JP6039854B1 - 電気めっき方法、めっき装飾品、ゴルフボール及び支承治具 - Google Patents

電気めっき方法、めっき装飾品、ゴルフボール及び支承治具 Download PDF

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Abstract

【課題】凹凸形状の起伏を有する難めっき性基材であっても、その基材表面の質感が損なわれていない金属薄膜層が電気めっきされためっき装飾品を得る。【解決手段】銀の金属粉粒体を含んだ有機樹脂層からなる薄膜の導電性皮膜層を、難めっき性基材の表面に備えさせ、その上から電気めっきによる金属薄膜層を備えためっき装飾品とした。有機樹脂層が2μm以上10μm以下の薄膜とさせると、基材の表面に凹凸部や皺等を有する難めっき性基材であっても、凹凸部や皺等の形態が変わらず、視覚による基材の質感が損なわれないめっき装飾品とすることができ好適である。【選択図】図1

Description

本発明は、難めっき性基材の表面に金属薄膜層を電気めっきする方法に関する。より詳細には、凹凸形状の起伏を有する難めっき性基材に質感が損なわれないように金属薄膜層を電気めっきする方法、めっき装飾品、ゴルフボール及び支承治具に関する。
従来から、製品の購買意欲を高めるために、合成樹脂品を豪華に装飾するように、合成樹脂品に貴金属色を付与する技術が開発されている。例えば、有機樹脂母材に貴金属色を発する顔料を混合させた混合溶液により、合成樹脂品の表面を塗装したゴルフボール等がある。しかし、塗装による場合には、金属膜により装飾する場合に比べて、艶・輝きの点で劣ると共に耐久性に欠けるという課題があった。
この課題を解決させるために、ゴルフボールに金属を蒸着させて金属薄膜層を形成させる技術が、特許文献1に開示されている。また、ゴルフボールに金属を蒸着させることにより、ゴルフボールの視認性を向上させるとする技術が、特許文献2に開示されている。
特許文献1には、購入者の注意を惹きつけるために、ゴルフボールのトップ塗装層の下層に金属薄膜層を蒸着させて、金属光沢性を付与するとされている。特許文献1の技術によれば、ゴルフボール全体を覆う第1のアクリル系塗料からなるアンダー層と、アンダー層の表面に蒸着させた金属薄膜層と金属薄膜層を覆う透明な第2のアクリル系塗料からなるトップ層と、を備えさせている。これにより、合成樹脂塗料の質感とは明らかに異なる金属光沢性を付与するとされている。
しかし、特許文献1の技術によれば、蒸着により金属薄膜層を形成させているため、金属薄膜層の膜厚が薄く、膜厚は20〜50nm程度とされている。導電性皮膜層を介さずアンダー層の上に金属薄膜層が形成できる反面、金属薄膜層が下地の色に影響を受けやすい金・白金等の貴金属色の場合には、ゴルフボールの下地色や図柄等の影響を受けて貴金属色がくすむ、ロゴ・図柄が透けて見えるという課題があった。
仮に、貴金属色が下地の影響を受けないように、金属薄膜層の膜厚を厚くすると、複数層の金属蒸着層を積層させることが必要になり、製造に時間がかかり、量産することが困難になるという課題があった。また、蒸着による金属薄膜層の仕上がり表面の光沢は、電気めっきによる金属薄膜層に比べて劣るという課題があった。
特許文献2には、ゴルフボールの表面にピンホールが発生しないように、金属を蒸着させる際にゴルフボールを第1の支持治具から第2の支持治具に移し替える工程を有するめっき蒸着の技術が開示されている。特許文献2の技術によれば、ゴルフボールの表面に、金属薄膜層の欠けが発生することが防止できるとされている。この技術によっても、特許文献1と同様に、金属薄膜層の膜厚を下地の影響を受けないように厚くしようとすると、蒸着に時間が掛かり量産に適さないという課題があった。
特許文献3及び特許文献4には、難めっき性基材の表面に、金属粉粒体と有機樹脂母材とを含む塗料を塗布し、それを乾燥させることにより導電性皮膜層を形成させ、その導電性皮膜層の上に電気めっきによる金属薄膜層を形成させる技術が開示されている。
特許文献3には、機械加工により大きな凹凸を形成させるように、合成樹脂基材の表面を粗面化させて、電気めっき層のアンカリング効果を向上させることにより、合成樹脂基材に耐久性の高い電気めっきをする技術が開示されている。特許文献3の技術によれば、予めゴルフボール表面の保護塗膜を剥離させてから、表面粗さが30μmから50μmとなるように合成樹脂基材の表面を、機械加工により粗面化させている。そして、粗面化させた表面に、金属粉と有機溶剤とを含む塗料を付着させて導電性皮膜層を形成させ、導電性皮膜層に電気めっきするとされている。
特許文献3の技術によれば、合成樹脂基材の表面を粗面化させた上で、有機溶剤のシンナーによって合成ゴム表面の一部を溶解させ、導電性皮膜層の付着性を向上させているため、電気めっき層の耐久性を向上させることができる。反面、基材の表面を粗面化させるため、凸部と凹部で粗面化の程度が異なり易く、基材表面に凹凸部がある場合には均一な状態にめっきしにくく、素材の質感が損なわれ易いという課題があった。
特許文献4には、難めっき性の樹脂製基材の表面の一部にめっきを施す場合であっても、めっきの密着性が向上されると共に、外観品質が向上される技術が開示されている。この技術によれば、基材に金属粉と有機樹脂母材とを含む導電性塗料を塗布して導電性塗膜層を形成させた後に、導電性塗膜層の表面を研磨処理させている。
研磨処理によって導電性塗膜層の表面を覆う塗膜マトリックスを除去し、有機樹脂母材に覆われていた金属粉を、導電性塗膜層の表面に露出させ十分な導電性を確保させ、電気めっき層のめっき密着性を向上させるとしている。更に、研磨処理によって、導電性塗膜層に含まれる金属粉による微細な凹凸も均一化・平滑化されるため、外観品質を高くできるとされている。
特許文献4の技術によれば、塗膜マトリックスを除去させる研磨処理の工程を含んでいるため、導電性塗膜層が剥離・欠損しないように、導電性塗膜層の膜厚は50μmが必要とされる。導電性塗膜層の膜厚が厚いことに加えて、基材表面に凹部があるような場合には、凹部の中を研磨することができないため、金属粉による微細な凹凸が除去できず、研磨した部分と研磨できない部分で平滑度が異なることになり、基材表面に凹凸がある場合には質感が損なわれ易いという課題があった。
