JP6843860B2 - ヒドロキシル化ポリオレフィンの製造方法 - Google Patents

ヒドロキシル化ポリオレフィンの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、オレフィンモノマーのリビングアニオン重合、および引き続くヒドロキシル基による官能化によって、ヒドロキシル化ポリオレフィンを製造する方法に関する。本発明の方法により、高い官能化度を達成することができる。
リビングアニオン重合は、アニオン性開始剤を使用してビニル基を有するモノマーを重合させるための、よく知られた方法である[Baskaran,D.およびMueller,A.H.E.(2009)Anionic Vinyl Polymerization,in Controlled and Living Polymerizations:From Mechanisms to Applications(A.H.E.MuellerおよびK.Matyjaszewski編)、Wiley−VCH Verlag GmbH&Co.KGaA、Weinheim、ドイツ]。「リビング」という用語は、反応性を十分な時間にわたり保持し、これにより停止反応および連鎖移動反応なしで生長を継続することができる安定したカルバニオン鎖端部を有するポリマー鎖が重合によりもたらされることを指す。停止反応および連鎖移動反応が起こらないため、各開始剤分子は、リビングポリマー鎖を1つもたらす。開始剤が十分に反応性を有する場合、開始速度は鎖の生長速度より速くなり、結果として、狭い分子量分布を有するポリマーを得ることができる。カルバニオン鎖が安定性しているため、ポリマー鎖は、様々な求電子試薬との反応により、多種多様な末端官能基で官能化され得る。したがって、リビングアニオン重合により、組成の不均一性の度合いが低く、明確に規定され、鎖端が官能化されたポリマーの合成が可能になる。
n−ブチルリチウムを開始剤として使用して、1,3−ブタジエンのリビングアニオン重合によりポリブタジエンを合成することは、例えば国際公開第2014/075901号(WO2014/075901A1)に記載されている。カルバニオンポリブタジエン鎖端部とエポキシド、例えばプロピレンオキシドとを反応させることにより、ポリマーを単一のヒドロキシル基で官能化させることができ、これにより、工業的に特に重要なモノヒドロキシル化ポリブタジエンが生成する。幾つかの用途のために、できあがったモノヒドロキシル化ポリブタジエンをさらに水素化して、完全に飽和した長鎖モノアルコールを製造することができる。完全に飽和したモノヒドロキシポリブタジエンの製造方法は、例えば国際公開第2015/040095号(WO2015/040095A1)に記載されている。
この製造プロセスでは、官能化されるポリマーの収率を最大化することが困難である。エポキシド基以外の求電子反応物、例えばプロピレンオキシドのメチル置換基における酸性プロトンは、リビングポリマー鎖の強塩基性カルバニオンと反応して、官能化されていないポリマー端部を生成することができる(Quirk,R.P.&Gomochak,D.L.(2003)、Recent advances in anionic synthesis of chain−end functionalized elastomers using epoxides and related compounds,Rubber chemistry and technology、76(4)、812〜831)。これは、官能化されるポリマーの収率が減少する結果をもたらす。従来技術において、この問題はほとんど注目されてこなかった。特に、公知の方法は、めったに95%以上の高い官能化の値に達することはない。
よって、本発明は、高いヒドロキシル官能化度、好ましくは98%超、さらにより好ましくは99%超の官能化度を有するヒドロキシル化ポリオレフィンの製造方法を提供することを目的とする。ここで官能化度とは、ポリマー鎖の総数に対する、ヒドロキシル基を有するポリマー鎖の数を指す。
この問題を解決するために、本発明は、重合温度、アニオン性開始剤に対する極性溶媒のモル比率、および反応混合物中のオレフィンの量によりポリオレフィンの官能化度を制御できることを発見した。
よって、本発明は、
a)以下のもの:
オレフィン、
少なくとも1個の酸素原子、硫黄原子または窒素原子を有する非プロトン性溶媒である極性溶媒、
炭化水素溶媒である非極性溶媒、および
アニオン性開始剤
を含有する反応混合物を用意する工程、
b)反応混合物を重合させる工程、ならびに
