以下、本発明の実施の形態について、図1乃至図21を参照しながら説明する。
なお、同一の記号及び同一の符号は、実施の形態中の同一または相当する機能部分を意味するものであるから、ここでは重複する詳細な説明を省略する。
本実施の形態の掲示板組立構造体1は、ポスター貼着用の掲示板10と、掲示板10を地面の上や、ガードレール、ガードパイプ等の車両用防護柵や、塀・壁や、フェンス等の設置場所に設置するための取付手段と、取付手段を掲示板10に取付ける固定手段30としてのボルト31及びナット32と、掲示板10においてポスターが貼着される表側とは反対側の裏側に固着され、固定手段としてのボルト31を摺動自在に保持する補強部20とを有する。なお、本発明の実施の形態は、選挙用ポスターを掲示する掲示板組立構造体1としての適用例で説明する。
まず、本実施の形態の掲示板組立構造体1について、ガードレールやガードパイプ等の車両用防護柵、塀・壁、フェンス等に固定することなく地面に打ち込み起立させて設置する形態を、図1乃至図5を参照して、説明する。
本実施の形態のポスター貼着用の掲示板10は、図4に示すように、ポスター貼着用に所定の面積の矩形状を呈し、アルミニウムにより形成される板状の基材10a、その間にポリエチレン樹脂またはポリプロピレン等の発泡性の合成樹脂の芯材10bによって形成されている。更に、アルミニウム板の基材10aには、ポリエチレンからなる透明等のフィルム10dがアクリル系(アクリル酸エステル系、メタアクリル酸エステル系等)の粘着剤10cによって貼着されている。
この本実施の形態で使用するアルミニウム複合板は、ポリエチレン樹脂またはポリプロピレン等の発泡樹脂、ソリッド樹脂を芯材10bとし、その合成樹脂の芯材をアルミニウムで片面側または両面側を貼着した複合板材としてもよい。
即ち、片面または両面のアルミニウムとその片面または両面に合成樹脂を貼着された積層構造のアルミニウム複合板で構成されている。
ポスターが貼着される側の表層には、例えば、選挙掲示板としての用途であれば、選挙タイトル、投票日、選挙注意書き、選挙内容、区画枠線、掲示枠番号等が印刷または印字され、表示される。なお、図においては、簡易的に、ポスター貼付け箇所を指定する区画枠線の黒枠のみ掲示板10の表側(前面)に表示した。特に、ポリエチレン系のフィルム10dによれば、適度な硬さを有し、雨等の水分や紫外線、熱による劣化で剥がれや浮きが生じ難く、また上記表示の印刷、印字も容易にできる。
アルミニウム板の基材10aへのフィルム10dの貼着は、例えば、厚みが0.03mm〜0.1mmのポリエチレンフィルムにアクリル系の粘着剤(例えば、10〜30g/m2)が塗布されて剥離可能な離型紙に貼り付けられ、このロール状の離型紙付きフィルムをアルミニウム板の基板10aの表面に配置し、離型紙を剥がしてローラで押圧しながらアルミニウム板の基材10aの表面に圧着することにより行っています。また、アルミニウムからなる板状の基材10aへ、上記所定の文字や図形等がスクリーン印刷されてロール状とした離型紙付きフィルムとしてもよい。また、アルミニウム板の基材10aに対して、所定の文字や図形等がスクリーン印刷され、その上にロール状とした離型紙付きフィルムを用意し、このロール状の離型紙付きフィルムをアルミニウム板の表面に配置し、離型紙を剥がしてローラで押圧しながらアルミニウム板10aの表面に圧着することにより行われる。
なお、アルミニウム板側の基材10aに粘着剤10cを塗布して、そこにフィルム10dを貼り付けてもよい。フィルム10dは、通常、基材10aの特定の表面全体に貼着されるが、必要に応じ厚み面にまで達する程度の大きさで貼着してもよい。また、フィルムの貼着は基材10aに対して1枚の連続的な供給であってもよいし、複数枚を接続して使用してもよい。更に、フィルム10dの貼着はポスター掲示面のみであってもよい。
因みに、本発明者の実験研究により、アルミニウム板からなる基材10aに粘着剤10cを介して貼着されたポリエチレンフィルムを引き剥がすJIS−Z−0237に準拠して測定した180℃引き剥がし試験における剥離強度が、100〜140g/25mmの範囲内、より好ましくは110〜130g/25mmの範囲内であれば、適度な粘着性を有して雨等の水分や紫外線、熱に曝されても選挙の使用期間中(通常、3か月以内)にフィルムが浮いたり剥離したりすることがなく、使用後は作業者が道具や水分等を使用することなく手作業で容易に引き剥がすことができ、基材10aにフィルム10dや粘着成分を残すことなく、基材10aの再使用が可能であることを確認した。
なお、剥離強度が100g/25mm未満であると、粘着力が弱く雨等の水分や紫外線、熱に曝されると粘着剤10cの劣化等により短期間でフィルム10dが浮いたり剥離したりしてしまう一方で、140g/25mmを超えると、手作業での引き剥がしが困難で作業性が悪く、基材10aにフィルム10dや粘着成分が残ったり引き剥がしの際に基材10aを傷付ける恐れがあったりし、基材10aの再使用が困難となる。
180℃の引き剥がし試験は、JIS−Z−0237に準拠して、アルミニウム板からなる基材10aにアクリル系の粘着剤10cが片面全面に塗布されたポリエチレンフィルム(厚み:0.05mm、25mm幅)を貼着し、20℃〜40℃の炎天下の屋外に1カ月放置した後、基材10aに貼着されたポリエチレンフィルムを引張速度300mm/minで幅方向に直角な長手方向に180°折り返してフィルム10dを引き剥し、このときのフィルム10dの引き剥がしに要する力を測定したものである。
つまり、100〜140g/25mmとは、アルミニウム板にアクリル系の粘着剤10cで貼着した25mm幅のポリエチレンフィルムを180°方向に折り返して剥がすときに100〜140gの重量が必要であったことを示している。
なお、このように形成される掲示板10は、複数枚(パネル)を横や縦に並列して構成してもよいし、1枚板から構成することもでき、一般に、450(440)mm幅×900mm長さ、900(880)mm幅×1800mm長さに設定される。殊に、アルミニウム板からなる基材10aの表裏面にポリエチレンからなるフィルム10dがアクリル系の粘着剤10cによって貼着された積層構造のアルミニウム複合板である本実施の形態の掲示板10は、両面テープや画鋲等を使用した選挙用ポスターの貼付作業も容易に可能で、貼着したポスターも剥離し難いものである。そして、アルミニウムは軽量で堅固であり、成型性も良く、耐候性に優れて劣化、変形し難く設置作業や耐久性の観点からも繰り返しの使用、また、使用後のリサイクル性に有利である。また、画鋲を使用したポスターの貼着でアルミニウム板に部分的に画鋲による穴があいたとしても、パテ等による補修で穴を埋めて修復でき、再貼着するフィルムの接着にも影響することなく、繰り返しの再使用を可能とする。
したがって、アルミニウム板の基材10a間に配設した発泡性の合成樹脂の芯材10bによって形成され、その表面に粘着剤10cによって透明または着色のフィルム10dが貼着され、ポスター貼着用とされる。ポスターは粘着剤10cによって貼着した透明のフィルム10d及び粘着剤10c、芯材10bの両側のアルミニウム板の基材10aに画鋲等を刺して固着される。また、ポスターの剥離の場合には、粘着剤10cによって貼着した透明のフィルム10dを剥がすことにより、ポスターを剥がすことができる。よって、簡単にはポスターを剥がすことができる。
そして、この掲示板10には、図2至図4に示すように、ポスター貼着側の表側とは反対側の裏面側に、水平方向(左右の横方向)に延びる長尺状の複数の補強部20が接合等によって固着されている。
補強部20は、アルミニウム製で、アルミニウムの押出成形等によって長尺状に形成されたものである。補強部20は、図3及び図4に示すように、水平方向に延びる平板状の平面部21が掲示板10に面接触し、掲示板10の左右の横方向に沿って固着されている。そして、平面部21の長手方向に対して直角(直交)方向に平面部21部から上下一対で延びて、その先端を互いに対向するように直角に内側に折り曲げて上下に対向する一対の断面L状の突条部22の形成により、その内側に後述する挿通孔41aを形成した取付手段としての支持脚41を固定するためのボルト31の頭部31aを収容する収容溝23を有する。そして、突条部22の先端を直角に折り曲げて上下に対向する一対のリップ状係止部22aの形成により、収容溝23に収容されたボルト31の頭部31aの離脱を禁止して頭部31aを拘束する。
水平方向に延びる長尺状の補強部20の左右両端は開口しており、そこからボルト31の頭部31aが挿入されると、上下に対向する一対の断面L字状の突条部22及び断面L字状の突条部22の内側の収容溝23によってレール状に形成された補強部20に、ボルト31の頭部31aが収容され保持される。特に、補強部20が水平方向(左右の横方向)に延びるレール状であることで、ボルト31の頭部31aを摺動自在とし任意の位置で保持可能とする。つまり、後述する支持脚41等の取付手段の取付位置を設置場所等に応じて選択的に設定できるようになっている。
なお、収容溝23の空間容積や、一対の突条部22の開放側の対向幅は、市販の一般的なボルト31の大きさの規格に対応して設定されている。勿論、規格外のボルト31を採用して、それに対応した寸法に設定することも可能である。使用するボルト31の頭部31aに直交する軸部31bが、一対の突条部22の開放側の対向幅に近い直径長さを有すると、ボルト31のスムースで安定した摺動を可能としつつ、ボルト31のがたつきを防止できる。
このようにしてボルト31を保持可能に形成された補強部20が掲示板10の裏面に溶着等によって固着されていることで、後述する支持脚41の掲示板10に取付けるための固定手段としてのボルト31が補強部20で保持されることから、掲示板10を傷付けることなく固定手段としてのボルト31・ナット32によって後述する支持脚41の掲示板10への取付けを可能とする。また、掲示板10に補強部20が固着されることで、掲示板30全体の強度や剛性を高くする。よって、掲示板10の繰り返しの使用を可能とする。
