JP6033845B2 - ビニル系重合体の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、共役ジエン系単量体およびビニル芳香族系単量体から選ばれるビニル系重合体の製造方法に関する。
ブタジエン、イソプレン、スチレンに代表されるビニル系単量体のアニオン重合において、例えば、アルキルリチウムをアニオン重合開始剤に用いた場合、重合成長末端アニオンの連鎖移動反応及び停止反応が抑制された、いわゆるリビングアニオン重合が進行するので、分子量の制御が容易になり、単峰性で分子量分布の狭い(例えば2未満)ビニル系重合体が得られる。また、重合成長末端アニオンにさらに様々な単量体や反応剤を反応させることで、ブロック共重合体や末端修飾されたビニル系重合体を製造することもできる。
ビニル系単量体のリビングアニオン重合では、アニオン重合開始剤1分子からビニル系重合体1分子が生成し、使用するビニル系単量体とアニオン重合開始剤の使用量比(モル比)を調節することによって、得られるビニル系重合体の分子量が制御できる。このため、所望の分子量のビニル系重合体を製造する場合、必要なアニオン重合開始剤のモル数が一義的に決定される。したがって、ビニル系単量体のリビングアニオン重合では、アニオン重合開始剤のコスト削減が求められている。
特定の芳香環含有化合物および特定のアミンの存在下にビニル系単量体のアニオン重合を行うと、アニオン重合開始剤および重合成長末端アニオンが、前記芳香環含有化合物からプロトンを引き抜き、アニオン重合を停止するとともに芳香環含有化合物に由来する新たなアニオンが生成すること、さらについで該アニオンを起点としてアニオン重合を開始することが知られている。この方法によれば、アニオン重合開始剤の使用量および原料コストの削減が期待できる。
例えば、アニオン重合開始剤としてブチルリチウムを用い、芳香環含有化合物としてトルエンまたはジフェニルメタンを用い、アミンとしてN,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)を用いた、ブタジエンのアニオン重合が知られている(非特許文献1)。しかしながらこの方法では、アニオン重合開始剤から開始されるアニオン重合と、前記芳香環含有化合物に由来するアニオンから開始されるアニオン重合との重合速度が異なることから、前記芳香環含有化合物に由来するアニオンから開始されるアニオン重合が実質的に進行しなかったり、得られるビニル系重合体の分子量分布が広くなったりする。
一方、ビニル系単量体のアニオン重合を完了させた系内に、特定の芳香環含有化合物および特定のアミンを添加し、同様に芳香環含有化合物に由来する新たなアニオンを生成させ、ついで新たなビニル系単量体を添加してアニオン重合を再開始する方法が知られている(非特許文献2)。この方法によれば、アニオン重合開始剤の使用量および原料コストを削減しつつ、分子量分布の狭いビニル系重合体が得られる。しかし、前記特定の芳香環含有化合物からのプロトンの引き抜きを短時間で行うには、前記アミンを大量に用いる必要があり、原料コストの削減の観点から好ましくない。また、ビニル系単量体として共役ジエンを用いた場合、アミンを大量に用いてアニオン重合すると1,4−付加率が低下し、粘着剤などの用途に不向きなものとなる。
ポリマー(Polymer) 第26巻, 1265-1267頁 (1985年) マクロモレキュラー・シンポジア(Macromolecular Symposia) 第107巻, 199-208 頁 (1996年)
しかして本発明の目的は、アニオン重合開始剤およびアミンの使用量を削減しつつ、単峰性で分子量分布の狭い所望の分子量のビニル系重合体の製造方法を提供することにある。
本発明によれば、上記の目的は、
共役ジエン系単量体及びビニル芳香族系単量体から選ばれる1種または2種以上のビニル系単量体をアニオン重合開始剤(A)の存在下でアニオン重合を行う第1工程;アニオン重合を行った系内に、下記一般式(1)で示される化合物(B)を添加し、かつ3つ以上の窒素原子を有する3級アミン(C)を前記アニオン重合開始剤(A)1モルに対して0.5〜15モル倍の範囲で存在させて、プロトン引き抜き反応を行う第2工程;プロトン引き抜き反応を行った系内に、共役ジエン系単量体及びビニル芳香族系単量体から選ばれる1種または2種以上のビニル系単量体を添加してアニオン重合を行う第3工程;および第3工程終了後にアニオン重合を停止する第4工程;を含むビニル系重合体の製造方法を提供することによって達成される。
Figure 0006033845

[式中、nは2または3であり、R1〜R5は水素原子または炭素数1〜8の炭化水素基を表す。]
前記ビニル系単量体は、下記一般式(2)で示される共役ジエン系単量体であることが好ましい。