特許文献1:特開2011−200639号公報
特許文献2:特開2012−81206号公報
特許文献3:特開平9−20992号公報
特許文献4:特開平8−127894号公報
本願の発明者は、表面に凹凸形状の起伏を有する難めっき性基材に、電気めっきによる金属薄膜層を有するめっき装飾品の開発に鋭意務めた結果、難めっき性基材の質感を損なうことのないめっき技術の開発に至った。本発明が解決しようとする課題は、全体を研磨することが困難な凹凸部を含む起伏を有する難めっき性基材であっても、基材の質感が損なわれていないめっき装飾品、めっきされたゴルフボール及び電気めっき方法を提供することである。
ここで、本発明でいう基材の質感とは、起伏を有する基材の表面が呈する滑らかな状態又は粗い状態の外観上の質感を指し、特に視覚によって認識される物品表面の性状を指している。例えば、ゴルフボールの質感とは、表面に備えられた凹凸形状のディンプルとディンプル以外の表面とが共に滑らかで艶のある状態となってる外観質感を指している。硬式野球用のボールであれば、革固有の微細な皺のある細かい粗面を有する部分と、革を縫い合わせる縫合部分の凸凹した状態とがなす柔らかい外観質感を指している。
本発明の第1の発明のめっき装飾品は、基材表面に凹凸形状の起伏部を有する難めっき性基材に、金属薄膜層を有し、前記基材表面と、前記金属薄膜層とに接して、金属粉粒体を含んだ有機樹脂層が備えられ、前記金属粉粒体が接し合い、有機樹脂層の表面に導電性を有する導電性皮膜層をなし、前記金属粉粒体が銀とされためっき装飾品において、前記基材表面の凹部における前記有機樹脂層の膜厚と前記基材表面の凸部における前記有機樹脂層の膜厚が、均一に滑らかな薄膜であると共に、2μm以上5μm以下の膜厚とされていることを特徴としている。
難めっき性基材の基材表面とは、例えば保護塗装層を有するゴルフボールであれば、保護塗装層の表面をいい、革で覆った硬式野球用のボールであれば、革層の表面や革を縫付けている縫糸の表面をいう。凹凸部の大きさ・形態は限定されない。例えば、ゴルフボールのディンプルであってもよく、革の皺であってもよい。難めっき性基材の材質は、導電性が乏しく電気めっきをすることが困難な基材であればよく限定されない。例えば、プラスチック等の合成樹脂であってもよく、天然ゴム・合成ゴム、木材、皮革であってもよい。更に、基材の表面に合成樹脂からなる保護塗膜を有し、難めっき性基材とされたものであってもよい。
難めっき性基材の形態が限定されないことも勿論のことである。具体的には、ゴルフボールや硬式野球用のボールのように球体であってもよく、ゴルフクラブのグリップのように長く延びた長尺体であってもよい。
銀からなる金属粉粒体の平均粒径は、2μmから10μmの範囲内とされる有機樹脂層の膜厚に応じて選択されればよい。有機樹脂層の膜厚が5μmであれば、それよりも平均粒径が小さい、例えば2μm程度の粉粒体が選択されればよい。小さな粒径の銀の金属粉粒体が接し合い、有機樹脂層の表面に導電性皮膜層をなす。導電性皮膜層に含まれる金属粉粒体による凹凸が小さいため、塗膜表面を研磨しなくても、基材の表面に沿うように滑らかな有機樹脂層を得ることができる。有機樹脂層の研磨が不要であるため、研磨が困難な凹凸部を有する難めっき性基材であっても、基材の質感を損なわないという有利な効果がある。
本発明では、金属粉粒体が、導電性の高い銀とされているため、導電性皮膜層の導電性を高くすることができる。また、銀はイオン化傾向が低いため、高速度めっきに適した硫酸銅めっき等の酸性浴により電気めっきがされる場合であっても、銀がめっき液に溶けだすことがない。そのため、めっき液が金属粉粒体によって侵食されにくく、めっき液の交換周期を長くすることができるため、めっき装飾品を量産しやすくなるという効果を奏する。
また、有機樹脂層は、金属粉粒体と有機樹脂母材とが混合された混合溶液を塗布・乾燥させることにより形成される。有機樹脂母材の材質は、限定されない。例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂等の樹脂製結合体とすればよい。
本発明によれば、基材表面を粗面化させることなく、薄膜の有機樹脂層が形成されるため、基材表面の細かい皺や凹凸部の形状がそのまま有機樹脂層の表面に残り、基材そのものの質感が損なわれることがない。塗装方法は、混合溶液をスプレーガン等の噴霧器により噴霧させて形成させればよいが、これに限定されず、筆によって塗布されてもよく、噴霧器と筆とを併用してもよい。
また、混合溶液の塗布性能を向上させるために、金属粉粒体と有機樹脂母材の塗料に有機溶剤を添加して、混合溶液の粘度を低くさせ、混合溶液の流動性を高くすると好適である。混合溶液の流動性を高くすると、膜厚にむらのない有機樹脂層とすることが容易であると共に、流動性の高い混合溶液が基材表面の細かい皺や凹凸部に馴染み、より基材の質感を活かしやすい有機樹脂層を形成させることが容易となる。
また、有機溶剤の材質は限定されない。例えば、酢酸エチル、トルエン、石油系混合溶剤等であればよい。なお、有機溶剤を混合した場合であっても、混合溶液が乾燥されて有機樹脂層をなす際に、有機溶剤の成分は揮発され、有機樹脂層に残存されない。
混合溶液の金属粉粒体と有機樹脂母材の混合割合は、限定されないが、導電性皮膜層の導電性を高くするには、金属粉粒体の含有率を高くすればよい。導電性皮膜層の導電性を高くすることにより、導電性皮膜層と電気めっきによる金属薄膜層とが強固に密着し、金属薄膜層が剥離されにくくなる。
金属薄膜層の材質は限定されず、ニッケル・アルミニウム・クロム等の金属めっき層であってもよく、金・銀・銅・白金等の貴金属めっき層としてもよい。貴金属めっき層とすれば、より豪華な見栄えの装飾品とすることができる。金属薄膜層の膜厚は、製品を装飾して表す外観質感、例えば艶と光沢を優先させる、又は基材の柔らかさを優先させる等の装飾目的と、夫々の基材のもつ凹凸形状や滑らかさ等に応じて調整されればよい。