ここで、本実施の形態においては、図2、図3、図5等で示すように、掲示板10の上端及び下端部とそれらの中間部の位置の3列で補強部20が掲示板10の左右の横方向に沿って固着されており、支持脚41等の取付手段の取付位置を選択的に設定できて、設置場所等に応じて掲示板10の高さ位置の変更を可能とする。
しかし、本発明を実施する場合には、掲示板10の大きさ、種類、強度、設置場所等によっては、補強部20の掲示板10への固着を1列または2列としてもよいし、4列以上設けてもよく、その固着位置も任意とすることができる。また、図2、図3、図5等において、掲示板10の上端部及び中間部では、補強部20として長尺状の1本の部品が掲示板10の左右方向に沿って連続して固着しているが、掲示板10の下端部では、補強部20として2本の部品を所定の距離で離した状態で掲示板10の左右方向に沿って固着しているように、本発明を実施する場合には、長尺状の1本の部品を掲示板10の左右方向に沿って固着して列を構成しても良いし、複数本の部品で掲示板10の左右方向に沿って固着して列を構成してもよい。このとき複数本を互いに所定の距離で離した状態としても良いし、接続した状態としてもよい。特に、複数本を互いに所定の距離で離して、ボルト31の補強部20への挿入口を4箇所以上の複数箇所設けることで、後述する支持脚41の組み付け後に掲示板10のパネルを横方向で連結させる事態が生じても、組立直すことなく掲示板10に対して支持脚41の追加の取付けが可能であり、利便性、作業性に優れる。
なお、複数枚のパネルの接ぎ合わせによって掲示板10を構成する場合には、各パネルに対応して補強部20を用意してそれに固着し、それらを接ぎ合せるようにしてもよい。例えば、補強部20を有する掲示板10同士であれば、補強部20同士を接続するコ字状等のカバーを補強部20に取付けることで両者を繋げることができるし、後述する支持脚41組み付け後の増設も可能である。このときの補強部20へのカバーの取付は、補強部20に係合可能に形成されたカバーの係合による取付け、或いは、ボルト・ナット等による取付け等が挙げられる。
なお、掲示板10への固着部分の材質が補強部20の平面部21の材質と同じ、例えば、アルミニウムであれば、溶接等により容易に固着することができ、容易な成形で強度も確保でき、軽量性、耐久性、再利用性、リサイクル性、成型性等の観点から有利であるが、本発明を実施する場合には、異なる材質であってもよいし、固着方法も溶接等に限定されず、例えば、接着剤や、ねじ等で固定するようにしてもよい。しかし、好ましくは、掲示板10を長持ちさせるために、溶接等の掲示板10に穴をあけることのない固着手段が好ましい。特に、図3に示したように、補強部20において、突条部22の長手方向に対して直角方向に延び、水平方向(左右の横方向)に連続する帯状の平面部21を設けることで、補強部20の平面部21を掲示板10に密着させてがたつきのない安定した固定を可能とする。
ところで、上述したように、本実施の形態では、補強部20が左右の横方向に延びるレール状であることで、ボルト31の頭部31aを摺動自在として任意の位置で保持可能とし、後述の支持脚41等の取付手段の取付位置を選択的に設定できるようになっているが、設置場所での組付作業を容易とするために、位置決め手段を採用してもよい。例えば、補強部20にてボルト31を保持する位置を位置決め手段としてのマーカーやテープ等で掲示板10の裏側や補強部20に記す手法が挙げられる。また、補強部20でボルト31を保持する位置にて補強部20の平面部21から上下一対で掲示板10側とは反対側に延びた突条部22を内側に部分的に押圧して、上下一対のリップ状係止部22a相互間の開放距離(開口)を狭め、ボルト31のそれ以上の摺動を規制する位置決め手段を採用することもできる。これより、バランスの良い安定した組み付けにできる位置決めが容易にできる。
なお、図2及び図7の最下段の補強部20には、中央にボルト31の頭部31aの挿入離脱を自在とし、補強部20にボルト31の頭部31aを挿入したときには、摺動自在として左右に移動するもので任意の位置でボルト31・ナット32によって取り付けが可能である。この、間隙20−1は、上下に掲示板10を繋ぐとき、ボルト31の頭部31aを両側から挿入するよりも、作業効率をよくするものである。したがって、間隙20−1は、ボルト31の頭部の間隔となっている。また、間隙20−1は、上下に突条部22及び一対のリップ状係止部22aを削除し、掲示板10を上下に繋ぐとき、ボルト31の頭部31aを両側から挿入するよりも、作業効率をよくするものである。したがって、間隙20−1は、ボルト31の頭部の間隔またはそれ以上の幅となっている。
他の事例として、図2及び図7の最下段の補強部20のように間隙20−1で切断すると補強部20が弱くなるので、上段の突条部22の一部(ボルト31の頭部31a)のみを切削した間隙20−2とすると掲示板10の機械的強度が上がる。したがって、間隙20−2であると、下段の突条部22及び平面部21が健全であるから、機械的強度が殆ど低下しない。
本実施の形態の掲示板組立構造体1を地面に打ち込み自立させて設置する形態では、掲示板10を設置場所に設置する取付手段として、掲示板10を所定の高さに支持する支持脚41及び支持脚41を斜めから支える傾斜脚42が採用される。
また、断面略L字状の等辺山形鋼からなる支持脚41は、スチールやアルミニウム等の長尺状の一対の面45a,45bが略直交状に配置されて断面L字形状を呈しており、その長さ方向に沿って、ボルト31の軸部31bが挿通される複数の挿通孔41a、41bを有する。
なお、図において、便宜的に、支持脚41を構成するL字状をなす帯状体のうち、補強部20に当接される側の挿通孔41a、他方の挿通孔41bとし、補強部20に当接される側の挿通孔41aに設けられて補強部20に保持されたボルト31が挿通される挿通孔41a、他方の挿通孔41bに設けられた挿通孔41bとした。挿通孔41aと挿通孔41bは、一対の面41e,41fにおいて、同一数でその位置が互いに対応して長さ方向で所定間隔の同じ配置となっている。このように面41eと面41fの区別を設けないことで、安価な製作を可能とし、また作業者にとって組立作業を分かりやすくしている。しかし、本発明を実施する場合には、面41eの挿通孔41aと面41fの挿通孔41bとで、数や配置を相違させてもよい。
挿通孔41a、41bは、補強部20の配置間隔に対応した間隔で少なくとも補強部20の列数設けられるのが好ましく、更に所定の強度を確保できる範囲で多数設けると、掲示板10に固着された補強部20への取付位置や、連結される後述の第1補強脚43や傾斜脚42の取付位置を選択的に設定でき、掲示板10の高さ位置の任意の設定や設置バランスの調節を容易に可能として、設置場所に応じた安定して見栄えの良い設置を可能とする。
そして、本実施の形態においては、同一部材で支持脚41と後述の傾斜脚42を兼用し、傾斜脚42においても支持脚41への取付を可能とする一方で、地面側への低い位置で後述の第1補強脚43や第2補強脚44を取付ける取付位置の選択を可能とするためにそれに対応する挿通孔41a,41bを複数設けている。また、補強部20の配置間隔に対応して形成された挿通孔41a,41bの近くにも挿通孔41a,41bを穿設することで、掲示板10に支持脚41を固定するためのボルト31・ナット32と、支持脚41と傾斜脚42を固定するためのボルト31・ナット32が互いに干渉しない位置での取付を可能として、各ボルト31・ナット32の締結の作業性を良好にしている。そして、図2、図3、図5に示すように、支持脚41及び傾斜脚42の挿通孔41a,41bの位置は、均等の間隔でなく、配置間隔を長手方向で変更して方向性を持たせている。しかし、本発明を実施する場合には、挿通孔41a,41bを規則的に配置して上下の方向性を持たせることなく、作業者にとって組立作業が分かりやすいようにしても良い。
また、挿通孔41a,41bは、支持脚41の長手方向に延びる長孔状を呈していることでも、取付位置の調節を可能とし、特に、掲示板10に支持脚40を固定するためのボルト31・ナット32と支持脚40と傾斜脚41を固定するためのボルト31・ナット32が互いに干渉しない位置での取付けを可能とし、各ボルト31・ナット32の締結の作業性を良好にしている。しかし、本発明を実施する場合には、挿通孔41a、41bの形状は、円形状、楕円形状、角形状等であってもよい。
支持脚41は、その長手方向が掲示板10の裏面に固着された補強部20の水平方向(左右の横方向)に対して直角に配置され、L字状に交差する一対の面45a,45bのうちの一方の面45aの片面側を補強部20の開放側に対向させる。即ち、一対の面45a,45bのうちの一方の面45aを補強部20の水平方向(左右の横方向)に対して直交方向に配置し、それに直角なもう一方の面45bを補強部20に面して配置する。そして、補強部20に挿入されて保持されたボルト31の軸部31bを、補強部20に面して配置した面45bの挿通孔41aに挿通し、ボルト31の軸部31bにナット32を螺合してボルト31とナット32を締結することによって、支持脚41は補強部20を介して掲示板10に固定されることになる。なお、取付の安定化等のため、締結手段のボルト31の頭部31aとナット32の間には、適宜、ワッシャ、スプリングワッシャを入れても良い。
このようにボルト31とナット32の締結により補強部20に取付固定された断面略L字状の等辺山形鋼からなる支持脚41は、地面に対して垂直に立設され、掲示板10を所定の高さに支持する。