c)エポキシドを添加することにより重合を停止する工程、
を含む、ヒドロキシル化ポリオレフィンをリビングアニオン重合により製造する方法に関し、この方法は、
重合が50℃以下の温度で実施され、
アニオン性開始剤に対する極性溶媒のモル比率が3以下であり、かつ
反応混合物中のオレフィンの量が、反応混合物の合計重量を基準として、40重量%以下であることを特徴とする。
幾つかの実施形態において、本方法は、ヒドロキシル化ポリオレフィンを水素化する工程をさらに含むことができる。
幾つかの実施形態において、オレフィンは、スチレン、ジエン、アクリレート、アクリルアミド、アクリロニトリルまたはこれらの混合物から成る群より選択され得る。
幾つかの実施形態において、反応混合物は、オレフィンの合計量に対して、10〜100重量%のジエンを含有することができる。
幾つかの実施形態において、ジエンは、式VI:
Figure 0006843860
(上記式中、R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、アルキル、シクロアルキルまたはアリールを表す)
による化合物から選択され得る。
幾つかの実施形態において、極性溶媒は、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ニトロメタン、プロピレンカーボネート、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルリン酸トリアミドおよびこれらの混合物から成る群より選択され得る。
幾つかの実施形態において、非極性溶媒は、5〜10個の炭素原子を有する炭化水素およびこれらの混合物から選択され得る。
幾つかの実施形態において、アニオン性開始剤はアルキルリチウムであり得る。
幾つかの実施形態において、エポキシドは、2〜10個の炭素原子を有するアルキレンオキシドまたはこれらの混合物であり得る。
幾つかの実施形態において、重合は、1〜100barの範囲にある圧力で実施され得る。
幾つかの実施形態において、重合は、10℃〜50℃の範囲にある温度で実施され得る。
幾つかの実施形態において、アニオン性開始剤に対する極性溶媒のモル比率は、0.5〜3の範囲にあり得る。
幾つかの実施形態において、反応混合物中のオレフィンの量は、反応混合物の合計重量を基準として、5〜40重量%の範囲にある。
重合温度、アニオン性開始剤に対する極性溶媒のモル比率、および特定した範囲内にある反応混合物中のオレフィンの量を設定することにより、98.0%超、好ましくは99%超のポリマーの官能化度をもたらすことができる。
本発明の文脈において、「ポリオレフィン」という用語は、オレフィンのホモポリマーを指すが、リビングアニオン重合を用いて共重合可能な、様々なオレフィンのコポリマーも指す。
本明細書で使用されているように、「オレフィン」という用語は、重合可能な炭素−炭素二重結合を有する化合物を指す。本発明の方法において使用されるオレフィンは、二重結合に対するアルファ位において、電子求引性基により置換されていることが好ましい。
本発明の方法に適したオレフィンは、例えばスチレン、ジエン、特に共役ジエン、アクリレート、アクリルアミドおよびアクリロニトリルであり、これら全てが、1つ以上のアルキル基、シクロアルキル基またはアリール基、好ましくは1つ以上のC〜C12アルキル基、C〜C12シクロアルキル基またはC〜C20アリール基により置換され得る。好ましい実施形態において、オレフィンは、以下の式:
Figure 0006843860
(上記式中、Rは、それぞれ独立して、H、アルキル、シクロアルキルまたはアリールを表す。好ましくは、Rは、それぞれ独立して、H、C〜C12アルキル、C〜C12シクロアルキルまたはC〜C20アリールを表す)
のうち1つによる化合物またはこれらの混合物から選択される。
本発明の方法は、官能化されたポリジエンの製造に特に適している。よって、反応混合物は好ましくは、オレフィンの合計量に対して、10〜100重量%のジエンを含有し、オレフィンの合計量に対して、好ましくは50〜100重量%のジエンを含有し、オレフィンの合計量に対して、より好ましくは80〜100重量%のジエンを含有し、オレフィンの合計量に対して、最も好ましくは95〜100重量%のジエンを含有する。
リビングアニオン重合に適したジエンは、当技術分野において公知である。置換されたジエンは、酸性プロトンまたはその他の求電子剤を有する官能基を有しない限り、使用可能である。それと言うのも、求電子剤はカルバニオンと反応し、これによって開始剤を消費してしまうか、またはポリマーの生長を停止させてしまうからである。よって、酸性プロトンまたはその他の求電子基を有するジエンは、求電子基を適切に保護した後にのみ使用可能である。
