JP6044722B2 - 油脂性食品の固化促進剤 - Google Patents

油脂性食品の固化促進剤 Download PDF

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Description

本発明は、少量の添加または配合で油脂の結晶安定化速度を改善し、油脂性食品の固化性や離型性を向上させることで、生産性を向上できる固化促進剤に関するものである。
近年、グローバル化等による会社間競争の激化に伴い、チョコレート製造会社は新製品開
発だけでは無く、生産性向上による生産コストダウンをも試みる必要に迫られている。
工業的に大量にチョコレートを製造する場合、融解しているチョコレート液をモールドに
流し込み、冷却固化後、デモールドする。その後、約20℃で約5〜7日のエージング期
間を経て、チョコレートに含まれる油脂結晶を安定化させ、チョコレートの硬度を高める
操作が行われた後に流通される。油脂の結晶安定化速度を速め、固化速度、離形速度を向上させる事は、製造から流通までに要する時間を短縮する事に繋がり、ひいてはチョコレート製造メーカーの生産性向上によるコストダウンに寄与できる。特にレボール成型機やエリクセン成型機、コールドスタンプ成型機といった特殊成型機を使用したチョコレート製造においては、短時間で急激にチョコレートを固化させる必要があり、短時間で安定な油脂結晶を作り出すことは生産性の向上に直接そして大きく寄与するためチョコレート製造メーカーにとっては悲願であった。一方、これら生産性の向上により、チョコレート品質が損なわれるもしくは変わってしまっては競争力が低下してしまう為、本末転倒である。すなわち、従来の品質を極力変えることなく生産性を向上させる必要がある。
ちなみに上記のコールドスタンプ成型とは、マイナス温度域に冷却された雄型とそれに対応した雌型により、瞬時にチョコレートを固化させて、チョコレートシェルを成型する方法である。
融解しているチョコレート液は、そのまま冷却固化したのでは、直ぐに固化しなかったり
、モールドから取り出せなかったり、安定な硬度が得られない。よって冷却、固化する前
に、固化速度を高めたり、モールドからの離型速度を高めたり、チョコレートに含まれる
油脂結晶の安定化速度を高めるために、通常テンパリング操作が必須である。
テンパリングは油脂中に少量の安定型(V型)の結晶をつくることを目的として、通常、テンパリング装置を用いて、45〜50℃でチョコレート中の油脂を融解してから、一旦
28〜29℃まで冷却した後、30〜32℃に昇温することにより行われる方法(非特許
文献1)と例えば特許文献1などにみられるように、特定の脂肪酸組成をしたココアバタ
ーの安定結晶型に近い結晶型となるトリグリセリドをチョコレート液に加える方法が
知られている。
油脂中の安定化結晶量が適切な場合はウェルテンパーと呼ばれ、多い場合はオーバーテンパ
ーと呼ばれる。オーバーテンパーはウェルテンパーに比較し、固化速度や離型速度、結晶
安定化速度が速いが、チョコレート生地の粘度が急増し、モールド充填時やコーチング工
程などの作業性が低下する。一方、ウェルテンパーでは作業性は良いが固化速度や離型速
度、結晶安定化速度がやや遅いことより、更なる生産性向上の為にチョコレートに用いる
油脂組成物の油脂組成及び油脂物性を改質する下記のような試みがなされている。
油脂組成を改質する試みとして、ジヒドロキシステアリン酸含有トリグリセリド(DHS
−TG)の含有量が0.4重量%以下、1,3ジ飽和−2不飽和トリグリセリド(SUS
)の含有量が85重量%以上であることを特徴とするサル脂分別油をカカオバター代用脂
として使用する事で、チョコレートに使用した場合に、スナップ性、口どけ、作業性を良
好とする方法(特許文献2)が開示されているが、サル脂に多く含まれるStOAやAO
A等のトリグリセリド成分は、カカオバターの主成分であるPOP、POSt、StOS
