JP6032954B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、シートをプラテン上に吸引保持することによって記録を行うインクジェット方式による記録装置に関し、詳細には、シートをプラテン上に保持するための吸引力を記録中に切り替えることが可能なインクジェット記録装置に関する。
インクジェット記録装置(以下、単に記録装置とも記す)において記録時にシートをプラテン上に保持する方法の1つとして、吸引ファンによって負圧を発生させてシートをプラテン上に吸着する方法が知られている。吸引ファンによる方法においては、通常、プラテン下部に設けられた吸引ファンを用いて負圧を発生させ、プラテン上に設けられた複数の吸引口を通してプラテン上のシートを吸引する。これにより、シートがプラテンから所定のギャップ以上に剥離することを抑え、シートがインクを吐出する記録ヘッドに接触することを防いでいる。
そのような方法を採用する記録装置では、例えばシートの幅寸法に基づくシートと吸引口との位置関係などによって、シートの側端部付近に位置する一部の吸引口が記録ヘッドに対して露出する場合がある。このような場合、記録ヘッドから吐出されたインク滴は、露出した吸引口を介した吸引ファンによる吸引により軌道が変化しやすく、シートに対する着弾ずれが生じやすい。そのため、インク滴がシートの端部側へ流れてしまう「端部流れ」やベタ画像の端部に白スジが入ってしまう「端部白スジ」が発生し、記録品位が損なわれてしまうことがある。
端部流れや端部白スジといった着弾ずれの問題の解決を目的として、往復運動する記録ヘッド近傍の吸引口を順次遮蔽していくという構成が提案されている(特許文献1参照)。
特開2009−234128号公報
特許文献1の構成では、記録ヘッド近傍に位置するプラテンの吸引口を遮蔽することにより、着弾ずれの軽減に対して一定の効果がある。しかしながら、この構成では、遮蔽していない吸引口の吸引力が必要以上に強くなってしまうため、シートの物性によっては、インク記録直後の湿潤した状態で吸引されることによって表面がでこぼこに塑性変形する「コックリング」という現象が発生しやすい。この現象は特に剛度の低いシートで顕著である。
また、近年の記録装置では、シートの端部に余白(非記録部)を設けない縁なし記録を行うことができるのが一般的である。縁なし記録を行う場合は、シート外の領域にインクを吐出する必要がある。そのため、縁なし記録を行う記録装置は、例えば、シート外の領域に吐出されたインクを吸引するための溝状の縁なし記録用吸引口をプラテン上に設け、プラテン上に付着したインクがシートに接触しないような構成として、シートの汚れを防いでいる。これに対して、特許文献1は、上述のとおり着弾ずれ防止のために記録ヘッドから吐出されたインクがシート端部近傍の吸引口から吸引されないように吸引口を遮蔽するものであり、この構成を縁なし記録用吸引口を用いる記録装置に適用することはできない。すなわち、縁なし記録用吸引口を用いる記録装置において、特許文献1の開示とは異なる構成による、端部流れや端部白スジの軽減に対する要求がある。
また、縁なし記録用吸引口を用いる記録装置においては、シートと縁なし記録用吸引口との間にできた空間にインクミストが滞留しやすい。滞留したインクミストがシートの裏面に付着すると、いわゆる「裏汚れ」が生じた状態となり、記録物の記録品位が損なわれてしまう。したがって、裏汚れの軽減に対する要求がある。
本発明は、上記課題を鑑みてなされたものであり、端部流れ、端部白スジ、裏汚れ、およびコックリングを軽減することのできるインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の記録装置は、シートを吸引することが可能なプラテンを備え、前記プラテン上に保持されたシートに対して記録ヘッドを移動させながら前記記録ヘッドからインクを吐出して縁なし記録を行うことが可能な記録装置であって、前記プラテンには、保持するシートのシート中央部の下方に位置する第1吸引口およびシート側端部の下方に位置する縁なし記録用の第2吸引口が設けられており、前記記録装置は、前記第1吸引口および前記第2吸引口から空気を吸引するためのファンと、前記ファンの駆動を制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、縁なし記録を行う際に、前記記録ヘッドが前記第1吸引口の上を通過するときに比べて縁なし記録に使用される前記第2吸引口の上を通過するときの方が前記ファンの回転数が低くなるように、前記記録ヘッドで画像を記録している最中に画像領域内の切替位置にてファン回転数を切り替え、且つ、記録に使用するシートの種類に応じてシート側端部から前記切替位置までの距離を変えることを特徴とする。
