JP6031955B2 - 制振構造 - Google Patents

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本発明は、相対移動する2つの部材の制振構造に関する。
相対移動可能な2つの部材の接合部にて振動を減衰させる制振構造としては、たとえば摩擦ダンパーが知られている。この摩擦ダンパーは、たとえば、建物架構において水平方向に相対移動する階床間に設けられる間柱などに備えられ、前述の相対移動に伴って摺動する圧接板同士の摩擦力により、相対移動を抑制するものである(例えば、特許文献1参照)。
特開2012−67806号公報
図22は、特許文献1における荷重と変形の説明図である。図22を参照すると、特許文献1の手法であると、A点からA’の中間の荷重が作用した場合には、変形は生じず、すなわち、エネルギーの吸収が行われない。よって、荷重に応じてより適切な摩擦力を生じさせることが望まれる。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、荷重に応じて適切な摩擦力を生じさせることを目的とする。
このような目的を達成するために本発明に係る制振構造では、建物架構において所定方向に相対移動する一対の部材の間に配置され、前記相対移動に伴って摺動する圧接板同士の摩擦力により、前記相対移動を抑制する摩擦ダンパーを複数設け、該摩擦ダンパーが連動して制振する制振構造であって、
前記摩擦ダンパーは、
前記一対の部材のうちの一方の部材に設けられる第1圧接板と、
前記一対の部材のうちの他方の部材に設けられる第2圧接板と、
を備え、
前記第2圧接板は、所定移動量を摺動可能とする長孔が設けられ、第1の前記摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、第2の前記摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、は前記所定移動量より短い移動量を相対移動可能に連結されており、
前記第1の摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、前記第2の摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、のいずれか一方に連結用長孔が設けられ、他方に連結用孔が設けられ、
前記第1の摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、前記第2の摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板は、前記連結用孔と前記連結用長孔とを挿通するピン部材により連結されることを特徴とする制振構造である。
このような制振構造によれば、一方の部材と他方の部材との間で相対移動を生ずると、まず第1の摩擦ダンパーにおける第1圧接板が第2圧接板に対して相対移動するので、第1の摩擦ダンパーにおける第1圧接板と第2圧接板との間で摩擦力を生ずる。そして、所定移動量よりも短い移動量の相対移動が完了すると、第2の摩擦ダンパーにおける第1圧接板も第2圧接板に対して相対移動するので、前述の摩擦力に加えて、第2の摩擦ダンパーにおける第1圧接板と第2圧接板との間で摩擦力を生ずる。すなわち、第1の摩擦ダンパーにおける摩擦力と、第1の摩擦ダンパー及び第2の摩擦ダンパーにおける摩擦力と、の2段階の摩擦力を生じさせることができる。そして、これらの摩擦力を調整することにより、荷重に応じて適切な摩擦力を生じさせることができる。
また、第1の摩擦ダンパーが圧接する第2圧接板と、第2の摩擦ダンパーが圧接する第1圧接板とを相対移動させることができるので、第2圧接板に対して段階的に第1の摩擦ダンパーが圧接する第1圧接板と、第2の摩擦ダンパーが圧接する第2圧接板とを摺動させて、段階的に摩擦力を生じさせることができる。
かかる制振構造であって、前記摩擦ダンパーは、前記第1圧接板に設けられた貫通孔と、前記第2圧接板に設けられた前記長孔と、を挿通するボルト部材を有することが望ましい。
このような制振構造によれば、第2圧接板を第1圧接板に対して摺動可能とするとともに、ボルト部材によって所定移動量を画定することができる。
かかる制振構造であって、前記ピン部材は、前記連結用長孔において前記相対移動する方向に移動可能であることが望ましい。
このような制振構造によれば、第1の摩擦ダンパーが圧接する第1圧接板と、第2の摩擦ダンパーが圧接する第1圧接板とを相対移動させることができる。
また、建物架構において所定方向に相対移動する一対の部材の間に配置され、前記相対移動に伴って摺動する圧接板同士の摩擦力により、前記相対移動を抑制する摩擦ダンパーを複数設け、該摩擦ダンパーが連動して制振する制振構造であって、
前記摩擦ダンパーは、
前記一対の部材のうちの一方の部材に設けられる第1圧接板と、
前記一対の部材のうちの他方の部材に設けられる第2圧接板と、
を備え、
前記第2圧接板は、所定移動量を摺動可能とする長孔が設けられ、第1の前記摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、第2の前記摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、は前記所定移動量より短い移動量を相対移動可能に連結されており、
前記第1の摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、前記第2の摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板は、それぞれの一部が前記相対移動する方向について互いに重なり、
