JP6042083B2 - 半導体レーザモジュール及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光通信用の信号用光源や光ファイバ増幅器の励起用光源として用いられる半導体レーザを有する半導体レーザモジュール及びその製造方法に関する。
半導体レーザは、光通信において信号用光源や光ファイバ増幅器の励起用光源として多く用いられている。このような用途で用いられる半導体レーザは、半導体レーザから出射されるレーザ光を光ファイバに光学的に結合させた半導体レーザモジュールとして使用される場合が多い。
従来の半導体レーザモジュールにおいては、鉄製のステムから延伸する保持ブロック上に、例えば窒化アルミ製のヒートシンクを介して半導体レーザが取り付け固定されている。このステムには円筒状のステンレス製のキャップが抵抗溶接により接合されている。これらステムとキャップにより形成される気密空間内に、上記半導体レーザ、ヒートシンク、及び保持ブロック等が収容されて、CANパッケージが構成されている。
CANパッケージのキャップには、半導体レーザから出射されるレーザ光を集光させるレンズが設けられている。このレンズを介して半導体レーザと光ファイバが光結合するように調整されている。
上記の半導体レーザモジュールに設置された半導体レーザの発振波長は、信号用光源用の1.3μm帯または1.55μm帯、あるいは、励起用光源用の1.48μm帯に含まれる。このような長波長レーザは、温度変化によって光出力や発振波長が変動しやすい。このため、従来の半導体レーザモジュールには、温度変化による光出力や発振波長の変動を抑えるために、半導体レーザを冷却する機能を備えたペルチェ素子が設けられていた。なお、ペルチェ素子は外部制御回路に接続されるようになっている。
しかしながら、近年は、低コストで製造可能な小型の半導体レーザモジュールの要求が高まっている。そこで、ペルチェ素子及びその外部制御回路を省略した半導体レーザモジュールが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に開示された半導体レーザモジュールは、半導体レーザが収容されたCANパッケージと、CANパッケージを取り付けるための貫通穴を有するベース部と、を備えている。CANパッケージのステムは、ベース部の貫通穴と熱伝導可能に接触するようになっている。
上記の構成により、特許文献1に開示された半導体レーザモジュールは、CANパッケージ内の半導体レーザから発生した熱を、ベース部を介して効率的に放熱することができるため、ペルチェ素子の省略を可能としている。
特開2008−294259号公報
しかしながら、特許文献1に開示された半導体レーザモジュールは、半導体レーザから発生した熱を効率的に放熱するものであるが、半導体レーザの周囲温度が変化した場合には、半導体発光素子の温度特性に従い光出力が変動してしまうという課題があった。
本発明は、このような従来の課題を解決するためになされたものであって、ペルチェ素子などの温度調整素子を用いることなく、周囲温度の変化による光出力の変動を抑制することができる半導体レーザモジュール及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1の半導体レーザモジュールは、半導体発光素子と、前記半導体発光素子を支持固定するための固定部材と、前記半導体発光素子と前記固定部材との間に配置されるヒートシンクと、前記半導体発光素子から出射された光が入射する光ファイバと、を備える半導体レーザモジュールであって、前記固定部材の熱膨張係数は、前記ヒートシンクの熱膨張係数よりも大であり、前記固定部材と前記ヒートシンクとがバイメタル効果によって変形する所定の周囲温度において、前記半導体発光素子と前記光ファイバとが、当該半導体発光素子と当該光ファイバとの結合効率が所定値以上となる位置で固定されてなり、少なくとも前記所定の周囲温度以下で周囲温度の下降に応じて、前記固定部材と前記ヒートシンクとがバイメタル効果によって湾曲して変形することにより、前記半導体発光素子の光出射方向が変化して、前記半導体発光素子と前記光ファイバとの結合効率が減少することで、前記半導体発光素子単体の温度特性に起因する前記半導体レーザモジュールからの光出力の変動を抑制することを特徴とする構成を有している。