特に、本発明の方法は共役ジエンの重合に関する。好ましくは、本発明の方法において使用するためのジエンは、式(VI):
Figure 0006843860
(上記式中、R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、アルキル、シクロアルキルまたはアリールを表す。好ましくは、R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、C〜C12アルキル、C〜C12シクロアルキルまたはC〜C20アリールを表す。より好ましくは、R、RおよびRはHを表し、R、RおよびRは、独立して、H、アルキル、シクロアルキルまたはアリール、さらにより好ましくはH、C〜C12アルキル、C〜C12シクロアルキルまたはC〜C20アリールを表す。最も好ましくは、R、R、R、RおよびRはHを表し、Rは、H、アルキル、シクロアルキルまたはアリール、さらにより好ましくはH、C〜C12アルキル、C〜C12シクロアルキルまたはC〜C20アリールを表す)
による化合物から選択される。
好ましい実施形態において、ジエンは、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、フェニルブタジエン、イソプレンまたはこれらの混合物から成る群より選択される。特に好ましい実施形態において、ジエンは1,3−ブタジエンである。
本発明の方法は、少なくとも1つの非極性溶媒および少なくとも1つの極性溶媒を含有する反応混合物中で実施される。反応混合物中の極性溶媒に対する非極性溶媒の重量比率は、好ましくは1〜50、より好ましくは15〜50、最も好ましくは30〜45の範囲にあり得る。
本発明の目的のために、極性溶媒とは、20℃で測定して少なくとも4の誘電率(比誘電率)を有する溶媒と定義される。非極性溶媒とは、20℃で4未満の誘電率を有する溶媒と定義される。ここで、所定の溶媒の誘電率は、この溶媒を誘電体として使用するコンデンサと、真空を誘電体として有するコンデンサとを比べた静電容量の比率である。
極性溶媒は、少なくとも1個の酸素原子、硫黄原子または窒素原子を有する非プロトン性溶媒である。適切な極性溶媒は、例えばジエチルエーテル、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ニトロメタンおよびプロピレンカーボネートである。
好ましい実施形態において、極性溶媒は非プロトン性ヘテロ脂肪族溶媒である。適切な非プロトン性ヘテロ脂肪族溶媒は、例えば第三級アミン、例えばペンタメチルジエチレントリアミン(PMDETA)、およびエーテル、例えばジエチルエーテルまたはテトラヒドロフラン(THF)である。好ましい実施形態において、極性溶媒は、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、ペンタメチルジエチレントリアミンまたはこれらの混合物から成る群より選択される。極性溶媒は、テトラヒドロフランであることが最も好ましい。
反応混合物中の極性非プロトン性溶媒の量は、反応混合物の合計重量を基準として、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.5〜5重量%、最も好ましくは0.75〜5重量%である。
非極性溶媒は、炭化水素溶媒、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ベンゼンおよびトルエンである。非極性溶媒は、好ましくは5〜10個の炭素原子を有する炭化水素、好ましくは5〜10個の炭素原子を有するアルカンまたはシクロアルカン、より好ましくはヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンまたはこれらの混合物、最も好ましくはシクロヘキサンである。反応混合物中の非極性溶媒の量は、反応混合物の合計重量を基準として、好ましくは40〜90重量%、より好ましくは30〜85重量%、最も好ましくは50〜80重量%である。
好ましい実施形態において、極性溶媒はテトラヒドロフランであり、非極性溶媒はシクロヘキサンである。
