JP6032918B2 - 皮膚外用剤 - Google Patents

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本発明は、皮膚外用剤に関し、詳しくは、肌荒れ改善又は抗老化用に好適な皮膚外用剤に関する。
生体と外界を隔てる皮膚には、外的刺激から身体を守り、生体内の水分蒸散を防ぐバリアの役割(バリア機能)、更には、水分を保つ役割(保湿機能)が存する。皮膚の最外層には、角層と角層細胞間脂質が存在し、皮膚のバリア機能及び保湿機能の中心的な役割を担っている。角層細胞間脂質は、おおよそ、約95%のセラミドを含有するスフィンゴ脂質が50%、残りは、30%のコレステロ−ル、20%の脂肪酸により構成される。特に、セラミドは、一定方向に隙間なく並び、積み重なった層状構造(ラメラ構造)を形成することにより、バリア機能を発揮するとともに層間に水分が保持され、保湿機能を発揮することに役立っている。角層のセラミド含量は、年齢と共に減少することが報告され、セラミド含有量の低下に伴い角層間に隙間が生じ、表皮の保湿能力及びバリア機能が低下する。この様なセラミド含有量の低下は、肌荒れの原因となるほか、シワ、たるみをはじめとする皮膚老化現象、更には、その症状が進むと老人性乾皮症、アトピ−性皮膚炎等を発症することが知られている。
角層細胞間脂質成分のセラミドは、スフィンゴシンと脂肪酸がアミド結合したスフィンゴ脂質であり、グリコシルセラミドやスフィンゴミエリンから酵素反応を経由し合成され、顆粒細胞(granular cell)が角化細胞(Corneocyte)となる直前にラメラボディより細胞外に放出される。詳しくは、角化細胞のラメラボディには、リン脂質、グリコシルセラミド、スフィンゴミエリン、コレステロ−ルなどの脂質に加え、スフィンゴミエリナ−ゼやβ−グルコセラプロシダ−ゼ等の酵素が存在し、これらにより合成されたセラミドが角化細胞外に放出されることにより細胞間脂質であるセラミドが供給される(例えば、非特許文献1を参照)。この様な過程においては、角化細胞内にて合成されたセラミドの標的部位への配向が阻害されるなど複雑な現象が生じるために、角化細胞内におけるセラミド合成、細胞間脂質におけるセラミド供給量、更には、肌改善作用との間には直線的な相関関係が存在しない。また、角層細胞間脂質中におけるセラミド量の減少は、バリア機能又は保湿機能の機能低下に深く関与することが知られているため、皮膚外用剤などの形態によりセラミドを直接的に補給する試みも行われている(例えば、特許文献1を参照)。しかしながら、いずれの方法においても、前記皮膚症状に対する満足のいく予防又は改善効果が得られておらず、新たな作用機序を介し予防又は改善効果を発揮する物質が求められていた。
これまでの研究により、角質細胞間脂質におけるセラミド量を増加させる物質としては、ニコチン酸及びその誘導体(例えば、特許文献1を参照)、マンネンタケより得られる抽出物(例えば、特許文献2を参照)、カンゾウの葉より得られる抽出物(例えば、特許文献3を参照)、イチゴ種子抽出物(例えば、非特許文献2を参照)などのセラミド合成促進剤が知られている。これらは、セラミド生合成を促進し、局所的なセラミド量を増加させるものの、必ずしも角層細胞間脂質中におけるセラミド量の増加に繋がっていないため、皮膚症状の予防又は改善に対し、十分な効果が得られているとは言い難い。一方、新たな作用機序により角層細胞間脂質中におけるセラミド量を増加させる成分は強く望まれているものの、これまでのところ有望な成分が見出されるには至っていない。また、従来のセラミド合成促進作用を有する成分と新たな作用機序を有する成分を併用することにより、角質細胞間脂質のセラミド量を効果的に増加させる技術等に関しては、発明者の知る限り報告されていない。さらに、セラミド量を効果的に増強することが出来る異なる作用機序を有する成分を併用した皮膚外用剤に、優れた肌荒れ改善、抗老化作用等の皮膚症状の予防又は改善作用が存することも発明者の知る限り知られていなかった。
特開平11−209285号公報 特開2005−194240号公報 特開2008−255051号公報
Kenneth R. Feingold、Journal of Lipid Research、48、2531−2546(2007) オリザ油化株式会社、イチゴ種子エキスカタログVer1.0 JT/HS
本発明は、この様な状況下において為されたものであり、肌荒れ改善又は抗老化用に好適な、皮膚外用剤を提供することにある。
