以下、測定装置の実施の形態について、添付図面を参照して説明する。
図1に示す測定装置1は、「測定装置」の一例であって、測定部2、操作部3、表示部4、制御部5および記憶部6を備えて構成されている。
測定部2は、一例として、CH1〜CH4の4つの測定チャンネルを備え、制御部5の制御に従って各測定チャンネル毎に測定対象の物理量(電気的パラメータ等)を測定し、その測定値を制御部5に出力する処理(測定処理)を実行可能に構成されている。この場合、測定処理によって測定する物理量は、電流値、電圧値、抵抗値、電力値、位相、温度、湿度、輝度(光度)、照度、雨量および流量等の各種の「物理量」がこれに含まれる。なお、本例の測定装置1では、一例として、「直流電圧値」、「交流電圧値」、「直流電流値」、「交流電流値」および「抵抗値」のうちから選択された任意の1つを測定可能に測定部2が構成されている。
操作部3は、電源ボタンや、測定部2による測定処理の開始/停止を指示するスタート/ストップボタンなどの物理的な操作ボタン(図示せず)に加え、表示部4の前面側に配設されたタッチパネル(図示せず)を備え、これらの操作に応じた操作信号Sを制御部5に出力する。表示部4は、制御部5の制御に従い、測定装置1の動作条件を設定するための動作条件設定画面10(図2,6〜15参照)や、測定部2による測定処理の進行状態および測定結果を表示する測定処理画面(図示せず)などを表示する。
この場合、動作条件設定画面10は、「動作条件設定画面」の一例であって、図2に示すように、この動作条件設定画面10には、「CH1」〜「CH4」の4つの測定チャンネル毎に、「動作(設定項目A)」、「測定種別(設定項目B)」「測定レンジ、下限値、上限値(設定項目C)」、「表示色(設定項目D)」および「入力(設定項目E)」の5つの設定項目毎の設定値を入力するための設定値入力領域11−1a〜11−1e,11−2a〜11−2e,11−3a〜11−3e,11−4a〜11−4e(「設定値入力領域」の一例:以下、区別しないときには「設定値入力領域11」ともいう)が表示されると共に、カーソル表示12、設定値入力ボタン表示部13、確定ボタン14、および設定終了ボタン15が表示される。
カーソル表示12は、「対象領域特定表示」の一例であって、「入力対象領域」として選択されている設定値入力領域11を特定可能にその設定値入力領域11に重ねて表示される。設定値入力ボタン表示部13には、「入力対象領域」として選択されている設定値入力領域11の設定項目の内容(設定され得る設定値の内容)に応じて、図2,7,8に示すような設定値選択候補(「AC」、「DC」、「ON」、「OFF」、「電圧」、「電流」および「抵抗」等)や、図9〜15に示すような数値入力ボタン(仮想ボタン)などが表示される。確定ボタン14は、「確定ボタン表示」の一例である仮想ボタンって、後述するように、この確定ボタン14の表示領域に対するタッチ操作が行われることによって、設定値入力領域11に入力されている設定値の確定などの各種の処理が実行される。さらに、設定終了ボタン15は、動作条件の設定を終了する機能が割り当てられた仮想ボタンであって、後述するように、この設定終了ボタン15の表示領域がタッチ操作されることによって、動作条件設定画面10が閉じられると共に、各設定値入力領域11に入力されている設定値に基づいて動作条件データD0が生成される。
制御部5は、測定装置1を総括的に制御する。具体的には、制御部5は、後述するように図3に示す動作条件設定処理20を実行して動作条件データD0を生成し、生成した動作条件データD0を記憶部6に記憶させる。また、制御部5は、記憶部6に記憶させた動作条件データD0に従って測定部2を制御して測定処理を実行させると共に、測定部2から出力される測定値に基づいて測定結果データD1を生成して記憶部6に記憶させる。記憶部6は、制御部5の動作プログラムや、上記の動作条件データD0および測定結果データD1などを記憶する。
この測定装置1による物理量の測定に際しては、まず、動作条件(測定部2による測定処理の条件)を設定する。具体的には、操作部3を操作して動作条件の設定開始を指示する。この際に、制御部5は、操作部3からの操作信号Sに従い、図6に示すように、動作条件設定画面10を表示部4に表示させると共に、図3に示す動作条件設定処理20を開始する。この動作条件設定処理20では、制御部5は、まず、各設定値入力領域11のうちのいずれかが選択されているか否かを判別する(ステップ21)。
