JP6035596B2 - 電動機の回転子及び電動機並びに洗濯機 - Google Patents

電動機の回転子及び電動機並びに洗濯機 Download PDF

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Description

本発明は、洗濯機等に使用される電動機の回転子、及びこの回転子を備えた電動機、並びにこの電動機を備えた洗濯機に関する。
一般に洗濯機等に使用される電動機として、ブラシレス電動機がある。例えば、下記特許文献1に示す従来の電動機の回転子は、鋼板を積層してなる回転子鉄心と、この回転子鉄心の周囲に配設したリング状の永久磁石とを有し、この永久磁石を回転子鉄心の表面に接着剤で固定することが開示されている。また、この特許文献1には、永久磁石をフェライトで構成することも記載されている。
特開平11−252975号公報
しかしながら、従来の電動機の回転子は、永久磁石を接着剤で回転子鉄心と固定するものであるため、永久磁石の回転子鉄心への組み付け作業に困難を伴う場合があった。
本発明の目的は、磁石部を回転子鉄心へ組み付ける際の作業性を向上させた電動機の回転子、及びこの回転子を備えた電動機、並びにこの電動機を備えた洗濯機を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明は、固定子との励磁作用により回転力を発生する磁石部と、電磁鋼板を積層してなる回転子鉄心、を備えた電動機の回転子において、前記磁石部は、リング状に成形され、かつ、その内周面に軸方向へ延びるリブが設けられ、前記リブは、軸方向について、一端側のリブ大部が他端側のリブ小部よりも高く形成されており、前記回転子鉄心の外周面に軸方向へ延びる複数種類の溝部が設けられ、前記複数種類の溝部は、前記リブ大部が対応して組み込まれる大溝部と、前記リブ小部が対応して組み込まれる小溝部とからなり、前記複数種類の溝部には前記リブが嵌挿されており、前記複数種類の溝部に弾性接着剤が充填されている。また、このような回転子を、洗濯機等で使用される電動機に適用した。
本発明によれば、磁石部を回転子鉄心へ組み付ける際の作業性を向上させた電動機の回転子、及びこの回転子を備えた電動機、並びにこの電動機を備えた洗濯機を提供できる。また、磁石部と回転子鉄心との間の位置ずれを防止することも可能である。
本発明による電動機の回転子の実施例を示す平面図である。 図1のA−A線断面図である。 本発明による電動機の回転子の実施例を示す下面図である。 実施例の回転子に用いられる永久磁石リングの断面図である。 実施例の回転子に用いられる永久磁石リングの下面図である。 実施例の回転子に用いられる回転子鉄心モールドの下面図である。 実施例の回転子に用いられる回転子鉄心モールドの断面図である。 実施例の回転子に用いられる回転子鉄心の半断面図である。 実施例の回転子に用いられる回転子鉄心の平面図である。 実施例の回転子において回転子鉄心を構成する電磁鋼板15の平面図である。 実施例の回転子において回転子鉄心を構成する電磁鋼板16の平面図である。 実施例の回転子において回転子鉄心を構成する電磁鋼板17の平面図である。 実施例の回転子において回転子鉄心を構成する電磁鋼板18の平面図である。 実施例の回転子において回転子鉄心を構成する電磁鋼板19の平面図である。 実施例の回転子における回転軸支持板の平面図である。 実施例の回転子における回転軸支持板と回転子鉄心の組合せ構造を示す斜視図である。 実施例の回転子において積層した電磁鋼板を結合する結合ポンチ部の拡大断面図である。 本発明による電動機の回転子の実施例を示す斜視図である。 本発明による回転子が組み込まれる電動機の構成例を示す断面図である。 本発明による回転子が組み込まれた電動機を備えた洗濯機の例を示す構成図である。 本発明による電動機の回転子の実施例を示す分解斜視図である。
以下、図面を参照しながら本発明の実施例について詳細に説明する。