t成分の結晶化・パッキングを阻害する事でスナップ感を減少させたり、AOA等の成分
はカカオバターに対し比較的高融点であるため、口どけ感を悪化させる事もあり、更なる
改良が望まれていた。
(Stはステアリン酸,Pはパルミチン酸,Aはアラキジン酸,Oはオレイン酸をそれぞ
れ示す。)
一方特定量以上のStOStと特定量以下のStLSt及びStStOを含む油脂と液状油脂を組み合わせた油脂組成物をココアバター代替脂としてチョコレートに配合し、複合菓子において油脂移行が原因として起こるチョコレートの食感、ブルーム耐性、耐熱性などの劣化を改善する試み(特許文献3)が開示されている。これに対し本願は油脂性食品への少量の添加又は配合で、油脂性食品の品質を維持したまま、その生産効率を向上させることを目的とするものである。
特開昭63−240745号公報 特開2001−55598号公報 国際公開2013/065726
The ManufacturingConfectioner, 9, p.85−88,1997,J.Food Sci.,62(4)1,1997
本発明の目的は、少量の添加または配合で油脂性食品の固化性や離型性、結晶安定化速度を改善し、その結果生産性を向上させる固化促進剤を提供することにある。
本発明者らは、検討の結果、上記目的は下記に示す固化促進剤によって達成し得ることを
知見した。
即ち、本発明の第1は、油脂(A)及び油脂(B)を含み、油脂(A)が23〜100重量%、油脂(B)が0〜77重量%配合された油脂性食品用の固化促進剤。
ここで油脂(A)はStOSt含量が70重量%以上、StLStの含量が5重量%以下、かつStStO/StOStの比率が0.03以下である油脂組成物である。
また油脂(B)は20℃で液状の油脂組成物である。
但し、Stはステアリン酸,Lはリノール酸,Oはオレイン酸をそれぞれ示す。またStOSt;1位及び3位の脂肪酸がStであり、2位の脂肪酸がOであるトリグリセリド、StLSt;1位及び3位の脂肪酸がStであり、2位の脂肪酸がLであるトリグリセリド、StStO;1位及び2位、又は2位及び3位の脂肪酸がStであり、3位、又は1位の脂肪酸がOであるトリグリセリドをそれぞれ示す。
本発明の第2は、前記油脂(A)が70 〜100重量%、油脂(B)が0〜30重量%配合された第1に記載の固化促進剤。
本発明の第3は、前記油脂(A)を23〜70重量%、前記油脂(B)を30〜77重量%含む、チョコレートのシード機能を有するショートニングである第1記載の固化促進剤。
本発明の第4は、第2に記載の固化促進剤を油脂成分として含む、チョコレートのシード機能を有する粉末製剤である第1記載の固化促進剤。
本発明の第5は、第1乃至4の固化促進剤を油分中0.5〜17重量%含んでなる油脂性食品。
本発明の第6は、コールドスタンプ成型機、エリクセン成型機又はレボル成型機に用いられる第5記載の油脂性食品及び成型された油脂性食品。
本発明の第7は、第1乃至4の固化促進剤を油脂性食品に配合又は添加することで、コールドスタンプ成型機、エリクセン成型機又はレボル成型機における油脂性食品の成型工程の効率を向上させる方法。
特定量以上のStOStを含み、StLSt及びStStOの含量が特定量以下である油脂を含む固化促進剤を特定量使用すれば、油脂の結晶安定化速度が改善され、その結果油脂性食品の固化性や離型性が向上するので生産性を向上できる。
以下、本発明を具体的に説明する。
(トリグリセリド組成の測定方法)
固化促進剤における、各トリグリセリドの含量は、下記に示す高速液体クロマトグラフ分
析(1)にて対称型、非対称型トリグリセリドの和(例えばStStO含量とStOSt
含量の和)として測定し求めることができる。さらに対称型、非対称型トリグリセリド組
成は薄層クロマトグラフ分析(2)にて測定し(StStO/(StStO+StOSt
))として求めることができ、(1)の結果に乗ずることでStStO及びStOSt含
