JP6038630B2 - 半導体発光素子 - Google Patents

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本発明は、半導体発光素子、特に、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)素子に関する。
LED素子を搭載した発光装置が、照明、バックライト、産業機器等に従来から用いられてきた。LED素子においては、n型半導体層にドーパントを高濃度にドーピングすることで、活性層内に送り込まれるキャリアの量を増加させ、発光効率を高めているものがある。
特開2000−216432号公報 特開平11−251687号公報
上記したようなLED素子においては、高濃度にドーピングされた半導体層から活性層にドーパント(不純物)が拡散することで、時間が経つにつれて活性層の発光効率が低下してしまうという問題があった。特許文献1には、活性層と高濃度にドーピングされたn型半導体層との間に、n型半導体層に用いられているドーパントよりも原子番号の大きい元素からなるドーパントがドーピングされた層を挟むことで、活性層へのドーパントの拡散を防止することが開示されている。また、特許文献2には、発光層とp型半導体層との間にコドープ層を挟むことが開示されている。
本発明は、上述の点に鑑みてなされたものであり、活性層へのドーパントの拡散を防止することで高い発光効率を長期間維持可能であり、また発光ムラが少ない等、高性能な発光素子を提供することを目的とする。
本発明の半導体素子は、n型ドーパントがドーピングされている第1の半導体層、活性層、p型のドーパントがドーピングされている第2の半導体層がこの順に積層されてなる半導体構造層を有する半導体素子であって、当該第1の半導体層と当該活性層との間には拡散防止層が形成されており、当該拡散防止層は、当該第1の半導体層に近い方からアンドープ層である第1の緩衝層、n型ドーパント及びp型ドーパントの両方がドーピングされているコドープ層である中間層及び当該中間層よりもn型ドーパントのドーパント濃度が低い第2の緩衝層が順に積層された層を含むことを特徴とする。
本発明の実施例1に係る発光素子の断面図である。 図1の一部拡大図である 本発明の発光素子の製造方法を示す断面図である。 本発明の発光素子の他の実施例の発光素子の断面図である
以下に、本発明の実施例1に係る発光素子10について、図1及び図2を参照しつつ説明する。成長基板11は、その上にGaN半導体層を成長させることが可能な、例えば、サファイヤ基板等である。成長基板11上には、バッファ層13、下地層15、及びn型クラッド層17がこの順に積層されたn型半導体層19が形成されている。バッファ層13は、低温で成長させられた、層厚20nmのアンドープのGaN層である。下地層15は、バッファ層よりも高温で成長させられた、層厚1μmのアンドープのGaN層である。n型クラッド層17は、層厚が3μmのn型GaN層であり、Siドーパント濃度が1×1018〜1×1021個/cmである。n型半導体層19のn型クラッド層17の上面の一部領域には、n電極20が形成されている。n電極20は、Ti、Alがこの順に積層されて形成されている。
n型半導体層19上のn型クラッド層17の上面のn電極20が形成されていない領域上には、第1の緩衝層としての下地改善層21、中間層としての不純物遮蔽層23、及び第2の緩衝層としての表面改善層25がこの順に積層されている拡散防止層27が形成されている。下地改善層21は、層厚100nmのアンドープのGaN層であり、ドーパントが高濃度でドーピングされている故に表面モフォロジが悪化しているn型クラッド層17の平坦化及び結晶性を補償し、下地改善層21上に形成される不純物遮蔽層23を良好に成膜するために形成される層である。なお、下地改善層21は、結晶性の補償を十分に行いかつ動作電圧を上昇させないように、10〜500nmであるのが好ましく、100〜200nmであるのがさらに好ましい。
