JP6032662B2 - 脂肪蓄積抑制用組成物 - Google Patents

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本発明は、カルニチン又はその塩と植物由来の多糖類とを含む組成物に関する。
近年、食生活の欧米化により、日本国内でも肥満、高血圧、血糖値の異常などの生活習慣病が増大しており、医療費の増大は大きな社会問題となっている。特に肥満は、皮下脂肪だけなく、内臓脂肪の蓄積も問題となり、高血圧、糖尿病等の誘引材料となり、心臓疾患などの重大な疾患への引き金となるため、肥満の抑制は大きな課題となっている。2008年以降は、メタボリックシンドロームや生活習慣病に関する検診を行うことで、生活習慣の改善の指導を行っており、中でも食生活に関する指導は大きな割合を占めており、食生活に起因する生活習慣病の罹患者を減少させるべく、食生活の積極的改善手法としての特定保健用食品や栄養機能食品の開発研究が行われている。
これらの特定保健用食品や栄養機能食品の開発には、食品素材中の機能成分の探索及び評価が不可欠である。現在は様々な機能成分が探索され、その効果も明らかにされつつある。代表的な機能としては、オリゴ糖の整腸作用やジアシルグリセロールの中性脂肪蓄積抑制効果が知られている。これらの他にも様々な食品成分の機能性が報告され、特定保健用食品開発に寄与しているものである。
肥満を抑制するためには、食品による栄養素の摂取量を適切な状態にする指導を始め、運動等によるカロリーの消費など個人による人為的努力が有効であるが、個人の負担が大きくなることがある。従って、個人の負担を減らして肥満抑制効果を得るために、過剰な栄養素の吸収抑制や脂肪燃焼効果を有する機能性食品があればより好ましいと考えられる。
食品素材のうち、多糖類、中でも特に食物繊維などは整腸作用などの機能性があることが報告されており、さらにはコレステロールや炭水化物の吸収抑制効果があることが知られている(特許文献1、2)。しかしながら、この作用のみでは、過剰な栄養素の蓄積を抑制するという間接的な作用であるため、肥満抑制効果は不明である。
L-カルニチンは、近年注目されている食品素材であり、エネルギー代謝亢進による脂肪燃焼、抗疲労効果、腎機能改善などの機能が注目されている(特許文献3、4、5)。細胞レベルの報告ではエネルギー代謝効果があることが報告されているが、近年の報告では個体レベルでのエネルギー代謝亢進による脂肪燃焼効果に疑問符がついていることが挙げられる。(非特許文献1、2)
特開2009-34031号公報 特開2007-48号公報 特開2007-330124号公報 国際公開第2006/103750号パンフレット 特許第3719478号公報
Int. J. Vitam. Nutr. Res. 75(2):156-60 (2005) Ann. Nutr. Metab. 48(2):90-94 (2004)
本発明の目的は、食物繊維とカルニチンの有する食品機能性を利用し、より効果的な抗肥満作用を得ることにより、肥満の防止、改善ひいては生活習慣病の防止、改善が可能な、食品成分の提供及び食品摂取方法を提供することにある。
本発明者らは、上記の課題を解決するべく鋭意研究を行ったところ、食物繊維に加えてL-カルニチンを混合し、この混合物を用いることにより、従来の手法と比較して、肥満抑制作用が効果的に得られる方法を見つけ出すことに成功した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)カルニチン又はその塩と植物由来の多糖類とを含む組成物。
カルニチンとしては、例えばL−カルニチンが挙げられ、また、カルニチンの塩としては、例えばL−カルニチンフマル酸塩が挙げられる。
さらに、植物由来の多糖類としては、例えばゼラチン、大豆多糖類、寒天、ペクチン、グァーガム、アラビアガム、キサンタンガム、カラギーナン、タマリンド、タラガム、アルギン酸、プルラン、ローカストビーンガム、カルボキシメチルセルロース、サイリウム、カードラン、ジェランガム及びマンナン類からなる群から選ばれる少なくとも一種を挙げることができ、好ましくは、グァーガム及び/又はタラガムである。
