1.第1実施形態
(1)パチンコ遊技機の構造
本発明の第1実施形態に係るパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。図1及び図2に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、枠ランプ18、スピーカ17、及び、演出ボタン28が配設された前面枠10と、前面枠10の後側に配置される内枠(遊技盤取付枠ともいう、図示せず)と、内枠の内側に配設された遊技盤2とを備え、遊技盤2には、ハンドル11の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、誘導レール12で囲まれて形成されている。遊技領域3には、遊技盤2の前面側に配される遊技盤面部材として、複数の遊技釘(図示せず)、遊技用風車(図示せず)、ゲート8の他、各入賞口(第1始動口51a、第2始動口51b、大入賞口71、及び普通入賞口91)を構成する入賞装置(第1始動入賞装置50、第2始動入賞装置52、大入賞装置70、及び普通入賞装置90)が配設されている。
ここで、本明細書中、上下方向および左右方向は、図1に示す遊技盤2の表面側(遊技領域3側)を基準とし、また、前後方向は、遊技盤2の表面側(遊技領域3側)を前方とし、遊技盤2の裏面側を後方とする。
遊技領域3の略中央部には、液晶表示装置である画像表示器4の表示部4aが配置されている。画像表示器4は、客待ち用のデモ表示、装飾図柄変動演出、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出などを表示部4aに表示する。装飾図柄変動演出は、数字等の装飾図柄と装飾図柄以外の演出画像とにより構成されて、変動表示を経て停止表示された装飾図柄により、大当たり抽選(即ち、大当たり乱数の取得とその大当たり乱数を用いた判定)の結果を報知する演出である。この装飾図柄変動演出は、特別図柄変動に並行して行われる。また、大当たり抽選は、遊技球の第1始動口51aまたは第2始動口51bへの入賞に対して行われる。
また、遊技領域3の中央部であって画像表示器4の前方には、センター役物装置30が配置されている。センター役物装置30は、遊技盤2に前面側から取り付けられる前飾り31と、遊技盤2に裏面側から取り付けられる液晶ベース(図示せず)とを備えている。前飾り31の左部には、入口から遊技球を流入させ、出口から後述するステージ部37へ遊技球を流出するワープ部36が配設されている。前飾り31の下部には、上面を転動する遊技球を、第1始動口51aへと案内可能なステージ部37が形成されている。
また、遊技盤2には、図2に示すように、普通図柄表示器13、第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14b、普通図柄保留ランプ15、第1特別図柄保留ランプ16a、及び、第2特別図柄保留ランプ16bが配設されている。
第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14bは、それぞれ、遊技球の第1始動口51a、第2始動口51bへの入賞を契機として行われる大当たり抽選の結果を、変動表示を経て停止表示された図柄(特別図柄)により報知する(これを「特別図柄変動」という)ものである。第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14bに停止表示された図柄(特別図柄)が大当たり図柄又は小当たり図柄であれば、大入賞口71を所定回数開閉する当たり遊技が行われる。
特別図柄の変動表示中または当たり遊技中に、遊技球が第1始動口51aまたは第2始動口51bに入賞すると、メイン制御基板20(図12参照)は、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の乱数を、第1始動口51aへの入賞であれば第1保留記憶部27a(図12参照)に、第2始動口51bへの入賞であれば第2保留記憶部27b(図12参照)に、保留記憶として記憶する。そして、特別図柄変動を実行可能になったときに、記憶しておいた保留記憶に基づいて大当たりか否かの判定を行い、特別図柄変動を実行する。
第1特別図柄保留ランプ16a、第2特別図柄保留ランプ16bは、それぞれ、第1保留記憶部27a、第2保留記憶部27bに記憶されている保留記憶の個数を表示するものである。なお、第1保留記憶部27a、第2保留記憶部27bに記憶される保留記憶の個数は、それぞれ4個が上限とされているため、第1保留記憶部27aに4個の保留記憶がある状態で遊技球が第1始動口51aに入賞したときや、第2保留記憶部27bに4個の保留記憶がある状態で遊技球が第2始動口51bに入賞したときは、その入賞に対して大当たり乱数等の乱数は取得されない。
普通図柄表示器13は、ゲート8への遊技球の通過を契機として行われる普通図柄抽選の結果を、変動表示を経て停止表示される普通図柄により報知するものである。停止表示された普通図柄が当たり図柄であれば、所定時間及び所定回数、第2始動入賞装置52の開閉部材55を開く補助遊技が行われる。
普通図柄の変動表示中または補助遊技中に、遊技球がゲート8を通過すると、メイン制御基板20(図12参照)は、その通過に対して取得した当たり乱数を記憶する。そして、普通図柄の変動表示を開始可能な状態になったときに、記憶しておいた当たり乱数を用いて当たりか否かの判定を行い、普通図柄の変動表示を開始して、その判定結果を示す普通図柄を停止表示する。普通図柄保留ランプ15は、このように記憶されている当たり乱数の個数を表示するものである。なお、記憶される当たり乱数は4個が上限とされているため、4個の当たり乱数が記憶されている状態で遊技球がゲート8を通過しても、その通過に対する当たり乱数の取得は行われない。
図3に示すように、遊技盤2は、前面側に、センター役物装置30、第1始動入賞装置50、第2始動入賞装置52、大入賞装置70、普通入賞装置90、ゲート8、及び表示器配置部材34を配設させ、後面側に、スペーサ(補助板部材)39、演出装置40、及びシャッター装置110を配設させている。
遊技盤2は、透光性を有する合成樹脂(本実施形態ではアクリル樹脂)により無色透明な略矩形の板状に形成され、遊技盤2の後方を視認可能に構成されている。遊技盤2の中央部には、センター役物装置30が配置される貫通孔2aがルーター加工により形成されている。また、第1始動入賞装置50、第2始動入賞装置52、大入賞装置70、普通入賞装置90、及び、ゲート8を配置するための各貫通孔も、ルーター加工により遊技盤2に形成されている。なお、遊技盤2の前面には、誘導レール12が取着され、遊技領域3が形成されている。
第1始動入賞装置50は、遊技球の入球し易さが常時変わらない第1始動口51a(図2参照)を備える。第2始動入賞装置52は、第2始動口51b(図2参照)を備える。第2始動口51bは、開閉部材55により開閉される。開閉部材55は、第2始動口ソレノイド53(図12参照)により駆動され、開閉部材55が開いているときのみ第2始動口51bへの遊技球の入賞が可能となる。なお、第2始動入賞装置52には、遊技領域3の範囲を決める遊技領域形成部56が設けられている。遊技領域形成部56は透明な部材により構成されている。
大入賞装置70は、第1始動入賞装置50の下方に配置されるもので、大入賞口71(図2参照)と、大入賞口ソレノイド73(図12参照)により動作する開閉部材72とを備えている。大入賞口71は、開閉部材72により開閉される。
普通入賞装置90は、第1始動入賞装置50の左方および右方に配置されるもので、各普通入賞装置9に入った遊技球は、その普通入賞装置9内の普通入賞口91(図2参照)に入賞する。ゲート8は、センター役物装置30の右方に配置される。
表示器配置部材34は、遊技盤2の前面右上側に取着されて、遊技領域3の範囲を決めるとともに、上述した各種図柄表示器(普通図柄表示器13、第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14b)や保留ランプ(普通図柄保留ランプ15、第1特別図柄保留ランプ16a、第2特別図柄保留ランプ16b)を、前方から目視可能に収納するものである。
図4の二点鎖線および図3に示すように、遊技盤2の後面には、無色透明な合成樹脂製のスペーサ39が、螺子止めにより取り外し可能に取着される。スペーサ39は、左上部スペーサ39a、右上部スペーサ39b、左下部スペーサ39c、及び、右下部スペーサ39dを備え、左上部スペーサ39a、右上部スペーサ39b、左下部スペーサ39c、及び、右下部スペーサ39dによって、遊技領域3の後方側に孔39eを形成するように、遊技領域3の後方側を避けて遊技盤2の周辺部の後面側にのみ配置される。なお、孔39eは、遊技領域3に略対応した範囲に設けられている。このように遊技盤2の裏面側にスペーサ39を取り付けるのは、既製のアクリル板を利用して重量を抑えてつくられたために従来のベニヤ板製の遊技盤と比べて薄くなってしまった遊技盤2の厚みを、スペーサ39により補って、遊技盤2を図示しない内枠(遊技盤取付枠)に取付け可能とするためである。
また、図3に示すように、スペーサ39が取着された遊技盤2には、後方から、演出装置40が取り付けられ固定される。なお、遊技盤2の裏面側であって、演出装置40の下方には、図示を省略するが、後方から画像表示器4が取り付けられた液晶ベースが取り付けられ固定される。
演出装置40は、図2,5に示すように、「扉」を模した4個の装飾可動体(以下「扉ギミック」ともいう。)64と、「車」を模した移動体(以下「車ギミック」ともいう。)81とを備え、移動体(車ギミック)81を左右方向に移動させるとともに、その移動した位置に対応する装飾可動体(扉ギミック)64を動作させることにより、あたかも車が走り、停まり、ドアが開いたかのように見せるものである。なお、図2では、遊技盤2を透かして見える部分も実線で表示している。
図5に示すように、演出装置40は、固定側装置41と、移動体81とを備える。図5に示すように、固定側装置41は、下部に形成されるレール部42と、上部に形成されるギミック部60とを備える。なお、固定側装置41は、フランジ部41aをビス41b止めされることにより遊技盤2に固定される。