不純物遮蔽層23は、p型ドーパントであるMg及びn型ドーパントであるSiが共にドーピングされている、いわゆるコドープのGaN層である。不純物遮蔽層23は、層厚100nmの層であり、ドーパント濃度は、例えば、Mgの濃度が5×1017atoms/cm程度であり、Siの濃度が1×1018atoms/cm程度である。不純物遮蔽層23の内部において、n型ドーパントであるSiとp型ドーパントであるMgとがクーロン相互作用により電気的に中性な原子対を形成することで、n型クラッド層17のn型ドーパントが遮蔽され、活性層側への拡散が防止される効果が生ずる。なお、不純物遮蔽層23は、厚くしすぎると結晶性の低下による欠陥が増加してしまい、薄くしすぎるとドーパントの遮蔽効果が低下してしまうので、10〜500nmであるのが好ましく、10〜300nmであるのがさらに好ましい。
表面改善層25は、層厚100nmのアンドープのGaN層である。表面改善層25は、ドーパントが高濃度でドーピングされている故に表面モフォロジが悪化している不純物遮蔽層23の平坦化及び結晶性を補償し、表面改善層25上に形成される半導体層を良好に成膜するために形成される層である。なお、表面改善層25は、結晶性の補償を十分に行いかつ動作電圧を上昇させないように、10〜500nmであるのが好ましく、100〜200nmであるのがさらに好ましい。
拡散防止層27上には、歪み緩和層29が形成されている。歪み緩和層29は、層厚3nmのGaN層であるバリア層及び層厚3nmのInGaN層である井戸層のペアからなる層が20層形成されており、その上にさらに層厚3nmのバリア層が形成されてなる層である。すなわち、歪み緩和層は、20層の井戸層の各々がバリア層によって挟まれている構造を有している。
歪み緩和層29の上には、活性層31が形成されている。活性層31は、層厚6nmのGaN層であるバリア層及び層厚3nmのInGaN層である井戸層のペアからなる層が6層形成されており、その上にさらに6nmのバリア層が形成されてなる層である。すなわち、活性層31は、6層の井戸層の各々がバリア層によって挟まれている構造を有している。
活性層31上には、ブロック層33が形成されている。ブロック層33は、ドーパントとしてMgがドーピングされている層厚20nmのAlGaN層である。ブロック層33のMgドーパント濃度は、1×1020atoms/cmである。
ブロック層33上には、p型クラッド層及びp型クラッド層よりも高濃度にドーパントがドーピングされたp型コンタクト層がこの順に積層されてなるp型半導体層35が形成されている。p型クラッド層及びp型コンタクト層は、ドーパントとしてMgを含んでいるGaN層である。p型クラッド層のMgドーパント濃度は、5×1019atoms/cm、p型コンタクト層のMgドーパント濃度は、2×1020atoms/cmである。
p型半導体層35上の一部領域には、p電極37が形成されている。p電極37は、p型半導体層35のp型コンタクト層上にNi、Auがこの順に積層されて形成されている。
上述のように、発光素子10には、n型半導体層19と活性層31との間に、アンドープの下地改善層21、不純物遮蔽層23、アンドープの表面改善層25からなる拡散防止層が形成されている。このように、n型半導体層19と活性層31との間にコドープ層である不純物遮蔽層を設けることで、n型半導体層19から活性層へのドーパントの拡散を防止することができる。従って、ドーパントの取り込みによる活性層31の発光強度の低下を防止することができ、発光素子の信頼性及び耐久性を向上させることが可能である。
また、高濃度にドーパントがドーピングされている故に結晶性及び表面モフォロジが悪化しているn型クラッド層17上に、アンドープの下地改善層21を形成し結晶性を補償した後に不純物遮蔽層23を形成することで、結晶欠陥が少なく良質でドーパントの遮蔽能の高い不純物遮蔽層23を形成することが可能である。また、同様に高濃度にドーパントがドーピングされている故に結晶性及び表面モフォロジが悪化している不純物遮蔽層23上にさらにアンドープの表面改善層25を形成して結晶性を補償することで、拡散防止層27よりも後に形成される歪み緩和層29、活性層31の結晶性を良好にし、結晶欠陥が少なく良質で発光効率の高い活性層31を形成することが可能である。
