JP6037119B2 - マグネシウム合金の鋳造材の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明のMg合金の鋳造材の製造方法は、Mg合金を溶解して溶湯とする溶解工程と、溶湯を凝固させて鋳造材を製造する鋳造工程とを具える。この製造方法の主な特徴とするところは、鋳造工程までに溶湯と炭素材料とを接触させる接触工程を具え、さらに、その接触工程では、接触面積と接触時間との積が特定の値以上とする点にある。まず、製造する鋳造材の構成材料であるMg合金の組成を説明し、次に、本発明の製造方法を、図1に示す鋳造に使用する装置の一例に基づいて説明する。
Mg合金の鋳造材を製造するにあたって、用意するMg合金は、添加元素として少なくともAlを含有し、残部がMg及び不可避的不純物で構成されるMg−Al系合金である。
続いて、図1を参照して可動鋳型に溶湯の自重を利用してMg合金の溶湯を供給するMg合金の双ロール式連続鋳造装置100を説明する。この装置100は、Mg合金を溶解して溶湯1とする溶解炉(坩堝)10と、溶解炉10からの溶湯1を一時的に貯留する保持炉12と、保持炉12から供給された溶湯1を凝固させて鋳造材2を形成する一対のロール14とを具える。この溶解炉10と保持炉12とは、溶解炉10から溶湯1を保持炉12に輸送する移送樋11で連結されている。保持炉12のロール14側には、保持炉12から溶湯1をロール14へ供給する注湯口13を具える供給部12dが連結され、供給部12dの注湯口13側がロール14に近接又は接触するように配置されている。溶解炉10、移送樋11、保持炉12、供給部12d、及び注湯口13には溶湯1の温度を調節できるようにそれぞれヒータ(図示略)を設けることができる。
上述のMg合金の鋳造材の製造方法は、成形性に優れる鋳造材を製造できる。溶湯と炭素材料とをそれらの接触面積と接触時間との積が特定の範囲を満たすように接触させることで、溶湯中のAlと炭素材料のCとを十分に反応させて凝固核を効果的に形成できる上に、凝固核を均一に分散させることができるため、微細でかつ均一な結晶粒組織を有する鋳造材を製造できるからである。そのため、この鋳造材は、その後の塑性加工によって割れが生じ難い。
以上説明した連続鋳造装置100を用いて、Mg合金の鋳造材を複数製造し、その鋳造材の分析および評価を行った。この例では、保持炉12はカーボンで構成した略円筒形(内径φ:約400mm)のものを使用する。
得られた鋳造材の平均結晶粒径を測定した。ここでは、「鋼−結晶粒度の顕微鏡試験方法 JIS G 0551(2005)」に定められた切断法によって求めた。具体的には、試験片を切断し、その切断面をバフ研磨(ダイヤモンド砥粒♯200)した後、エッチング処理を施して、光学顕微鏡の100倍視野にて組織観察を行って、ライン法にて平均結晶粒径を求めた。その測定結果を表1、及び図2に示す。また、試料No.1に対しては、光学顕微鏡の400倍視野にて結晶粒の観察を行った。その結果を図3に示す。
得られた各試料の鋳造材を圧延加工して、厚さ0.8mm、幅200mmの展伸材(圧延板)を製造し、この展伸材に対して曲げ試験を実施した。圧延加工は、鋳造材を400℃で24時間の溶体化処理をして冷却した後、これを250℃に加熱して温間で行った。また、圧延は、1パスあたりの圧下率を20%とし複数パス行った。曲げ試験は、上記展伸材を適当な長さに切断して複数の試験片を作製し、各試験片を250℃に加熱した状態でプレス成形して、各試験片を圧延方向に沿って直角に折り曲げた。ここでは、複数の試験片における圧延方向の長さの合計が1m以上となるように試験片の数と長さとを調整した。曲げ試験において、試験片の曲げ部の内側の曲げ半径Rを0.5mmとした。そして、各試験片の曲げ部の外側表面を圧延方向全長に亘って目視にて観察し、曲げ部に発生した割れ数を測定した。この例では、各試料について、それぞれ8個の試験片に対して曲げ試験を実施し、各試験片の割れ数(個)を測定してその平均値を求めた。これを試験片(圧延材)の圧延方向の長さを1mとした場合の割れ数(個/m)に換算することで評価を行った。その結果を表1に示す。
表1や図2に示すように、接触時間が長くなるほど結晶粒径が小さくなっており、試料1及び2は、試料3〜6に比べて平均結晶粒径が小さかった。また、試料1及び2は、試料3〜6に比べて割れ数が少なかった。試料1の断面を観察した結果、図3の破線円に示すように、Al4C3からなる凝固核3の形成が見られた。同図の破線円において黒点が凝固核3であり、それを中心にグレーのデンドライトが放射状に広がっているのが見て取れる。なお、表1や図2などには示していないが、接触時間が長くなるほど結晶粒径のばらつきが小さくなると考えられ、試料1及び2は、試料3〜6に比べて結晶粒径のばらつきが小さいと考えられる。
1 溶湯 2 鋳造材 3 凝固核
10 溶解炉 11 移送樋 12 保持炉 12d 供給部
13 注湯口 14 ロール
Claims (5)
- 添加元素としてアルミニウムを含有するマグネシウム合金を溶解して溶湯とする溶解工程と、前記溶湯を凝固させて鋳造材を製造する鋳造工程とを具えるマグネシウム合金の鋳造材の製造方法であって、
前記鋳造工程までに前記溶湯と黒鉛とを接触させる接触工程を具え、
前記溶解工程と前記接触工程とは、黒鉛で構成される密閉された保持炉で施され、
前記接触工程は、前記黒鉛に対する溶湯の接触面積(mm2)をS、当該黒鉛と溶湯との接触時間(sec)をTとするとき、前記接触面積と接触時間との積S×Tが5.0×109(mm2×sec)以上とし、
平均結晶粒径が35μm以下の鋳造材を得るマグネシウム合金の鋳造材の製造方法。 - 前記接触工程では、前記溶湯と接触させる前記黒鉛の温度が600℃以上である請求項1に記載のマグネシウム合金の鋳造材の製造方法。
- 前記接触時間Tが10000sec以上である請求項1または請求項2に記載のマグネシウム合金の鋳造材の製造方法。
- 前記マグネシウム合金における前記アルミニウムの含有量が、1質量%以上12質量%以下である請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のマグネシウム合金の鋳造材の製造方法。
- 前記マグネシウム合金が、アルミニウムを8.3質量%以上9.5質量%以下、亜鉛を0.5質量%以上1.5質量%以下含有する請求項4に記載のマグネシウム合金の鋳造材の製造方法。
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