JP6040536B2 - 筆記具 - Google Patents

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Description

本発明は、外軸内に、筆記芯の突出手段が配置された筆記具であって、筆記芯を回転させることができる筆記具に関するものである。
筆記具によって筆記を行う場合には、一般的に軸筒を筆記面(紙面)に対して直交状態で使用することはなく、筆記面に対して若干傾けた状態で使用される場合が多い。
この様に軸筒を傾けた状態で筆記した場合は、書き進むに従って筆記芯が偏磨耗してしまう現象が発生してしまう。
例えば、筆記具がシャープペンシルや固形描画材である場合には、前記筆記芯の偏摩耗により、描線が徐々に太くなる現象が発生してしまう。この際、描線の太さが変わるだけでなく、筆記面に対する筆記芯の接触面積が大きくなり、描線の濃さも変化してしまう。(描線が薄くなる。)これは、マーキングペンであっても同様であり、特にアクリル製の筆記芯(ペン先)を用いたマーキングペンの場合には、ペン先の偏摩耗が顕著となる。
また、筆記具がボールペンである場合には、ボールペンの筆記芯(チップ)の小口の特定の部分が擦り減ることにより、筆記に方向性が出てしまったり、ボールが飛んでしまったりする。
前記記載の問題を解決させる為には、例えば、筆記芯の尖っている側を常に筆記面(紙面)に対して接触させるように筆記を行えば、描線が太くなる等の問題を回避することができる。また、常に筆記芯と筆記面(紙面)との接触箇所を異ならしめるようにして筆記を行うことにより、筆記芯の偏摩耗を防ぐことができる。
しかしながら、筆記芯の尖っている側を常に筆記面(紙面)に対して接触させるように筆記を行ったり、常に筆記芯と筆記面(紙面)との接触箇所を異ならしめるようにして筆記を行ったりする為には、その都度、軸筒をその径方向に回転させて筆記を行う必要がある。これは、筆記の進行に従って軸筒を持ち直し続ける操作が必要であるという煩わしさが発生し、筆記の能率を著しく低下させてしまう。
また、軸筒の外装が円筒形状以外の異形のものや、サイドノック式のシャープペンシルのように軸筒の外周面に突起のついたものであったりすると、前記記載したように軸筒を順次回転させるように持ち直して筆記することは非常に困難となる。
上述したような問題を解決させる為に、筆記芯を回転させる為の回転力を後方回動操作部の操作により蓄積させ、筆記中の筆記芯の消耗に応じて、本体の外表面に突出したプッシュボタンを押す事で筆記芯の突出と、筆記芯が一定角度回転するように構成したものが特許文献1に開示されている。
実開昭56−584号公報
ところで前記した特許文献1に開示されたシャープペンシルによると、前記した通り、後方回動操作部の操作と、プッシュボタンによる操作で筆記芯を回転させなければならず、筆記芯が偏磨耗する度にプッシュボタンを何度も操作する必要性があり、非常に使い勝手の悪いものとなる。
即ち、前記した課題を解決する為になされた本発明の筆記具は、外軸内に、筆記芯の突出手段が配置された筆記具であって、筆記芯の突出動作と共に、筆記芯を回転させる回転力を蓄積し、筆記芯の後退動作によって前記蓄積された回転力を解放させる回転力蓄積ユニットを具備する筆記具を要旨とする
本発明は、外軸内に、筆記芯の突出手段が配置された筆記具であって、筆記芯の突出動作と共に、筆記芯を回転させる回転力を蓄積し、その回転力を筆記芯の後退動作によって解放することにより、筆記芯の偏磨耗防止効果が得られ、筆記による筆記面への接触、および/または非接触によって、筆記芯が回転する為、使用者にとって非常に使い勝手の良いものとなる。
本発明の第1の実施形態にかかるシャープペンシルを示す外観斜視図。 (a)本発明の第1の実施形態にかかる軸筒を示す側面図。 (b)本発明の第1の実施形態にかかる軸筒を示す平面図。 本発明の第1の実施形態にかかる回転力生出部材を示す外観斜視図。 本発明の第1の実施形態にかかるシャープペンシルの未使用時の状態を示す全体縦断面図。 本発明の第1の実施形態にかかるシャープペンシルのキャップ後端部押圧時の状態を示す全体縦断面図。 本発明の第1の実施形態にかかるシャープペンシルの回転力蓄積状態を示す全体縦断面図。 本発明の第1の実施形態にかかるシャープペンシルの回転力蓄積状態から筆圧の入力を受けた状態を示す全体縦断面図。 本発明の第1の実施形態にかかるシャープペンシルの回転力蓄積状態から筆圧の入力が解除された状態を示す全体縦断面図。 本発明の第2の実施形態にかかるシャープペンシルを示す外観斜視図。 本発明の第2の実施形態にかかるシャープペンシルの係合リングと摺動部材を示す外観斜視図。 本発明の第2の実施形態にかかるシャープペンシルの芯タンクを示す外観斜視図。 本発明の第2の実施形態にかかるシャープペンシルを示す全体縦断面図。 図12におけるA―A線断面図である。 本発明の第2の実施形態にかかる芯タンクの前後摺動リブ凹部に後軸の前後摺動リブ凸部が当接した状態を示す部品展開図。 本発明の第2の実施形態にかかる芯タンクの前後摺動リブ凸部に後軸の前後摺動リブ凸部が当接した状態を示す部品展開図。
本発明の第1の実施形態の構成について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1の実施形態にかかるシャープペンシルの外観斜視図、図2は本発明の第1の実施形態にかかるシャープペンシルの軸筒を示す投影図、図3は本発明の第1の実施形態にかかるシャープペンシルの回転力生出部材を示す外観斜視図、図4は本発明の第1の実施形態にかかるシャープペンシルの全体縦断面図を示している。
まず、外軸Aについて詳述する。
外軸Aは軸筒1と口先部2で構成され、その軸筒1の先端部には口先部2が取り付けられている。そして、その口先部2の内部には、円筒状の孔(内孔)とともに複数の段部が形成されており、その内孔は、前記口先部2の前方側に向かい段々と内径が小さくなるように形成され、最も前方に位置する内孔は芯保護管受孔2dとなっている。口先部2内の
最後端の段部、即ち、最大内径を有する内孔2fの前端部に位置する段部は、摩擦リング受段部2aとなっており、その摩擦リング受段部2aの前方には、口先部2の最先端に向け、順に、チャックリング解放部材受段部2b、芯保持部材受段部2cが形成され、さらにその最前端には芯保護管受孔2dが形成されている。
