JP6043533B2 - 繊維製品 - Google Patents

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本発明は、中綿と側地とを含む繊維製品であって、防炎性に優れた繊維製品に関する。
従来、ふとんなど中綿と側地とを含む繊維製品において、防炎性を高めため中綿として難燃性繊維を用いることが提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2)。しかしながら、近年、さらに優れた防炎性が求められており、従来品ではまだ満足とはいえないという問題があった。
実開平4−66972号公報 実開昭61−21397号公報
本発明は上記の背景に鑑みなされたものであり、その目的は、中綿と側地とを含む繊維製品であって、防炎性に優れた繊維製品を提供することにある。
本発明者は上記の課題を達成するため鋭意検討した結果、中綿と側地とを含む繊維製品において、燃焼時に炭化する繊維を中綿に含ませ、かつ難燃ポリエステル繊維を側地に含ませることにより、極めて防炎性に優れた繊維製品が得られることを見出し、さらに鋭意検討を重ねることにより本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば「中綿と側地とを含む繊維製品であって、燃焼時に炭化する繊維が前記中綿に含まれ、かつ難燃ポリエステル繊維が前記側地に含まれ、
難燃ポリエステル繊維は、総繊度30〜1000dtex、フィラメント数30〜300本の仮撚捲縮加工糸であり、
側地は、カバーファクターCFが1800〜4500の織物である、
ことを特徴とする繊維製品。」が提供される。
その際、燃焼時に炭化する前記繊維が、セルロース系繊維またはウールまたはアクリル繊維であることが好ましい。また、中綿に含まれる燃焼時に炭化する繊維が側地に接していることが好ましい。また、前記難燃ポリエステル繊維が、難燃剤をポリエステルポリマー中に含む難燃ポリエステル繊維、または後加工により難燃剤が付与された難燃ポリエステル繊維であることが好ましい。その際、前記難燃剤が、リン系難燃剤、臭素系難燃剤、アンチモン系難燃剤、ポリリン酸アンモニウム、無水リン酸アンモニウム、コロイド状の五酸化アンチモン、三酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、ホウ酸亜鉛、酸化ジルコニウム、リン酸二アンモニウム、スルファミン酸、スルファミン酸塩、ホウ酸、ホウ酸塩、およびアルミナ水和物からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。

本発明の繊維製品において、繊維製品が、掛け布団、敷き布団、枕、マットレス、ベッドパット、座布団、コタツ布団、防災頭巾、ぬいぐるみ、または防寒衣料であることが好ましい。また、公益財団法人日本防炎協会の定める防炎製品性能試験基準において規定されるふとん類完成品の防炎試験(45°メセナミン法)により測定して、炭化部分の最大値が10cm以下であり、かつ、炭化部分の平均値が8cm以下であることが好ましい。また、公益財団法人日本防炎協会の定める防炎製品性能試験基準において規定されるふとん類完成品の防炎試験(水平たばこ法)により測定して、炭化部分の最大値が10cm以下であり、かつ、残炎、残じんが1時間後にないことが好ましい。
本発明によれば、中綿と側地とを含む繊維製品であって、防炎性に優れた繊維製品が得られる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明は中綿と側地とを含む繊維製品であって、燃焼時に炭化する繊維が前記中綿に含まれる。燃焼時に炭化する繊維が中綿に含まれない場合は、中綿が燃焼した際に中綿が熱溶融し落下することにより燃焼がさらに拡大するため好ましくない。
ここで、燃焼時に炭化する繊維とは、熱によって溶融せず、炭化する繊維のことをいう。具体的には、綿やレーヨンなどのセルロース系繊維、ウール(より好ましくは難燃加工を施したウール)、アクリル繊維(より好ましくは難燃アクリル繊維)が好ましく例示される。特に、繊維がNBSスモークチャンバー法でのシアン化水素の発生が5ppm未満であることが好ましい。ここで使用する各種繊維は100g/mのものを使用する。