レール部42は、前壁43、後壁44、および底壁45を備える。前壁43、後壁44、および底壁45により、側面視略U字型のガイド凹部46が形成されている。ガイド凹部46は、移動体81を案内する通路である。前壁43の上端は、前方から見て移動体81の車輪84の上部が突出する程度の位置にある。後壁44の前面側には、左右方向に所定の間隔をあけて4個のフォトセンサ47が取り付けられている。フォトセンサ47は、各装飾可動体(扉ギミック)64に対応して設けられている。
また、底壁45の上面(床面)には、左右方向に所定の間隔をあけて3個のストッパ部48が設けられている。ストッパ部48は、前端面を上方に向かって突出させた略三角形状とする障害壁であり、移動体81が所定の推進力を有していない場合には乗り越えることができないものである。これにより、レール部42に沿って移動してきた移動体81が、後述する電動モータ88を停止させたにもかかわらず目的の位置を通り過ぎてしまうのが防止される。また、ストッパ部48の表面には、弾性変形可能なスポンジなどで構成された緩衝部材49が配されている。緩衝部材49は、レール部42に沿って移動してきた移動体81が目的の位置で停止した際に生じる衝撃を、吸収する機能を発揮する。
ギミック部60は、上壁61、下壁62を備え、上壁61と下壁62との間に、左右方向に所定の間隔をあけて「扉」を模した扉ギミック64が4個配されている。各扉ギミック64の右端部には、上下方向に沿う回動軸65が固定されており、各扉ギミック64は、回動軸65の回動に伴って回動軸65と共に回動される。回動軸65の上端部65aは、上壁61の底面側に設けられた軸受け66に挿通されている。回動軸65の下端部65b側は、図5に部分拡大図として示すように、下壁62に設けられた挿通孔67に挿通されて、下壁62よりも下方へ突出している。挿通孔67は、大径孔67aと大径孔67aより径の小さい小径孔67bとからなる。小径孔67bの径は、回動軸65の径に合わせた大きさとなっている。大径孔67aには、回動軸65に固定されたフランジ部材68が嵌合する。これにより、回動軸65が下方へ抜け落ちるのが防止されている。また、回動軸65の下端部65bには、下向きに歯が形成されたクラウンギア69が固定されている。これらの機構は、各扉ギミック64に共通である。なお、各扉ギミック64には、それぞれ異なる色が付されており、左から右へ向かって順に、「青」色の扉ギミック64A、「黄」色の扉ギミック64B、「緑」色の扉ギミック64C、「赤」色の扉ギミック64Dとなっている。
図6に示すように、移動体81は、ガイド凹部46に係合されてガイド凹部46に沿って左右に移動するものである。移動体81は、「車」を模したものであり、移動体本体(以下「シャーシ」ともいう。)82と、装飾パネル(装飾部に相当する。以下「ボディ」ともいう。)104とを備える。
移動体本体(シャーシ)82は、上方に向かって開口した略箱体形状とされている。シャーシ82には、前後方向に沿って延びる2つのシャフト83が、左右方向に(移動体81の移動方向に)所定距離をあけて嵌挿されている。各シャフト83の前端および後端には、車輪84が固定されている。
シャーシ82の後面(後方側の外側面)からは、遮蔽板部85が後方へ向かって突設されている。遮蔽板部85は、レール部42に配設されたフォトセンサ47の発光部と受光部との間に入って発光部からの光を遮断するものである。フォトセンサ47は、遮蔽板部85を検知することにより移動体81の位置を検知する。
シャーシ82の床面上には、電動モータ88が台座部87を介して固定されるとともに、電磁ソレノイド96が固定されている。電動モータ88は、先端側をスプライン軸部とする出力軸89を有している。出力軸89には、駆動ギア93が嵌挿されている。駆動ギア93の挿通孔は、出力軸89のスプライン軸部の形状に合わせた形状となっており、駆動ギア93は、出力軸89のスプライン軸部に沿って前後に移動可能となっている(図9参照)。
電磁ソレノイド96は、スプリング97により前方へ付勢されたプランジャ98を備える。プランジャ98の先端98aには、駆動ギア93に係合して駆動ギア93を前後に移動させるための係合部材99が固定されている。係合部材99は、左端部に平面視略コ字形状に凹む凹部100を備える。電動モータ88の出力軸89に嵌挿された駆動ギア93は、凹部100の内側に位置している。係合部材99の底面側には、前後方向に沿って係合溝101が形成され、係合溝101は、シャーシ82の床面から上方へ突設されたガイド突部102に係合している。なお、シャーシ82の底面側(床面の裏面側)には、図6に底面図として示すように、電動モータ88および電磁ソレノイド96からのびるケーブル107,108が接続された中継基板109が配されている。電動モータ88および電磁ソレノイド96は、中継基板109を介して、ランプ制御基板24(図12参照)に接続されている。
電磁ソレノイド96が通電されると、プランジャ98は、スプリング97の付勢力に抗して後方へ移動する。これにより、プランジャ98の先端98aに固定されている係合部材99も、係合溝101をガイド突部102に沿わせて後方へ移動する。このとき、駆動ギア93は、係合部材99の内面に当たって押されるため、電動モータ88の出力軸89に沿って後方へ移動する。
このように実施形態では、駆動ギア93は、電磁ソレノイド96が非通電とされているときは、係合部材99とともに前方にあり、左側のシャフト83(後輪側のシャフト83a)に固定されている従動ギア94と噛み合っている。ここで、駆動ギア93が従動ギア94と噛み合う位置を駆動源移動位置(図9(a)及び図10(a)参照)という。また、電磁ソレノイド96が通電され係合部材99が後方にあるときは、駆動ギア93は、扉ギミック64の回動軸65に固定されたクラウンギア69と噛み合う。ここで、駆動ギア93がクラウンギア69と噛み合う位置を扉ギミック動作位置(図9(b)及び図10(b)参照)という。
装飾パネル(ボディ)104は、前後方向を薄肉とした薄板状部材を側面から見た車の形状に加工したもので、前面は、車の側面を描いた装飾面104aとなっている。装飾パネル104は、下端部をシャーシ82の前壁に対してビス止めされることにより、シャーシ82に固定される。装飾パネル104がシャーシ82に固定されることにより、移動体81は、遊技者から見て「車」を模したギミックとなる。
また、図7に示すように、レール部42の前方には、シャッター装置110が配置される。シャッター装置110は、電動モータ112により駆動される非透明のシャッター部材111を備える。シャッター装置110は、シャッター部材111を上下動させることにより、レール部42の前方が開放されてレール部42を移動する移動体81が前方から視認可能な状態と、レール部42の前方を塞いでレール部42を移動する移動体81が前方から視認不可能な状態をつくるものである。
シャッター装置110は、複数のギア113、シャフト114、およびけん引アーム115を備えて構成され、電動モータ112が駆動されると、これらの駆動機構を介してシャッター部材111が上下動されるよう構成されている。けん引アーム115は、シャッター部材111の左右両端側に配置されており、シャッター部材111の左右両側面からのびる軸部111aを挿通するための長孔115aを有している。けん引アーム115の長孔115aと反対側の端部には、ギア113と噛み合う扇状ギア115bが形成されている。左側のギア113と右側のギア113とは、シャフト114により連結されており、ギア113は、電動モータ112により駆動される。また、シャッター部材111の左右両端部は、ガイド機構116によりガイドされる。ガイド機構116は、固定側装置41におけるレール部42の前壁43から延設されている。なお、シャッター装置110の電動モータ112は、後述するランプ制御基板24(図12参照)に接続される。また、これらの駆動機構(ギア113、シャフト114、けん引アーム115)及び電動モータ112は、演出装置40のさらに後方からレール部42の左右両端を塞ぐようにして遊技盤2に取り付けられる図示しないベース部材に取り付けられる。
次に、演出装置40の動作について図8〜11に基づいて詳述する。図8は、演出装置40の正面図である。なお、遊技盤2は透明であるため、図2に示すように、演出装置40は、遊技盤2の正面から目視可能である。演出装置40は、左右方向に沿って所定間隔で並設されている4個の装飾可動体(扉ギミック64A,扉ギミック64B,扉ギミック64C,扉ギミック64D)の間で、車を模した移動体(車ギミック)81を移動させて、4個の扉ギミック64のうちいずれか一つに対応した位置で停止させ、停止させた位置にある扉ギミック64を動作させるものである。但し、後述する所定の演出(再動作演出)が選択されている場合には、車ギミック81を一度停止させた後、その位置にある扉ギミック64を動作させずに、さらに車ギミック81を移動させ、そのさらに移動させた位置にある扉ギミック64を動作させる。
車ギミック81は、レール部42に沿って、左右に移動する。レール部42において、各扉ギミック64に対応した位置を、左から順に、位置A,位置B,位置C,位置Dという。位置Aは、扉ギミック64Aを動作可能な位置であり、位置Bは、扉ギミック64Bを動作可能な位置であり、位置Cは、扉ギミック64Cを動作可能な位置であり、位置Dは、扉ギミック64Dを動作可能な位置である。
図8に示すように、まず初期位置では、車ギミック81は、位置A(第1の位置に相当。)に配置されている。ソレノイドが非通電状態であるときに電動モータ88を駆動すると、図9(a)及び図10(a)に示すように、駆動ギア93は従動ギア94と噛み合っているため、従動ギア94と共に後輪側のシャフト83aが回転し、車ギミック81はレール部42に沿って移動する。
また、初期位置において、電磁ソレノイド96を通電状態とすると、図9(b)及び図10(b)に示すように、駆動ギア93は、扉ギミック64Aの回動軸65に固定されたクラウンギア69Aと噛み合う。この状態で、電動モータ88を駆動(正転)すると、クラウンギア69Aと共に回動軸65が回転するため、図8に概略斜視図として示すように、扉ギミック64Aは扉を開ける向きに回転する。なお、電動モータ88を逆転すると、扉ギミック64Aは扉を閉める向きに回転する。
