以下、図1〜図12を参照して、この発明を電子レジスタに適用した一実施形態について説明する。
この電子レジスタは、図1および図2に示すように、機器本体1を備えている。この機器本体1には、入力表示ユニット2、プリンタユニット3、および回転表示器4が搭載されている。
入力表示ユニット2は、図1および図2に示すように、ユニットケース5の上面にタッチ入力部6を設けたものであり、顧客が購入する商品の情報をオペレータがタッチ入力部6のタッチ操作によって入力するように構成されている。この場合、タッチ入力部6は、図示しないが、表示パネルの上面にタッチパネルを配置された構成になっている。
このタッチ入力部6は、図1および図2に示すように、表示パネルに表示された情報を見ながら、オペレータがタッチパネルをタッチ操作して、売買する商品の情報を入力すると共に、その入力された情報が表示パネルに表示されるように構成されている。この場合、ユニットケース5は、機器本体1上に、その一部分(図3では左側の一部分)を除いて前下がりに傾斜した状態で配置されている。
すなわち、機器本体1上には、図6(a)および図6(b)に示すように、半円弧状の支持部7が設けられており、ユニットケース5の下面には、半円筒状の回転部8が設けられている。これにより、ユニットケース5は、その下面の半円筒状の回転部8が機器本体1上の半円弧状の支持部7上を前後方向に向けて回転移動することにより、後部(図6(b)では右側)が競り上がって傾斜するように構成されている。
回転表示器4は、図1〜図5に示すように、表示ケース10に情報を表示する表示部11を設けたものであり、表示ケース10が伸縮自在の支持部12に水平方向に回転自在に支持され、この支持部12によって機器本体1の背面に設けられた表示収納部9内に出没可能に配置されるように構成されている。
すなわち、この回転表示器4は、図5(a)および図5(b)に示すように、支持部12を上方に伸ばして表示ケース10を機器本体1の上方に配置し、この状態で表示ケース10を回転させることにより、表示部11に表示された情報が顧客から見やすい方向を向くように構成されている。
プリンタユニット3は、図1〜図5に示すように、機器本体1上に開閉可能に配置されたプリンタカバー13と、機器本体1の内部に設けられたプリンタ部14とを備え、機器本体1における入力表示ユニット2の左隣に配置されている。プリンタカバー13は、図1〜図5に示すように、入力表示ユニット2の上面とほぼ同じ高さで、且つ前下がりに傾斜した状態で、機器本体1上に配置されている。
プリンタ部14は、図7および図8に示すように、印字部14aとプラテン部14bとを備え、これらの間に送り込まれた記録紙15に印刷情報を印刷するように構成されている。この場合、記録紙15は、ロール紙であり、プリンタ部14の近傍に位置する機器本体1内に設けられた記録紙収納部16内に回転自在に収納されている。
この記録紙15は、図8に示すように、記録紙収納部16内からプリンタ部14に送り込まれて印刷情報が印刷されると、プリンタカバー13に設けられた記録紙排出口17から機器本体1の外部に排出されるように構成されている。記録紙排出口17は、図1〜図4に示すように、プリンタカバー13の前後方向と直交する方向に細長く形成された開口部である。
すなわち、この記録紙15は、図7および図8に示すように、プリンタ部14のほぼ真上に位置するプリンタカバー13の箇所、つまりプリンタ部14の印字部14aとプラテン部14bとの間に対応するプリンタカバー13の箇所に設けられている。この場合、記録紙排出口17における前後方向(図9では左右方向)に位置する各縁は、図9および図10に示すように、プリンタカバー13の上面側が広く、その下面側が狭くなる傾斜面17aにそれぞれ形成されている。このプリンタカバー13および記録紙排出口17によって記録紙排出部が構成されている。
ところで、このプリンタユニット3は、図7および図8に示すように、プリンタカバー13の記録紙排出口17から浸入した水滴を受け止める防滴シャッタ部18と、プリンタ部14によって印刷情報が印刷された記録紙15を防滴シャッタ部18に誘導する記録紙誘導部19と、プリンタカバー13の記録紙排出口17から防滴シャッタ部18に浸入した水滴を機器本体1の外部に導く水滴排出部20とを備えている。