燃焼時に炭化する前記繊維において、その単繊維繊度は中綿としての保温性やソフトな風合いを得る上で1〜8dtexの範囲内であることが好ましい。
また、燃焼時に炭化する前記繊維において、繊維は長繊維でもよいが、保温性やソフトな風合いを得る上で繊維長は5mm以上(より好ましくは30〜100mm)の短繊維であることが好ましい。
さらに、燃焼時に炭化する前記繊維において、捲縮が付与されていることが好ましい。その際、捲縮数は4〜25個/2.54cm、捲縮度は20〜40%が好ましい。
本発明において、中綿は、燃焼時に炭化する前記繊維だけで構成されていてもよいし、燃焼時に炭化する前記繊維とポリエチレンテレフタレート繊維など他の繊維とで構成されていてもよい。その際、燃焼時に炭化する前記繊維の重量比率は中綿全重量に対して20重量%以上であることが肝要である。また、中綿に含まれる燃焼時に炭化する繊維が側地に接していることが好ましい。このように燃焼時に炭化する繊維が側地近くに重点的に配されると優れた防炎効果が得られる。
次に、本発明において、側地に難燃ポリエステル繊維が含まれる。かかる難燃ポリエステル繊維としては、難燃剤をポリエステルポリマー中に含む難燃ポリエステル繊維でもよし後加工により難燃剤が付与された難燃ポリエステル繊維でもよい。
その際、前記難燃剤としては、リン系難燃剤、臭素系難燃剤、アンチモン系難燃剤、ポリリン酸アンモニウム、無水リン酸アンモニウム、コロイド状の五酸化アンチモン、三酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、ホウ酸亜鉛、酸化ジルコニウム、リン酸二アンモニウム、スルファミン酸、スルファミン酸塩、ホウ酸、ホウ酸塩、アルミナ水和物などが例示される。
より具体的には、ポリエステルポリマー中に含ませる難燃剤としては、(2−カルボキシエチル)メチルホスフィン酸、(2−カルボキシエチル)フェニルホスフィン酸、(2−メトキシカルボニルエチル)フェニルホスフィン酸、(2−ヒドロキシエトキシカルボニルエチル)フェニルホスフィン酸、p−(2−カルボキシエチル)クロロフェニルホスフィン酸、(2−フェノキシカルボニルエチル)ヘキシルホスフィン酸等のリン系防炎剤が好ましく例示される。このうち特に好ましくは(2−カルボキシエチル)メチルホスフィン酸、(2−カルボキシエチル)フェニルホスフィン酸などのリン系難燃剤であることが好ましい。これらの難燃剤は通常ポリエステルに共重合しているが、ブレンドしていてもよい。その際、含有量としては、リン系難燃剤であればリン元素として0.1〜3.0重量%(特に好ましくは0.2〜0.6重量%)の範囲内であることが好ましい。
前記のポリエステルとしては、テレフタル酸を主たる酸成分とし、炭素数2〜6のアルキレングリコール、すなわちエチレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコールからなる群より選ばれた少なくとも1種のグリコール、特に好ましくはエチレングリコールを主たるグリコール成分とするポリエステルが例示される。かかるポリエステルには共重合成分を有していてもよい。また、かかるポリエステルは再生ポリエステルであってもよい。かかる再生ポリエステルには、ペットボトルを原料とし、加熱して溶融また溶剤により溶解してペレット化し、再度、溶融紡糸することなどにより得られる再生ポリエステル、およびケミカルリサイクルにより得られる再生ポリエステルを含む。また、バイオマスすなわち生物由来の物質を原材料として得られたモノマー成分を使用してなるポリエチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ステレオコンプレックスポリ乳酸であってもよい。さらには、特開2004−270097号公報や特開2004−211268号公報に記載されているような、特定のリン化合物およびチタン化合物を含む触媒を用いて得られたポリエステルでもよい。
前記ポリエステル中には、難燃剤だけでなく、必要に応じて、艶消し剤、微細孔形成剤、カチオン可染剤、着色防止剤、熱安定剤、蛍光増白剤、着色剤(例えば黒色)、帯電防止剤、吸湿剤、抗菌剤、マイナスイオン発生剤等を1種又は2種以上を添加してもよい。