Figure 0006033845

[式中、R6は水素原子または炭素数1〜11の炭化水素基を表す。]
また、前記3級アミン(C)は、N,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジエチレントリアミンまたはN,N,N’,N’’,N’’’,N’’’-ヘキサメチルトリエチレンテトラミンであることが好ましい。
本発明の製造方法によれば、共役ジエン系単量体およびビニル芳香族系単量体から選ばれるビニル系単量体のアニオン重合において、特定の化合物の存在下でアニオン重合することで、重合成長末端アニオンが化合物(B)からプロトンを引き抜き、新たに生成した炭素アニオンがビニル系単量体の重合を再開始し、分子量が制御されたビニル系重合体を与える。このことによって、アニオン重合開始剤の使用量を抑制しつつ、分子量の制御が容易であり、単峰性で分子量分布の狭いビニル系重合体を製造することができる。
本発明の製造方法では、第1工程で用いるビニル系単量体の質量(g)を、用いるアニオン重合開始剤(A)のモル数(mol)で除した値を目標分子量として定めることで、得られるビニル系重合体の分子量を制御できる。得られるビニル系重合体の数平均分子量は目標分子量に対して通常20%以内の誤差範囲で制御できる。
本発明の製造方法で得られるビニル系重合体の数平均分子量に特に制限はないが、通常、2,000以上100,000以下であり、アニオン重合開始剤(A)の使用量低減の効果が顕著となる観点から数平均分子量20,000以下が好ましく、10,000以下がより好ましい。本発明の製造方法では単峰性で分子量分布の狭いビニル系重合体を得ることができる。得られるビニル系重合体の分子量分布は通常2未満であり、1.8未満であることが好ましく、1.6未満であることがより好ましい。
本発明の製造方法の各工程は、窒素、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気下で、乾燥条件下に行うことが望ましい。
本発明の製造方法の各工程は、重合温度の制御、重合系内の均一化、アニオン重合、停止反応の円滑化等の観点から、有機溶媒中で行うことが好ましい。用いることのできる有機溶媒としては、アニオン重合に関与せず、かつ得られるビニル系重合体を溶解できる有機溶媒が好ましく、連鎖移動反応および停止反応を抑制する観点から脂肪族飽和炭化水素化合物または芳香族系炭化水素化合物が好ましく、脂肪族飽和炭化水素化合物としてはヘキサン、ヘプタン、ノナン、デカン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンがより好ましく、芳香族炭化水素化合物としてはベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、トルエン、イソプロピルベンゼン、キシレン等がより好ましい。これらの脂肪族飽和炭化水素化合物または芳香族系炭化水素化合物に本発明の目的を超えない範囲で、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン等のエーテルを含有させてもよい。
有機溶媒の使用量は、用いるビニル系単量体の総量100質量部に対して、20〜400質量部の範囲が好ましく、30〜300質量部の範囲がより好ましい。
以下、各工程について詳細に説明する。
[第1工程]
第1工程では、共役ジエン系単量体及びビニル芳香族系単量体から選ばれる1種または2種以上のビニル系単量体をアニオン重合開始剤(A)の存在下でアニオン重合を行う。
第1工程で用いられるビニル系単量体は、共役ジエン系単量体およびビニル芳香族系単量体から選ばれ、1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
上記共役ジエン系単量体としては、ブタジエン、イソプレン、ペンタジエン、7−メチル−3−メチレン−1,6−オクタジエン等が挙げられる。
上記ビニル芳香族系単量体としては、スチレン、α−アルキル置換スチレン、核アルキル置換スチレン、核ハロゲン置換スチレン等が挙げられ、このうち、α−メチルスチレン、α−メチル−4−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−メチルスチレン、2−メチルスチレン、4−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン、4−イソプロピルスチレン、2,4,6−トリメチルスチレン、4−クロロスチレン等が好ましく、スチレン、α−メチルスチレンおよび4−メチルスチレンがより好ましい。
これらビニル系単量体のうち、化合物(B)からのプロトン引き抜き速度の高さから、上記一般式(2)で示される共役ジエン系単量体が好ましく、ブタジエンおよびイソプレンがより好ましい。