先ず、本実施例が適用される電動機の構成を図19で簡単に説明する。この電動機30は、回転軸34に結合される回転子1と、この回転子1の外周面に対向して固定配置される固定子32と、を有して構成される。回転子1には、回転子鉄心2の外径側に永久磁石リング3が取り付けられ、一方固定子32には電磁コイル32aが巻装されている。そして、この電磁コイル32aと回転子1の永久磁石リング3との間の電磁作用によって固定子32に対し回転子1が回転し、これと一体に回転軸34が回転駆動される。
本実施例は、このような電動機30に用いられる回転子1の構造に係るものである。
図1及び図2に示すように、本例の回転子1は、回転子鉄心2、永久磁石リング3、回転軸支持板4、冷却ファン5、ネジ6、合成樹脂部8、接着剤7を有して構成される。ここで、回転子鉄心2と回転軸支持板4は、合成樹脂部8に埋め込まれるように合成樹脂部8と一体にモールド成形されて回転子鉄心モールド9を構成する。回転子鉄心モールド9の合成樹脂部8には、冷却ファン5をネジ6で固定するためのネジボス10も同時に成形される。
回転子鉄心モールド9の回転子鉄心2の外周には、複数の溝部11が形成され、これは相手側である永久磁石リング3の内周に形成される複数のリブ12と組み合わされ、回転子鉄心2と永久磁石リング3との間の位置ずれを防止している。そして、回転子鉄心モールド9の外周の溝部11に接着剤7を充填し、永久磁石リング3の内周を嵌め込んだ後、冷却ファン5を回転子鉄心モールド9の開口部側から組み込み、冷却ファン5の内径側に設けた取付部13を回転子鉄心モールド9のネジボス10にあわせて、ネジ6にて固定し回転子1を構成する。冷却ファン5のフィン14は、電動機から回転子1を取り外す際に治具で挟んで引き出すことができる。
回転子鉄心2は、図8〜図14に示すように多数枚の電磁鋼板を積層して形成される。ここで、回転子鉄心2を構成する電磁鋼板としては、図10、図11、図12、図13、図14に示すような5種類の電磁鋼板が用いられる。すなわち、回転子鉄心2の一端部に位置する、磁石の延長部としての第1の電磁鋼板15(図10)と、この延長部と隣り合って位置して接着剤7の流出を防止しつつ、回転軸支持板4と対向する第2の電磁鋼板16(図11)と、外径側に永久磁石リング3のリブ形状に対向した小溝部20を有し、回転軸支持板4と対向する第3の電磁鋼板17(図12)と、外径側に永久磁石リング3のリブ形状に対向した小溝部20を有する、主部としての第4の電磁鋼板18(図13)と、外径側に永久磁石リング3のリブ形状に対向した大溝部21を有する、主部としての第5の電磁鋼板19(図14)と、を積層して回転子鉄心2が構成される。
延長部としての第1の電磁鋼板15は、永久磁石リング3の延長分に合わせて枚数が決まる。回転軸支持板4と対向する、第2の電磁鋼板16及び第3の電磁鋼板17は、回転軸支持板4との連結で大きな力が加わるので、複数枚を必要とする。回転子鉄心2におけるその他の部分は、多数枚の第4の電磁鋼板18と第5の電磁鋼板19で占められる。
ここで、各電磁鋼板の内周側の形状について説明する。まず、第1の電磁鋼板15の内周側は、径大な略円形を有する。次に、第2の電磁鋼板16及び第3の電磁鋼板17の内周側は、共に回転軸支持板4と対向し、かつ凹凸を有する略同じ形状となっている。そして、第4の電磁鋼板18及び第5の電磁鋼板19の内周側は、径大な略円形が形成されており、第2の電磁鋼板16及び第3の電磁鋼板17の内径より大きく構成されている。
回転軸支持板4と対向する第2の電磁鋼板16及び第3の電磁鋼板17のうち、小溝部20を有する第3の電磁鋼板17は、同じく小溝部20を有する第4の電磁鋼板18とは外周側が同じ形状に形成されている。そして、第3の電磁鋼板17及び第4の電磁鋼板18の小溝部20と、第5の電磁鋼板19の大溝部21は、それぞれ複数枚にて、回転子鉄心2の回転方向に沿って、軸方向に段階的にのびる溝11を構成している。この溝11に対して、永久磁石リング3のリブ12が嵌挿することになる。