尚、口先部2の各段部には、他の部品が当接、若しくは、係止、圧入固定されており、摩擦リング受段部2aには摩擦リング3が、また、チャックリング解放部材受段部2bにはチャックリング解放部材4が、芯保持部材受段部2cには芯保持部材5が、芯保護管受孔2dには芯保護管6が、各々当接している。
次に、外軸Aの各内部機構について詳述する。
外軸Aの内部には、中軸セットB、回転防止ユニットC、回転力蓄積ユニットDが配設されている。
前記中軸セットBは、チャック7、チャックリング8、中継9、芯タンク10、消しゴム11、キャップ12により構成されており、この中軸セットBと後述のチャックスプリング14とを併せて芯繰り出し機構をなしている。筆記芯を把持・解放するための前記チャック7は、中軸セットBの前方に配設され、そのチャック7を囲繞するようにチャックリング8が配設されている。そして、前記チャック7の後端部に中継9、前記中継9の後端部に芯タンク10が各々係止、若しくは圧入により固定されている。また、前記芯タンク10の後端部であって、その内径部には消しゴム11を保持する為の消しゴム受10aが形成されており、その芯タンク10の後端部には、前記消しゴム11を覆うキャップ12が係脱可能に配設されている。尚、前記チャック7、中継9、芯タンク10については一体で形成されていても良い。
また、前記回転防止ユニットCは、摺動部材13とチャックスプリング14とで構成されており、摺動部材13はチャック7及びチャックリング8の外周に配設され、チャックスプリング14は芯タンク10の前端面と摺動部材13の後端面の間に張設されている。
ここで、摺動部材13の中間部に形成した鍔部13aの後端面と軸筒1の前端面の間には、ガタ防止スプリング15が張設されており、これにより外軸A内に前記中軸セットB及び前記回転防止ユニットCを配設した際に、中軸セットBの摺動ガタが発生しない様に構成されている。
そして、回転力蓄積ユニットDは、回転力生出部材16と抜止リング17、回転力蓄積スプリング18、抵抗緩和リング19とで構成されている。前記回転力生出部材16の前端内部には抜止リング17が圧入、若しくは係止されており、その抜止リング17の後端面と抵抗緩和リング19の間には回転力蓄積スプリング18が張設されている。前記回転力蓄積ユニットDは、軸筒1の内部であって、およそ中軸セットBの中間部に位置し、前記中軸セットBの中継9と芯タンク10の外周に位置した形で配設されている。
以上が本実施形態の構成であるが、各ユニットを含め、第1の実施形態を構成する各部材について詳述する。
外軸Aは前述したように、軸筒1と口先部2で構成されている。
軸筒1は、円筒形状を成しており、その先端部に外径よりも小さな縮径部1aを有し、縮径部1aが口先部2に圧入固定されている。尚、この軸筒1と口先部2との固定方法としては、縮径部1aの外周面、及び口先部2の後端内周面に螺子部を設け、螺合固定させても良い。
口先部2の内部にある摩擦リング受段部2a後方の内孔2fには、前述したように円筒形状を成した摩擦リング3が固定されており、同様にして、チャックリング解放受段部2b後方の内孔2gにも円筒形状を成したチャックリング解放部材4が固定されている。尚、摩擦リング3、及びチャックリング解放部材4については、口先部2と一体に形成しても良い。
また、芯保持部材受段部2cを含む内孔に圧入固定される芯保持部材5は、その内部の軸方向に筆記芯が挿通する貫通孔(挿通孔)5aを有し、また、芯保持部材5の外形形状とし
ては、前方は先端が平らな円錐状、後方は円筒形状を成している。この芯保持部材5に用いられる材質は、弾性を有する樹脂であれば良く、具体的には、ニトリルブタジエンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。
口先部2の芯保護管受孔2dに圧入固定されている前記芯保護管6は、繰り出された筆記芯の保護と、視認性を向上させる目的で配設されるが、口先部2と一体に形成しても良い。尚、前記芯保護管6に用いられる材質は、筆記芯の保護(筆記芯の芯折れ防止機能)を目的とする為には、金属を用いることが良く、具体的には鉄、及びその合金、銅、及びその合金等が挙げられる。
中軸セットBは、前述したようにチャック7、チャックリング8、中継9、芯タンク10、消しゴム11、キャップ12により構成されており、この中軸セットBには、回転防止ユニットC、回転力蓄積ユニットDが組み付けられている。
チャック7は、略円筒形状を成しており、その前方部に大径部7aを有し、前記大径部7aの外周には、二つ割、若しくは三つ割のスリットが形成され、拡縮可能に形成されている。このチャック7の大径部7aは、円筒状のチャックリング8に囲繞され、その外周がチャックリング8の内周に係合している。前記チャック7の後方は、円筒形状を成した中継9の前端に圧入固定され、そして、その中継9の後端は円筒状に形成された芯タンク10に圧入固定されている。尚、前記チャック7、中継9、芯タンク10については一体で形成されていても良い。
ここで、前記芯タンク10の前方には、第一鍔部10bが形成されると共に、前記芯タンク10の後方には、第二鍔部10cが形成されている。そして、前記芯タンク10の外周面であって、その第一鍔部10bと第二鍔部10cの間には雄螺子部10dが形成されている。さらに、前記芯タンク10の第二鍔部10cの後方であって、その外周面には、キャップ嵌合部10eとして、凹部が形成されており、そのキャップ嵌合部10eに対して、キャップ12の内面に設けられた凸部である嵌合リブ12aが係脱可能に係止され、芯タンク10とキャップ12が組み付けられている。前記記載の芯タンク10の消しゴム受10aに対して、円柱形状を成した消しゴム11が着脱可能となるように取り付けられている。
前記摺動部材13は円筒形状を成しており、その外周のおよそ中間部に鍔部13aを有している。また、この摺動部材13の内径は、その前方側がやや大径(内径大径部)13dであり、その内径はチャックリング8の外径よりも大きく形成され、チャックリング8が摺動可能となっている。このチャックリング8は、前記内径大径部13dとその後方の内径部との間に形成された段部(リングストッパー部)13bに当接することにより、後端の位置決めがなされる。前記摺動部材13には、チャック7及びチャックリング8が挿入され、チャックリング8の後端部とリングストッパー部13bの底面が当接されるように配設されている。