防滴シャッタ部18は、図7〜図10に示すように、機器本体1内における記録紙排出口17の下側に回転自在に設けられ、且つ記録紙排出口17を開閉自在に塞ぐと共に、プリンタ部14により印刷された記録紙15の排出力によって回転して記録紙15を記録紙排出口17に送り込むように構成されている。
すなわち、この防滴シャッタ部18は、図7〜図10に示すように、記録紙排出口17を開閉自在に塞ぐための防滴シャッタ板21と、この防滴シャッタ板21をその重心位置付近において回転自在に支持する支持軸22とを備え、防滴シャッタ板21が支持軸22を中心に上下方向に揺動する所謂シーソー構造に構成されている。
防滴シャッタ板21は、図7〜図10に示すように、記録紙排出口17よりも少し大きい長方形状の平板を折り曲げたものであり、平板部21aと傾斜部21bと両側の側板部21cとを有している。すなわち、この防滴シャッタ板21は、平板部21aの一端部(図9では左端部)に傾斜部21bが上方に向けて傾斜した状態で設けられた構成になっている。
この場合、傾斜部21bは、図7および図9に示すように、記録紙排出口17の下側に対応して配置され、記録紙排出口17から浸入した水滴を受け止めて平板部21aに流して一旦溜めるように構成されている。また、両側の側板部21cは、図9および図10に示すように、平板部21aと傾斜部21bとの両側部(図9では紙面の表裏面方向に位置する両側部)にそれぞれ設けられている。
これにより、防滴シャッタ板21は、図7および図9に示すように、プリンタカバー13の記録紙排出口17から浸入した水滴を平板部21aと傾斜部21bと両側の側板部21cとで囲われた領域内に一旦溜め、この溜まった水滴が平板部21aの前部(図9では右側)からプリンター部14を回避して溢れ出すように構成されている。
このような防滴シャッタ板21を支持する支持軸22は、図7〜図10に示すように、防滴シャッタ板21の平板部21aにおける前後方向と直交する方向(図9では紙面の表裏面方向)に位置する両端部に突出して設けられ、この突出した部分がプリンタカバー13の下面に設けられた一対の取付リブ23に回転可能に取り付けられている。この場合、支持軸22は、防滴シャッタ板21をその重心位置付近において回転自在に支持することにより、防滴シャッタ板21が上下方向に揺動するシーソー構造に構成されている。
すなわち、この支持軸22は、図7〜図10に示すように、防滴シャッタ板21の重心位置から僅かに傾斜部21bと反対側(図9では右側)に離れた位置に設けられていることにより、防滴シャッタ板21の傾斜部21bが常に記録紙排出口17の下側に位置するように、防滴シャッタ板21がその微妙な重量バランス、つまり防滴シャッタ板21の僅かな重量の差によって、録紙排出口17を閉じる方向(図9では反時計回り方向)に向けて回転するように構成されている。
一方、記録紙誘導部19は、図7〜図10に示すように、プリンタ部14によって印刷情報が印刷された記録紙15を防滴シャッタ部18の防滴シャッタ板21の下側に誘導し、この誘導した記録紙15の排出力によって防滴シャッタ板21を回転動作させるための複数のガイドリブ24を備えている。
この複数のガイドリブ24は、図7〜図10に示すように、ほぼ三角形の縦板状をなし、プリンタカバー13における記録紙排出口17の一方(図9では左側)に位置する縁部の下面に対応する箇所に所定間隔で設けられ、防滴シャッタ板21が記録紙排出口17を閉じた状態のときに、防滴シャッタ板21の傾斜部21bの先端部(図9では右端部)が接離可能に接触するように構成されている。
この場合、複数のガイドリブ24は、図9〜図11に示すように、ほぼ三角形の縦板状の一辺である各前端面24a(図11では左側の端面)が、記録紙排出口17における後部側(図11では左側)の縁部に位置した状態で、プリンタカバー13の下面に対してほぼ直角な状態で垂下された構成なっている。
すなわち、ガイドリブ24の前端面24aは、図11に示すように、プリンタカバー13の記録紙排出口17の縁部において、プリンタカバー13の下面に対する角度(θ1)が、プリンタカバー13の下面に対する鉛直方向(垂直方向)の直線(S)との角度(θ2)よりも少し小さく(θ1<θ2)形成され、且つプリンタカバー13の下面に対する角度(θ1)が90度よりも少し大きく(θ1>90度)形成されている。