このリブ12は、軸方向にテーパが設けられ、一端側が他端側よりも高く、すなわち、小円筒部26側のリブ高さの方が反小円筒部26側のリブ高さよりも大きくなっている。具体的には、図4に示す通り、リブ大部22とリブ小部23が軸方向に連続的に形成されている。永久磁石リング3のリブ大部22は、回転子鉄心2の大溝部21と対応して組み込まれる一方で、このリブ大部22と連続して形成されるリブ小部23は、回転子鉄心2の小溝部20と対応して組み込まれる。
また、永久磁石リング3と回転子鉄心モールド9は接着剤7により固定される。具体的な作業手順としては、まず回転子鉄心モールド9に設けられた複数本の溝部11に接着剤7を充填したのち、永久磁石リング3を挿入し、接着固定する。接着剤7としては一例として、シリコン接着剤を使用するが、その種類や材質は特にこれに限定されるものではない。
回転子鉄心2の溝11を二種類設ける理由としては、永久磁石リング3のリブ12の形状に対応させるためである。例えば、大溝部21のみで構成した場合には、リブ小部23との間に形成される接着剤7の充填空間が過剰に確保されるため、接着剤7の使用量が無駄になり、経済的ではない。また、過剰に充填すると、永久磁石リング3の回転方向における、衝撃効果が過大となり具体的には柔らかくなり過ぎるため、電動機として動作上好ましくない。
図17に示す通り、第1の電磁鋼板15、第2の電磁鋼板16、第3の電磁鋼板17、第4電磁鋼板18及び第5の電磁鋼板19が積み重なって形成される回転子鉄心2は、各電磁鋼板に形成した結合ポンチ24が互いに結合し合うことで、一体の回転子鉄心2を形成している。このように回転子鉄心2が一体となることで、各電磁鋼板がバラバラになることが無く、取り扱い易い。また、この回転子鉄心2は、合成樹脂部8に埋め込まれるようにモールド成形されるが、予め一体になっているので丈夫である。
この回転子鉄心2の各電磁鋼板の結合ポンチ24の外径側には、半径方向に深さ0.5mm以下の凹部が設けられているため、結合ポンチ24を打つことで外周面が外径側に膨れても、その出張りにより相手側の永久磁石リング3の内径側に組み込めなくなる不具合を解消できる。同時に、この凹部にも溝部11と同様に接着剤7を充填させ、固定子鉄心モールド9と永久磁石リング3の締結強度を向上されることも可能である。
以下、本実施例における回転子1の永久磁石リング3の構造について、詳細に説明する。
永久磁石リング3は、図4及び図5に示すように大小二つの円筒をつなぎ合わせた形状を有する。ここで、大円筒部25は、固定子32側の巻線磁界と吸引反発作用を繰り返し電動機としての回転力を発生する部分である。後述するが、本実施例は、洗濯機のメインモータに使用される電動機の回転子を想定しているため、永久磁石リング3、具体的には大円筒部25の外径寸法は、φ60mmを超える比較的大型の磁石となっている。また、小円筒部26は、回転子1の位置検知センサー用であり、具体的には位置検知センサーのひとつであるホールIC(図示せず)がこの部分の磁束を検知し回転子1の位置情報を得るものである。
永久磁石リング3は、金型の中で、放射状すなわちラジアル方向に、弱い磁場配向が施された状態で成形が行われ、回転子鉄心モールド9へ組込み後に着磁ヨーク(図示せず)により、ラジアル方向に着磁される。また、周方向に磁石が極分割され、所望の極数を形成している。
位置検知用磁石部を形成する小円筒部26は、位置検知センサー37の感知に必要な磁束量が、電動機用磁石部を形成する大円筒部25よりも少なくて済むため、小さくしており、高価な磁石材料の使用量を低減することができる。
ここで、大円筒部25と小円筒部26との接続部は成形後の応力が集中しやすく、必要強度を持たせるために、図4のように、特に外周側の接合部27にRの肉付け処理を施し、強度向上を図っている。