後述する演出選択処理(図20参照)において、扉ギミック64Bを動作させる演出が選択された場合には、演出装置40を次のように動作させる。まず、電磁ソレノイド96を非通電状態としたまま電動モータ88を駆動して(図9(a)及び図10(a)参照)、図8に二点鎖線で示すように、車ギミック81を位置B(第2の位置に相当。)まで移動させる。電動モータ88はステッピングモータであるから、電動モータ88は位置Bまでの距離に応じた所定ステップ数駆動される。電動モータ88が所定ステップ数駆動されるか、位置Bに対応するフォトセンサ47Bが車ギミック81を検知したことに基づいて、電動モータ88は停止される。位置Bに到達した車ギミック81は、ストッパ部48および緩衝部材49に当接しながら位置Bにて停止される。
次に、電磁ソレノイド96を通電状態とする。これにより、駆動ギア93は、出力軸89に沿って後方へ移動し、扉ギミック64Bの回動軸65に固定されたクラウンギア69Bと噛み合う(図9(b)及び図10(b)参照)。この状態で、電動モータ88を駆動(正転)すると、クラウンギア69Bと共に回動軸65が回転し、扉ギミック64Bは扉を開ける向きに回転する。電動モータ88を逆転すると、扉ギミック64Bは扉を閉める向きに回転する。ここで、電磁ソレノイド96を通電して駆動ギア93をクラウンギア69Bと噛み合わせる際、電動モータ88を低速で駆動しながら電磁ソレノイド96を通電状態とすれば、駆動ギア93がクラウンギア69Bに噛み合わない事態を防ぐことができる。なお、扉ギミック64Cや扉ギミック64Dを動作させる場合も、扉ギミック64Bを動作させるのと同様の方法により行うことができる。
また、後述する演出選択処理(図20参照)において、「一旦車ギミック81を停止させた後、シャッター装置110を動作させ車ギミック81の移動を遊技者から見えないようにして、再度車ギミック81を移動させ、いずれかの扉ギミック64を動作させる演出」が選択された場合には、演出装置40およびシャッター装置110を次のように動作させる。
まず、シャッター装置110の電動モータ112を駆動して、図11に示すように、シャッター部材111を上方へ移動させ、レール部42を移動する車ギミック81が遊技者から見えないようにする。次に、電磁ソレノイド96を非通電状態として(図9(a)及び図10(a)参照)電動モータ88を駆動し、動作させたい扉ギミック64(例えば扉ギミック64D)に対応した位置まで車ギミック81を移動させる。車ギミック81を移動させた後は、電磁ソレノイド96を通電状態にして(図9(b)及び図10(b)参照)、駆動ギア93とクラウンギア69とをかみ合わせる。そして、電動モータ88を駆動して、動作させたい扉ギミック64を動作させる。
ここで、扉ギミック64は、青色の扉ギミック64A、黄色の扉ギミック64B、緑色の扉ギミック64C、赤色の扉ギミック64Dの順に、遊技者に示唆する大当たり期待度が高くなるよう設定されている(この点については後述する)。したがって、「大当たり期待度の低い扉ギミック64に対応した位置(例えば扉ギミック64Bに対応した位置B)で車ギミック81を一旦停止させ、遊技者の見えないところで大当たり期待度の高い扉ギミック64に対応した位置(例えば扉ギミック64Dに対応した位置D)に車ギミック81を移動させ、遊技者が動作すると思っていた扉ギミック64よりも大当たり期待度の高い扉ギミック64を動作させる」という演出を行うことにより、遊技者に対して驚きを与えるとともに、大当たり当選に対する期待を膨らませ興奮を与えることができる。
(2)パチンコ遊技機の電気系統
次に、図12に基づいて実施形態のパチンコ遊技機1の電気系統について説明する。図12に示すように、実施形態のパチンコ遊技機1は、メイン制御基板20、払出制御基板21、サブ制御基板25を備え、サブ制御基板25は、演出制御基板22、画像制御基板23、及び、ランプ制御基板24を備えている。そして、払出制御基板21及び演出制御基板22はメイン制御基板20に接続され、画像制御基板23及びランプ制御基板24は演出制御基板22に接続されている。各制御基板は、CPU、ROM、RAM等を備えている。また、メイン制御基板20は、RAM内に、第1保留記憶部27a及び第2保留記憶部27bを有する保留記憶部27を備えている。
メイン制御基板20は、大当たりの抽選や遊技状態の移行など主に利益に関わる制御を行うものである。メイン制御基板20には、第1始動口51a内に設けられて第1始動口51aに入賞した遊技球を検出する第1始動口SW(スイッチ)54a、第2始動口51b内に設けられて第2始動口51bに入賞した遊技球を検出する第2始動口SW54b、開閉部材55を駆動する第2始動口ソレノイド53、ゲート8内に設けられてゲート8を通過した遊技球を検出するゲートSW80、大入賞口71内に設けられて大入賞口71に入賞した遊技球を検出する大入賞口SW74、開閉部材72を駆動する大入賞口ソレノイド73、各普通入賞口91内にそれぞれ設けられてその普通入賞口91に入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW92、第1特別図柄保留ランプ16a、第2特別図柄保留ランプ16b、普通図柄保留ランプ15、第1特別図柄表示器14a、第2特別図柄表示器14b、普通図柄表示器13がそれぞれ接続され、図12に矢印で示すように、各スイッチからはメイン制御基板20に信号が入力され、各ソレノイドやランプ等にはメイン制御基板20から信号が出力される。
また、メイン制御基板20は、払出制御基板21に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板21から信号を受信する。払出制御基板21には、図示しない払出装置を駆動する払出駆動モータ26が接続され、払出制御基板21は、メイン制御基板20から受信したコマンドに従って払出駆動モータ26を動作させ、賞球の払出を行わせる。
さらに、メイン制御基板20は、演出制御基板22に対し各種コマンドを送信し、演出制御基板22は、画像制御基板23との間でコマンドや信号の送受信を行う。画像制御基板23には画像表示器4及びスピーカ17が接続され、画像制御基板23は、演出制御基板22から受信したコマンドに従って、画像表示器4の表示部4aに装飾図柄その他の画像を表示し、スピーカ17から音声を出力する。また、演出制御基板22は、ランプ制御基板24との間でコマンドや信号の送受信を行う。ランプ制御基板24には、枠ランプ18、盤ランプ19、演出装置40の電動モータ88及び電磁ソレノイド96、シャッター装置110の電動モータ112等が接続される。ランプ制御基板24は、演出制御基板22から受信したコマンドに従って、枠ランプ18や盤ランプ19を点灯・消灯したり、電動モータ88及び電磁ソレノイド96を駆動して演出装置40を動作させたり、電動モータ112を駆動してシャッター装置110を動作させたりする。また、演出制御基板22には、演出ボタン28が押下操作されたことを検出する演出ボタン検出SW28aが接続されており、演出ボタン28(図1参照)が押下されると、演出ボタン検出SW28aから演出制御基板22に対して信号が出力される。
(3)遊技状態等の説明
次に、第1実施形態のパチンコ遊技機1の遊技状態等について説明する。第1実施形態のパチンコ遊技機1は、通常遊技状態、時短遊技状態、確変遊技状態、潜確遊技状態の4つの遊技状態と、大当たり遊技、小当たり遊技とを有している。
時短遊技状態とは、通常遊技状態よりも第2始動口51bへ遊技球が入賞し易い状態をいい、通常遊技状態では、普通図柄抽選の当選確率が約1/10、普通図柄変動時間が4秒、第2始動口51bの開放時間が0.15秒、第2始動口51bの開放回数が1回であるのに対して、時短遊技状態では、普通図柄抽選の当選確率が約9/10、普通図柄変動時間が1.5秒、第2始動口51bの開放時間が1.80秒、第2始動口51bの開放回数が3回となっている。
確変遊技状態とは、通常遊技状態よりも大当たりに当選しやすく、かつ第2始動口51bへ遊技球が入賞し易い状態をいい、通常遊技状態では、大当たり当選確率が約1/300であるのに対して、確変遊技状態では、大当たり当選確率が約1/30となっている。また、確変遊技状態では、時短遊技状態と同様、普通図柄抽選の当選確率が約9/10、普通図柄変動時間が1.5秒、第2始動口51bの開放時間が1.80秒、第2始動口51bの開放回数が3回となっている。
潜確遊技状態とは、通常遊技状態よりも大当たりに当選しやすい状態をいい、潜確遊技状態では、確変遊技状態と同様、大当たり当選確率が約1/30となっている。また、潜確遊技状態では、通常遊技状態と同様、普通図柄抽選の当選確率が約1/10、普通図柄変動時間が4秒、第2始動口51bの開放時間が0.15秒、第2始動口51bの開放回数が1回となっている。
そして、初期状態では(即ち、電源が投入されて最初の遊技が開始されるときは)通常遊技状態であり、大当たりが発生すれば、大入賞口71を所定回数開閉する大当たり遊技を経て、その大当たりの種類に応じた遊技状態に遷移する。大当たりの種類には、ほとんど賞球の獲得が望めない短当たりとして、2R(ラウンド)潜確大当たりがあり、多くの賞球を獲得可能な長当たりとして、15R(ラウンド)確変大当たり、15R(ラウンド)通常大当たりがある。また、これら大当たりの他に小当たりがある。なお、ラウンドとは大入賞口71の開放期間を言う。2R潜確大当たりでは、大入賞口71を極短時間2回開放する大当たり遊技を行った後、潜確遊技状態に遷移し、15R確変大当たりでは、大入賞口71を15回開放する大当たり遊技を行った後、確変遊技状態に遷移し、15R通常大当たりでは、大入賞口71を15回開放する大当たり遊技を行った後、時短遊技状態に遷移する。また、小当たりは、見かけ上2R潜確大当たりと変わらない動作をするもので、大入賞口71を極短時間2回開放する小当たり遊技を行うが、遊技状態は遷移しない。なお、時短遊技状態において途中で大当たりが発生することなく100回の特別図柄変動が行われたときも、通常遊技状態に遷移する。
