JP6042720B2 - 噴射容器用噴射ボタンの製造方法 - Google Patents
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Description
本願出願人は、先にエアゾール容器等の封緘キャップについて下記特許文献に記載のものを既に提案している。
しかも、その構造を極めて簡易なものとして、製造容易、製造コストの低減化をも念頭に入れてその創案をすることがその課題となる。
更に、本発明においては、エアゾール容器等の開封後使用中においても、噴射ボタンのロックを容易に行うことができることもその課題とするものである。
そして、ロック部を取り外すことによって、押下部の押し下げが可能となり、容器の内容液を外部に噴射することが可能となる。
このように、本発明に係る噴射ボタンは、ロック部を取り外すことにより使用可能となるために、このロック部を取り外す前の状態において、その未使用状態を確認することができ、バージンシールの役目も担う事となる。
また、ロック部を取り外した後の使用中においても、このロック部を利用して、使用後に再度押下部と基礎部との間に嵌合することにより、ロック手段として用いることも可能となる。
より詳しくは、1組の金型によって同時に成形され、金型の離型時に押下部、ロック部及び基礎部のすべての構成要素が組み立てられた状態で完成する。即ち、アッセンブリが完成した状態で一体的に成形される。
即ち、第1及び第2ゲート並びに成形用接続部によって、金型内に合成樹脂が充填され、離型後には押下部、ロック部及び基礎部はそれぞれ個別のものとして一体的に組み合わされた状態で完成するものである。
従って、個々の構成要素を個別に成形し、その後にアッセンブリを行う方法と比較すれば、格段に省エネ及び省力化に寄与するものとなる。
従って、押下部とロック部が連接部によって繋がった状態となるために、製品の未開封性がより明確なものとなる。
そして、製品の使用時には、上記連接部を切断して、ロック部を押下部から分離させることにより始めて使用できるものとなるのである。
即ち、ロック部の外周に設けた一つ又は複数の突状部によって、このロック部を押下部の外周壁面から取り外したり或いは取り付けたりする操作をより容易なものとしたのである。
この突状部は、ロック部の周囲に複数個設けてもよいし、噴射口と反対側の後部に1個設けるのも自由である。
即ち、上記第2又は第3の発明に係る噴射容器用噴射ボタンの製造方法について明確化したものである。
その効果は、上記第2又は第3の発明の効果と同様のものである。
即ち、1組の金型によって同時に成形され、金型の離型時に押下部、ロック部及び基礎部のすべての構成要素が組み立てられた状態で完成する。つまり、アッセンブリが完成した状態で一体的に成形され、製造容易、コスト削減、取り扱いも簡便なものとなり、未開封性をも付与できるものとなるのである。
図1は、本発明の一実施形態に係る噴射ボタンを図示しており、その(A)が正面図、その(B)が右側面図、その(C)が平面図、その(D)が背面図である。
これらの図から各構成要素の関係及び構成を見て取ることができる。
基礎部11は、噴射ボタン10の最下方に位置し、上方に向かって徐々にその外径が小さく形成された略筒体形状を有し、その内部に上方から押下部12の下方筒体部12cが嵌入する。
基礎部11の下端開口部11kは、図示はしていないエアゾール容器等の上端部と係合し、固定される。
この押下部12の下方筒体部12cが、上記した通り、基礎部11の内部に上方から遊嵌状態で嵌入するのである。
即ち、このロック部15は、押下部12の天部12tの下方で、押下部12の下方筒体部12cの外周にこれを囲繞するように配置されているのである。
ロック部15は、上記した通り、押下部12の下方筒体部12cの外周に配置されているが、そのロック部15の前方側は連続しておらずに分離され、切り欠かれている。この切欠部の存在は、このロック部15を押下部12の下方筒体部12cから取り外すためである。
また、26は、ロック部15の外周に設けた突状部を示している。
従って、この突状部26を摘みとして指等によりロック部15を押下部12の下方筒体部12cから取り外すことによって、押下部12が下方に押下されうる状態と成る。
これらの図から見て取れるように、この実施形態に係る噴射ボタン10は、エアゾール容器等の上端部中央に位置する内容液の排出用ステムの上端部と、押下部12内の導通路12pの導入口12gとが嵌合して連結し、基礎部11の下端開口部11kの開口縁部がエアゾール容器等の上端の周縁部と係合して、固定されるのである。
これによりロック部15を押下部12の下方筒体部12cから取り外して、押下部12を下方に押し下げ、容器内の内容液は、排出用ステムから導通路12pを通過して、噴射口12nから外部へ噴射することができる。