図3及び図5においては、掲示板10の上端部、中間部及び下端部に固着された複数の補強部20のそれぞれに対応して、支持脚41の長手方向に沿う挿通孔41aに複数の補強部20のそれぞれで保持されているボルト31の軸部31bを挿通してナット32締めを行うことにより、ボルト31とナット32の締結により1本の支持脚41において3箇所が補強部20に固定されている。しかし、設置場所や掲示板10の大きさ、種類、重量等によっては、複数の補強部20に対して取付箇所を選択的として1本の支持脚41で1箇所乃至6箇所での取付けとすることも可能である。即ち、補強部20の列数に応じ、全列に対して支持脚41を固定することもできるし、任意に列を選択して支持脚41の固定を行ってもよい。
また、図3及び図5においては、並列的に配置した2本の支持脚41によって掲示板10を所定の高さに支持しているが、設置場所や掲示板10の大きさ、種類、重量等によっては、支持脚41を1本または3本以上としてもよい。特に、上述したように、本実施の形態においては、補強部20がボルト31を摺動自在に保持可能で任意の位置で保持できるため、補強部20への支持脚41の取付位置を設置場所等に応じて選択的に設定できる。つまり、広範囲な設置場所に対応できる利便性を有し、設置自由度が高い。
ここで、本実施の形態においては、このようにして掲示板10の裏面の補強部20に取付固定されて地面に垂直に打ち込まれて立設される断面略L字状の等辺山形鋼からなる支持脚41の下部側で、支持脚41の長手方向に沿って支持脚41よりも短尺な第1補強脚43が取付けられ、第1支持脚41の立設を安定強化する。
なお、断面略L字状の等辺山形鋼からなる支持脚41は、地面に打ち込む側の反対側の端部には、断面略L字状の等辺山形鋼の端部の内側を溶接した略等辺三角形状の溶接端部43Xが形成されている。断面略L字状の等辺山形鋼の端部の内側を溶接した略等辺三角形状の溶接端部43Xは、懸けや、小槌、ハンマー等で打ち込む際に部分的衝突であっても、支持脚41の長さ方向に外力が誘導されるようにしている。
また、挿入端部43Yは、溶接端部43Xを懸けや、小槌、ハンマー等で打ち込む際に抵抗が少なくするように形成されている。
第1補強脚43は、ステンレス、アルミニウム、鉄等からなる断面略L字状の等辺山形鋼からなり、その長さ方向に沿って長尺状の複数の挿通孔43a、43bを有している。
なお、図5において、便宜的に、第1補強脚43を構成する断面略L字状の等辺山形鋼において、支持脚41の上に位置する略等辺三角形状の溶接端部43Xに対して、地中に打ち込まれる挿入端部43Yとし、支持脚41に当接される側の略等辺三角形状の溶接端部43Xに設けられて支持脚41に取付けるためのボルト31が挿通される挿通孔43a、挿通孔43bを有している。挿通孔43aと挿通孔43bは、断面略L字状の等辺山形鋼からなる支持脚41と、同一間隔でその位置が互いに対応して長さ方向で所定間隔の同じ配置となっている。このように断面略L字状の等辺山形鋼からなる支持脚41によって安価な製作を可能とし、また作業者にとって組立作業を分かりやすくしている。しかし、本発明を実施する場合には、断面略L字状の等辺山形鋼からなる支持脚41と溶接端部43Xとで、数や配置を相違させてもよい。また、図では挿通孔43a、43bが等間隔に配置されているが、所定の規則または不規則の配置であってもよい。更に、第1補強脚43の挿通孔43a、43bにおいても、複数個形成されているうえ、第1補強脚43の長手方向に延びる長孔状を呈していることで、ボルト31・ナット32の取付位置の選択幅を広くして、支持脚41と第1補強脚43の取付位置の組み合わせ自由度を高くしているが、本発明を実施する場合には、挿通孔43a、43bの数や形状は任意である。因みに、生産性やコストの観点から、図において、支持脚41と第1補強脚43の両部材では、帯状体の幅や挿通孔の大きさを同一としているが、相違する寸法形状であってもよい。
本実施の形態において、支持脚41への第1補強脚43の取付けは、補強部20に取付られて地面に垂直に打ち込まれて立設される断面略L字状の等辺山形鋼からなる支持脚41に対して並行して第1補強脚43を配置し、即ち、支持脚41の長手方向に第1補強脚43の長手方向を一致させて配置し、そして、断面略L字状の等辺山形鋼からなる支持脚41のうちの、補強部20に当接させた面に対して、第1補強脚43を構成する断面略L字状の等辺山形鋼のうちの一方の一面を当接させて、支持脚41の下部側の任意の1または2以上の挿通孔41bに第1補強脚43の任意の1または2以上の挿通孔43aの位置を合わせて、締付手段のボルト31を挿通し、ナット32を締めすることにより行われる。
ここで、掲示板組立構造体1を地面に打ち込み起立させる形態では、第1補強脚43を地中まで達するように打ち込んで安定した自立を可能とするために、支持脚41または第1補強脚43の何れか一方、或いは、両方で、地面に接触させる長手方向の一端を尖軸状に形成するのが好ましい。先端側を尖らせることで地面に打ち込みやすく、地面へ埋め込んで安定した立設を可能とする。例えば、図5に示すように、第1補強脚43の下端の先端側で、挿入端部43Yは断面略L字状の等辺山形鋼の幅を徐々に狭くし先端側を鋭くすることで、地面に差し込みやすくし、また、溶接端部43Xは第1補強脚43を地面に打ち込む際の衝撃バランスを確保するもので、支持脚41と第1補強脚43の立設により、安定した自立を可能とする。つまり、支持脚41に取付ける第1補強脚43の先端を杭状として地中に打ち込むことで、第1補強脚43を地面に固定して、支持脚41を安定して自立させることができる。特に、掲示板10の裏面の補強部20に取付けられる支持脚41とは別体の第1補強脚43において、その先端を尖軸状に形成して地面に差し込んで地面に固定することで、掲示板10を支える荷重が分散され、設置地面の条件による拘束も受け難く、自立の安定性が極めて高いものとなる。
また、支持脚41と第1補強脚43の両者がL字状に形成されていることでも、地面に対して2次元以上の接触により自立しやすく、荷重分布を緩和できることで設置地面の凹凸等の形状や性質にも作用され難く、安定した設置が可能である。
なお、図において、第1補強脚43はそのL字状の内角側が掲示板10の掲示側とは反対の背面側に向く配置として、ポスターが貼付けられる正面側からは第1補強脚43の面45bによってボルト31・ナット32の存在が視認され難くなっていて見栄えを良くしている(図1参照)。しかし、第1補強脚43のL字状の内角側が掲示側(正面側)に向く配置とすることも可能である。
更に、本実施の形態においては、支持脚41の長手方向に第1補強脚43の長手方向を一致させて取付けることで、支持脚41と第1補強脚43を共に地面に対して垂直に立設させることになるが、本発明を実施する場合には、設置地面の条件や重量バランスに応じ、支持脚41に対して第1補強脚43を斜めに取付け、地面に斜めに立設させてもよい。
また、支持脚41が複数である場合、選択的に第1補強脚43を設けてもよいし、掲示板10や支持脚41の大きさ、種類、重量等によっては、第1補強脚43を省略してもよい。
更に、本実施の形態においては、掲示板10に補強部20を介して固定手段30としてのボルト31・ナット32により固定し地面に垂直に起立させて掲示板10を所定の高さに支持する支持脚41に対して、傾斜脚42が傾斜状態で取付られる。
本実施の形態では、傾斜脚42は、支持脚41と同一の部品が使用される。即ち、傾斜脚42も、ステンレス、アルミニウム、鉄等の長尺状の断面略L字状の等辺山形鋼からなり、その長さ方向に沿って、支持脚41に固定するためのボルト31の軸部31bが挿通される複数の挿通孔42a、42bを有する。
なお、図5において、便宜的に、傾斜脚42を構成する断面略L字状の等辺山形鋼のうち、支持脚41に当接される側の面45a、他方の面45bとし、支持脚41に当接される側の面45aに設けられて支持脚41に固定するためのボルト31が挿通される挿通孔を42a、他方の面45bに設けられた挿通孔を42bとした。支持脚41と同一の部品であるから、当然、挿通孔42aと挿通孔42bは、一対の面45a,45bにおいて、同一数でその位置が互いに対応して長さ方向で所定間隔の同じ配置となっており、面45aと面45bの区別を設けていない。
支持脚41への傾斜脚42の取付けは、補強部20に固定されて地面に垂直に立設される支持脚41のL字状に交差する一対の面45a,45bのうちの、補強部20に当接される面45aに直角な他方の面45bに対して、傾斜脚42のL字状に交差する一対の面45a,45bのうちの一方の面45aが傾斜した状態で当接し、傾斜脚42に設けられた任意の挿通孔42aを支持脚41の任意の挿通孔41bの位置に合わせて、ボルト31を挿通し、ナット32締めすることにより行われる。
そして、地面に垂直に立設される断面略L字状の等辺山形鋼からなる支持脚41に対して、ボルト31とナット32により斜めに取付固定された傾斜脚42は、その一端部を地面に接触させてそこを支点とし、地面に対して斜めに立設されて支持脚41を支持する。
なお、図5においては、傾斜脚42の一端部(上端部)に設けられた挿通孔42aが、掲示板10に固定された支持脚41において掲示板10の略中間部に位置する挿通孔41bに合わせられ、ボルト31・ナット32の締結により掲示板10の略中間部で支持脚41に傾斜脚42が取付けられているが、取付け位置はそこに限定されるものではなく、それよりも高い位置または低い位置であってもよい。また、傾斜脚42の一端部(上端部)に近い挿通孔42aを使用して取付けを行っているが、掲示板10の上端から傾斜脚42を突出させるように傾斜脚42を配置してその他の位置の挿通孔42aを使用して支持脚41に取付けを行ってもよい。