本発明の方法に適したアニオン性開始剤は、ラジカルアニオン、例えばナトリウムナフタレニド、カルバニオン、例えばアルキルリチウム、およびオキシアニオン(これらのチオ誘導体を含む)へと広く分類され得る。例えば、分枝鎖状または直鎖状のアルキルまたはアリール(置換されていても、または置換されていなくてもよい)の有機金属化合物、およびアルカリ金属またはアルカリ土類金属、好ましくはリチウムを使用することができる。
適切な開始剤は、例えばナトリウムナフタレニド、アルカリ金属と1,1−ジフェニルエチレンとの反応生成物、アルカリ金属とα−メチルスチレンとの反応生成物、sec−ブチルリチウム、n−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、フルオレニルリチウム、α−メチルスチリルリチウム、1,1−ジフェニルヘキシルリチウム、ジフェニルメチルリチウム、ジフェニルメチルナトリウムまたはジフェニルメチルカリウム、1,1−ジフェニル−3−メチルペンチルリチウム、1,1,4,4−テトラフェニル−1,4−ジリチウムブタン、1,1,4,4−テトラフェニル−1,4−二ナトリウムブタンである。
アルキルリチウムは、特に極性溶媒としてのテトラヒドロフランとの組み合わせにおいて、本発明の方法にとって好ましい開始剤である。特に好ましいアルキルリチウムはn−ブチルリチウムである。
反応混合物に添加されるエポキシドは、リビングポリマー鎖のカルバニオン端部と反応して、オキシアニオンで官能化されたポリマー端部をもたらす。重合が予定より早く停止するのを防止するためには、全てのジエンおよびその他のモノマーがポリマー鎖に組み込まれた後に、エポキシドを反応混合物に添加することが好ましい。また、本発明において使用するためのエポキシドは、アルキレンオキシドを指すこともある。2〜10個の炭素原子を有するアルキレンオキシドを使用することが好ましい。適切なエポキシドは、例えばエチレンオキシド、プロピレンオキシド、1−ブテンオキシドまたはこれらの混合物である。好ましい実施形態において、エチレンオキシドはエポキシドとして使用される。
オキシアニオンをヒドロキシル基に転化させてモノヒドロキシル化ポリジエンを生成するために、オキシアニオンを、弱酸性化合物、例えば酸含有水溶液、例えばHSOまたはアルコールと反応させることができる。好ましい実施形態では、停止工程後に、低分子量アルコールを反応混合物に添加して、オキシアニオンをヒドロキシル基に転化させる。適切な低分子量アルコールは、例えば1〜6個の炭素原子を有するモノアルコール、特にメタノールである。
リチウム化合物をアニオン性開始剤として使用する場合、オキシアニオンと低分子量アルコールとの反応により、反応混合物から沈殿し、かつ濾過によって除去可能なリチウムアルコレートが生成され、それから、引き続く反応、例えば水素化がヒドロキシル化ポリジエンにおいて実施される。
最終的なヒドロキシル化ポリジエンを回収するために、溶媒を蒸発させることができる。
本発明の方法は、完全に飽和したヒドロキシル化ポリオレフィンを製造するのに特に適している。本方法は、最後に、ヒドロキシル化ポリオレフィンの水素化をさらに含むことが好ましい。ヒドロキシル化ポリオレフィンを水素化する方法は、例えば国際公開第2015/040095号(WO2015/040095A1)に記載されている。
重合が実施される圧力は、特に制限されていない。ジエンが非超臨界液として存在する圧力を選択することが好ましい。好ましい実施形態において、重合は、1〜100bar、より好ましくは2〜50bar、最も好ましくは5〜20barの範囲にある圧力で実施される。
さらに、重合は、30分〜4時間、より好ましくは1〜3時間、最も好ましくは1〜2時間の範囲にある時間にわたり実施されるのが好ましい。この文脈において、重合の開始は、アニオン性開始剤が反応混合物に添加される時と定義される。重合の終了は、エポキシドが添加されて重合が停止する時と定義される。
50℃以下の重合温度を選択することは、本発明にとって重要である。というのも、これにより、官能化度を99%超に上昇させることができるからである。重合温度は、10℃〜50℃の範囲、より好ましくは15℃〜45℃の範囲、最も好ましくは25℃〜40℃の範囲にあることが好ましい。
同様に、3以下のアニオン性開始剤に対する極性溶媒のモル比率を選択することは、官能化度を99%超に上昇させるのに重要である。モル比率は、反応に添加されるアニオン性開始剤および極性溶媒の合計量に基づき計算される。モル比率が、0.5〜3、より好ましくは1〜2、最も好ましくは1.25〜1.75の範囲内にあることが好ましい。