量を各々求めることができる。
(1)高速液体クロマトグラフ分析は、(カラム;ODS、溶離液;アセトン/アセトニ
トリル=80/20、液量;0.9ml/分、カラム温度;25℃、検出器;示差屈折計
)にて実施した。
(2)薄層クロマトグラフ分析は、(プレート;硝酸銀薄層プレート、展開溶剤;ベンゼ
ン/ヘキサン/ジエチルエーテル=75/25/2、検出器;デンシトメータ)にて実施
した。
本発明の固化促進剤を構成する油脂(A)は、固化促進剤を使用した油脂性食品の固化性や離形性を向上させるための有効成分として働き、油脂(B)は固化促進剤中の油脂(A)を油脂性食品中に十分に分散させるための分散媒として働く。
本発明の固化促進剤を構成する油脂(A)は、StOStの含有量が70重量%以上であ
る必要があり、好ましくは75重量%〜95重量%である。StOSt含有量が70重量%より少ないと、固化促進剤を使用した油脂性食品の固化性や離形性が劣るのみならず耐熱性が低下し品質の変化を招いてしまうので好ましくない。
本発明の固化促進剤を構成する油脂(A)は、StLStの含有量が5重量%以下である必要があり、好ましくは4.5重量%以下である。またより好ましくは4.0重量%以下である。StLSt含有量が5重量%より多いと、StOStの結晶安定化速度が低下するため、固化性、離形性が悪化する。
本発明の固化促進剤を構成する油脂(A)はStStO/StOStの比率が0.03以下であることが好ましい。またさらに好ましくは0.02以下であり、最も好ましくは0.015以下である。StStO/StOStの比率が0.03より大きいと、前述したとおりStOStの結晶安定化速度が低下するため、油脂性食品の固化性、離形性が悪化する。
本発明の固化促進剤を構成する油脂(A)の配合量は油脂23〜100重量%、油脂(B)の配合量は0〜77重量%である必要がある。油脂(A)の配合量が23重量%より少ないと、本発明の固化促進剤の機能が十分発揮されないので、油脂性食品の固化性、離形性が悪化するとともに耐熱性が低下し油脂性食品の品質が低下してしまう為、好ましくない。
また油脂(A)と油脂(B)の配合量の合計が80%重量以上であることが好ましく、より好ましくは90%重量以上、さらに好ましくは95%重量以上である。
本発明の固化促進剤は、融液として直接油脂性食品の原料として配合したり又は完成前の油脂性食品に融液として添加することができる。この場合は分散媒である油脂(B)の配合は少なくてよく、本発明の固化促進機能を発揮する有効成分である油脂(A)の配合量を相対的に多くするほうが、少量の固化促進剤で効果が出るため望ましい。その意味で、油脂(A)が70〜100重量%、油脂(B)が0〜30重量%の配合が好ましく、油脂(A)が80〜100重量%、油脂(B)が0〜20重量%の配合がより好ましく、油脂(A)が90重量%を超えて配合され、さらに油脂(B)が9重量%未満配合されるのがさらに好ましい。またさらに好ましくは油脂(A)が93重量%以上、最も好ましくは95重量%以上である。
本発明の固化促進剤は、完成前の油脂性食品にショートニング形態として、溶解させずに添加することができる。この場合は添加時の分散を容易にするために可塑性が要求されるので分散媒である油脂(B)の配合を多くするのが好ましい。その意味で油脂(A)を23〜70重量%、油脂(B)を30〜77重量%配合するのが好ましく、より好ましくは油脂(A)を23〜50重量%、油脂(B)を50〜77重量%配合であり、さらに好ましくは油脂(A)を23〜35重量%、油脂(B)を65〜77重量%配合である。
本発明の固化促進剤は、完成前の油脂性食品に粉末形態として、溶解させずに添加することができる。この場合は分散媒である油脂(B)の配合は少なくてよく、本発明の固化促進機能を発揮する有効成分である油脂(A)の配合量を相対的に多くするほうが、少量の固化促進剤で効果が出るため望ましい。その意味で、油脂(A)が70〜100重量%、油脂(B)が0〜30重量%の配合が好ましく、油脂(A)が80〜100重量%、油脂(B)が0〜20重量%の配合がより好ましく、油脂(A)が90重量%を超えて配合され、さらに油脂(B)が9重量%未満配合されるのがさらに好ましい。またさらに好ましくは油脂(A)が93重量%以上、最も好ましくは95重量%以上である。