この様な実情に鑑みて、本発明者等は、肌荒れ改善又は抗老化用に好適な、角層細胞間脂質のセラミド量を増加させる新たな作用機序を有する成分を求めて、鋭意、努力を重ねた結果、新たな作用機序を有する成分として角化細胞内のラメラボディに存在するセラミド関連化合物(セラミド、並びに、グルコシルセラミド及びスフィンゴミエリン等のセラミド前駆体)を角層細胞間脂質へと効率的に配向させる作用を有するセラミド分泌促進剤にその様な作用を見出した。さらに、当該成分とセラミド合成促進剤を共存させることにより、セラミド合成促進剤により増加したセラミドをセラミド分泌促進剤により効率的に細胞間脂質中に分泌させることにより角層細胞間脂質中のセラミド量を顕著に増加させ、該成分を含有する皮膚外用剤には、優れた肌荒れ改善又は抗老化作用を向上させることを見出し、本発明を完成させるに至った。更に、詳細に検討を重ねた結果、この様なセラミド分泌促進作剤としては、ロイヤルゼリ−蛋白質及び/又はその加水分解物が、セラミド合成促進剤としては、バラ科オランダイチゴ属イチゴが好適であることを見出した。本発明は、以下に示す通りである。
<1> 1)セラミド分泌促進剤と、2)セラミド合成促進剤とを含有することを特徴とする、皮膚外用剤。
<2> 前記セラミド分泌促進剤が、ロイヤルゼリ−蛋白質及び/又はその加水分解物であることを特徴とする、<1>に記載の皮膚外用剤。
<3> 前記セラミド合成促進剤が、バラ科オランダイチゴ属に属する植物より得られる植物抽出物であることを特徴とする、<1>又は<2>に記載の皮膚外用剤。
<4> 前記バラ科オランダイチゴ属に属する植物が、バラ科オランダイチゴ属イチゴ(Fragaria x ananassa Duch.)であることを特徴とする、<1>〜<3>の何れかに記載の皮膚外用剤。
<5> 前記セラミド分泌促進剤が、角化細胞から細胞間脂質へのセラミド分泌促進剤であることを特徴とする、<1>〜<4>の何れかに記載の皮膚外用剤。
<6> 前記セラミド分泌促進作用が、タイトジャンクション機能促進作用に起因することを特徴とする、<5>に記載の皮膚外用剤。
<7> タイトジャンクション機能促進作用が、経上皮細胞電気抵抗値(TER:transepithelial electrical resistance)を向上せしめる作用であることを特徴とする、<6>に記載の皮膚外用剤。
<8> 前記セラミド分泌促進剤を皮膚外用剤全量に対し、0.00001質量%〜10質量%含有することを特徴とする、<1>〜<7>の何れかに記載の皮膚外用剤。
<9> 前記セラミド合成促進剤を皮膚外用剤全量に対し、0.00001質量%〜10質量%含有することを特徴とする、<1>〜<8>の何れかに記載の皮膚外用剤。
<10> 化粧料(医薬部外品を含む)であることを特徴とする、<1>〜<9>の何れかに記載の皮膚外用剤。
<11> 肌荒れ改善用、又は、抗老化用であることを特徴とする、<1>〜<10>の何れかに記載の皮膚外用剤。
本発明のロイヤルゼリ−蛋白質由来の加水分解物(ロイヤルビオサイト)の経上皮細胞電気抵抗値(TER値)測定によるタイトジャンクション機能促進作用の評価結果を示す図である。 本発明のロイヤルゼリ−蛋白質由来の加水分解物(ロイヤルビオサイト)のセラミド分泌促進作用の評価結果を示す図である。
<本発明のセラミド分泌促進剤>
本発明の皮膚外用剤は、1)セラミド分泌促進剤と、2)セラミド合成促進剤とを含有することを特徴とする。セラミドは、スフィンゴシンと脂肪酸がアミド結合したスフィンゴ脂質の一種であり、角層細胞間脂質の重要な構成成分である。本発明のセラミド分泌促進剤は、合成されたセラミドを細胞間脂質に効率的に分泌する作用を有する成分であれば特段の限定なく適応することが出来、好ましいものとしては、角化細胞内のラメラボディに存在するセラミド関連物質(セラミド、並びに、グルコシルセラミド及びスフィンゴミエリン等のセラミド前駆体)の分泌を促進する作用を有する成分、より好ましくは、前記セラミド分泌促進作用がTJ機能促進作用によるセラミド分泌促進剤であることが好ましい。本発明のセラミド分泌促進剤の内、好ましいものを具体的に挙げれば、後述する「正常ヒト表皮細胞を用いたセラミド分泌量の評価」において、ベヒクルに比較し、セラミド分泌量が増加した物質、より好ましいものとしては、ベヒクルに比較し、セラミド分泌量が統計的に有意に増加している物質が好適に例示出来る。また、本発明のセラミド分泌促進剤には、TJ機能促進作用を有する成分も存する。本発明のセラミド分泌促進剤の内、TJ機能促進作用を有する成分とは、セラミド分泌促進作用に加えTJ機能促進作用を有する成分であれば、特段の限定なく適応出来、より好ましいものとしては、経上皮細胞電気抵抗値(TER:transepithelial electrical resistance)を測定することによりTJ機能促進作用が認められる成分が好適に例示出来る。