この構成により、本発明の請求項1の半導体レーザモジュールは、固定部材とヒートシンクの間のバイメタル効果を利用することにより、周囲温度の下降に応じて半導体発光素子と光ファイバとの結合効率を低下させる。これにより、周囲温度の変化に応じて半導体発光素子単体の光出力が変動する状況において、ペルチェ素子などの温度調整素子を用いることなく、周囲温度の変化による光出力の変動を抑制することが可能となる。
また、本発明の請求項の半導体レーザモジュールは、前記固定部材が銅または銅合金からなることを特徴とする構成を有していてもよい。
また、本発明の請求項の半導体レーザモジュールは、前記ヒートシンクが窒化アルミニウムまたはシリコンカーバイドからなることを特徴とする構成を有していてもよい。
また、本発明の請求項の半導体レーザモジュールの製造方法は、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体レーザモジュールの製造方法であって、前記固定部材を準備する段階と、前記固定部材上に、当該固定部材と熱膨張係数が異なる材質で構成された前記ヒートシンク及び前記半導体発光素子を載置する段階と、前記固定部材と前記ヒートシンクとがバイメタル効果によって変形する所定の周囲温度において、前記半導体発光素子と前記光ファイバとの結合効率が所定値以上になるように、前記半導体発光素子に対して前記光ファイバを調芯する段階と、を含むことにより、前記固定部材と前記ヒートシンクの間のバイメタル効果によって湾曲して変形することにより、前記ヒートシンクを介して前記固定部材上に載置された前記半導体発光素子の光出射方向を変化させ、前記半導体発光素子と前記光ファイバとの結合効率を少なくとも前記所定の周囲温度以下で周囲温度の下降に応じて減少させることで、前記半導体発光素子単体の温度特性に起因する前記半導体レーザモジュールからの光出力の変動を抑制することを特徴とする構成を有している。
また、本発明の請求項の半導体レーザモジュールの製造方法は、前記固定部材の延伸方向に沿った、前記ヒートシンクと前記固定部材の接合長さを調整することにより、前記結合効率を調整することを特徴とする構成を有していてもよい。
また、本発明の請求項の半導体レーザモジュールの製造方法は、前記固定部材の幅及び厚さの少なくともいずれか一方を調整することにより、前記結合効率を調整することを特徴とする構成を有していてもよい。
また、本発明の請求項の半導体レーザモジュールの製造方法は、前記ヒートシンクの幅及び厚さの少なくともいずれか一方を調整することにより、前記結合効率を調整することを特徴とする構成を有していてもよい。
本発明は、固定部材とヒートシンクの間のバイメタル効果を利用することにより、ペルチェ素子などの温度調整素子を用いることなく、周囲温度の変化による光出力の変動を抑制することができる半導体レーザモジュール及びその製造方法を提供するものである。
第1の実施形態に係る半導体レーザモジュールの構成を示す断面図及び背面図 第1の実施形態に係る半導体レーザモジュールの要部の構成を示す側断面図 第1の実施形態に係る半導体レーザモジュールの要部の構成を示す斜視図 半導体レーザ単体の光出力の駆動電流依存性を示すグラフ 半導体レーザと光ファイバの結合効率の周囲温度依存性を示すグラフ 半導体レーザモジュールの光出力の駆動電流依存性を示すグラフ 半導体レーザモジュールの光出力の周囲温度依存性を示すグラフ バイメタル効果によるヒートシンク及び保持ブロックの湾曲を示す説明図 半導体レーザと光ファイバの光結合部で発生する過剰損失を示すグラフ 接合長さが異なる半導体レーザモジュールの光出力と結合効率の周囲温度依存性を示すグラフ 第2の実施形態に係る半導体レーザモジュールの構成を示す側断面図
以下、本発明に係る半導体レーザモジュール及びその製造方法の実施形態について図面を用いて説明する。なお、各図面上の各構成の寸法比は、実際の寸法比と必ずしも一致していない。
(第1の実施形態)
本発明に係る半導体レーザモジュール及びその製造方法の第1の実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、同軸型の半導体レーザモジュール1の構成を示す断面図及び背面図である。また、図2は半導体レーザモジュール1の要部の構成を示す側断面図である。また、図3は、半導体レーザモジュール1の要部の構成を示す斜視図である。