また、前記組成物としては、例えば、組成物の総質量に対し、カルニチンが0.1〜2%含まれるもの、植物由来の多糖類が1〜20%含まれるもの、又はこれらの組合せが挙げられる。さらに、前記組成物としては、植物由来の多糖類の混合割合がカルニチンの質量に対して1〜100質量倍であるものが挙げられる。
(2)カルニチン又はその塩と植物由来の多糖類とを含む食品用組成物。
(3)カルニチン又はその塩と植物由来の多糖類とを含む食品、飲料又は飼料。
(4)カルニチン又はその塩と植物由来の多糖類とを含む医薬組成物。
前記医薬組成物は、脂肪蓄積抑制用医薬組成物、肥満改善用医薬組成物又はメタボリック症候群治療用医薬組成物のいずれかであることが好ましい。
本発明の組成物は、該組成物中に含まれる成分(カルニチン又はその塩、及び植物由来の多糖類)の相乗作用により優れた脂肪蓄積抑制効果を示す。そのため、食物繊維及びカルニチンを単独で摂取することでなく、混合して摂取することで、脂肪蓄積抑制を目的とした用途を拡大することが可能である。
本発明の組成物の体重増加抑制効果を示す図である。 本発明の組成物の脂肪蓄積抑制効果を示す図である。 本発明の組成物の脂肪蓄積抑制効果を示す図である。 本発明の組成物の脂肪蓄積抑制効果を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し実施することができる。
本発明は、カルニチン又はその塩と、植物由来の多糖類とを含む組成物に関するものである。前記の通り、近年の報告ではカルニチンによる脂肪燃焼効果が疑問視されてきた。そこで本発明者は、カルニチンと一緒に服用することにより、効果的に脂肪燃焼作用を起こさせるためのパートナーを探索した。その結果、植物由来の多糖類を組み合わせることにより、脂肪燃焼作用が有効であることを見出した。
1.組成物
(1)カルニチン
本発明において使用されるカルニチンの種類は特に限定されない。
カルニチンは光学活性を有しており、本発明において使用されるカルニチンの光学活性体の種類は限定されない。例えば、ラセミ体のカルニチンを使用することもできるし、D体又はL体ものも使用できる。D体又はL体の混合物も使用することができる。好ましくはL体を使用する。
本発明におけるカルニチンには、カルニチンの誘導体も含まれる。誘導体の種類は限定されないが、例えば、カルニチンアシルエステル等を挙げることができる。
また、カルニチンとしては、市販のものを使用することもできるし、公知又は新規な方法で製造したカルニチンを使用することもできる。例えば、(i)ジクロロプロパノールを酵素反応によりシアノ化及びアミド化した後、4級化し、加水分解等を行うことにより得られたL-カルニチン、(ii)エピクロロヒドリンを順次、4級化、シアノ化、アミド化、光学分割等に供して得られたL-カルニチン、(iii)ブチロラクトンを開環、4級化、微生物による反応等に供して得られたL-カルニチン、(iv)クロロアセト酢酸エチルを不斉還元、4級化、加水分解等に供して得られたL-カルニチン等を挙げることができる。
使用するカルニチンの状態も限定されるものではなく、結晶状のものも使用できるし、溶液に溶解しているカルニチンも使用することができる。カルニチン溶液としては、合成直後のカルニチン水溶液だけでなく、当該溶液をイオン交換カラム、電気透析等の精製工程を経たものも使用することができる。また、カルニチン水溶液から溶媒置換を行って得られたカルニチン溶液も使用可能である。
また、本発明において用いられるカルニチンは、遊離体であっても、その食品学的又は薬学的に許容可能な塩の形態であってもよい。そのようなカルニチンの塩は、金属塩、有機酸塩、無機酸塩のいずれでもよい。例えば、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、亜鉛等の金属との塩、アンモニウム塩、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、乳酸塩、酒石酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩等があるが、これらに限定されるものではない。これらの中でも、例えばフマル酸塩が好ましい。吸湿性やタップ密度が低く、操作性に優れているからである。