前記のTJの機能促進作用は、例えば、特開2007−176830号公報に記載の「表皮角化細胞層膜を介しての物質移動の抑制による皮膚バリア機能の測定」に記載の方法に従い、正常ヒト表皮角化細胞(NHEK)を用い、経上皮細胞電気抵抗値(TER:transepithelial electrical resistance)を測定することにより評価することが出来る。また、該方法以外のTJ機能促進作用を評価する方法としては、例えば、Kurasawa M., Biochem. Biophys. Res Commun.,381(2),171−175(2009)などに記載の3次元表皮モデル又は生体皮膚を用いたビオチン標識拡散トレ−サ−による物質移動確認法、培養細胞シ−トを用いたFITC-dextran透過性試験法、フリ−ズフラクチャ−法によるTJストランド観察でストランドの出来具合で機能を類推する方法などを好適に例示することが出来る。かかる試験方法の内、操作の簡便性、測定感度及び精度等を考慮した場合、TER値を測定する方法が特に好ましい。また、本発明におけるTJ機能促進作用を有する成分の内、好ましいものを具体的に挙げれば、後述する「ヒト表皮角化細胞を用いたTJ機能の評価」において、各TER値測定時間の何れかにおいて、被検試料を添加したサンプルのTER値が、コントロ−ルのTER値に比較し高い成分が好適に例示出来、より好ましいものとしては、TER値を測定した何れかの濃度において、全ての測定時間(初期値を除く)において、被検試料を添加したサンプルのTER値が、コントロ−ルのTER値に比較し高い成分が好適に例示出来る。当該試験方法をはじめとする試験によりTJ機能促進作用が認められた成分には、セラミド分泌促進作用が認められる。この様な角化細胞内のラメラボディから角層細胞間脂質へのセラミド関連物質の分泌促進作用は、カルシウムイオンなどの様々な情報伝達物質等の透過性を調節し、細胞内情報伝達系に影響を与えることにより発揮されると考えられる。従って、TJの機能促進作用を以って、角化細胞のラメラボディより角層細胞間脂質に分泌されセラミド含有量が上がる作用を推定すること、即ち、セラミドの分泌促進作用の代替値として、前記のTJの機能促進作用を用いることが出来る。かかる作用を有する成分を、TJ機能促進作用を機作とするセラミド分泌促進剤と見なすことが出来る。
本発明のセラミド分泌促進剤、取り分け、TJ機能促進作用を有するセラミド分泌促進剤としては、単純な化学物質、動植物由来の抽出物等が好適に例示出来る。ここで、本発明の動植物由来の抽出物とは、動物又は植物由来の分泌物及びその加水分解物、抽出物自体、抽出物の分画、精製した分画、抽出物乃至は分画、精製物の溶媒除去物の総称を意味する。本発明の動植物由来の抽出物は、日本においては、自生又は生育された植物、漢方生薬原料等として販売される日本産のものを用い抽出物を作製することも出来るし、丸善株式会社などの植物抽出物を取り扱う会社より販売されている市販の抽出物を購入し、使用することも出来る。
本発明のセラミド分泌促進剤としては、ロ−ヤルゼリ−蛋白質及び/又はその加水分解物、リンドウ科リンドウ属ゲンチアナより得られる植物抽出物等が好適に例示出来る。ロイヤルゼリ−蛋白質は、蜜蜂のうち、若い働き蜂の上顎と下顎の咽頭腺から分泌されるそれぞれ異なった成分が反応する事により生成される分泌物である。ロイヤルゼリ−蛋白質の化学的組成は、生産地により、多少の差異はあるが、水分65〜70%、蛋白質15〜20%、炭水化物10〜15%、脂肪1.7〜6%、灰分0.7〜2%含むとされている。ロイヤルゼリ−蛋白質及び/又はその加水分解物の生物学的・薬理学的作用に付いては、老化予防作用、酵素作用、抗菌作用、抗腫瘍作用、血液・循環器に対する作用などが知られている。本発明のロイヤルゼリ−蛋白質及び/又はその加水分解物は、ロイヤルゼリ−、乾燥ロイヤルゼリ−等のあらゆるロイヤルゼリ−から調整することが可能である。特に、ロイヤルゼリ−加水分解物は、ロイヤルゼリ−、乾燥ロルイヤルゼリ−等よりアルコ−ル、多価アルコ−ル、水又はそれらの混合物を使用し蛋白質を抽出後、プロテア−ゼなどの蛋白質分解酵素、塩酸、硫酸等の酸溶液で加水分解して調整することが可能である。ロイヤルゼリ−蛋白質及び/又はその加水分解物は、それらを溶液状で使用することも出来るし、それらを乾燥し粉体状にして使用することも出来る。