特に、図5に示したように、支持脚41において、補強部20の配置間隔に対応した挿通孔41a、41bに近い位置に形成された挿通孔41a、41bを使用した傾斜脚42の取付けでは、補強部20と支持脚41を固定するボルト31・ナット32と、支持脚41と傾斜脚42を固定するボルト31・ナット32とが互いに干渉しない位置であるから、その取付の締結作業が容易にできる。勿論、補強部20への取付けがボルト31・ナット32により行われた支持脚41の挿通孔41aの位置に対応する他方の挿通孔41bにて、支持脚41と傾斜脚42の取付けを行うことも可能である。この場合でも、挿通孔41a、41bが長尺状に形成されていることで、ボルト31・ナット32の締結位置をずらせるから、補強部20と支持脚41を固定するボルト31・ナット32と、支持脚41と傾斜脚42を固定するボルト31・ナット32とが互いに干渉しない位置で、その取付の締結作業を容易にできる。また、支持脚41の挿通孔41aと挿通孔41bの位置をずらして形成することによっても互いに干渉しない位置での締結作業の容易化に対応することも可能である。
なお、傾斜脚42の傾斜角度は設置地面の条件や重量バランス等を考慮して設定される。また、支持脚41が複数である場合、それに対して選択的に傾斜脚42を設けるようにしてもよい。
更に、本実施の形態においては、このようにしてL字状の支持脚41に斜めに取付られる傾斜脚42に対して、傾斜脚42よりも短尺な第2補強脚44が取付けられ、傾斜脚42の立設を安定強化する。
本実施の形態では、第2補強脚44は、第1補強脚43と同一の部品が使用される。即ち、第2補強脚44も、ステンレス、アルミニウム、鉄等からなる断面略L字状の等辺山形鋼の一対の面45a,45bが断面略L字状の等辺山形鋼により断面L字形状を呈しており、その長さ方向に沿って長尺状の複数の挿通孔44a、44bを有する。
なお、図5において、便宜的に、第1補強脚43を構成する断面略L字状の等辺山形鋼において、傾斜脚42に当接される側の面45a、他方の面45bとし、傾斜脚42に当接される側の面45aに設けられて傾斜脚42に固定するためのボルト31が挿通される挿通孔44a、他方の面45bに設けられた挿通孔44bとした。傾斜脚42と同一の部品であるから、当然、挿通孔44aと挿通孔44bは、一対の面45a,45bにおいて、同一数でその位置が互いに対応して長さ方向で等間隔の同じ配置となっており、面45aと面45bの区別を設けていない。
傾斜脚42への第2補強脚44の取付けは、支持脚41に斜めに取付けられる傾斜脚42に対して第2補強脚44が交差状に配置し、傾斜脚42を構成する断面略L字状の等辺山形鋼の一対の面45a,45bのうちの支持脚41に固定される側の面45aの一面に対して、第2補強脚44を構成するL字状をなす一対の面45a,45bのうちの一方の面45aを当接させて、傾斜脚42の任意の挿通孔42aに第2補強脚44の任意の挿通孔44aの位置を合わせて、締付手段のボルト31を挿通し、ナット32締めすることにより行われる。なお、図1、図2、図5に示すように、第2補強脚44は、地面に対して垂直に立設するように傾斜脚42に取付けることもできるし、斜めにしてもよい。また、傾斜脚42の長手方向に沿って取付けることも可能である。何れにせよ、設置条件、掲示板10の大きさ等に応じて、支持バランスの安定する位置で取付けが行われる。勿論、傾斜脚42への第2補強脚44の取付位置も挿通孔42aの選択により任意であり、更に、第2補強脚44の挿通孔44aの選択によっても支持バランスを調節できる。
そして、掲示板組立構造体1を地面に打ち込んで起立させる形態では、好ましくは、傾斜脚42及び/または第2補強脚44を地中まで達するように埋め込んで安定した自立を可能とするために、傾斜脚42または第2補強脚44の何れか一方、或いは、両方で、地面に接触させる長手方向の一端を尖軸状に挿入端部44Y形成するのが好ましい。先端側を尖らせることで地面に差し込みやすく、地面へ埋め込んで安定した立設を可能とする。また、傾斜脚42または第2補強脚44の何れか一方、或いは、両方を略等辺三角形状の溶接端部44Xとするのが好ましい。
なお、図5においては、第2補強脚44の下端の先端側で、一対の挿入端部43Yの幅を徐々に狭くし先端側を鋭くして地面に差し込みやすくし、第2補強脚44を地面に埋め込んで支持脚41の斜めの立設の安定した自立を可能としている。即ち、傾斜脚42に取付ける第2補強脚44の先端を杭状として地中に打ち込むことで、第2補強脚44を地面に固定して、傾斜脚42を安定して自立させることができる。特に、傾斜脚42とは別体の第2補強脚44において、その先端を尖軸状に形成して地面に差し込んで地面に固定することで、掲示板10を支える荷重が分散され、設置地面の条件による拘束も受け難く、自立の安定性が極めて高いものとなる。
また、傾斜脚42と第2補強脚44が、それぞれ断面略L字状の等辺山形鋼のL字状に形成されていることでも、地面に対して2次元以上の接触により自立しやすく、荷重分布を緩和できることで設置地面の凹凸等の形状や性質にも作用され難く、安定した設置が可能である。
なお、傾斜脚42が複数である場合、それに対して選択的に第2補強脚44を設けてもよいし、掲示板10、支持脚41、傾斜脚42の大きさ、種類、重量、強度、バランス等によっては、第2補強脚44を省略してもよい。
因みに、図においては、傾斜脚42の取付向きが、安全性の観点から断面略L字状の等辺山形鋼の幅方向の両端部が上向きにならないように、また、ボルト31・ナット32の視認性を阻害する観点から、L字状の内角側が外角側よりも下方に向く配置となっているが、L字状の内角側が上方に向く配置としてもよい。更に、第2補強脚44はそのL字状の内角側が掲示板10の掲示側とは反対の背面側に位置する配置として、ポスターが貼付けられる正面側からは第2補強脚44の挿入端部43Y側によって締付手段のボルト31・ナット32の存在が確認され難くなっており、良好な見栄えを確保している。しかし、第2補強脚44のL字状の内角側が正面側に見える配置とすることも可能である。加えて、一対の支持脚41もL字の外角側を互いに向き合わせて配置されているが内角側を向き合わせた配置であてもよい。つまり、掲示板組立構造体1の組み立てにおいて、断面略L字状の等辺山形鋼からなる支持脚41、傾斜脚42、第1補強脚43、第2補強脚44の断面略L字状の等辺山形鋼のL字の向きは特に限定されるものではない。
このように、掲示板10の裏面に固着された補強部20に取付けられて地面に垂直に立設される支持脚41に対して、傾斜状態で地面に立設される傾斜脚42の取付けにより掲示板10を後方から支持し、そして、支持脚41及び/または第1補強脚43、並びに、傾斜脚42及び/または第2補強脚44を地中に埋め込んで地面に固定することで、掲示板10の安定した自立を可能としている。
こうして、本実施の形態の掲示板組立構造体1は、ポスター貼着用の掲示板10と、掲示板10を設置場所に設置するための取付手段(I)としての、掲示板10に固着された補強部20に取付けられて地面に垂直に立設され掲示板10を所定の高さに支持する支持脚41及びそれを補強する第1補強脚43、並びに、支持脚41に対して斜めに取付けられて支持脚41を支える傾斜脚42及びそれを補強する第2補強脚44と、取付手段としての支持脚41を掲示板10に取付けるための固定手段としてのボルト31・ナット32と、掲示板10のポスターが貼着される表側とは反対側の裏側に固着され、固定手段30としてのボルト31を摺動自在に保持する補強部20とを具備する。
そして、掲示板10の裏側に固着された補強部20に取付手段としての支持脚41を固定手段30としてのボルト31・ナット32によって取付け、また、支持脚41の下部に第1補強脚43をボルト31・ナット32によって取付け、支持脚41及び/または第1補強脚43を地面に打ち込み、埋め込んで固定して、支持脚41を地面に垂直に起立させ掲示板10を所定の高さに支持し、更に、支持脚41に対して傾斜状態で傾斜脚42をボルト31・ナット32によって取付け、また、傾斜脚42の下部にボルト31・ナット32によって第2補強脚44を取付け、支持脚42及び/または第2補強脚44を地面に埋め込んで固定して、傾斜脚42を地面に斜めに立設して支持脚41を支えることにより、掲示板組立構造体1を自立させて設置する(野立てとする)一形態を有する。
特に、本実施の形態では、支持脚41と傾斜脚42で同一部品を使用して、同一部品で支持脚41と傾斜脚42を兼用し、また、第1補強脚43と第2補強脚44で同一部品を使用して、同一部品で第1補強脚43と第2補強脚44を兼用しており、実質的に2種の部品により取付手段を構成するから、その製造が低コストで済み、経済的で安価な提供を可能とする。また、支持脚41と傾斜脚42の部品の区別をなくし、更に、第1補強脚43と第2補強脚44の部品の区別をなくしていることで、作業者の組立作業を分かりやすくしている。
しかし、本発明を実施する場合には、寸法形状や挿入孔の位置が相違する異なる部品で取付手段(I)を構成すること可能であり、支持脚41、傾斜脚42、補強脚43、第2補強脚44の全てを異なる部品としてもよいし、支持脚41、傾斜脚42、補強脚43、第2補強脚44のうちの何れか2種で同一部品の使用としてもよいし、3種で同一部品を使用しても良い。更に、支持脚41、傾斜脚42、第1補強脚43及び第2補強脚44の全てを同一の部品としても良い。これら全てを同一の部品とした場合には、より安価に製造できる。全てを同一の部品としても地面に埋め込む長さを調節することで、地面からの高さを調節して各部材の機能を発揮させることが可能である。また、1種の長尺部材を成形し、それを適宜切断して支持脚41、傾斜脚42、第1補強脚43及び第2補強脚44を形成することにより低コストで調達することもできる。
また、本実施の形態では、補強部20の水平方向(左右の横方向)に連続して延びる収容溝23及び突条部22のレール状の形成によって支持脚41を固定するためのボルト31を摺動自在に保持できることで、支持脚41の掲示板10への取付位置を任意に設定できる。更に、掲示板10に対して補強部20が複数列で左右の横方向で固着されていることでも支持脚41の掲示板10への取付位置を選択できる。加えて、取付手段(I)としての支持脚41、傾斜脚42、第1補強脚43及び第2補強脚44には、挿通孔が複数形成されており、支持脚41、傾斜脚42、第1補強脚43及び第2補強脚44の組み付け位置も選択可能である。