このため、複数のガイドリブ24は、図11に示すように、プリンタカバー13が機器本体1上に前下がりに傾斜していることにより、各ガイドリブ24の前端部24aがプリンタカバー13の記録紙排出口17の鉛直方向に対応する領域(E)内の外側(図11では左側)に位置し、記録紙排出口17から鉛直方向に滴下した水滴を防滴シャッタ板21で受け止められるように構成されている。
これにより、防滴シャッタ部18は、図7〜図10に示すように、防滴シャッタ板21がその微妙な重量バランスによって支持軸22を中心に回転して記録紙排出口17を閉じた際に、防滴シャッタ板21の傾斜部21bの先端部が複数のガイドリブ24の各前端面24aに接離可能に接触し、これにより防滴シャッタ板21の反時計回り方向の位置が規制されるよう構成されている。
また、この複数のガイドリブ24は、図7〜図10に示すように、プリンタ部14で印刷された記録紙15が各ガイドリブ24の前端面24aに接触し、この接触した記録紙15を各前端面24aによって上方に向けてガイドするように構成されている。これにより、複数のガイドリブ24は、記録紙15を防滴シャッタ板21の傾斜部21bの先端部に誘導し、この誘導した記録紙15の排出力によって防滴シャッタ板21を押し上げて回転させることにより、記録紙15をガイドリブ24の前端面24aと防滴シャッタ板21の傾斜部21bの先端部との間に送り込むように構成されている。
また、この記録紙誘導部19は、図7〜図10に示すように、プリンタカバー13の下面に設けられて防滴シャッタ板21の傾斜部21bが接離可能に接触する複数のガイドリブ24と、この複数のガイドリブ24に接離可能に接触する防滴シャッタ板21の傾斜部21bとによって構成されている。
これにより、記録紙誘導部19は、図8および図10に示すように、プリンタ部14で印刷された記録紙15が防滴シャッタ部18の防滴シャッタ板21に誘導される際に、防滴シャッタ板21の傾斜部21bによっても、記録紙15を傾斜部21bの先端部に向けてガイドすることにより、記録紙15をガイドリブ24の前端面24aと防滴シャッタ板21の傾斜部21bの先端部との間に送り込むように構成されている。
また、水滴排出部20は、図7および図8に示すように、プリンタ部14の印字部14aとプラテン部14bとの間を除いて、プリンタ部14を覆うカバーケース25と機器本体1の内壁との間に設けられた排出路である。この水滴排出部20は、記録紙排出口17から防滴シャッタ部18の防滴シャッタ板21上に浸入した水滴が防滴シャッタ板21から流れ落ちた際に、その水滴をプリンタ部14から回避させて機器本体1の下部から外部に導いて排出するように構成されている。
ところで、このような電子レジスタの記録紙排出部であるプリンタカバー13を製作する場合について説明する。このプリンタカバー13は、図12に示すように、成型用金型26によって成形されている。この成型用の金型26は、上金型27と下金型28とを備えている。この上金型27と下金型28とは、そのパーティングラインPLがプリンタカバー13の下面に沿って設定されている。
この場合、プリンタカバー13に形成される複数のガイドリブ24は、図11に示すように、その前端面24aがプリンタカバー13の下面に対する角度(θ1)が90度よりも少し大きく形成されている。このため、上金型27には、図12に示すように、記録紙排出口17を形成する第1形成突起部27aが下側に突出して設けられており、この第1形成突起部27aには、ガイドリブ24の前端面24aを形成するための第2形成突起部27bが記録紙排出口17の下側に突出して設けられている。
これにより、成型用金型26は、図12に示すように、上金型27と下金型28とが上下に重なり合うと、その両者の内部にプリンタカバー13に対応する空洞部(キャビティ)29が形成されると共に、複数のガイドリブ24に対応する空洞部(キャビティ)30が形成される。そして、これらの空洞部29、30内に樹脂を注入した後に、上金型27と下金型28とを離型する。
このときには、図12に示すように、ガイドリブ24の前端面24aを形成するための上金型27の第2形成突起部27bが記録紙排出口17に対応する箇所を通過することにより、上金型27と下金型28とが容易に離型する。これにより、複数のガイドリブ24を有するプリンタカバー13を成型用金型26内から取り出すことができる。