図1及び2に示すように、半導体レーザモジュール1は、底板21に固定されて用いられるCANパッケージ9と、CANパッケージ9から出射されたレーザ光が入射する光ファイバ10と、を主に備える。
CANパッケージ9は、3本のリード7が背面側に向けて突出している円盤状のステム8と、ステム8の正面側に固定された中空で円筒状のキャップ5と、によってその外形が形成される。図2に示すように、キャップ5の中には、半導体レーザ(半導体発光素子)3と、ステム8から延伸し、半導体レーザ3を支持固定するための保持ブロック(固定部材)14と、半導体レーザ3と保持ブロック14との間に配置されるヒートシンク15と、半導体レーザ3から出射されるレーザ光を光ファイバ10に結合させるレンズ6と、半導体レーザ3からのレーザ光を受光するフォトダイオード(不図示)と、が収められている。
保持ブロック14とヒートシンク15とは熱膨張係数が異なる材質で構成される。なお、図2はレンズ6が1枚のレンズからなる構成を示しているが、レンズ6は、2枚レンズ系の構成であってもよい。また、以降では、保持ブロック14の延伸方向に沿った、ヒートシンク15と保持ブロック14の重なり部分の長さLを接合長さと呼ぶ。
半導体レーザ3は、例えばInP系の長波長帯の半導体レーザであり、その発振波長は、信号用光源用の1.3μm帯または1.55μm帯、あるいは、励起用光源用の1.48μm帯に含まれる。
ステム8は、放熱性の観点からは、熱伝導率が約100W/(m・K)以上の材料により構成されることが望ましく、具体的には、銅、銅−タングステン合金、銅−モリブデン合金、銅−タングステン−モリブデン合金等により構成される。なお、キャップ5とステム8の抵抗溶接の溶接性の観点から、ステム8は鉄により構成されるものであってもよい。
保持ブロック14は、熱伝導性(放熱性)を考慮して、ステム8と同様に、銅、銅−タングステン合金、銅−モリブデン合金、銅−タングステン−モリブデン合金等の高熱伝導性材料により構成される。ここで、保持ブロック14とステム8は、別個独立したものであってもよいが、製造工程の簡略化や放熱性の向上のために、例えば、成型等により一体部品として作製されることが望ましい。
ヒートシンク15は、熱伝導率が大きく、熱膨張係数が半導体レーザ3を構成するInPの熱膨張係数に近い材質からなることが望ましく、例えば、窒化アルミニウム(AlN)またはシリコンカーバイド(SiC)等の材質からなる。また、ヒートシンク15の熱膨張係数は保持ブロックの熱膨張係数よりも小である。
底板21は、放熱性の高い材質であるアルミニウム合金または銅合金で構成されている。底板21は、所定の厚みを有しており、その両側部には半導体レーザモジュール1を放熱板(不図示)に取り付けるための取り付け穴22を有している。具体的には、半導体レーザモジュール1は放熱グリスを介して金属ブロック等の放熱板に取付けられる。そして、この放熱板が例えば測定装置の内部部品であるプリント基板に固定される(不図示)。このようにして、半導体レーザモジュール1は放熱部材に固定される。
また底板21は、背面21a側から正面21b側に向かって段階的に径が狭まる貫通穴24を有している。貫通穴24は、背面21a側から大径部である第1の丸穴24aと第2の丸穴24b、小径部である第3の丸穴24cでなり、第1の丸穴24aにはメスネジ23が形成されている。第2の丸穴24bと第3の丸穴24cとの間では径が狭まっており、その断面形状(径)が変化する部分に境界部24dが形成されている。
CANパッケージ9は、貫通穴24の内部に配置される。CANパッケージ9のステム8の正面8c(図2参照)は、第2の丸穴24bと第3の丸穴24cとの境界の境界部24dに当接する。ステム8の側面8bと第2の丸穴24bとは組立性を考慮し、所定の間隙25を有して配置されている。そしてこの間隙25には、放熱グリス(材質:シリコン)が充填されている。
第1の丸穴24aには、固定手段としてのストッパネジ27が配置されている。ストッパネジ27は底板21と同様、放熱性の高い材質であるアルミニウム合金または銅合金で構成されている。ストッパネジ27は中空の円筒形状でなり、その外周部にはオスネジ28が形成されている。この中空部はCANパッケージ9のリード7を通すために設けられている。ストッパネジ27の下面には、ストッパネジ27を回転させて固定する際に用いる溝29が形成されている。ストッパネジ27の正面とステム8の背面8a(図2参照)とは当接している。