この場合、動作条件の設定作業を開始した直後のこの時点においては、図6に示すように、各設定値入力領域11−1a〜11−4a(CH1〜CH4の設定項目A)に初期値の「OFF」との設定値(その測定チャンネルを使用した測定処理を実行しない旨の設定値)が表示されると共に、その他の設定値入力領域11に設定値が未入力の状態で、いずれの設定値入力領域11も選択されていない状態となっている。したがって、同図に示す例では、カーソル表示12(図2,7〜15参照)および設定値入力ボタン表示部13(設定値入力ボタン表示部13の設定値候補や数値入力ボタン等:図2,7〜15参照)が非表示となっている。
次いで、制御部5は、いずれかの設定値入力領域11に対するタッチ操作(各設定値入力領域11のうちのいずれかの設定値入力領域11を「入力対象領域」として選択する操作)が行われたか否かを監視する(ステップ22)。この際に、例えばCH1の設定項目Aについての設定値入力領域11−1aに対するタッチ操作が行われたときに、制御部5は、図7に示すように、設定値入力領域11−1aを「入力対象領域」としてカーソル表示12を設定値入力領域11−1aに重ねて表示させると共に、設定値入力領域11−1aの内容に応じた設定値候補(この例では、「ON」および「OFF」との候補)を設定値入力ボタン表示部13に表示させる(ステップ23)。
続いて、制御部5は、「入力対象領域」として設定値入力領域11−1aが選択されていると判別し(ステップ21)、動作条件設定画面10内の各部に対するタッチ操作の有無を監視する。なお、この動作条件設定処理20では、以下に説明する各ステップの処理が完了したときにこのステップ21の判別処理が実行されるが、測定装置1における動作条件の設定操作に関する理解を容易とするために、以下、この判別処理に関する説明を省略する。
また、この動作条件設定処理20では、動作条件設定画面10内のいずれかの部位に対するタッチ操作が行われたときに、後述するように、制御部5が、いずれかの設定値入力領域11の表示部位に対するタッチ操作が行われたか否か(ステップ24)、設定値入力ボタン表示部13の表示部位に対するタッチ操作が行われたか否か(ステップ25)、確定ボタン14の表示部位に対するタッチ操作が行われたか否か(ステップ27)、設定終了ボタン15の表示部位に対するタッチ操作が行われたか否か(ステップ28)、および操作無効領域に対するタッチ操作が行われたか否か(ステップ30)を、該当するタッチ操作が行われたと判別するまで順次実行するが、測定装置1における動作条件の設定操作に関する理解を容易とするために、以下、該当するタッチ操作が行われていないと判別したステップの処理に関する説明を省略する。
この際に、設定値入力領域11−1aに対する設定値の入力を実施しようとしている利用者は、設定値入力ボタン表示部13に表示されている両設定値候補のなかから「ON」との候補を選択してタッチ操作する。これに応じて、制御部5は、「設定値入力ボタンの表示領域に対するタッチ操作(以下、単に「設定値入力ボタンに対するタッチ操作」ともいう)」が行われたと判別し(ステップ25)、選択された候補の「ON」との設定値を設定値入力領域11−1aに表示させる(ステップ26)。
この際に、本例の測定装置1では、設定値入力領域11−1aに対する設定値の入力操作が完了したときに、入力されている設定値を確定させて次の設定値入力領域11に対する設定値の入力を開始するための操作として、以下の3種類の操作のいずれかを採用することができるように構成されている。まず、第1の操作方法では、一例として、次に「入力対象領域」とすべき設定値入力領域11−1bに対するタッチ操作を行う。この際に、制御部5は、他の設定値入力領域11に対するタッチ操作が行われたと判別して(ステップ24)、図4に示す入力対象領域変更処理40を開始する。
この入力対象領域変更処理40では、設定値入力領域11−1bに対するタッチ操作が行われた時点において「入力対象領域」として選択されていた設定値入力領域11(この例では、設定値入力領域11−1a)に新たな設定値が入力されていると判別し(ステップ41)、その設定値を設定値入力領域11−1aの設定項目(この例では、CH1の設定項目A)の設定値として確定させる(ステップ42)。次いで、制御部5は、タッチ操作によって選択された設定値入力領域11−1bを新たな「入力対象領域」として図8に示すように、カーソル表示12を設定値入力領域11−1bに重ねて表示させる(カーソル表示12を設定値入力領域11−1aから設定値入力領域11−1bに移動させる)と共に、設定値入力領域11−1bの内容に応じた設定値候補(この例では、「電圧」、「電流」および「抵抗」との候補)を設定値入力ボタン表示部13に表示させ(ステップ43)、この入力対象領域変更処理40を終了する。これにより、設定値入力領域11−1aに入力した設定値の確定、および新たな「入力対象領域」としての設定値入力領域11−1bの選択作業が完了する。