さらに、拡散防止層27は、活性層31と平行な方向、すなわち発光素子の水平方向への電流の拡散を促進する効果も有する。図1の領域Aの部分拡大図である図2に太線で示すように、アンドープ層である下地改善層21及び表面改善層25の電気抵抗率が、それぞれn型クラッド層17及び不純物遮蔽層23よりも高い故に、n型クラッド層17または不純物遮蔽層23に流入した電流は、下地改善層21または表面改善層25に流入する前に、n型クラッド層17または不純物遮蔽層23内で活性層31と平行な方向に拡散する。この電流拡散効果により、発光素子内の電流集中、特に活性層における電流集中を防止することで発光素子の発光効率を向上させることが可能である。また、発光素子内の電流密度の均一化を図ることにより、順方向電圧低下を抑制して動作電圧の低下をもたらすことができ、高電流注入による発光効率の低下を抑制すること、すなわちDroop特性を向上させることが可能である
以下に、上述した発光素子10を製造する方法について、図3(a)−(c)を用いて説明する。図3(a)−(c)は、発光素子10の製造工程を断面で示した図である。なお、図3(a)−(c)においては、明解さのために1つの発光素子の断面を示しているが、実際の製造時は、多数の発光素子が配列されたシート状態で製造されてもよい。
まず、サファイヤ基板等の成長基板11を準備し、成長基板11のC面上に半導体構造層をMOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法により成膜する。まず、基板をMOCVD装置に投入し、H(水素)を10L/min流しながら、1000℃まで昇温させ、約10分熱処理を行った。
次に、成長基板11上に、バッファ層13、アンドープの下地層15及びn型クラッド層17をこの順に積層し、n型半導体層19を形成する。具体的には、まず、温度を約550℃まで下げ、TMGa(トリメチルガリウム)を20μmol/min、NH3(アンモニア)2L/min、そして総流量が10L/minになるようにH(水素)を加えて流し、20nmの層厚の低温GaN層であるバッファ層13を形成する。
バッファ層13の成長後、温度を約1050℃まで上げ、TMGaを40μmol/min、NHを4L/min、さらに、総流量が10L/minになるようにHを加えて流し、層厚1μmのアンドープの下地層15を形成する。
アンドープの下地層15の形成後、温度を1050℃に維持したまま、下地層15の形成時と同様に、TMGaを40μmol/minとNHを4L/min、総流量が10L/minになるようにHを加えて流し、さらに、SiH(モノシラン)またはSi(ジシラン)をSiドーパント濃度が1×1018〜1×1021atoms/cm程度になるように添加し、層厚3μmのn型クラッド層17を形成し、n型半導体層19が完成する(図3(a))。
次に、n型半導体層19上に、下地改善層21、不純物遮蔽層23、表面改善層25をこの順に積層し、拡散防止層27を形成する。具体的には、まず、n型クラッド層17を形成する際と同温度、1050℃にて、TMGaを40μmol/min、NHを4L/min、さらに、総流量が10L/minになるようにHを加えて流し、層厚100nmのアンドープの下地改善層21を形成する。
続いて同温度にて、TMGaを40μmol/min、NHを4L/min、総流量が10L/minになるようにHを加えて流し、さらに、SiHまたはSiを加えることでSiをドーピングし、同時にCpMg(シクロペンタジエニルマグネシウム)を加えることでMgをドーピングし、層厚100nmの不純物遮蔽層23を形成する。この際、不純物遮蔽層23のSiドーパント濃度が1×1018atoms/cm、Mgドーパント濃度が5×1017atoms/cm程度になるように、SiHまたはSi、及びCpMg添加する。
続いて同温度にて、TMGaを40μmol/minとNHを4L/min、さらに、総流量が10L/minになるようにHを加えて流し、層厚100nmのアンドープの下地改善層21を形成し、拡散防止層27が完成する(図3(b))。