例えば、めっき装飾品がゴルフボール等とされ、艶と光沢を優先させる装飾品を得たい場合であれば、光沢を出しやすい硫酸銅めっき等により金属薄膜層を形成させればよい。硫酸銅めっきの場合であれば、金属薄膜層の膜厚が20μm〜40μm程度とされれば、金属光沢に富む金属薄膜層を得ることが容易となり、ゴルフボールの艶の滑らかな表面とディンプル形状を活かしつつ、光沢に富む金属薄膜層を備えためっきされたゴルフボールとすることができる。なお、装飾性を高めるために、銅めっき層の上に金めっき層や銀めっき層等の貴金属めっき層を電気めっきしてもよいことは勿論のことである。その場合には、銅めっき層の膜厚と貴金属めっき層の膜厚との合計が20μm〜40μm程度とされるとよい。
一方、めっき装飾品が野球ボール等とされ、革固有の皺や縫糸の基材の柔らかさを優先させる場合には、金属薄膜層の膜厚を1μmから10μm程度とすればよい。そうすると、有機樹脂層が薄いことに加えて、金属薄膜層も薄くされるため、革固有の皺や縫糸の質感が損なわれない状態で、金属色が付与されためっき装飾品とすることができる。
また、金属薄膜層は、単層の電気めっき層であってもよく、複数層の電気めっき層が積層されてもよい。複数層からなる場合には、例えば、下層に銅めっき層をめっきし、上層に金めっき層をめっきすればよいが、これに限定されず、装飾品の見栄えに応じて積層されるめっき層の材質、積層数が適宜決定されればよい。
本発明の第1の発明によれば、基材に導電性を付与させる導電性皮膜層が、基材表面を粗面化させることなく形成され、基材表面の細かな凹凸・皺等の起伏に沿った薄膜とされているため、その上層の金属薄膜層を薄くすれば、基材の細かな凹凸・皺等の質感が損なわれることがない。これにより、研磨が困難な凹凸を有する難めっき性基材であっても、基材の質感が損なわれていないめっき装飾品を得ることができるという有利な効果を奏する。金属薄膜層の上にクリアラッカー塗装をすれば、金属色の劣化が防がれ、金属薄膜層の耐久性が向上することは勿論のことである。
本発明の第2の発明は、第1の発明のめっき装飾品であって、前記金属粉粒体の平均粒径が1μm以上3μm以下とされていることを特徴としている。銀の粒径が1μm以上3μm以下の小さな粒径とされることにより、有機樹脂層が基材表面の皺や細かな凹凸形状に馴染み、有機樹脂層の付着力が高くされる。また、金属粉粒体の粒径が小さいため、導電性皮膜層をより薄くすることもできる。これにより、基材の質感が損なわれにくいと共に、有機樹脂層の付着力が高くなって、金属薄膜層の耐久性が向上される。
また、前記有機樹脂層が、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ビニル樹脂、アクリル樹脂の中から選択されたいずれかの有機樹脂からなり、前記金属粉粒体が10重量部に対して、前記有機樹脂が1重量部以上2重量部以下の割合とされている。
これらの有機樹脂は、難めっき性基材と付着性がよく、耐衝撃性もよいため、難めっき性基材の変形に有機樹脂層が追従しやすくなる。そうすると、有機樹脂層の上に形成された銀からなる金属薄膜層が剥離されにくくなるため、基材そのものの質感を損ないにくいように、有機樹脂層を薄くすることができる。また、金属粉粒体と有機樹脂との混合割合が、金属粉粒体10重量部に対して有機樹脂が1重量部以上2重量部以下とされ、有機樹脂に混合される金属粉粒体の含有率が高いため、金属粉粒体同士が接触しやすく、有機樹脂層の表面を研磨しなくても導電性皮膜層の導電性を確保しやすい。
本発明の第3の発明は、第1から第2の発明のめっき装飾品であって、前記金属薄膜層の膜厚が、1μm以上10μm以下とされていることを特徴としている。金属薄膜層の膜厚が1μm以上とされているため、金属薄膜層の材質が下地の影響を受けやすい金・白金等であっても、下地の色彩・図柄等の影響を受けにくくできる。金属薄膜層の膜厚を、1μm以上10μm以下とするには、電気めっきにより金属薄膜層を形成させるのが好適である。
有機樹脂層が薄膜とされていることに加えて、金属薄膜層の膜厚も10μm以下の薄膜層とされることにより、金属薄膜層の上からであっても、基材表面の微細な凹凸形状を視角により認識することができ、基材の質感を損ないにくい。例えば、難めっき性基材が皮革製品であれば、革固有の微細な皺の凹凸を、木材であれば木目を損なうことがない。これにより、多種多様な難めっき性基材において、基材そのものの質感が損なわれていないめっき装飾品を得ることができる。
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明のめっき装飾品であって、前記難めっき性基材が、前記基材表面に保護塗装皮膜を有するゴルフボールであって、前記金属薄膜層は、その膜厚が20μm以上40μm以下とされ、前記導電性皮膜層の全周囲を覆っていることを特徴としている。
金属薄膜層が導電性皮膜層の全周囲を覆うとは、ゴルフボールの全周囲に欠損部がない状態で金属薄膜層が形成されていることをいう。膜厚を20μm以上40μm以下の金属薄膜層として、導電性皮膜層の全周囲を覆うように電気めっきをするには、導電性皮膜層の上に金属薄膜層を成膜させた後に、ゴルフボールを支承していた支承治具との接点位置をずらし、再度めっき浴をすればよい。第5の発明によれば、ゴルフボールの表面に保護塗装皮膜を残したままの元の艶が損なわれていないと共に、全周囲にめっきが欠落したピンホールのない品質の高いめっき装飾されたゴルフボールとすることができる。
なお、導電性皮膜層にも欠損部をなくすには、混合溶液を噴霧・乾燥させた後に、噴霧又は筆等により混合溶液を塗布させ、導電性皮膜層の欠損部もなくせばよい。混合溶液を噴霧・乾燥させた後に、ゴルフボールを支承している支承治具との接点位置をずらして、塗布・乾燥させるようにすれば、導電性皮膜層にも欠損部をなくし、より品質の高いめっきされたゴルフボールとすることができる。