本発明によれば、記録動作中のプラテン吸引力をシートの種類、シートの幅寸法、記録ヘッドの位置情報などによって決定される所定のタイミングで変更することにより、端部流れ、端部白スジ、裏汚れ、およびコックリングを軽減することができる。
本発明の実施形態に適用可能なインクジェット記録装置の概観図である。 記録装置に備え付けられているプラテンの断面図である。 (a)および(b)は、縁なし記録用吸引口付近の拡大図である。 (a)は、本発明における吸引ファンの回転数の時間変化を表した図であり、(b)は、シートに加わる負圧すなわち吸引力の時間変化を表した図であり、(c)は、プラテン−シート間距離の時間変化を表した図である。 本発明の実施形態における制御部のブロック図である。 本発明の第1の実施形態における吸引ファン回転数切り替え時間を示したデータテーブルである。 本発明の第1の実施形態における処理手順を示したフロー図である。 本発明の第2の実施形態において吸引ファンの回転数を切り替えるタイミングをシート上の記録ヘッドの位置で決めることを模式的に表した図である。 本発明の第2の実施形態において吸引ファンの回転数を切り替える記録ヘッドの位置を説明するデータテーブルある。 本発明の第2の実施形態における処理手順を示したフロー図である。
本発明のインクジェット記録装置は、プラテンの吸引力を記録中に変化させることで、端部流れ、端部白スジ、裏汚れ、およびコックリングの発生を軽減することを可能とするものである。以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
<第1の実施形態>
第1の実施形態は、プラテンの吸引力をシートの種類および幅寸法に応じて記録中に変化させることで、端部流れ、端部白スジ、裏汚れ、およびコックリングの軽減を可能とするものである。
(記録装置の全体構成)
図1は、本発明の実施形態に適用可能なインクジェット記録装置の概観図である。
ロール状に巻かれた記録媒体であるシート101は、専用のホルダーによって記録装置に取り付けることが可能であり、図1では記録装置100に通紙された状態を示している。なお、本発明においてシートとは、一般的な記録装置に用いられるパルプを主成分とする紙のみならず、布、プラスティックフィルムなどインク受容可能なものを表すものとする。
シート101を記録装置100内の給紙口に挿入することにより記録装置100はシート101を検知し、シート101は不図示の搬送ローラーによってシートの先端が記録領域102に到達するまで搬送される。
記録領域102は、記録ヘッド103で記録可能な領域であり、複数の吸引口を備えたプラテンを有して構成されている。一般的には、プラテンの複数の吸引口はプラテンの下部で1つに連通されており、1つの吸引ファンによって発生した負圧を、シートを吸引保持するための吸引力としている。吸引力は吸引ファンの回転数を変更することによって変更可能であり吸引ファンの回転数によって制御されることが多い。ただし、本発明に適用可能な構成は上述の構成に限定されるものではなく、プラテンの複数の吸引口は1つに連通されていなくてもよく、また、吸引ファンは1つでなくてもよい。
記録ヘッド103はインクを吐出することで記録を行う。記録ヘッド103はキャリッジ104によってシートが搬送される方向に対して垂直の方向に移動し、シートの幅方向に記録を行うことが可能である。通常は、記録ヘッド103がキャリッジ104によって往復走査運動をしている際はプラテンの吸引口から吸引を行い、シート101のプラテンからの浮きを抑制することで、シート101が記録ヘッド103と接触することなく記録が可能となる。本明細書において、「シートのプラテンからの浮き」、「シートがプラテンから浮く」、またはこれらに類する表現は、シートがプラテンとの間に距離(隙間)を有する状態または空ける様子をいうものとする。一般的な吸引条件によると、通常は、未記録の状態のシートであってもプラテンから200μm程度の浮きが生じ、記録によりシートが変形すると浮きはさらに助長される。