なお、大当たり及び小当たりの抽選は大当たり乱数を用いて行われ、大当たりに当選した場合に当選した大当たりがいずれの種類の大当たりとなるかの抽選は、大当たり図柄乱数を用いて行われる。大当たり乱数は、図13(a)(b)に示すように、0〜299までの範囲で値をとることとされ、通常遊技状態時又は時短遊技状態時では、大当たりに当選する割合が1/300となるよう大当たりに当選する乱数値が定められるとともに、小当たりに当選する割合が3/300となるよう、小当たりに当選する乱数値が定められている。また、大当たり乱数は、確変遊技状態時又は潜確遊技状態時では、大当たりに当選する割合が10/300となるよう、大当たりに当選する乱数値が定められるとともに、小当たりに当選する割合が3/300となるよう、小当たりに当選する乱数値が定められている。大当たり図柄乱数は、図13(c)(d)に示すように、0〜249までの範囲で値をとることとされ、第1始動口51aへの入賞に対しては、15R通常大当たりに当選する割合が100/250となり、15R確変大当たりに当選する割合が75/250となり、2R潜確大当たりに当選する割合が75/250になるよう各大当たりに当選する乱数値が定められ、第2始動口51bへの入賞に対しては、15R通常大当たりに当選する割合が100/250となり、15R確変大当たりに当選する割合が125/250となり、2R潜確大当たりに当選する割合が25/250になるよう各大当たりに当選する乱数値が定められており、第1始動口51aへ入賞したときよりも長当たりに当選する割合が高くなっている。
(4)パチンコ遊技機の動作
次に、図14〜17に基づいてメイン制御基板20の動作について説明し、図18〜26に基づいて演出制御基板22の動作について説明する。まず、メイン制御基板20の動作について説明する。なお、後述する各カウンタは、RAMに設けられ、パチンコ遊技機1の電源投入時にゼロクリアされる。
[メイン側タイマ割込処理]メイン制御基板20は、図14に示すメイン側タイマ割込処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、メイン制御基板20は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種類を決めるための大当たり図柄乱数、装飾図柄変動演出においてリーチ状態とするか否か決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる当たり乱数等を更新する乱数更新処理を行う(ステップS101)。
次に、メイン制御基板20は、始動口SW処理(S102)、ゲートSW処理(S103)、大入賞口SW処理(S104)及び普通入賞口SW処理(S105)を行う。始動口SW処理(S102)は、第1始動口SW54a又は第2始動口SW54bがONしていれば、ONした始動口に対応する保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、変動パターン乱数)を取得するとともに、始動口カウンタの値に1を加算する処理である。ゲートSW処理(S103)は、ゲートSW80がONしていれば、すでに記憶されている当たり乱数が4個未満であることを条件に当り乱数を取得する処理である。大入賞口SW処理(S104)は、大入賞口SW74がONしていれば、大当たり遊技中又は小当たり遊技中か否かを判定して、大当たり遊技中又は小当たり遊技中であれば、入賞個数カウンタの値に1を加算するとともに、大入賞口カウンタの値に1を加算する処理である。普通入賞口SW処理(S105)は、普通入賞口SW92がONしていれば、普通入賞口カウンタの値に1を加算する処理である。
次に、メイン制御基板20は、後述する特別図柄処理(S106)を行い、その後、普通図柄処理(S107)、大入賞口処理(S108)、及び、電チュー処理(S109)を行う。普通図柄処理(S107)は、ゲートSW処理にて取得した当り乱数を判定し、その判定結果を報知するための普通図柄変動の開始および停止をする処理である。大入賞口処理(S108)は、特別図柄処理の結果、当り遊技に当選していた場合に、所定の開放パターン(ラウンド数、1ラウンド当りの開放時間、1ラウンド当りの規定入賞個数)に従って大入賞口71を開放させる処理である。電チュー処理(S109)は、普通図柄処理の結果、補助遊技に当選していた場合に、所定の開放パターン(開放回数、1回当りの開放時間)に従って第2始動入賞装置52の開閉部材55を開放させる処理である。
次に、メイン制御基板20は、始動入賞口カウンタの値に応じた数の賞球(実施形態では1カウントあたり3球)、大入賞口カウンタの値に応じた数の賞球(実施形態では1カウントあたり15球)、及び、普通入賞口カウンタの値に応じた数の賞球(実施形態では1カウントあたり10球)を払い出すためのコマンドをセットして、それらのカウンタをゼロクリアする賞球処理(S110)を行い、以上の各処理においてセットしたコマンドを払出制御基板21及び演出制御基板22に出力する出力処理(S111)を行う。
[特別図柄処理]図15に示すように、特別図柄処理では、メイン制御基板20は、当たり遊技中か否かを示す当たり遊技フラグ(即ち、小当たり遊技フラグ、長当たり遊技フラグ、又は、短当たり遊技フラグ)がONか否かを判定し(S401)、ONであれば特別図柄処理を終え、ONでなければ特別図柄の変動中か否かを判定する(S402)。そして、変動中であればステップS411に進み、変動中でなければ、第2始動口保留カウンタの値U2又は第1始動口保留カウンタの値U1が1以上か否かを判定する(S403,S405)。そして、U2又はU1が1以上でなければ特別図柄処理を終え、U2又はU1が1以上であればU2又はU1から1を減算して(S404,S406)、ステップS102で格納しておいた大当たり乱数を用いて後述する大当たり判定処理(S407)を行い、次いで、後述する変動パターン選択処理を行う(S408)。
その後、メイン制御基板20は、第1特別図柄表示器14aまたは第2特別図柄表示器14bにおいて特別図柄の変動を開始し(S409)、変動開始コマンドをセットして(S410)、ステップS411に進む。ステップS411では、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、経過していなければ特別図柄処理を終えるが、経過していれば特別図柄の変動を停止して、大当たり判定処理でセットされた図柄で特別図柄を確定表示し(S412)、変動停止コマンドをセットする(S413)。そして、停止中処理(S414)として、各種遊技フラグ(時短遊技フラグ、確変遊技フラグ、潜確遊技フラグ、小当たり遊技フラグ、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグ)のON/OFFに関する処理をし、大当たり又は小当たりであれば、オープニングを開始するとともに、オープニングコマンドをセットして、特別図柄処理を終える。
[大当たり判定処理]図16に示すように、大当たり判定処理では、メイン制御基板20は、遊技状態に応じた大当たり判定用テーブルを用いて、大当たり乱数が大当たりか否かの判定を行う(S501)。そして、大当たりであれば(S502でYES)、ステップS102で格納しておいた大当たり図柄乱数がどの大当たり図柄を示すものかを判定し(S503)、その大当たり図柄をセットする(S504)。なお、大当たり図柄によって、大当たりの種類が決まる(図13(c)(d)参照)。一方、大当たり乱数が大当たりでないが(S502でNO)、小当たりであれば(S505でYES)、小当たり図柄をセットする(S506)。小当たりでもなければ(S505でNO)、ハズレ図柄をセットする(S507)。
[変動パターン選択処理]図17に示すように、変動パターン選択処理では、メイン制御基板20は、直前の大当たり判定処理で大当たりと判定していれば(S601でYES)、乱数値と変動パターンとの対応を示す変動パターンテーブルとして大当たり用テーブルをセットし(S602)、小当たりと判定していれば(S601でNO、S603でYES)、変動パターンテーブルとして小当たり用テーブルをセットする(S604)。大当たりでも小当たりでもない場合には(S603でNO)、リーチ乱数判定テーブルを参照してステップS102で格納しておいたリーチ乱数がリーチ有りを示すものであるか否かの判定を行い(S605)、リーチ有りである場合は(S606でYES)、変動パターンテーブルとしてリーチはずれ用テーブルをセットし(S607)、リーチ無しである場合は(S606でNO)、変動パターンテーブルとしてバラはずれ用テーブルをセットする(S608)。ここで、バラはずれとは、装飾図柄をリーチ状態としないで停止表示させる変動演出パターンのことをいう。次に、メイン制御基板20は、上記のようにセットした変動パターンテーブルを参照して、ステップS102で格納しておいた変動パターン乱数がいずれの変動パターンを示すかの判定を行い(S609)、その変動パターン乱数が示す変動パターンをセットする(S610)。なお、変動パターンには変動時間を示す情報が含まれている。また、変動パターン乱数は、0〜10363までの値をとり、大当たり抽選の結果が大当たりであるか小当たりであるかはずれであるか、大当たりである場合は大当たり図柄の種類が何であるか、ハズレである場合はリーチはずれであるかバラはずれであるか、によって異なる変動パターンテーブルを参照して判定されて、およそ180種類ある変動パターンの中から1つの変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数に基づいて決められた変動パターンに関する情報は、出力処理(図14のS111)においてサブ制御基板25に送られる。サブ制御基板25では、後述するように、受信した変動パターンに関する情報に基づいて、対応する変動演出パターンを読み出し、画像表示器4等の演出装置を用いて、読み出した変動演出パターンで装飾図柄演出を実行する。
以上のメイン制御基板20における処理と並行して、演出制御基板22では図18〜26に示す処理を行う。以下、演出制御基板22の動作について説明する。
[サブ側タイマ割込処理]演出制御基板22は、図18に示すようなサブ側タイマ割込処理を所定の短時間毎に繰り返す。サブ側タイマ割込処理では、後述するコマンド受信処理(S1101)及び演出ボタン処理(S1102)と、コマンド受信処理及び演出ボタン処理でセットしたコマンドを画像制御基板23やランプ制御基板24に送信するコマンド送信処理(S1103)とを行う。コマンド送信処理が実行されると、各種コマンドを受信した画像制御基板23やランプ制御基板24は、各種演出装置(画像表示器4、スピーカ17、枠ランプ18、盤ランプ19、演出装置40、シャッター装置110)を用いて各種演出(図柄変動演出や大当たり演出など)を実行する。