前記のめっき装飾品を製造させる工程は、凹凸部を含む起伏を有する難めっき性基材の表面に導電性皮膜層を形成させる工程と、めっき浴槽の中で前記難めっき性基材に金属薄膜層をめっきするめっき工程とからなるめっき装飾品の電気めっき方法であって、導電性皮膜層を形成させる工程が、前記難めっき性基材の全周囲に、混合溶液を噴霧させてから乾燥させる工程であり、前記混合溶液は、銀ペーストと有機溶剤とからなり、銀ペースト1重量部に対して有機溶剤2重量部以上4重量部以下とされ、前記銀ペーストには、銀粉粒体と有機樹脂母材とが含まれ、銀粉粒体10重量部に対して有機樹脂母材1重量部以上2重量部以下とされ、前記銀粉粒体の平均粒径が1μm以上3μm以下とされ、前記有機樹脂母材がビニル樹脂とされ、前記有機溶剤が酢酸エチル溶液とされていることを特徴としている。
例えば、有機樹脂母材をなすビニル樹脂は、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等のいずれかであればよいが、特にポリビニルブチラール樹脂とすると好適である。有機樹脂母材がビニル樹脂であるため、酢酸エチルからなる有機溶剤により希釈されやすく、粘度が低く噴霧に適した混合溶液とすることが可能である。銀ペーストと有機溶剤の割合は、噴霧に適した低粘度となるように適宜変更されればよいことは勿論のことである。第6の発明によれば、平均粒径の小さい銀粉粒体の重量割合が高く、粘度が低い混合溶液により、薄膜の導電性皮膜層を形成させることにより、研磨が困難な凹凸を有する難めっき性基材であっても、基材の質感が損なわせないように、電気めっきをすることができる。更に、めっき浴槽の中で複数回めっき浴させる場合には、難めっき性基材を支承させている支承点の位置を変えて電気めっきさせると、ピンホールのないめっき装飾品とすることが容易となり好適である。
前記のめっき装飾品を製造させる支承治具は、支承治具において、球状をなす基材の表面に導電性皮膜層を形成させた難めっき性基材を、めっき浴液中で支承させる支承治具であって、基材の周囲から、少なくとも3点以上の支承点で基材を支承することを特徴としている。めっき浴液の中においても、球状をなす難めっき性基材を少なくとも3点以上の支承点で支承しているため、めっき浴液の流動があっても、基材が回転しにくいため落下しにくく、良好な電気めっきをすることができる。
さらに前記めっき治具は、前記支承点が、前記球状をなす基材を、下方から支承させる少なくとも3点の下方支承点と、上方から支承させる上方支承点とからなり、前記上方支承点が付勢手段を有し、前記基材を押圧して支承していることを特徴としている。このめっき治具によれば、下方から3点以上の下方支承点により球体を支承しているため、支承点と基材の接点を変える場合にも、手早い作業が可能である。また、球体の上方支承点が付勢手段を有し球体を押圧して支承しているため、めっき浴液が流動しても、基材がより落下しにくい。
・本発明の第1の発明によれば、基材表面を粗面化させることなく、薄膜の有機樹脂層が形成されるため、基材表面の細かい皺や凹凸部の形状がそのまま有機樹脂層の表面に残り、基材そのものの質感が損なわれることがない。また、研磨が困難な凹凸を有する難めっき性基材であっても、基材の質感が損なわれていないめっき装飾品を得ることができるという有利な効果を奏する。
・本発明の第2の発明によれば、基材の質感が損なわれにくいと共に、有機樹脂層の付着力が高くなって、金属薄膜層の耐久性が向上される。
・また、有機樹脂層の上に形成された金属薄膜層が剥離されにくくなるため、基材そのものの質感を損ないにくいように、有機樹脂層を薄くすることができる。また、有機樹脂に混合される金属粉粒体の含有率が高いため、金属粉粒体同士が接触しやすく、有機樹脂層の表面を研磨しなくても導電性皮膜層の導電性を確保しやすい。
・本発明の第3の発明によれば、多種多様な難めっき性基材において、多種多様な難めっき性基材において、基材そのものの質感が損なわれていないめっき装飾品を得ることができる。
・本発明の第4の発明によれば、ゴルフボールの表面に保護塗装皮膜を残したままの元の艶が損なわれていないと共に、全周囲にめっきが欠落したピンホールのない品質の高いめっき装飾されたゴルフボールとすることができる。
めっきされたゴルフボールの断面図(実施例1)。 ゴルフボールを支承する支承治具の説明図(実施例1)。 めっき工程を説明する説明図(実施例1)。 めっき工程を説明する説明図(実施例1)。 めっき工程を説明する説明図(実施例2)。 ゴルフボールを支承する支承治具の説明図(実施例3)。 硬式野球用のボールの断面図(実施例4)。
銀の金属粉粒体を含んだ有機樹脂層からなる薄膜の導電性皮膜層を、難めっき性基材の表面に備えさせ、その上から電気めっきによる金属薄膜層を備えためっき装飾品とした。有機樹脂層が2μm以上10μm以下の薄膜とされていることにより、基材の表面に凹凸部や皺等を有する難めっき性基材であっても、凹凸部や皺等の形態が変わらないため、視覚による基材の質感が損なわれないめっき装飾品とすることが可能となった。さらに、金属薄膜層の膜厚を変えることにより、基材の表面に求められる光沢に応じた質感を、めっき装飾品に表すことが可能となった。
実施例1では、比重がめっき液よりも重く、球体をなす難めっき性基材の例として、ゴルフボール1を説明する。図1から図4を参照して、ゴルフボール1の表面に保護塗装層10を残したままで、その全周囲に電気めっきにより銅めっき層30をめっきしたゴルフボール1を説明する。図1の各々の図は、ゴルフボール1の断面図であり、図1(A)図はゴルフボール1の全体図を示し、図1(B)図は、ゴルフボール1の一部拡大図を示している。図2は、導電性皮膜層をなす有機樹脂層20を形成させる工程と、電気めっき工程とにおいて使用される治具を斜視図により説明する説明図である。図3の各々の図は、有機樹脂層を形成させる工程を説明する説明図である。図4の各々の図は、銅めっき層30をめっきする工程を説明する説明図である。