表示・入力パネル105は記録装置100の外装部に備え付けられたパネルである。ユーザーがシートを記録装置にセットする際に、表示・入力パネル105にはシートの種類や寸法などの情報を任意に入力することができる。また一方で、表示・入力パネル105は、記録装置100の状態を表示する役割も担う。
シート101は、記録装置の記録領域102において画像が記録されると、記録された画像の後端が所定の位置に来るまで搬送されて、カッター106により切断される。切断後、シート101は、記録領域102にシート101の先端が来るように巻き戻され、次の記録データを受信し次第直ちに記録開始可能なスタンバイ状態となる。
図2は、本発明で使用されるプラテンの形状を真横から見た断面図である。プラテンは、複数の吸引口201を備え、下部にある吸引ファン202による吸引により、表面にシート101を保持可能とする。一般的には、縁なし記録に対応するために、シートの側端部の位置に該当する位置に縁なし記録用吸引口203および204を形成することで、縁なし記録を行う際にシート外の領域に打たれたインク滴を縁なし記録用吸引口に着弾させる。この構成により、プラテン上のシートに接触する領域にはインク滴が着弾しないため、プラテン汚れに起因してシートが汚れることなく記録が可能になる。しかしながら、シートの側端部において記録を行う時に発生するインクミストが、シート101と縁なし記録用吸引口203および204との間に存在する空間205に滞留しやすくなる。
図3(a)および図3(b)は、空間205の近傍で裏汚れが発生しにくい場合と発生する場合とを模式的に表した図であり、吸引力が同一の条件下にあるものとする。図3(a)のように、シート101がプラテンに接触している場合、すなわちシートがプラテンから浮いていない場合は、縁なし記録用吸引口203に滞留したインクミストは縁なし記録用吸引口203からプラテンの下部に吸引される。このため、裏汚れは発生しにくい。
図3(b)のようにシートとプラテンとの間に隙間が空いている場合、すなわちシートがプラテンから浮いている場合は、シートを保持するための吸引口からの吸引によりシートとプラテンとの隙間を通してインクミストがシート裏面へ流れ込む。このため、流れ込んだインクミストがシートの裏面に接触し吸着されることによってスジが生じてしまい、裏汚れの原因となってしまう。シートとプラテンとの隙間が一定である場合を考えると、用いる吸引力の大きさが大きいほどシート裏面へ流れ込むインクミストの量が多くなり、裏汚れが増す傾向にある。よって、裏汚れの程度は、プラテンの吸引力とシートのプラテンからの浮きとのバランスによって決定されると考えられる。
シートのプラテンからの浮きやすさは、シートの厚みや材質により異なるが、大まかにはシートの種類によって分類できる。その理由としては、シートの種類により厚みや材料構成がある程度限定されているからである。また、浮きやすさは、使用環境やシートの幅寸法によっても異なってくる。一般的には、シートの幅が小さい場合はシートによって塞がれる吸引口の数が少ないため、負圧の大きさは小さくなりやすく、シートは浮きやすい状態となる。
従来の記録装置では各々の状況によって吸引力の大きさが個別に設定されている場合があるが、図3(a)に示されるようなシートがプラテンから浮いておらず裏汚れが発生しにくい理想的な状態は、実際の記録時ではほぼ実現できていない。これは、シートの浮きが発生しないほど吸引力を大きく設定した場合は、コックリングが発生しやすく、また、縁なし記録用吸引口からの吸引によって端部流れおよび端部白スジが発生してしまうため、吸引を必要以上に強くできないからである。そこで、図3(b)のようにシートがプラテンから浮いた状態について考える。このような状態において裏汚れの発生を軽減させるためには、シートの裏面へ流れ込むインクミストの量を低減させること、すなわちプラテンの吸引力を低下させることが有効である。
図4(a)から図4(c)を用いて、本発明において端部流れ、端部白スジ、およびコックリングの発生軽減を考慮しつつ裏汚れの発生を軽減させるためにプラテンの吸引力をどのように変化させるかを説明する。