底板21の正面21b側には、突出部30が形成されている。突出部30の外周とカバー13の内周とは嵌合するようになっている。
半導体レーザモジュール1は、さらに、CANパッケージ9のキャップ5と光ファイバ10とを結ぶホルダ11と、光ファイバ10の先端部分に取り付けられた円筒状のフェルール10aをホルダ11に固定するスリーブ12と、CANパッケージ9、光ファイバ10、ホルダ11、及びスリーブ12を覆うカバー13と、を備える。
ホルダ11とスリーブ12とは溶接により連結固定される。また、カバー13は底板21と溶接により連結固定される。また、フェルール10aは、接着剤によりスリーブ12内に固定される。
底板21、CANパッケージ9のキャップ5、ホルダ11、スリーブ12、及びカバー13は溶接で連結されるため、それぞれの材質は主にステンレスで構成されている。また、ステム8は鉄材料(SPC:冷間圧延鋼板)で構成されている。なお、底板21及びストッパネジ27をアルミニウムで構成すると、放熱性が向上するため好ましい。
次に、上記のように構成された半導体レーザモジュール1における、半導体レーザ3と光ファイバ10の結合効率について説明する。図4は、周囲温度が10℃、25℃、40℃、55℃、65℃、及び75℃の場合において、半導体レーザモジュール1に配置される前の半導体レーザ3単体が示す光出力の駆動電流依存性を表したグラフである。このグラフから、半導体レーザ3の駆動電流が一定の下では、周囲温度が上昇するほど、半導体レーザ3の光出力が減少することが分かる。これは、半導体レーザ3単体の光出力が周囲温度の変化により変動しやすいことを意味している。
本発明は、半導体レーザ3単体の温度特性に起因する光出力の変動を抑制するものであり、具体的には、所定の周囲温度以下で周囲温度が高くなるほど半導体レーザ3と光ファイバ10の結合効率を上昇させる(言い換えれば、所定の周囲温度以下で周囲温度が低くなるほど結合効率を減少させる)ことにより、半導体レーザモジュール1の光出力を安定させるものである。
上記の目的を実現するための方法として、本発明では半導体レーザ3に対する光ファイバ10の光軸調芯を、従来行われていた25℃程度の温度よりも高温で行う。図5は、半導体レーザ3と光ファイバ10の結合効率の周囲温度依存性を示すグラフである。黒丸及び白丸は、それぞれ周囲温度25℃及び55℃で、光ファイバ10への半導体レーザ3からの入射光の強度が最大となる(即ち、結合効率が最大となる)ように光軸調芯が行われた場合の結合効率を示している。ここでは、例えば0℃〜80℃を半導体レーザモジュール1の使用時の周囲温度の変動範囲として想定している。
周囲温度55℃で光軸調芯が行われた場合には、周囲温度0℃〜55℃の広い温度範囲で、周囲温度が低くなるほど結合効率が減少する。これに対し、従来の25℃で光軸調芯が行われた場合には、周囲温度0℃〜25℃の狭い温度範囲で、周囲温度が低くなるほど結合効率が減少するが、周囲温度25℃〜80℃の広い温度範囲で、周囲温度が高くなるほど結合効率が減少する。
このときの半導体レーザモジュールの光出力を図6及び7に示す。図6(a)及び(b)は、それぞれ周囲温度25℃及び55℃で光軸調芯された半導体レーザモジュールの光出力の駆動電流依存性を示すグラフである。また、図7(a)及び(b)は、それぞれ周囲温度25℃及び55℃で光軸調芯された半導体レーザモジュールの光出力の周囲温度依存性を示すグラフである。
周囲温度25℃で光軸調芯された半導体レーザモジュールの光出力は、半導体レーザ3単体の光出力の周囲温度依存性の特徴をほぼそのまま反映したものとなった。一方、周囲温度55℃で光軸調芯された半導体レーザモジュールの光出力は、半導体レーザ3単体の光出力の周囲温度依存性を緩和したものとなった。
以上のことから、光出力の変動を抑制するという観点においては、想定される周囲温度の変動範囲(上記の例では0℃〜80℃)の中心温度(上記の例では40℃)よりも高い温度で光軸調芯を行うことが望ましい。
ここで、図5に示した結合効率の周囲温度依存性をもたらすバイメタル効果について説明する。バイメタル効果は、貼り合わせられた2枚の部材の熱膨張係数の違いにより、周囲温度が変化した場合に、熱膨張係数の小さい部材にもう一方の部材が引っ張られる現象である。この2枚の部材の湾曲の曲率半径Rは、それぞれの部材の熱膨張係数、ヤング率、及び断面二次モーメント(部材の幅及び厚さに依存)によって定まる。