前記第1の摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、前記第2の摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板のいずれか一方は、フィラー部材を介して前記第2圧接板を圧接することを特徴とする制振構造である。
このような制振構造によれば、第1の摩擦ダンパーにおける第1圧接板と、第2の摩擦ダンパーにおける第1圧接板との間で配設される高さが異なる場合であっても、フィラー部材を用いて適切に第2圧接板に対して圧接力を与えることができる。
かかる制振構造であって、前記第1の摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、前記第2の摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、のいずれか一方に設けられた連結用長孔の長さは、前記第2圧接板に設けられた前記長孔の長さよりも短いことが望ましい。
このような制振構造によれば、第1の摩擦ダンパーが圧接する第1圧接板と、第2の摩擦ダンパーが圧接する第1圧接板と、を所定移動量よりも短い移動量で相対移動可能にすることができる。
かかる制振構造であって、前記第1圧接板と前記第2圧接板との間に挟まれる摩擦板と、前記第2圧接板の面に固定的に設けられ、前記摩擦板に接する滑り板と、を備えることが望ましい。
このような制振構造によれば、より安定した摩擦力を得ることができる。
かかる制振構造であって、前記第2圧接板は、少なくとも2枚の第1圧接板に挟まれることが望ましい。
このような制振構造によっても、より安定した摩擦力を得ることができる。
かかる制振構造であって、前記第1の摩擦ダンパー及び前記第2の摩擦ダンパーの少なくともいずれか一方を複数設けたことが望ましい。
このような制振構造によれば、摩擦ダンパーの個数の増減により生ずる摩擦力を調整することができる。
かかる制振構造であって、前記第2圧接板は、H型鋼のウェブ及びフランジの少なくともいずれか一方であることが望ましい。
このような制振構造によれば、H型鋼の一部を用いて複数の摩擦ダンパーを構成することができる。
また、建物架構において所定方向に相対移動する一対の部材の間に配置され、前記相対移動に伴って摺動する圧接板同士の摩擦力により、前記相対移動を抑制する摩擦ダンパーを複数設け、該摩擦ダンパーが連動して制振する制振構造であって、
前記摩擦ダンパーは、
前記一対の部材のうちの一方の部材に設けられる第1圧接板と、
前記一対の部材のうちの他方の部材に設けられる第2圧接板と、
を備え、
前記第2圧接板は、所定移動量を摺動可能とする長孔が設けられ、第1の前記摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、第2の前記摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、は前記所定移動量より短い移動量を相対移動可能に連結されており、
さらに、前記相対移動を行う際に一定の摩擦力を生じさせる定摩擦発生部材を備えることを特徴とする制振構造である。
このような制振構造によれば、摩擦力が段階的に切り替わる制振構造において、定摩擦発生部材を備えるので、圧接板同士の相対移動時に一定の摩擦力を加えることができる。そして、相対移動開始から終了までに生ずる摩擦力を一律に高く設定することができる。
かかる制振構造であって、前記定摩擦発生部材は、前記一方の部材に設けられる第3圧接板と、前記他方の部材に設けられる第4圧接板と、を備え、前記第3圧接板は貫通孔を備え、前記第4圧接板は前記所定方向に長い貫通孔を備え、前記第3圧接板の貫通孔と前記第4圧接板の貫通孔とを挿通して設けられるボルト部材を有することが望ましい。
このような制振構造によれば、一定の摩擦力を生じさせる定摩擦発生部材を提供することができる。
かかる制振構造であって、前記第3圧接板と前記第4圧接板との間に挟まれる摩擦板と、前記第4圧接板の面に固定的に設けられ、前記摩擦板に接する滑り板と、を備えることが望ましい。
このような制振構造によれば、定摩擦発生部材においても、安定した摩擦力を得ることができる。
かかる制振構造であって、前記摩擦ダンパー及び前記定摩擦力発生部材において、圧接力を生じさせる部材は皿ばねであることが望ましい。
このような制振構造によれば、圧接力を生じさせる部材は、圧力方向の変形量に対して、荷重の変動が小さい非線形ばね領域を備えた皿ばねなので、安定した圧接力を発生させることができる。また、重なる皿ばねの数を異ならせることにより、圧接力を容易に調整することができる。
また、建物架構において所定方向に相対移動する一対の部材の間に配置され、前記相対移動に伴って摺動する圧接板同士の摩擦力により、前記相対移動を抑制する摩擦ダンパーを複数設け、該摩擦ダンパーが連動して制振する制振構造であって、
前記摩擦ダンパーは、
前記一対の部材のうちの一方の部材に設けられる第1圧接板と、
前記一対の部材のうちの他方の部材に設けられる第2圧接板と、
を備え、
前記第2圧接板は、所定移動量を摺動可能とする長孔が設けられ、第1の前記摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、第2の前記摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、は前記所定移動量より短い移動量を相対移動可能に連結されており、
前記第1の摩擦ダンパー及び前記第2の摩擦ダンパーの一方において、
前記第1圧接板の貫通孔は、前記相対移動方向に長い長孔であり、