アニオン重合開始剤(A)としては、有機アルカリ金属、有機アルカリ土類金属、アルカリ金属、有機亜鉛、有機アルミニウムが挙げられる。
有機アルカリ金属としては、メチルリチウム、n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、イソプロピルリチウム、n−プロピルリチウム、イソプロピルリチウムフェニルリチウム、ベンジルリチウム、ヘキシルリチウム、ブチルナトリウム、ブチルカリウム等が挙げられる。
有機アルカリ土類金属としては、メチルマグネシウムクロリド、メチルマグネシウムブロミド、メチルマグネシウムヨージド、エチルマグネシウムブロミド、プロピルマグネシウムブロミド、フェニルマグネシウムクロリド、フェニルマグネシウムブロミド、ジブチルマグネシウム等が挙げられる。
アルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等が挙げられる。
有機亜鉛としては、ジエチル亜鉛、ジブチル亜鉛、エチルブチル亜鉛等が挙げられる。
有機アルミニウムとしては、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、メチルビスフェノキシアルミニウム、イソプロピルビスフェノキシアルミニウム、ビス(2,6−ジ−t−ブチルフェノキシ)メチルアルミニウム、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノキシ)メチルアルミニウム等が挙げられる。
これらは1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
第1工程では、通常、重合温度に調整した有機溶媒中に、アニオン重合開始剤(A)を添加し、次いでビニル系単量体を添加する。
ビニル系単量体の添加方法に特に制限はなく、一括添加でも逐次添加でもよい。例えばビニル系単量体のアニオン重合の終了を確認後、別の種類のビニル系単量体を添加することでブロック共重合体を得ることができる。また、2種以上のビニル系単量体の混合物を一括して添加することでランダム共重合することもできる。第1工程におけるアニオン重合は、添加したビニル系単量体がすべて消費されてアニオン重合が終了するまで行うことが好ましい。アニオン重合の終了は、例えば、アニオン重合中の重合反応液からサンプリングして系内のビニル系重合体の分子量を測定することによって確認できる。
第1工程におけるアニオン重合の温度は−20〜150℃の範囲が好ましく、0〜120℃の範囲がより好ましく、0〜100℃の範囲がさらに好ましい。この温度が、−20℃より低いと、アニオン重合の速度が遅く、工業生産性の観点から好ましくない場合がある。またこの温度が、150℃を超えると、停止反応等の副反応が頻繁に起こり、分子量の制御が困難となったり、得られたビニル系重合体が着色する場合がある。かかる第1工程におけるアニオン重合の温度は、一定である必要はない。
[第2工程]
第2工程では、アニオン重合を行った系内に下記一般式(1)で示される化合物(B)を添加し、かつ3つ以上の窒素原子を有する3級アミン(C)をアニオン重合開始剤(A)1モルに対して0.5〜15モル倍の範囲で存在させて、プロトン引き抜き反応を行う。
Figure 0006033845
[式中、nは2または3であり、R1〜R5は水素原子または炭素数1〜8の炭化水素基を表す。]
一般式(1)におけるR1〜R5が表す炭素数1〜8の炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アリル基、メタリル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、アミル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基、トリル基、ベンジル基、メシチル基等が挙げられる。R1〜R5は入手容易性の観点から、水素原子であることが好ましい。
化合物(B)の具体例としては、ジフェニルメタン、ジ(2−メチルフェニル)メタン、ジ(3−メチルフェニル)メタン、ジ(4-メチルフェニル)メタン、1,3−ジベンジルトルエン、5−メチル−1,3−ジベンジルトルエン、トリフェニルメタン、トリ(2-メチルフェニル)メタン、トリ(3-メチルフェニル)メタン、トリ(4-メチルフェニル)メタン等が挙げられ、このうちジフェニルメタンおよびトリフェニルメタンが好ましい。これら化合物(B)は、1種類を単独で用いても、2種類以上を併用してもよい。
化合物(B)はメチレン炭素もしくはメチン炭素に芳香環が結合した構造を有しており、芳香環の効果により、メチレン炭素もしくはメチン炭素上のプロトンが重合成長末端アニオンに引き抜かれやすい。