そして、容器開封後使用中の際には、このロック部15を基礎部11と押下部12との間に嵌合することにより、これを押下部12のロック手段として使用することが可能となるのである。
本発明に係る噴射ボタン10は、外型と内型の1組の金型を用いて一体的に成形して製作することができる。
即ち、外型と内型の1組の金型を用いて合成樹脂を充填して一体成形するために、図2(B)に示した通り、第1ゲートG1と第2ゲートG2を設け、前記第1ゲートG1は、押下部と基礎部に樹脂を充填でき、第2ゲートG2は、ロック部15に樹脂を充填できる。
そして、第1ゲートG1から充填される樹脂は、複数の内部ゲートG3を介して押下部12及び基礎部11の両者へと充填されるのである。
この内部ゲートG3が成形用接続部として、次の図3の底面図で説明するが、4箇所設けられている。
このアッセンブリが完成した状態において、つまり金型を分離した状態で前記内部ゲートG3となっていた成形用接続部は、切断された状態となる。
図2(D)は、金型離型後、噴射口部12nが収縮により下方に少し湾曲するが、この収縮曲がり状態を単に図示したものである。
このように、押下部12の下方筒体部12cを基礎部11と接続するため、成形用接続部、つまり内部ゲートG3が、押下部12と基礎部11とを4つの成形用接続部G3、G3、…として接続しているのである。
このように、成形用接続部G3は、基礎部11の内壁上端部と押下部12の下方筒体部12cとの間に4つ介在させている。
以上により、本発明に係る噴射ボタン10は、その構成要素の全てが同時に一体的に成形され、離型時には、その全体が組み立てられた状態で、アッセンブリが完成した状態で出来上がることとなるのである。
まず、本発明に係る噴射ボタンは、エアゾール容器或いはポンプ式噴霧容器の何れのタイプのものにも適用することができる。
噴射ボタンの大きさ、形態等は、エアゾール容器又はポンプ式噴霧容器の上端部の形態に適合させて適宜設計変更することができる。
内部ゲートG3である成形用接続部の数、位置、その形態等も自由に設計することができる。
即ち、押下部の天部とロック部の上縁部を複数の連接部によって接続しておくことにより、押下部とロック部とが接続状態となり、第1ゲートを押下部又は基礎部に設けることにより、第2ゲートを無くすることができるのである。
このようにすることにより、噴射ボタンが完成した状態で、押下部とロック部が複数の連接部によって接続した状態と成り、より製品の未開封性を確実なものとすることができるのである。
ロック部外周面に設ける突状部の数や形状、大きさ等も自由に設計変更することができる。
11 基礎部
12 押下部
12c 下方筒体部(押下部の)
12n 噴射口
12p 導通路
12g 導入口
15 ロック部
26 突状部
G1 第1ゲート
G2 第2ゲート
G3 内部ゲート(成形用接続部)
Claims (3)
- エアゾール容器又はポンプ式噴霧容器の上端部に設けられている内容液の排出用ステムに装着する噴射ボタンであって、この噴射ボタンを押下することによって、内容液がその噴射ボタンの噴射口から噴射される噴射ボタンにおいて、
前記噴射ボタンが下方部分に位置する基礎部(11)と、基礎部(11)の上方に位置する押下部(12)と、前記基礎部(11)と押下部(12)の間に位置するロック部(15)とからなり、
このロック部(15)は、その一部が切断された切欠部を有して前記押下部(12)の下方外周壁面を囲繞するように配置され、
前記基礎部(11)の下端周縁部が容器上端部の排出用ステムの外側の周縁部と係合してキャップ機能を有し、
前記押下部(12)は、排出用ステムと連結する導通路(12p) を有し、この導通路(12p) の出口が噴射口(12n)を成し、
これにより前記ロック部(15)を取り外すことによって押下部(12)が押し下げられる状態となる噴射容器用噴射ボタンの製造方法において、
前記噴射ボタンを成形するに際して、前記押下部(12)と基礎部(11)とを接続する成形用接続部(G3)を1又は2以上設けた外型と内型からなる1組の金型を使用し、
この金型には、押下部又は基礎部に通じる第1ゲート(G1)と、ロック部に通じる第2ゲート(G2)を設け、
この金型内に合成樹脂を充填し、固化して一体的に成形され、
金型離型後に各構成要素が組み立てられた状態で完成することを特徴とする噴射容器用噴射ボタンの製造方法。 - 前記ロック部(15)の切欠部が噴射口側の前方に設けられ、更に、ロック部(15)の外周面の適宜位置に一又は複数の突状部(26)を形成したことを特徴とする請求項1に記載の噴射容器用噴射ボタンの製造方法。
- 前記押下部(12)の下端外周縁部に外側方向に延長する延長部を設け、成形完了後、押下部が基礎部から上方に抜脱しないように形成したことを特徴とする請求項1又は2に記載の噴射容器用噴射ボタンの製造方法。
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