール係止部が設けられており、シリンダ本体のピストンによってマクラギを押して横方向に移動させる際、レールの底部に係止したレール係止部から反力を得ることができるため、レールとは別にマクラギを横方向に簡単に移動させることができる。
特に、本発明のマクラギ横移動ジャッキでは、突っ張り部材の一端部の突き当て部がジャッキ本体の突っ張り部材当接部に当接している一方、突っ張り部材の他端部の突き当て部がレールのあご部または上首部に当接しているので、マクラギを横移動させる際、レールからだけでなく、レールのあご部または上首部からも反力を得ることができる。
そのため、ピストン先端部でマクラギの端面を押圧してマクラギを横移動させる際に、レールのあご部または上首部からの反力によってマクラギ横移動ジャッキの基板側が上方へ浮き上がることを防止できると共に、レールが傾くことも防止できる。また、突っ張り部材は、レールのあご部または上首部からの反力によってジャッキ本体を押圧しているので、最初にピストン先端部でマクラギの端面を押圧しなくても、マクラギ横移動ジャッキの落下を防止できる。
レールとマクラギの通り変位を示す説明図である。 本発明に係る実施の形態のマクラギ横移動ジャッキを構成するジャッキ本体の平面図である。 本発明に係る実施の形態のマクラギ横移動ジャッキを構成するジャッキ本体の側面図である。 本発明に係る実施の形態のマクラギ横移動ジャッキを構成するジャッキ本体の左側面図である。 本発明に係る実施の形態のマクラギ横移動ジャッキ構成する突っ張り部材の構成を示す一部切欠平面図である。 本発明に係る実施の形態のマクラギ横移動ジャッキをマクラギに装着して作動させた状態の一例を示す平面図である。 本発明に係る実施の形態のマクラギ横移動ジャッキをマクラギに装着した状態の一例を示す正面図である。 本発明に係る実施の形態のマクラギ横移動ジャッキをマクラギに装着してマクラギを僅か移動させた状態の一例を示す正面図である。 本発明に係る実施の形態のマクラギ横移動ジャッキをマクラギに装着してマクラギを図6に示す場合よりもさらに移動させた状態の一例を示す正面図である。 図6における3台のマクラギ横移動ジャッキ1の装着部分および作動状態を拡大して示す平面図である。
以下、本発明に係るマクラギ横移動ジャッキの実施の形態について、図2〜図10を参照しながら説明する。
実施形態のマクラギ横移動ジャッキ1は、例えば、図1に示すように左右に変位が生じた鉄道用のレールRとマクラギMのうちマクラギMのみを横方向に移動させて整正するもので、図2〜図10に示すように、ジャッキ本体11と、シリンダ本体12と、突っ張り部材13とを有しており、図7〜図9に示すように手動式油圧ポンプ2をシリンダ本体12に連結して、シリンダ本体12に油圧を送りピストン12aを進退動させてマクラギMを横移動させる。
ジャッキ本体11は、図2に示すように平面視ほぼコ字形状に形成されており、図2〜図4に示すように、マクラギMの一方側を取り囲むようにマクラギMの両側面に沿って延びる一対の突出片部11a,11aと、マクラギMの端面に対向しその両側から一対の突出片部11a,11aが延びると共に、ほぼ中央にシリンダ本体12のピストン12aが通るピストン用挿通孔11b1が形成された基板11bとから構成されている。
ジャッキ本体11の両側の一対の突出片部11a,11aの上面の先端側には、それぞれ、ジャッキ本体11の基板11b側とは反対側となるレールRの底部に係止するレール係止部11a1,11a1が設けられており、シリンダ本体12のピストン12aによってマクラギMを押して横方向に移動させる際、レールRの底部に係止したレール係止部11a1,11a1から反力を得ることができる。
また、各突出片部11a,11aの上面側であってレール係止部11a1,11a1と基板11bとの間には、後述する図5に示す長さの調整可能な突っ張り部材13の一端部が当接する突っ張り部材当接部11a2,11a2が設けられている。
また、各突出片部11a,11aそれぞれの下面側における少なくとも突っ張り部材当接部11a2,11a2から基板11bまでの間には、図3に示すように、さらに一対の突出片部11a,11aと基板11bとの間を補強するための補強部材11a3,11a3が溶接等によって取付けられている。
また、ジャッキ本体11の基板11bは、上下方向に一定の幅のある板材とハンドル11b2を取り付けるため水平方向に一定の幅のあるアングル部材等で構成されており、上下方向に一定の幅のある板材の中央には、シリンダ本体12から進退するピストン12aが挿通するピストン用挿通孔11b1が形成されており、そのピストン用挿通孔11b1の周囲にピストン用挿通孔11b4を有するシリンダ取付け部材11b3がボルトや溶接等によって取付けられている。そのため、シリンダ本体12の先端部はシリンダ取付け部材11b3を介して固定され、基板11bのピストン用挿通孔11b1およびシリンダ取付け部材11b3のピストン用挿通孔11b4を介してシリンダ本体12のピストン12aが進退動して、ピストン12a先端部でマクラギMを押して横方向に移動させる。なお、ハンドル11b2およびシリンダ取付け部材11b3は、本発明では必須でなく省略しても良い。