さらに、摺動部材13の鍔部13aの後端面と軸筒1の縮径部1a前端面の間にはガタ防止スプリング15が張設されており、これにより外軸A内に前記中軸セットB及び前記回転防止ユニットCを配設した際に、中軸セットBの軸筒の軸線方向における摺動ガタが発生しない様に構成されている。
また、チャックスプリング14は、摺動部材13の後端面と芯タンク10の前端面の間に張設されている為、摺動部材13と芯タンク10を引き離す力が発生するが、摺動部材13と共にチャックリング8が摺動し、そのチャックリング8がチャック7の大径部7aで噛合い、それ以上動作しない状態となり、その状態で固定される。このチャックスプリング14と前記中軸セットBにより芯繰り出し機構は構成されている。
回転力蓄積ユニットDは、前述したように回転力生出部材16と抜止リング17、回転力蓄積スプリング18、抵抗緩和リング19とで構成されている。
前記回転力生出部材16は略円筒形状を成しており、その内面であって後方部には雌螺
子部16aが形成されている。そして、回転力生出部材16の外周面には、その前方部から中間部にかけて長方体状の回転防止リブ16bが対向上に2本形成されている。さらに、回転力生出部材16の後端部から中央部にかけて、拡開スリット16cが形成されている。尚、その前記回転力生出部材16の前端内部には、円筒形状を成した抜止リング17が圧入されている。
また、回転力蓄積スプリング18、及び、円筒形状を成した抵抗緩和リング19は、回転力生出部材16内部に位置しており、抜止リング17の後端面と抵抗緩和リング19の前端面との間に回転力蓄積スプリング18が張設されている。
前記回転力蓄積ユニットDは、中軸セットBに対して組み付けられるが、さらに詳述すると、回転力蓄積ユニットDの回転力生出部材16内部に形成された雌螺子部16aと芯タンク10の雄螺子部10dが螺合されるように組み付けられており、その組み付けた状態では、前記抵抗緩和リング19の後端面と芯タンク10の第1鍔部10bの前端面が当接した状態になる。尚、雄螺子部10dと雌螺子部16aのリード角の設定は材質によっても異なるが、組み合わさる材質の摩擦角以上の角度が望ましく、組み合わせた際に自重で回転しながら落下する程度のリード角に設定すると良い。
この他、軸筒1の内部には回転力生出部材16が摺動する為の摺動レール1bが形成されている。そして、回転力生出部材16の外周面に形成された前記回転防止リブ16bは、摺動レール1b内に挿入され、摺動レール1bによって回転力生出部材16の回転方向の動作が規制され、前記回転力生出部材16は前後方向のみ摺動可能となる。
次に本発明の第1の実施形態における筆記芯の繰り出し動作及び、回転力蓄積動作について図4〜図5の図面を基に説明する。
図4は、筆記芯Eが芯保護管6内部の先端にあり、筆記芯Eが芯保護管6より突出されていない未使用の状態を示している。
この図4に示す状態からキャップ12の後端部を押圧すると、キャップ12、消しゴム11、芯タンク10、中継9、チャック7、チャックリング8、抵抗緩和リング19、そして、チャック7によって把持されている筆記芯Eが、チャックスプリング14、及び、回転力蓄積スプリング18を圧縮しながら前進する。前記押圧動作によって、チャックリング8が前進すると、やがて前記チャックリング8の前端部が、チャックリング開放部材2bの後端部に当接するが、更なる押圧動作により前記記載の各部品(中継9、芯タンク10、消しゴム11、キャップ12、抵抗緩和リング19)がさらに前進すると、チャックリング8の内径部に縮径されながら格納されていたチャック7の大径部7aが解放され、拡開すると共に、大径部7aの内部で把持されていた筆記芯Eも解放される。この際、筆記芯Eは芯保持部材5によって保持されることとなり、大径部7aの拡開と共に、筆記芯Eの前進が止まる。つまり、筆記芯Eは、押圧動作によって、チャックリング8が前進し、前記チャックリング8の前端部が、チャックリング開放部材2bの後端部に当接するまでに進んだ距離と略同等な量、繰り出されることとなる。尚、前記記載したように前記チャックリング8の前端部とチャックリング開放部材2bの後端部に当接する距離を任意に設計することで、1回の押圧で筆記芯を繰り出す長さを自由に設定することができる。また、図5は押圧しきった状態を示す全体縦断面図であるが、図5に示すように、押圧動作は、中継9の前端がチャックリング8の後端に当接するまで行うことができる。
ここで、本押圧動作時において、芯タンク10も前進すると記載したが、芯タンク10が前進すると、芯タンク10の外周面に形成された雄螺子部10dも連動して前進するが、その際、回転力生出部材16に形成された雌螺子部16aの螺子山を乗越えながら前進する。これは回転力生出部材16の外周面には回転防止リブ16bが形成されており、軸筒1の摺動レール1bに対して回転不可能に、前後摺動可能に取り付けられている為に前進するのである。
さらに、前記芯タンク10にかかる動作に対して詳述する。押圧動作で芯タンク10が前進すると、雄螺子部10dが回転力生出部材16の雌螺子部16aを螺子山を乗り越えながら前進することになるが、この時、雄螺子部10d、雌螺子部16aの螺子山を潰さ
ない様に、回転力生出部材16には拡開スリット16cが設けられている為、回転力生出部材16の径は螺子山を乗越える度に拡開することになり、螺子山に対してかかる負荷を軽減することができる。
尚、前記記載した本押圧動作によって回転力蓄積スプリング18を圧縮することが、筆記芯Eを回転させる回転力を蓄積することになる。つまり、押圧動作によって筆記芯の繰り出し動作及び、回転力の蓄積動作を同時に行うことができる。このように、本第1の実施形態では押圧動作により回転力を蓄積させているが、これはシャープペンシルの後端面を押圧して筆記芯を繰り出すことが一般的なシャープペンシルで用いられており、回転力を蓄積させる為に行う特別な操作でなく、押圧動作は直進運動である為、力をかけ易い特徴もあるので、押圧動作により回転力を蓄積させることは、使用者にとって非常に使い勝手が良いものとなる。