ゴルフボール1は、中心側から、コア層11、樹脂カバー層12、保護塗装層10の順で積層されている。球体をなす樹脂カバー層12の表面には、多数の球面形状の凹みであるディンプル13が備えられ、ゴルフボールの表面には凹部が備えられている。また、樹脂カバー層12の全周囲を覆うように保護塗装層10が備えられ、凹部を含めて表面全体に艶が付与されている。実施例1のゴルフボール1には、ディンプル13による凹部をも含めて、保護塗装層10を損なわせることなく、更に金属特有の光沢のある金属薄膜層を備えさせた。
ゴルフボール1は、保護塗装層10の表面に、内層側から順に導電性皮膜層をなす有機樹脂層20、電気めっきによる銅めっき層30が備えられる。有機樹脂層20は、銀粉粒体と、有機樹脂母材と、有機溶剤との混合溶液を噴霧・乾燥させることにより形成される。有機溶剤は、混合溶液を乾燥させる際に揮発され、有機樹脂層には有機溶剤の成分は残留されず、有機樹脂層は銀粉粒体と有機樹脂母材とから構成される。そして、銀粉粒体が有機樹脂層の表面で接しあって、導電性皮膜層が形成され、難めっき性基材であるゴルフボールに導電性を付与させている。
銀粉粒体の粒径は、平均粒径が1μm以上3μm以下とされる。平均粒径が1μm以上とされるため、有機樹脂母材に含まれた銀粒子同士が接し合って、導電性皮膜層に導電性を付与させやすい。また、銀粉粒体の平均粒径が3μm以下とされるため、有機樹脂層の表面に銀粉粒体の凸凹が発生しない。これにより、ディンプル13とディンプルの周囲の外面とに沿って、均一に滑らかな状態の薄膜の有機樹脂層を形成させることができ、基材表面の質感を損なわせることのないめっき下地層とすることができた。
有機樹脂母材は、ビニル樹脂であればよい。例えば、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂等のいずれかであればよいが、特にポリビニルブチラール樹脂が好適である。有機溶剤は、酢酸エチル、酢酸ブチル等であればよい。
有機樹脂母材と、銀粉粒体との混合割合が、銀粉粒体10重量部に対して有機樹脂母材が1重量部から2重量部の範囲とされる。有機樹脂母材の混合比率が銀粉粒体10重量部に対して1重量部未満となると、難めっき性基材と有機樹脂母材との接着性が低下され、導電性皮膜層が難めっき性基材から剥離されやすくなる。有機樹脂母材の混合比率が、銀粉粒体10重量部に対して2重量部を超えると、銀粉粒体の接触機会の減少により導電性を確保することが困難となり、均一な膜厚の金属薄膜層を形成させにくくなる。
実施例1では、福田金属箔粉工業株式会社製シルコート(登録商標)RL−10(銀粉粒体とポリビニルブチラール樹脂と酢酸イソペンチルとの混合割合が重量比で60:8:32の銀ペースト)と、米山薬品工業株式会社製酢酸エチル(純度98%)とを使用し、銀ペーストと酢酸エチル溶液との混合割合が重量比で、1:3となるように混合し、粘度が低い混合溶液とした。混合溶液の粘度が低いため、噴霧器を使って噴霧塗装しても、基材の外周に均一かつ膜厚の薄い有機樹脂層を形成させることができる。噴霧塗装は、常温において基材のゴルフボールに対する噴霧方向を変えて、ゴルフボールの全周を覆うように噴霧される。一回の噴霧で膜厚1μmから3μmの膜厚の有機樹脂層が形成される。そして、ゴルフボールを支えていた支承点を変えて、複数回の噴霧塗装をして、ゴルフボールの全周囲に亘り有機樹脂層が欠落した部分がない状態で、膜厚を2μm以上10μm以下とした。
前記有機樹脂層の膜厚が2μm以上であることにより、ゴルフボールの保護塗装層10と有機樹脂層20とが密着され、銀粉粒体がなす導電性皮膜層の欠損が防がれる。また、膜厚が10μm以下であることにより、基材の質感が損なわれていない状態に有機樹脂層20が形成される。
実施例1のゴルフボールは、装飾品としての光沢を向上させるために、有機樹脂層20の上に銅色の銅めっき層30の膜厚が20μm以上となるように電気めっきしている。なお、銅色とは異なり、金色、銀色の金属めっき層をめっきをする場合には、銅めっき層30の表面にそれらに対応した色彩をなす金属皮膜を形成させればよい。銅めっき層30は、後述するように硫酸銅をめっき浴槽として電気めっきすることにより、銅色の銅めっき層が得られる。
ここで、図2の各々の図を参照して、有機樹脂層20の形成工程において、空気中でゴルフボールを保持する保持治具90、及び電気めっき工程において、めっき浴液内でゴルフボールを支承する支承治具100について説明する。図2(A)図は、保持治具90の斜視図による説明図を示し、図2(B)図は、支承治具100の斜視図による説明図を示している。図2(B)図では、ひとつの支承部のみを示し、他を省略している。
保持治具90は、基軸97の一方の面から延伸される3本の軸体92,93,93からなり、各々の先方部94,95,95は、ゴルフボール1の表面に向かうように屈曲されている(図2(A)図)。3つの先方部のうち、一つの基部96が弾性を有する細幅の板状体とされ、先方部94をゴルフボールの表面に向けて付勢させる付勢手段とされている。2つの先方部95,95と、付勢された一つの先方部94が、ゴルフボールの周囲の3点からゴルフボールに接してゴルフボールを保持するようにしている。
混合溶液の噴霧工程は、ゴルフボールに向かう噴霧吐出口の向きを変えて、混合溶液がゴルフボールの全周囲に満遍なく行きわたるように噴霧作業が行われる。また、常温で混合溶液を乾燥させてから、混合溶液がゴルフボールを覆っていない部分がないように、付勢手段を弛めてゴルフボールに接する先方部の位置を変える。ゴルフボール1の全周囲に銀色の薄膜が形成されていることにより、導電性皮膜層をなす有機樹脂層の形成が確認できる。
めっき浴液中でゴルフボールを支承する支承治具100は、回転軸と複数の支承部とからなり、各々の支承部につき、ひとつのゴルフボールが支承され、複数のゴルフボールが同時にめっき可能とされる(図2(B)図参照)。電気めっき工程において、回転軸が回転されることにより、各々のゴルフボールに均等に電流が流れるようになる。複数のゴルフボールに均等に電流が流れることにより、均一な膜厚の金属薄膜層を形成させることができる。そうすると、金属薄膜層の膜厚が部分的に厚くなる、又は薄くなるといった個体差が発生しにくくなる。これにより、品質の高いめっきされたゴルフボールを量産させやすくなる。