本発明の油脂性食品は本発明の固化促進剤を油分中0.5〜17重量%含有することが好ましく、より好ましくは1〜15重量%さらに好ましくは2〜13重量%含有であり、もっとも好ましくは2〜10重量%含有である。
油脂(A)は上記の条件を満たしていれば、特にその由来・製造方法は限定されない。例えば高オレイン酸含有植物油とステアリン酸又はステアリン酸アルコールエステルを1,3−位置特異性を有するリパーゼを用いてエステル交換反応させ、得られたエステル交換油を溶剤分別又はドライ分別で分別して得られる高融点部又は中融点部を配合した油脂が例示されるが、前記高オレイン酸含有植物油としてはオレイン酸含量が80重量%以上、好ましくは85重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上であるヒマワリ油、菜種油、サフラワー油、大豆油等が例示される。オレイン酸含量が80重量%より少ない原料油脂とステアリン酸あるいはステアリン酸アルコールエステルを、1,3−位置特異性を有するリパーゼを用いてエステル交換反応させた場合、得られたエステル交換油中のStLSt含量が高くなり、効率よく本発明の油脂組成物を得ることができない。また油脂(A)の別の例はアランブラッキア脂、シア脂等の植物性油脂、あるいはそれらを溶剤分別又はドライ分別で分別して得られる高融点部又は中融点部を配合した油脂が例示される。
油脂(B)としては、例えば、菜種油、米糠油、大豆油、綿実油、コーン油、オリーブ油、紅花油、サフラワー油、ごま油、ひまわり油、パーム油、ヤシ油、シア脂等の植物性油脂、あるいはそれらのエステル交換や部分水添、水添分別、分別等の方法により製造された加工油脂が挙げられる。
本発明の固化促進剤は一般的なモールド成型だけでなく、レボールやエリクセン、
コールドスタンプといった特殊成型でも用いることができる。
本発明の固化促進剤の形態には特に制限はない。前述した融液、ショートニング、粉末などあらゆる形態で用いることができる。
本発明の油脂性食品の油脂とは、1,3−ジ飽和―2不飽和トリグリセリド(飽和:炭素数16〜22の飽和脂肪酸、不飽和:オレイン酸)を主要成分として含有するテンパリングタイプの油脂を意味し、カカオバター、CBE(カカオバター同等油脂)と称されるカカオバター代用油脂及びそれらを任意に混合した油脂を意味する。本発明の油脂性食品とは、かかるテンパリングタイプの油脂を主要油脂として、一部乳製品由来の乳脂やその他の動植物油脂を含有してなる食品である。
本発明の油脂性食品の代表例としてはチョコレートが挙げられ、原料としてカカオマス、ココアパウダー、砂糖などの糖類、ココアバターなどの油脂、乳化剤、香料等を使用して作られるダークチョコレート、例えば原料としてカカオマス、ココアパウダー、砂糖などの糖類、ココアバター等の油脂、全脂粉乳等の乳製品類、乳化剤、香料等を使用して作られるミルクチョコレート、例えば砂糖などの糖類、ココアバター等の油脂、全脂粉乳等の乳製品類、乳化剤、香料等を使用して作られるホワイトチョコレート、ホワイトチョコレートを色素で着色、香料で風味付けしたカラーチョコレートの何れも本発明のチョコレートに含まれる。また、カカオ分の含量により、チョコレート(カカオ分35%以上)、準チョコレート(カカオ分15%以上)、ミルクチョコレート(カカオ分21%以上)、準ミルクチョコレート(カカオ分7%以上)、チョコレート利用食品であるチョコレートコーチング(カカオ分8%以上)、乳製品を使用したチョコレートコーチング(カカオ分5%以上)の他、カカオ分非含有のホワイトコーチングやカラーコーチングのようにも区別されるが、何れも本発明の油脂性食品に含まれる。