次に、このような電子レジスタの作用について説明する。
この電子レジスタでは、オペレータが入力表示ユニット2のタッチ入力部6を操作して、顧客が購入する商品の値段や商品名などの情報を入力すると、その入力された情報がタッチ入力部6および回転表示器4の表示部11に表示される。これにより、オペレータは入力表示ユニット2のタッチ入力部6に表示された情報を見て入力情報を確認することができると共に、顧客は回転表示器4の表示部11に表示された情報を見て入力情報を確認することができる。
このようにオペレータがタッチ入力部6を操作して、表示された情報を記録紙15に印刷してレシートとして発行する際には、機器本体1におけるプリンタユニット3の記録紙収納部16に収納されたロール状の記録紙15が、プリンタ部14の印字部14aとプラテン部14bとの間に順次送り込まれ、この送り込まれた記録紙15に印刷情報がプリンタ部14によって順次印刷され、このプリンタ部14で印刷された記録紙15がプリンタ部14の上方に順次送り出される。
このようにプリンタ部14で情報が印刷された記録紙15は、記録紙誘導部19によって防滴シャッタ部18の下側に誘導される。すなわち、プリンタ部14から送り出された記録紙15は、記録紙誘導部19の複数のガイドリブ24と防滴シャッタ板21の傾斜部21bとの間に送り込まれる。このとき、記録紙15は、ガイドリブ24の前端面24aと防滴シャッタ板21の傾斜部21bとのいずれかに接触してガイドされ、ガイドリブ24の前端面24aと防滴シャッタ板21の傾斜部21bの先端部との間に向けて送り込まれる。
このように、記録紙15がガイドリブ24の前端面24aと防滴シャッタ板21の傾斜部21bの先端部との間に送り込まれると、この送り込まれた記録紙15の排出力によって防滴シャッタ板21の傾斜部21bが押し上げられるので、防滴シャッタ板21が支持軸22を中心に時計回りに回転して、傾斜部21bの先端部がガイドリブ24の前端面24aから離れる。
すなわち、防滴シャッタ板21は、その重心位置から僅かに傾斜部21bと反対側(図6では右側)にずれた位置で、支持軸22によって回転可能に支持されていることにより、防滴シャッタ板21の微妙な重量バランス、つまり防滴シャッタ板21の僅かな重量の差によって、録紙排出口17を閉じる方向に回転して、防滴シャッタ板21の傾斜部21bの先端部がガイドリブ24の前端面24aに接触している。このため、プリンタ部14から送り出された記録紙15は、その排出力によって防滴シャッタ板21の傾斜部21bをガイドリブ24の前端面24aから押し上げる。
これにより、防滴シャッタ板21が支持軸22を中心に時計回りに回転して、傾斜部21bの先端部がガイドリブ24の前端面24aから離れるので、傾斜部21bの先端部とガイドリブ24の前端面24aとの間に隙間が生じ、この隙間を記録紙15が通り抜け、この通り抜けた記録紙15がプリンタカバー13の記録紙排出口17からプリンタカバー13の上方に排出される。この排出された記録紙15は、レシートとして発行される。
一方、この電子レジスタでは、プリンタカバー13上に水滴が垂れると、その水滴がプリンタカバー13の記録紙排出口17内に浸入することがある。すなわち、プリンタカバー13は、機器本体1上に前下がりに傾斜して配置されているので、プリンタカバー13の上面に垂れた水滴がプリンタカバー13の上面を上側から下側に向けて流れ、記録紙排出口17からプリンタカバー13の内部に浸入することがある。
このように記録紙排出口17からプリンタカバー13の内部に水滴が浸入すると、この浸入した水滴は、防滴シャッタ部18の防滴シャッタ板21で受け止められる。すなわち、防滴シャッタ部18は、その重心位置から僅かに傾斜部21bと反対側(図9では右側)にずれた位置で、支持軸22によって回転可能に支持されていることにより、防滴シャッタ板21の微妙な重量バランスによって録紙排出口17を閉じる方向に回転して、防滴シャッタ板21の傾斜部21bの先端部がガイドリブ24の前端面24aに接触している。
このため、記録紙排出口17からプリンタカバー13の内部に浸入した水滴は、防滴シャッタ板21の傾斜部21b上に滴下し、この傾斜部21bから平板部21aに流れ、この平板部21aに流れた水滴が、傾斜部21bと両側の側板部21cとで囲われた部分内に溜まり、この溜まった水滴が平板部21aの前部(図9では右側部)から溢れて水滴排出部20に流れ込み、この水滴排出部20により機器本体1の外部に排出される。