本発明においては、食品素材として広く市販されており容易に入手できる点でL-カルニチンが好ましい。L-カルニチンは、体内において必須アミノ酸のリジン及びメチオニンから生合成される他、牛肉、豚肉、羊肉等から、日常的に摂取されている物質である。また、医薬品においては、塩化物であるL-塩化カルニチンの使用が認められており、当該カルニチンも使用可能である。
(2)多糖類
本発明の組成物に含まれる多糖類は植物由来のものである。多糖類の由来となる植物は陸生植物又は海生植物であるが、その種類に限定されるものではない。例えば豆類、オオバコ類、褐藻類、紅藻類、樹皮などが挙げられる。担子菌(キノコ)抽出エキス末なども植物由来の多糖類の原料として使用可能である。
これらの植物から多糖類を得るためには、水抽出、熱水抽出、酸・アルカリ抽出及びアルコール抽出などの処理を施すことができる。
あるいは、市販の植物由来多糖類を使用することもできる。
本発明において使用可能な多糖類は植物由来(植物性)である限り特に限定されるものではなく、ホモ多糖類でもヘテロ多糖類でもよい。このような多糖類の中でも、難溶性のもの(植物由来の難溶性多糖類)を使用することが好ましい。植物由来多糖類としては、例えば、大豆多糖類、寒天、ペクチン、グァーガム、アラビアガム、キサンタンガム、カラギーナン、タマリンドシードガム、タラガム、アルギン酸、プルラン、ローカストビーンガム、カルボキシメチルセルロース、サイリウム、カードラン、ジェランガム及びマンナン類から選ばれる少なくとも一種である。マンナン類としては、グルコマンナン、ガラクトマンナン等が挙げられる。
これらの多糖類のなかでも、グァーガム、タラガム及びマンナン類(グルコマンナン、ガラクトマンナン)が好ましく、さらにグァーガム及びタラガムが好ましい。これらはカルニチンと共に投与することにより、強い脂肪蓄積抑制効果等を発揮することができるからである。
大豆多糖類は、大豆または大豆処理物から抽出できる水溶性多糖類であり、例えばダイズ豆を破砕後、水溶性画分を抽出することにより得ることができる。また、市販品(例えば、不二製油社)を使用することも可能である。
寒天は、テングサなどの紅藻類の粘液質からなる多糖類であり、例えばテングサの粘液質を凍結乾燥することにより得ることができる。また、市販品(例えば、和光純薬工業社)を使用することも可能である。
ペクチンは、多くの植物の細胞壁構成成分として、セルロース等他の成分と結合している複合多糖類からなる成分であり、例えば柑橘類の皮から熱水抽出することにより得ることができる。また、市販品(例えば、和光純薬工業社)を使用することも可能である。
グァーガムは、マメ科グアーの種子・胚乳から得られる水溶性の食物繊維であり、例えばマメ科グアーから水溶性画分を抽出することにより得ることができる。また、市販品(例えば、エムアールシーポリサッカライド社)を使用することも可能である。
タラガムは、豆科植物タラの胚乳部より得られるノニオン性の天然多糖の一種であり、市販品(エムアールシーポリサッカライド社)を使用することも可能である。
アラビアガムは、ネムノキ科アラビアゴムノキから得られる多糖類(アラビノガラクタン)を主成分とする水溶性の食物繊維である。例えばアラビアゴムノキの樹皮傷口からの分泌物を乾燥することにより得ることができる。また、市販品(例えば、三栄源エフ・エフ・アイ社)を使用することも可能である。
キサンタンガムは、トウモロコシなどから得られる澱粉を処理した多糖類であり、例えばトウモロコシ由来の澱粉を発酵させることにより得ることができる。また、市販品(例えば、エムアールシーポリサッカライド社)を使用することも可能である。
カラギーナンは、紅藻類由来の直鎖含硫黄多糖類であり、例えば紅藻類からアルカリ抽出することにより得ることができる。また、市販品(例えば、エムアールシーポリサッカライド社)を使用することも可能である。
タマリンドシードガムは、豆科のタマリンドの内胚乳から得られる天然多糖類であり、例えばタマリンド植物から熱水もしくはアルカリ抽出して得ることができる。また、市販品(例えば、エムアールシーポリサッカライド社)を使用することも可能である。
アルギン酸は、褐藻類などに含まれる食物繊維であり、例えばコンブやワカメなどからアルカリ抽出することにより得ることができる。また、市販品(例えば、三栄源エフ・エフ・アイ社)を使用することも可能である。