さらに、本発明の固化促進剤は、チョコレート以外にも、練り込み用油脂及びクリーム用
油脂等の製菓用油脂の用途にも用いることができる。
以下に本発明の実施例を示すが、この発明は実施例に制限されるものではない。実施例中
の部及び%は特に断りがない場合は重量基準を示すものである。
(油脂(a)の作成)
高オレイン酸含有ひまわり油とステアリン酸エチルとを1,3位特異性リパーゼによりエステル交換を行った後、エチルエステルを蒸留により留去後、ヘキサン分別によりStOSt含量を上昇させた油脂(a)を得た。油脂(a)の組成はStOStの含量が8
0%、StLStの含量が2.1%そしてStStO/StOStの比率が0.01であった。
(実施例1の固化促進剤の作成)
上記の油脂(a)95重量%と、油脂(B)として高オレイン酸ひまわり油を5重量%配合した固化促進剤を作成した。なお高オレイン酸ひまわり油は20℃で液状であった。
(実験例1、2、比較実験例1)
実施例1の固化促進剤を融液で配合したチョコレートを通常モールドで成型した。
まず表1のチョコレート配合に従いホワイトチョコレートを作成した。配合中に実施例1の固化促進剤が0重量%、1重量%、2重量%となるように、また固化促進剤が増減してもチョコレート中の油分が一定になるよう、一般的なココアバター代用脂であるNEWSS7(商品名:メラノNEWSS7、不二製油株式会社製)を適宜配合した。
(表1)
Figure 0006044722
上記表1の配合で製造したチョコレートを溶かし、ハンドテンパリング操作を行った後、チョコレート生地12gをモールドに流し、10℃で30分間固化させた。このときの固化させたチョコレートがモールドから剥がれた割合を剥離率とした。また、5名のパネラーによる官能評価を行い、固化促進剤を添加することで口溶けや噛み出しに影響を与えないか検証するため、比較実験例との差異の有無を評価した。結果を表2に示した。
(表2)
Figure 0006044722
実験例1・2共に比較実験例1より剥離率が向上しており、固化速度の向上が確認された。しかも食感への影響もみられなかった。
(実験例3、比較実験例2)
実施例1の固化促進剤を融液で配合したチョコレートをコールドスタンプ成型機で成型した。
まず表3のチョコレート配合で常法に従いチョコレートを作成した。
(表3)
Figure 0006044722
それぞれのチョコレートを溶かし、ハンドテンパリング操作を行った後、チョコレート生地3.5gをモールドに流し、コールドスタンプ成型を行い、その後5℃で25分間固化させた。固化中、モールドからの剥離枚数を目視にて計測しそれを剥離率とした。なお、コールドスタンプ成型の条件は冷媒温度−15℃(雄型実温−8℃)プレス時間3秒とした。また、5名のパネラーによる官能評価を行い、固化促進剤を添加することで口溶けや噛み出しに影響を与えないか検証するため、比較実験例との差異の有無を評価した。結果を
表4に示した。
(表4)
Figure 0006044722
実験例1、2と同様、コールドスタンプによる成型の実験例3においても本固化促進剤の添加により、食感を変えることなく剥離率が向上し固化速度が向上することが確認できた。
(実施例2の固化促進剤の作成(ショートニング形態))
油脂(a)を25%、油脂(B)として高オレイン酸ひまわり油を75重量%配合したものをコンビネーターを使用してショートニング形態の実施例2の固化促進剤を作成した。
(実施例3の固化促進剤の作成(粉末製剤の形態))
油脂(a)50重量%と、砂糖50重量%を配合してミキサーにて粉末状にし、粉末製剤の形態の実施例3の固化促進剤を作成した。
(実験例4,5、比較実験例3)
実施例2,3の固化促進剤(ショートニング形態、粉末製剤の形態)を添加したチョコレートをコールドスタンプ成型機で成型した。
まず表5のチョコレート配合(重量部)で常法に従いチョコレートを作成した。