この場合、水滴排出部20は、プリンタ部14の印字部14aとプラテン部14bとの間を除いて、プリンタ部14を覆うカバーケース25と機器本体1の内壁との間に設けられた排水路である。これにより、記録紙排出口17から防滴シャッタ板21上に滴下した水滴は、防滴シャッタ板21から流れ落ちる際に、プリンタ部14を回避して、水滴排出部20に流れ込み、この流れ込んだ水滴が水滴排出部20によって機器本体1の下部に導かれて、機器本体1の下部から外部に排出される。
このように、この電子レジスタによれば、機器本体1内に設けられて印刷情報を記録紙15に印刷するプリンタ部14により印刷された記録紙15を機器本体1の外部に排出するプリンタカバー13の記録紙排出口17と、この記録紙排出口17の下側に回転自在に設けられ、且つ記録紙排出口17を開閉自在に塞いで記録紙排出口17から浸入した水滴を受け止めると共に、プリンタ部14により印刷された記録紙15の排出力によって回転して記録紙15を記録紙排出口17に送り込む防滴シャッタ部18と、プリンタ部14により印刷された記録紙15を防滴シャッタ部18に誘導する記録紙誘導部19と、記録紙排出口17から防滴シャッタ部18に浸入した水滴を機器本体1の外部に導く水滴排出部20と、を備えているので、簡単な構造で、防滴性に優れたものを提供することができる。
すなわち、この電子レジスタでは、記録紙排出口17から機器本体1内に水滴が浸入すると、その水滴を防滴シャッタ部18で受け止め、この防滴シャッタ部18で受け止めた水滴を水滴排出部20によって機器本体1の外部に排出させる際に、水滴排出部20によって水滴をプリンタ部14に浸入させることがなく、プリンタ部14を回避して、良好に機器本体1の外部に排出することができ、これによりプリンタ部14の防滴性を確保することができる。
また、この電子レジスタでは、プリンタ部14で印刷情報が記録紙15に印刷されると、その印刷された記録紙15を記録紙誘導部19によって防滴シャッタ部18に誘導し、この誘導した記録紙15の排出力によって防滴シャッタ部18を回転動作させることができるので、モータなどの駆動源や特殊な駆動機構を用いずに、防滴シャッタ部18を回転させて記録紙15を記録紙排出口17から良好に排出させることができる。
このため、この電子レジスタでは、モータなどの駆動源や特殊な駆動機構を用いていないため、構造が簡単で、防滴シャッタ部18と水滴排出部20とによって防滴性を確保することができると共に、防滴シャッタ部18と水滴排出部20とが機器本体1の外部に露出していないため、機器本体1の外観を損なうことがないばかりか、防滴シャッタ部18および水滴排出部20に物がぶつかって破損する恐れがないので、耐衝撃性および耐久性の向上を図ることができる。
この場合、防滴シャッタ部18は、記録紙排出口17を開閉自在に塞ぐ防滴シャッタ板21と、この防滴シャッタ板21をその重心位置付近において回転自在に支持する支持軸22とを備え、この支持軸22を中心に防滴シャッタ板21がその微妙な重量バランスによって記録紙排出口17を閉じる方向に向けて回転する構成であることにより、防滴シャッタ板21を記録紙排出口17の下側に確実に配置させて記録紙排出口17を良好に塞ぐことができると共に、印刷された記録紙15の排出力によって確実に且つ良好に防滴シャッタ板21を回転させて記録紙15を送り出すことができる。
すなわち、防滴シャッタ板21は、その重心位置付近において支持軸22に回転自在に支持されているので、この支持軸22を中心に防滴シャッタ板21をその微妙な重量バランス、つまり防滴シャッタ板21の僅かな重量の差によって、記録紙排出口17を閉じる方向に向けて回転させることができる。このため、防滴シャッタ板21は、支持軸22を中心に軽い力で回転するので、プリンタ部14で印刷された記録紙15の排出力である僅かな押上げ力によって、支持軸22を中心に防滴シャッタ板21を確実に且つ良好に回転させることができ、これにより記録紙15を記録紙排出口17に円滑に且つ良好に送り込むことができる。