各々の支承部101は、回転軸107から離間されるように延伸された3本の軸体102,103,103からなり、各々の先方部104,105,105は、ゴルフボール1の表面に向かうように屈曲されている(図2(B)図)。ゴルフボール1の上方に接する軸体102の基部106が、弾性を有する細幅の板状体とされ、先方部104をゴルフボール1の表面に向けて付勢させる付勢手段とされている。ゴルフボール1の下方を支承させる2つの先方部105,105と、ゴルフボールの上方を支承させる付勢された一つの先方部104とが、ゴルフボールの周囲の3点からゴルフボール1に接して、ゴルフボール1を支承させている。支承治具100は、その表面にめっきが析出されないように、前記各々の先方部を除き全体が樹脂膜108で覆われている。
ゴルフボール1が、前記4つの先方部がなす4点の支承点により支承されるため、ゴルフボールが支承される際に加わる力が夫々の支承点に分散され、支承点の位置にある有機樹脂層20が損傷されにくくなる。また、電気めっき工程では、電気めっきを開始してから所定の時間経過後に、めっき液中から気中にゴルフボールを取り出し、付勢手段を弛めてゴルフボールに接する先方部の位置をずらすようにする。そして、再度ゴルフボールをめっき液中に浸漬させ、電気めっきを繰り返すことにより、銅めっき層30に欠損がないめっき装飾品が得られる。
ここで、図3から図5を参照して、ゴルフボールに電気めっきにより銅めっきをする製造方法を説明する。
(導電性皮膜層形成工程)
まず、図3を参照して、導電性皮膜層形成工程を説明する。ゴルフボール1を水洗・乾燥させて、表面の汚れを除去し、保持治具90にゴルフボールを保持させる(図2(A)図,図3(A)図参照)。混合溶液の噴霧・乾燥工程を複数回繰り返し、ゴルフボール1の全周囲に、欠損部がない有機樹脂層20を形成させている。以下に夫々の工程を詳述する。
(混合溶液の噴霧・乾燥工程)
噴霧器の噴霧吐出口とゴルフボールとが向かい合う位置を変えながら、ゴルフボールの保護塗装層10の表面に混合溶液を満遍なく噴霧させる。そして、15℃から20℃の室温で約30分乾燥させることにより有機樹脂層20が形成される(図3(B)図参照)。この時点では、保持治具とゴルフボールとの接点には、有機樹脂層20が形成されていない欠損部21が残っている(図3(B)図参照)。
(接点変更工程)
次に、ゴルフボール1と保持治具90との接点位置をずらし、欠損部21を露出させて混合溶液を噴霧できるようにする(図3(C)図参照)。
(混合溶液の噴霧・乾燥工程)
ゴルフボール1と保持治具90との接点位置を変更した後に、混合溶液を噴霧・乾燥を繰り返す。そうすると、有機樹脂層が形成されていない欠損部21が埋められ、ゴルフボール1の全周囲が有機樹脂層20に被覆された状態とされる。この噴霧・乾燥工程が数回繰り返されることにより、ゴルフボールの凹凸部に沿う、均一に滑らかな状態の有機樹脂層20が形成される(図3(D)図)。なお、有機樹脂層20の表面に残った治具跡22は、後述する電気めっき工程で銅めっき層30により埋められ目立たない状態とされる。有機樹脂層20の乾燥後には、ゴルフボール1が保持治具90から取り外され、電気めっき工程で使用される支承治具100に移し替えられる。
(電気めっき工程)
次に、図4の各々の図を参照して、銅めっき層をめっきさせる電気めっき工程について説明する。図4(E)図は、ゴルフボールを支承治具に支承させた状態を示し、図4(F)図は、銅めっき層の一部が形成された状態を示している。図4(G)図は、支承点がずらされた状態を示し、図4(H)図は、銅めっき層の形成工程が終了された状態を示している。
電気めっき工程では、ゴルフボール1の全周囲が銅めっき層30に被覆されるように、2回の硫酸銅めっき工程により、銅めっき層30がめっきされる。まず、支承治具100に導電性皮膜層をなす有機樹脂層20が形成された複数のゴルフボール1を支承させる(図4(E)図)。
(初回の硫酸銅めっき工程)
支承治具100に支承されたゴルフボール1が硫酸銅めっきのめっき液に浸漬され、ゴルフボールの凸凹した表面形状に沿う有機樹脂層20の表面に沿って、銅めっき層30が形成される(図4(F)図)。初回の硫酸銅めっき工程では、回転軸は回転されず、めっき液中にゴルフボールが静止されたまま電気めっきされる。初回の硫酸銅めっき工程では、静止状態で電気めっきされるため、支承治具の先方部とゴルフボールとが擦れ合って、導電性皮膜層が損傷されることがない。この段階で、有機樹脂層に残った治具跡22が銅めっき層30により埋められ、目立たなくされる。また、支承治具100とゴルフボール1とが接する支承点の位置には、銅めっき層30が形成されないため、欠損部31が残った状態となる(図4(G)図参照)。
硫酸銅めっき浴の浴条件は、銅めっき液は、1リットル当り、硫酸銅が180〜250g、硫酸成分が重量比で98%含有された硫酸の原液が45〜60g含まれており、浴温度が20〜35℃である。電流密度は、8A/dmとされる。めっき浴時間は、2回のめっき浴時間の合計で30分〜60分としている。
(支承点変更工程)
電気めっきを開始してから所定の時間経過後に、ゴルフボール1がめっき液中から気中に取り出され、ゴルフボール1と支承治具100との支承点の位置が変えられる(図4(G)図)。ゴルフボール1がめっき液中から気中に取り出されるまでの時間は限定されず、電気めっき工程の時間に応じて適宜選択されればよい。例えば、2回の硫酸銅めっき工程における浴時間の合計時間に対して、半分程度経過した時点で、ゴルフボールを取り出せばよい。
(硫酸浴工程)
次に、ゴルフボール1を硫酸浴させ、銅めっき層30の表面を活性化させる。これにより、銅めっき層の表面に発生した酸化皮膜が除去され、初回の硫酸銅めっき工程で形成された銅めっき層と、2回目の硫酸銅めっき工程で形成される銅めっき層との密着性が高くされる。硫酸液の濃度は、例えば、硫酸成分が重量比で98%含有された硫酸の原液に水を加えて、硫酸の原液:水が体積比で1:9の割合となるように希釈されたものであればよい。硫酸浴の後、硫酸成分を洗い流すように水洗がされる。