その回転力蓄積状態について、図6を基に説明する。
前記記載の押圧動作を解除すると、押圧動作で圧縮されたチャックスプリング14が、その復元力によって図4に示すような押圧前の状態に復元しようとする。その為、押圧動作により前進していたキャップ12、消しゴム11、芯タンク10、中継9、チャック7、チャックリング8、そして、抵抗緩和リング19もノック前の状態へと復元する。この時、チャック7が後退すると、チャック7の大径部7aが再びチャックリング8の内径部に縮径されながら格納される為、大径部7aの内部で筆記芯Eも再び把持されることになる。
ここで、回転力蓄積ユニットDについて説明する。
前記押圧動作によって、回転力蓄積ユニットD内部にある回転力蓄積スプリング18は圧縮されている。回転点力蓄積ユニットDは、押圧解除動作によって、押圧開始前の状態に復元する芯タンク10と共に後退するが、この時、回転力蓄積スプリング18は、その復元力によって、回転力生出部材16の雌螺子部16aと芯タンク10の雄螺子部10dの螺子山を乗越える方向に力が加えることになり、芯タンク10と回転力生出部材16を引き離そうとする。しかしながら、回転力生出部材16の径を拡開できる力よりも、回転力蓄積スプリング18の復元力の方が弱い為に芯タンク10と回転力生出部材16を引き離すことが出来ない。
また、回転力蓄積スプリング18の復元力によって回転力生出部材16が前進しようとする為、芯タンク10を回転させる力が発生するが、摺動部材13の鍔部13aの前端面と摩擦リング3の後端面が、ガタ防止スプリング15の付勢力をもって当接しており、芯タンク10が回転することはない。つまり、回転力蓄積スプリング18が芯タンク10を回転させる力よりも、摺動部材13の鍔部13aの前端面と摩擦リング3の後端面の摩擦抵抗力が強く設定されているので、芯タンク10の回転を防止している。尚、本実施形態では摺動部材13の鍔部13a前端面と摩擦リング3の後端面の摩擦抵抗力により芯タンク10の回転を防止しているが、例えば、鍔部13a前端面と摩擦リング3の後端面に放射状の鋸刃状の溝部を形成し、その鋸刃状のカム面同士を噛合わせることによって、回転を防止しても良い。
よって、押圧解除動作を行うと押圧動作により前進していたキャップ12、消しゴム11、芯タンク10、中継9、チャック7、チャックリング8、チャックスプリング14が押圧動作前の状態へと復元し、更に、回転力蓄積スプリング18が押圧動作で圧縮された状態のまま、回転力蓄積ユニットDを芯タンク10と共に後退させることができる。この回転力蓄積スプリング18が押圧動作で圧縮された状態が、回転力を蓄積させた状態となる。
次に、前記の回転力蓄積状態で筆記操作を行った場合の各部品の動作について、図7、及び図8の図面を基に説明する。尚、図7は回転力蓄積状態から筆圧の入力を受けた状態を示しており、図8は回転力蓄積状態から筆圧の入力が解除された状態を示している。
筆記時に、筆記芯Eが紙面に当接し、筆記芯Eが筆圧を受けると、筆記芯Eを把持して
いるチャック7が、その筆圧を受けることになる。前記動作によってチャック7、及びチャック7より後部に位置する部品(中継9、芯タンク10、消しゴム11、キャップ12、抵抗緩和リング19)が後退し、その動作に伴い、チャック7の大径部7aを囲繞しているチャックリング8も後退し、更に、チャックリング8の後端部を受けている摺動部材13も後退する。尚、前記したように回転力蓄積状態から筆圧の入力を受けた状態は図7に示す通りであるが、この際、図8に図示した摺動部材13の後端部が軸筒1の縮径部1aの前端部に当接するまでの部品間距離Fだけ、各部品は後退する。
ここで、前記摺動部材13の後端部が軸筒1の縮径部1aの前端部に当接する部品間距離Fだけ後退する際には、筆圧入力前に当接していた摩擦リング3の後端部と摺動部材13の鍔部13aの前端部の間に隙間(部品間距離)Gが生じることになる。この間、摺動部材13の鍔部13aの前端面と摩擦リング3の後端面の間で発生させていた摩擦抵抗力が解除される為、芯タンク10が回転し、芯タンク10と連動して動作するチャック7も回転し、更には、チャック7が把持している筆記芯Eも回転することになる。
そして、図8に示す様に筆圧の入力が解除されると、筆圧の入力によって後退していた各部品は、筆圧により圧縮されていたガタ防止スプリング15の復元力によって、筆圧入力前の状態に復元する。この復元動作により、摩擦リング3の後端部と摺動部材13の鍔部13a前端部が再び当接することとなり、摩擦抵抗力が付与され、芯タンク10の回転が防止される。
ここで、筆圧の入力が解除された状態から筆圧入力前の状態に移行するまでを詳述する。
筆圧の入力が解除されると、筆圧により圧縮されていたガタ防止スプリング15が、その復元力によって、摺動部材13の鍔部13aを前進させる。この時、押圧操作により蓄積していた回転力を防止させる各部に発生させた摩擦力が一様に解除され、摩擦リング3の後端部と摺動部材13の鍔部13aの前端部が再び当接するまでの間、芯タンク10は回転する。その結果、芯タンク10と連動して動作するチャック7も回転し、更には、チャック7が把持している筆記芯Eも回転することになる。つまり、筆記動作(筆圧の入力と解除動作)を行う度に、押圧動作によって蓄積させた回転力が順次解放され、それに伴って筆記芯Eは回転し続けることになる。
よって、押圧動作によって筆記芯を回転させる回転力を蓄積させると共に、筆記芯の突出動作を行い、筆記動作によって前記操作で蓄積させた回転力を解放して筆記芯を回転させる事が出来るので、筆記芯の偏磨耗防止効果が得られ、更に、前記効果により、描線の太さや濃さが大きく変化する問題を解消させる事が出来る。
このように、筆圧を受ける度に前記押圧動作で蓄積させた回転力は使用されることになるが、筆記動作で筆記芯Eは磨耗する為、使用者は自動的に押圧動作(筆記芯の繰り出し操作)を行うことになる。つまり、前記押圧動作により筆記で失った筆記芯が繰り出され、また同時に、回転力も再び蓄積されることになるので、使用者は回転力の蓄積状態を気にすることなく使用でき、筆記中は筆記芯Eが常に回転した状態で筆記動作を行うことができる。そして、筆記時には筆記芯Eが再び回転し、筆記芯Eは常に偏磨耗が防止される為、描線の太さや濃さが大きく変化する問題を発生しない。つまり、ほぼ一定の太さと濃さの筆跡が得られるのである。同時に、筆記時に意識的に筆記芯を回転させる操作を必要とせず、筆記による筆記面への接触、および/または非接触によって、筆記芯が回転する為、使用者にとって非常に使い勝手の良いものとなる。