プルランは、澱粉を原料とした多糖類であり、例えば澱粉を原料として黒色酵母であるオーレオバシディウム・プルランスの発酵作用により得ることができる。また、市販品(例えば、林原商事社)を使用することも可能である。
ローカストビーンガムは常緑樹のカロブ樹の種子から得られる多糖類であり、例えばカロブ樹の種子の胚乳部分を粉末化することにより得ることができる。また、市販品(例えば、エムアールシーポリサッカライド社)を使用することも可能である。
カルボキシメチルセルロースは、セルロースの誘導体であり、セルロースとクロロ酢酸の反応により得ることができる。また、市販品(例えば、和光純薬工業社)を使用することも可能である。
サイリウムは、オオバコ科の植物サイリウム種子の外皮から精製した水溶性の食物繊維であり、例えばオオバコの外皮から抽出することにより得ることができる。また、市販品(例えば、エムアールシーポリサッカライド社)を使用することも可能である。
カードランは、カードランは微生物によって生産される発酵多糖類であり、例えばAgrobacteriumやAlcaligenesなどの細菌が発酵することにより得ることができる。また、市販品(例えば、キリン協和フーズ社)を使用することも可能である。
ジェランガムは、微生物によって生産される多糖類であり、例えばシュードモナスの培養によりことができる。また、市販品(例えば、三栄源エフ・エフ・アイ社)を使用することも可能である。
マンナン類とは、マンノースを含む水溶性多糖類である。豆類やこんにゃく類などに多く含まれている。構成糖類として、マンノースがグルコースやガラクトースと結合した、グルコマンナン、ガラクトマンナンがあり、それぞれ、結合の割合で水溶性が異なっている。
グルコマンナンは、こんにゃく芋に多く含まれる水溶性の多糖類である。こんにゃく芋の乾燥重量のうち40%程度を占めており、この中から抽出することにより得ることができる。また、市販品(例えば、三菱商事フードテック)を使用することも可能である。
ガラクトマンナン類はマンノースとガラクトースが結合した構成体の水溶性多糖類であり、豆類の他には、コウジカビなどの菌体に含まれている。ガラクトマンナン類で、代表的なものとして、ローカストビーンガム(イナゴマメ種子由来)、グアーガム(グアー豆種子由来)、フェヌグリークガム(フェヌグリーク種子)であり、それぞれ、ガラクトースの割合が異なっている。
(3)混合物
本発明の組成物は、カルニチンと植物由来多糖類との混合物を含むものである。混合割合は食品、飲料、飼料、医薬組成物等の総質量に対して、カルニチン0.1%〜2%、植物由来多糖類は1%〜20%であり、好ましくはカルニチン0.1%〜1%、植物由来多糖類は2.5%〜10%である。
また、カルニチンと多糖類との混合比は限定されず、適宜選択することができる。例えば、多糖類の混合割合は、カルニチンの質量に対して、1〜100質量倍、好ましくは5〜50質量倍、より好ましくは5〜25質量倍とすればよい。
混合方法は特に限定されるものではなく、例えば、飲水中に溶解することによる混合及び、食餌中に固形物として均一に混合することにより行われる。
2.機能性飲食品及び医薬組成物
本発明の組成物は、ダイエット用飲食品、又は脂肪蓄積抑制用、肥満改善用若しくはメタボリック症候群治療用の医薬組成物又は機能性食品等として用いることができる。特にダイエット食品として用いることが好ましい。本発明の組成物を飲食品として用いる場合には、健康食品としての形態、例えば低カロリー食品とすることが好ましい。健康食品には、脂肪蓄積抑制、肥満改善作用を有する旨の表示を容器や説明書に付した飲食品(例えば特定保健用食品等の機能性食品)も含まれる。
本発明において、「ダイエット」とは高脂肪食摂取による体重増加又は脂肪蓄積を抑制することを意味し、本発明の組成物は当該抑制のために使用することができる。ダイエット用食品としては、こんにゃく、寒天、キノコ類、海藻類等の多くの低カロリー食品が知られている。そして、これらの食品に他の栄養素(例えばタンパク質、ビタミン、ミネラル等)を十分に含むように規格化することができる。