さらに、前記第1圧接板を前記第2圧接板とで挟む第5圧接板を備え、
前記第5圧接板は、前記ボルト部材が挿通される貫通孔を有する、
ことを特徴とする制振構造である。
このような制振構造によれば、第1圧接板と第2圧接板との間のみならず第1圧接板と第5圧接板との間で摩擦力を生じさせることができる。このとき、第1圧接板の貫通孔は長孔であるので、第1圧接板と第2圧接板との間で摩擦力を生じさせ、第1圧接板の長孔にボルト部材が係合すると、第1圧接板と第5圧接板との間でも摩擦力を生じさせることができる。すなわち、1つの摩擦ダンパーにおいて2段階の摩擦力を生じさせることができる。
かかる制振構造であって、前記第1の摩擦ダンパー及び前記第2の摩擦ダンパーの一方における前記第2圧接板の長孔は、前記第1の摩擦ダンパー及び前記第2の摩擦ダンパーの他方における前記第2圧接板の長孔よりも長いことが望ましい。
このような制振構造によれば、一方の摩擦ダンパーにおいて2段階の摩擦力を生じさせつつ、他方の摩擦ダンパーにおいても一定の摩擦力を生じさせることができる。
かかる制振構造であって、前記第1の摩擦ダンパー及び前記第2の摩擦ダンパーの一方において、前記ボルト部材を内側に挿入しつつ、前記第1圧接板の長孔と、前記第2圧接板の長孔と、挿通して設けられるパイプ部材を備えることが望ましい。
このような制振構造によれば、ボルト部材をパイプ部材により保護し、その健全性を高く維持することができる。
かかる制振構造であって、前記第5圧接板と前記第1圧接板との間に挟まれる摩擦板と、前記第1圧接板の面に固定的に設けられ、前記摩擦板に接する滑り板と、を備えることが望ましい。
このような制振構造によれば、より安定した摩擦力を得ることができる。
かかる制振構造であって、前記第1の摩擦ダンパー及び前記第2の摩擦ダンパーの他方において、前記第1圧接板の貫通孔は、前記相対移動方向に長い長孔であり、さらに、前記第1圧接板を前記第2圧接板とで挟む第6圧接板を備え、前記第6圧接板は、前記ボルト部材が挿通される貫通孔を有する、ことが望ましい。
このような制振構造によれば、一方の摩擦ダンパーにおいて2段階の摩擦力を生じさせつつ、他方の摩擦ダンパーにおいても2段階の摩擦力を生じさせることができる。
また、建物架構において所定方向に相対移動する一対の部材の間に配置され、前記相対移動に伴って摺動する圧接板同士の摩擦力により、前記相対移動を抑制する摩擦ダンパーを複数設け、該摩擦ダンパーが連動して制振する制振構造であって、
前記摩擦ダンパーは、
前記一対の部材のうちの一方の部材に設けられる第1圧接板と、
前記一対の部材のうちの他方の部材に設けられる第2圧接板と、
を備え、
複数の前記摩擦ダンパーは、前記所定方向において異なる位置に、第1の前記摩擦ダンパーと第2の前記摩擦ダンパーを備え、
前記第2圧接板は、所定移動量を摺動可能とする長孔が設けられ、前記第1の前記摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、前記第2の前記摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、は前記所定移動量より短い移動量を相対移動可能に連結されていることを特徴とする制振構造である。
本発明によれば、荷重に応じて適切な摩擦力を生じさせることができる。
第1実施形態における摩擦ダンパーユニットの側面図である。 第1実施形態における摩擦ダンパーユニットの上面図である。 図1におけるA−A断面図である。 図1におけるB−B断面図である。 C−C断面図である。 C−C断面図において、第1摩擦ダンパー及び第2摩擦ダンパーを拡大した図である。 摩擦ダンパーユニットの振動エネルギー吸収履歴特性を示すグラフである。 第2実施形態における摩擦ダンパーユニットの側面図である。 第2実施形態における摩擦ダンパーユニットの断面図である。 第2実施形態における摩擦ダンパーユニットの振動エネルギー吸収履歴特性を示すグラフである。 第3実施形態における摩擦ダンパーユニットの側面図である。 第3実施形態における摩擦ダンパーユニットの断面図である。 第3実施形態における摩擦ダンパーユニットのD−D断面図である。 第3実施形態における摩擦ダンパーユニットの振動エネルギー吸収履歴特性を示すグラフである。 第4実施形態における摩擦ダンパーユニットの側面図である。 第4実施形態における摩擦ダンパーユニットの断面図である。 第4実施形態における摩擦ダンパーユニットの振動エネルギー吸収履歴特性を示すグラフである。 第5実施形態における摩擦ダンパーユニットの側面図である。 第5実施形態における摩擦ダンパーユニットの断面図である。 第5実施形態における摩擦ダンパーユニットのE−E断面図である。 第5実施形態における摩擦ダンパーユニットの振動エネルギー吸収履歴特性を示すグラフである。 特許文献1における荷重と変形の説明図である。
図1は、第1実施形態における摩擦ダンパーユニットの側面図である。図2は、第1実施形態における摩擦ダンパーユニットの上面図である。図3は、図1におけるA−A断面図である。図4は、図1におけるB−B断面図である。図5は、C−C断面図である。図6は、C−C断面図において、第1摩擦ダンパー及び第2摩擦ダンパーを拡大した図である。これらの図において、H型鋼20が示されているが、H型鋼20の軸材方向が相対移動方向に相当する。
摩擦ダンパーユニット1は、H型鋼20と、第1摩擦ダンパー10−1から第5摩擦ダンパー10−5と、第1スプライスプレート30−1から第5スプライスプレート30−5と、第1連結ピン50−1から第4連結ピン50−4を備える。