(表5)
Figure 0006044722
実験例4のチョコレートは品温を31度に維持しながら、2重量部の実施例2の固化促進剤を添加分散させることでシードテンパリングを行った後、3.5gをモールドに流し、コールドスタンプ成型を行い、その後5℃で25分間固化させた。コールドスタンプ成型の条件は実験例3と同様とした。
実験例5は実施例2の固化促進剤に替え実施例3の固化促進剤を使用した以外は実験例4と同様にコールドスタンプ成型を行った。
比較実験例3は実施例2の固化促進剤に替え、一般的なシード剤であるチョコシードA(商品名:チョコシードA、不二製油株式会社製)を0.2重量部添加してシードテンパリングを行った以外は実験例4と同様にコールドスタンプ成型を行った。
それぞれのチョコレートはコールドスタンプ成型での固化中、モールドからの剥離枚数を目視にて計測しそれを剥離率とした。また、5名のパネラーによる官能評価を行い、固化促進剤を添加することで口溶けや噛み出しに影響を与えないか検証するため、比較実験例との差異の有無を評価した。結果を表6に示した。
(表6)
Figure 0006044722
実験例4・実験例5共に比較実験例3に比べ食感に影響なく剥離率が向上し、固化速度が向上したことが確認された。本固化促進剤はショートニング形態又は粉末製剤の形態で使用が可能であると言える。
実験例4
レボールでの固化促進効果の検証
カカオマス、粉糖、ココアバター、実施例1の固化促進剤を表7に従い配合し、常法に従いチョコレートを製造した。
(表7)
Figure 0006044722
レボルパンを18rpmで回転させながら、アーモンド300gに対して38℃〜40℃に温調したそれぞれのチョコレートを60gずつコーティングしていく作業を10回繰り返した。固化速度の向上は、チョコレートコーティングが終了するまでの時間を比較することで行った。また、5名のパネラーによる官能評価を行い、固化促進剤を添加することで口溶けや噛み出しに影響を与えないか検証するため、比較実験例との差異の有無を評価した。結果を表8に示した。
(表8)
Figure 0006044722
実験例6〜実験例8では食感に影響を与えることなく作業時間を短縮することが出来た。
実験例9では食感に影響を与えてしまったが、商品として許容できるレベルのものであった。これより、本固化促進剤の使用は油脂中17重量%までにするのか好ましいといえる。
特定量以上のStOStを含み、StLSt及びStStOの含量が特定量以下である固化促進剤を特定量使用すれば、油脂性食品の固化性や離型性、結晶安定化速度が改善され、その結果油脂性食品の生産性を向上できる。

Claims (2)

  1. 油脂(A)及び油脂(B)を含み、油脂(A)が90重量%を超え、油脂(B)が9重量%未満配合された油脂性食品用の固化促進剤を、油分中1.0〜10重量%となるように融液として配合又は添加した油脂性食品を、コールドスタンプ成型機、エリクセン成型機又はレボル成型機を用いて成型させる、成型された油脂性食品の製造方法。
    ここで油脂(A)はStOSt含量が70重量%以上、StLStの含量が5重量%以下、かつStStO/StOStの比率が0.03以下である油脂組成物である。また油脂(B)は20℃で液状の油脂組成物である。但し、Stはステアリン酸,Lはリノール酸,Oはオレイン酸をそれぞれ示す。またStOSt;1位及び3位の脂肪酸がStであり、2位の脂肪酸がOであるトリグリセリド、StLSt;1位及び3位の脂肪酸がStであり、2位の脂肪酸がLであるトリグリセリド、StStO;1位及び2位、又は2位及び3位の脂肪酸がStであり、3位、又は1位の脂肪酸がOであるトリグリセリドをそれぞれ示す。
  2. 請求項1に記載の油脂性食品の製造方法により、油脂性食品の成型工程の効率を向上させる方法。
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