また、後加工によりポリエステル繊維に難燃剤を付与する際に用いる難燃剤としては、特公昭53−8840号公報に示されている化合物、例えば、1,2,3,4,5,6−ヘキサブロムシクロペンタン、1,2,5,6,9,10−ヘキサブロムシクロドデカンなどの環構成炭素原子7ないし12個と、この環構成炭素原子に結合している臭素原子4ないし6個を持つ臭素化シクロアルカン類、および、ヘキサブロムナフタレン、ヘキサブロムジフェニルエーテル、テトラブロムジフェニルエーテルなどの芳香環2ないし3個と、該芳香環に結合している臭素原子4ないし10個を有する臭素化多核芳香族化合物が好ましく、特に臭素化シクロアルカン類が好ましい。そのなかでも、ヘキサブロムシクロドデカンが特に好ましい。また、後加工に用いる難燃剤として、前記のようなリン系防炎剤も好ましい。
後加工で使用する難燃剤の量としては、ポリエステル織物重量に対して固形分で2.5〜15.0重量%の範囲内であることが好ましい。2.5重量%未満では、十分な防炎効果が得られないおそれがある。逆に15.0重量%を超えると、繊維物性が低下するおそれがある。
前記の難燃ポリエステル繊維において、総繊度が30〜1000dtexの範囲内であることが好ましい。また、単繊維繊度が0.1〜5.0dtex、フィラメント数が30〜300本のマルチフィラメント(長繊維)であることが好ましい。糸条の形態としては、短繊維でもよいし長繊維(マルチフィラメント)でもよいが、後者が好ましい。かかる長繊維には仮撚捲縮加工が施されていると、側地の通気性が低くなるため中綿が吹き出しにくくなり好ましい。さらには、撚糸や空気加工が施されていてもよい。単糸の横断面形状も特に限定されるものではなく、通常の丸型だけでなく、扁平、くびれ付き扁平、三角、Y型、T型、U型などの異型であってもよい。
側地は前記の難燃ポリエステル繊維だけで構成されていてもよいし、前記の難燃ポリエステル繊維とポリエチレンテレフタレート繊維など他の繊維とで構成されていてもよい。その際、前記の難燃ポリエステル繊維の重量比率は側地全重量に対して30重量%以上であることが好ましい。
また、側地を構成する布帛組織としては、織物組織が好ましく、例えば、平織、綾織、朱子織等の三原組織、変化組織、たて二重織、よこ二重織等の片二重組織、たてビロードなどが例示されるがこれらに限定されない。層数も単層でもよいし、2層以上の多層でもよい。
その際、かかる織物において、織物のカバーファクター(CF)が1800〜4500の範囲内であることが好ましい。より好ましくは1800〜3500の範囲であることが良い。カバーファクターが1800よりも小さいと、中綿が吹き出すおそれがある。一方、カバーファクターが4500よりも大きいと、通気性が小さくなり、ムレが生じるおそれがある。
CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
ただし、DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。
本発明の繊維製品は、前記の中綿と側地とを用いてなる。その際、側地は、縫製または熱接着により袋体の形状を有し、その中に前記の中綿が封入される。
かかる繊維製品としては、掛け布団、敷き布団、枕、マットレス、ベッドパット、座布団、コタツ布団、防災頭巾、ぬいぐるみ、防寒衣料などが例示されるが、これらに限定されない。
かかる繊維製品において、燃焼時に炭化する繊維が中綿に含まれることにより燃焼物のドリップが抑制され、かつ難燃ポリエステル繊維が側地に含まれることにより燃焼の拡大が抑制され、これらの相乗作用により極めて優れた防炎性が得られる。
ここで、公益財団法人日本防炎協会の定める防炎製品性能試験基準において規定されるふとん類完成品の防炎試験(45°メセナミン法)により測定して、炭化部分の最大値が10cm以下であり、かつ、炭化部分の平均値が8cm以下であることが好ましい。また、公益財団法人日本防炎協会の定める防炎製品性能試験基準において規定されるふとん類完成品の防炎試験(水平たばこ法)により測定して、炭化部分の最大値が10cm以下であり、かつ、残炎、残じんが1時間後にないことが好ましい。
(1)カバーファクター
カバーファクター(CF)を下記式で求めた。