次に、拡散防止層27上に、歪み緩和層29を形成する。具体的には、まず、NHを4L/min、さらに総流量が10L/minになるようにN(窒素)を加えて流しながら成長温度を約850℃まで降下させる。歪み緩和層の成長温度に達したら、材料ガスノズルよりTEGa(トリエチルガリウム)を5.5μmol/min、NHを4L/min、さらに総流量が10L/minになるようにNを加えて流して約30秒間成長を行い、層厚3nmのバリア層(GaN)を形成する。次に材料ガスノズルよりTEGaを5.5μmol/min、TMI(トリメチルインジウム)を4μmol/min、NHを4L/min、さらに、総流量が10L/minになるようにNを加えて流して約30秒間成長を行い、層厚3nmの井戸層(InGaN)を形成する。このバリア層及び井戸層の形成20周期繰り返し、最後にキャップ層としてさらに上述のバリア層(GaN)を形成し、歪み緩和層29が完成する。
次に、歪み緩和層29上に、活性層31を形成する。具体的には、まず、NHを4L/min、総流量が10L/minになるようにNを加えて流しながら成長温度を約800℃まで降下させる。発光層の成長温度に達したら、材料ガスノズルよりTEGaを5.5μmol/minとNHを4L/min、さらに総流量が10L/minになるようにNを加えて流し、約1分間成長を行い6nmのバリア層(GaN)を形成する。次に、材料ガスノズルよりTEGaを5.5μmol/min、TMIを6.5μmol/min、NHを4L/min、さらに総流量が10L/minになるようにNを加えて流し、約25秒間成長を行い、層厚3nmの井戸層(InGaN)を形成する。このバリア層及び井戸層の形成を6周期繰り返し、最後にキャップ層としてさらに上述のバリア層(GaN)を形成し、活性層31が完成する。
次に、活性層31上に、ブロック層33を形成する。具体的には、まず、NHを4L/min、さらに総流量が10L/minになるようにHを加えて流しながら、ブロック層の成長温度である約950℃まで昇温させる。昇温後、温度が安定したら、TMGaを3.5μmol/min、TMA(トリメチルアルミニウム)を 0.4μmol/min、NHを4L/min、総流量が10L/minになるようにHを加えて流し、さらにCpMgを加えて、Mgドーパント濃度が1×1020atoms/cm になるようにドーピングされた層厚20nmのAlGaNからなるブロック層33を形成する。
次に、ブロック層33上にp型クラッド層及びp型クラッド層よりも高濃度にドーパントがドーピングされたp型コンタクト層がこの順に積層されてなるp型半導体層35を形成する。具体的には、まず、TMGaを12μmol/min、NHを4L/min、さらに総流量が10L/minになるようにHを加えて流す。加えてCpMgをMgのドーパント濃度が5×1019atoms/cm程度になるように添加し、層厚0.1μmのp−GaN層であるp型クラッド層を形成する。その後、CpMgの量のみを増加させ、CpMgをMgドーパント濃度が2×1020 atoms/cm程度になるように添加し、層厚5nmのp−GaN層であるp型コンタクト層を形成し、p型半導体層35が完成する。
次に、p型半導体層35の上面に所定形状のマスクを形成し、RIE(反応性イオンエッチング)装置で、p型半導体層35からエッチングを行い、n型クラッド層17の表面を露出させる(図3(c))。その後、p型半導体層35の上面の所定領域にp電極37を形成し、エッチングにより露出したn型クラッド層17の上面の所定領域にn電極20を形成し、発光素子10が完成する。
なお、上記表面改善層は、完全なアンドープ層ではなく、前記不純物遮蔽層23のSiドーパント濃度より低いドーパント濃度を有している層であってもよい。このようにしても、結晶性補償効果は発生し、また完全なアンドープとするよりも表面改善層の電気抵抗率を低減することができる故に、動作電圧の上昇を抑制することが可能である。
実施例2に係る発光素子は、拡散防止層27の構成が異なる以外は、実施例1に係る発光素子10と同一の構成を有している。実施例2の発光素子の拡散防止層27は、アンドープの下地改善層21及び不純物遮蔽層23については、発光素子10と同一であるが、表面改善層25は全体がアンドープではなく、不純物遮蔽層23側から歪み緩和層29側にかけてSiドーピング量が低下させられているSiドーピング層になっている。
実施例2において、表面改善層25は、全体として不純物遮蔽層23よりも低いSiドーパント濃度を有する200nmの層である。表面改善層25は、不純物遮蔽層23に接している領域のSiドーパント濃度が1×1018atoms/cmとなっており、歪み緩和層29に向かうにつれてSiドーパント濃度が低下し、歪み緩和層29と接する領域がアンドープ領域となっている。表面改善層25の不純物遮蔽層23に接している領域のSiドーパント濃度は、好ましくは、5×1017atoms/cmであり、さらに好ましくは1×1017atoms/cmである。