本実施形態の半導体レーザモジュール1においては、InPの熱膨張係数に近い材質からなるヒートシンク15と、ヒートシンク15よりも熱膨張係数の大きい保持ブロック14との重なり部分に関して、図8に示すようにバイメタル効果による湾曲が生じる。図8(a)は保持ブロック14とヒートシンク15の接合長さL(図2参照)が比較的短い場合、図8(b)は接合長さLが比較的長い場合の湾曲の様子を示している。接合長さLが異なっても湾曲の曲率半径Rは変わらないため、接合長さLが長いほど、保持ブロック14及びヒートシンク15の光ファイバ10側の端面におけるz方向への反り量δは大きくなる(δ1<δ2)。
この反り量δに応じて、ヒートシンク15を介して保持ブロック14上に載置された半導体レーザ3の位置が変化する。これにより、半導体レーザ3の光出射方向が変化し、半導体レーザ3と光ファイバ10との結合効率が変化する。
図9は、保持ブロック14とヒートシンク15の接合長さLに応じて、半導体レーザ3と光ファイバ10との光結合部で発生する過剰損失が変化する様子を示すグラフである。ここでは、保持ブロック14の材質が銅、ヒートシンク15の材質がAlNの場合のデータを示している。縦軸は、半導体レーザモジュール1が周囲温度55℃で光軸調芯された後、周囲温度が10℃まで低下した場合の過剰損失を表している。図9より、光軸調芯時の周囲温度(55℃)よりも低温(10℃)では、接合長さLを長くするほど過剰損失が増大し、半導体レーザモジュールの光出力が減少することが読み取れる。
図10は、接合長さLが異なる半導体レーザモジュールの光出力と結合効率の周囲温度依存性を示すグラフである。図10(a)は接合長さLが比較的短い場合、図10(b)は接合長さLが比較的長い場合の光出力及び結合効率を示している。このグラフから、接合長さLを長くするほど結合効率の周囲温度に対する変化量を大きく取れることが確認できる。つまり、使用する半導体レーザ3の温度依存性が強い場合には、接合長さLを長めに調整し、半導体レーザ3の温度依存性が弱い場合には、接合長さLを短めに調整すればよい。
なお、バイメタル効果による湾曲の曲率半径Rは、保持ブロック14の幅w1及び厚さd1(図3参照)の少なくともいずれか一方を調整することによって変化させることができる。同様に、ヒートシンク15の幅w2及び厚さd2の少なくともいずれか一方を調整することによっても曲率半径Rを変化させることができる。なお、ヒートシンク15の厚さd2が極端に薄くなると、湾曲による歪の影響が半導体レーザ3へ及ぶため、この厚さd2は下限値が存在する。
次に、上記のように構成された半導体レーザモジュール1の製造方法について説明する。まず、銅または銅合金からなる保持ブロック14を準備する。そして、この保持ブロック14を例えば半田によってステム8と接合する。なお、保持ブロック14は、成型等によりステム8と同時に一体的に作製されてもよい。
次に、保持ブロック14上にヒートシンク15を載置する。さらに、ヒートシンク15上に半導体レーザ3を載置する。保持ブロック14及びヒートシンク15としては、既に述べたように、半導体レーザ3の温度依存性を緩和することが可能な熱膨張係数、ヤング率、長さ(接合長さ)、幅、及び厚さを有するものを用いる。
次に、保持ブロック14、ヒートシンク15、及び、半導体レーザ3を覆うように、抵抗溶接によりキャップ5をステム8に接合する。なお、キャップ5には、半導体レーザ3から出射されるレーザ光を集光させるレンズ6を形成する。
このようにして完成したCANパッケージ9に、ホルダ11を溶接により固定する。そして、保持ブロック14とヒートシンク15とがバイメタル効果によって変形する所定の周囲温度において、半導体レーザ3と光ファイバ10とを、半導体レーザ3と光ファイバ10との結合効率が所定値以上となる位置で固定する。例えば、周囲温度を55℃まで上げた後に、先端にフェルール10aが取り付けられた光ファイバ10を半導体レーザ3に対して調芯し、半導体レーザ3と光ファイバ10との結合効率が最大となるようにする。この状態で、ホルダ11とスリーブ12とフェルール10aとを溶接により固定する。