一方、第2の操作方法では、設定値入力領域11−1aに対する設定値の入力操作が完了している状態(設定値入力領域11−1aに設定値が表示されている状態)において確定ボタン14の表示領域に対する点的なタッチ操作を行う。具体的には、図7に示す状態において確定ボタン14の表示領域に対する点的なタッチ操作(タッチパネルに接した指をタッチパネル上で移動させないタッチ操作:以下、単に「確定ボタン14に対する点的なタッチ操作」ともいう)が行われたときに(ステップ27)、制御部5は、図5に示す確定ボタン操作時処理50を開始する。
この確定ボタン操作時処理50では、制御部5は、まず、タッチ操作が終了するまで(タッチパネルから指などが離間するまで)待機する(ステップ51)。また、タッチ操作が終了したときに、制御部5は、「入力対象領域」として選択されている(カーソル表示12が重ねて表示されている)設定値入力領域11(この例では、設定値入力領域11−1a)に設定値が入力されているか否かを判別し(ステップ52)、この例では、「ON」との設定値が入力されていると判別して、その設定値を「入力対象領域」として選択されている設定値入力領域11−1aの設定項目(この例では、CH1の設定項目A)の設定値として確定させる(ステップ53)。
次いで、制御部5は、上記のタッチ操作の開始点および終了点をそれぞれ特定する(ステップ54)。この際に、確定ボタン14に対する点的なタッチ操作が行われた本例では、制御部5は、ステップ54において特定した開始点と終了点との間の距離(開始点および終了点の離間距離)が「予め規定された距離(スライド操作ではないと判定する基準の距離)」を下回っていると判別する(ステップ55)。
この際には、ステップ53において設定値を確定させた設定値入力領域11−1aに対して右方(「予め規定された第1の方向」が「右方」の例)に隣接(1つ隣り:以下同様)して位置する設定値入力領域11−1bを新たな「入力対象領域」として、図8に示すように、カーソル表示12を設定値入力領域11−1bに重ねて表示させると共に、設定値入力領域11−1bの内容に応じた設定値候補を設定値入力ボタン表示部13に表示させ(ステップ56)、この確定ボタン操作時処理50を終了する。これにより、設定値入力領域11−1aに入力した設定値の確定、および新たな「入力対象領域」としての設定値入力領域11−1bの選択作業が完了する。
また、第3の操作方法では、設定値入力領域11−1aに対する設定値の入力操作が完了している状態において確定ボタン14の表示領域に対する線的なタッチ操作(スライド操作)を行う。具体的には、図7に示す状態において確定ボタン14の表示領域に対する右向きの線的なタッチ操作(タッチパネルに接した指をタッチパネル上で右向きにスライドさせるタッチ操作:以下、単に「確定ボタン14に対する右向きのスライド操作」ともいう)が行われたときに(ステップ27)、制御部5は、上記の確定ボタン操作時処理50を開始する。
この際に、制御部5は、まず、タッチ操作が終了するまで待機した後に(ステップ51)、「入力対象領域」として選択されている設定値入力領域11−1aに設定値が入力されていると判別する(ステップ52)。次いで、制御部5は、入力されている「ON」との設定値を設定値入力領域11−1aの設定項目の設定値として確定させた後に(ステップ53)、上記のタッチ操作の開始点および終了点をそれぞれ特定する(ステップ54)。この際に、確定ボタン14に対する右向きのスライド操作が行われた本例では、制御部5は、ステップ54において特定して開始点と終了点との間の距離が「予め規定された距離」以上であると判別する(ステップ55)。
したがって、制御部5は、ステップ53において設定値を確定させた設定値入力領域11−1aに対して、上記のスライド操作の開始点に対する終了点の存在方向(この例では、右向き)に隣接して位置する設定値入力領域11−1bを新たな「入力対象領域」として、図8に示すように、カーソル表示12を設定値入力領域11−1bに重ねて表示させる(カーソル表示12を設定値入力領域11−1aから設定値入力領域11−1bに移動させる)と共に、設定値入力領域11−1bの内容に応じた設定値候補を設定値入力ボタン表示部13に表示させ(ステップ57)、この確定ボタン操作時処理50を終了する。これにより、設定値入力領域11−1aに入力した設定値の確定、および新たな「入力対象領域」としての設定値入力領域11−1bの選択作業が完了する。