シリンダ本体12は、後述する図7〜図9に示すように、ピストン12aを進退させピストン12aの先端部でマクラギMを押して横方向に移動させるもので、油圧入出口12bが設けられており、その油圧入出口12bに手動式油圧ポンプ2の耐圧ホース2a先端のバルブ2bが接続されて油圧が送られてピストン12aを進退(前後動)させる。なお、シリンダ本体12は、油圧ポンプ等と別体でなく、油圧ポンプと一体式のシリンダでも良いし、また手動式油圧ポンプ2の代わりに電動式油圧ポンプを利用しても良く、要は、ピストン12aを進退(前後動)させることができれば十分である。
突っ張り部材13は、図5に示すように、その両端部にそれぞれネジ穴13a1,13a1が設けられた突っ張り部材本体部13aと、その各ネジ穴13a1,13a1に螺合するように外周面にネジ山13b1,13b1が形成された突き当て部13b,13bとから構成されており、突き当て部13b,13bに対し突っ張り部材本体部13aを回転させることによってターンバックルのように長さを調整できる。
次に、以上のように構成された本実施形態のマクラギ横移動ジャッキ1の使用方法について説明する。
本実施形態のマクラギ横移動ジャッキ1は、例えば、新幹線などの大型のマクラギで、図1に示したようにレールRやマクラギMに通り変位が発生しており、レールRとマクラギMを締結しているタイプレート(敷き板)側の固定ボルト用の長(小判)孔の調整代が下に残したマクラギM側の孔と合わなくなった場合に、レールRとマクラギMを締結している固定ボルトを緩め、孔が合わないマクラギMを1本ずつ順番に長(小判)穴の調整代がとれるように横移動させて位置合せを行う作業に使用する。
そのため、本実施形態のマクラギ横移動ジャッキ1は、通り変位が+でタイプレート側の固定ボルト用の長(小判)孔の調整代が下に残したマクラギM側の孔と合わなくなったマクラギMの端面の横に図6に示すように設置する。
次に、レールRとマクラギMを締結しているタイプレート(敷き板)等の固定ボルトを緩め、一定の区間でマクラギMからレールRとタイプレート等を浮かした状態にして、レールRとタイプレートを一体で元の位置まで押戻すと共に、このマクラギ横移動ジャッキ1を使用してレールRとタイプレートとは別に、マクラギMだけを元の位置まで押戻す。
つまり、このマクラギ横移動ジャッキ1を図6〜図10に示すように移動させるべきマクラギMの端面を取り囲むようにマクラギ横移動ジャッキ1の基板11bの両側の突出片部11a,11aをレールRの下に挿入して、各突出片部11a,11aの上面側先端部のレール係止部11a1,11a1を、ジャッキ本体11の基板側11aとは反対側、すなわち2本のレールRの内側となるレールRの底部に係止する。なお、図6に示す3台のマクラギ横移動ジャッキ1は、図6上、一番上のマクラギ横移動ジャッキ1はまだマクラギMを横移動させていない状態を示しており、中央のマクラギ横移動ジャッキ1は少しだけ図6上左方向にマクラギMを横移動させた状態を示しており、一番下のマクラギ横移動ジャッキ1はマクラギMを図6上左方向に大きく横移動させた状態を示している。
また、この状態では、図7に示すようにマクラギ横移動ジャッキ1が浮いているため、手動式油圧ポンプ2を作動させてシリンダ本体12に対し油圧を送り、ピストン12a先端部でマクラギMの端面を軽く押圧させて、マクラギ横移動ジャッキ1が落下しないようにする。なお、図6および後述する図10では、手動式油圧ポンプ2の図示は省略している。
次に、図6〜図10に示すように突っ張り部材13の突っ張り部材本体部13aを回転して長さを調整しながら突っ張り部材13の一端部の突き当て部13b,13bをジャッキ本体11の突っ張り部材当接部11a2,11a2に当接させる一方、突っ張り部材13の他端部の突き当て部13b,13bをレールRのあご部または上首部に当接させる。
そして、図8および図9に示すように手動式油圧ポンプ2のレバー2cを上下動させることによって油圧をシリンダ本体12へ送り、シリンダ本体12のピストン12aを前方に押し出す。
すると、ピストン12a先端部がマクラギMの端面を図6上、左方向に押圧する際、各突出片部11a,11aのレール係止部11a1,11a1が図6に示すように反対側のレールRの底部に係止してレールRから反力を得ることができるため、ジャッキ本体11およびジャッキ本体11に固定されたシリンダ本体12はレールRに対し移動せず、マクラギMを図6上、左方向に横移動させることができる。
なお、図7は、図6における一番上のマクラギMを横移動させていない状態のマクラギ横移動ジャッキ1等を示しており、図8は、図6における中央のマクラギMを少しだけ図6上左方向に横移動させた状態のマクラギ横移動ジャッキ1等を示し、図9は、図6における一番下のマクラギMを図6上左方向に大きく横移動させた状態のマクラギ横移動ジャッキ1等を示している。また、図10は、図6における3台のマクラギ横移動ジャッキ1の装着部分および作動状態を拡大して示しており、3台のマクラギ横移動ジャッキ1の作動状態とマクラギMの移動状態とが良く解る。