化合物(B)の使用量は、分子量分布の狭いビニル系重合体を製造する観点から、アニオン重合開始剤(A)1モルに対して0.95〜1.05モル倍の範囲であることが好ましく、アニオン重合開始剤(A)と化合物(B)の使用量が等量であることが最も好ましい。
3つ以上の窒素原子を有する3級アミン(C)は、分子構造内に3つ以上存在するすべての窒素原子が3級アミンである。分子構造内に3つ以上の3級アミンを有することで、重合成長末端アニオンによる化合物(B)からのプロトンの引き抜きが迅速に進む。3級アミン(C)は、鎖状および/または環状の炭化水素基を有することが好ましい。3級アミン(C)としては、例えばN,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、2,6,10−トリメチル‐2,6,10−トリアザウンデカン、N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’’,N’’’’−ヘプタメチルテトラメチレンペンタミン、トリス[2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル]アミン、1,3,5−トリメチルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,4,7−トリメチル−1,4,7−トリアザシクロノナン、1,5,9−トリメチル−1,5,9−トリアザシクロデカン、1,4,8,11−テトラメチル−1,4,8,11−テトラアザシクロテトラデカン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)ベンゼン等が挙げられ、このうちN,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’−ヘキサメチルトリエチレンテトラミン、N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’’,N’’’’−ヘプタメチルテトラメチレンペンタミンが好ましく、N,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミンおよびN,N,N’,N’’,N’’’,N’’’−ヘキサメチルトリエチレンテトラミンがより好ましい。
3級アミン(C)は少なくとも第2工程において系内に存在すればよく、添加方法に制限はない。第1工程で共役ジエン系単量体をアニオン重合する場合、1,4−付加率を高めるためには第2工程開始時に化合物(B)とともに添加することが好ましく、1,4−付加率を下げるためには第1工程開始時に添加することが好ましい。3級アミン(C)の使用量はアニオン重合開始剤(A)1モルに対して0.5〜15モル倍の範囲であり、0.75〜10モル倍の範囲であることがより好ましく、共役ジエン系単量体をアニオン重合する場合の1,4−付加率を高める上では7.5モル倍以下とすることがさらに好ましい。重合成長末端アニオンに対して、3級アミン(C)の使用量がアニオン重合開始剤(A)1モルに対して0.5モル倍よりも少ないと化合物(B)からのプロトンの引き抜きが迅速に進まない。また、アニオン重合開始剤(A)の使用量に対する3級アミン(C)の使用量を増やすにしたがって、共役ジエン系単量体をアニオン重合する場合の1,4−付加率が低下する傾向となる。
第2工程は第1工程のアニオン重合を行った後に行う。また、後述する第3工程のアニオン重合を行った後にさらに第2工程を行ってもよい。第1工程、第2工程、第3工程を順に行った後でさらに第2工程を行う場合は、既に系内に3級アミン(C)が存在するので、3級アミン(C)を添加する必要はない。
狭い分子量分布のビニル系重合体を得る観点から、第2工程は系内のビニル系単量体が消費された状態で行うことが好ましい。第2工程において、化合物(B)の添加方法に特に制限はない。第2工程のプロトン引き抜き反応の反応温度は0℃以上150℃以下の範囲が好ましく、0℃以上120℃以下の範囲がより好ましく、0℃以上100℃以下の範囲がさらに好ましい。第1工程および第3工程の重合温度ならびに第2工程の反応温度を同じにしてもよい。第2工程の反応時間に特に制限はないが、通常10〜120分の範囲が好ましく、20〜60分の範囲がさらに好ましい。
[第3工程]
第3工程では、プロトン引き抜き反応を行った系内に共役ジエン系単量体及びビニル芳香族系単量体から選ばれる1種または2種以上のビニル系単量体を添加してアニオン重合する。