第1摩擦ダンパー10−1から第5摩擦ダンパー10−5と、第1スプライスプレート30−1から第5スプライスプレート30−5と、第1連結ピン50−1から第4連結ピン50−4は、それぞれ、H型鋼20の上側フランジ20bの2箇所と、下側フランジ20bの2箇所と、ウェブ20aの1箇所に設けられる(図2〜図4)。これは、例えば、第1摩擦ダンパー10−1は、摩擦ダンパーユニット1において5セット設けられていることを意味する。なお、図において同じ符号が付された摩擦ダンパーは、後述する動作において、相対移動方向について同じ動作をする。
後述するように、第1摩擦ダンパー10−1から第5摩擦ダンパー10−5は、H型鋼20、40に荷重が加わることにより、順次、相対移動方向の摩擦力を生じさせ、累積的に摩擦力が増大する摩擦ダンパーユニット1を提供する。
これらの摩擦ダンパーにおいて、構成上は、第1摩擦ダンパー10−1と第3摩擦ダンパー10−3と第5摩擦ダンパー10−5の構成が共通しており、第2摩擦ダンパー10−2と第4摩擦ダンパー10−4の構成が共通している。よって、ここでは、これらの代表として、第1摩擦ダンパー10−1と第2摩擦ダンパー10−2の構成について説明を行う(図6)。そして、その後に各スプライスプレートの連結について説明する。
なお、前述のように、これらの摩擦ダンパーは、上下のフランジ20bとウェブ20aに設けられるが、ここでは、フランジ20bに設けられた摩擦ダンパーを例として説明する。フランジ20bには、上下両面に滑動板34が移動不能に固着される。
固着方法としては、例えば、(1)接着による方法、(2)固着面を構成する各々の表面について表面粗さの増大処理(ショットブラスト法)を施して、固着面で相対的な滑りが生じないようにする方法、(3)嵌合による方法等が挙げられる。
フランジ20b及び滑動板34には、相対移動方向に長い長孔21a(第2圧接板の長孔)及び34aが設けられる。これにより、後述するように、第1摩擦ダンパー10−1及び第1スプライスプレート30−1は、フランジ20bに対して相対移動することが可能となる。
第1摩擦ダンパー10−1において、2枚の第1スプライスプレート30−1のそれぞれには、摩擦板12が固着されている。固着方法は、前述と同様の手法が用いられる。それぞれの摩擦板12は、滑動板34に接し、後述する相対移動において滑動板34に対して摺動し摩擦力を生じさせる。
摩擦板12には、有機系摩擦材や無機系摩擦材を使用し得る。有機系摩擦材は、熱硬化型樹脂を結合材として、アラミド繊維,ガラス繊維,ビニロン繊維,カーボンファイバーなどの繊維材料と、カシューダスト,鉛などの摩擦調整材と、硫酸バリュームなどの充填剤とからなる複合摩擦材料で形成される。上記熱硬化型樹脂としては、フェノール樹脂,メラミン樹脂,フラン樹脂,ポリイミド樹脂,DFK樹脂,グアナミン樹脂,エポキシ樹脂,キシレン樹脂,シリコーン樹脂,ジアリルフタレーン樹脂,不飽和ポリエステル樹脂などがある。一方、滑動板34はステンレスやチタンなどの耐食性を有する材料によって形成される。
第1スプライスプレート30−1及び摩擦板12には、後述する高力ボルト62が挿通可能な丸孔33a、12aが設けられる。上側の第1スプライスプレート30−1上には、座金64、皿ばね積層体61、座金64、ブッシュ65、及び、座金64が設けられる。一方、下側の第1スプライスプレート30−1下には、2つの大きさの異なる座金64が配置される。これらの部材には、高力ボルト62が挿通可能な丸孔が設けられている。そして、2枚の第1スプライスプレート30−1は、フランジ20bを挟み、高力ボルト62はこれら丸孔33a、21aと長孔12a、34aとを挿通し、ナット63と螺合される。
このように、第1摩擦ダンパー10−1において、高力ボルト62とナット63により第1スプライスプレート30−1と、フランジ20bとの間には圧接力が加えられる。よって、第1スプライスプレート30−1とフランジ20bとの間に相対移動方向の移動が生ずると、これにより摩擦板12と滑動板34との間には摩擦力Fr11が生ずることになる。
次に、第2摩擦ダンパー10−2の構成について説明を行う。第2摩擦ダンパー10−2においても、フランジ20b及び滑動板34には、相対移動方向に長い長孔21a及び34aが設けられる。
第2摩擦ダンパー10−2における2枚の第2スプライスプレート30−2のそれぞれには、フランジ20bに向かう側においてフィラー67と摩擦板12が設けられている。第2スプライスプレート30−2には、フィラー67が固着され、さらにフィラー67には摩擦板12が固着される。固着方法は、前述と同様の手法が用いられる。それぞれの摩擦板12は、滑動板34に接し、後述する相対移動において滑動板34に対して摺動し摩擦力を生じさせる。また、フィラー67には、高力ボルト62が挿通される丸孔が設けられる。
第2スプライスプレート30−2及び摩擦板12には、後述する高力ボルト62が挿通可能な丸孔33a、12aが設けられる。上側の第2スプライスプレート30−2上には、座金64、皿ばね積層体61、座金64、ブッシュ65、及び、座金64が設けられる。一方、下側の第2スプライスプレート30−2下には、2つの大きさの異なる座金64が配置される。これらの部材には、高力ボルト62が挿通可能な丸孔が設けられている。そして、2枚の第2スプライスプレート30−2及びフィラー67は、フランジ20bを挟み、高力ボルト62はこれら丸孔33a、12aと長孔21a、34aとを挿通し、ナット63と螺合される。
このように、第2摩擦ダンパー10−2において、高力ボルト62とナット63により第2スプライスプレート30−2と、フランジ20bとの間には圧接力が加えられる。よって、第2スプライスプレート30−2とフランジ20bとの間に相対移動方向の移動が生ずると、これにより摩擦板12と滑動板34との間には摩擦力Fr12が生ずることになる。