[コマンド受信処理]図19に示すように、コマンド受信処理では、演出制御基板22は、メイン制御基板20から変動開始コマンドを受信していれば後述する演出選択処理を行い(S1301,S1302)、変動停止コマンドを受信していれば後述する変動演出終了中処理を行う(S1303,1304)。そして、演出制御基板22は、オープニングコマンドを受信していれば、後述する当たり演出選択処理を行い(S1305,1306)、エンディングコマンドを受信していれば、エンディングコマンドを解析し、モードフラグを参照してエンディング演出パターンを選択し、エンディング演出開始コマンドをセットするエンディング演出選択処理を行う(S1307,1308)。続いて、演出制御基板22は、後述する客待ちコマンド受信処理を行って(S1309)、コマンド受信処理を終える。
[演出選択処理]図20に示すように、演出選択処理では、演出制御基板22は、メイン制御基板20から受信した変動開始コマンドを解析する(S1401)。変動開始コマンドには、現在の遊技状態を示す情報、大当たり抽選において当選した特別図柄の種類を示す情報、及び、装飾図柄変動演出の変動パターンを示す変動パターン情報が含まれている。次に、演出制御基板22は、演出モードを示すモードフラグを参照する(S1402)。続いて、解析した変動開始コマンドおよび参照したモードフラグに基づいて装飾図柄変動演出の変動パターンを選択する変動演出パターン選択処理を行う(S1403)。そして、演出制御基板22は、装飾図柄変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをセットする(S1404)。なお、演出モードとは、画像表示器4における演出の態様であり、演出モードが異なると、登場するキャラクタや背景が異なる等、画像表示器4に表示される動画が異なり、装飾図柄変動演出も演出モードに応じたものが選択される。ステップS1404でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(図18のステップS1103参照)により画像制御基板23およびランプ制御基板24に送信されると、画像制御基板23は、画像表示器4の表示部4aにおいて、受信したコマンドに基づく図柄変動演出を開始し、ランプ制御基板24は、受信したコマンドに基づいて枠ランプ18、盤ランプ19、演出装置40、シャッター装置110を動作させる。
ここで、変動演出パターン選択処理(S1403)について詳しく説明する。変動演出パターン選択処理(S1403)では、解析した変動開始コマンドに含まれている変動パターン情報が、扉ギミック動作演出を指定するものであれば、演出制御基板22は、動作させる扉ギミックを決定するため、動作ギミック決定乱数を取得し、取得した動作ギミック決定乱数を、図21に示す動作ギミック判定テーブルに基づいて判定して、どの扉ギミックを動作させるか決定する。動作ギミック決定乱数の判定では、図16に示す大当たり判定処理で大当たりと判定していれば、演出制御基板22は、図21(a)に示す大当たり用動作ギミック判定テーブルを用いて動作ギミック決定乱数の判定を行い、図16に示す大当たり判定処理で大当たりと判定していなければ、演出制御基板22は、図21(b)に示す非大当たり用動作ギミック判定テーブルを用いて動作ギミック決定乱数の判定を行う。大当たり用動作ギミック判定テーブルは、図21(a)に示すように、扉ギミックD、扉ギミックC、扉ギミックB、扉ギミックAの順に選択されやすくなっている。非大当たり用動作ギミック判定テーブルは、図21(b)に示すように、扉ギミックA、扉ギミックB、扉ギミックC、扉ギミックDの順に選択されやすくなっている。したがって、選択される扉ギミックと大当たり期待度との関係は、扉ギミックA、扉ギミックB、扉ギミックC、扉ギミックDの順で、大当たり期待度が高くなるように設定されている。なお、扉ギミックAは扉ギミック64A、扉ギミックBは扉ギミック64B、扉ギミックCは扉ギミック64C、扉ギミックDは扉ギミック64Dに対応している。
動作ギミック決定乱数を判定した結果、動作させる扉ギミックとして、扉ギミックA、扉ギミックB、又は扉ギミックCが選択された場合、演出制御基板22は、再動作演出を行なうか否かを決定するとともに、再動作演出としていずれのギミックを動作させるかを決定するため、再動作演出決定乱数を取得して、取得した再動作演出決定乱数を、図22に示す再動作演出判定テーブルに基づいて判定する。ここで、再動作演出とは、「一旦車ギミック81を位置A,BまたはCまで移動させた後、シャッター装置110を動作させてシャッター部材111を上昇させ、再び車ギミック81を移動させる演出」である。再動作演出決定乱数の判定では、図16に示す大当たり判定処理で大当たりと判定していれば、演出制御基板22は、図22(a)に示す大当たり用再動作演出判定テーブルを用いて再動作演出決定乱数の判定を行い、図16に示す大当たり判定処理で大当たりと判定していなければ、演出制御基板22は、図22(b)に示す非大当たり用再動作演出判定テーブルを用いて再動作演出決定乱数の判定を行う。大当たり用再動作演出判定テーブルは、図22(a)に示すように、再動作前に動作させるギミックがいずれであっても、再動作により動作させるギミックとして、扉ギミックDが最も選択されやすく、続いて、扉ギミックC、扉ギミックBの順に選択されやすくなっている。非大当たり用再動作演出判定テーブルは、図22(b)に示すように、再動作前に動作させるギミックがいずれであっても、再動作演出を行なわないと判定されやすくなっている。
[変動演出終了中処理]図23に示すように、変動演出終了中処理では、演出制御基板22は、変動停止コマンドを解析し(S1501)、モードフラグを参照する(S1502)。次に、今終了しようとする装飾図柄変動演出が当たり(大当たりまたは小当たり)を報知するものか否かを判定して(S1503)、当たりを報知するものであればモードフラグ変更処理を行う(S1508)。モードフラグ変更処理では、その当たりの種類に応じた演出モードを示すものにモードフラグを変更するとともに、変更後の演出モードが通常モードでない場合には、その演出モードに対応するカウンタの値Mに上限回数をセットする。
一方、演出制御基板22は、今終了しようとする装飾図柄変動演出が当たりを報知するものでなければ(S1503でNO)、モードフラグが0か否かを判定し(S1504)、0であればステップS1509に進む。なお、モードフラグが0とは通常モードであることを示し、初期状態では(即ち、電源が投入されて最初の遊技が開始されるときは)モードフラグは0である。一方、モードフラグが0でなければ、現在の演出モード用のカウンタの値Mを1減少させて(S1505)、その値Mが0にならなければ(S1506でNO)、ステップS1509に進むが、0になれば(S1506でYES)、通常モードに戻すためにモードフラグを0として(S1507)、ステップS1509に進む。ステップS1509では、演出制御基板22は、装飾図柄変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをセットする。
[当たり演出選択処理]図24に示すように、当たり演出選択処理では、演出制御基板22は、オープニングコマンドを解析して(S1601)、解析したオープニングコマンドに基づいて、当たり演出のパターンを選択する当たり演出パターン選択処理を行う(S1602)。そして、演出制御基板22は、当たり演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをセットする(S1603)。なお、当たり演出とは、小当たり遊技又は大当たり遊技時に実行される演出をいう。
[客待ちコマンド受信処理]図25に示すように、客待ちコマンド受信処理では、演出制御基板22は、客待ちコマンドを受信したか否かを判定し(S1701)、受信していれば、客待ち演出を実行するまでの時間の計測を開始するとともに計測フラグをONして(S1702、S1703)、ステップS1705に進む。一方、受信していなければ、計測フラグがONされているか否か判定し(S1704)、オンされていなければ、客待ち演出実行までの時間の計測中ではないので処理を終え、オンされていればタイムアップか、すなわち、いま計測している時間が客待ち演出実行までの時間として設定した所定時間に達したか否か判定する(S1705)。そして、タイムアップでなければ、処理を終え、タイムアップであれば、計測フラグをOFFするとともに(S1706)、客待ち演出を開始するための客待ち演出開始コマンドをセットする(S1707)。
[演出ボタン処理]図26に示すように、演出ボタン処理では、演出制御基板22は、演出ボタン検出SW28aからの信号により、演出ボタン28が押下されたか(ONされたか)否かを判定し(S1801)、ONされていなければ処理を終え、ONされていれば装飾図柄変動演出中か否かを判定する(S1802)。そして、装飾図柄変動演出中でなければ処理を終え、装飾図柄変動演出中であれば、その装飾図柄変動演出において演出ボタン28を操作するよう指示がでているか否かを判定する(S1803)。そして、演出ボタン28の操作指示中でなければ処理を終え、演出ボタン28の操作指示中であれば、その装飾図柄変動演出において上述の再動作演出を実行するか否かを判定する(S1804)。そして、再動作演出を行うものでなければ処理を終え、再動作演出を行うものであれば、シャッター装置110及び演出装置40を動作させるための装置作動コマンドをセットして処理を終える(S1805)。
ステップS1805でセットされた装置作動コマンドが、コマンド送信処理(図18のステップS1103参照)によりランプ制御基板24に送信されると、ランプ制御基板24は、電動モータ112を駆動してシャッター装置110を動作させるとともに、電動モータ88および電磁ソレノイド96を駆動して演出装置40を動作させる。これにより、遊技機内部で再動作演出を実行することが既に決まっていても、遊技者自らが再動作演出を選択したかのような遊技性となり、遊技者に遊技への参加感を与えることができる。例えば、演出選択処理の変動演出パターン選択処理(ステップS1403参照)にて、扉ギミックBを動作させるように見せて扉ギミックDを動作させる演出が選択されていた場合には、演出ボタン28の操作を契機として、シャッター部材111を上昇させて、位置Bに停止している車ギミック81を位置Dまで移動させ、扉ギミックDを動作させる。
以上のように動作することにより、実施形態のパチンコ遊技機1では、あたかも、車が停車し、車の扉が開いたかのような演出が実行される。なお、車の扉が開いた後のストーリを、画像表示器4の表示部4aにて表示することにより、装飾図柄変動演出全体としてまとまりのある演出を実行できる。この場合、画像表示器4の表示部4aには、例えば、遊技機のモチーフに登場するキャラクタを用いた画像演出を表示する。