なお、上記の例とは相異するが、確定ボタン14に対する下向きのスライド操作を行ったときには、制御部5は、スライド操作の開始点に対する終了点の存在方向(この例では、下向き)に隣接して位置する設定値入力領域11−2aを新たな「入力対象領域」としてカーソル表示12を重ねて表示させる(カーソル表示12を設定値入力領域11−1aから設定値入力領域11−2aに移動させる)と共に、設定値入力領域11−2aの内容に応じた設定値候補を設定値入力ボタン表示部13に表示させ(ステップ57)、確定ボタン操作時処理50を終了する。また、確定ボタン14に対する左向きのスライド操作や上向きのスライド操作を行ったときには、制御部5は、スライド操作の開始点に対する終了点の存在方向に他の設定値入力領域11が存在しないと判別し、一例として「無効な操作です」とのエラーメッセージを表示させて(図示せず)、他のタッチ操作が行われるか否かを監視する。
一方、上記の3種類の操作方法のいずれかによって「入力対象領域」として新たに選択された設定値入力領域11−1bや、同様の操作によって新たに選択される設定値入力領域11−1cにおける「測定レンジ」との領域の設定項目については、上記の設定値入力領域11−1aの設定項目と同様の操作によって所望の設定値を入力する。また、「測定レンジ」との領域の設定項目に例えば「1Vレンジ」との設定値を入力した状態において上記の第1の操作方法によって設定値入力領域11−1cにおける「下限値」との領域を選択したとき、または、上記の第2の操作方法および第3の操作方法のいずれかを実施したときには、「測定レンジ」との設定項目に関して「1Vレンジ」との設定値が確定されると共に、設定値入力領域11−1cにおける「下限値」との領域が新たな「入力対象領域」として選択される。この際には、図9に示すように、「下限値」との領域に重ねてカーソル表示12が表示されると共に、「下限値」との設定項目の内容に応じて「数値入力ボタン」が設定値入力ボタン表示部13に表示される。これにより、設定値入力ボタン表示部13の数値入力ボタンを操作することにより、「下限値」として任意の値(設定値)を入力することが可能となる。
さらに、設定値入力領域11−1cにおける「上限値」との領域、および設定値入力領域11−1dについての設定値の入力および確定が終了し、設定値入力領域11−1eに対する設定値の入力が完了したときに、その設定値を確定させて、設定値入力領域11−2aを新たな「入力対象領域」として選択する際には、一例として、設定値入力領域11−2aに対するタッチ操作を行う。この際に、制御部5は、設定値入力領域11−2aに対するタッチ操作が行われたと判別して(ステップ24)、図4に示す入力対象領域変更処理40を開始する。
この入力対象領域変更処理40では、設定値入力領域11−2aに対するタッチ操作が行われた時点において「入力対象領域」として選択されていた設定値入力領域11(この例では、設定値入力領域11−1e)に新たな設定値が入力されていると判別し(ステップ41)、その設定値を設定値入力領域11−1eの設定項目(この例では、CH1の設定項目E)の設定値として確定させる(ステップ42)。次いで、制御部5は、タッチ操作によって選択された設定値入力領域11−2aを新たな「入力対象領域」としてカーソル表示12を重ねて表示させる(カーソル表示12を設定値入力領域11−1eから設定値入力領域11−2aに移動させる)と共に、設定値入力領域11−2aの内容に応じた設定値候補を設定値入力ボタン表示部13に表示させ(ステップ43)、この入力対象領域変更処理40を終了する。
この後、設定値入力領域11−2a〜11−2eおよび設定値入力領域11−3a〜11−3dまでの各設定値入力領域11に対する設定値の入力および確定を完了し、その後に、設定値入力領域11−3eに対する設定値の入力を完了することにより、図2に示すように、CH1〜CH3の各設定項目の設定値入力領域11に入力された設定値がそれぞれ表示された状態となる。この状態において、設定値入力領域11−3eに入力されている設定値を確定させ、かつ、設定値入力領域11−1a〜11−3eまでのすべての設定値を確定値として動作条件データD0を生成するには、設定終了ボタン15の表示部位に対するタッチ操作(以下、「設定終了ボタン15に対するタッチ操作」ともいう)を行う。
この際に、制御部5は、設定終了ボタン15に対するタッチ操作が行われたと判別して(ステップ28)、各設定値入力領域11に入力されている各設定値に基づいて動作条件データD0を生成し(ステップ29)、生成した動作条件データD0を記憶部6に記憶させてこの動作条件設定処理20を終了する。これにより、測定部2のCH1〜CH3を使用した測定処理の準備作業が完了する。