次に、各スプライスプレート間における連結について説明する。第1スプライスプレート30−1の左端には、H型鋼40との固定に用いられる丸孔が設けられる一方、その右端には第1連結ピン50−1が挿通される相対移動方向に長い長孔31bが設けられる。
また、第2スプライスプレート30−2の左端には、第1連結ピン50−1が挿通される丸孔32aが設けられ、右端には第2連結ピン50−2が挿通される丸孔32bが設けられる。また、第3スプライスプレート30−3の左端には、第2連結ピン50−2が挿通される相対移動方向に長い長孔31aが設けられ、右端には第3連結ピン50−3が挿通される相対移動方向に長い長孔31bが設けられる。
また、第4スプライスプレート30−4の左端には、第3連結ピン50−3が挿通される丸孔32aが設けられ、右端には第4連結ピン50−4が挿通される丸孔32bが設けられる。また、第5スプライスプレート30−5の左端には、第4連結ピン50−4が挿通される相対移動方向に長い長孔31aが設けられる。
第2スプライスプレート30−2、及び、第4スプライスプレート30−4の丸孔32a、32bは、第1連結ピン50−1から第4連結ピン50−4の直径とほぼ同じサイズの丸孔である。よって、丸孔32a、32bにおいて第1連結ピン50−1から第4連結ピン50−4の相対移動は生じない。
一方、第1スプライスプレート30−1、第3スプライスプレート30−3、及び、第5スプライスプレート30−5の長孔31a、31bは、相対移動方向に長い長孔であるので、第1連結ピン50−1から第4連結ピン50−4は、対応する長孔において相対移動方向に移動することが可能である。
また、第1スプライスプレート30−1は、その左端を他方のH型鋼40に固定される。固定に際しては、H型鋼40との間にフィラー54が挟み込まれ、ボルト51がこれらを挿通し、ナット53と螺合される。
次に、特に図6を参照しつつ、摩擦ダンパーユニット1において摩擦力が段階的に大きくなる原理について説明する。仮に、H型鋼20、40に両者を引き離すような荷重Pが作用したとする。荷重Pは、H型鋼20を他方のH型鋼40に対して相対的に右側に移動させようとする荷重である。荷重Pが作用すると、第1摩擦ダンパー10−1における第1スプライスプレート30−1がフランジ20bに対して左側に相対移動することになる。このとき、第1摩擦ダンパー10−1における摩擦板12と滑動板34の間で摩擦力Fr11が生ずる。一方、第2摩擦ダンパー10−2から第5摩擦ダンパー10−5は、フランジ20bとともに相対的に右方向に移動するため、これらの摩擦ダンパーにおいて摩擦力は生じない。
なお、第1実施形態では、5箇所に第1摩擦ダンパー10−1が設けられていたので、第1摩擦ダンパー10−1における第1スプライスプレート30−1がH型鋼20に対して左側に相対移動すると、これら5箇所で上記の摩擦力Fr11が生ずることになる。
さらに相対移動が進行すると、第1連結ピン50−1が第1スプライスプレート30−1の右端長孔31bの右壁に係合する。第1連結ピン50−1が係合すると、第2スプライスプレート30−2がフランジ20bに対して左側に相対移動することになる。このとき、第1摩擦ダンパー10−1における摩擦板12と滑動板34との間で摩擦力Fr11が生ずるだけでなく、第2摩擦ダンパー10−2における摩擦板12と滑動板34との間でも摩擦力Fr12が生ずる。
さらに相対移動が進行すると、さらに隣接する連結ピンがスプライスプレートにおける長孔31aに係合する。そうすると、同様の原理により、さらに摩擦力を生じさせる摩擦ダンパーの数が増加する。このように、相対移動が進行すると順次その摩擦力を段階的に増加させることができる。そして、摩擦力により吸収できるエネルギーを段階的に増加させることができる。
図7は、摩擦ダンパーユニットの振動エネルギー吸収履歴特性を示すグラフである。以下、H型鋼20の相対移動方向の変位に伴って変化する摩擦力について説明する。
荷重PがH型鋼20、40に作用し、その荷重がSp1で示す荷重(図7)を超えると、第1摩擦ダンパー10−1の摩擦板12とH型鋼20の滑動板34との間で摺動が生ずるとともに摩擦力Fr11が発生する。このとき、ウェブ20aとフランジ20bの全5箇所の第1摩擦ダンパー10−1において摩擦力Fr11が発生する。
Sp6で示す変位を超えると、第1連結ピン50−1が第1スプライスプレート30−1に係合し、さらに、第2摩擦ダンパー10−2の摩擦板12とH型鋼20の滑動板34との間で摺動が生ずるとともに摩擦力Fr12が発生する。このとき、摩擦力はFr11とFr12が発生することになる。
以降、さらにSp8で示す変位を超えると、第2連結ピン50−2が第3スプライスプレート30−3に係合し、さらに、第3摩擦ダンパー10−3の摩擦板12とH型鋼20の滑動板34との間で摺動が生ずるとともに、摩擦力Fr13が発生する。このとき、摩擦力はFr11、Fr12、及び、Fr13が発生することになる。
また、Sp10で示す変位を超えると、第3連結ピン50−3が第4スプライスプレート30−4に係合し、さらに、第4摩擦ダンパー10−4の摩擦板12とH型鋼20の滑動板34との間で摺動が生ずるとともに、摩擦力Fr14が発生する。このとき、摩擦力はFr11、Fr12、Fr13、及び、Fr14が発生することになる。
また、Sp12で示す変位を超えると、第4連結ピン50−4が第5スプライスプレート30−5の長孔31a左壁に係合し、第5摩擦ダンパー10−5の摩擦板12とH型鋼20の滑動板34との間で摺動が生ずるとともに、摩擦力Fr15が発生することになる。このとき、摩擦力はFr11、Fr12、Fr13、Fr14、及び、Fr15が発生することになる。なお、変位は最大であってもSp13の位置までは生じないように設計がされる。