(4)実施形態の効果
以上説明したように、第1実施形態のパチンコ遊技機1は、電動モータ88(単一の駆動源)と、電動モータ88により駆動される複数の装飾可動体(扉ギミック64A、扉ギミック64B、扉ギミック64C、扉ギミック64D)とを備える。電動モータ88は、移動体81のシャーシ82に取り付けられて、移動体81の移動に伴って、複数の装飾可動体(扉ギミック64A、扉ギミック64B、扉ギミック64C、扉ギミック64D)のうち一部の装飾可動体(例えば、扉ギミック64A)を駆動可能な位置(第1の位置に相当。)から、複数の装飾可動体(扉ギミック64A、扉ギミック64B、扉ギミック64C、扉ギミック64D)のうち一部の装飾可動体以外の装飾可動体(例えば、扉ギミック64B)を駆動可能な位置(第2の位置に相当。)へ移動するよう構成されている。すなわち、電動モータ88は、移動体81の移動に伴って、複数の装飾可動体(扉ギミック64A、扉ギミック64B、扉ギミック64C、扉ギミック64D)のうち一部の装飾可動体(例えば、扉ギミック64A)を駆動可能に該一部の装飾可動体の駆動機構(扉ギミック64Aのクラウンギア69A)と連結される位置から、複数の装飾可動体(扉ギミック64A、扉ギミック64B、扉ギミック64C、扉ギミック64D)のうち一部の装飾可動体以外の装飾可動体(例えば、扉ギミック64B)を駆動可能に該一部の装飾可動体以外の装飾可動体の駆動機構(扉ギミック64Bのクラウンギア69B)と連結される位置へ移動するよう構成されている。
第1実施形態のパチンコ遊技機1によれば、電動モータ88(単一の駆動源)が複数の装飾可動体(扉ギミック64A、扉ギミック64B、扉ギミック64C、扉ギミック64D)の間を移動するため、装飾可動体64の数がいくつに増えても、全ての装飾可動体64を一つの駆動源(電動モータ88)で駆動することができる。したがって、複数の装飾可動体を遊技機に搭載する際のコストダウンが図れるため、動作頻度の少ない装飾可動体も積極的に搭載可能となる。
換言すれば、パチンコ遊技機1は、単一の駆動源(電動モータ88)と、該単一の駆動源により駆動される複数の装飾可動体(扉ギミック64A、扉ギミック64B、扉ギミック64C、扉ギミック64D)とを備え、該単一の駆動源は、第1の位置で複数の装飾可動体のうち一部の装飾可動体(例えば、扉ギミック64A)を駆動し、該第1の位置と異なる第2の位置に移動して、該第2の位置で複数の装飾可動体のうち前記一部の装飾可動体以外の装飾可動体(例えば、扉ギミック64B)を駆動するよう構成され、複数の装飾可動体は、当該複数の装飾可動体を構成する各装飾可動体のうちいずれの装飾可動体が駆動されるかによって、異なる大当たり期待度を遊技者に対して示すよう構成されている。したがって、複数の装飾可動体を単一の駆動源で駆動可能である。
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、移動体81は、装飾可動体64を駆動するための電動モータ88によって駆動されるよう構成されている。言い換えれば、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、電動モータ88の動力を複数の装飾可動体64に対して伝達する駆動機構としての駆動ギア93は、装飾可動体64を駆動可能に装飾可動体64側のギア(クラウンギア69)と噛み合う装飾可動体駆動状態と、移動体81を駆動可能に移動体81側のギア(従動ギア94)と噛み合う移動体駆動状態とに切り換え制御されるよう構成されている。
したがって、装飾可動体(扉ギミック)64を駆動するための電動モータ88が取り付けられた移動体(車ギミック)81も、扉ギミック64を駆動するための電動モータ88によって駆動されるため、演出装置40全体で必要な電動モータの数を最も少なく(一つに)することができる。
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、移動体81は、遊技者から目視可能な装飾パネル104(装飾部)を備えている。言い換えれば、移動体81は、当該移動体81を装飾する装飾パネル104(装飾部)を備え、装飾パネル104は、移動体81の移動時、遊技者から目視可能とされている(図8参照)。
このように第1実施形態のパチンコ遊技機1では、電動モータ88を移動させるための移動体81が、車のボディを模した装飾パネル104(装飾部)をシャーシ82に取り付けた車ギミック81として構成され、遊技者から目視可能とされている。したがって、電動モータ88が取り付けられた移動体81を複数の装飾可動体(扉ギミック64A、扉ギミック64B、扉ギミック64C、扉ギミック64D)の間で移動させる行為自体が、装飾パネル104を有した車ギミック81を動作させる演出として機能するため、パチンコ遊技機の演出効果を高めることができる。
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1は、各装飾可動体(扉ギミック64A、扉ギミック64B、扉ギミック64C、扉ギミック64D)のうちいずれの装飾可動体が駆動されるかによって、異なる大当たり期待度を遊技者に対して示すよう構成されている。そして、移動体81および電動モータ88(駆動源)の移動を遊技者から目視不可能とするシャッター装置110(遮蔽手段)と、一旦移動した移動体81および電動モータ88を再移動させる移動制御手段(演出制御基板22およびランプ制御基板24が相当する)とを備え、移動制御手段による再移動の前の移動体81及び電動モータ88の移動は、遊技者から目視可能とされ、移動制御手段による移動体81および電動モータ88の再移動は、シャッター装置110(遮蔽手段)により遊技者から目視不可能とされる。
したがって、遊技者から目視可能な状態で、移動体81および電動モータ88が移動し一旦停止しても、シャッター装置110による遊技者から目視不可能な状態で、移動制御手段(演出制御基板22及びランプ制御基板24)により移動体81および電動モータ88が再度移動される。そして、電動モータ88により駆動される装飾可動体(扉ギミック64A、扉ギミック64B、扉ギミック64C、扉ギミック64D)の種類によって、遊技者に示される大当たり期待度は異なる。したがって、例えば、大当たり期待度の低い装飾可動体(扉ギミック64A)が駆動される位置で移動体81および電動モータ88が一旦停止されても、シャッター装置110により移動を見えなくされた状態で、移動制御手段(演出制御基板22及びランプ制御基板24)により大当たり期待度の高い装飾可動体(扉ギミック64D)が駆動される位置まで移動体81および電動モータ88が再度移動されて、電動モータ88により大当たり期待度の高い装飾可動体(扉ギミック64D)が駆動され得る。よって、遊技者に対して驚きと期待感を与えることができ、遊技興趣の増大を図ることができる。すなわち、電動モータ88が取り付けられた移動体81は、遊技者に示される大当たり期待度の異なる複数の装飾可動体(扉ギミック64A、扉ギミック64B、扉ギミック64C、扉ギミック64D)の間を、遊技者から目視可能な状態で移動したり、遊技者から目視不可能な状態で移動したりする。よって、遊技者の予期しないところで大当たり期待度の高い装飾可動体(扉ギミック64D)が動作することがあるため、遊技者に対して驚きと期待感を与えることができる。
言い換えれば、第1実施形態のパチンコ遊技機1は、電動モータ88により駆動される扉ギミック64として、扉ギミック64A、扉ギミック64B、扉ギミック64C、扉ギミック64Dの4つの扉ギミック64を備え、各扉ギミック64は、大当たり期待度が異なる演出として駆動される。そして、各扉ギミック64を駆動するための電動モータ88の移動は、レール部42前方に配置されたシャッター部材111が開いているとき(下降しているとき、図8参照)は、前方から視認可能であるが、シャッター部材111が閉じているとき(上昇しているとき、図11参照)は、前方から視認不可能となる。
したがって、図8に示すように、シャッター部材111が開いている状態で、移動体81が一旦、位置Bで停止しても、図11に示すように、その後シャッター部材111が閉じて、遊技者から見えないように電動モータ88が移動されて、扉ギミック64Bとは異なる扉ギミック64が動作することがあるため、遊技者に驚きを与えるとともに、大当たり期待度の高い扉ギミック64の駆動により遊技者に興奮を与えることができ、遊技興趣を高めることができる。
なお、再動作演出の有無に関わらず、移動体81を停止させた後は必ずシャッター部材111を上昇させてレール部42の前方を覆うよう構成すれば、再動作演出の際には、再動作演出を行なうか否かを遊技者に気付かれることなく電動モータ88を移動できる。よって、遊技者が動作するだろうと想定している装飾可動体(例えば扉ギミック64B)とは異なる装飾可動体(例えば扉ギミック64D)が急に動作することとなるため、遊技者に対して一層驚きを与えることができる。この場合、上昇しているシャッター部材111は、移動体81を移動させる前に(再動作演出における移動は除く)下降させるようにする。
2.第2実施形態
上述した第1実施形態のパチンコ遊技機1では、装飾可動体(扉ギミック)64を駆動する電動モータ88が移動体(車ギミック)81も駆動するように構成したが、図27〜31に示す第2実施形態のパチンコ遊技機では、装飾可動体(扉ギミック)125と移動体(台座部材)140とが異なる電動モータ(扉ギミック駆動用モータ150、回転体駆動用モータ134)により駆動されるよう構成されている。また、上述した第1実施形態のパチンコ遊技機1では、複数の装飾可動体(扉ギミック64A、扉ギミック64B、扉ギミック64C、扉ギミック64D)の間を移動する電動モータ88を積んだ移動体81を、「車」を模したギミックとして遊技者から見えるよう構成したが、図27〜31に示す第2実施形態のパチンコ遊技機では、移動体(台座部材)140をギミックとして構成することなく、装飾プレート162で覆って遊技者から見えない構成としている。なお、第2実施形態の説明において、第1実施形態と同様の構成については、同様の符号を付して説明を省略する。
第2実施形態のパチンコ遊技機は、図27に示すように、遊技盤2の後面側に取り付けられる演出装置120を備えている。演出装置120は、扉ギミックモジュール121と、移動体モジュール130と、装飾プレート162とを備えている。