図4(a)は、吸引ファンの回転数の時間変化を表しており、図4(b)は、シートを吸引する吸引力すなわちシートに加わる負圧の時間変化を表しており、図4(c)は、プラテン−シート間の距離の時間変化を表したものである。図4(a)に示すように、本実施形態では、吸引ファンの回転数が相対的に高い状態であるモード402と相対的に低い状態であるモード403との2つのモード間で吸引ファンの回転数を切り替えながら記録を行う場合を例にして説明する。
通常、プラテンの吸引力は、記録中のシートがその変形によってプラテンから浮いてもこれをプラテン側に引き戻せる範囲で設計されている。本実施形態においてモード402の吸引ファンの回転数には、そのようなシートのプラテンからの浮きの引き戻しが可能な範囲内の大きさの吸引力を提供する吸引ファンの回転数が設定されているものとする。これに対してモード403の吸引ファンの回転数にはシートのプラテンからの浮きの引き戻しが可能な範囲外の大きさの吸引力を提供する吸引ファンの回転数が設定されているものとする。すなわちモード403の吸引ファンの回転数を用いてシートを吸引しつつ記録を行うと、記録中のシートの変形により浮きが生じたときにシートはプラテンによって保持されることができず記録ヘッドと接触してしまうこととなる。
本発明においては、記録動作中に吸引ファンの回転数を変化させることによってシートに働く吸引力の大きさを制御する。
図4(a)中、実線401で示されるグラフは、記録動作中に吸引ファンの回転数を変化させている様子を示している。記録開始時にはモード402の吸引ファンの回転数が採用されている。記録開始から時間T1が経過した時点で吸引ファンの回転数を切り替えてモード402からモード403へモードを移行させる。また、記録開始から時間T2が経過した時点で吸引ファンの回転数を再度切り替えてモード403からモード402へモードを移行させる。さらに記録開始から時間T4が経過した時点で吸引ファンの回転数をまたもや切り替えてモード402からモード403へモードを移行させる。以後このような切り替えを繰り返す。ここで、記録開始とは記録ヘッド103が動き出す走査開始のタイミングを指す。
上記の切り替えによる吸引ファンの回転数の変化に伴い、シートに加わる吸引力となる負圧は、図4(b)に示すように変化する。負圧は、吸引ファンの回転数のように短時間では切り替わらず、徐々に切り替わっていき、記録開始から時間T2が経過した後の時点において最小となる。すなわち、吸引ファンの回転数の変化と吸引力の大きさの変化との間にはある程度のタイムラグが存在する。また、プラテンの吸引口はシートによって覆われているため、シートへの記録動作中に負圧は0にならない。
モード402の吸引ファンの回転数により提供される吸引力は、本発明の課題である端部流れ、端部白スジ、およびコックリングの発生軽減を考慮しつつ裏汚れの発生を軽減させるためには、小さいほど好ましい。したがって、モード402の吸引ファンの回転数には、上述のようにシートのプラテンからの浮きの引き戻しが可能な範囲の大きさの吸引力のうちできるだけ小さい吸引力を提供可能な回転数を設定することが好ましい。
図4(c)は、図4(b)に示すように負圧が変化しても、プラテン−シート間の距離は殆ど変化していないことを示している。
通常、シートのプラテンからの浮きは負圧の大きさの変化(減少)を受けてから発生するが、シートの浮きが発生する前に負圧の大きさが増加すると、シートの浮き自体が発生しない。シートが記録ヘッドと接触するのを回避するためには、吸引ファンの回転数が低いモードに設定している時間Tb(=T2−T1)をシートの浮きが発生しない範囲内の長さに設定し、この時間の経過後吸引ファンの回転数が高いモードに切り替える必要がある。このようにモードを切り替えると、記録開始から時間T3が経過した時点において、シートに加わる負圧がモード402の想定する負圧に戻る。
シートに加わる負圧がモード402の想定する負圧に戻りきらないうちに吸引が再び弱くなると、吸引ファンの回転数を切り替えるたびにシートがプラテンから浮いていくこととなり、最終的にはシートに記録ヘッドが接触するヘッド擦れが発生してしまう。よって、吸引ファンの回転数が高いモードに設定している時間Ta(=T4−T2)はシートに加わる負圧がモード402の想定する負圧に戻りきる時間以上の長さとなるように設定しなければならない。
以上の制御によると、吸引力をシートのプラテンからの浮きの引き戻しが可能な吸引力よりも小さくした場合でも、それが所定の時間内であれば、プラテン−シート間の距離を変えずに記録動作が可能である。本実施形態の制御によると、シートのプラテンからの浮きの引き戻しが可能な吸引力よりも小さい吸引力を用いることができるので、それができない従来の一定の吸引力を用いる制御と比べて、裏汚れ、端部流れ、端部白スジ、コックリングの軽減が可能となる。