従って、本実施形態のマクラギ横移動ジャッキ1では、一対の突出片部11a,11aと基板11bとからな平面視ほぼコ字形状のジャッキ本体11とシリンダ本体12とを有し、ジャッキ本体11の両側の一対の突出片部の上面側には、それぞれ、ジャッキ本体11の基板11b側とは反対側となるレールRの底部に係止するレール係止部11a1,11a1が設けられており、シリンダ本体12のピストン12aによってマクラギMを押して横方向に移動させる際、レールRの底部に係止したレール係止部11a1,11a1から反力を得ることができるため、作業者に大きな作業負担を掛けることなく、マクラギMだけを簡単に横方向に移動させることができる。
また、本実施形態のマクラギ横移動ジャッキ1では、突っ張り部材13の一端部の突き当て部13b,13bがジャッキ本体11の突っ張り部材当接部11a2,11a2に当接している一方、突っ張り部材13の他端部の突き当て部13b,13bがレールRのあご部または上首部に当接しているので、マクラギMを図6上、左方向に横移動させる際、レールRからだけでなく、レールRのあご部または上首部からも反力を得ることができる。
そのため、ピストン12a先端部でマクラギMの端面を押圧してマクラギMを横移動させる際に、レールRのあご部または上首部からの反力によってマクラギ横移動ジャッキ1の基板11b側が上方へ浮き上がることを防止できると共に、レールRが傾くことも防止できる。また、突っ張り部材13は、レールRのあご部または上首部からの反力によってジャッキ本体11を図6上右方向に押圧しているので、最初にピストン12a先端部でマクラギMの端面を押圧しなくても、マクラギ横移動ジャッキ1の落下を防止できる。
さらに、本実施形態のマクラギ横移動ジャッキ1では、ジャッキ本体11の両側の一対の突出片部11a、11aそれぞれの下面側における突っ張り部材当接部11a2,11a2ら基板11bまでの間には、さらに一対の突出片部11a、11aと基板11bとの間を補強するための補強部材11c,11cが設けられているため、マクラギMを横移動させる際、ピストン本体12が固定されて大きな加重が掛かる一対の突出片部11a,11aの基板11b側を補強して、基板11bが変形や破壊することを防止できる。ただし、本発明では、補強部材11c,11cを設けることは必須ではなく、補強部材11c,11cを設けなくても、突出片部11a,11aや基板11bがマクラギMを移動させる際の反力等に十分に耐えることができる場合には、省略することができる。
1 マクラギ横移動ジャッキ
11 ジャッキ本体
11a,11a 突出片部
11a1,11a1 レール係止部
11a2,11a2 突っ張り部材当接部
11a3,11a3 補強部材
11b 基板
11b1 ピストン用挿通孔
11b2 ハンドル
12 シリンダ本体
12a ピストン
12b 油圧入出口
13 突っ張り部材
13a 突っ張り部材本体部
13b 突き当て部
2 手動式油圧ポンプ
2a 耐圧ホース
2b バルブ
2c レバー
M マクラギ
R レール

Claims (2)

  1. マクラギの端面に対向し基板の両側から一対の突出片部が延びると共に、基板のほぼ中央にピストンが通るピストン用挿通孔が形成された平面視ほぼコ字形状のジャッキ本体と、
    そのジャッキ本体の基板のピストン用挿通孔の周囲に先端部が固定され、その先端側からピストン用挿通孔を介してピストンを進退させ、ピストンの先端部でマクラギを押して横方向に移動させるシリンダ本体とを有し、
    ジャッキ本体の両側の一対の突出片部の上面側には、それぞれ、ジャッキ本体の基板側とは反対側となるレールの底部に係止するレール係止部が設けられており、シリンダ本体のピストンによってマクラギを押して横方向に移動させる際、レールの底部に係止したレール係止部から反力を得て、マクラギを横方向に移動させるマクラギ横移動ジャッキであって、
    ジャッキ本体の両側の一対の突出片部の上面側には、それぞれ、さらに、レール係止部と基板との間に長さの調整可能な突っ張り部材の一端部が当接する突っ張り部材当接部が設けられており、
    突っ張り部材の一端部は、突っ張り部材当接部に当接させる一方、突っ張り部材の他端部は、レールのあご部または上首部に当接させることを特徴とするマクラギ横移動ジャッキ。
  2. 請求項1に記載のマクラギ横移動ジャッキにおいて、
    ジャッキ本体の両側の一対の突出片部それぞれの下面側における少なくとも突っ張り部材当接部から基板までの間には、さらに一対の突出片部と基板との間を補強するための補強部材が設けられていることを特徴とするマクラギ横移動ジャッキ。
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