なお、上記の動作条件設定処理20における一連の操作に際して、いずれかの設定値入力領域11、設定値入力ボタン表示部13の設定値候補や数値入力ボタン、確定ボタン14および設定終了ボタン15以外の部位に対するタッチ操作(操作無効領域に対するタッチ操作)が行われたときに(ステップ30)、制御部5は、一例として、「その操作は無効です」とのエラーメッセージを表示部4に表示させた後に(ステップ31)、他のタッチ操作が行われるか否かを監視する(ステップ21)。
一方、上記の例とは相異するが、この測定装置1では、動作条件設定画面10の各設定値入力領域11に入力して確定させた設定値を他の設定値に変更することもできる。具体的には、一例として、図2に示すように、設定値入力領域11−1a〜11−3dまでの各設定値入力領域11に対する設定値の入力および確定を完了し、その後に、設定値入力領域11−3eに対する設定値の入力を完了した状態において、設定値入力領域11−2cにおける「上限値」との領域の設定値を変更する際には、「上限値」との領域に対するタッチ操作を行う。この際に、制御部5は、他の設定値入力領域11に対するタッチ操作が行われたと判別して(ステップ24)、前述した入力対象領域変更処理40を開始する。
具体的には、制御部5は、まず、タッチ操作が行われた時点における「入力対象領域」である設定値入力領域11−3eに新たな設定値が入力されていると判別し(ステップ41)、その設定値を設定値入力領域11−3eの設定項目の設定値として確定させる(ステップ42)。次いで、制御部5は、図10に示すように、タッチ操作によって選択された設定値入力領域11−2cにおける「上限値」との領域を新たな「入力対象領域」としてカーソル表示12を重ねて表示させる(カーソル表示12を設定値入力領域11−3eから設定値入力領域11−2cの「上限値」に移動させる)と共に、「上限値」との領域の内容に応じて数値入力ボタンを設定値入力ボタン表示部13に表示させ(ステップ43)、この入力対象領域変更処理40を終了する。
この状態において、設定値入力ボタン表示部13の「8」、「0」、「.」、「5」の数値入力ボタンを順に操作することにより、既に設定されていた(確定されていた)「+100.0V」との設定値を「+80.5V」に変更する(「新たな設定値」の入力の一例)。これにより、図11に示すように、新たに入力された設定値が「上限値」との領域に表示される。次いで、新たに入力した設定値を確定させ、続いて、設定値入力領域11−3cにおける「上限値」の設定値を変更する際には、確定ボタン14に対する下向きのスライド操作を行う。この際に、制御部5は、確定ボタン14に対する下向きのスライド操作が行われたと判別し(ステップ27)、前述した確定ボタン操作時処理50を開始する。
具体的には、制御部5は、まず、タッチ操作が終了するまで待機した後に(ステップ51)、「入力対象領域」として選択されている設定値入力領域11−2cの「上限値」との領域に設定値が入力されていると判別する(ステップ52)。次いで、制御部5は、入力されている「+80.5V」との設定値を設定値入力領域11−2cの「上限値」の設定値として確定させた後に(ステップ53)、上記のタッチ操作の開始点および終了点をそれぞれ特定する(ステップ54)。この際に、確定ボタン14に対する下向きのスライド操作が行われた本例では、制御部5は、ステップ54において特定して開始点と終了点との間の距離が「予め規定された距離」以上であると判別する(ステップ55)。
したがって、制御部5は、ステップ53において設定値を確定させた設定値入力領域11−2cにおける「上限値」との領域に対して、上記のスライド操作の開始点に対する終了点の存在方向(この例では、下向き)に隣接して位置する設定値入力領域11−3cの「上限値」との領域を新たな「入力対象領域」として、図12に示すように、カーソル表示12を設定値入力領域11−3cの「上限値」に重ねて表示させる(カーソル表示12を設定値入力領域11−2cの「上限値」から設定値入力領域11−3cの「上限値」に移動させる)と共に、設定値入力ボタン表示部13に数値入力ボタンを表示させた状態を維持し(ステップ57)、この確定ボタン操作時処理50を終了する。これにより、設定値入力領域11−2cの「上限値」に入力した設定値の確定、および新たな「入力対象領域」としての設定値入力領域11−3cの「上限値」との領域の選択作業が完了する。
この状態において、一例として、設定値入力ボタン表示部13の「9」、「0」、「.」、「0」の数値入力ボタンを順に操作することにより、既に設定されていた(確定されていた)「+100.0V」との設定値を「+90.0V」に変更する(「新たな設定値」の入力の他の一例)。これにより、図13に示すように、新たに入力された「+90.0V」との設定値が設定値入力領域11−3cにおける「上限値」との領域に表示される。