(第1の実施形態を実現する制御系の構成)
図5は、本実施形態のインクジェット記録装置における制御系の構成を説明するためのブロック図である。図5において、上位(ホスト)装置501は、下位装置である記録装置100に対して、記録すべき文字や画像データを送信する。また、上位装置501は、シートの種類や幅寸法に関する情報も送信する。記録装置100では、これらの情報を受信バッファ502に一時的に蓄える。また、正しくデータが転送されているか否かを示す情報、および記録装置100の動作状態を告知する情報も、受信バッファ502を介して記録装置100から上位装置501に送信される。なお、上位装置501としてはパーソナルコンピュータやデジタルカメラなどが挙げられるが、下位装置である記録装置100に対して記録データの送信が可能であれば他のものであっても構わない。
受信バッファ502に蓄えられたデータは、CPU503の管理下において記録可能なデータに加工された後、ランダムアクセスメモリ部(RAM)504内のプリントバッファ部に記録される。プリントバッファ部のデータは記録ヘッドコントロール部507によって記録ヘッド103へ転送される。記録ヘッド103は、転送されてきたデータに基づいて記録ヘッドコントロール部507により駆動され、各色のインクを吐出する。これにより、文字などを含む画像がシートに記録される。また、記録ヘッド103は備え付けられたマルチセンサーなどから光をシートに照射し、分光反射光率を得ることで、ROM505内に格納されたシートごとの分光反射率パターンとの比較から、シートの種類および幅寸法を識別することが可能である。
記録ヘッドコントロール部507は、温度情報のような記録ヘッド103の状態を示す情報をCPU503に転送すると共に、これに基づいて下されたCPU503からの命令を実行し、記録ヘッド103の駆動制御にフィードバックする役割も果たしている。
表示・入力パネル部105は、ユーザーからの入力を受信し、CPU503に伝え、その結果を表示パネル群に反映させる。上位装置501と同様に、ユーザーが表示・入力パネル部105を通して、シートの種類や幅寸法に関する情報を記録装置に送信することも可能である。
記録装置100に記録データが送信された場合、上述の手段により得られた記録装置の使用環境とシートの種類および幅寸法に基づき、ROM505内に記録されているデータテーブルを参照し、吸引ファンの回転数を切り替えるタイミングを決定する。CPU503は、記録開始からの経過時間をモニタリングしており、ファンの回転数を切り替えるタイミングがきたら、吸引ファンコントロール部506を通して吸引ファン201の回転数を切り替える。
図6は、第1の実施形態として、吸引ファンの回転数を相対的に高く設定するモードと相対的に低く設定するモードとの2つのモード間で吸引力を切り換えることを考えた場合、各々の回転数をどれだけの時間持続させるかを表したデータテーブルである。時間Taは回転数を高く設定するモードを持続させる時間を、時間Tbは回転数を低く設定するモードを持続させる時間を表している。あるいはまた、時間Taおよび時間Tbは、モードの切り替えを行うタイミングを示す切り替え時間であるということもできる。
シートの種類として、普通紙、コート紙、および光沢紙の3種類を準備した。また、シートの幅寸法として、10インチ、24インチ、および42インチの3種類を準備した。
光沢紙は普通紙と比べて厚みがあるため、プラテン−シート間の距離が一度開いてしまうと、吸引によって元の状態に戻すことが難しくなる。そのため、光沢紙では、吸引ファンの回転数を高く設定するモードの持続時間Taを、吸引ファンの回転数を低く設定するモードの持続時間Tbよりも長くしている。
また、吸引ファンの回転数が同一の場合、幅寸法が小さい方がシートに加わる負圧は小さくなる。そのため、幅寸法10インチでは、それより大きい他の幅寸法の場合と比べて、吸引ファンの回転数を相対的に低く設定するモードの持続時間Tbを短くしている。
以上の処理を行うことにより、過度な吸引力を働かせることなくシートのプラテンからの浮きを防ぐことができ、裏汚れ、端部流れ、端部白スジ、およびコックリングを軽減することが可能となる。