また、「脂肪蓄積抑制」とは、高脂肪食摂取による内臓脂肪(腹膜後方脂肪及び精巣上体脂肪)の増加が抑制されることを意味する。腹膜後方脂肪及び精巣上体脂肪の重量が高脂肪食摂取時と比較して統計的に有意な差であった場合に脂肪蓄積が抑制されたと判断することができる。従って、本発明の組成物は、上記抑制を目的として使用することができる。
本発明において脂肪蓄積抑制用、肥満改善用若しくはメタボリック症候群治療用を目的として本発明の組成物を経口的に投与する場合は、それに適用される錠剤、顆粒剤、散剤、丸剤などの固形製剤、あるいは液剤、シロップ剤などの液体製剤等とすればよい。特に顆粒剤及び散剤は、カプセル剤として単位量投与形態とすることができ、液体製剤の場合は使用する際に再溶解させる乾燥生成物(例えば凍結乾燥品)にすることができる。
これら剤形のうち経口用固形剤は、組成物中に製剤上一般に使用される結合剤、賦形剤、滑沢剤、崩壊剤、湿潤剤などの添加剤を含有する。また、経口用液体製剤は、組成物中に製剤上一般に使用される安定剤、緩衝剤、矯味剤、保存剤、芳香剤、着色剤などの添加剤を含有する。
3.食品、飲料及び飼料
本発明の組成物は経口投与することができるため、食品、飲料又は飼料として(好ましくはダイエット用又は機能性の食品、飲料又は飼料として)利用することもできる。この場合は、本発明の組成物をそのまま食するか腸溶カプセルに包含して投与することができる。あるいは液体(例えば水)に適切な濃度になるように溶解し、混合、浸漬、塗布、噴霧等の方法で食品等に添加することができる。
本発明の食品、飲料及び飼料において、本発明の組成物に含まれるカルニチン及び多糖類の含有割合は限定はされず、各種用途に応じて、適宜設定することができる。また、本発明の食品、飲料又は飼料を得る際にも、各種用途に応じた公知の製造方法において、任意の手法又はタイミングでカルニチン及び多糖類を含有させることができる。当該含有させる際のカルニチン及び多糖類の形態は限定されるものではなく、スラリー状であっても粉状であってもよく、各種用途に応じて適宜選択すればよい。
本発明の食品又は飲料(以下、「食品類」とする)としては、特に限定されるものではなく、ヒトが食することが可能なあらゆる食品類を挙げることができる。例えば、穀粉利用食品、食肉(加工食肉)、水産物、植物性タンパク質含有食品(大豆食品や大豆タンパク含有食品)、乳製品、菓子類、その他の食品、あるいはこれらの食品をインスタント加工した食品が挙げられる。
穀粉利用食品としては、例えば、食パン、ロールパン等のパン類、シリアル、クラッカー、ビスケット、ホットケーキ、カステラ等の菓子類、うどん、そば、中華そば、素麺、各種パスタ(スパゲッティ、マカロニ、ペンネ、フィットチーネ等)、ビーフン等の麺類、ピザ生地、ナンなどが挙げられる。
食肉としては、例えば、ハンバーグ、ミートボール、ハム、ウインナー等が挙げられる。
水産物としては、魚介類、海藻類等が挙げられる。
植物性タンパク質含有食品としては、例えば、豆腐、豆乳等が挙げられる。
乳製品としては、例えば牛乳、チーズ、ヨーグルト等が挙げられる。
菓子類としては、例えば餡、プリン、ゼリー、ジャム、カレー、アイスクリーム、シャーベットおよびジェラート等が挙げられる。
その他の食品としては、例えば、こんにゃくゼリー等のダイエット食品、クリーム、調味料(味噌、醤油、ソース、マヨネーズ、ドレッシング等)、各種サプリメント(健康食品、タブレット、錠剤等)が挙げられる。
飲料としては、限定はされないが、例えば、ミネラルウォーター、野菜ジュース、果物ジュース、お茶(緑茶、紅茶、ウーロン茶、麦茶等)、清涼飲料水、スープ、コーヒー、乳飲料、滋養強壮ドリンク等が挙げられる。
飼料としては、限定はされないが、例えば、家畜用の餌、ペットフードおよびその他飼料等が挙げられる。ペットフードは、例えば肥満猫、肥満犬等を対象とすることができる。また、家畜用の餌としては、例えば、牛、豚、馬および鳥等の餌が挙げられる。
これらの食品類又は飼料への本発明の組成物の添加量は、添加の対象となる食品類又は飼料の種類に応じて選択することができる。但し、当該添加量が少なすぎると、期待される脂肪蓄積抑制、肥満改善、ダイエット効果、メタボリック症候群治療効果、その他生活習慣病の改善効果を十分に発揮できない。また、逆に添加量が多すぎると添加の対象となる食品が本来有する風味を損なう場合がある。そこで、これらの事情を考慮して添加量を決定することが好ましい。かかる観点より、上記組成物の添加量は、添加の対象となる食品類又は飼料の質量の概ね1%〜20%程度、好ましくは1%〜5%程度である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
