JP6039854B1 - 電気めっき方法、めっき装飾品、ゴルフボール及び支承治具 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2:特開2012−81206号公報
特許文献3:特開平9−20992号公報
特許文献4:特開平8−127894号公報
・本発明の第2の発明によれば、基材の質感が損なわれにくいと共に、有機樹脂層の付着力が高くなって、金属薄膜層の耐久性が向上される。
・また、有機樹脂層の上に形成された金属薄膜層が剥離されにくくなるため、基材そのものの質感を損ないにくいように、有機樹脂層を薄くすることができる。また、有機樹脂に混合される金属粉粒体の含有率が高いため、金属粉粒体同士が接触しやすく、有機樹脂層の表面を研磨しなくても導電性皮膜層の導電性を確保しやすい。
・本発明の第4の発明によれば、ゴルフボールの表面に保護塗装皮膜を残したままの元の艶が損なわれていないと共に、全周囲にめっきが欠落したピンホールのない品質の高いめっき装飾されたゴルフボールとすることができる。
(導電性皮膜層形成工程)
まず、図3を参照して、導電性皮膜層形成工程を説明する。ゴルフボール1を水洗・乾燥させて、表面の汚れを除去し、保持治具90にゴルフボールを保持させる(図2(A)図,図3(A)図参照)。混合溶液の噴霧・乾燥工程を複数回繰り返し、ゴルフボール1の全周囲に、欠損部がない有機樹脂層20を形成させている。以下に夫々の工程を詳述する。
噴霧器の噴霧吐出口とゴルフボールとが向かい合う位置を変えながら、ゴルフボールの保護塗装層10の表面に混合溶液を満遍なく噴霧させる。そして、15℃から20℃の室温で約30分乾燥させることにより有機樹脂層20が形成される(図3(B)図参照)。この時点では、保持治具とゴルフボールとの接点には、有機樹脂層20が形成されていない欠損部21が残っている(図3(B)図参照)。
次に、ゴルフボール1と保持治具90との接点位置をずらし、欠損部21を露出させて混合溶液を噴霧できるようにする(図3(C)図参照)。
(混合溶液の噴霧・乾燥工程)
ゴルフボール1と保持治具90との接点位置を変更した後に、混合溶液を噴霧・乾燥を繰り返す。そうすると、有機樹脂層が形成されていない欠損部21が埋められ、ゴルフボール1の全周囲が有機樹脂層20に被覆された状態とされる。この噴霧・乾燥工程が数回繰り返されることにより、ゴルフボールの凹凸部に沿う、均一に滑らかな状態の有機樹脂層20が形成される(図3(D)図)。なお、有機樹脂層20の表面に残った治具跡22は、後述する電気めっき工程で銅めっき層30により埋められ目立たない状態とされる。有機樹脂層20の乾燥後には、ゴルフボール1が保持治具90から取り外され、電気めっき工程で使用される支承治具100に移し替えられる。
次に、図4の各々の図を参照して、銅めっき層をめっきさせる電気めっき工程について説明する。図4(E)図は、ゴルフボールを支承治具に支承させた状態を示し、図4(F)図は、銅めっき層の一部が形成された状態を示している。図4(G)図は、支承点がずらされた状態を示し、図4(H)図は、銅めっき層の形成工程が終了された状態を示している。
支承治具100に支承されたゴルフボール1が硫酸銅めっきのめっき液に浸漬され、ゴルフボールの凸凹した表面形状に沿う有機樹脂層20の表面に沿って、銅めっき層30が形成される(図4(F)図)。初回の硫酸銅めっき工程では、回転軸は回転されず、めっき液中にゴルフボールが静止されたまま電気めっきされる。初回の硫酸銅めっき工程では、静止状態で電気めっきされるため、支承治具の先方部とゴルフボールとが擦れ合って、導電性皮膜層が損傷されることがない。この段階で、有機樹脂層に残った治具跡22が銅めっき層30により埋められ、目立たなくされる。また、支承治具100とゴルフボール1とが接する支承点の位置には、銅めっき層30が形成されないため、欠損部31が残った状態となる(図4(G)図参照)。
電気めっきを開始してから所定の時間経過後に、ゴルフボール1がめっき液中から気中に取り出され、ゴルフボール1と支承治具100との支承点の位置が変えられる(図4(G)図)。ゴルフボール1がめっき液中から気中に取り出されるまでの時間は限定されず、電気めっき工程の時間に応じて適宜選択されればよい。例えば、2回の硫酸銅めっき工程における浴時間の合計時間に対して、半分程度経過した時点で、ゴルフボールを取り出せばよい。
次に、ゴルフボール1を硫酸浴させ、銅めっき層30の表面を活性化させる。これにより、銅めっき層の表面に発生した酸化皮膜が除去され、初回の硫酸銅めっき工程で形成された銅めっき層と、2回目の硫酸銅めっき工程で形成される銅めっき層との密着性が高くされる。硫酸液の濃度は、例えば、硫酸成分が重量比で98%含有された硫酸の原液に水を加えて、硫酸の原液:水が体積比で1:9の割合となるように希釈されたものであればよい。硫酸浴の後、硫酸成分を洗い流すように水洗がされる。
2回目の硫酸銅めっき工程では、支承治具の回転軸107(図2(B)図参照)が回転されて、各々のゴルフボール1にかかる電流が均等に流れるようにして電気めっきされる。各々のゴルフボール1に電流が均等に流れるため、銅めっき層30が均一に形成され、複数のゴルフボールを同時に電気めっきしても、高品質かつ均一の品質とされためっき装飾品を得ることができる。硫酸銅めっきの浴条件は、初回の硫酸銅めっきの浴条件と同一であるため、説明を省略している。