更に、永久磁石リング3の大円筒部25の内径側にはリブ12が形成され、これが回転子鉄心2に設けられた溝11と嵌合することで、永久磁石リング3の組み付け作業を容易とするだけでなく、永久磁石リング3と回転子鉄心2との間の空転防止の役割を果たしている。このとき、大円筒部25のリブ12と回転子鉄心2との間には、接着剤7が充填されているので、より強固に固定されることになる。この接着剤7の一例としては、シリコンなどの弾性接着剤が好ましく、これにより回転変動時の永久磁石リング3と回転子鉄心2のガタつきを抑制できる。
また、永久磁石リング3の大円筒部25と小円筒部26の各内外径の関係は、大円筒部25の外径は小円筒部26の外径より大きく、大円筒部25の内径は小円筒部26の内径より大きくなっている。
そして、永久磁石リング3の小円筒部26には、内外径の両側に3°以上の角度の抜き勾配が設けられており、これにより成形後の金型からの離型が容易となり、永久磁石リング3に必要以上の無駄な応力を掛ける心配もない。
永久磁石リング3の成形時における樹脂の注入は、図4に示すように小円筒部26側の軸方向端面から行う。一方、大円筒部25側の軸方向端面には、約φ4の突き出しピン(図示せず)を成形金型内に装着して樹脂を押さえつつ、この突き出しピンの周縁部に設けた切欠きから、成形時に発生するガスを排出する。その結果、樹脂成形後には、図5に示すように、大円筒部25側の端面に、突き出しピン当接跡28が形成されることになる。
ここで、樹脂注入口46の数は、突き出しピン当接跡28の数以下となっており、樹脂注入口46の軸方向反対側には突き出しピン当接跡28が位置するように構成されている。
また、永久磁石リング3の樹脂注入口46の数と、永久磁石リング3の着磁極数との関係は、着磁極数をPとすると、樹脂注入口46の数はPあるいはP/2であることが好ましい。その理由としては、樹脂注入口46間のほぼ中間位置に形成されるウェルドラインと周方向の磁極境界との関係が周方向にわたり均一と成るので、機械強度的および磁気的なアンバランスが生じにくくなるためである。
一方、永久磁石リング3の突き出しピン当接跡28の数と、永久磁石リング3の着磁極数との関係は、磁石極数をPとすると、突き出しピン当接跡28の数はPあるいはP×2であることが、機械強度的に好ましい。この突き出しピン当接跡28は、略円形で深さ1mm以下の凹部で形成されているが、その位置は、大円筒部28の内径側に設けた空転防止のためのリブ12の場所と対応しているので、永久磁石リング3に回転子鉄心モールド9の溝部11をあわせて嵌め込む時に目印となり、組み立て作業が容易となる。
尚、突き出しピン当接跡28の数がP×2であるときには、リブ12と対応する位置にある突き出しピン当接跡28の凹部に、識別のマークを付することで、組み立て作業性を向上させても良い。この識別マークは、例えば、型の浮出し文字や記号で形成しても良いし、また成形後にホワイトペンなどでペイントしても良く、つまり識別できれば特別な方法に限られるものではない。
永久磁石リング3は、回転子モールド9と接着剤7にて固定後、着磁ヨークにて着磁が行われるが、その着磁極数は、大円筒部25と小円筒部26とで同じ極数となる。また、周方向の極切り替わり部の境界線は、大円筒部25と小円筒部26は同時着磁により同一となるため、磁極検知すなわち回転子の位置検知が正確に行われ、よってモータ制御精度が向上する。
永久磁石リング3は、径方向の厚さ寸法を半分に分けるようにN極とS極の着磁が施されており、このN極とS極が回転子鉄心モールド9の回転軸心を通る放射方向線に沿って内外方向に並ぶように永久磁石リング3は着磁する。また、永久磁石リング3の着磁は、大円筒部25および小円筒部26ともに、周方向の隣接間では磁極の並びが逆になるように着磁される。
ここで、永久磁石リング3は、磁石材料として異方性サマリウム鉄窒素の粉末を用い、樹脂バインダーとしてポリアミド樹脂を混練し、円筒状に成形したものである。そして、回転子鉄心2の外径側に配置され固定子との励磁作用により回転力を発生する電動機用磁石部と、回転子の回転位置を検知するための位置検知用磁石部とが、一体かつリング状に成形される。このように、電動機用磁石部と位置検知用磁石部とを一体に設けたので、部品点数が削減され、組み立て作業性も向上する。磁石がリング状であるため、電動機の回転に伴い発生する振動を低減することが可能である。