CF=(DWp/1.1)1/2×MWp+(DWf/1.1)1/2×MWf
ただし、DWpは経糸総繊度(dtex)、MWpは経糸織密度(本/2.54cm)、DWfは緯糸総繊度(dtex)、MWfは緯糸織密度(本/2.54cm)である。
(2)防炎試験
公益財団法人日本防炎協会の定める防炎製品性能試験基準において規定されるふとん類完成品の防炎試験(45°メセナミン法、水平たばこ法)により測定した。45°メセナミン法、水平たばこ法共に合格することが必要である。
45°メセナミン法の試験体は、試験用ふとん側地(詰物を入れる前の縫い上がりの状態で、縫い目の相互間隔をたて25cm、よこ25cmとする。)に同一試料から中わた40±0.5gを均一に入れたもの3体とすること。ただし、完成した試験体の厚さ(最も厚い部分)が3cmに満たないものにあっては、3cmになるまでわたを追加すること。試験体を45°に傾斜させた試験体支持枠の金網の上に重ねて、試験体支持枠にゆるみなく固定し、試験体支持枠の内側の下辺中央部より5cm上部の位置にメセナミンを容易に移動しない方法(針などを試験体に刺すなどして)で置く。メセナミンの点火は小火源によって行い燃焼が終了するまで放置する。合格基準は、試験用ふとんについても透視的に測定した炭化部分の最大の長さとし、試験体3体について、最大値が10cm以下で、かつ、平均値が8cm以下であること。
水平たばこ法の試験体は、45°メセナミン法と同様とし6体とする。水平な台の上に一体の試験体を置き、試験体のほぼ中央部分(たて方向を3分割した2つ目部分とよこ方向の中央部)に点火したたばこ(一端から5mmのところまで燃焼した状態の両切ピース)を置いた後、その上にもう一体の試験体をたばこが移動しないようにして、下側の試験体と同じ位置になるように重ねること。1時間後、上側の試験体を静かに取り除き、炭化長(試験体の表面で測定)の測定及び残炎、残じんの有無を確認すること。合格基準は炭化長として、試験体炭化部分の最大の長さとし、試験体6体について、最大値が10cm以下であること、かつ、残炎及び残じんがないこと。
[実施例1]
艶消し剤として二酸化チタンをポリマー重量対比0.30重量%含むポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸SD167dtex/48filを経糸に配し、艶消し剤として二酸化チタンをポリマー重量対比0.30重量%含み、難燃成分としてホスフォランを共重合させたリン含有量6000ppmの難燃ポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸SD330dtex/96fil(難燃ポリエステル繊維)を緯糸に配し平組織織物を製織した。
次いで常法により、染色加工を行い経糸密度87本/2.54cm、緯密度51本/2.54cmの側地用織物(カバーファクター(CF)1949)を得た。難燃ポリエチレンテレフタレートの混率は54重量%であった。
中綿用として、ダイワボウレーヨン株式会社製の難燃レーヨン綿(燃焼時に炭化する繊維)、銘柄DFG1.7dtex×51mmを25重量%と、ポリエチレンテレフタレート綿、SD7.7dtex×64mmを75重量%とを常法によって混綿、開繊し、カード機を通してカードウェブを得た。
得られた側地用織物と中綿を用いて、公益財団法人日本防炎協会の定める防炎製品性能試験基準において規定されるふとん類完成品を得た後、防炎試験を測定した。
防炎性能の評価は、45°メセナミン法の炭化長は3.7cm、4.8cm、4.3cmの平均4.3cm、水平たばこ法の炭化長は1.0cm、1.5cm、1.2cmの最大1.5cm、残炎、残じん無しで合格であった。
得られた完成品の重量は60.5gで、ポリエステル系繊維の混率は83.5重量%であった。
[実施例2]
実施例1において、中綿用の難燃レーヨン綿とポリエチレンテレフタレート綿をそれぞれ50重量%に変更すること以外は、実施例1と同様にして防炎試験を測定した。防炎性能の評価は、45°メセナミン法の炭化長は4.3cm、5.7cm、3.6cmの平均4.5cm、水平たばこ法の炭化長は1.2cm、0.8cm、1.1cmの最大1.2cm、残炎、残じん無しで合格であった。
得られた完成品の重量は60.5gで、ポリエステル系繊維の混率は66.9重量%であった。