(第1の実施形態を実現する処理の流れ)
図7は、本発明の第1の実施形態における処理手順を示すフロー図である。
ステップS701において記録装置に電源を投入した後、備え付けのロールホルダーにシートをセットし、ステップS702において給紙を行う。シートが記録装置内部に搬送されると、ステップS703において上述に代表される方法によりシートの種類および幅寸法の識別が行われる。
ステップS704において、記録装置が上位装置501からの記録命令を受信し次第、記録が行われる。ステップS705において記録を終了するか否かを記録データの有無により判断する。記録データが続く場合は、ステップS706に進み、シートの種類および幅寸法によって決定された吸引力を切り替えるべき切り替え時間(本例では、時間Taまたは時間Tb)を経過したかどうかを判定する。
ステップS706において、切り替え時間を経過していない場合は、そのままステップS705に戻る。ステップS706において、切り替え時間を経過していると判定された場合は、ステップS707に進み、吸引ファンの回転数を変更することによって吸引力を切り替えて、ステップS705に移る。
ステップS705からS707までをフローに従って繰り返しながら記録を行い、送信された記録データが終了したとステップS705において判定されると、ステップS708に移り記録が終了となる。
<第2の実施形態>
第2の実施形態は、記録動作中に記録ヘッドの位置に応じてプラテンの吸引力を変化させることで、端部流れ、端部白スジ、裏汚れ、およびコックリングの軽減を可能にするものである。
(第2の実施形態を実現する制御系の構成)
上述した第1の実施形態を実施する制御系の構成と共通する構成については、記載を省略するものとする。記録ヘッド103は、記録ヘッドコントロール部507によって往復走査運動を制御されており、記録ヘッド103の位置情報は記録ヘッドコントロール部507によって常にCPU503にモニタリング(検出)されている。
図8は、吸引ファンの回転数が高いモード(例えばモード402)と低いモード(例えばモード403)との2つのモード間でモードを切り換えることを考えた場合、それぞれのモードを適用する領域を模式的に表したものである。上述の通り、裏汚れ、端部流れ、および端部白スジを軽減させるためには、シートの側端部を記録する際は中央部を記録する際と比べて吸引力が相対的に弱い状態であることが望ましい。
記録ヘッド103はシート101の幅方向にわたってシート101の幅の長さを越えて走査される。記録動作中、記録ヘッド103がシート101の側端部近傍領域801に入りシート外の領域に向かう状態にあると判断した場合は、吸引ファンコントロール部506を通じて吸引ファン201の回転数を下げることによってプラテンの吸引力を低下させる。また、記録ヘッド103がシート101の側端部近傍領域801から脱し中央部800に位置する状態にあると判断した場合は、吸引ファンコントロール部506を通じて吸引ファン201の回転数を上げることによってプラテンの吸引力を増大させる。
図9は、記録ヘッド103がシート101の側端部Sを基準にしてどの位置に来たときに吸引ファンの回転数を切り換えるかを表したデータテーブルの例である。このテーブルには、図8におけるシートの側端部Sからの距離Dの値がシートの種類ごとにROM505に格納されている。
シート101の側端部Sから距離Dだけシートの中央部800側に入った領域をシート101の側端部近傍領域801というものとし、この領域801において吸引ファンの回転数を相対的に低くする。また、シート101の中央領域800においては吸引ファンの回転数を相対的に高くする。距離Dおよび側端部近傍領域801は、シート101の両方の側端部Sについて設定することができる。
詳細には、シートの側端部Sから記録ヘッド103までの距離がデータテーブルに示される距離Dよりも短い場合、または記録ヘッド103がシート外に位置する場合は、吸引ファンの回転数を相対的に低く設定する制御を行う。また、記録ヘッド103がシートの側端部Sから距離Dの範囲である側端部近傍領域801を越えてシート101の中央部800方向に進んだ位置にある場合は、吸引ファンの回転数を相対的に高く設定する制御を行う。シートの側端部Sから距離Dのシート101上の位置は、吸引ファンの回転数の切り替え位置と表現することもできる。