そして、位置検知用磁石部を形成する小円筒部26は、電動機用磁石部を形成する大円筒部25よりも内径及び外径が小さいので、位置検知用磁石部も大径とした場合と比べて、磁石の使用量が全体として少量で済む。また、この小円筒部26は、回転力を発生する目的で設けたものではないため、その径方向寸法すなわち厚さも、大円筒部25より小さくでき、結果として、磁石の使用量を更に低減することが可能となる。
尚、防錆処理については、モータの使用環境を考慮した上で必要に応じて、エポキシ系やその他種類の塗布、塗装を行う。特性についても磁石量の調整と寸法を見直すことで、従来のネオジム焼結磁石と同等の性能を確保できる。
回転子モールド9の回転子鉄心2を永久磁石リング3に挿入する時、回転子鉄心2の磁石側端部は、永久磁石リング3の大円筒部25の内径側に設けた段部29(図4参照)がストッパとなり、軸方向の位置きめを行っている。この回転子鉄心2の外径寸法は、小円筒部26の径方向のN極とS極の着磁境界よりも小さいので、磁気の流れ易い回転子鉄心2の電磁鋼板の端部を介して磁束が短絡してしまうことがない。このため、位置検知センサー部である小円筒部26の、N極とS極の周方向における着磁比率をあらわす着磁デューティが乱れず、回転子1の位置制御精度が保たれ電動機としての性能が損なわれない。
最後に、図21に示す通り、永久磁石リング3の小円筒部26側から、樹脂成形した冷却ファン5を軸方向に組み込み、ネジ6にて締付固定することにより、回転子1が完成する(図18参照)。ここで、冷却ファン5の円盤部42の永久磁石リング3側は、永久磁石リング3の内径側に設けられたリブ12の軸方向端に位置する当接部43に突き当てることにより、軸方向の動きを抑制しながら、冷却ファン5と回転子鉄心モールド9をネジ6にて固定できるので、組み付け作業が容易となる。尚、この冷却ファン5の円盤部42の外径は、永久磁石リング3の内径に設けられた複数のリブ大部22の内径側先端を円で結んだ内径よりも大きい。
また、冷却ファン5のフィン14は横から見ると階段状を成し、電動機として組み立てた際に、位置検知センサー37と一定の空隙をもって回避する形状としている。この冷却ファン5のフィン14は、回転子1を固定子32に組み込む時や、逆に取り外す時などペンチなどの工具類で掴み易い形状としているので、組立作業性が良い。
更に、この冷却ファン5のフィン14は、図18に示す通り、内径側に設けた円筒状のリブ44で連結されているので、ペンチなどの工具類でつかんでも壊れない強度を確保している。この円筒状リブ44の内径は、回転子1を固定するナット45の最大外径よりも大きくしているので、ナット45を組み込む際、邪魔にならず作業性が良い。
また、2枚のフィン14を連結する円筒状リブ44が、回転軸に対して略180度の対称となる位置に設けられている一方、各円筒状リブ44から略90度の中間部となる位置には空間が設けられている。このため、回転子1を固定子32に組み込む際に手の指でナット45をもち、固定子32側の軸34に装填するが、このとき指を空間に入れられるので、作業性が高い。
尚、冷却ファン5は、図2のように、取り付け部13を回転子鉄心モールド9のボス部10に合わせてネジ6にて固定する。ネジ6の固定本数は、本例では4本使用しているが、軸方向の必要強度が得られるならば、本数は減らしても良い。周方向のピッチは、回転時のアンバランスを考慮すると等間隔にすることが好ましい。
回転子鉄心モールド9は、図6と図7に示すように、回転軸支持板4は、合成樹脂部8により回転子鉄心2と一体にモールド成形されて結合される。この回転軸支持板4は鋼板で形成され、図15に示す如く中心部には電動機の回転軸と結合する結合孔4dを有し、外周には凹部4aと凸部4b、4cが形成されている。ここで、凸部4b、4cはそれぞれ対称的に突出形成されており、凸部4bが凸部4cよりも大きく突出して形成されている。