第3工程で用いることができるビニル系単量体は、第1工程と同様である。第1工程および第3工程で用いられるビニル系単量体が同一種であれば、得られるビニル系重合体は単一種となり、異種であれば、異なるビニル系重合体の混合物となる。第1工程および第3工程で用いられるビニル系単量体の使用量の比率を調整することで得られるビニル系重合体の分子量分布を制御でき、同一種かつ同量のビニル系単量体を用いることで分子量分布の狭いビニル系重合体が得られる。
第3工程におけるビニル系単量体の添加方法に特に制限はなく、第1工程と同様である。すなわち、一括添加でも逐次添加でもよく、例えばビニル系単量体のアニオン重合の終了を確認後、別のビニル系単量体を添加することでブロック共重合することができる。また、2種以上のビニル系単量体の混合物を添加することでランダム共重合することもできる。第3工程におけるアニオン重合は、添加したビニル系単量体がすべて消費されてアニオン重合が終了するまで行うことが好ましい。アニオン重合の終了は、例えば、アニオン重合中の重合反応液からサンプリングして系内のビニル系重合体の分子量を測定することによって確認できる。
第3工程におけるアニオン重合の温度は第1工程と同様であり、一定である必要もない。第3工程の終了後、第4工程を実施する前に、第2工程および第3工程を複数回繰り返すことが可能である。
[第4工程]
第4工程では、第3工程終了後にアニオン重合を停止する。アニオン重合の停止方法に特に制限はなく、公知の方法を適用できる。例えば、第3工程を終えた系内に、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール;酢酸等のカルボン酸等のプロトン酸;等の停止剤を添加する方法が挙げられる。また、エチレンオキシド、二酸化炭素等の末端修飾剤を添加した後に、プロトン酸等の停止剤を添加する方法も適用できる。第4工程を実施する温度に特に制限はなく、第4工程直前の第3工程終了時の温度でも、温度を変更してもよいが、末端修飾剤および停止剤の沸点以下であることが好ましい。
[単離工程]
第4工程終了後に、ビニル系重合体を単離する方法に特に制限はない。例えば、第4工程を終えたビニル系重合体溶液を、ビニル系重合体の溶解性が低い有機溶媒(貧溶媒)中に添加することでビニル系重合体を析出させたのち、ろ過等によって単離する方法;第4工程を終えたビニル系重合体溶液に水を加え、水溶性成分を洗浄除去したのち、有機溶媒を留去する方法などが挙げられる。
以下、本発明を実施例及び比較例により詳細に説明するが、本発明はこれら実施例により限定されない。
本実施例等に用いた原料の入手方法および精製方法を以下に示す。
[ビニル系単量体]
ブタジエン:JSR(株)製、モレキュラーシーブス3A(以下、単に「モレキュラーシーブス」と記載する)を入れて乾燥した。
イソプレン:(株)クラレ製、モレキュラーシーブスを入れて乾燥した。
スチレン:和光純薬工業(株)製、特級試薬にモレキュラーシーブスを入れて乾燥し、活性アルミナを入れて重合禁止剤を吸着除去後、アルゴンで脱気処理を行った。
α-メチルスチレン:和光純薬工業(株)製、特級試薬にモレキュラーシーブスを入れて乾燥し、活性アルミナを入れて重合禁止剤を吸着除去後、アルゴンで脱気処理を行った。
4−メチルスチレン:和光純薬工業(株)製、特級試薬にモレキュラーシーブスを入れて乾燥し、活性アルミナを入れて重合禁止剤を吸着除去後、アルゴンで脱気処理を行った。
[アニオン重合開始剤(A)]
n−ブチルリチウム(n-BuLi):関東化学(株)製、1.6Mのn−ヘキサン溶液
sec−ブチルリチウム(sec-BuLi):関東化学(株)製、1.0Mのシクロヘキサン溶液
t−ブチルリチウム(t-BuLi):関東化学(株)製、1.6Mのペンタン溶液
[化合物(B)]
ジフェニルメタン:和光純薬工業(株)製、特級試薬にモレキュラーシーブスを入れ、アルゴンで脱気処理を行った。
トリフェニルメタン:東京化成工業(株)製をそのまま用いた。
[三級アミン(C)]
N,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA):東京化成工業(株)製、特級試薬にモレキュラーシーブスを入れ、アルゴンで脱気処理を行った。
N,N,N’,N’’,N’’’,N’’’-ヘキサメチルトリエチレンテトラミン(HMTETA):広栄化学工業(株)製、特級試薬にモレキュラーシーブスを入れ、アルゴンで脱気処理を行った。
[有機溶媒]
ヘキサン:和光純薬工業(株)製、特級試薬にモレキュラーシーブスを入れ、アルゴンで脱気処理を行った。
シクロヘキサン:和光純薬工業(株)製、特級試薬にモレキュラーシーブスを入れ、アルゴンで脱気処理を行った。
メチルシクロヘキサン:和光純薬工業(株)製、特級試薬にモレキュラーシーブスを入れ、アルゴンで脱気処理を行った。
メタノール:(株)クラレ製、モレキュラーシーブスを入れ、アルゴンで脱気処理を行った。
[数平均分子量および分子量分布の測定]