また、回転力の蓄積構造を採ることで、例えば、本第1の実施の形態のように、筆圧を受けた瞬間から筆記芯が回転し始める動作を行う為、筆記圧の入力でスプリングを圧縮(本実施形態においては、ガタ防止スプリング15の圧縮)するだけの軽い力で筆記芯を回転させる事ができる。つまり、これは回転力蓄積構造がなく、毎回の動作で筆記芯の回転を行う構造、例えば、筆圧の入力によってスプリングを圧縮させ、カム山の斜面同士の接触により回転させるような構造では、筆圧でシャープペンシル軸線方向にかかる垂直荷重がスプリングを圧縮させる方向以外に、前記カム斜面を乗越える方向への力を要する為、更に強い
筆圧が必要となる。よって、回転力の蓄積構造にすることで筆圧の入力荷重が小さい場合であっても確実に筆記芯を回転させることができる。
また、前記部品間距離Fを長くし、筆圧入力時には摺動部材13の後端部と軸筒1の縮径部1aの前端部が当接しないような構成にすることで、筆圧入力時には筆記芯を随時回転させることができる。前記構成を採ると、筆記中に筆記芯を随時回転させることができる為、筆記芯は回転し続けながら紙面と接触するので、通常の筆記(筆記芯を筆記中随時回転させない状態)よりも余計に筆記芯が紙面との磨耗で削れ、例えば筆圧が低い人が使用しても濃い筆跡を得ることができる。
更には、前記に記載したが、本第1の実施形態において、筆圧が入力されると摺動部材13の後端部は軸筒1の縮径部1aの前端部に当接するまでの部品間距離Fだけ後退するが、この間、摺動部材13の鍔部13aの前端面と摩擦リング3の後端面の間で発生させていた摩擦抵抗力が解除される為、芯タンク10が回転し、芯タンク10と連動して動作するチャック7も回転し、更には、チャック7が把持している筆記芯Eも回転することになる。しかしながら、紙面と筆記芯Eとの摩擦抵抗力は発生している為、前記摩擦抵抗力よりも蓄積させた回転力を小さくすることで、筆圧入力時の回転を防止することができ、筆圧の入力が解除された時のみ筆記芯を回転させることもできる。
尚、本第1の実施形態にあっては、螺子部を用いて、押圧により外軸の軸線方向にかけた力を回転力に変換し、回転力を蓄積しているが、その手段は前記手段に限らない。例えば、ラックとピニオン、並びに、そのピニオンと係合するように形成されたかさ歯車を用いて、押圧による外軸の軸線方向にかかる力を回転力に変換し、回転力を蓄積させても良い。
本発明の第2の実施形態の構成について、図面を参照して説明する。第1の実施形態と同様の構成については、同様の参照符号とし、また、その説明は省略する。
図9は、本発明の第2の実施形態にかかるシャープペンシルの外観斜視図、図10は本発明の第2の実施形態にかかるシャープペンシルの係合リングと摺動部材を示す外観斜視図、図11は本発明の第2の実施形態にかかるシャープペンシルの芯タンクを示す外観斜視図、図12は本発明の第2の実施形態にかかるシャープペンシルの全体縦断面図、図13は図12におけるA―A線断面図を示している。
外軸Aは、その前方から口先部2、前軸21、軸継22、後軸23の順に構成され、各部品は螺合により固定されている。
第1の実施形態と同様、口先部2は、係合リング受段部2h、チャックリング解放部材受段部2b、芯保持部材受段部2c、芯保護管受孔2dが形成されている。尚、口先部2を前軸21と螺合させる為、口先部2の内周面後方には、雌螺子部2eが形成されている。また、前記第1の実施形態と同様に、口先部2の各段部は、他部品が当接しており、係合リング受段部2hには係合リング26が、また、チャックリング解放部材受段部2bにはチャックリング解放部材4が、芯保持部材受段部2cには芯保持部材5が、芯保護管受孔2dには芯保護管6が、各々当接している。
次に、外軸Aの各内部機構について詳述する。
外軸Aの内部には、中軸セットB、回転防止ユニットC、回転力蓄積スプリング24、ガタ防止スプリング25が配設されている。
前記中軸セットBは、チャック7、チャックリング8、中継9、芯タンク10、消しゴム11、キャップ12により構成されており、この中軸セットBと後述のチャックスプリング14とを併せて芯繰り出し機構をなしている。筆記芯を把持・解放するための前記チャック7は、中軸セットBの前方に配設され、そのチャック7を囲繞するように、チャックリング8が配設され、前記チャック7の後端部に中継9、前記中継9の後端部に芯タンク10が各々係止、若しくは圧入により固定されている。また、芯タンク10の後端部には、消しゴム11を覆うキャップ12が係脱可能に配設されており、その前記キャップ12の
内径部には、前記消しゴム11を保持する為の消しゴム受12bが形成されている。尚、前記チャック7、中継9、芯タンク10については一体で形成されていても良い。
また、前記回転防止ユニットCは、摺動部材13とチャックスプリング14とで構成されており、摺動部材13はチャック7及びチャックリング8の外周に配設され、チャックスプリング14は芯タンク10の前端面と摺動部材13の後端面の間に張設されている。
ここで、摺動部材13の中間部に形成した鍔部13aの後端面と軸筒1の前端面の間には、ガタ防止スプリング15が張設されており、これにより外軸A内に前記中軸セットB及び前記回転防止ユニットCを配設した際に、中軸セットBの軸筒の軸線方向における摺動ガタが発生しない様に構成されている。
本実施形態における回転力蓄積スプリング24はゼンマイばねであり、前軸21の内部であって、中継9の前方部に位置しており、ゼンマイばねの内径側の端が中継9に、もう一方の端が前軸21に対して取り付け固定されている。
ガタ防止スプリング25は、後軸23の内部であって、軸継22の後端部と芯タンク10の鍔部10fの前端部との間に張設されている。
以上が本実施形態の構成であるが、各ユニットを含め、第2の実施形態を構成する各部材について詳述する。
外軸Aは前述したように、口先部2、前軸21、軸継22、後軸23で構成されている。