次に、マイナス方向の荷重−PがH型鋼20、40に作用すると、上記の移動方向とは逆方向に上記各部位の移動が行われる。すなわち、マイナス方向の荷重−PがSp14で示す荷重を超えると、第1摩擦ダンパー10−1の摩擦板12とH型鋼20の滑動板34との間で摺動が生ずるとともに、マイナス方向に摩擦力Fr11が発生する。
さらなるマイナス方向の荷重によりSp15で示す変位をマイナス方向に超え、荷重がSp16で示す荷重を超えると、第1連結ピン50−1が第1スプライスプレート30−1の長孔31bの左壁に係合し、第2摩擦ダンパー10−2の摩擦板12とH型鋼20の滑動板34との間で摺動が生ずるとともに、マイナス方向に摩擦力Fr12が発生する。このとき、マイナス方向の摩擦力は、Fr11及びFr12が発生することになる。
このように、連結ピンがスプライスプレートの長孔に係合することにより、順次、摩擦力を生じさせる摩擦ダンパーの数が増加し、最終的に全摩擦ダンパーが摩擦力を生じさせると、マイナス方向の摩擦力は、Fr11、Fr12、Fr13、Fr14、及び、Fr15が発生するまで増加する。
摩擦ダンパーユニット1において、プラス方向の最大変位からマイナス方向の最大変位までの変位を周期的に繰り返した場合、1サイクルにおいて図7で塗りつぶされる面積のエネルギーを吸収することができる。
以上の説明は、摩擦ダンパーユニット1に加わる振動の振幅が大きい場合であるが、加わる繰り返し荷重が小さい場合には、例えば、以下の様になる。
Sp0に示される状態においてSp1で示される荷重を超えると、前述のように、第1摩擦ダンパー10−1において摩擦力Fr11が発生させた状態でSp2に示される位置まで変位することができる。ここで、荷重方向が反転し、Sp3に示される荷重をマイナス方向に超えると、第1摩擦ダンパー10−1においてマイナスの摩擦力Fr11を発生させた状態でSp4に示される位置まで変位することができる。さらに、荷重方向が反転し、Sp5に示される荷重を超えると、再度、第1摩擦ダンパー10−1において摩擦力Fr11を発生させた状態でSp2に示される位置まで変位することができる。
このような繰り返し荷重が加わった場合、1サイクルにおいて、Sp2、Sp3、Sp4、Sp5で囲まれた面積のエネルギーを吸収することができる。
また、例えば、Sp2で示される状態において、さらにSp6に示す荷重を超えると、前述のように第2摩擦ダンパー10−2における摩擦力Fr12が加算された状態でSp7に示される位置まで変位できる。
ここで繰り返し荷重の荷重方向が反転したとする。そして、Qp1に示される荷重をマイナス方向に超えると、第1摩擦ダンパー10−1においてマイナスの摩擦力Fr11を発生させた状態でQp2に示される位置まで変位することができる。さらに、Qp3で示される荷重をマイナス方向に超えると、第2摩擦ダンパー10−2においてもマイナスの摩擦力Fr12を発生させた状態で、Qp4に示される位置まで変位することができる。
さらに、荷重方向が反転し、Qp5に示される荷重を超えると、再度、第1摩擦ダンパー10において摩擦力Fr11を発生させた状態でSp1に示される位置まで変位することができる。
このような繰り返し荷重が加わった場合、Sp1、SP2、Sp6、Sp7、Qp1、Qp2、Qp3、Qp4、Qp5で囲まれた面積のエネルギーを吸収することができる。
なお、連結ピンによって連結されるスプライスプレート30の長孔31a、31bの長さが均等であれば、図7に示されるようにエネルギー吸収履歴特性の階段形状において変位幅は均等になる。これに対し、長孔の長さを長くすれば、変位幅を大きくすることもできるし、長孔の長さを短くすれば、変位幅を小さくすることもできる。例えば、第2連結ピン50−2が挿通される長孔31aの長さを長くした場合、Sp6からSp7までの変位幅を長くすることができる。
また、摩擦ダンパー10の摩擦力を変化させることによって、摩擦力Frを変化させることができる。摩擦力を変化させる手法としては、例えば、摩擦板12の素材を摩擦ダンパー10毎に異ならせたり、皿ばね積層体61における皿ばねの枚数を異ならせることが挙げられる。そして、例えば、第2摩擦ダンパー10−2において生ずる摩擦力Fr12を他の摩擦ダンパーにおいて生ずる摩擦力よりも大きくすることで、Sp2からSp3の荷重幅を大きくすることができる。
すなわち、上述の摩擦ダンパーユニット1によれば、摩擦ダンパーの摩擦力、及び、スプライスプレートの長孔の長さを個別に異ならせることができるので、極めて自由に作用する摩擦力を設計することができる。そして、荷重に応じて適切な摩擦力を生じさせることができる。
なお、ここでは、第1摩擦ダンパー10−1から第5摩擦ダンパー10−5を備える摩擦ダンパーユニット1について説明を行ったが、摩擦ダンパーの数はこれよりも少なくてもよいし、多くすることもできる。
また、上述の摩擦力を変化させる手法として、摩擦ダンパーの数を増減させることもできる。次に説明する第2実施形態では、摩擦ダンパーの数を増加させることにより、摩擦力を増加させている。
図8は、第2実施形態における摩擦ダンパーユニットの側面図である。図9は、第2実施形態における摩擦ダンパーユニットの断面図である。図9は、第1実施形態におけるC−C断面に対応する位置での断面図に相当するものである。また、これらの図において、前述の第1実施形態と共通するものについては、第1実施形態で付した符号に200番台の符号を付して説明を省略している。たとえば、第1スプライスプレートには、符号230−1が付される。また、摩擦力Frに関しては、数字の十の位を「2」に変えて表示している。例えば、第1摩擦ダンパー210−1において生ずる摩擦力はFr21と表示される。
