JP6040881B2 - カバー付き端子 - Google Patents
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Description
前記係止部は、前記回り止め部の外面に沿うように前記覆い部から前方に向かって延出され、前記回り止め部の先端に前方から係止するところに特徴を有する。
このような構成のカバー付き端子によると、覆い部を開放位置に変位させてボルト締結部をボルト締結することができ、また、ボルト締結後に覆い部を閉止位置に変位させることで端子のボルト締結部を保護できる。これにより、端子からカバーを取り外すことなく、覆い部を開放位置に変位させるだけで機器側接続部にカバー付き端子を接続することができる。
また、覆い部の係止部と回り止め部とを係止させることで覆い部を閉止位置に保持固定できるから、例えば、機器側接続部の周辺部に機器などが配されている場合においても、ボルト締結部を覆った状態に覆い部を固定し、ボルト締結部を保護することができる。
このような構成によると、係止部が回り止め部よりもボルト締結部側に配されているから、ボルト締結部とは反対側から他の部材が係止部に接触するなどして係止部と被係止部との係止が解除されたり、係止部が損傷したりすることを抑制することができる。
本発明の実施の態様として、以下の構成が好ましい。
このような構成によると、端子本体をカバー本体で保護しつつ、ボルト締結に必要な部分のみを開放してボルト締結を行うことできる。これにより、他の部材が端子本体部に接触するなどして端子本体部が破損することを防ぐことができる。
このような構成によると、補強部に設けた受孔に覆い部の軸部を嵌合させることで、覆い部を回動可能にしつつ、カバーを端子に保持固定させることができる。これにより、例えば、端子によりカバーを保持する機能と覆い部を回動させる機能との双方の機能を個別に設ける場合に比べて、端子およびカバーの構造を簡素化することができる。
このような構成によると、覆い部が閉止位置よりも過度に回動することを防ぐことができる。これにより、覆い部が過度に回動して係止部が他の部材に接触するなど係止部が損傷することを抑制することができる。
本発明の実施形態1について図1乃至図14を参照して説明する。
本実施形態は、図5乃至図7に示すように、車両に搭載されたオルタネータなどの発電機(「機器」に相当する)80に設けられた機器側接続部81にボルト締結されるカバー付き端子10を例示している。なお、以下の説明において、上下方向とは図2における上下方向を基準とし、本実施形態における「上方」がボルト締結の「締め付け方向後方」に相当する。また、前後方向については、図3における図示左側を前側とし、図示右側を後側として説明する。
載置部82は、略円形状をなす平坦な載置面82Aの中央から略円筒状のスタッドボルト85が上方に向かって立ち上がった形態をなしている。載置部82の両側縁には、図5に示すように、載置部82を幅方向両側から取り囲む囲部83が設けられている。
一対の回転防止壁84は、幅方向に対向する形態とされ、各回転防止壁84は一対の囲部83の前端部に連設されている。
端子20は、図9に示すように、機器側接続部81にボルト締結されるボルト締結部21と、電線Wの端末に接続される電線接続部22と、ボルト締結部21と電線接続部22との間を前後方向に繋ぐ端子本体部23と、ボルト締結部21から端子本体部23に亘って幅方向両側縁に設けられた一対の周壁(「補強部」に相当する)24とを備えて構成されている。
端子本体部23は、図9および図13に示すように、ボルト締結部21の後端縁と電線接続部22の底板おける前端縁とに連なるようにして形成されており、ボルト締結部21よりも幅狭で前後方向に長い形態をなしている。
端子本体部23における周壁24のうち前半分は、後半分よりも上下方向に高い前側周壁24Aとされており、前側周壁24Aには、幅方向に貫通する略矩形状の係止孔29がそれぞれ設けられている。
覆い部41は、図10乃至図14に示すように、上端部が閉塞された略円筒状に形成されている。覆い部41の前端部は、ボルト締結部21の回り止めに対応するようにやや前方に張り出した形態をなしており、覆い部41の後端部は、幅方向に真っ直ぐ切り欠かれることにより後方に開口した形態とされている。
一対の位置決め片50は、天井壁44から下方に向けて延出された平板状に形成されており、一対の位置決め片50は、同位置決め片50の幅方向略中央部を前後方向に繋ぐ連結部51によって補強されている。また、位置決め片50および連結部51は、カバー本体42が端子本体部23に対して正規の位置まで組み付けられると、図7に示すように、端子本体部23の上面に当接し、カバー40を正規の高さ位置に位置決めするようになっている。
一対の固定片48は、天井壁44から下方に向けて延出されており、幅方向に対向する形態とされている。一対の固定片48の間隔は、図4に示すように、カバー本体42が端子本体部23に組み付けられた際に、一対の周壁24が内側に緊密に嵌まり込む大きさとされている。また、各固定片48の先端には、端子本体部23に対してカバー本体42が正規の位置に組み付けられた際に、幅方向外側から係止孔29に嵌まり込む係止爪49が設けられている。