扉ギミックモジュール121は、中央に略円形状の中央開口部122aを有したベース部材122を備えている。ベース部材122は、中央開口部122aを囲む平面プレート部123と、平面プレート部123の前面よりも前方へ突出した枠状部124を備えている。枠状部124には、中央開口部122aを囲むように、4個の扉ギミック(装飾可動体に相当する)125が取り付けられている。各扉ギミック125を、中央開口部122aの左に配されたものから時計方向に向かって順に、扉ギミック125A、扉ギミック125B、扉ギミック125C、扉ギミック125Dとする。各扉ギミック125は、ベース部材122の枠状部124に上下両端を軸支された回動軸126に固定され、回動軸126とともに回動可能とされている。各回動軸126には、従動ギア127が固定されている。なお、図示を省略するが、ベース部材122の各扉ギミック125に対応した位置には、後述する台座部材(移動体に相当する)140の位置を検知するフォトセンサが配されている。
移動体モジュール130は、リング状回転体131を備える。リング状回転体131は、円環状のベース板132と、外周部に周方向に沿ってギアが形成された円環状のリングギア133とを備え、ベース板132に対して後方からリングギア133を取り付けた構成とされている。リングギア133は、回転体駆動用モータ134の出力軸134aに固定された駆動ギア135と噛み合っている。回転体駆動用モータ134は、ベース部材122の平面プレート部123の左下部に、裏面側から出力軸134aを突出させて取り付けられている(図30参照)。また、リング状回転体131は、ベース部材122の平面プレート部123の下部に取り付けられた3つの支持ローラ137により、回転を許容されつつ支持されて、ベース部材122に組み付けられている。支持ローラ137は、凹溝137aを備え、凹溝137aに、ベース板132の外周縁を収納して、リング状回転体131を支持している。
また、リング状回転体131には、けん引アーム138の一端部138aが取り付けられている。けん引アーム138の他端部138bには、台座部材140が取り付けられている。台座部材140には、扉ギミック駆動用モータ150が取り付けられている。図28に示すように、けん引アーム138は、他端部138bに長孔139を有している。けん引アーム138に設けられた長孔139には、台座部材140に設けられた係合突部143が抜け不能に係合されている。係合突部143は、リング状回転体131の回転に伴って、けん引アーム138の長孔139内を摺動する。
台座部材(移動体に相当する)140は、図28,29に示すように、側面視略L字形状とされ、前後方向に延びる下壁部141と、上下方向に延びる後壁部142とから構成されている。下壁部141の上面には、扉ギミック駆動用モータ150が出力軸150aを上下方向に沿わせて固定されている。後壁部142の裏面側には、けん引アーム138の他端部138bを収納する収納部142aが形成され、収納部142aには、上述の係合突部143が設けられている。また、後壁部142の裏面側には、左右両端から係合爪144aを延ばした摺動部材144が、上下方向に所定距離をあけて2つ軸支されている。摺動部材144は、図27に示すように、ベース部材122の平面プレート部123から前方へ突出するガイド突部160に係合される。ガイド突部160は、平面プレート部123において、中央開口部122aの周囲に沿うように設けられている。台座部材140は、リング状回転体131の回転に伴って、摺動部材144をガイド突部160に沿わせて移動する。なお、図示を省略するが、台座部材140は、後壁部142の側面に、各扉ギミック125に対応するフォトセンサに検知される遮蔽板部を備えている。
図28,29に示すように、扉ギミック駆動用モータ150は、各扉ギミック125を駆動するためのモータであり、出力軸150aには駆動ギア151が固定されている。駆動ギア151は、リング状回転体131の回転に伴い、各扉ギミック125に対応した位置で、各扉ギミック125の回動軸126に固定された従動ギア127に噛み合う。
扉ギミック駆動用モータ150のコネクタ152には、正極側配線153aおよび負極側配線153bを有したケーブル153の一端154が接続されている。ケーブル153は、下壁部141に設けられた切欠部141aから下壁部141の底面側へのびている。ケーブル153の正極側配線153aおよび負極側配線153bの他端には、正極側フィンガ156aおよび負極側フィンガ156bが取り付けられている。正極側フィンガ156aおよび負極側フィンガ156bは、導電性薄板材であり、下壁部141と後壁部142とが直行する角部に沿って折れた状態で台座部材140に取り付けられている。また、正極側フィンガ156aおよび負極側フィンガ156bの一端は後方に向かうにつれて下方へ垂れ下る円弧状に曲げられている。また、正極側フィンガ156aおよび負極側フィンガ156bは、図27に示すように、ガイド突部160の両脇に沿って平面プレート部123に配された正極側ワイヤ157aおよび負極側ワイヤ157bに接触する。正極側ワイヤ157aおよび負極側ワイヤ157bは、導電性線材である。正極側ワイヤ157aおよび負極側ワイヤ157bの端部は、図30に示すように、平面プレート部123に設けられた挿通孔を通されて平面プレート部123の裏面側にのび、平面プレート部123の裏面側において、両ワイヤ157a,157bの端部がコネクタ部158としてまとめられて、中継基板159に接続されている。中継基板159は、ランプ制御基板24(図12参照)に接続されている。これにより、扉ギミック駆動用モータ150は、ランプ制御基板24と電気的に接続され、ランプ制御基板24により制御可能とされている。なお、図30に示すように、中継基板159には、上述の回転体駆動用モータ134も接続されており、回転体駆動用モータ134も、ランプ制御基板24により制御可能とされている。
図27に示すように、装飾プレート162は、正面から見て平面プレート部123と略同形状の薄板部材であり、周縁部に係合爪163を備えて、係合爪163をベース部材122の枠状部124に設けられた係合孔124aに係合させることにより、ベース部材122に組み付けられる。装飾プレート162は、扉ギミック駆動用モータ150の移動域の前方に配されて、扉ギミック駆動用モータ150が遊技者から視認されないようにするものである。装飾プレート162の前面は、遊技機のモチーフに関する文字や模様などが施された装飾面162aとなっている。
次に、図31に基づいて、上記のように構成された演出装置120の動作を説明する。例えば、扉ギミック125Cを動作させる場合、演出装置120は、次のように動作される。まず、ランプ制御基板24は回転体駆動用モータ134を駆動する。回転体駆動用モータ134を駆動すると、駆動ギア135と噛み合っているリングギア133が回転する。リングギア133が回転すると、けん引アーム138を介してリング状回転体131と連結されている台座部材140、及び台座部材140に固定された扉ギミック駆動用モータ150が、扉ギミック125Cに向かって移動する。そして、台座部材140に設けられた遮蔽板部(図示省略)が扉ギミック125Cに対応するフォトセンサ(図示省略)に検知されたとき、ランプ制御基板24は回転体駆動用モータ134を停止させる。この位置では、駆動ギア151は、扉ギミック125Cの回動軸126に固定された従動ギア127に噛み合っている。続いて、ランプ制御基板24は扉ギミック駆動用モータ150を駆動する。これにより、扉ギミック125Cは、回転される。
以上説明したように、第2実施形態のパチンコ遊技機は、扉ギミック駆動用モータ150(単一の駆動源)と、扉ギミック駆動用モータ150により駆動される複数の装飾可動体(扉ギミック125A、扉ギミック125B、扉ギミック125C、扉ギミック125D)とを備える。扉ギミック駆動用モータ150は、台座部材140(移動体)に取り付けられて、台座部材140(移動体)の移動に伴って、複数の装飾可動体(扉ギミック125A、扉ギミック125B、扉ギミック125C、扉ギミック125D)のうち一部の装飾可動体(例えば、扉ギミック125A)を駆動可能な位置(第1の位置に相当。)から、複数の装飾可動体(扉ギミック125A、扉ギミック125B、扉ギミック125C、扉ギミック125D)のうち一部の装飾可動体以外の装飾可動体(例えば、扉ギミック125C)を駆動可能な位置(第2の位置に相当。)へ移動するよう構成されている。すなわち、扉ギミック駆動用モータ150は、台座部材140(移動体)の移動に伴って、複数の装飾可動体(扉ギミック125A、扉ギミック125B、扉ギミック125C、扉ギミック125D)のうち一部の装飾可動体(例えば、扉ギミック125A)を駆動可能に該一部の装飾可動体の駆動機構(扉ギミック125Aの従動ギア127)と連結される位置から、複数の装飾可動体(扉ギミック125A、扉ギミック125B、扉ギミック125C、扉ギミック125D)のうち一部の装飾可動体以外の装飾可動体(例えば、扉ギミック125C)を駆動可能に該一部の装飾可動体以外の装飾可動体の駆動機構(扉ギミック125Cの従動ギア127)と連結される位置へ移動するよう構成されている。
したがって第2実施形態のパチンコ遊技機によれば、扉ギミック駆動用モータ150(単一の駆動源)が複数の装飾可動体(扉ギミック125A、扉ギミック125B、扉ギミック125C、扉ギミック125D)の間を移動するため、装飾可動体125の数がいくつに増えても、全ての装飾可動体125を一つの駆動源(扉ギミック駆動用モータ150)で駆動することができる。したがって、複数の装飾可動体を遊技機に搭載する際のコストダウンが図れるため、動作頻度の少ない装飾可動体も積極的に搭載可能となる。
換言すれば、第2実施形態のパチンコ遊技機は、単一の駆動源(扉ギミック駆動用モータ150)と、該単一の駆動源により駆動される複数の装飾可動体(扉ギミック125A、扉ギミック125B、扉ギミック125C、扉ギミック125D)とを備え、該単一の駆動源は、第1の位置で複数の装飾可動体のうち一部の装飾可動体(例えば、扉ギミック125A)を駆動し、該第1の位置と異なる第2の位置に移動して、該第2の位置で複数の装飾可動体のうち前記一部の装飾可動体以外の装飾可動体(例えば、扉ギミック125C)を駆動するよう構成され、複数の装飾可動体は、当該複数の装飾可動体を構成する各装飾可動体のうちいずれの装飾可動体が駆動されるかによって、異なる大当たり期待度を遊技者に対して示すよう構成されている。したがって、複数の装飾可動体を単一の駆動源で駆動可能である。