使用するプロテア−ゼには、特段の限定はなく、微生物由来や植物由来のプロテア−ゼ、中性プロテア−ゼ、アルカリプロテア−ゼをはじめ、ペプシン、トリプシンなどの動物由来のプロテア−ゼなど、通常工業的に使用されているものを広く利用することが出来、これらのプロテア−ゼを数種類組み合わせて使用することも可能である。本発明のロイヤルゼリ−蛋白質及び/又はその加水分解物としては、前述したロイヤルゼリ−及び/又はその加水分解物であれば、特段の限定なく適応することが出来るが、より好ましいものとしては、ロイヤルゼリ−水溶液を酵素により処理し、酵素を失活させた後、精製したロイヤルゼリ−由来の糖蛋白質の加水分解物(以下ロイヤルビオサイトと称する場合も存する)が好適に例示出来る。また、該ロイヤルゼリ−蛋白質及び/又はその加水分解物は、前述した方法に従い製造することも出来るし、片倉チッカリン株式会社等より市販されているロイヤルゼリ−蛋白質及び/又はその加水分解物を使用することも出来る。また、リンドウ科リンドウ属ゲンチアナは、欧州、シベリア西部を原産地とする多年草であり、日本においては、北海道などの寒冷地で栽培されている。ゲンチアナの根及び根茎は、日本薬局方に収録された生薬ゲンチアナであり、非常に苦く、健胃作用がある。
本発明のセラミド分泌促進剤は、皮膚外用剤全量に対し、0.00001質量%〜10質量%、より好ましくは、0.0001質量%〜5質量%、さらに好ましくは、0.001質量〜3質量%含有させることが好ましい。これは、セラミド分泌促進剤の含有量が、少なすぎると角化細胞内のラメラボディに存在するセラミドを効率的に細胞外に分泌を促進する作用、並びに、後記のセラミド合成促進剤との併用による角層細胞間脂質中におけるセラミド量の増加作用が十分に発揮されず、多すぎても、効果が頭打ちになり、この系の自由度を損なう場合が存するためである。また、かかる成分は、表皮の角化細胞内のラメラボディに存するセラミド関連物質の分泌を促進する作用、取り分け、セラミド合成促進剤により増加したラメラボディのセラミド関連物質の効率的な分泌作用、標的部位への集積性及び選択性に優れ、高い安全性及び安定性を有するために、医薬、食品、化粧料などへの使用が好ましい。また、本発明のセラミド分泌促進剤を皮膚外用剤に含有させる場合には、前記セラミド分泌促進剤を、唯1種含有させることも出来るし、2種以上を組み合わせて含有させることも出来る。
<本発明のセラミド分泌促進剤の製造方法>
本発明のセラミド分泌促進剤であるロイヤルゼリ−蛋白質及び/又はその加水分解物は、例えば、特開2002−20226号公報に記載の方法に従い製造することも出来るし、片倉チッカリン株式会等により市販されているロイヤルゼリ−蛋白質及び/又はその加水分解物として入手することも出来る。本発明の実施例においては、片倉チッカリン株式会社より購入したロイヤルゼリ−蛋白質由来の加水分解物(図中、「ロイヤルビオサイト」と記載)を被験物質として用いた。また、本発明のセラミド分泌促進剤のリンドウ科リンドウ属ゲンチアナより得られる植物抽出物は、丸善製薬株式会社より市販されている植物抽出物を購入し使用した。
<試験例1:ヒト表皮角化細胞を用いたTJ機能の評価(TER値測定)>
凍結正常ヒト表皮角化細胞(NHEK)(倉敷紡績株式会社製)を解凍し、0.15mM−Ca2+含有培養液(Humadia−KG2:倉敷紡績株式会社製)にて、37℃、50%二酸化炭素雰囲気下にて培養した。この正常ヒト表皮角化細胞(NHEK)をMillicell Tissue Culture Plate(ミリポア社製)にコ−ニング社製トランズウェル(直径12mm、ポリエチレンテレフタレ−ト0.4μmポア)をセットし、上層0.5ml、下層1.5mlの前記培養液を入れ、1×10cells/cmで播種し、さらに72時間培養した。コンフルエントになったことを確認し、1.45mM−Ca2+含有−Humedia−KG2培地に交換し、その後96時間培養した。その後、ロイヤルゼリ−蛋白質由来の加水分解物(「ロイヤルビオサイト」、図1中:エキスと記載)を含有する培養液に交換して、培養を継続し、一定時間後にTER(Transepitherial Electrical Resistance)値(Ω・cm)を測定する。また、ロイヤルゼリ−蛋白質由来の加水分解物(「ロイヤルビオサイト」)を含有しない培養液にて培養したサンプルをコントロ−ル(図1中、controlと記載)とし、TER値を測定した。ロイヤルゼリ−由来の加水分解物(「ロイヤルビオサイト」)の濃度は、(v/v%)で表示する。結果を図1に示す。図1において、縦軸は、TER値(Ω・cm)、横軸は、測定時間を表す。図1の結果より、本発明のロイヤルゼリ−蛋白質由来の加水分解物(図1中、「ロイヤルビオサイト」には、顕著なタイトジャンクション機能促進作用が認められた。一方、同様の方法に従いリンドウ科リンドウ属ゲンチアナより得られる植物抽出物(最終濃度1×10−4v/v%)のTER値を測定したところ、TER値の上昇は認められず、タイトジャンクション機能促進作用は認められなかった。