よって、設置場所の条件等に応じて、掲示板10の高さ、設置スペースの範囲等を適宜変更することが可能であり、設置や組み付けの自由度が高い。
更に、本実施の形態では、支持脚41、傾斜脚42、第1補強脚43、第2補強脚44がそれぞれL字状に形成されていることでも、地面に対して2次元以上の接触により自立しやすく、設置地面の条件による拘束が受け難く、設置自由度を高くできる。
しかし、本発明を実施する場合には、支持脚41、傾斜脚42、第1補強脚43、第2補強脚44の形状は、断面略L字状の等辺山形鋼のL字状に限定されることなく、ボルト31・ナット32の締結作業に支障がない範囲で断面コ字状に形成して強度を高めてもよいし、その他の形状であってもよい。例えば、棒状、角柱状、パイプ状に形成することも可能である。
また、上記実施の形態では、支持脚41を掲示板10の裏側に固着した補強部20に固定する固定手段30としてボルト31・ナット32を採用し、それ以外の支持脚41、傾斜脚42、第1補強脚43、第2補強脚44の取付け(組み付け)においても固定手段としてのボルト31・ナット32と同一部品を使用することにより、低コストで提供でき、経済的である。
また、ボルト31・ナット32であれば、着脱自在で持ち運び、運搬も容易であり、ボルト31・ナット32の取付け及び取外しの作業も極めて簡単である。更に、狭いスペースで部品保管できる。加えて、取付けや取外しの作業時の安全性も確保される。
そして、ボルト31・ナットで支持脚41、傾斜脚42、第1補強脚43、第2補強脚44の組み付けを行う形態では、掲示板組立構造体1を構成する取付手段(I)としての支持脚41、傾斜脚42、第1補強脚43、第2補強脚44等の構成部品を分離して格納できるから、掲示板組立構造体1の保管スペースも小さくて済む。また、構成部品を分離できることで持ち運び、運搬も容易である。
更に、掲示板組立構造体1の組み立ての際には、スパナ等の締付具等の持ち運びが容易な道具のみの使用で、補強部20が固着された掲示板10に対してボルト31・ナット32による取付手段(I)としての支持脚41、傾斜脚42、第1補強脚43、第2補強脚44の組み付けを行うだけであるから、作業者の熟練を要することなく、設置作業を短時間で簡単にできる。故に、設置業者の経費も少なくて済む。また、解体の取外し作業も短時間で簡単に撤去できる。特に、選挙掲示板としての用途においては、選挙が決まった段階で選挙告示から短期間で所定の選挙区内の設置場所に設置される必要があるため、容易な組み立てが有利である。
しかし、本発明を実施する場合は、取付手段(I)としての支持脚41、傾斜脚42、第1補強脚43、第2補強脚44の組み付けにおいては、それぞれ異なる寸法形状のボルト31・ナット32を使用することもできるし、強固に取付固定が可能であればボルト31・ナット32以外の部品、例えば、リベット・かしめを使用することも可能である。特に、支持脚41を掲示板10の裏側に固着した補強部20に固定する固定手段としては、ボルト31・ナット32以外に、例えば、クランクを使用し、クランクで支持脚41を挟持することによって支持脚41を掲示板10に取付けることもできる。
なお、安全性の観点から、適宜、支持脚41、傾斜脚42、第1補強脚43、第2補強脚44の長手方向の端部は、エッジやバリに面取りが施されたり、補強を兼ねて断面略L字状の等辺山形鋼間に三角板を溶接して隅肉部分を設けて丸みが付されたりする。特に、長さ方向の端部で断面略L字状の等辺山形鋼間に三角板を溶接等によって取付けることで、強度が増して繰り返しの地面への打ち込みよる変形を防止でき、耐久性を高めることができる。
また、本実施の形態においては、取付手段(I)としての支持脚41、傾斜脚42、第1補強脚43、及び第2補強脚44から構成され、強風等を受けてもガタつくことのない安定した自立を可能とするが、掲示板10の大きさ、種類、重量や設置場所の条件等によっては、支持脚41相互間や、傾斜脚42相互間や、第1補強脚43相互間や、第2補強脚44相互間や、支持脚41、傾斜脚42、第1補強脚43、及び第2補強脚44から選ばれる2種以上の相互間をそれらと同種または異種の金属部材等で水平にまたは斜めに連結して補強を行ってもよい。
次に、本実施の形態の掲示板組立構造体1について、車両用防護柵のガードパイプやガードレール等に取付けることにより固定して設置する形態を、図6乃至図11を参照して、説明する。
本実施の形態の掲示板組立構造体1においては、掲示板10を設置場所に設置する別の取付手段(II)として、掲示板10に固着された補強部20にボルト31・ナット32によって取付けられて掲示板10を所定の高さに支持する支持脚41とそれに対し、断面略コ字状に形成され、開放側両端部(長手方向の両端部)が取付けられる固定具51とを有し、図6乃至図8に示したガードパイプのような水平方向に延びるパイプ状の横框g1が垂直方向に所定間隔で配置してガード面が形成されるパイプ柵G1や、図9及び図10に示したガードレールのような水平方向に延びる凹凸状の表裏面を有し、所定の縦幅(上下幅)に形成された板体G2等に対して安定的な取付けによる固定を可能とする。
即ち、図6乃至図8に示すように、ガードパイプ等の水平方向に延びるパイプ状の横框g1や、図9及び図10に示すように、ガードレール等の水平方向に延びる板体G2等に掲示板組立構造体1の取付固定を行って掲示板組立構造体1を設置する形態では、掲示板10を設置場所に設置する取付手段(II)として、掲示板10の裏面に固着された補強部20に固定手段としてのボルト31・ナット32により取付けられる支持脚41と、断面略コ字状に折曲形成されコ字の開放側両端部が支持脚41の長手方向に沿って取付けられる長尺状の固定具51との組み合わせにより、支持脚41を地面に立設し起立させることで掲示板10を所定の高さに支持し、そして、支持脚41とそれに取付けられる固定具51の間で取付対象の水平方向に延びる横框g1や板体G2等を挟み込むことにより、掲示板組立体1を取付対象に固定する。
支持脚41は、上述した自立式のときと同様、掲示板10に固着された補強部20に取付けられ地面に垂直に立設されて掲示板10を所定の高さに支持するものであり、本実施の形態では上述した自立式のときの同一の部品が使用される。なお、支持脚41の構成及び補強部20への取付けは、上述の自立式と同様であるからここではその重複する説明を省略する。
固定具51は、凹状に屈曲されて断面略コ字状に形成されたアルミニウムやステンレス、鉄等の金属からなる板状体であり、図8に示すように、コ字の底辺に相当する長尺の水平部分51aの一端側から折曲形成された傾斜部分51bの先端に略T字状に係止部51cが形成されている。また、T字状の係止部51cとは反対側の他端部に水平部分51aから折曲形成された傾斜部分51d及び傾斜部分51から外方に延びる水平部分51eを有し、水平部分51eには、固定具51を支持脚41に固定するためのボルト31が挿通される挿通孔51fが設けられている。
念のため説明すると、図11に示すように、固定具51の一端のT字状の係止部51cは、その厚みtが支持脚41の挿通孔41aの横幅w1の長さよりも小さく、また、T字の横棒の横幅w2(固定具51の長手方向に対して直角方向)が支持脚41の長尺の挿通孔41aの縦幅h1よりも小さいが挿通孔41aの横幅w1よりも大きいことで、支持脚41の挿通孔41aに挿入可能、かつ、支持脚41に係止可能に形成されている。
また、本実施の形態において、固定具51の長さは、ガードレールの板体G2の上下方向の縦幅の規格(例えば、350〜500mm)に対応させ、支持脚41の挿通孔41aに挿入されて係止させるT字状の係止部51cと支持脚41の面45aに当接させる水平部分51eとの間で、水平方向の板体G2を介在させて、支持脚41に対して板体G2の上下方向を挟み込んで固定具51を取付可能に設定される。この長さにより、ガードパイプの水平方向に延びるパイプ状の横框g1への安定した取付固定も可能である。
支持脚41への固定具51の取付けは、図6乃至図10に示したように、取付対象の水平方向に延びる横框g1や板体G2に近づけて地面に垂直に立設した支持脚41に対して、所定高さに支持される掲示板10よりも低い位置で水平方向に延びる横框g1や板体G2を介して固定具51を配置し、そして、図11に示すように、まず、支持脚41の掲示板10よりも低い位置の任意の挿通孔41aの長手方向(縦幅h1方向)に対応して固定具51一端の係止部51cのT字の横棒の横幅w2方向を一致させ、つまり、T字の横棒を縦に垂直にして挿通孔42aに係止部51cを挿入する(図11(a)参照)。
次いで、固定具51を90°回動させてT字の横棒を水平状態にすることにより、このT字の横棒が支持脚41の長手方向に直角な位置となって、T字の横棒の横幅w2が挿通孔42aの横幅w1よりも長いことで、T字状の係止部51cが係止されて抜け止めされる(図11(b),(c)参照)。そして、この係止部51cが抜け止めされた状態で、図6乃至図10に示すように、固定具51において係止部51cとは他端側の水平部分51eに設けられた挿通孔51fを、それに対応する位置の支持脚41の挿通孔41aに合わせてボルト31を挿入し、ナット32締めを行う。
このように掲示板10よりも低い位置で水平方向に延びる横框g1や板体G2を介在させて、支持脚41に対して断面略コ字状に形成された長尺状の固定具51の一端では係止部51cを係止する一方で、その他端ではボルト31・ナット32の締結によって取付けることにより、つまり、水平方向に延びる横框g1や板体G2を支持脚41と固定部51との間で挟み込んで水平方向に直角な方向で閉じることにより、掲示板組立構造体1が横框g1や板体G2に取付固定されることになる。