このように、表面改善層25内のSiドーパント濃度を不純物遮蔽層23から歪み緩和層に向けて緩やかに低下させることによって、不純物遮蔽層23の上面から歪み緩和層29の下面かけてスムーズに結晶格子の状態を整えることができ、より結晶欠陥が少ない良好な表面改善層、歪み緩和層29、及び活性層31を得ることができ、発光素子の発光効率をさらに向上させることが可能である。
実施例3に係る発光素子は、拡散防止層27の構成が異なる以外は、実施例1に係る発光素子10と同一の構成を有している。実施例3に係る発光素子の拡散防止層27は、アンドープの下地改善層21及び不純物遮蔽層23については、発光素子10と同一であるが、表面改善層25は、全体がアンドープ層ではなく、薄いアンドープ層及びSiドープ層が繰り返し積層された超格子構造を有している。表面改善層のSiドーパント濃度は、全体として不純物遮蔽層23のSiドーパント濃度より低くなっている。ここで、表面改善層のSiドーパント濃度は、Siドープ層のSiがアンドープ層も含めた表面改善層全体に均一に含まれていた場合の濃度として扱う。また、表面改善層のSiドープ層は、それのみでも不純物遮蔽層のSiドーパント濃度以下になっていることが好ましい。
具体的には、実施例3に係る発光素子における表面改善層25は、不純物遮蔽層23の上面に、層厚10nmのアンドープ層及び層厚10nmでSiドーパント濃度1×1018atoms/cmのSiドープ層がこの順に積層されているペアが10層繰り返して形成され、200nm積層されている層である。なお、Siドープ層のドーパント濃度は、5×1017atoms/cm以上であるのが好ましい。また、表面改善層25内のアンドープ層の各々及びSiドープ層の各々の層厚は2〜20nmであるのが好ましい。また、アンドープ層の各々及びSiドープ層の各々の層厚に応じて、アンドープ層及びSiドープ層のペアの繰り返し回数は変更可能である。
このように、表面改善層25をアンドープ層及びSiドープ層の超格子構造とすることにより、表面改善層25において不純物遮蔽層23の表面の結晶性を補償することで、拡散防止層27よりも後に形成される歪み緩和層29及び活性層31の結晶性を良好にするだけではなく、表面改善層25内で、さらに発光素子の水平方向への電流の拡散を促進させることができる。従って、活性層31に、さらに均一に電流を供給することが可能となり、発光素子の発光効率をさらに改善することができ、droop特性もさらに向上させることが可能である。
上記実施例においては、n型クラッド層17の上面に接して下地改善層21を形成することとしたが、図4に示すように、n型クラッド層17と下地改善層21との間に、さらにアンドープのGaN層及びSi及びMgがドーピングされたコドープ層からなる補助層39を形成してもよい。この際、例えば、補助層39のアンドープGaN層は、層厚10nmであり、コドープ層の層厚は10nm、Siドーパント濃度は1×1020atoms/cm、Mgドーパント濃度は5×1019atoms/cmである。このようにすることで、電流はn型クラッド層17及び不純物遮蔽層23において、さらにn型クラッド層17と下地改善層21との間に形成されたコドープ層おいて発光素子の水平方向に拡散される。従って、発光素子全体、特に、活性層31に、さらに均一に電流を供給することが可能となり、発光素子の発光効率をさらに改善することができ、droop特性もさらに向上させることが可能である。
また、上記した補助層39は、アンドープのGaN層とn型のドーパントであるSiがドーピングされたSiドープ層とからなる層であってもよい。この際、例えば、補助層39のアンドープGaN層は、層厚10nmであり、Siドープ層の層厚は10nm、Siドーパント濃度は1×1020atoms/cmである。このようにすることで、上記補助層を形成した場合と同様に、電流はn型クラッド層17及び不純物遮蔽層23において、さらにn型クラッド層17と下地改善層21との間に形成されたSiドープ層おいて発光素子の水平方向に拡散される。従って、発光素子全体、特に、活性層31に、さらに均一に電流を供給することが可能となり、発光素子の発光効率をさらに改善することができ、droop特性もさらに向上させることが可能である。