係止片53は、覆い部41の前端面から僅かに前方に張り出した形態で下方に延出されており、前後方向に弾性変位可能とされている。また、係止片53の下端部には後方に突出する係止突起54が設けられており、覆い部41が開放位置から閉止位置に至る過程において、係止突起54が回り止め部25の屈曲部26に乗り上げることで係止片53が前方に弾性変位し、覆い部41が閉止位置に至ると、係止片53が弾性復帰して回り止め部25における屈曲部26の前面に沿うように配され、係止突起54が屈曲部26の下面に下方から係止する。これにより、覆い部41が閉止位置に留められるようになっている。
これにより、端子20にカバー40が確実に保持固定されカバー付き端子10が完成する。
そして、ソケットレンチSによってナットNをスタッドボルト85に締め付けてボルト締結部21を載置部82にボルト締結する。ここで、本実施形態によると、覆い部41が開放位置に配され、ボルト締結部21の上方が開放されているから、端子20からカバー40を取り外すことなく、図8に示すように、ボルト締結部21と機器側接続部81とを電気的および機械的に容易に接続することができる。
また、本実施形態によると、覆い部41のみを開放位置に変位させることができるから、他の部材から端子本体部23を保護しつつ、ボルト締結部21のみを露出させてボルト締結を行うことできる。これにより、他の部材が端子本体部23に接触するなどして端子本体部23が破損することを防ぐことができる。
次に、本発明の実施形態2について図15乃至図19を参照して説明する。
実施形態2のカバー付き端子110は、実施形態1における端子20の周壁24および回り止め部25と、カバー40の形状を変更したものであって、実施形態1と共通する構成、作用、および効果については重複するため、その説明を省略する。また、実施形態1と同じ構成については同一の符号を用いるものとする。
屈曲部126は、ボルト締結部21が載置面82Aに載置されると、一対の回転防止壁84の間に配され、一対の回転防止壁84と幅方向に近接した状態となるように設定されている。また、屈曲部126には、図16および図18に示すように、前後方向に貫通する略矩形状の被係止孔130が形成されている。
端子120における端子本体部23の周壁124は、図18および図19に示すように、周壁124のうち後端部に位置する後側周壁124Aが前側の周壁124に比べて上下方向に高く形成されており、後側周壁124Aには、幅方向に貫通する円形状の受孔129がそれぞれ設けられている。
覆い部141の後端部における幅方向両側壁145には、図17に示すように、端子20の受孔129に嵌合させることで、覆い部141を回動可能に支持する支持軸156が設けられており、覆い部141は、この支持軸156を中心にボルト締結部21の上方を覆う閉止位置(図18参照)と、ボルト締結部21の上方を開放する開放位置(図19参照)との間を回動可能とされている。
また、覆い部141の前端部は、図15および図18に示すように、回り止め部125の屈曲部126よりも後方に位置しており、覆い部141の前端下部には、屈曲部126の被係止孔130に後方から嵌まり込んで被係止孔130の上側内面と係止することにより覆い部41を閉止位置に保持する係止片153が設けられている。
係止片153は、覆い部141の前端面から前方に突出した形態をなし、前後方向に弾性変位可能とされている。また、係止片153は、覆い部41が開放位置から閉止位置に至る過程において、屈曲部26の後面に乗り上げることで後方に弾性変位し、覆い部41が閉止位置に至ると、被係止孔130に嵌まり込んで弾性復帰することにより、覆い部141を閉止位置に保持するようになっている。
また、本実施形態によると、係止片153が回り止め部125よりも後側(ボルト締結部21側)に配されているから、前方から他の部材が係止片153に接触するなどして被係止孔130から係止片153が外れたり、係止片153が損傷したりすることを抑制することができる。
また、本実施形態によると、覆い部141が閉止位置に至ると、図18に示すように、位置決め片50が端子本体部23の上面に当接し、覆い部141が閉止位置よりも過度に回動することを防ぐことができる。これにより、覆い部141が過度に回動して係止片153が回り止め部125に接触して損傷することを抑制することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)上記実施形態1では、下方に屈曲された屈曲部26に係止片53が下方から係止し、上記実施形態2では、上方に屈曲された屈曲部126の被係止孔130に係止片153が後方から嵌まり込む構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、実施形態1における屈曲部と係止片との係止構造と、実施形態2における屈曲部と係止片との係止構造とが互いに入れ替わった構成にしてもよい。
(2)上記実施形態1では、ヒンジ52が覆い部41の後端縁における幅方向略中央部に形成された構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、ヒンジが覆い部の後端縁の全幅に亘って形成された構成にしてもよく、ヒンジが覆い部の幅方向両端部の二箇所に形成された構成にしてもよい。