[比較例1]
実施例1において、緯糸に難燃成分を使用していないポリエチレンテレフタレート仮撚捲縮加工糸330dtex/96filに変更すること以外は、実施例1と同様にして防炎性能を測定した。防炎性能の結果は、45°メセナミン法の炭化長は∞(試験体の上端まで炭化)で不合格、水平たばこ法の炭化長は2.0cm、2.2cm、2.1cmの最大2.2cm、残炎、残じん無しで合格、総合判定は不合格であった。
得られた完成品の重量は60.5gで、ポリエステル系繊維の混率は83.5重量%であった。
[実施例3]
実施例1において、使用する中綿を難燃レーヨン綿、銘柄DFG1.7dtex×51mmを25重量%と、ポリエチレンテレフタレート綿、SD7.7dtex×64mmを75重量%とを常法によって混綿、開繊し、カード機を通して得たカードウェブを20gと、ポリエチレンテレフタレート綿、SD7.7dtex×64mmを100重量%で同様に得たカードウェブ20gを使用して、餡パンのパンと餡子のように、パン部分に難燃レーヨン綿を含むカードウェブ20gを配置し、餡子部分にポリエチレンテレフタレート綿20gを配置するようにした中綿に変更すること以外は実施例1と同様にして防炎試験を測定した。
防炎性能の評価は、45°メセナミン法の炭化長は4.7cm、4.9cm、5.0cmの平均4.9cm、水平たばこ法の炭化長は1.8cm、1.4cm、1.7cmの最大1.8cm、残炎、残じん無しで合格であった。
得られた完成品の重量は60.5gで、ポリエステル系繊維の混率は91.7重量%であった。
本発明によれば、中綿と側地とを含む繊維製品であって、防炎性に優れた繊維製品が提供され、その工業的価値は極めて大である。

Claims (8)

  1. 中綿と側地とを含む繊維製品であって、燃焼時に炭化する繊維が前記中綿に含まれ、かつ難燃ポリエステル繊維が前記側地に含まれ、
    難燃ポリエステル繊維は、総繊度30〜1000dtex、フィラメント数30〜300本の仮撚捲縮加工糸であり、
    側地は、カバーファクターCFが1800〜4500の織物である、
    ことを特徴とする繊維製品。
  2. 燃焼時に炭化する前記繊維が、セルロース系繊維またはウールまたはアクリル繊維である、請求項1に記載の繊維製品。
  3. 中綿に含まれる燃焼時に炭化する繊維が側地に接している請求項1または請求項2に記載の繊維製品。
  4. 前記難燃ポリエステル繊維が、難燃剤をポリエステルポリマー中に含む難燃ポリエステル繊維、または後加工により難燃剤が付与された難燃ポリエステル繊維である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の繊維製品。
  5. 前記難燃剤が、リン系難燃剤、臭素系難燃剤、アンチモン系難燃剤、ポリリン酸アンモニウム、無水リン酸アンモニウム、コロイド状の五酸化アンチモン、三酸化アンチモン、アンチモン酸ナトリウム、ホウ酸亜鉛、酸化ジルコニウム、リン酸二アンモニウム、スルファミン酸、スルファミン酸塩、ホウ酸、ホウ酸塩、およびアルミナ水和物からなる群より選択される少なくとも一種である、請求項4に記載の繊維製品。
  6. 繊維製品が、掛け布団、敷き布団、枕、マットレス、ベッドパット、座布団、コタツ布団、防災頭巾、ぬいぐるみ、または防寒衣料である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の繊維製品。
  7. 公益財団法人日本防炎協会の定める防炎製品性能試験基準において規定されるふとん類完成品の防炎試験(45°メセナミン法)により測定して、炭化部分の最大値が10cm以下であり、かつ、炭化部分の平均値が8cm以下である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の繊維製品。
  8. 公益財団法人日本防炎協会の定める防炎製品性能試験基準において規定されるふとん類完成品の防炎試験(水平たばこ法)により測定して、炭化部分の最大値が10cm以下であり、かつ、残炎、残じんが1時間後にない、請求項1〜7のいずれか一項に記載の繊維製品。
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