一方、回転子鉄心2において回転軸支持板4と対向する第2の電磁鋼板16及び第3の電磁鋼板17は、内周側に凹凸を有する。すなわち、図11に示すように、第2の電磁鋼板16の内周には凹部16aと凸部16bが交互に設けられ、図12に示すように、第3の電磁鋼板17の内周にも凹部17aと凸部17bが設けられている。ここで、第2の電磁鋼板16の凹部16aと第3の電磁鋼板17の凹部17a、第2の電磁鋼板16の凸部16bと第3の電磁鋼板17の凸部17bは、略同一サイズ、略同一形状に形成されている。このため、第2の電磁鋼板16と第3の電磁鋼板17の積層によって、図9に示すように、凹部16aと17a、凸部16bと17bが重なる状態となる。
合成樹脂部8内において回転軸支持板4と回転子鉄心2とは、図16に示すように組み合わされる。すなわち、第2の電磁鋼板16の凹部16aと電磁鋼板17の凹部17aに、回転軸支持板4の凸部4bが入り込む状態で回転軸支持板4と回転子鉄心2とが組み合わされる。
合成樹脂部8により一体にモールド成形された回転子1は、回転子鉄心2の凹部16a、17aと回転軸支持板4の凸部4b、4cとの間に合成樹脂が充填されて、強い結合構造になる。特に、回転子鉄心2の凹部16a、17aと回転軸支持板4の凸部4bとの間に充填された合成樹脂層の部分には、圧縮力の作用しか働かないので、丈夫な結合構造を提供できる。また、回転軸支持板4と回転子鉄心2とは合成樹脂部8を介して電気的に絶縁されているので、回転軸から回転子鉄心2を電気的に分離させることが可能となる。
図19は、本発明による回転子1が組み込まれる電動機の構成例を示す。この電動機30は例えば洗濯機に用いられるもので、減速機構31と一体にユニット化されている。ここで電動機30は、上述した回転子1、固定子32、ハウジング33、回転軸34、エンドブラケット35、軸受部36、位置検知センサー37を有して構成される。ハウジング33は固定子32を内側に固定し、回転軸34はエンドブラケット35に設けた軸受部36に回転自在に支持され、回転子1の回転軸支持板4に結合される。固定子32は、回転子1の外周面に対向して配置され、この固定子32に巻装される電磁コイル32aと回転子1の永久磁石リング3との間の電磁作用によって固定子32に対し回転子1が回転し、これと一体に回転軸34が回転駆動される。
位置検知センサー37は、永久磁石リング3の位置検知センサー用である小円筒部26の内周側に対向するように配置され、小円筒部26の内周側の磁気を感知して回転子1の回転位置を検知するものである。ここで位置検知センサー37は小円筒部26の内周側に位置するので、位置検知センサー37への電磁コイル32aからの磁束の影響が少なく抑えられ、正確な位置検知が可能となる。
電動機の回転軸34は、減速機構31の入力側に噛み合わされる。減速機構31の入力側は遊星歯車を有し、回転軸34に形成したピニオンが噛み合わされる。減速機構31の出力側には、洗濯機駆動軸38が設けられる。この洗濯機駆動軸38は減速機構31の内側軸受部39に回転自在に支持され、回転子1の回転がこの洗濯機駆動軸38から減速して出力される。さらに洗濯機駆動軸38の外側には中空回転軸40が設けられる。この中空回転軸40は減速機構31のケース41に結合され、回転軸34と一体に回転して回転子1の回転を減速せずに出力するものである。
このような電動機を備えた洗濯機の構成例を図20に示す。この洗濯機は、筐体50の内部にサスペンション51を介して懸架支持される水槽52と、この水槽52の内部に回転可能に配置され、洗濯物が投入される洗濯槽53と、この洗濯槽53内の底部に配置され、洗濯槽53内の洗濯物を攪拌する回転翼54と、を有して構成されており、この洗濯機において水槽52の底部に設けられた固定板55に、図19に示した電動機30が取り付けられている。