前軸21は、円筒形状を成しており、その先端部に外径よりも小さな縮径部21aを有している。そして、前記縮径部21aの外周面には雄螺子部21bが形成されており、口先部2の雌螺子部2eと螺合固定されている。また、軸継22は円筒形状を成しており、その両端部は外径よりも小さな円筒の段部を有している。さらに、前記軸継22の前方縮径部の外周面には雄螺子部22aが形成されており、前軸21の後方内径面に形成されている雌螺子部21cと螺合固定されている。また、前記軸継22の後方縮径部の外周面には雄螺子部22bが形成されており、後軸23の前方内径面に形成されている雌螺子部23aと螺合固定されている。つまり、外軸Aとして構成される口先部2、前軸21、軸継22、後軸23は全て、螺合により固定されている。
また、口先部2の内部にある係合リング受段部2h後方の内孔2fには、前述したように円筒形状を成した係合リング26が固定されており、同様にして、チャックリング解放受段部2b後方の内孔2gにも円筒形状を成したチャックリング解放部材4が固定されている。尚、係合リング26、及びチャックリング解放部材4については、口先部2と一体に形成しても良い。ここで、第1の実施形態と異なり、係合リング26の後端面には、放射状に形成された鋸刃状の回転防止溝部26aが形成されている(図10)。
また、芯保持部材受段部2cを含む内孔に圧入固定される芯保持部材5は、その内部の軸方向に筆記芯が挿通する貫通穴(挿通孔)5aを有し、その芯保持部材5の外形形状としては、前方は先端が平らな円錐状、後方は円筒形状を成している。この芯保持部材5に用いられる材質は、弾性を有する樹脂であれば良く、具体的には、ニトリルブタジエンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどが挙げられる。
口先部2の芯保護管受孔2dに圧入固定されている前記芯保護管6は、繰り出された筆記芯の保護と、視認性を向上させる目的で配設されるが、口先部2と一体に形成しても良い。尚、前記芯保護管6に用いられる材質は、筆記芯の保護(筆記芯の芯折れ防止機能)を目的とする為には、金属を用いることが良く、具体的には鉄、及びその合金、銅、及びその合金等が挙げられる。
中軸セットBは、前述したようにチャック7、チャックリング8、中継9、芯タンク10、消しゴム11、キャップ12により構成されている。
チャック7は、略円筒形状を成しており、その前方部に大径部7aを有し、前記大径部7aの外周には、二つ割、若しくは三つ割のスリットが形成され、拡縮可能に形成されている。このチャック7の大径部7aは、円筒状のチャックリング8に囲繞され、その外周
がチャックリング8の内周に係合している。前記チャック7の後方には、円筒形状を成した中継9の前端と圧入固定され、中継9の後端は円筒状に形成された芯タンク10に圧入固定されている。尚、前記チャック7、中継9、芯タンク10については一体で形成されていても良い。
ここで、前記芯タンク10の後方には、鍔部10fが形成され、そして、芯タンク10の後端部には円形状の溝として、キャップ嵌合部10gが形成されている。そのキャップ嵌合部10gに対して、キャップ12の前方外周面に形成された凸部である嵌合リブ12bが係脱可能に係止され、芯タンク10とキャップ12が組み付けられている。また、前記キャップ12の前端面から中間にかけて円形状の孔である消しゴム受12bが形成され、その消しゴム受12bに対して、円柱形状を成した消しゴム11が着脱可能となるように取り付けられている。
前記摺動部材13は円筒形状を成しており、その外周のおよそ中間部に鍔部13aを有している。また、この摺動部材13内径側の前方は、その前方側がやや大径(内径大径部)13dであり、その内径がチャックリング8の外径よりも大きく形成され、チャックリング8が摺動可能となっている。このチャックリング8には、前記内径大径部13dとその後方の内径部との間に形成された段部(リングストッパー部)13bが形成されている。即ち、前記摺動部材13には、チャック7及びチャックリング8が挿入され、チャックリング8の後端部とリングストッパー部13bの底面が当接されるように配設されている。
さらに、摺動部材13の鍔部13aの後端面と軸筒21の縮径部21a前端面の間にはガタ防止スプリング15が張設されており、第1の実施形態と異なり、摺動部材13の鍔部13aの前端面には、放射状に形成された鋸刃状の回転防止溝部13cが形成されており(図10)、前記ガタ防止スプリング15の付勢力により前進した摺動部材13の回転防止溝部13cは、係合リング26に形成された回転防止溝部26aと係合した状態で保たれる(図12)。
また、チャックスプリング14は、摺動部材13の後端面と芯タンク10の前端面の間に張設されている為、摺動部材13と芯タンク10を引き離す力が発生するが、摺動部材13と共にチャックリング8が摺動し、そのチャックリング8がチャック7の大径部7aで噛合い、それ以上動作しない状態となり、その状態で固定される。このチャックスプリング14と前記中軸セットBにより芯繰り出し機構は構成されている。
回転力蓄積スプリング24は、前述した通り、ゼンマイばねであり、そのゼンマイばねの内径側の端部27が中継9に、もう一方の端部28が前軸21に対して取り付け固定されている。
ガタ防止スプリング25は、後軸23内部に配設され、軸継22の後端面と芯タンク10に形成された鍔部10fの前端面との間に張設されており、これにより外軸A内に前記中軸セットB及び前記回転防止ユニットCを配設した際に、中軸セットBの軸筒の軸線方向における摺動ガタが発生しない様に構成されている。
尚、後軸23は円筒形状を成しているが、その後端部には内径が小さい抜止部23bが形成されている。その為、ガタ防止スプリング25によって芯タンク10は後方への付勢力を受けるが、鍔部10fの後端部が後軸23の抜止部23bに引っ掛かり、抜けが防止されている。また、抜止部23bの前端面には、波型の凹凸部である前後摺動リブ23cが形成されている。
一方、図11に示す様に、芯タンク10の鍔部10fの後端面には波型の凹凸部である前後摺動リブ10hが形成されている。ガタ防止スプリング25によって芯タンク10は後方への付勢力を受けるが、鍔部10fの後端部に形成された前後摺動リブ10hの凸部が、後軸23の抜止部23b前端面に形成された前後摺動リブ23cの凹部で係止され、その脱落が防止されている。