また、第2実施形態では、説明の簡素化のために、設けられるスプライスプレートを第1スプライスプレート230−1及び第2スプライスプレート230−2の2種類とし、これらを連結する連結ピンも第1連結ピン250−1のみとしている。
第2実施形態において、第1摩擦ダンパー210−1の構成は第1実施形態と同様である。しかしながら、第2実施形態では、第2スプライスプレートに設けられる第2摩擦ダンパーの数を第1実施形態の2倍(全10セット)としている。
そして、第2スプライスプレート230−2及びフィラー267に設けられた2箇所の丸孔により、第2スプライスプレート230−2に構成された2セットの第2摩擦ダンパー210−2は、同時にH型鋼20に対して相対移動する。そのため、第2摩擦ダンパー210−2がH型鋼20に対して相対移動すると、1枚の第2スプライスプレート30−2につき摩擦力Fr12が2箇所で同時に発生することになる。
図10は、第2実施形態における摩擦ダンパーユニットの振動エネルギー吸収履歴特性を示すグラフである。第1摩擦ダンパー210−1の構成は第1実施形態と同様であるので、図10においてSp1からSp2にかけて生じさせる摩擦力は、5セットの第1摩擦ダンパー210−1によるものとなる(5×Fr21)。
第1連結ピン250−1が第1スプライスプレート230−1の長孔231bに係合すると、以降は10セットの第2摩擦ダンパー210−2も摩擦力Fr22を生じさせる。よって、Sp3からSp4の変位では、10×Fr22の摩擦力が加算されることになる。なお、マイナス方向の変位及び摩擦力については、図10に示される通りであるので説明を省略する。
ここでは、第2摩擦ダンパー210−2の数を10セットとして説明を行ったが、設けられる数はこれには限られない。また、第1摩擦ダンパー210−1の数を増減させることもできるし、前述の第1実施形態における各摩擦ダンパーを増減させることもできる。
このようにすることで、摩擦ダンパーの数を増加させることで、安定的な大きな摩擦力を提供して、大きな荷重に対応できる摩擦ダンパーユニットを提供することができる。
図11は、第3実施形態における摩擦ダンパーユニットの側面図である。図12は、第3実施形態における摩擦ダンパーユニットの断面図である。図12は、第1実施形態のC−C断面に対応する位置での断面図に相当するものである。図13は、第3実施形態における摩擦ダンパーユニットのD−D断面図である。
これらの図において、前述の第1実施形態と共通するものについては、他の実施形態で付した符号に300番台の符号を付して説明を省略している。たとえば、第1スプライスプレートには、符号330−1が付される。また、摩擦力Frに関しては、数字の十の位を「3」に変えて表示している。例えば、第1摩擦ダンパー310−1において生ずる摩擦力はFr31と表示される。
図11及び図12において、フランジ320bにおける構成は第1実施形態と共通である。すなわち、フランジ320bには、第1摩擦ダンパー310−1から第5摩擦ダンパー310−5、第1スプライスプレート330−1から第5スプライスプレート330−5、及び、第1連結ピン350−1から第4連結ピン350−4が第1実施形態と同様に設けられる。
第3実施形態で特徴的であるのは、ウェブ320aには2セットの定摩擦ダンパー310−Cが設けられている点である。以下、図13を参照しつつ定摩擦ダンパーの構成について説明する。
第3実施形態においても、ウェブ320aには、上下両面に滑動板334が移動不能に固着される。ウェブ320a及び滑動板334には、相対移動方向に長い長孔321a及び334aが設けられる。
また、第3実施形態において他方のH型鋼340のウェブ320aには、定摩擦用スプライスプレート330−Cの左端が2枚固定される。2枚の定摩擦用スプライスプレート330−Cのそれぞれには、摩擦板312が固着されている。それぞれの摩擦板312は、滑動板334に接し、相対移動において滑動板334に対して摺動し摩擦力を生じさせる。
定摩擦用スプライスプレート330−C及び摩擦板312には、高力ボルト362が挿通可能な丸孔333a、312aが設けられる。上側の定摩擦用スプライスプレート330−C上には、座金364、皿ばね積層体361、座金364、ブッシュ365、及び、座金364が設けられる。一方、下側の定摩擦用スプライスプレート330−C下には、2つの大きさの異なる座金364が配置される。これらの部材には、高力ボルト362が挿通可能な丸孔が設けられている。そして、2枚の定摩擦用スプライスプレート330−Cは、ウェブ320aを挟み、高力ボルト362はこれら丸孔333a、312aと長孔321a、334aとを挿通し、ナット363と螺合される。
このように、定摩擦ダンパー310−Cにおいて、高力ボルト362とナット363により定摩擦用スプライスプレート330−Cと、ウェブ320aとの間には圧接力が加えられる。よって、定摩擦用スプライスプレート330−Cとウェブ320aとの間に相対移動方向の移動が生ずると、これにより摩擦板312と滑動板334との間には摩擦力Fr3Cが生ずることになる。
このような構成により、フランジ320bにおける第1摩擦ダンパー310−1から第5摩擦ダンパー310−5は、第1実施形態と同様の動作によりそれぞれ摩擦力Fr31からFr35を生じさせる。これと同時に、第3実施形態では、ウェブ320aとウェブ320aにおけるスプライスプレート330−Cとの間に相対移動が生ずると、定摩擦ダンパー310−Cの摩擦板312と、ウェブ320aの滑動板334との間で摺動が生ずるとともに、摩擦力Fr3Cが発生する。このとき、ウェブ20aにおける2箇所の定摩擦ダンパー310−Cにおいて計2×Fr3Cの摩擦力が発生する。