続いて、新たに入力した設定値を確定させ、その後に、設定値入力領域11−2cにおける「下限値」の設定値を変更する際には、一例として、図13に示す状態において設定値入力領域11−2cにおける「下限値」との領域に対するタッチ操作(設定値入力領域11−2cにおける「下限値」との領域を選択する操作)、および確定ボタン14に対する2回のスライド操作のいずれかを行う。この際に、設定値入力領域11−2cにおける「下限値」との領域に対するタッチ操作が行われたときに、制御部5は、他の設定値入力領域11に対するタッチ操作が行われたと判別して(ステップ24)、入力対象領域変更処理40を開始する。
この入力対象領域変更処理40では、タッチ操作が行われた時点において「入力対象領域」として選択されていた設定値入力領域11−2cにおける「下限値」との領域に新たな設定値が入力されていないと判別し(ステップ41)、タッチ操作によって選択された設定値入力領域11−2cにおける「下限値」との領域を新たな「入力対象領域」として、図15に示すように、カーソル表示12を重ねて表示させると共に、設定値入力領域11−2cにおける「下限値」に応じた設定値候補を設定値入力ボタン表示部13に表示させ(ステップ43)、この入力対象領域変更処理40を終了する。
一方、確定ボタン14に対する2回のスライド操作によって設定値入力領域11−2cにおける「上限値」の設定値を確定させ、かつ設定値入力領域11−2cにおける「下限値」を新たな「入力対象領域」として選択する際には、一例として、まず、確定ボタン14に対する左向きのスライド操作を行い、次いで、確定ボタン14に対する上向きのスライド操作を行う。
この場合、制御部5は、確定ボタン14に対する左向きのスライド操作が行われたときに(ステップ27)、確定ボタン操作時処理50を実行する。具体的には、制御部5は、まず、タッチ操作の終了まで待機した後に(ステップ51)、その時点において「入力対象領域」として選択されている設定値入力領域11−3cの「上限値」に設定値が入力されていると判別する(ステップ52)。次いで、制御部5は、入力されている設定値を設定値入力領域11−3cの「上限値」として確定させた後に(ステップ53)、上記のタッチ操作の開始点および終了点をそれぞれ特定する(ステップ54)。この際に、左向きのスライド操作が行われた本例では、制御部5は、ステップ54において特定して開始点と終了点との間の距離が「予め規定された距離」以上であると判別する(ステップ55)。
したがって、制御部5は、ステップ53において設定値を確定させた設定値入力領域11−3cの「上限値」に対して、スライド操作の開始点に対する終了点の存在方向(この例では、左向き)に隣接して位置する設定値入力領域11−3cの「下限値」との領域を新たな「入力対象領域」として、図14に示すように、設定値入力領域11−3cの「下限値」にカーソル表示12を重ねて表示させる(カーソル表示12を設定値入力領域11−3cの「上限値」から「下限値」に移動させる)と共に、「下限値」に応じた設定値候補を設定値入力ボタン表示部13に表示させ(ステップ57)、この確定ボタン操作時処理50を終了する。これにより、設定値入力領域11−3cの「上限値」に入力した設定値が確定されると共に、設定値入力領域11−3cの「下限値」が新たな「入力対象領域」として選択される。
続いて、確定ボタン14に対する上向きのスライド操作が行われたときに(ステップ27)、制御部5は、確定ボタン操作時処理50を再び実行する。具体的には、制御部5は、まず、タッチ操作の終了まで待機した後に(ステップ51)、その時点において「入力対象領域」として選択されている設定値入力領域11−3cの「下限値」に新たな設定値が入力されていない(入力されている設定値が変更されていない)と判別する(ステップ52)。次いで、制御部5は、上記のタッチ操作の開始点および終了点をそれぞれ特定する(ステップ54)。この際に、上向きのスライド操作が行われた本例では、制御部5は、ステップ54において特定して開始点と終了点との間の距離が「予め規定された距離」以上であると判別する(ステップ55)。
したがって、制御部5は、ステップ53において設定値を確定させた設定値入力領域11−3cの「下限値」に対して、スライド操作の開始点に対する終了点の存在方向(この例では、上向き)に隣接して位置する設定値入力領域11−2cの「下限値」との領域を新たな「入力対象領域」として、図15に示すように、カーソル表示12を設定値入力領域11−2cの「下限値」との領域にカーソル表示12を重ねて表示させる(カーソル表示12を設定値入力領域11−2cの「下限値」から設定値入力領域11−2cの「下限値」に移動させる)と共に、「下限値」に応じた設定値候補を設定値入力ボタン表示部13に表示させ(ステップ57)、この確定ボタン操作時処理50を終了する。これにより、設定値入力領域11−2cの「下限値」が新たな「入力対象領域」として選択され、任意の新たな設定値を入力する(入力されている設定値を新たな設定値に変更する)ことが可能となる。