次に、ステム8の側面8bと第2の丸穴24bとの間隙25に放熱グリスを充填する。そして、ステム8の正面8cと底板21の貫通穴24内の境界部24dとを当接する。そして、ストッパネジ27を、底板21の背面21a側からステム8の背面8aに接した状態で第1の丸穴24aに固定する。最後に、底板21の突出部30とカバー13とを固定する。
このように、CANパッケージ9は、ステム8の正面8c及び背面8aにて熱導電性の高い材質からなる底板21及びストッパネジ27に接しているので、CANパッケージ9内の半導体レーザ3から発生した熱を、ヒートシンク15及び保持ブロック14を介して、ステム8の正面8c及び背面8aから効率的に放熱することができる。また、ステム8の側面8bと第2の丸穴24bとの間隙25には放熱グリスを充填させているので、間隙25が存在することによる放熱性の悪化を防ぐことができる。
以上説明したように、本実施形態に係る半導体レーザモジュール及びその製造方法は、保持ブロックとヒートシンクの間のバイメタル効果を利用することにより、周囲温度の下降に応じて半導体レーザと光ファイバとの結合効率を低下させる。これにより、周囲温度の変化に応じて半導体レーザ単体の光出力が変動する状況において、ペルチェ素子などの温度調整素子を用いることなく、周囲温度の変化による光出力の変動を抑制することが可能となる。
具体的には、保持ブロックとヒートシンクの接合長さ、保持ブロックの幅及び厚さの少なくともいずれか一方、あるいは、ヒートシンクの幅及び厚さの少なくともいずれか一方を調整することにより、半導体レーザと光ファイバとの結合効率を半導体レーザの温度依存性に合わせて調整することが可能である。
また、本実施形態に係る半導体レーザモジュール及びその製造方法は、ペルチェ素子とその制御回路、あるいは、半導体レーザの駆動電流を制御して光出力を一定にするためのフィードバック回路を省略できるため、小型で低コストな半導体レーザモジュールを実現できる。
(第2の実施形態)
本発明に係る半導体レーザモジュール及びその製造方法の第2の実施形態を図面を参照しながら説明する。なお、第1の実施形態と同様の構成及び動作については適宜説明を省略する。第1の実施形態では、半導体レーザモジュールとして同軸型を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば半導体レーザモジュールがバタフライ型であってもよい。
図11は、半導体レーザ3を備えたバタフライ型の半導体レーザモジュール2の構成を示す側断面図である。半導体レーザモジュール2は、内部が中空の直方体状のパッケージ40と、パッケージ40から出射されたレーザ光が入射する光ファイバ41と、を主に備える。
パッケージ40の内部には、半導体レーザ3と、底板42に固定されたステム43と、ステム43から延伸し、半導体レーザ3を支持固定するための保持ブロック(固定部材)44と、半導体レーザ3と保持ブロック44との間に配置されるヒートシンク45と、半導体レーザ3から出射されるレーザ光を集光するレンズ46と、半導体レーザ3からのレーザ光を受光するフォトダイオード(不図示)と、が格納されている。レンズ46はレンズホルダ47に保持されている。
保持ブロック44は、底板42との間に所定の間隙を有してなる。このため、第1の実施形態と同様に、バイメタル効果により保持ブロック44及びヒートシンク45が湾曲することとなる。
パッケージ40の正面側の壁面には、半導体レーザ3から出射されるレーザ光を外部に導くための円形の出射口が形成されている。光ファイバ41の先端部分に取り付けられた円筒状のフェルール41aが、スリーブ48によってパッケージ40の正面側の壁面に固定される。半導体レーザ3から出射されたレーザ光は、レンズ46を通ってパッケージ40の正面側の壁面に達し、光ファイバ41に入射する。
このように形成された本実施形態の半導体レーザモジュール2は、半導体レーザ3の温度依存性を緩和することが可能な熱膨張係数、ヤング率、長さ(接合長さ)、幅、及び厚さを有する保持ブロック14及びヒートシンク15を用いることにより、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
本発明に係る半導体レーザモジュール及びその製造方法は、発振波長が1.3μm以上の長波長レーザ用の半導体レーザモジュール及びその製造方法として有用である。