なお、本実施の形態においては、取付け時に支持脚41側に面する固定具51の内面に、横框g1や板体G2との接触を緩和するゴム状の緩衝材52が接着剤等によって取付られており、固定具51による取付対象の水平方向に延びる横框g1や板体G2への傷付きを防止している。
こうして、本実施の形態の掲示板組立構造体1は、ポスター貼着用の掲示板10と、掲示板10を設置場所に設置するための取付手段(II)としての、掲示板10に固着された補強部20に取付けられ地面に垂直に立設されて掲示板10を所定の高さに支持する支持脚41、及び断面略コ字状に形成され、コ字状の開口側先端の一端に支持脚41の挿通孔41aに挿入可能、かつ、支持脚41に係止可能にT字状に形成された係止部41cを有し、支持脚41の長手方向に沿って掲示板10よりも低い位置で断面略コ字状の開口側の先端両端部が取付けられる固定具51と、取付手段としての支持脚41を掲示板10に固定する固定手段30としてのボルト31・ナット32と、掲示板10のポスターが貼着される表側とは反対側の裏側に固着され、固定手段としてのボルト31を摺動自在に保持する補強部20とを具備する。
そして、掲示板10の裏面に固着された補強部20に支持脚41をボルト31・ナット32によって取付け地面に立設させて掲示板10を所定の高さに維持し、更に、掲示板10より低い位置で支持脚41に対し、取付対象となるガードレールやガードパイプ等の水平方向に延びる横框g1や板体G2を介して(挟んで)、支持脚41の長手方向に沿って固定部51の長手方向の両端部を取付ることにより、詳細には、固定部51の長手方向一端ではT字の係止部41aを支持脚41の挿通孔41aに挿入して支持脚41に係止させ、他端では挿通孔51fを対応する支持脚41の挿通孔41aに合わせてボルト31・ナット32による取付けを行うことにより、支持脚41と固定部51の間で取付対象の水平方向に延びる横框g1や板体G2を挟み込んで、掲示板組立構造体1をガードレールやガードパイプ等横框g1や板体G2に取付固定して設置する一形態を有する。
従来、取付手段(II)としての支持脚41を番線等の結束で横框g1に取付固定した場合では、作業者の裁量、力量によって結束が甘く番線が解けやすかったり、また、設置条件や悪戯等によっても番線が切れたりする恐れがあったが、本実施の形態では、上述の自立式でも使用した掲示板10を所定の高さに支持する支持脚41に対してその長手方向に沿って取付け可能で、支持脚41との間で横框g1や板体G2を挟み込み可能に凹状に形成した固定具51によって、上述の番線の使用による問題点を解消し、作業者の裁量、力量を問わずに安定的に取付固定が可能である。特に、従来等の番線等の使用では取付けが不可能であったガードレールのような水平方向に延びる凹凸状の表裏面を有し、所定の縦幅(上下方向)に形成された板体G2に対しても固定具51によって取付固定が可能となり、取付固定による設置可能な範囲が広がる。
そして、固定具51の取付け作業も、固定部51の長手方向の一端ではT字の係止部41aを支持脚41の挿通孔41aに挿入するのみで支持脚41に係止され、他端では挿通孔51fを対応する支持脚41の挿通孔41aに合わせてそこにボルト31を挿入し、必要に応じてスパナ等を用いて、ナット32締めを行うのみで作業者の裁量、力量を問わず容易に安定的に取付けることが可能である。また、取外しも必要に応じてスパナ等が用いられるが、ボルト31・ナット32の取外作業のみで、容易に取外し可能である。なお、径止部51と支持脚41の係合を解いて支持脚41の挿通孔41aから係止部51を取外す(抜く)場合は、上述した取付け時とは逆の手順で行われる。番線等の取外しのように鋏によるカット等も不要であり、それらを用いた悪戯での取外しも防止される。勿論、固定具51が支持脚41と別体であることで、持ち運び、運搬も容易で、保管スペースも小さくて済み、支持脚41に対して係止やボルト31・ナット32により取付け、取外しを行うものであるから、繰返しの使用が可能である。
特に、固定部51はその一端が支持脚41の挿通孔41aに挿入可能、かつ、支持脚41に係止可能に略T字状に形成されていることで、その一端ではボルト31・ナット32に頼ることなく支持脚41に固定可能であることから、部品数が少なくて済み、その分、保管の管理も容易であり、かつ、取付作業も容易である。しかし、本発明を実施する場合には、固定部51の長手方向の両端部を支持脚41の長手方向に沿って取付け可能であれば、固定部51の長手方向の両端部でボルト31・ナット32を使用した取付けであってもよいし、その他、例えば、固定部51の長手方向の一端または両端部をフック状に形成して支持脚41の挿通孔41aに係止する係合手段や、固定部51の材質を弾性体として弾性係合により取付けてもよい。
なお、図6乃至図10においては、支持脚41の挿通孔41aが全て同一形状であるから、固定部51のT字の係止部51cを上側にして、掲示板10に近い方で支持脚41に係合させているが、固定部51のT字の係止部51を下側とする向きで取付けることも可能である。即ち、支持脚41への取付けにおいて固定部51の長手方向に方向性を持たせず、作業者の組立作業を分かりやすくしている。
また、掲示板10を所定の高さに支持する支持脚41の立設位置は、取付対象の水平方向に延びる横框g1や板体G2の表裏面を問わず、また、設置場所の条件等によっては、支持脚41のL字の内角側で固定具51を取付けることも可能である。
ここで、本実施の形態では、上記自立式で設置する形態のときと同一部品の支持脚41を使用して、自立式で使用する支持脚41と、取付対象としての水平方向に延びる横框g1や板体G2に取付固定して設置する形態で使用する支持脚41とを同一部品で兼用するから、その製造が低コストで済み、経済的で安価な提供を可能とし、また、部品の区別をなくしていることで、作業者の組立作業を分かりやすくしている。しかし、本発明を実施する場合には、上記自立式で設置する形態のときと、水平方向に延びる横框g1や板体G2に取付固定して設置する形態のときとで、使用する支持脚41の部品の構成を相違させてもよい。例えば、掲示板組立構造体1を取付対象の水平方向に延びる横框g1や板体G2に取付固定して設置する形態では、使用する支持脚41が帯状体を交差させたL字状とすることなく、一片の帯状体や断面コ字状として構成してもよい。
更に、掲示板組立構造体1を取付対象としての水平方向に延びる横框g1や板体G2に取付固定して設置する形態でも、上記自立式で設置する形態のときと同様に第1補強脚42を支持脚41に取付けてもよい。
また、上記実施の形態では、支持脚41を掲示板10に取付ける固定手段30としてボルト31・ナット32を採用し、また、固定具51の一端の支持脚41への取付においても固定手段としてのボルト31・ナット32と同一部品を使用することにより、低コストで提供できる。
特に、ボルト31・ナット32によって支持脚41を掲示板10に取付け、また、固定具51の一端を支持脚41に係止させ、他端をボルト31・ナット32で支持脚41に固定して取付けを行う形態では、掲示板組立構造体1を構成する支持脚41、固定具51の構成部品を分離して格納できるから、掲示板組立構造体1の保管スペースも小さくて済む。また、構成部品を分離できることで持ち運び、運搬も容易である。
更に、掲示板組立構造体1の組み立ての際には、スパナ等の締付具等の持ち運びが容易な道具のみの使用で、補強部20が固着された掲示板10に対してボルト31・ナット32による支持脚41の組み付けと、支持脚41に対する固定具51の取付けを行うだけであるから、作業者の熟練を要することなく、設置作業を短時間で簡単にできる。特に、固定部51の一端が支持脚41の挿通孔41aに挿入可能、かつ、支持脚41に係止可能に形成されたT字状の係止部41cを有することで、その一端ではボルト31・ナット32による締結作業を必要とすることなく、支持脚41に簡単な操作で取付けることができる。故に、設置業者の経費も少なくて済む。また、解体の取外し作業も短時間で簡単に撤去できる。特に、選挙掲示板としての用途においては、選挙が決まった段階で選挙告示から短期間で所定の選挙区内の設置位置に配置される必要があるため、容易な組み立てが有利である。
しかし、本発明を実施する場合は、掲示板10への支持脚41の取付けや、支持脚41への固定具51の取付けにおいては、それぞれ異なる寸法形状のボルト31・ナット32を使用することもできるし、強固に取付固定が可能であればボルト31・ナット32以外の部品や係合手段を使用することも可能である。また、支持脚41への固定具51の長手方向の両端部の取付けにおいて、両端部でボルト31・ナット32による取付けを行っても良い。なお、ボルト31・ナット32による取付けの場合、適宜、ワッシャ、スプリングワッシャを使用しても良い。
次に、本実施の形態の掲示板組立構造体1について、塀・壁やフェンス等に取付けることにより固定して設置する形態を、図12乃至図21を参照して、説明する。
本実施の形態の掲示板組立構造体1においては、掲示板10を設置場所に設置するための別の取付手段(III)として、掲示板10に固着された補強部20に取付けられ長手方向の一端部がフック状に形成されたフック部材60を有し、上記のガードレールやガードパイプのように固定具51で取付対象を挟み込むことが困難または挟み込みによる損傷を招く恐れのある形状、例えば、ブロックやレンガ等の塀・壁や、細い線材等による金網状、若しくは、縦または横の柵状に形成されたフェンスに対しても、フック部材60の断面略コ字状または断面U字状に形成されたフック部63を引っ掛けることによる取付固定を可能とする。