(3)上記実施形態では、ボルト締結部21の前端部に回り止め部25,125が設けられ、覆い部41,141の前端部に係止片が設けられた構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、機器側接続部の構造に対応して、回り止め部や係止片がボルト締結部や覆い部の幅方向の一側部に設けられるように構成してもよい。
(4)上記実施形態では、覆い部41,141が閉止位置と開放位置との間を回動する構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、覆い部を幅方向や前後方向にスライドさせることで、覆い部がボルト締結部を覆う閉止位置とボルト締結部の上方を開放する開放位置との間を変位する構成にしてもよい。
(5)上記実施形態では、ボルト締結部21をスタッドボルト85が設けられた載置部82に載置し、ナットNをスタッドボルト85に締め付けることによりボルト締結部21が機器側接続部81にボルト締結される構成としたが、本発明はこのような態様に限定されるものではなく、例えば、ナットが固定された載置部にボルトを締め込むことによりボルト締結部が機器側接続部にボルト締結される構成にしてもよい。
20,120:端子
21:ボルト締結部
23:端子本体部
24,124:周壁(補強部)
25,125:回り止め部
26,126:屈曲部
40,140:カバー
41,141:覆い部
42:カバー本体
50:位置決め片(位置決め部)
52:ヒンジ
53,153:係止片(係止部)
80:発電機(機器)
81:機器側接続部
84:回転防止壁(壁部)
129:受孔
130:被係止孔(被係止部)
156:支持軸
Claims (5)
- 車両に搭載される機器にボルト締結される端子と、この端子に組み付け固定されたカバーとを備えたカバー付き端子であって、
前記端子は、前記機器に設けられた機器側接続部にボルト締結されるボルト締結部を有し、
前記ボルト締結部には、ボルト締結の際に、前記機器側接続部と係合することにより同ボルト締結部が連れ回りすることを防止する回り止め部が設けられており、
前記カバーは、前記ボルト締結部の締め付け方向後方を開放する開放位置と、前記ボルト締結部を後方から覆う閉止位置との間を変位可能に設けられた覆い部を有し、
前記覆い部には、前記閉止位置に至った際に、前記回り止め部と係止して前記覆い部を前記閉止位置に保持固定する係止部が設けられており、
前記回り止め部は、前記ボルト締結部の締め付け方向と交差する方向に前記ボルト締結部から突出して形成され、前記機器側接続部に設けられた壁部に近接して配されることで、ボルト締結の際に、ボルト締結部が連れ回りする方向に前記壁部と係合するようになっており、
前記係止部は、前記回り止め部の外面に沿うように前記覆い部から前方に向かって延出され、前記回り止め部の先端に前方から係止するカバー付き端子。 - 車両に搭載される機器にボルト締結される端子と、この端子に組み付け固定されたカバーとを備えたカバー付き端子であって、
前記端子は、前記機器に設けられた機器側接続部にボルト締結されるボルト締結部を有し、
前記ボルト締結部には、ボルト締結の際に、前記機器側接続部と係合することにより同ボルト締結部が連れ回りすることを防止する回り止め部が設けられており、
前記カバーは、前記ボルト締結部の締め付け方向後方を開放する開放位置と、前記ボルト締結部を後方から覆う閉止位置との間を変位可能に設けられた覆い部を有し、
前記覆い部には、前記閉止位置に至った際に、前記回り止め部と係止して前記覆い部を前記閉止位置に保持固定する係止部が設けられており、
前記回り止め部の先端部は後方に向かって屈曲された屈曲部とされており、
前記係止部は、前記屈曲部よりも前記ボルト締結部側に配され、前記屈曲部に設けられた被係止部に係止されるカバー付き端子。 - 前記端子は、前記ボルト締結部と連なる端子本体部を有しており、
前記カバーは、前記端子本体部に組み付け固定されるカバー本体を有しており、
前記覆い部は、前記カバー本体とヒンジを介して連結されることにより、前記ヒンジを中心に前記開放位置と前記閉止位置との間を回動可能とされている請求項1または請求項2に記載のカバー付き端子 - 前記端子は、前記ボルト締結部と連なる端子本体部と、前記ボルト締結部から前記端子本体部に亘って連続して設けられることで前記ボルト締結部と前記端子本体部との間を補強する補強部とを有しており、
前記覆い部は、前記補強部に設けられた受孔に同覆い部に設けられた支持軸を嵌合させることで、前記支持軸を中心に前記開放位置と前記閉止位置との間を回動可能とされている請求項1または請求項2に記載のカバー付き端子。 - 前記覆い部には、同覆い部が閉止位置に至った際に、前記端子本体部と当接することにより前記覆い部が過度に回動することを防ぐ位置決め部が設けられている請求項4記載のカバー付き端子。
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