1、2 半導体レーザモジュール
3 半導体レーザ(半導体発光素子)
5 キャップ
6、46 レンズ
7 リード
8、43 ステム
8a 背面
8b 側面
8c 正面
9 CANパッケージ
10、41 光ファイバ
10a、41a フェルール
11 ホルダ
12、48 スリーブ
13 カバー
14、44 保持ブロック(固定部材)
15、45 ヒートシンク
21 底板
21a 背面
21b 正面
22 取り付け穴
23 メスネジ
24 貫通穴
24a 第1の丸穴
24b 第2の丸穴
24c 第3の丸穴
24d 境界部
25 間隙
27 ストッパネジ
28 オスネジ
29 溝
30 突出部
40 パッケージ
42 底板
47 レンズホルダ

Claims (7)

  1. 半導体発光素子(3)と、
    前記半導体発光素子を支持固定するための固定部材(14、44)と、
    前記半導体発光素子と前記固定部材との間に配置されるヒートシンク(15、45)と、
    前記半導体発光素子から出射された光が入射する光ファイバ(10、41)と、を備える半導体レーザモジュール(1、2)であって、
    前記固定部材の熱膨張係数は、前記ヒートシンクの熱膨張係数よりも大であり
    前記固定部材と前記ヒートシンクとがバイメタル効果によって変形する所定の周囲温度において、前記半導体発光素子と前記光ファイバとが、当該半導体発光素子と当該光ファイバとの結合効率が所定値以上となる位置で固定されてなり、
    少なくとも前記所定の周囲温度以下で周囲温度の下降に応じて、前記固定部材と前記ヒートシンクとがバイメタル効果によって湾曲して変形することにより、前記半導体発光素子の光出射方向が変化して、前記半導体発光素子と前記光ファイバとの結合効率が減少することで、前記半導体発光素子単体の温度特性に起因する前記半導体レーザモジュールからの光出力の変動を抑制することを特徴とする半導体レーザモジュール。
  2. 前記固定部材が銅または銅合金からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザモジュール。
  3. 前記ヒートシンクが窒化アルミニウムまたはシリコンカーバイドからなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の半導体レーザモジュール。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の半導体レーザモジュール(1、2)の製造方法であって、
    前記固定部材を準備する段階と、
    前記固定部材上に、当該固定部材と熱膨張係数が異なる材質で構成された前記ヒートシンク及び前記半導体発光素子を載置する段階と、
    前記固定部材と前記ヒートシンクとがバイメタル効果によって変形する所定の周囲温度において、前記半導体発光素子と前記光ファイバとの結合効率が所定値以上になるように、前記半導体発光素子に対して前記光ファイバを調芯する段階と、を含むことにより、
    前記固定部材と前記ヒートシンクの間のバイメタル効果によって湾曲して変形することにより、前記ヒートシンクを介して前記固定部材上に載置された前記半導体発光素子の光出射方向を変化させ、前記半導体発光素子と前記光ファイバとの結合効率を少なくとも前記所定の周囲温度以下で周囲温度の下降に応じて減少させることで、前記半導体発光素子単体の温度特性に起因する前記半導体レーザモジュールからの光出力の変動を抑制することを特徴とする半導体レーザモジュールの製造方法。
  5. 前記固定部材の延伸方向に沿った、前記ヒートシンクと前記固定部材の接合長さを調整することにより、前記結合効率を調整することを特徴とする請求項4に記載の半導体レーザモジュールの製造方法。
  6. 前記固定部材の幅及び厚さの少なくともいずれか一方を調整することにより、前記結合効率を調整することを特徴とする請求項4または請求項5に記載の半導体レーザモジュールの製造方法。
  7. 前記ヒートシンクの幅及び厚さの少なくともいずれか一方を調整することにより、前記結合効率を調整することを特徴とする請求項4から請求項6のいずれか一項に記載の半導体レーザモジュールの製造方法。
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