<試験例2:正常ヒト表皮細胞を用いたセラミド分泌量の評価>
凍結正常ヒト表皮角化細胞(NHEK)(倉敷紡績株式会社製)を解凍し、培養液(Humadia−KG2:倉敷紡績株式会社製)にて、サブコンフルエントになるまで培養した。トリプシン処理により、48well plate(0.75cm/well)に1×10cells/cmとなるように播種した。その際、バックグランド補正のため、Cer-FL非導入用の細胞も用意した。播種3日目に培養培地を1.45mM Ca2+ Humedia-KG2培地に置換し、分化誘導を行った。Ca2+添加後3日目にCer-FL導入細胞のみ培地を7.5μM Cer-FLを含有する1.45mM Ca2+ Humedia KG2 150μL/wellに置換し、4℃にて30分間静置し、Cer-FLを細胞膜に吸着させた。Cer-FL溶液を抜き取り、1.45mM Ca2+ Humedia KG2 200μL/wellで2回洗浄した後、37℃、5%−COで30分間培養し、エンドサイト−シスにより細胞内にCer-FLを取り込ませた。5% defatted BSAを含有した1.45mM Ca2+ Humedia KG2 200μL/wellに置換し、4℃にて10分間静置する操作を2回〜4回繰り返し、細胞膜に吸着した残存Cer-FLを除去した。1mM C10を含有する1.45mM Ca2+ Humedia KG2 300μL/wellに置換し、37℃、5%−COで4時間培養した。それぞれの培地を回収し、96well plateに200μLずつ加え、蛍光プレ−トリ−ダ−にて蛍光強度(励起485nm/蛍光535nm)を測定した。1mM C10を含有する1.45mM Ca2+ Humedia KG2 300μL/wellにロイヤルゼリ−蛋白質由来の加水分解物(図2中、「ロイヤルビオサイト」と記載)を含有させた溶液を調整し、培地を回収した後の細胞に300μL/wellを加え、培養を続けた。16時間後にそれぞれ培地を回収し、蛍光強度を測定した。結果を図2に示す。図2における縦軸は、ベヒクル及び「ロイヤルビオサイト」のセラミド分泌能を示し、それぞれコントロ−ルに対する比率として表示した。図2の結果より、本発明のセラミド分泌促進剤のロイヤルゼリ−蛋白質由来の加水分解物(図2中、「ロイヤルビオサイト」と記載)は、0.001(v/v%)の濃度において、統計的な有意なセラミド分泌促進作用を示した。一方、同様の方法に従いリンドウ科リンドウ属ゲンチアナより得られる植物抽出物(最終濃度1×10−4v/v%)のセラミド分泌量を測定したところ、セラミド分泌量の増加(123% vs コントロ−ル)が認められた。
前記の結果より、本発明のセラミド分泌促進剤のロイヤルゼリ−蛋白質及び/又はその加水分解物は、セラミド分泌促進作用及びタイトジャンクション機能促進作用を有することが確認された。一方、本発明のリンドウ科リンドウ属ゲンチアナより得られる植物抽出物には、セラミド分泌促進作用が認められものの、タイトジャンクション機能促進作用は認められなかった。また、タイトジャンクション機能促進作用を有する物質は、角化細胞のラメラボディより角層細胞間脂質に分泌されたセラミド含量を効率的に増加させることが出来る。この様な角化細胞内のラメラボディから角層細胞間脂質へのセラミド関連物質の分泌促進作用は、カルシウムイオンなどの様々な情報伝達物質等の透過性を調節し、細胞内情報伝達系に影響を与えることにより発揮されると考えられる。
<本発明のセラミド合成促進剤>
本発明の皮膚外用剤は、1)セラミド分泌促進剤と、2)セラミド合成促進剤とを含有することを特徴とする。セラミド生合成は、角化細胞内におけるL−セリン及びパルミトイルCoAよりセリンパルミトイルトランスフェラ−ゼ(SPT)によるスフィンゴイドを合成する段階に始まり、数段階を経た後にセラミド又はアシルセラミドが生成される。これらは、角化細胞内においてスフィンゴミエリン、グルコシルセラミド、アシルグルコセラミドへと変換された後、セラミド及びグルコシルセラミド及びスフィンゴミエリン等のセラミド前駆体)、並びに、スフィンゴミエリナ−ゼやβ−グリコセラプロシダ−ゼ等によりセラミドに変換され、細胞が顆粒層から角質層に移行する間にラメラボディより角層細胞間脂質中に分泌される。