反応混合物中のオレフィンの量を、反応混合物の合計重量を基準として、40重量%以下に制限することは、官能化度を98.0%超、好ましくは99%超に上昇させるのに重要な別の特徴である。反応混合物中のオレフィンの量は、5〜40重量%、より好ましくは10〜35重量%、最も好ましくは15〜30重量%の範囲にあることが好ましい。ここで再び、オレフィンの量は、反応混合物の合計重量を基準とする。
一実施形態において、反応混合物は、1,3−ブタジエン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサンおよびブチルリチウムを含有し、ここで、反応混合物中の1,3−ブタジエンの量は40重量%以下であり、ブチルリチウムに対するテトラヒドロフランのモル比率は3以下である。この実施形態において、エチレンオキシドまたはプロピレンオキシドは、好ましくは重合を停止するために添加され、好ましくは引き続き、1〜6個の炭素原子を有するアルコール、例えばメタノールを添加して、ヒドロキシル化ポリジエンを生成する。この実施形態における反応混合物は、1,3−ブタジエン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサンおよびブチルリチウムから成ることが好ましい。
以下の実施例は本発明を説明するものである。
実施例
以下の条件でGPCにより、生成物の分子量MnおよびPDIをポリスチレン標準と比べて特定し、得られたMnにポリイソプレンについて0.67の「ブノワファクター(Benoit factor)」を掛けた:
Figure 0006843860
1,2−、3,4−および1,4−結合の量は、CDClを内部標準として用いたH−NMRにより特定された。
OH官能基の含量は、OHで官能化されていない標準と比べて、HPLCにより特定された。
例1〜11. 1,3−ブタジエンのアニオン重合
n−ブチルリチウム(BuLi)の存在下での、シクロヘキサンとテトラヒドロフランとの混合物中の1,3−ブタジエンのアニオン重合は、以下の実験計画に従って実施された。
一般的なアニオン重合反応では、まずシクロヘキサンを全て、機械的に撹拌しながら(intermig(登録商標)impeller)5Lのスチール製反応器内へと添加した。その後、溶媒を穏やかに混合し、テトラヒドロフラン(THF)を添加した。次に、n−ブチルリチウム(BuLi)を添加して、THFとのLi錯体を形成させた(僅かな発熱反応)。容器内の温度は、22℃から25℃に上昇した(圧力1bar)。均質化した後に、1,3−ブタジエン用の弁を開けて、出発材料を反応器内に流した。モノマーが溶液に入ったらすぐに、重合が開始した(激しい発熱反応)。温度プロファイルは、所望の温度に上昇し、その後、水冷却システムを起動することによりこの温度を維持した。圧力は6barに上昇した。ブタジエンの計量供給は、通常1時間続いた。ブタジエンを全て添加したら、ポリマー溶液を22℃に冷ます。官能化は、6bar、THF中でプロピレンオキシドを添加することにより実現され(僅かな発熱反応)、これによりマクロアルコレートがもたらされた。最後に、メタノールを室温および大気圧で添加することによりアルコールが得られた。この最終工程の間に、リチウムメタノレート塩が生成し、引き続き、これを除去した。
光散乱検出器を用いたHPLC法を利用して、ポリマーのOH官能基を特定し、ここで試験される試料を較正曲線と比べて測定した。
ジエン濃度、BuLiに対するTHFのモル比率、および重合温度を変えて、幾つかの試験を実施した。各例についての反応混合物の組成を表1に記す。
これらの試験の結果は、表2に要約されている。
Figure 0006843860
Figure 0006843860
これらの結果は、3つの反応条件、つまりジエン濃度、BuLiに対するTHFのモル比率、および重合温度をそれぞれ制御して、官能化度を上昇させることができることを証明している。このことは、ジエン濃度については例1および7を比較することにより、BuLiに対するTHFのモル比率については例3および4を比較することにより、重合温度については例1および5を比較することにより証明される。
しかしながら、本発明によると、ジエン濃度、BuLiに対するTHFのモル比率、および重合温度を組み合わせることによってしか99%以上の官能化度を達成することができないのは、表2の結果から明らかである(例8、10および11参照)。
例12. イソプレンのアニオン重合