また、上記した補助層39は、アンドープGaN層とコドープ層とが、またはアンドープGaN層とSiドープ層とが複数層繰り返し積層されている層であってもよい。また、上記した補助層39と下地改善層とが、アンドープGaN層とコドープ層とからなる超格子構造、またはアンドープGaN層とSiドープ層とからなる超格子構造を形成していてもよい。このようにした場合も、電流が発光素子の水平方向に拡散され、発光素子全体に均一に電流を供給することが可能となりので、発光素子の発光効率をさらに改善することができ、droop特性を向上させることが可能である。
上記実施例において、各層の層厚の例を示したが、これに固定されることなく各層の層厚を選択することが可能である。また、下地改善層21及び補助層39の層厚は、アンドープGaN層とSiドープ層またはコドープ層との繰り返し数等との兼ね合いにより、下記に示す好ましい総膜厚範囲内に収まるように設計することができる。
なお、補助層39を形成する場合には、下地改善層21及び補助層39を合わせた厚さが、10〜500nmであるのが好ましく、100〜200nmであるのがさらに好ましい。
上記実施例では、成長基板上に半導体層を成長させ、半導体層の一部を除去してn型半導体層を露出させて電極を形成するタイプの発光素子を例に説明をしたが、本発明は半導体層に成長基板とは別の支持基板を貼り付けて、成長基板を除去して形成する、いわゆるシンフィルムタイプ等の他の発光素子にも応用可能である。また、上述した実施例における種々の数値、寸法、材料等は、例示に過ぎず、用途及び製造される発光素子等に応じて、適宜選択することができる。
10 発光素子
11 成長基板
13 バッファ層
15 下地層
17 n型クラッド層
19 n型半導体層
20 n電極
21 下地改善層
23 不純物遮蔽層
25 表面改善層
27 拡散防止層
29 歪み緩和層
31 活性層
33 ブロック層
35 p型半導体層
37 p電極
39 補助層

Claims (6)

  1. n型ドーパントがドーピングされている第1の半導体層、活性層、p型ドーパントがドーピングされている第2の半導体層がこの順に積層されてなる半導体構造層を有する半導体素子であって、
    前記第1の半導体層と前記活性層との間には拡散防止層が形成されており、前記拡散防止層は、前記第1の半導体層に近い方からアンドープ層である第1の緩衝層、n型ドーパント及びp型ドーパントの両方がドーピングされているコドープ層である中間層及び前記中間層よりもn型ドーパントのドーパント濃度が低い第2の緩衝層が順に積層された層を含み、
    前記第2の緩衝層は、前記中間層側から前記活性層側にかけてドーパント濃度が低下していることを特徴とする半導体発光素子。
  2. 前記第2の緩衝層は、アンドープ層と前記n型ドーパントがドーピングされている層とからなる超格子構造を有することを特徴とする請求項に記載の半導体発光素子。
  3. 前記第1の緩衝層と前記第1の半導体層との間には、補助層が形成されており、前記補助層は、アンドープ層とコドープ層とがこの順に積層されてなる層を含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光素子。
  4. 前記補助層及び前記第1の緩衝層が、アンドープ層とコドープ層とからなる超格子構造を形成していることを特徴とする請求項に記載の半導体発光素子。
  5. 前記第1の緩衝層と前記第1の半導体層との間には、補助層が形成されており、前記補助層は、アンドープ層と前記n型ドーパントがドーピングされている層とがこの順に積層されてなる層を含んでいることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体発光素子。
  6. 前記補助層及び前記第1の緩衝層が、アンドープ層と前記n型ドーパントがドーピングされている層とからなる超格子構造を有することを特徴とする請求項に記載の半導体発光素子。
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