次に本発明の第2の実施形態における筆記芯の繰り出し動作及び、回転力蓄積動作について図12〜図15の図面を基に説明する。
図14は、本発明の第2の実施形態にかかる芯タンク10に形成された前後摺動リブ10hの凹部に、後軸23に形成された前後摺動リブ23cの凸部が当接した状態を示す部品展開図を示し、図15は、本発明の第2の実施形態にかかる芯タンク10に形成された前後摺動リブ10hの凸部に後軸23に形成された前後摺動リブ23cの凸部が当接した状態を示す部品展開図を示している。
前記図12に示す状態から芯タンク10を外軸Aに対して回転させると、図14〜図15に示す様に、後軸23の抜止部23b前端面に形成された前後摺動リブ23cの凹部と係合している芯タンク10の鍔部10f後端部に形成された前後摺動リブ10hの凸部が、前記回転動作により前後摺動リブ23cの凹部から凸部に乗り上げられる。すると、外軸Aに対して芯タンク10は前進することになる。
芯タンク10が前進すると、キャップ12、消しゴム11、芯タンク10、中継9、チャック7、チャックリング8、そして、チャック7によって把持されている筆記芯Eが、チャックスプリング14を圧縮しながら前進する。前記芯タンク10の前進動作により、チャックリング8が前進すると、前記チャックリング8の前端部が、チャックリング開放部材2bの後端部に当接するが、前記芯タンク10がさらに前進すると、チャックリング8の内径部に縮径されながら格納されていたチャック7の大径部7aが解放され、拡開すると共に、大径部7aの内部で把持されていた筆記芯Eも解放される。
この際、筆記芯Eは芯保持部材5によって保持されることとなり、大径部7aの拡開と共に、筆記芯Eの前進が止まる。つまり、筆記芯Eは、芯タンク10の前進動作により、チャックリング8を前進させ、前記チャックリング8の前端部が、チャックリング開放部材2bの後端部に当接するまでに進んだ距離と略同等な量、繰り出されることとなる。尚、前記記載したように前記チャックリング8の前端部とチャックリング開放部材2bの後端部に当接する距離を任意に設計することで、芯タンク10の前進動作、及び1回のノックで筆記芯を繰り出す長さは自由に設定することができる。
前記芯タンク10の回転操作により筆記芯Eは繰り出されるが、この際、前記芯タンク10の回転動作によって、回転力蓄積スプリング24のゼンマイばねも巻き締められ、回転力を蓄積することになる。つまり、芯タンク10の回転操作によって、筆記芯の繰り出し動作、及び回転力の蓄積動作を同時に行うことができる。
さらに、本第2の実施形態では、筆箱等に入れて持ち運ぶ際等に生じる振動で、不使用時における不必要な回転力の蓄積をさせることがない様に、回転動作により回転力を蓄積させている。これにより、不要な回転力の蓄積を避け、回転力蓄積スプリング24にかかるストレスが軽減できる為、各部品の破損を防止している。
次に、回転力の蓄積状態について説明する。
前記記載の芯タンク10の回転操作を解除すると、その回転操作で巻き締められた回転力蓄積スプリング(ゼンマイばね)24が、その復元力によって回転操作前の状態に復元しようとする為、芯タンク10は外軸Aの径方向に回転しながら、後軸23に形成された前後摺動リブ23cと芯タンク10に形成された前後摺動リブ10hの凹凸部によって前進、及び後退しようとする。
しかしながら、この時、係合リング26の後端面に形成された回転防止溝部26aと、摺動部材13の回転防止溝部13cが、ガタ防止スプリング15の付勢力を受けた状態で、その鋸刃状のカム面同士が噛み合った状態である為、前記芯タンク10の回転操作解除によって発生する外軸Aに対する径方向への回転が阻止され、回転力蓄積スプリング24は巻き締められた状態のままで保持される。
つまり、芯タンク10の回転操作によって回転力蓄積スプリング24を巻き締めることで回転力を蓄積させ、回転防止溝部26aと回転防止溝部13cの係合によって、前記回転力の解放を阻止している。
次に、前記の回転力蓄積状態で筆記操作を行った場合の各部品の動作を説明する。
筆記時に、筆記芯Eが紙面に当接し、筆記芯Eが筆圧を受けると、筆記芯Eを把持しているチャック7が、その筆圧を受けることになる。前記動作によってチャック7、及びチャック7より後部に位置する部品が後退し、その動作に伴い、チャック7の大径部7aを格納しているチャックリング8も後退し、更に、チャックリング8の後端部を受けている摺動部材13も後退する。尚、図12に示す様に、摺動部材13の後端部が軸筒21の縮径部21aの前端部に当接するまで各部品は後退する。
ここで、前記摺動部材13の後端部が軸筒1の縮径部1aの前端部に当接するまで後退すると、筆圧入力前にガタ防止スプリング15の付勢力を受けた状態で鋸刃状のカム面同士で噛み合っていた係合リング26の回転防止溝部26aと、摺動部材13の回転防止溝部13cの間に隙間が生じることになり、その係合が解除される。
この間、摺動部材13の回転防止溝部13cと係合リング26の回転防止溝部26aの係合が解除される為、芯タンク10が回転し、芯タンク10と連動して動作するチャック7も回転し、更には、チャック7が把持している筆記芯Eも回転することになる。
そして、筆圧の入力が解除されると、筆圧の入力によって後退していた各部品は、筆圧により圧縮されていたガタ防止スプリング15の復元力によって、筆圧入力前の状態に復元する。この復元動作により、摺動部材13の回転防止溝部13cと係合リング26の回転防止溝部26aが再び係合することとなり、芯タンク10の回転が防止される。
ここで、筆圧の入力が解除された状態から筆圧入力前の状態に移行するまでを詳述する。
筆圧の入力が解除されると、筆圧により圧縮されていたガタ防止スプリング15が、その復元力によって、摺動部材13の鍔部13aを前進させる。この時、芯タンク10の回転操作により蓄積させていた回転力を防止機構が解除され、摺動部材13の回転防止溝部13cと係合リング26の回転防止溝部26aが再び係合するまでの間、芯タンク10は回転する。その結果、芯タンク10と連動して動作するチャック7も回転し、更には、チャック7が把持している筆記芯Eも回転することになる。つまり、筆記動作(筆圧の入力と解除動作)を行う度に、芯タンク10の回転操作によって蓄積させた回転力が順次解放され、それに伴って筆記芯Eは回転し続けることになる。