実施例2でも、ゴルフボール2の全周囲が金めっき層40に被覆されるように、2回の金めっき工程により、金めっき層40がめっきされる。まず、支承治具100に銅めっき層30まで形成されたゴルフボール2を支承させる(図5(I)図)。
次に、ゴルフボール2を硫酸浴させ、銅めっき層30の表面を活性化させる。これにより、銅めっき層の表面に発生した酸化皮膜が除去され、銅めっき層30と後述する金めっき工程で形成される金めっき層40との密着性を高くできる。硫酸浴工程の浴条件は、実施例1と同様であればよく、ここでは説明を省略している。硫酸浴の後、硫酸成分を洗い流すように水洗がされる。
硫酸浴により活性化させた銅めっき層30の上に、電気めっきにより金めっき層40の一部がめっきされる(図5(J)図参照)。金めっき液は、1リットル当り、シアン化金カリウムが2〜6g含まれ、浴温度が30〜40℃とされればよい。電流密度は、0.5〜2A/dm2である。金めっき層の材質は、純金であってもよく、金コバルト等の金合金とされてもよい。浴時間は限定されず、金めっき層の膜厚に応じて適宜調整されればよい。ここでは、ゴルフボールの全周囲が銅めっき層に覆われており、導電性皮膜層が損傷される恐れがないため、支承治具の回転軸107(図2(B)図参照)を回転させながら電気めっきがされる。
金めっき浴時間が合計時間の半分程度経過した時点で、ゴルフボール2をめっき液中から取り出し、ゴルフボール2と支承治具100との支承点の位置が変えられる(図5(K)図)。
1回目の金めっき工程と同様に金めっきがされる(図5(L)図)。めっき浴条件は1回目と同様であり説明を省略する。実施例2では、銅めっき層30と金めっき層40との合計の膜厚が、20μm以上40μm以下とされる。
保護塗装には顔料を混入しない無色の水溶性のクリアラッカーを使用する。ナフサ、キシレン、トルエン、アセトンなど揮発性の高い溶媒に樹脂を溶かしたものであればよい。塗膜厚さを2〜6μmの薄膜とすることにより、溶剤が揮発されて乾燥され、硬い保護膜が得られると共に、金色が変色することがない耐久性が得られる。
・上記の実施例では、銅色のめっき層、金色のめっき層を形成させる実施例を説明したが、その他の色、例えば銀色のめっき層を形成させてもよいことは勿論のことである。いずれの基材に対しても導電性皮膜層が均一に滑らかな状態に形成され、めっき層が光り輝く艶のある状態とされるため、金・銀・銅の、同一な質感の光り輝く球技用ボールを提供することができる。
・金属薄膜層が2工程で形成される例を説明したが、工程数は限定されない。
・上記の実施例では、上方支承点が1点の例を説明したが、複数点であってもよいことは勿論のことである。
・上記の実施例ではゴルフボール、硬式用の野球ボールを基材としたが、基材の用途が限定されないことは勿論のことである。
・今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、上記した説明に限られず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10…保護塗装層、11…コア層、12…樹脂カバー層、13…ディンプル、
20,23…導電性皮膜層、21…欠損部、22…治具跡、
30…銅めっき層、31…欠損部、40…金めっき層、41…欠損部、
50…金属薄膜層、
60…革材、61…芯材、62…糸、63…接合部、64…縫い糸、65…皺、
90…保持治具、92,93…軸体、94,95…先方部、96…基部、97…基軸、
100…支承治具、101…支承部、102,103…軸体、104,105…先方部、
106…基部、107…回転軸、108…樹脂膜、
110…第2の支承治具、111…支承部、
120…下方支承点、121…上方支承点
Claims (4)
- 基材表面に凹凸形状の起伏部を有する難めっき性基材に、金属薄膜層を有し、前記基材表面と、前記金属薄膜層とに接して、金属粉粒体を含んだ有機樹脂層が備えられ、前記金属粉粒体が接し合い、有機樹脂層の表面に導電性を有する導電性皮膜層をなし、前記金属粉粒体が銀とされためっき装飾品において、
前記基材表面の凹部における前記有機樹脂層の膜厚と前記基材表面の凸部における前記有機樹脂層の膜厚が、均一に滑らかな薄膜であると共に、2μm以上5μm以下の膜厚とされている、
ことを特徴とするめっき装飾品。 - 前記金属粉粒体の平均粒径が1μm以上3μm以下とされている、
ことを特徴とする請求項1に記載のめっき装飾品。 - 前記金属薄膜層の膜厚が、1μm以上10μm以下とされている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれか一項に記載のめっき装飾品。 - 前記難めっき性基材が、前記基材表面に保護塗装皮膜を有するゴルフボールであって、
前記金属薄膜層は、その膜厚が20μm以上40μm以下とされ、前記導電性皮膜層の全周囲を覆っている、
ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のめっき装飾品。
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JP2009539593A (ja) * | 2006-06-14 | 2009-11-19 | ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア | 支持体上に導電性の表面を製造する方法 |
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