即ち、図15乃至図17に示すように、ブロックやレンガ等が積層された厚い塀・壁G3や、図18乃至図21に示すように、線材等によって金網状に形成されて厚みが薄いフェンスG4等に掲示板組立構造体1を取付けて設置する形態では、掲示板10を設置場所に設置する取付手段(III)として、掲示板10に固着された補強部20に取付けられ長手方向の一端部が断面略コ字状または断面U字状のフック状に屈曲または湾曲されたフック部材60によって、取付対象としての塀・壁G3やフェンスG4等の厚みに引っ掛けることで、掲示板組立構造体1を取付対象に固定する。
フック部材60は、図14に示したように、長尺状のステンレス、アルミニウム、鉄等の金属板61と、防水や金属板61による取付対象への傷付き防止のために金属板61を被覆する樹脂製ビニールの被覆材62とから構成されており、長手方向の一端をフック状に屈曲または湾曲させてフック部63を形成している。
フック部材60の形成は、例えば、両端が開口して平筒状に形成され被覆材62の内部の空洞部分に真っ直ぐな平板状の金属板61を挿入し、被覆材63及び金属板61を共に一端をフック状に湾曲または屈曲させることにより形成することもできるし、一端をフック状に湾曲または屈曲させた金属板61に対して、シート状の被覆材62を包むようにして形成することも可能である。
フック部63の形状は、取付対象の厚みや断面形状に応じて、例えば、図15乃至図17に示すように2箇所に角を有する断面コ字状の屈曲形状や、図18乃至図21に示すように断面U字状に湾曲させた曲線状等が採用される。図15乃至図17に示した厚みが厚く上端部の断面が角形状のブロックやレンガ等の塀・壁G3に対しては、コ字状の2角を有しコ字の対向辺の距離長さが長いフック部63の採用により、厚みのあるブロック塀・壁G3の断面形状に対応した安定した係合が可能であり、図18乃至図21に示した網状等の厚みが薄く上端部の断面が略曲線状のフェンスG4では、U字状に湾曲してU字の対向辺の距離長さが短いフック部63の採用により、安定した係合が可能である。このように、フック部材60のフック部63について、そのフック形状として断面コ字状また断面U字状等の形状が相違するものや、コ字またはU字の対向辺の距離長さが相違するもの等、2種以上を用意することで、引っ掛けによる係合が可能な厚みの選択幅が広くなり、取付対象の自由度が高くなる。なお、フック部材60の形状も板状に限定されず、棒状、パイプ状であっても良い。また、フック部材60は、取付対象へ引っ掛け部位の厚みや形状に対応して安定した引っ掛け及び容易な取外しできるよう、フック部63の形状を手動で変位可能な程度に柔軟性を有する素材の使用が望ましい。
また、図14で示すように、フック部材60の芯となる金属板61の直線状の水平部分61bには、掲示板10の裏側に固着された補強部20に取付けられるための固定手段としてのボルト31の軸部31bが挿通される円形状の挿通孔61aが設けられている。
この挿通孔61aは、掲示板10の裏側に固着された複数の補強部20の配置間隔に一致させ、直線状の水平部分61bの長手方向に沿って複数(図では2箇所)設けられている。但し、挿通孔61aの数は、それに限定されず、1つであっても良いし、重量バランスに応じて、3以上設けて掲示板10の裏側に固着された補強部20の数に対応させてもよい。また、図では、隣接する補強部20の配置間隔となっているが、その間隔を任意に選択した複数の補強部20同士の間隔に設定することも可能である。更に、図においては、2つのフック部材60を左右で並行配置させているが、掲示板の大きさ、種類、重量等によって、1つであっても良いし、3つ以上のフック部材60を設けることも可能である。
また、金属板61を被覆する被覆材62には、金属板61の挿通孔61aに対応する箇所においてその表裏の面が切断または切込みによって開口されている。切断によって被覆材62の一部を取り除いてもよいし、切込みを入れて開くようにしてもよい、何れにせよ、ボルト31とナット32の締結が可能に開口されていればよい。
図13及び図14では、被覆材62において、補強部20に面して配置させる側では、切断によって被覆材62の一部を取り除いて開口62aを形成し、その反対側では、略コ字状に切込みを入れて開くことで、広い開口62bを形成している。このように切込みによって開いて広い開口62bを形成することで、被覆材62の開口62a及び金属板61の挿通孔61aに挿通されたボルト31の軸部31bに対して金属板61に当接するようにナット32が装着され(必要に応じてワッシャ、スプリングワッシャが使用される場合にはワッシャ、スプリングワッシャが当接することになる)、そして、切込により開いた扉部分62cが締結を行ったボルト31・ナット32に対する蓋となるのでボルト31・ナット32が露わにならず、組み付け状態でのボルト31・ナット32による取付対象への傷付き・損傷や人が触れるのを防止して安全性を高めている。また、蓋となる扉部分62cがボルト31・ナット32への防水機能を果たす。
なお、図12乃至図21においては、構成を分かりや易くするため、一部、扉部分62cがボルト31・ナット32を覆っていない状態(扉部分62cが開いた状態)で示されているが、通常の組付状態では、扉部分62cがボルト31・ナット32を覆った状態(扉部分62cで蓋をする状態)での使用が好ましい。
このように形成されたフック部材60の補強部20への取付けは、図13で示すように、上述の支持脚41の補強部20への取付形態と同様に、まず、フック部材60の長手方向を補強部20の水平方向(左右の横方向)に対して直角方向に配置し、また、フック部材60のフック側とは反対面側を補強部20側に対向させて配置し、補強部20に保持させたボルト31の軸部31bを、フック部材60の水平部分に形成された被覆材62の開口62a及び金属板61の挿通孔61aに挿通し、被覆材62の開口62bから通過させたナット32による締結によって行われる。
そして、このように補強部20の水平方向(左右の横方向)に対してフック部材60をその長手方向を直交させて取付けた掲示板組立構造体1は、図15乃至図17に示すように、フック部材60の一端が断面コ字状に形成されたフック部63では、塀・壁G3の上端部の厚みへの安定した引っ掛けを可能とし、また、図18乃至図21に示すように、フック部材60の一端が断面U字状に形成されたフック部63では、フェンスG4の上端部の厚みへの安定した引っ掛けを可能として、塀・壁G3やフェンスG4の取付固定ができる。
フック部材60の補強部20への取付位置は、取付対象の塀・壁G3やフェンスG4の高さや外観性等を考慮して、図15及び図16や、図18及び図29に示すように、複数の補強部20のうち掲示板10の中間部及び下部に固着した補強部20に対して固定手段のボルト31・ナット32によりフック部材60の取付けを行い、フック部材60の断面コ字状またはU字状のフック部63を取付対象の塀・壁G3やフェンスG4の上端部の厚みに掛けて、取付対象の塀・壁G3やフェンスG4の高さよりも掲示板10の上端が高い位置となる形態で取付けてもよいし、図17や、図20及び図21に示すように、掲示板10の上部及び中間部に固着した補強部20に対してフック部材60の取付けを行うことで、取付対象の塀・壁G3やフェンスG4の高さ以下に掲示板10の上端が位置する形態で取付けてもよい。
こうして、本実施の形態の掲示板組立構造体1は、ポスター貼着用の掲示板10と、掲示板10を設置場所に設置するための取付手段として、掲示板10に固着された補強部20に取付けられ、一端が取付対象に応じて選択される断面U字状または断面コ字状のフック状に形成されたフック部材60と、取付手段としてのフック部材60を掲示板10に取付けるための固定手段としてのボルト31・ナット32と、掲示板10のポスターが貼着される表側とは反対側の裏側に固着され、固定手段としてのボルト31・ナット32を摺動自在に保持する補強部20を具備する。そして、掲示板10の裏側に固着された補強部20にフック部材60をボルト31・ナット32によって取付け、取付対象としての塀・壁G3やフェンスG4の上端部の厚みにフック部材60の断面U字状または断面コ字状のフック部63を引っ掛けることにより、掲示板組立構造体1を塀・壁G3やフェンスG4等に取付固定して設置する一形態を有する。
特に、本実施の形態においては、上述したように、掲示板10の裏側に固着された補強部20の収容溝23及び突条部22が水平方向(左右の横方向)に連続して延びるレール状をなし、フック部材60を掲示板10に取付けるための固定手段としてのボルト31を摺動自在として任意の位置で保持可能であり、更に、補強部20が並行して複数列形成されていることから、フック部材60の補強部20への取付位置の選択幅が広く、設置条件、外観性、重量バランスによって取付け位置を選択的に設定でき、安定した取付固定が可能となる。
なお、本実施の形態においては、より固定の安定化を図るために、必要に応じて、フック部材60が取付けられた位置とは異なる位置で補強部20にボルト31を保持させ、或いは、フック部材60の取付けに使用しているボルト31において、その軸部31bとフェンスG4等の柵とを番線等で結束することも可能である。
また、上述したように、フック部63のフック形状、例えば、断面が略U字状や、略コ字状や、カタカナの「レ」字状等の屈曲、湾曲形状が相違したり、略コ字、略U字、略レ字の対向辺の距離長さが相違したりする部材を複数種類用意することで、取付対象の厚みや形状に応じた安定した取付固定を可能とするが、その他、例えば、フック部63の取付対象に接触させる部位にクッション性を有する緩衝材を取付けることによって、取付対象による寸法形状の相違の差に対応することもでき、また、取付対象への密着性を向上させて、安定性を増した取付固定を可能とする。更には取付対象への傷付き防止にも有効に機能させることができる。