水および酸素を含まない5Lのオートクレーブに2195gのシクロヘキサン(モレキュラーシーブで精製)、6.2gのテトラヒドロフラン(THF)および32.3gのn−ブチルリチウム溶液(シクロヘキサン中で2.0M)を充填することにより、イソプレンのアニオン重合を実施した。T=40℃およびp=3.1barで激しく撹拌しながら、402gのイソプレン(モレキュラーシーブおよびアルミナで精製)を800g/hの速度で添加した(最終的な圧力は3.9bar)。これらの条件下で、反応混合物をさらに20分間にわたり撹拌し、引き続き、反応混合物をT=20℃に冷却し、引き続き、7.1gのプロピレンオキシドを三回に分けてp=1.3barで添加した。反応混合物をT=20℃およびp=7.7barで1時間にわたり撹拌し、その後、31.4gのメタノールをT=20℃およびp=1barで添加した。30分後、120gの濾過助剤Arbocell(登録商標)FIC200を使用して混合物を濾過し、引き続き、揮発性溶媒を蒸発させた。
得られたモノヒドロキシポリイソプレン(無色透明な液体)は、以下の特性を有していた。
Mn=4.2kg/mol;
PDI=1.06;
1,2−含量=1.8%;
3,4−含量=38.0%;
1,4−含量=60.1%;
官能化度=99.5%。
例12の反応条件は、表3および4に要約されている。
Figure 0006843860
Figure 0006843860
例12により、本発明の方法が、置換されたジエン、例えばイソプレンで99%超の官能化度を達成することもできると確認される。

Claims (8)

  1. a)ジエン、
    少なくとも1個の酸素原子、硫黄原子または窒素原子を有する非プロトン性溶媒である極性溶媒、
    炭化水素溶媒である非極性溶媒、および
    アルキルリチウムであるアニオン性開始剤
    を含有する反応混合物を用意する工程、
    b)前記反応混合物を重合させる工程、ならびに
    c)エポキシドを添加することにより重合を停止する工程、
    を含む、ヒドロキシル化ポリオレフィンをリビングアニオン重合により製造する方法であって、
    重合が50℃以下の温度で実施され、
    前記アニオン性開始剤に対する前記極性溶媒のモル比率が3以下であり、
    前記反応混合物中のジエンの量が、前記反応混合物の合計重量を基準として、40重量%以下であり、かつ
    前記ヒドロキシル化ポリオレフィンを水素化することをさらに含み、
    ここで前記ジエンが、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、2,3−ジメチルブタジエン、フェニルブタジエン、イソプレンまたはこれらの混合物から成る群より選択され、かつ
    前記極性溶媒が、ジエチルエーテル、ジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、ニトロメタン、プロピレンカーボネート、テトラメチルエチレンジアミン、ペンタメチルジエチレントリアミン、ヘキサメチルリン酸トリアミドおよびこれらの混合物から成る群より選択されることを特徴とする、前記方法。
  2. 前記ジエンが1,3−ブタジエンであることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 前記非極性溶媒が、5〜10個の炭素原子を有する炭化水素およびこれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 前記エポキシドが、2〜10個の炭素原子を有するアルキレンオキシドまたはこれらの混合物であることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  5. 重合が1〜100barの範囲にある圧力で実施されることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  6. 重合が10℃〜50℃の範囲にある温度で実施されることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  7. 前記アニオン性開始剤に対する前記極性溶媒のモル比率が0.5〜3の範囲にあることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
  8. 前記反応混合物中のジエンの量が、前記反応混合物の合計重量を基準として、5〜40重量%の範囲にあることを特徴とする、請求項1からまでのいずれか1項記載の方法。
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