脂肪蓄積抑制効果試験
表1に記載したような、飼料摂取群を設定し、マウスを用いた脂肪蓄積抑制効果実験を実施した。
実験に際して使用した実験動物は、5週齢のC57BL/6J雄性のマウス(日本チャールズリバーより購入)を用いた。これらの全てのマウスはラット用のケージにて群間ごとに飼育し、飼料、水は自由摂取で12時間明暗サイクルにて行った。
まず、上記のマウスをCE-2固形飼料(日本クレアより購入)にて3日〜5日間環境馴化した後、平均体重が等しくなるように、表1の群に分け、各群4匹で試験を行った。
各群には、以下の表2の配合に従った飼料を調製して、5週間にわたって摂取させた。飼料調製の際、カルニチンはコーンスターチで補正し、グァーガムはセルロースにて補正した(補正とは、カルニチン及び/又はグァーガムを使用しない場合に、それらの代わりに対照(コントロール)として使用して、全群同じ質量の飼料に調整することを意味する)。なお飲料・飼料ともに自由摂取とし、体重や飼料摂取量は1日置きに測定を行った。
上記実施例の結果を表3及び図1に示した。高脂肪食に加えて、カルニチン単独(C群)及びグァーガム単独(E群)を混合して摂取させた場合と比較して、カルニチンとグァーガムを混合して摂取させた群(D群)における、体重増加抑制効果が認められた。この際の効果は、高脂肪食を摂取していることにもかかわらず、通常食(A群)と同程度であった。
上記実施例1のようにマウスに各群の飼料を摂取させて、5週間経過した後、ペントバルビタール麻酔を0.13mL/100g(体重あたり)で腹腔内に投与した後、マウスを解剖に処し、腹腔内脂肪(精巣上体脂肪、後腹膜脂肪)を採取して重量を測定した。
その結果、表4及び図2に示したように、高脂肪食群(B群)に加えて、カルニチン単独(C群)及びグァーガム単独(E群)を混合して摂取させた場合と比較して、カルニチンとグァーガムを混合して摂取させた群(D群)において、脂肪蓄積抑制効果が認められた。この際の効果は、高脂肪食を摂取していることにもかかわらず、通常食(A群)と同程度又はそれ以下であった。
本実施例の結果より、本発明によるカルニチンと植物由来の多糖類とを混合して摂取することにより、体重増加の抑制及び脂肪蓄積抑制の効果があることがわかったため、肥満の抑制やメタボリックシンドロームのような生活習慣病の抑制に寄与することがわかった。
実施例1に加え、飼料摂取群を設定し、マウスを用いた体重増加抑制効果実験を実施した。試験群は表5、飼料組成は表6に示した。



※食品素材(タラガム)

上記実施例の結果を図3及び図4に示した。
高脂肪食に加えて、カルニチン単独(3:C群)又はタラガム単独(5:TG群)を混合して摂取させた群と、カルニチン及びタラガムを混合して摂取させた群(4:C+TG群)とを比較した結果、カルニチン及びタラガムを混合して摂取させた群(4:C+TG群)において、体重増加抑制効果が認められた。この際の効果は、高脂肪食を摂取しているにもかかわらず、通常食(1:コントロール群)と同程度であった。
図4は、内臓脂肪(腹膜後方、精巣上体)の蓄積抑制効果を示しており、カルニチン及びタラガムを混合して摂取させた群(4:C+TG群)において、脂肪蓄積抑制効果が認められた。
本発明の組成物は体重増加抑制及び脂肪蓄積抑制の効果を有するため、機能性食品、飲料又は飼料として、あるいはダイエット用食品、飲料又は飼料として、さらには、脂肪蓄積抑制用医薬組成物、肥満改善用医薬組成物及びタボリック症候群治療用医薬組成物として有用である。

Claims (2)

  1. 内臓脂肪蓄積抑制剤の総質量に対して、カルニチンが0.5%含まれ、かつグァーガムが5%含まれる、内臓脂肪蓄積抑制剤(食品を除く)
  2. カルニチンがL−カルニチンである、請求項記載の内臓脂肪蓄積抑制剤(食品を除く)
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