角質細胞間脂肪質中のセラミド量は、前述の生合成及び分泌等の複雑な過程を経由し制御されているため、セラミド合成促進剤は、セラミド合成促進作用、更には、前述のセラミド分泌促進剤と併用することによる、顕著な角層細胞間脂質中のセラミド量の増加が期待出来る。本発明のセラミド合成促進剤は、細胞内のセラミド生合成に関与する酵素であるセリンパルミトイルトランスフェラ−ゼ(SPT)、スフィンゴミエリナ−ゼ(SMase)、グルコセレブロシダ−ゼ(GBA)などの遺伝子発現又は酵素活性を高めることにより、角層細胞間脂質中におけるセラミド量を増加させる作用を有する成分を意味し、より好ましいものとしては、セリンパルミトイルトランスフェラ−ゼの酵素発現を促進することによりセラミド合成を促進する物質が好適に例示出来る。
本発明のセラミド合成促進剤としては、単純な化学物質、動植物由来の抽出物が好適に例示出来、かかる成分を唯1種のみ含有することも出来るし、2種以上を組み合わせて含有させることも出来る。本発明の皮膚外用剤は、前記のセラミド分泌促進剤及びセラミド合成促進剤を共に配合することにより、肌荒れ改善、並びに、老化現象に対する予防又は改善効果を発揮する。ここで、本発明の動植物由来の抽出物とは、動物又は植物由来の分泌物及びその加水分解物、抽出物自体、抽出物の画分、精製した画分、抽出物乃至は画分、精製物の溶媒除去物の総称を意味する。かかる成分の内、化学物質の具体例を挙げれば、ヒドロキシプロリン及びそのN−アシル誘導体、プロアントシアニジン、リゾフォスファチジン酸、ゲンクワニンなどが好適に例示出来る。また、動植由来の抽出物の具体例を挙げれば、バラ科オランダイチゴ属に属する植物より得られる抽出物が好適に例示出来、より好ましくは、バラ科オランダイチゴ属イチゴより得られる植物抽出物が好適に例示出来る。前記植物より得られる抽出物の作製に用いる植物部位には、特段の限定はなされず、全草を用いることが出来るが、勿論、植物体、地上部、根茎部、木幹部、葉部、茎部、花穂、花蕾、種子等の部位のみを使用することも可能であり、より好ましい部位としては、種子が好適に例示出来る。バラ科オランダイチゴ属イチゴは、南米を原産地とする常緑多年草であり、日本には、江戸時代に輸入されている。日本においては、本州、四国、九州などの広い範囲にて生育し、その種子は、食用に用いられている。
本発明におけるセラミド合成促進剤であるバラ科オランダイチゴ属に属する植物より得られる抽出物は、日本においては、自生又は生育された植物、漢方生薬原料等として販売される日本産のものを用い抽出物を作製することも出来るし、オリザ油化株式会社などの植物抽出物を取り扱う会社より販売されている市販の抽出物を購入し、使用することも出来る。抽出に際し、植物体などの抽出に用いる部位は、予め、粉砕或いは細切して抽出効率を向上させるように加工することが好ましい。抽出物製造においては、植物体等の抽出に用いる部位乃至はその乾燥物1質量に対して、溶媒を1〜30質量部加え、室温であれば数日間、沸点付近の温度であれば数時間浸漬する。浸漬後は、室温まで冷却し、所望により不溶物を除去した後、溶媒を減圧濃縮するなどにより除去することが出来る。しかる後、シリカゲルやイオン交換樹脂を充填したカラムクロマトグラフィ−などで分画精製し、所望の抽出物を得ることが出来る。
前記抽出溶媒としては、極性溶媒が好ましく、水、エタノ−ル、イソプロピルアルコ−ル、ブタノ−ルなどのアルコ−ル類、1,3−ブタンジオ−ル、ポリプロピレングリコ−ルなどの多価アルコ−ル類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類、ジエチルエ−テル、テトラヒドロフランなどのエ−テル類から選択される1種乃至は2種以上が好適に例示出来る。
本発明のセラミド合成促進剤は、皮膚外用剤全量に対し、0.00001質量%〜10質量%、より好ましくは、0.0001質量%〜5質量%、さらに好ましくは、0.001質量〜3質量%含有させることが好ましい。これは、セラミド合成促進剤の含有量が、少なすぎるとセリンパルミトイルトランスフェラ−ゼ、スフィンゴミエリナ−ゼ、グルコセレブロシダ−ゼ等の遺伝子発現促進作用、取り分け、セリンパルミトイルトランスフェラ−ゼの遺伝子発現促進作用、更には、前記セラミド分泌促進剤との併用効果が十分に発揮されず、多すぎても、効果が頭打ちになり、この系の自由度を損なう場合が存するためである。また、かかる成分は、表皮の角化細胞内のラメラボディに存するセラミド関連物質の分泌を促進する作用、標的部位への集積性及び選択性に優れ、高い安全性及び安定性を有するために、医薬、食品、化粧料などへの使用が好ましい。本発明のセラミド合成促進剤を皮膚外用剤に含有させる場合には、前記セラミド合成促進剤を、唯1種含有させることも出来るし、2種以上を組み合わせて含有させることも出来る。