ビニル系重合体の数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件により測定した。
測定器:東ソー(株)製、HLC−8220
カラム:東ソー(株)製、TSKgel−HZ-M (2本)を使用した。
温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
サンプル濃度:0.1wt/vol%(THF)

測定した保持時間を、ジーエルサイエンス(株)製、標準ポリスチレン(Mp=900,000;271,800; 132,900;72,450; 29,510;10,110;3,070;575)を用いて較正した。
ポリスチレン(実施例6、比較例2)以外のビニル系重合体については、GPC測定で得られたポリスチレン換算の数平均分子量の値に単量体の分子量を乗じ、104で除した値をその重合体の数平均分子量とした。例えばポリブタジエンの場合、GPC測定で得られた数平均分子量がMn(St)ならば、Mn= Mn(St)×54/104である。
[ビニル系重合体の構造解析]
得られたビニル系重合体の1,4−付加率を核磁器共鳴装置(NMR)を以下の条件で測定して解析した。
測定器:日本電子JNM-ECX-400
観測核:
温度:25℃
溶媒:重クロロホルム
ポリブタジエンのミクロ構造は、ビニル位のプロトンの積分値:IA [-CH=(1,2), δ5.6], IB [-CH=(1,4), δ5.4], IC [CH2=(1,2), δ4.9]から1,4−付加の割合を式:100(1- IC/( IA + IB + (1/2)IC))[%]を用いて計算した。また、ポリイソプレンのミクロ構造は、ビニル位のプロトンの積分値:IA [-CH=(1,2), δ5.3], IB [CH2=(1,2), δ5.0], IC [CH2=(3,4), δ4.8]から1,4−付加の割合を式:100(IA/( IA + (1/2)IB + (1/2)IC))[%]を用いて計算した。
実施例1
100mLオートクレーブにヘキサン(20mL)、n-BuLi(ヘキサン溶液、2.0mmol)、ブタジエン(16mL、184mmol)をフィードした。70℃で30分撹拌後、ジフェニルメタン(0.33mL、2.0mmol)、ついでPMDETA(0.31mL、1.5mmol)を添加した。70℃で30分撹拌後、ブタジエン(16mL、184mmol)をフィードし、さらに70℃で1時間撹拌し、室温に戻した後にメタノール0.5mLを加えてアニオン重合を停止させた。
ついで、得られたポリブタジエン溶液を、攪拌しているメタノール(500mL)中に滴下することで固形分を析出させた後に、上澄みを除き、30Pa、50℃にて6時間乾燥し、ポリブタジエンを得た。
得られたポリブタジエンのMnは5,200、Mw/Mnは1.25、1,4−付加率は78%であった。
実施例2
PMDETA(0.31mL、1.5mmol)の代わりに、HMTETA(0.41mL、1.5mmol)を添加した以外は、実施例1と同様の操作を行い、ポリブタジエンを得た。
得られたポリブタジエンのMnは5,100、Mw/Mnは1.30、1,4−付加率は76%であった。
実施例3
100mLオートクレーブにヘキサン(20mL)、n-BuLi(ヘキサン溶液、2.0mmol)、ブタジエン(16mL、184mmol)をフィードした、70℃で30分撹拌後、ジフェニルメタン(0.33mL、2.0mmol)、ついでPMDETA(0.31mL、1.5mmol)を添加した。70℃で30分撹拌後、ブタジエン(16mL、184mmol)をフィードし、さらに70℃で1時間撹拌した。ついでジフェニルメタン(0.33mL、2.0mmol)加え、70℃で30分撹拌後、ブタジエン(16mL、184mmol)をフィードし、さらに70℃で1時間撹拌した。室温に戻した後にメタノール0.5mLを加えて重合を停止させた。ついで、得られたポリブタジエン溶液をメタノール(500mL)中に滴下することで固形分を析出させた後に、上澄みを除き、30Pa、50℃にて6時間乾燥し、ポリブタジエンを得た。
得られたポリブタジエンのMnは5,300、Mw/Mnは1.35、1,4−付加率は70%であった。
実施例4
ジフェニルメタン(0.33mL、2.0mmol)の代わりに、トリフェニルメタン(489mg、2.0mmol)を添加した以外は実施例1と同様の操作を行い、ポリブタジエンを得た。
得られたポリブタジエンのMnは5,100、Mw/Mnは1.20、1,4−付加率は77%であった。
実施例5