この際に、設定値入力領域11−2cの「下限値」との領域に新たな設定値を入力せずに(入力されている設定値を変更せずに)確定ボタン14に対する点的なタッチ操作を行ったときに、制御部5は、確定ボタン14に対するタッチ操作が行われたと判別して(ステップ27)、確定ボタン操作時処理50を開始する。この確定ボタン操作時処理50では、制御部5は、まず、タッチ操作の終了まで待機した後に(ステップ51)、設定値入力領域11−2cの「下限値」に新たな設定値が入力されていない(設定値が変更されていない)と判別し(ステップ52)、タッチ操作の開始点および終了点をそれぞれ特定する(ステップ54)。この際に、確定ボタン14に対する点的なタッチ操作が行われた本例では、制御部5は、ステップ54において特定して開始点と終了点との間の距離が「予め規定された距離(スライド操作ではないと判定する基準の距離)」を下回っていると判別する(ステップ55)。
この際には、その時点において「入力対象領域」として選択されている設定値入力領域11−2cの「下限値」との領域に対して右方(「予め規定された第2の方向」が「右方」の例)に隣接して位置する設定値入力領域11−2cの「上限値」との領域を新たな「入力対象領域」としてカーソル表示12を重ねて表示させると共に、「上限値」の内容に応じて数値入力ボタンを設定値入力ボタン表示部13に表示させ(ステップ56)、この確定ボタン操作時処理50を終了する。これにより、新たな「入力対象領域」としての選択された設定値入力領域11−2cの「上限値」との領域に任意の新たな設定値を入力することが可能となる。
この後、設定値を変更すべき各設定値入力領域11を対象として新たな設定値の入力および確定作業を実施した後に設定終了ボタン15に対するタッチ操作を行うことにより、前述したように、制御部5によって動作条件データD0が生成されて記憶部6に記憶される。これにより、生成された動作条件データD0に基づく測定処理の準備が完了する。
このように、この測定装置1によれば、選択されている設定値入力領域11に新たな設定値が入力された状態において確定ボタン14の表示領域に対するタッチ操作が行われ、かつタッチ操作の開始点と終了点との間の距離が「予め規定された距離」以上のときに、新たな設定値を確定させると共に、開始点に対する終了点の存在方向に位置する設定値入力領域11を新たな「入力対象領域」としてカーソル表示12を表示させることにより、任意の設定値入力領域11に対する設定値の入力操作を完了した後に確定ボタン14に対する線的なタッチ操作(スライド操作)を行うだけで、入力した設定値の確定、および新たな「入力対象領域」の選択が完了するため、複数の設定項目に設定値を入力して確定させる際に、「設定項目の選択操作」、「設定値の入力操作」および「設定値の確定操作」を繰り返して実行する必要がある従来の測定装置と比較して、少数回の操作で動作条件を設定することができる。また、スライド操作の向きを任意に変更することで、設定値の入力操作を完了した設定値入力領域11に対して任意の向きに位置する設定値入力領域11を新たな「入力対象領域」として選択することができるため、所望の「入力対象領域」を少数回の操作で選択することができる。これにより、動作条件の設定作業を迅速かつ容易に実行することができる。また、確定ボタン14とは別個にカーソル移動ボタン等を設けることなく、その時点において「入力対象領域」として選択されている設定値入力領域11に対して任意の方向に位置している設定値入力領域11を新たな「入力対象領域」として選択することができるため、操作部3の占有面積(表示部4に表示される仮想ボタンの表示領域の面積、および物理的なボタンが配置されている部位の面積)を十分に小さくして、測定装置1を小型化することができる。
また、この測定装置1によれば、選択されている設定値入力領域11に新たな設定値が入力された状態において確定ボタン14の表示領域に対するタッチ操作が行われ、かつタッチ操作の開始点と終了点との間の距離が「予め規定された距離」を下回っているときに、新たな設定値を確定させると共に、選択されている設定値入力領域11に対して予め規定された「第1の方向」に位置する設定値入力領域11を新たな「入力対象領域」としてカーソル表示12を表示させることにより、「入力対象領域」として選択すべき設定値入力領域11が、設定値の入力を完了した設定値入力領域11に対して予め規定された「第1の方向」に位置しているときに、確定ボタン14に対する点的なタッチ操作を行うことで、所望の設定値入力領域11を新たな「入力対象領域」として選択することができるため、所望の「入力対象領域」を少数回の操作で選択することができる。