<本発明の皮膚外用剤>
本発明の皮膚外用剤は、1)セラミド分泌促進剤と、2)セラミド合成促進剤を含有することを特徴とする。本発明の皮膚外用剤は、前記の両成分を共に皮膚外用剤に含有させることにより角層細胞間脂質中のセラミド含有量を効率的に増加させ、優れた肌荒れ予防又は改善作用、抗老化作用を発揮する。
本発明の皮膚外用剤においては、前記必須成分以外に、通常化粧料で使用される任意成分を含有することが出来る。この様な任意成分としては、スクワラン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックスなどの炭化水素類、ホホバ油、カルナウバワックス、オレイン酸オクチルドデシルなどのエステル類、オリ−ブ油、牛脂、椰子油などのトリグリセライド類、ステアリン酸、オレイン酸、レチノイン酸などの脂肪酸、オレイルアルコ−ル、ステアリルアルコ−ル、オクチルドデカノ−ル等の高級アルコ−ル、スルホコハク酸エステルやポリオキシエチレンアルキル硫酸ナトリウム等のアニオン界面活性剤類、アルキルベタイン塩等の両性界面活性剤類、ジアルキルアンモニウム塩等のカチオン界面活性剤類、ソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセライド、これらのポリオキシエチレン付加物、ポリオキシエチレンアルキルエ−テル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル等の非イオン界面活性剤類、ポリエチレングリコ−ル、グリセリン、1,3−ブタンジオ−ル等の多価アルコ−ル類、増粘・ゲル化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色剤、防腐剤、粉体等を含有することができる。製造は、常法に従い、これらの成分を処理することにより、困難なく、為しうる。
これらの必須成分、任意成分を常法に従って処理し、ロ−ション、乳液、エッセンス、クリ−ム、パック化粧料、洗浄料などに加工することにより、本発明の皮膚外用剤は製造できる。皮膚に適応させることの出来る剤型であれば、いずれの剤型でも可能であるが、有効成分が皮膚に浸透して効果を発揮することから、皮膚への馴染みの良い、ロ−ション、乳液、クリ−ム、エッセンスなどの剤型がより好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、前述の成分を常法に従って処理することにより本発明の皮膚外用剤を製造することができる。
以下に、実施例をあげて、本発明について更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ、限定されないことは言うまでもない。
<試験例3: 3次元培養表皮モデル中のセラミド量の検討>
本発明のセラミド分泌促進剤としては、前記のロイヤルビオサイト(片倉チッカリン株式会社)、リンドウ科リンドウ属ゲンチアナより得られる植物抽出物、セラミド合成促進剤としては、イチゴ種子抽出物(オリザ油化株式会社)を使用した。イチゴ種子抽出物は、オリザ油化株式会社より購入することも出来るし、前記方法に従い、イチゴ属イチゴより溶媒抽出により作製することも出来る。皮膚3次元培養表皮モデル(EPI−200、クラボウ社製)を使用し、ロイヤルビオサイト 0.01%及び/又はイチゴ種子抽出物 10 mg/mLを添加した後、4日間培養した(n=4)。皮膚モデルを剥離回収後、PBS(−)にて洗浄、除去後、凍結乾燥にて水分を除去した。クロロホルム(和光純薬工業株式会社):メタノ−ル(和光純薬工業株式会社)=(2:1)の混合溶液にて全脂質を抽出し、脂質濃縮サンプルを得た。薄層クロマトグラフィ−(シリカゲル60 HPLC プレ−ト:Merck会社製、展開溶媒:クロロホルム:メタノ−ル=2:1)により得られた脂質を展開し、バンドの濃さ及びサイズによりセラミド量を判断した。セラミド量の判断には、パラアニスアルデヒド(エタノ−ル溶液(東京化成工業社製)に浸し、完全に乾燥した後にホットプレ−トにて約10分加熱し、得られたバンドを画像として取り込み、PCソフトウェア(Scion image corporation社製)を使用しバンド面積の数値比(デンシトメトリ−)を算出し、比較した。各バンドの面積比は、算出された数値の内、コントロ−ルを100%とし、コントロ−ルに対する比率として表示した。結果を表1に示す。また、コントロ−ルには、ロイヤルビオサイト、リンドウ科リンドウ属ゲンチアナより得られる植物抽出物及びイチゴ種子抽出物を添加せずに同様に培養したサンプルを用いている。