以上説明してきたように、本実施の形態の掲示板組立構造体1は、所定の面積を有する掲示板10と、掲示板10を設置場所に設置するための、例えば、支持脚41等からなる取付手段と、その取付手段を掲示板10に取付けるための固定手段としてのボルト31・ナット32と、掲示板10の掲示側とは反対側の裏側に固着され、固定手段としてのボルト31を着脱自在に保持可能な補強部20とを具備する掲示板組立体1であって、取付手段(I)として、掲示板10に補強部20を介して取付けられ掲示板10を所定の高さに支持する支持脚41と支持脚41に対して斜めに取付けられ支持脚41を支える傾斜脚42との組み合わせ、または(II)掲示板10に補強部20を介して取付けられ掲示板10を所定の高さに支持する支持脚41と掲示板10より低い位置で支持脚41の長手方向に沿って、断面凹状に形成されて凹の開口両端部側が取付けられる固定具51との組み合わせ、または(III)掲示板10に補強部20を介して取付けられ長手方向の一端がフック状に形成されたフック部材61の3種類の形態を有し、取付手段としての支持脚41及び傾斜脚42の採用により、支持脚41及び傾斜脚42を地面に立設して掲示板組立体10を自立させる形態、または取付手段としての支持脚41及び固定具51の採用により、支持脚41を地面に立設し、また、支持脚41と固定具51の間で取付対象としてのガードパイプの水平方向に延びる横框g1やガードレールの水平方向に延びる板体G2等を挟み込むことにより掲示板組立体1をガードパイプの水平方向に延びる横框g1やガードレールの水平方向に延びる板体G2等の取付対象に取付ける形態、または取付手段としてのフック部材61の採用により、フック状のフック部材61を取付対象としてのブロックやレンガ等の塀・壁G3や金網状等のフェンスG4等の上端部の厚みに引っ掛けることにより掲示板組立体1を塀・壁G3やフェンスG4等の取付対象に取付ける形態の何れかの形態で設置されるものである。
このように、本実施の形態の掲示板組立構造体1によれば、掲示板10を設置場所に設置するための取付手段(I)として、掲示板10に取付けられて掲示板10を所定の高さに支持する支持脚41と支持脚41に対して斜めに取付られて支持脚41を支える傾斜脚42との組み合わせ、または(II)として掲示板10に取付けられて掲示板10を所定の高さに支持する支持脚41と断面凹状に形成されて凹の開口両端部側が掲示板10より低い位置で支持脚41の長手方向に沿って取付けられる固定具51との組み合わせ、または(III)として掲示板10に取付けられ長手方向の一端がフック状に形成されたフック部材61の3種類の形態を有する。
よって、第一の取付手段(I)として支持脚41と傾斜脚42の組み合わせの採用により、掲示板10に固着された補強部20に保持された固定手段としてのボルト31及びそれに対応するナット32によって掲示板10に支持脚41を取付け地面に垂直に立設させて掲示板10を所定の高さに支持し、また、支持脚41に対して傾斜脚42を斜めに取付けて地面に斜めに立設して支持脚41を支え、支持脚41や傾斜脚42の下端部を直接または間接的に補強脚42,44を介して地中に埋めて固定することにより、掲示板組立体10を自立させる形態で設置される。
殊に、本実施の形態においては、地面に立設させる補助脚42が支持脚41の下部に取付けられ、また、同じく地面に立設させる補助脚44が傾斜脚42に対しても取付けられていることで、強度が補完され、また、荷重分布が分散されて、掲示板組立構造体1の自立の安定性を増大させ、更に、支持脚41及び傾斜脚42の繰り返しの使用や地中への打ち込みによる変形、破損等が防止されて長持ちさせることができる。
また、第二の取付手段(II)として支持脚41と固定具51の組み合わせの採用により、掲示板10に固着された補強部20に保持された固定手段としてのボルト31及びそれに対応するナット32によって掲示板10に支持脚41を取付け地面に垂直に立設させて掲示板10を所定の高さに支持し、また、支持脚41に対して、取付対象としてのガードパイプ等の水平方向に延びる横框g1やガードレール等の板体G2等を介在させて、断面凹状に形成された凹の開口両端部を支持脚41の長手方向に沿って取付け、支持脚41と固定部51の間で取付対象としての水平方向に延びる横框g1や板体G2を挟みこむことにより、掲示板組立体10をガードパイプ等の水平方向に延びる横框g1やガードレール等の板体G2に取付ける形態で設置される。
更に、第三の取付手段(III)としてフック部材60の採用により、掲示板10に固着された補強部20に保持された固定手段としてのボルト31及びそれに対応するナット32によって掲示板10にフック部材60を取付け、そして、フック部材60の一端のフック状のフック部63を取付対象としての塀・壁G3やフェンスG4の上端部の厚みに引っ掛けることで、掲示板組立体10を塀・壁G3やフェンスG4に取付ける形態で設置される。
特に、フック部材60のフック部63について、断面コ字状や断面U字状等のフック形状が相違したり、フック部63のコ字またはU字等の対向辺の距離長さが相違したりする2種以上を用意することで、引っ掛け可能な取付対象の範囲が広くなり、設置自由度が高くなる。
こうして、本実施の形態の掲示板組立構造体1によれば、地面に自立させる形態及び塀・壁G3やフェンスG4に引っ掛ける形態での取付けのみならず、図6乃至図8に示したガードパイプ等の水平方向に延びるパイプ状の横框g1が垂直方向に所定間隔で配置してガード面が形成されるパイプ柵G1や、図9及び図10に示したガードレール等の水平方向に延びる凹凸状の表裏面を有し、所定の縦幅(上下方向)に形成された板体G2に対しても、掲示板10を所定の高さに支持する支持脚41と断面凹状に形成されてその開口両端部が支持脚41の長手方向に沿って取付けられる固定具51との間で水平方向に延びる横框g1や板体G2を挟み込むことによって、安定的に取付け固定することができる。
特に、パイプ柵G1に対して従来の番線等を使用した取付けは、設置作業者の裁量、力量によって番線が解けやすかったり、鋏等で切断されたりする恐れがあって不安定な固定であり、また、掲示板10の大きさ、重量等によっては固定が不可能なこともあったが、本実施の形態においては、支持脚41と固定具51の間で横框g1や板体G2の上下方向を挟み込むことから、掲示板10の大きさ、重量等や作業者の裁量、力量を問わず、安定した取付固定が可能である。また、ガードレール等の水平方向に延びる凹凸状の表裏面を有し、所定の縦幅に形成された板体G2に対して従来は取付けができなかったが、本実施の形態においては、このような板体G2においてもその上下方向を支持脚41と固定具51の間で挟み込むことで取付固定を可能とする。
よって、設置自由度が高く、広範囲な設置場所、取付対象に対して安定した取付固定が可能である。
また、取付手段(I)を掲示板10に取付けるための固定手段としてのボルト31・ナット32のうちのボルト31が、掲示板10の掲示側とは反対側の裏側に固着された補強部20に保持可能であることから、掲示板10を傷付けることなく取付手段(I)を掲示板10に取付けることができ、掲示板10を長持ちさせて再使用を可能とする。また、その他部品同士の接合、具体的には、支持脚41への傾斜脚42や補助脚43の取付け、傾斜脚への補助脚44の取付け、支持脚41への固定具51の一端の取付けもボルト31・ナット32が使用されることで、作業者の裁量、力量を問わず組立て及び組外しが容易にでき、釘等が使用されないことで、作業時や設置後に怪我をさせることのない安全性を確保できる。
特に、掲示板10において、アルミニウム板からなる基材に対して粘着剤を介して貼着されたフィルム10dを引き剥がすJIS−Z−0237に準拠して測定した180℃引き剥がし試験における剥離強度が100〜140g/25mmの範囲内であれば、適度な接着性を有して雨等の水分や紫外線、熱等に曝される条件下でも、所定期間ではフィルム10dの浮きや剥離が生じることのない一方で、使用後は道具や水分等を使用することなく手動で剥がすのが容易であり、アルミニウム板の品質を維持して再使用を可能とする。
よって、地球環境保全や環境保護を図ることもできる。また、選挙用ポスターを掲示板10に貼付けた場合においても、使用後に各ポスターをそれぞれ1枚ずつ剥がさなくとも、ポスターが貼付けられているフィルム10dを剥がすのみでポスターを撤去できることから、撤去作業も容易となる。
更に、本実施の形態では、掲示板10に支持脚41を取付ける固定手段としてのボルト31・ナット32と、掲示板10にフック部材60を取付ける固定手段30としてのボルト31・ナット32と、更にそれ以外での部品同士の取付け、詳細には、自立式形態での支持脚41への傾斜脚42及び補強脚43の取付けや、傾斜脚42への補強脚43の取付けや、水平方向へ延びる横框g1や板体G2への取付形態での支持脚41への固定具51の取付において、全て共通して同一部品の使用が可能であり、低コスト化を図ることができる。また、全て共通してボルト31・ナット32による取付けであることで、部品の管理や組み付け作業も分かり易く、短時間で設置及び撤去作業を行うことができる。
なお、本発明を実施する場合には、掲示板10の材質や構成は、上記に限定されるものでなく、例えば、基材10aをステンレス等の金属や、PET樹脂、合成樹脂、合板、段ボール古紙、集成材、パーティクルボード、PETボトル再生板、発泡プラスチック製、鋸くず、再生プラスチック等で形成してもよい。補強部20においても、ステンレス等の金属や、樹脂製とすることも可能である。また、粘着剤の材質も、ポリエチレン系、ポリプロピレン系、エポキシ系、ウレタン系、天然ゴム、ラテックス等のゴム系等であってもよく、フィルムの材質も、アクリル系、ポリプロピレン系等であってもよい。更に、基材に対してアクリル系、ポリエチレン系、ポリプロピレン系樹脂等の塗料を使用した表面処理(塗装、焼付け等)、スクリーン印刷により表層を形成してもよい。また、基材の内部を波形状、凹凸状、ハニカム状に形成した板で中空層を形成することも可能である。
上記実施の形態では、選挙用ポスターを掲示する掲示板組立構造体1への適用例で説明したが、選挙以外のポスター、掲示物、看板等の掲示にも適用可能である。