さらに、この測定装置1によれば、選択されている設定値入力領域11に新たな設定値が入力されることなく確定ボタン14の表示領域に対するタッチ操作が行われ、かつタッチ操作の開始点と終了点との間の距離が「予め規定された距離」以上のときに、開始点に対する終了点の存在方向に位置する設定値入力領域11を新たな「入力対象領域」としてカーソル表示12を表示させることにより、設定値を確定させる必要がないときであっても、確定ボタン14に対する線的なタッチ操作(スライド操作)を行うことで、任意の設定値入力領域11を新たな「入力対象領域」として選択することができる。
また、この測定装置1によれば、選択されている設定値入力領域11に新たな設定値が入力されることなく確定ボタン14の表示領域に対するタッチ操作が行われ、かつタッチ操作の開始点と終了点との間の距離が「予め規定された距離」を下回っているときに、選択されている設定値入力領域11に対して予め規定された「第2の方向」に位置する設定値入力領域11を新たな「入力対象領域」としてカーソル表示12を表示させることにより、「入力対象領域」として選択すべき設定値入力領域11が、その時点において「入力対象領域」として選択されている設定値入力領域11に対して予め規定された「第2の方向」に位置しているときに、確定ボタン14に対する点的なタッチ操作を行うことで、所望の設定値入力領域11を新たな「入力対象領域」として選択することができるため、所望の「入力対象領域」を少数回の操作で選択することができる。
さらに、この測定装置1によれば、選択されている設定値入力領域11に新たな設定値が入力された状態において選択されている設定値入力領域11以外の設定値入力領域11の表示部位に対するタッチ操作が行われたときに、新たな設定値を確定させると共に、タッチ操作が行われた設定値入力領域11を新たな「入力対象領域」としてカーソル表示12を表示させることにより、「入力対象領域」として選択されている設定値入力領域11と、次に設定値を入力する設定値入力領域11との間に他の設定値入力領域11が存在するときに、設定値を入力する設定値入力領域11を直接指定して「入力対象領域」として選択することができるため、このような場合には、所望の「入力対象領域」を少数回の操作で選択することができる。
なお、「測定装置」の構成は、上記の測定装置1の構成に限定されない。具体的には、確定ボタン14に対する線的なタッチ操作(スライド操作)が行われたときに、その時点において「入力対象領域」として選択されている設定値入力領域11に対して上方、下方、左方および右方の4方向のいずれかに隣接して位置する設定値入力領域11を新たな「入力対象領域」として選択する構成の測定装置1を例に挙げて説明したが、上記の4方向に加えて、左上方、右上方、左下方および右下方の4方向のいずれかの向きにスライド操作が行われたときに、その時点において「入力対象領域」として選択されている設定値入力領域11に対して左上方、右上方、左下方または右下方に隣接して位置する設定値入力領域11を新たな「入力対象領域」として選択する構成を採用することもできる。
また、表示部4を一体的に備えた測定装置1を例に挙げて説明したが、タッチパネル付きの外部表示装置を接続してこれを使用する構成、具体的には、一例として、「スマートフォン」、「パーソナルコンピュータ」および「タブレット」などの各種の「携帯端末装置」と「測定装置本体」とを接続し、「携帯端末装置」における表示部に配設されたタッチパネルを操作することで、上記の測定装置1におけるタッチパネルの操作時と同様に処理する構成を採用することもできる。さらに、「第1の方向」および「第2の方向」として右方が規定された構成を例に挙げて説明したが、「第1の方向」および「第2の方向」については、下方、左方、上方、左上方、右上方、左下方および右下方のいずれかに規定することもできる。
また、利用者によって予め選択された方向を「第1の方向」および「第2の方向」として規定する構成を採用することもできる。さらに、「確定ボタン表示の表示領域」に対するタッチ操作が行われ、かつタッチ操作の開始点と終了点との間の距離が「予め規定された距離」を下回っているとき(点的なタッチ操作が行われたとき)に、「第1の方向」や「第2の方向」に位置する「設定値入力領域」を新たな「入力対象領域」として選択しない構成や、点的なタッチ操作が行われたときに「第1の方向」や「第2の方向」に位置する「設定値入力領域」を新たな「入力対象領域」として選択するかしないかを利用者が任意に指定可能な構成を採用することもできる。