図1の結果より、ロイヤルビオサイト、リンドウ科リンドウ属ゲンチナアより得られる植物抽出物又は、イチゴ種子抽出物を添加し培養した皮膚は、コントロ−ルと比較してセラミド量が増加していた。また、ロイヤルビオサイト及びイチゴ種子エキスを共に添加した皮膚では、ロイヤルビオサイト、又は、イチゴ種子抽出物を単独で添加したものに比較し、セラミド量の増加はさらに顕著であった。また、その効果は、リンドウ科リンドウ属ゲンチアナより得られる植物抽出物及びイチゴ種子抽出物を添加したものより高かった。本試験結果より、セラミド分泌促進剤及びセラミド合成促進剤の併用することにより、優れたセラミド量の増加作用が発揮されること、特に、タイトジャンクション機能促進作用を有するセラミド分泌促進剤とセラミド合成促進剤を共存させた場合、その効果が顕著であることが確認された。
Figure 0006032918
<本発明のセラミド分泌促進剤及びセラミド合成促進剤を含有する皮膚外用剤の製造方法>
表2に示す処方に従い、皮膚外用剤(化粧水)を作製した。即ち、処方成分を室温にて攪拌し、可溶可し化粧水1を得た。また、表2の成分中、本発明のセラミド分泌促進剤の「ロイヤルビオサイト(片倉チッカリン株式会社)」を、「リンドウ科リンドウ属ゲンチアナより得られる植物抽出物」に置換した化粧料2、本発明のセラミド分泌促進剤の「ロイヤルビオサイト(片倉チッカリン株式会社)」を、「水」に置換した比較例1、本発明のセラミド合成促進剤の「イチゴ種子抽出物(オリザ油化株式会社)」を水に置換した比較例2、本発明のセラミド分泌促進剤の「ロイヤルビオサイト(片倉チッカリン株式会社)」及び本発明のセラミド合成促進剤の「イチゴ種子抽出物(オリザ油化株式会社)を共に水に置換した比較例3を作製した。
Figure 0006032918
<試験例4: 皮膚外用剤の肌荒れ改善試験>
パネラ−を使用し、化粧料1及び比較例1〜3に付いて、テ−プストリッピングによって作成した肌荒れモデルでの、肌荒れ改善作用を評価した。即ち、左右の前腕に3cm×5cmの試験部位を4つずつ設定し、テ−プストリッピングを各部位15回行い、前後の経皮的散逸水分量(TEWL)をインテグラル社製の「テヴァメ−タ−」で計測した。その後、一日一度検体を50μL塗布し、この作業を3日間続け、4日目に再度TEWLを計測した。最初の日のTEWL値から4日目のTEWL値を減じたものを、最初の日のテープストリッピングによるTEWL増加量で除し、100を乗じてTEWL改善率(%)を算出した。n数は15とした。結果を表3に示す。これより、本発明の皮膚外用剤は肌荒れ改善作用に優れることがわかる。
Figure 0006032918
本発明は、化粧料などの皮膚外用剤に応用出来る。

Claims (8)

  1. 1)セラミド分泌促進剤と、2)セラミド合成促進剤とを含有し、
    前記セラミド合成促進剤が、バラ科オランダイチゴ属に属する植物より得られる植物抽出物であることを特徴とする、皮膚外用剤。
  2. 前記バラ科オランダイチゴ属に属する植物が、バラ科オランダイチゴ属イチゴ(Fragaria x ananassa Duch.)であることを特徴とする、請求項に記載の皮膚外用剤。
  3. 前記セラミド分泌促進剤が、角化細胞から細胞間脂質へのセラミド分泌促進作用を有することを特徴とする、請求項1又は2に記載の皮膚外用剤。
  4. 前記セラミド分泌促進剤が、ロイヤルゼリー蛋白質及び/又はその加水分解物であることを特徴とする、請求項に記載の皮膚外用剤。
  5. 前記セラミド分泌促進剤を皮膚外用剤全量に対し、0.00001質量%〜10質量%含有することを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
  6. 前記セラミド合成促進剤を皮膚外用剤全量に対し、0.00001質量%〜10質量%含有することを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
  7. 化粧料(医薬部外品を含む)であることを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
  8. 肌荒れ改善用、又は、抗老化用であることを特徴とする、請求項1〜の何れか1項に記載の皮膚外用剤。
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