よって、芯タンク10の回転操作によって筆記芯を回転させる回転力を蓄積させると共に、筆記芯の突出動作を行い、筆記動作によって前記操作で蓄積させた回転力を解放して筆記芯を回転させる事が出来るので、筆記芯の偏磨耗防止効果が得られ、更に、前記効果により、描線の太さや濃さが大きく変化する問題を解消させる事が出来る。
また、筆圧を受ける度に前記回転操作で蓄積させた回転力は使用されることになるが、筆記動作で筆記芯Eは磨耗する為、使用者は自動的に回転操作(筆記芯の繰り出し操作)を行うことになる。つまり、前記回転操作により筆記で失った筆記芯が繰り出され、さらに回転力も再び蓄積されることになるので、回転力の蓄積状態を気にすることがなく、筆記中は筆記芯Eが常に回転した状態で筆記動作を行うことができる。このように、再び、筆記時には筆記芯Eが回転し、筆記芯Eは常に偏磨耗が防止される為、描線の太さや濃さが大きく変化する問題を発生しない。つまり、ほぼ一定の太さと濃さの筆跡が得られるのである。同時に、筆記時に意識的に筆記芯を回転させる操作を必要とせず、筆記による筆記面への接触、および/または非接触によって、筆記芯が回転する為、使用者にとって非常に使い勝手の良いものとなる。
更には、回転力の蓄積構造を採ることで、筆圧を受けた瞬間から筆記芯が回転し始める動作を行う為、筆記圧の入力でスプリングを圧縮(本実施形態においては、ガタ防止スプリング15の圧縮)するだけの軽い力で筆記芯を回転させる事ができる。つまり、これは回転力蓄積構造がなく、毎回の動作で筆記芯の回転を行う構造、例えば、筆圧の入力によってスプリングを圧縮させ、カム山の斜面同士の接触により回転させるような構造では、筆圧でシャープペンシル軸線方向にかかる垂直荷重がスプリングを圧縮させる方向以外に、前記カム斜面を乗越える方向への力を要する為、更に強い筆圧が必要となる。よって、回転力の
蓄積構造にすることで筆圧の入力荷重が小さい場合であっても確実に筆記芯を回転させることができる。
また、未使用時における摺動部材13の後端部と軸筒21の縮径部21aの前端部の距離を長く設定し、筆圧入力時には摺動部材13の後端部と軸筒21の縮径部21aの前端部が当接しないような構成にすることで、筆圧入力時には筆記芯を随時回転させることができる。前記構成を採ると、筆記中に筆記芯を随時回転させることができる為、筆記芯は回転し続けながら紙面と接触するので、通常の筆記(筆記芯を筆記中随時回転させない状態)よりも余計に筆記芯が紙面との磨耗で削れ、例えば筆圧が低い人が使用しても濃い筆跡を得ることができる。
この他にも、前記に記載したが、本第2の実施形態において、筆圧が入力されると摺動部材13の後端部は軸筒21の縮径部21aの前端部に当接するまでの距離だけ後退するが、この間、摺動部材13の鍔部13aの前端面と係合リング26の後端面の間で発生させていた摩擦抵抗力が解除される為、芯タンク10が回転し、芯タンク10と連動して動作するチャック7も回転し、更には、チャック7が把持している筆記芯Eも回転することになる。しかしながら、紙面と筆記芯Eとの摩擦抵抗力は発生している為、前記摩擦抵抗力よりも蓄積させた回転力を小さくすることで、筆圧入力時の回転を防止することができ、筆圧の入力が解除された時のみ筆記芯を回転させることもできる。
さらに、前記第1の実施形態では回転力蓄積ユニットDによって筆記芯Eを回転させる為の回転力蓄積機構を構成していたが、本第2の実施形態では、前記回転力蓄積機構を回転力蓄積スプリング24によって構成した為、部品が簡略化できる特徴がある。
以上の第1及び第2の実施形態にあっては、シャープペンシルを例に挙げたが、本発明は、ボールペンやマーキングペン、固形描画材など、未使用状態においては外軸内に筆記芯が没入しており、使用時に突出する種々の筆記具に対して用いることができる。本発明における筆記芯は、ボールペンにおけるリフィル(チップ)、マーキングペンにおけるペン先、固形描画材における描画芯などである。いずれの筆記具にあっても、筆記芯の突出操作と共に、筆記芯を回転させる回転力を蓄積し、その回転力を筆記芯の後退動作によって解放することにより、筆記による筆記面への接触、および/または非接触によって、筆記芯が回転する為、使用者にとって非常に使い勝手の良い筆記具となる
A 外軸
B 中軸セット
C 回転防止ユニット
D 回転力蓄積ユニット(回転力蓄積手段)
E 筆記芯
F 部品間距離
G 部品間距離
1 軸筒
1a 縮径部
1b 摺動レール
2 口先部
2a 摩擦リング受段部
2b チャックリング解放部材受段部
2c 芯保持部材受段部
2d 芯保護管受孔
2e 雌螺子部
2f 内孔
2g 内孔
2h 係合リング受段部
3 摩擦リング
4 チャックリング解放部材
5 芯保持部材
5a 貫通孔
6 芯保護管
7 チャック
7a 大径部
8 チャックリング
9 中継
10 芯タンク
10a 消しゴム受
10b 第一鍔部
10c 第二鍔部
10d 雄螺子部
10e キャップ嵌合部
10f 鍔部
10g キャップ嵌合部
10h 前後摺動リブ
11 消しゴム
12 キャップ
12a 嵌合リブ
12b 消しゴム受
12c 嵌合リブ
13 摺動部材
13a 鍔部
13b リングストッパー部
13c 回転防止溝部
13d 内径大径部
14 チャックスプリング
15 ガタ防止スプリング
16 回転力生出部材
16a 雌螺子部
16b 回転防止リブ
16c 拡開スリット
17 抜止リング
18 回転力蓄積スプリング
19 抵抗緩和リング
21 前軸
21a 縮径部
21b 雄螺子部
21c 雌螺子部
22 軸継
22a 雄螺子部
22b 雄螺子部
23 後軸
23a 雌螺子部
23b 抜止防止部
23c 前後摺動リブ
24 回転力蓄積スプリング
25 ガタ防止スプリング
26 係合リング
26a 回転防止溝部
27 端部
28 端部

Claims (1)

  1. 外軸内に、筆記芯の突出手段が配置された筆記具であって、筆記芯の突出動作と共に、筆記芯を回転させる回転力を蓄積し、筆記芯の後退動作によって前記蓄積された回転力を解放させる回転力蓄積ユニットを具備することを特徴とする筆記具。
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