(2回目の硫酸銅めっき工程)
2回目の硫酸銅めっき工程では、支承治具の回転軸107(図2(B)図参照)が回転されて、各々のゴルフボール1にかかる電流が均等に流れるようにして電気めっきされる。各々のゴルフボール1に電流が均等に流れるため、銅めっき層30が均一に形成され、複数のゴルフボールを同時に電気めっきしても、高品質かつ均一の品質とされためっき装飾品を得ることができる。硫酸銅めっきの浴条件は、初回の硫酸銅めっきの浴条件と同一であるため、説明を省略している。
二度の硫酸銅めっき工程により、銅めっき層30の合計膜厚が20μm以上40μm以下となるように銅めっき層30がめっきされる(図4(H)図)。そのため、初回の硫酸銅めっき工程において生じた銅めっき層の欠損部31が、2回目の硫酸銅めっき工程において埋められ、ゴルフボールの全周囲が銅めっき層30に覆われためっき装飾品となる。また、銅めっき層30の膜厚が、めっき層の艶を出しやすい厚い膜厚とされるため、ゴルフボールの表面には、金属光沢による艶が強く表れた銅めっき層30が形成される。これにより、ディンプル13の内外に亘って、ゴルフボールの保護塗装層10の艶が損なわれていない、光沢のある銅色のゴルフボールが得られた。
実施例2では、図5の各々の図を参照して、金属薄膜層が銅めっき層30と、その表面に積層された金めっき層40とからなるゴルフボール2を説明する。図5は、ゴルフボール2の一部拡大断面図を示している。銅めっき層30を形成させる工程までは、実施例1と同様のため説明を省略している。図5(I)図は、ゴルフボール2が支承治具100に支承された状態を示し、図5(J)図は、金めっき層40の一部が形成された状態を示している。図5(K)図は、支承点がずらされた状態を示し、図5(L)図は、金めっき層40の形成工程が終了された状態を示している。
(電気めっき工程)
実施例2でも、ゴルフボール2の全周囲が金めっき層40に被覆されるように、2回の金めっき工程により、金めっき層40がめっきされる。まず、支承治具100に銅めっき層30まで形成されたゴルフボール2を支承させる(図5(I)図)。
(硫酸浴工程)
次に、ゴルフボール2を硫酸浴させ、銅めっき層30の表面を活性化させる。これにより、銅めっき層の表面に発生した酸化皮膜が除去され、銅めっき層30と後述する金めっき工程で形成される金めっき層40との密着性を高くできる。硫酸浴工程の浴条件は、実施例1と同様であればよく、ここでは説明を省略している。硫酸浴の後、硫酸成分を洗い流すように水洗がされる。
(1回目の金めっき工程)
硫酸浴により活性化させた銅めっき層30の上に、電気めっきにより金めっき層40の一部がめっきされる(図5(J)図参照)。金めっき液は、1リットル当り、シアン化金カリウムが2〜6g含まれ、浴温度が30〜40℃とされればよい。電流密度は、0.5〜2A/dmである。金めっき層の材質は、純金であってもよく、金コバルト等の金合金とされてもよい。浴時間は限定されず、金めっき層の膜厚に応じて適宜調整されればよい。ここでは、ゴルフボールの全周囲が銅めっき層に覆われており、導電性皮膜層が損傷される恐れがないため、支承治具の回転軸107(図2(B)図参照)を回転させながら電気めっきがされる。
(支承点変更工程)
金めっき浴時間が合計時間の半分程度経過した時点で、ゴルフボール2をめっき液中から取り出し、ゴルフボール2と支承治具100との支承点の位置が変えられる(図5(K)図)。
(2回目の金めっき工程)
1回目の金めっき工程と同様に金めっきがされる(図5(L)図)。めっき浴条件は1回目と同様であり説明を省略する。実施例2では、銅めっき層30と金めっき層40との合計の膜厚が、20μm以上40μm以下とされる。
(保護塗装工程)
保護塗装には顔料を混入しない無色の水溶性のクリアラッカーを使用する。ナフサ、キシレン、トルエン、アセトンなど揮発性の高い溶媒に樹脂を溶かしたものであればよい。塗膜厚さを2〜6μmの薄膜とすることにより、溶剤が揮発されて乾燥され、硬い保護膜が得られると共に、金色が変色することがない耐久性が得られる。
実施例3では、図6を参照して、難めっき性基材を支承させる第2の支承治具110について説明する。図6は、第2の支承治具110の斜視図による説明図である。第2の支承治具110は、各々の支承部111の形態以外は、実施例1で説明した支承治具と同様の構成とされるため、支承治具100と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略している。
各々の支承部111は、回転軸107から離間されるように延伸された4本の軸体102,103とからなり、各々の先方部104,105は、ゴルフボールの表面に向かうように屈曲されている(図6参照)。ゴルフボール2の下方を支承させる3つの先方部105は、先端の水平位置が同一の高さに揃えられ、高さが揃えられた先端部の上に、ゴルフボール2が載置できるようにされている。
ゴルフボール2の上方を支承させる軸体102は、先方部から連なる基部106が弾性を有する細幅の板状体とされ、先方部104をゴルフボールの表面に向けて付勢させる付勢手段とされている。ゴルフボール2を載置して支承させる3つの先方部105と、付勢された一つの先方部104とを、ゴルフボールの周囲の4点からゴルフボール2に接して支承させる。
球体をなす難めっき性基材であるゴルフボールが、3点の下方支承点120に載置され安定して支承される。そのため、ゴルフボール表面に金属薄膜層が形成され、滑りやすい状態となっていても、ゴルフボールと支承治具との支承点を変える作業の際に、ゴルフボールを誤って落下させにくい。そのため、支承点の位置を変える作業を円滑かつ手早く行うことができる。また、電気めっき工程においても、ゴルフボールが第2の支承治具110から外れて落下しにくいため、比重がめっき液よりも重いゴルフボールが支承治具から外れ、めっき浴槽の底部まで沈下し、ゴルフボールの回収に手間がかかることがない。