100mLオートクレーブにヘキサン(20mL)、n-BuLi(ヘキサン溶液、2.0mmol)、イソプレン(14.6mL、146mmol)をフィードした、70℃で1時間撹拌後、ジフェニルメタン(0.33mL、2.0mmol)、ついでPMDETA(0.62mL、3.0mmol)を添加した。70℃で30分撹拌後、イソプレン(14.6mL、146mmol)をフィードし、さらに70℃で1時間撹拌し、室温に戻した後にメタノール0.5mLを加えて重合を停止させた。ついで、得られたポリイソプレン溶液をメタノール(500mL)中に滴下することで固形分を析出させた後に、上澄みを除き、30Pa、50℃にて6時間乾燥し、ポリイソプレンを得た。
得られたポリイソプレンのMnは5,800、Mw/Mnは1.55、1,4−付加率は71%であった。
実施例6
100mLオートクレーブにシクロヘキサン(20mL)、t-BuLi(ペンタン溶液、2.0mmol)、スチレン(11mL、96mmol)をフィードした。50℃で45分撹拌後、ジフェニルメタン(0.33mL、2.0mmol)、ついでHMTETA(2.7mL、10mmol)を添加した。70℃で30分撹拌後、スチレン(11mL、96mmol)をフィードし、さらに70℃で1時間撹拌し、室温に戻した後にメタノール0.5mLを加えて重合を停止させた。ついで、得られたポリスチレン溶液をメタノール(500mL)中に滴下することで固形分を析出させた後に、上澄みを除き、30Pa、50℃にて6時間乾燥し、ポリスチレンを得た。
得られたポリスチレンのMnは5,100、Mw/Mnは1.20であった。
実施例7
100mLオートクレーブにシクロヘキサン(20mL)、sec-BuLi(シクロヘキサン溶液、2.0mmol)、ブタジエン(8.0mL、92mmol)、スチレン(5.5mL、48mmol)をフィードした。70℃で30分撹拌後、ジフェニルメタン(0.33mL、2.0mmol)、ついでHMTETA(0.54mL、2.0mmol)を添加した。70℃で30分撹拌後、ブタジエン(8.0mL、92mmol)、スチレン(5.5mL、48mmol)をフィードし、さらに70℃で1時間撹拌し、室温に戻した後にメタノール0.5mLを加えて重合を停止させた。ついで、得られたブタジエン−スチレン共重合体溶液をメタノール(500mL)中に滴下することで固形分を析出させた後に、上澄みを除き、30Pa、50℃にて6時間乾燥し、ブタジエン−スチレン共重合体を得た。
得られたブタジエン−スチレン共重合体のMnは5,500、Mw/Mnは1.30、1,4−付加率は76%であった。
実施例8
100mLオートクレーブにメチルシクロヘキサン(20mL)、sec-BuLi(シクロヘキサン溶液、2.0mmol)、α−メチルスチレン(11.2mL、85mmol)をフィードした。0℃で50分撹拌後、ジフェニルメタン(0.33mL、2.0mmol)、ついでHMTETA(2.7mL、10mmol)を添加した。40℃で45分撹拌後、α−メチルスチレン(11.2mL、85mmol)をフィードし、さらに0℃で1時間撹拌し、室温に戻した後にメタノール0.5mLを加えて重合を停止させた。ついで、得られたポリ(α−メチルスチレン)溶液をメタノール(500mL)中に滴下することで固形分を析出させた後に、上澄みを除き、30Pa、50℃にて6時間乾燥し、ポリ(α−メチルスチレン)を得た。
得られたポリ(α−メチルスチレン)のMnは4,800、Mw/Mnは1.40であった。
実施例9
100mLオートクレーブにシクロヘキサン(20mL)、sec-BuLi(シクロヘキサン溶液、2.0mmol)、4−メチルスチレン(11.1mL、85mmol)をフィードした。60℃で45分撹拌後、ジフェニルメタン(0.33mL、2.0mmol)、ついでHMTETA(2.7mL、10mmol)を添加した。70℃で30分撹拌後、4−メチルスチレン(11.1mL、85mmol)をフィードし、さらに60℃で1時間撹拌し、室温に戻した後にメタノール0.5mLを加えて重合を停止させた。ついで、得られたポリ(4−メチルスチレン)溶液をメタノール(500mL)中に滴下すること固形分を析出させた後に、上澄みを除き、30Pa、50℃にて6時間乾燥し、ポリ(4−メチルスチレン)を得た。
得られたポリ(4−メチルスチレン)のMnは5,300、Mw/Mnは1.35であった。
比較例1
PMDETA(0.31mL、1.5mmol)の代わりに、TMEDA(0.23mL、1.5mmol)を添加した以外は、実施例1と同様の操作を行い、ポリブタジエンを得た。
得られたポリブタジエンのMnは7,600、Mw/Mnは2.25であった。GPCクロマトグラムは2峰性を示した。
3つの窒素原子を有する3級アミン(PMDETA)を用いた実施例1では目標分子量(第1工程で用いたブタジエンのモル数×ブタジエンの分子量/用いたn-BuLiのモル数≒5,000)に近いMnのポリブタジエンが得られたのに対して、2つの窒素原子を有する3級アミン(TMEDA)を用いた本比較例で得られたポリブタジエンのMnは、上記目標分子量から大きくずれており、分子量分布も広い。これは、本比較例におけるプロトン引き抜き反応が著しく遅いためと考えられる。