そして、この電動機30の出力軸である洗濯機回転軸38が回転翼54に連結されると共に、中空回転軸40が洗濯槽53に連結されている。従って、この洗濯機では、洗濯時には電動機30の回転子1の回転が減速機構31を介して減速されて回転翼54に伝達され、これによって回転翼54が回転して洗濯槽53内の洗濯物を攪拌する洗濯動作が行われると共に、脱水時には電動機30の回転子1の回転が減速されずに洗濯槽53に伝達されて洗濯槽53が高速回転して脱水動作が行われる。この動作の切り換えは、電動機に備えられるクラッチ機構によって行われる。
尚、上述の実施例では、回転子鉄心モールド9の回転子鉄心2の外周面に溝部11を形成し、永久磁石リング3の内周面にリブ12を形成したが、これに限らない。すなわち、回転子鉄心2の外周面に軸方向へ延びる鉄心側係合部を設け、永久磁石リング3の内周面に軸方向へ延びる磁石側係合部を設け、鉄心側係合部と磁石側係合部によって周方向の動きが係止される構成であっても、空転を防止する機能を果たすことは可能である。ただし、回転子鉄心2の外周面に凸部を形成し、永久磁石リング3の内周面に凹部を形成する構成と比べて、回転子鉄心2の外周面に凹部を形成し、永久磁石リング3の内周面に凸部を形成する構成の方が、磁力の強さを高く維持できるので、より望ましい。
1 回転子
2 回転子鉄心
3 永久磁石リング
4 回転軸支持板
5 冷却ファン
6 ネジ
7 接着剤
8 合成樹脂部
9 回転子鉄心モールド
10 ネジボス
11 溝部
12 リブ
13 取付部
14 フィン
15、16、17、18、19 電磁鋼板
20 小溝部
21 大溝部
22 リブ大部
23 リブ小部
24 結合ポンチ
25 大円筒部
26 小円筒部
27 接合部
28 突き出しピン当接跡
29 段部
30 電動機
31 減速機構
32 固定子
32a 電磁コイル
33 ハウジング
34 回転軸
35 エンドブラケット
36 軸受部
37 位置検知センサー
38 洗濯機駆動軸
39 内側軸受部
40 空回転軸
41 ケース
42 円盤部
43 当接部
44 円筒状リブ
45 ナット
50 筐体
51 サスペンション
52 水槽
53 洗濯槽
54 回転翼

Claims (6)

  1. 固定子との励磁作用により回転力を発生する磁石部と、電磁鋼板を積層してなる回転子鉄心、を備えた電動機の回転子において、
    前記磁石部は、リング状に成形され、かつ、その内周面に軸方向へ延びるリブが設けられ、
    前記リブは、軸方向について、一端側のリブ大部が他端側のリブ小部よりも高く形成されており、
    前記回転子鉄心の外周面に軸方向へ延びる複数種類の溝部が設けられ、
    前記複数種類の溝部は、前記リブ大部が対応して組み込まれる大溝部と、前記リブ小部が対応して組み込まれる小溝部とからなり、
    前記複数種類の溝部に前記リブが嵌挿されており
    前記複数種類の溝部に弾性接着剤が充填されていることを特徴とする、電動機の回転子。
  2. 請求項1において、
    前記磁石部は、サマリウム鉄窒素を用いて成形したことを特徴とする、電動機の回転子。
  3. 請求項1において、
    前記リブは、軸方向について、一端側の方が他端側よりも高く形成されていることを特徴とする、電動機の回転子。
  4. 請求項1において、
    前記リブの本数と、前記磁石部の周方向の着磁極数が同じであることを特徴とする、電動機の回転子。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の回転子と、この回転子の周面に対向して配置される電磁コイルを有する固定子、を備えて構成される電動機。
  6. 請求項1乃至5の何れか1項に記載の電動機と、洗濯物が投入される洗濯槽と、この洗濯槽内の洗濯物を攪拌する回転翼と、を有し、前記回転子の回転を減速して前記回転翼に伝えると共に、前記回転子の回転を減速せずに前記洗濯槽に伝える機構を設けて構成される洗濯機。
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