また、難めっき性基材の比重が、めっき液よりも軽い球体の場合であっても、球体が上方支承点121に押圧されて支承されるため、安定した状態でめっき浴される。そのため、難めっき性基材が第2の支承治具110から外れて落下しにくく、めっき作業に支障をきたすことがない。これにより、ゴルフボールや野球ボールといった、滑りやすく治具に支承させにくい球体であっても、電気めっきさせる際の作業効率を向上させることができる。
実施例4では、図7を参照して、比重がめっき液よりも軽い球体として、硬式用の野球のボールに電気めっきをする例を説明する。野球ボール3は、実施例3に記載の第2の支承治具110により支承された状態で電気めっきされ、めっき液から気中に取り出しても、めっき液中においても安定して支承されている。
まず、野球ボール3について簡単に説明する。野球ボール3は、中心がコルク等からなる芯材61とされ、その周囲に糸62が巻回され、その上に一対の革材60が被覆される。そして、各々の革材60,60が突き合わされた接合部63に沿って、互いが縫い糸64で縫い合わされ球体をなしている。実施例4の野球ボール3は、革表面にある皺65と、一対の革材60が突き合わされた接合部63の凹凸形状と、接合部63を縫い合わせる縫い糸64による凹凸部形状を損なうことなく、金属特有の光沢のある金属薄膜層50を備えさせた。
実施例4では、有機樹脂層23の膜厚を2μmの薄膜とすると共に、銀粉粒体の平均粒径を1μmとした。そのため、有機樹脂層23に含まれる銀粉粒体が、革材表面の皺65や、接合部63の細部にまで入り込んで導電性皮膜層を形成させている。これにより、革表面の皺65や接合部63、縫い糸64の形状に沿って、野球ボールの質感を損なうことのない有機樹脂層23が形成される。銀粉粒体と有機樹脂母材と、有機溶剤との混合割合等は、実施例1と同一であればよく、説明を省略している。
金属薄膜層50の膜厚は5μmとされ、革表面にある皺65や接合部63等の形態を変えることなく、そのまま反映できる薄膜とさせている。前記金属薄膜層の膜厚が、1μm以上であるため金属薄膜層50に欠損が生じることがなく、10μm以下であるため革材60の質感が損なわれることもない。金属薄膜層50は、実施例1と同様に銅めっき層であればよいが、銅めっき層を備えさせることなく、直接金めっき層がめっきされてもよい。導電性皮膜層形成工程、及び電気めっき工程は、各層の膜厚以外は、実施例1と同様とされるため、説明を省略している。
有機樹脂層23を薄膜とすることにより、革材表面の皺65や、接合部63の細部にまで入り込んだ導電性皮膜層を形成させ、導電性皮膜層に沿うように、薄膜の金属薄膜層50を形成させている。有機樹脂層23と、金属薄膜層50のいずれもが薄膜とされることにより、革材表面の皺65と、接合部63といった野球ボール表面の形態を変えることがなく、質感が損なわれていないめっき装飾品が得られた。
(その他)
・上記の実施例では、銅色のめっき層、金色のめっき層を形成させる実施例を説明したが、その他の色、例えば銀色のめっき層を形成させてもよいことは勿論のことである。いずれの基材に対しても導電性皮膜層が均一に滑らかな状態に形成され、めっき層が光り輝く艶のある状態とされるため、金・銀・銅の、同一な質感の光り輝く球技用ボールを提供することができる。
・金属薄膜層が2工程で形成される例を説明したが、工程数は限定されない。
・上記の実施例では、上方支承点が1点の例を説明したが、複数点であってもよいことは勿論のことである。
・上記の実施例ではゴルフボール、硬式用の野球ボールを基材としたが、基材の用途が限定されないことは勿論のことである。
・今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の技術的範囲は、上記した説明に限られず特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,2…ゴルフボール、3…野球ボール、
10…保護塗装層、11…コア層、12…樹脂カバー層、13…ディンプル、
20,23…導電性皮膜層、21…欠損部、22…治具跡、
30…銅めっき層、31…欠損部、40…金めっき層、41…欠損部、
50…金属薄膜層、
60…革材、61…芯材、62…糸、63…接合部、64…縫い糸、65…皺、
90…保持治具、92,93…軸体、94,95…先方部、96…基部、97…基軸、
100…支承治具、101…支承部、102,103…軸体、104,105…先方部、
106…基部、107…回転軸、108…樹脂膜、
110…第2の支承治具、111…支承部、
120…下方支承点、121…上方支承点

Claims (4)

  1. 基材表面に凹凸形状の起伏部を有する難めっき性基材に、金属薄膜層を有し、前記基材表面と、前記金属薄膜層とに接して、金属粉粒体を含んだ有機樹脂層が備えられ、前記金属粉粒体が接し合い、有機樹脂層の表面に導電性を有する導電性皮膜層をなし、前記金属粉粒体が銀とされためっき装飾品において、
    前記基材表面の凹部における前記有機樹脂層の膜厚と前記基材表面の凸部における前記有機樹脂層の膜厚が、均一に滑らかな薄膜であると共に、2μm以上5μm以下の膜厚とされている、
    ことを特徴とするめっき装飾品。
  2. 前記金属粉粒体の平均粒径が1μm以上3μm以下とされている、
    ことを特徴とする請求項1に記載のめっき装飾品。
  3. 前記金属薄膜層の膜厚が、1μm以上10μm以下とされている、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項2のいずれか一項に記載のめっき装飾品。
  4. 前記難めっき性基材が、前記基材表面に保護塗装皮膜を有するゴルフボールであって、
    前記金属薄膜層は、その膜厚が20μm以上40μm以下とされ、前記導電性皮膜層の全周囲を覆っている、
    ことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載のめっき装飾品。
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