比較例2
HMTETA(2.7mL、10mmol)の代わりに、TMEDA(1.51mL、10mmol)を添加した以外は、実施例6と同様の操作を行い、ポリスチレンを得た。
得られたポリスチレンのMnは8,900、Mw/Mnは2.34であった。GPCクロマトグラムは2峰性を示した。
4つの窒素原子を有する3級アミン(HMTETA)を用いた実施例6では目標分子量(第1工程で用いたスチレンのモル数×スチレンの分子量/t-BuLiのモル数≒5,000)に近いMnのポリスチレンが得られたのに対して、2つの窒素原子を有する3級アミン(TMEDA)を用いた本比較例で得られたポリスチレンのMnは、目標分子量から大きくずれており、分子量分布も広い。これは、本比較例におけるプロトン引きぬき反応が著しく遅いためと考えられる。
比較例3
100mLオートクレーブにヘキサン(20mL)、n-BuLi(ヘキサン溶液、2.0mmol)、ブタジエン(16mL、184mmol)をフィードした、70℃で30分撹拌後、ジフェニルメタン(0.33mL、2.0mmol)、ついでPMDETA(8.4mL、40mmol)を添加した。70℃で30分撹拌後、ブタジエン(16mL、184mmol)をフィードし、さらに70℃で1時間撹拌し、室温に戻した後にメタノール0.5mLを加えて重合を停止させた。ついで、得られたポリブタジエン溶液をメタノール(500mL)中に滴下することで固形分を析出させた後に、上澄みを除き、30Pa、50℃にて6時間乾燥し、ポリブタジエンを得た。重合体溶液をメタノール(500mL)中に投入した。
得られたポリブタジエンのMnは5,200、Mw/Mnは1.22、1,4−付加率は52%であった。
このようにPMDETAの使用量をn-BuLiの20モル倍とすると、同使用量を0.75モル倍とした実施例1と比べて1,4−付加率が低いポリブタジエンが得られた。
比較例4
HMTETA(0.41mL、1.5mmol)の代わりに、TMEDA(0.46mL、3.0mmol)を添加した以外は、実施例2と同様の操作を行い、ポリブタジエンを得た。
得られたポリブタジエンのMnは6,800、Mw/Mnは2.01、1,4−付加率は68%であった。GPCクロマトグラムは2峰性を示した。
実施例2と比較例4を比較すると、用いた3級アミン中の窒素原子のモル数はいずれも6.0mmolと等しい。しかしながら、4つの窒素原子を有する3級アミン(HMTETA)を用いた実施例2では分子量分布(Mw/Mn)が1に近いポリブタジエンが得られたのに対して、2つの窒素原子を有する3級アミン(TMEDA)を用いた本比較例で得られたポリブタジエンの分子量分布は広い。これは、2つの窒素原子を有する3級アミンを用いた本比較例においてはプロトン引き抜き反応が著しく遅いためと考えられる。
以上の実施例、比較例の重合条件と結果を表1に示す。
Figure 0006033845
本発明の製造方法で得られるビニル系重合体は、成形材料、可塑剤、粘着剤、接着剤などの用途に利用できる。

Claims (3)

  1. 共役ジエン系単量体及びビニル芳香族系単量体から選ばれる1種または2種以上のビニル系単量体をアニオン重合開始剤(A)の存在下でアニオン重合を行う第1工程;アニオン重合を行った系内に、下記一般式(1)で示される化合物(B)を添加し、かつ3つ以上の窒素原子を有する3級アミン(C)を前記アニオン重合開始剤(A)1モルに対して0.5〜15モル倍の範囲で存在させて、プロトン引き抜き反応を行う第2工程;プロトン引き抜き反応を行った系内に共役ジエン系単量体及びビニル芳香族系単量体から選ばれる1種または2種以上のビニル系単量体を添加してアニオン重合を行う第3工程;および第3工程終了後にアニオン重合を停止する第4工程;を含むビニル系重合体の製造方法。

    Figure 0006033845

    [式中、nは2または3であり、R1〜R5は水素原子または炭素数1〜8の炭化水素基を表す]
  2. 前記ビニル系単量体が、下記一般式(2)で示される共役ジエン系単量体である、請求項1に記載のビニル系重合体の製造方法。

    Figure 0006033845
    [式中、R6は水素原子または炭素数1〜11の炭化水素基を表す。]
  3. 前記3級アミン(C)がN,N,N’,N’’,N’’-ペンタメチルジエチレントリアミンまたはN,N,N’,N’’,N’’’,N’’’-ヘキサメチルトリエチレンテトラミンである、請求項1または2に記載のビニル系重合体の製造方法。
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