3.第3実施形態
第1実施形態のパチンコ遊技機1では、電磁ソレノイド96を用いて、駆動ギア93が電動モータ88の出力軸89上を駆動源移動位置と扉ギミック動作位置との間で移動できるよう構成したが、第3実施形態のパチンコ遊技機では、図32に示すように、電磁クラッチ180を用いて、移動体81の従動ギア94と噛み合っている駆動ギア186が、電動モータ170の動力を伝達可能に電動モータ170の出力軸171に繋げられている状態と、電動モータ170の動力を伝達不可能に電動モータ170の出力軸171から離されている状態と、に切り換えられるよう構成している。なお、第3実施形態の説明において、第1実施形態と同様の構成については、同様の符号を付して説明を省略する。
第3実施形態のパチンコ遊技機は、電磁クラッチ180を備える。電磁クラッチ180の原動節181は、電動モータ170の出力軸171である。電磁クラッチ180の従動節182には、移動体(車ギミック)81の後輪側のシャフト83aに固定された従動ギア94と噛み合う駆動ギア186が、取り付けられている。なお、従動節182は、シャーシ82の床面に取り付けられた軸支部材185により、回転を許容されつつ支持されている。また、電磁クラッチ180および電動モータ170はランプ制御基板24に接続されている。
第3実施形態のパチンコ遊技機では、図32(a)に示すように、電磁クラッチ180がONされているとき、すなわち電磁石183が励磁されて摩擦板184が吸着され原動節181の回転が従動節182に伝達されるときは、電動モータ170を駆動すると駆動ギア186が回転するので、移動体(車ギミック)81を移動させることができる。一方、図32(b)に示すように、電磁クラッチ180がOFFされているとき、すなわち電磁石183が非励磁とされて摩擦板184が吸着されておらず原動節181の回転が従動節182に伝達されないときは、電動モータ170を駆動しても駆動ギア186が回転しないので、移動体(車ギミック)81を移動させることはできない。
また、電動モータ170の出力軸171には、各扉ギミック64のクラウンギア69と噛み合うギミック用駆動ギア187が固定されている。ギミック用駆動ギア187は、電磁クラッチ180がONされた状態で電動モータ170が駆動されるときは、いずれのギアとも噛み合うことなく回転し、電磁クラッチ180がOFFされた状態で電動モータ170が駆動されるときは、いずれかの扉ギミック64のクラウンギア69と噛み合って回転する。
第3実施形態のパチンコ遊技機では、例えば扉ギミック64Bを動作させる場合、演出装置40を次のように動作させる。まず、電磁クラッチ180をONした状態(図32(a)に示す状態)で電動モータ170を駆動し、車ギミック81を位置Bまで移動させ、ギミック用駆動ギア187をクラウンギア69Bに噛み合わせる。車ギミック81の移動が完了したら、一旦電動モータ170を停止させるとともに、電磁クラッチ180をOFFにする(図32(b)に示す状態にする)。その後、再び電動モータ170を駆動し、クラウンギア69Bと噛み合っているギミック用駆動ギア187を回転させて、扉ギミック64Bを回動させる。なお、演出装置40の動作にあたっては、車ギミック81の移動が完了した時点でギミック用駆動ギア187がクラウンギア69に噛み合うよう、移動体(車ギミック)81の移動速度などが制御される。
また、第3実施形態のパチンコ遊技機では、ギミック用駆動ギア187と各クラウンギア69との噛み合いには適度なあそびが設けられている。これは、ギミック用駆動ギア187の移動方向に沿って同一直線上に各クラウンギア69が並んでいるため、例えば扉ギミック64Dを駆動する場合、ギミック用駆動ギア187は、クラウンギア69A、クラウンギア69B、クラウンギア69Cを通り過ぎて、クラウンギア69Dと噛み合うこととなるが、このようなギミック用駆動ギア187が通り過ぎるときの各クラウンギア69との僅かな噛み合いで、扉ギミック64A、扉ギミック64B、扉ギミック64Cが回動しないようにするためのものである。
なお、第3実施形態のパチンコ遊技機では、各扉ギミック64に対応する各クラウンギア69が、ギミック用駆動ギア187の移動方向に沿って同一直線上に配されているため、電動モータ170の出力軸171に取り付けるギミック用駆動ギア187を一つとして構成したが、各扉ギミック64に対応する各クラウンギア69を前後にずらして配して、電動モータ170の出力軸171上に、各クラウンギア69に対応する複数のギミック用駆動ギア187(動力伝達部に相当)を配する構成としてもよい。
4.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、実施形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、実施形態のパチンコ遊技機1と同様の符号を付して説明を省略する。
第1実施形態のパチンコ遊技機1における演出装置40では、移動体81に取り付けられた電動モータ88および電磁ソレノイド96は、ケーブル107,108により中継基板109に接続され、中継基板109を介してランプ制御基板24に接続されて、ランプ制御基板24により制御される構成としたが、ケーブルを用いずに、無線通信により制御する構成としてもよい。この場合、移動体81には、制御信号を無線受信する受信器を内蔵する。そして、ランプ制御基板24は、演出制御基板22から受信した装置作動コマンドに基づいて、移動体81に対して、電動モータ88および電磁ソレノイド96を動作させる動作信号を無線送信し、かつ、所定のタイミングで、電動モータ88および電磁ソレノイド96を停止させる停止信号を無線送信するよう構成する。
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、電動モータ88および電磁ソレノイド96を作動するために必要な電源は、ランプ制御基板24などの基板を介して図示しない電源基板から供給されるように構成したが、移動体本体(シャーシ)82に充電式等の電池を積んで、この電池を電源とする構成としてもよい。この場合、移動体(車ギミック)81の初期位置(例えば図8に示す位置A)において、電池が充電されるよう構成する。
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、移動体81の駆動源として、回転型の電動モータ88を用いて構成したが、コイル可動型や永久磁石可動型などのリニアモータを用いて構成してもよい。
また、第1実施形態のパチンコ遊技機では、装飾パネル104(装飾部)は、車ギミック81の移動開始から移動終了までずっと遊技者から目視可能に構成したが、車ギミック81の移動時において少なくとも所定時間は遊技者から目視可能に構成されていれば、どのタイミングで遊技者から目視可能となるかは任意に構成してよい。例えば、移動を開始する前は目視可能であるが、移動を開始すると目視できなくなるよう構成したり、移動を開始する前は目視できないが、移動を開始すると目視可能となるよう構成したり、移動中の所定時間のみ目視可能となるよう構成したりすることができる。
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、遮蔽手段としてシャッター装置110を用いて、移動体81の移動を遊技者から見えなくする構成としたが、シャッター装置110を用いることなく、位置Aから位置Bまでは遊技者から常に視認可能とし、位置Bから位置Cまでの間および位置Cから位置Dまでの間は、遊技者から常に視認不可能として構成してもよい。この場合、位置Bから位置Cまでの間および位置Cから位置Dまでの間には、遮蔽手段として、レール部42前方を覆う遮蔽板や遮蔽シートを配する。この構成においても、位置Bで移動体81を一旦停めた後、遊技者から見えないように移動体81を位置C又は位置Dまで動かし、扉ギミック64C又は扉ギミック64Dを動作させることができる。このように、遊技者から見えないように電動モータ88を移動させることで、遊技者が動作すると想定している扉ギミック64と異なる扉ギミック64が動作することとなり、遊技者に対して驚きと期待感を与えることができる。
また、第1実施形態のパチンコ遊技機1では、各扉ギミック64の駆動機構(クラウンギア69)を分岐のないレール部42に沿って一直線に配したが、レール部に分岐点を設け、その先に異なる扉ギミック64の駆動機構(クラウンギア69)を配する構成としてもよい。例えば、レール部を前後2列に構成するとともに、レール部上にソレノイドにより駆動される切り換え手段を配して分岐点とし、ソレノイドがONのときは例えば扉ギミック64Cの駆動機構(クラウンギア69C)が配された一方のルートへ移動体81が案内され、ソレノイドがOFFのときは例えば扉ギミック64B及び扉ギミック64Dの駆動機構(クラウンギア69B,69D)が配された他方のルートへ移動体81が案内されるよう構成する。
さらに、分岐点のあるレール部を用いた構成の例として、まず、扉ギミック64Bへいくルートと、扉ギミック64Cへいくルートに分岐させ、扉ギミック64Bへいくルートには、扉ギミック64Bから扉ギミック64Dへいくルートも設けた構成とし、扉ギミック64Bへいくルートと扉ギミック64Cへいくルートは、遊技者から視認可能に構成し、扉ギミック64Bから扉ギミック64Dへいくルートは、遮蔽板や遮蔽シートなどの遮蔽手段により、常に遊技者から視認できないように構成する。このように構成すれば、扉ギミック64Bを駆動させるルートへ移動体81が移動したことで、扉ギミック64Cよりも大当たり期待度が低いと落胆している遊技者に対して、遊技者から見えないように扉ギミック64Dまで移動体81を移動させ、扉ギミック64Dを動作させることにより、驚きと大当たり当選への期待感を与えることができ、効果的に遊技の興趣性を高めることができる。
また、第2実施形態のパチンコ遊技機では、装飾プレート162により、台座部材(移動体)140の移動が遊技者から見えないように構成したが、装飾プレートを設けず、又は透明とし、さらに、台座部材140に、第1実施形態のパチンコ遊技機が備える装飾パネル104のような装飾部を設けて、台座部材を遊技者から視認可能なギミックとして構成してもよい。