また、この電子レジスタでは、記録紙誘導部19が、記録紙排出口17に対応する箇所における機器本体1内に位置し、防滴シャッタ板21が記録紙排出口17を閉じた状態のときに防滴シャッタ板21の先端部が接離可能に接触すると共に、防滴シャッタ板21の先端部が接触する箇所に向けてプリンタ部14により印刷された記録紙15をガイドする複数のガイドリブ24を備えているので、プリンタ部14で印刷された記録紙15を複数のガイドリブ24によって防滴シャッタ板21の先端部と複数のガイドリブ24との間に向けて確実に且つ良好にガイドすることができる。
この場合、複数のガイドリブ24は、防滴シャッタ板21が記録紙排出口17を閉じた状態のときに、防滴シャッタ板21の先端部が接離可能に接触することにより、防滴シャッタ板21を記録紙排出口17の下側に対応させた状態で確実に且つ安定した状態で位置規制することができ、これにより記録紙排出口17から機器本体1内に水滴が浸入しても、その水滴を防滴シャッタ板21によって確実に受け止めることができる。
また、この電子レジスタでは、防滴シャッタ板21が、平板部21aの端部に傾斜部21bを記録紙排出口17に向けて傾斜させて設け、この傾斜部21bを記録紙排出口17の下側に位置させた状態で、傾斜部21bの先端部をガイドリブ24に接離可能に接触させる構成であることにより、防滴シャッタ板21を記録紙排出口17の下側に対応させた際に、防滴シャッタ板21の傾斜部21bを確実に記録紙排出口17の下側に位置させることができ、これにより記録紙排出口17から機器本体1内に水滴が浸入しても、その水滴を防滴シャッタ板21の傾斜部21bによって確実に受け止めて平板部21a側に良好に流すことができる。
この場合、記録紙誘導部19は、防滴シャッタ板21の傾斜部21bが接離可能に接触する複数のガイドリブ24と、この複数のガイドリブ24に接離可能に接触する防滴シャッタ板21の傾斜部21bとを備えた構成であることにより、プリンタ部14で印刷された記録紙15を複数のガイドリブ24と防滴シャッタ板21の傾斜部21bとのいずれかによって、確実に且つ良好に防滴シャッタ板21の傾斜部21bと複数のガイドリブ24との間にガイドすることができ、これにより印刷された記録紙15の排出力によって確実に且つ良好に防滴シャッタ板21を回転させて記録紙15を送り出すことができる。
すなわち、この記録紙誘導部19では、プリンタ部14で印刷された記録紙15を複数のガイドリブ24によって防滴シャッタ板21の傾斜部21bと複数のガイドリブ24との間にガイドすることができると共に、プリンタ部14で印刷された記録紙15を防滴シャッタ板21の傾斜部21bによっても防滴シャッタ板21の傾斜部21bと複数のガイドリブ24との間にガイドすることができる。このため、プリンタ部14で印刷された記録紙15を確実に且つ良好に防滴シャッタ板21の傾斜部21bと複数のガイドリブ24との間にガイドすることができる。
さらに、この電子レジスタでは、記録紙排出部が、プリンタ部14の上方に位置する機器本体1上に傾斜した状態で配置されたプリンタカバー13と、プリンタ部14に対応するプリンタカバー13の箇所に設けられた記録紙排出口17とを備えているので、プリンタカバー13の上面に滴下した水滴は、記録紙排出口17を除いて、プリンタカバー13の傾斜に沿って速やかに流れるので、プリンタカバー13の上面に滴下した水滴を機器本体1の外部に良好に且つ確実に排出することができる。
この場合、記録紙誘導部19の複数のガイドリブ24は、図7に示すように、その各前端面24aがプリンタカバー13の下面に対する角度(θ1)を、プリンタカバー13の下面に対する鉛直方向の直線(S)の角度(θ2)よりも少し小さく形成し、且つプリンタカバー13の下面に対する角度(θ1)を90度よりも少し大きく形成しても、図12に示すように、プリンタカバー13を成形する成型用金型26によって容易に成形することができる。
すなわち、この成型用金型26は、上金型27と下金型28とを備え、そのパーティングラインPLをプリンタカバー13の下面に沿って設定し、上金型27に記録紙排出口17を形成する第1形成突起部27aを設けると共に、この突起部27aに第2形成突起部27bをガイドリブ24の前端面24aに対応させて設けることにより、複数のガイドリブ24の各前端面24aがプリンタカバー13の下面に対する角度(θ1)を90度よりも少し大きく形成しても、成型用金型26によってプリンタカバー13に複数のガイドリブ24を確実に且つ良好に形成することができる。