モニタリングされた記録ヘッド103の位置とデータテーブルに示される距離Dとの比較を行うことで、吸引ファンの回転数を切り替えるように吸引ファンコントロール部507に指示して、吸引力を変化させることができる。
以上の制御によると、裏汚れ、端部流れ、および端部白スジを軽減し、ならびにコックリングを抑制することが可能となる。
(第2の実施形態を実現する処理の流れ)
図10は、本発明の第2の実施形態における処理手順を示すフロー図である。
第1の実施形態においては、図7のフローにおいて吸引力ファンの回転数を切り替えるためのタイミングを切り替え時間(時間TaまたはTb)が経過したか否かにより判定した(ステップS706)。これに対し、第2の実施形態においては、吸引力ファンの回転数を切り替えるためのタイミングを記録ヘッドが切り替え位置(シートの側端部から距離Dの位置)を通過したか否かにより判定する(ステップS1001)。
すなわち、本実施形態は、ステップS705まで進んだ後、ステップS706の代わりにステップS1001における判定によりプラテンの吸引力を切り替えること以外は、図7に示す第1の実施形態で示した処理手順と同様である。
本実施形態では、ステップS705まで進んだ後、ステップS1001において、データテーブルで指定された吸引ファンの回転数切り替え位置を記録ヘッド103が通過したか否かを判定する。
ステップS1001において切り替え位置を通過していないと判定された場合はそのままステップS705に戻る。ステップS1001において切り替え位置を通過していると判定された場合は、ステップS707に進み、吸引ファンの回転数を変更することによって吸引力を切り替えて、ステップS705に移る。
ステップS705からS707までをフローに従って繰り返しながら記録を行い、送信された記録データが終了したとステップS705において判定されると、ステップS708に移り記録が終了となる。
以上のような実施形態をとることにより、端部流れ、端部白スジ、裏汚れ、およびコックリングの発生を軽減することができ、記録品位を損なうことなく記録が可能となる。
なお、第1および第2の実施形態においては、吸引ファンの回転数が異なる2つのモード間でモードの切り替えを行った。しかし本発明は、同様の効果を提供可能な構成であればよく、シートのプラテンからの浮きの引き戻しが可能な吸引力を提供可能な回転数のモードとそうでない回転数のモードとを含む3つ以上のモード間で切り替えを行ってもよい。

Claims (4)

  1. シートを吸引することが可能なプラテンを備え、前記プラテン上に保持されたシートに対して記録ヘッドを移動させながら前記記録ヘッドからインクを吐出して縁なし記録を行うことが可能な記録装置であって、
    前記プラテンには、保持するシートのシート中央部の下方に位置する第1吸引口およびシート側端部の下方に位置する縁なし記録用の第2吸引口が設けられており、
    前記記録装置は、前記第1吸引口および前記第2吸引口から空気を吸引するためのファンと、前記ファンの駆動を制御する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、縁なし記録を行う際に、前記記録ヘッドが前記第1吸引口の上を通過するときに比べて縁なし記録に使用される前記第2吸引口の上を通過するときの方が前記ファンの回転数が低くなるように、前記記録ヘッドで画像を記録している最中に画像領域内の切替位置にてファン回転数を切り替え、且つ、記録に使用するシートの種類に応じてシート側端部から前記切替位置までの距離を変えることを特徴とする記録装置。
  2. 前記制御手段は、使用するシート種類が普通紙である場合にはコート紙または光沢紙である場合よりも、前記切替位置を前記シート中央部により近い側に設定することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記第2吸引口は、使用が想定されるサイズのシートの両側のシート側端部それぞれに対応した位置に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記記録ヘッドは往復移動するキャリッジに搭載されており、前記キャリッジの移動と前記シートの搬送とを繰り返して画像を記録することを特徴とする請求項1から3のいずか1項に記載の記録装置。
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