なお、上述した実施形態では、複数のガイドリブ24の各前端面24aがプリンタカバー13の下面に対する角度(θ1)を90度よりも少し大きく形成した場合について述べたが、必ずしもプリンタカバー13の下面に対するガイドリブ24の前端面24aの角度(θ1)を90度よりも少し大きく形成する必要はなく、例えばプリンタカバー13の下面に対するガイドリブ24の前端面24aの角度(θ1)を90度よりも小さく形成しても良い。
このようにガイドリブ24を形成すれば、プリンタカバー13を成型する際に、ガイドリブ24の前端面24aに対する金型の抜き勾配を考慮する必要がなく、上述した実施形態の金型のような第2形成突起部を設ける不要ないため、金型の形状がシンプルなり、金型を容易に製作することができると共に、金型を安価に製作することができる。
また、上述した実施形態では、電子レジスタに適用した場合について述べたが、必ずしも電子レジスタに適用する必要はなく、例えばコピー機や、携帯情報端末機、あるいは現金自動払機など、プリンタ部を有する電子機器に広く適用することができる。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明は、これに限られるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲を含むものである。
以下に、本願の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
(付記)
請求項1に記載の発明は、機器本体と、この機器本体内に設けられて印刷情報を記録紙に印刷するプリンタ部と、このプリンタ部により印刷された記録紙を前記機器本体の外部に排出する記録紙排出部と、前記記録紙排出部の下側に回転自在に設けられ、且つ前記記録紙排出部を開閉自在に塞いで前記記録紙排出部から浸入した水滴を受け止めると共に、前記プリンタ部により印刷された前記記録紙の排出力によって回転して前記記録紙を前記記録紙排出部に送り込む防滴シャッタ部と、前記プリンタ部により印刷された前記記録紙を前記防滴シャッタ部に誘導し、この誘導した前記記録紙の排出力によって前記防滴シャッタ部を回転動作させるための記録紙誘導部と、前記記録紙排出部から前記防滴シャッタ部に浸入した水滴を前記プリンタ部から回避させて前記機器本体の外部に導く水滴排出部と、を備えていることを特徴とする電子機器である。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電子機器において、前記防滴シャッタ部は、前記記録紙排出部を開閉自在に塞ぐ防滴シャッタ板と、この防滴シャッタ板をその重心位置付近において回転自在に支持する支持軸とを備え、この支持軸を中心に前記防滴シャッタ板がその微妙な重量バランスによって前記記録紙排出部を閉じる方向に向けて回転することを特徴とする電子機器である。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の電子機器において、前記記録紙誘導部は、前記記録紙排出部に対応する箇所における前記機器本体内に位置し、前記防滴シャッタ部が前記記録紙排出部を閉じた状態のときに前記防滴シャッタ部が接離可能に接触すると共に、前記防滴シャッタ部が接触する箇所に向けて前記プリンタ部により印刷された前記記録紙をガイドするガイドリブを備えていることを特徴とする電子機器である。
請求項4に記載の発明は、請求項2〜請求項4のいずれかに記載の電子機器において、前記防滴シャッタ板は、平板部の端部に傾斜部が前記記録紙排出部に向けて傾斜して設けられ、この傾斜部が前記記録紙排出部の下側に位置した状態で、前記傾斜部の先端部が前記ガイドリブに接離可能に接触する構成であることを特徴とする電子機器である。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の電子機器において、前記記録紙誘導部は、前記防滴シャッタ板の前記傾斜部が接離可能に接触する前記ガイドリブと、このガイドリブに接離可能に接触する箇所に向けて前記プリンタ部により印刷された前記記録紙をガイドする前記防滴シャッタ板の前記傾斜部とを備えていることを特徴とする電子機器である。