図14は、第3実施形態における摩擦ダンパーユニットの振動エネルギー吸収履歴特性を示すグラフである。図14において、摩擦力の切り替わる段数は第1実施形態と同じである。しかしながら、初期状態のSp0から第1摩擦ダンパー310−1の動き始めであるSp1までの荷重が高い。これは、2セットの定摩擦ダンパー310−Cによる摩擦力2×Fr3Cが常に作用するためである。
このように定摩擦ダンパー310−Cを設けることで、H型鋼20、40との間で相対移動が生ずる際には必ず定摩擦力Fr3Cを生じさせることができる。そして、第1摩擦ダンパー310−1から第5摩擦ダンパー310−5によって段階的に生ずる摩擦力に、一律に摩擦力を加算することができる。
図15は、第4実施形態における摩擦ダンパーユニットの側面図である。図16は、第4実施形態における摩擦ダンパーユニットの断面図である。図16は、第1実施形態におけるC−C断面に対応する位置での断面図に相当するものである。これらの図において、第1実施形態と共通するものについては、他の実施形態で付した符号に400番台の符号を付して説明を省略している。例えば、第1スプライスプレートには、符号430−1が付される。また、摩擦力Frに関しては、数字の十の位を「4」に変えて表示している。例えば、第1摩擦ダンパー410−1において生ずる摩擦力はFr41と表示される。
第4実施形態において、第1摩擦ダンパー410−1及び第1スプライスプレート430−1の構成は第1実施形態と同様である。一方、第4実施形態では、1つの摩擦ダンパーで2段階の摩擦力を生じさせることができる4面摩擦ダンパー410−Wが第2スプライスプレート430−2に設けられている。以下、図16を参照しつつ、4面摩擦ダンパー410−Wの構成について説明する。なお、4面摩擦ダンパー410−Wは、ウェブ420a及びフランジ420bともに設けられるが、ここでは、フランジ420bに設けられたものを例に説明を行う。
第4実施形態においても、フランジ420bには、上下両面に滑動板434が移動不能に固着される。フランジ420b及び滑動板434には、相対移動方向に長い長孔421c、434cが設けられる。
また、2枚の第2スプライスプレート430−2には、それぞれフランジ420b側にフィラー467が固着される。さらに、フィラー467には、摩擦板412が固着される。第2スプライスプレート430−2、フィラー467、摩擦板412には、それぞれ高力ボルト462が挿通する長孔431c、467c、412cが設けられる。それぞれの摩擦板は、フランジ420bの滑動板434に接し、相対移動において滑動板434に対して摺動し摩擦力FrW1(以下、第1の摩擦力ということがある)を生じさせる。
また、2枚の第2スプライスプレート430−2において、フィラー467が設けられていない側には滑動板434が固着される。この滑動板434にも、長孔434cが設けられる。
そして、これら2枚の第2スプライスプレート430−2を挟み込むように2つの圧接板466(第5圧接板)が設けられる。圧接板466にも摩擦板412が固着されており、これら摩擦板412は、第2スプライスプレート430−2の滑動板434に接し、相対移動において滑動板434に対して摺動し摩擦力FrW2(以下、第2の摩擦力ということがある)を生じさせる。
上側の圧接板466上には、座金464、皿ばね積層体461、座金464、ブッシュ465、及び、座金464が設けられる。一方、下側の圧接板466下には、2つの大きさの異なる座金464が配置される。圧接板466を含むこれらの部材には、高力ボルト462が挿通可能な丸孔が設けられている。そして、丸パイプ469がこれら丸孔と長孔421c、467c、431c、412c、434cとを挿通する。また、高力ボルト362は、この丸パイプ469内を挿通し、ナット463と螺合される。
このようにすることにより、第2スプライスプレート430−2とフランジ420bが相対移動すると、フィラー467の摩擦板412とフランジ420bの滑動板434との間で第1の摩擦力FrW1が生ずる。相対移動が進行すると、丸パイプ469がフランジ420bの長孔421cに係合する。そうすると、さらに、圧接板466の摩擦板412と第2スプライスプレート430−2の滑動板434との間で第2の摩擦力FrW2が生ずる。すなわち、フランジ420bと第2スプライスプレート430−2の相対移動における初期段階においては、摩擦力FrW1が発生し、後期には第1の摩擦力FrW1のみならず第2の摩擦力FrW2が加算されることになる。
図17は、第4実施形態における摩擦ダンパーユニットの振動エネルギー吸収履歴特性を示すグラフである。荷重が加わると、最初に第1摩擦ダンパー410−1において摩擦力Fr41が発生する。よって、Sp1からSp2においては、5箇所の第1摩擦ダンパー410−1によって、5×Fr41の摩擦力を生じさせる。
その後、第1連結ピン450−1が第1スプライスプレート430−1の長孔431bに係合する。第1連結ピン450−1が係合すると、その後、第2スプライスプレート430−2もH型鋼420に対して相対移動する。前述のように、第2スプライスプレート430−2とH型鋼420が相対移動すると、第1の摩擦力FrW1の摩擦力が加算される。ここでは、10セットの第2摩擦ダンパー410−Wが設けられているため、Sp3からSp4においては、10×FrW1の摩擦力が加算される。
さらに、相対移動が進行し、丸パイプ469がフランジ420bの長孔421cに係合すると、それ以降の相対移動において第2の摩擦力FrW2が加算される。ここでは、10セットの第2摩擦ダンパー410−Wが設けられているため、Sp5からSp6
においては、10×FrW2の摩擦力が加算されることになる。
このようにすることで、1つの4面摩擦ダンパー410−Wで2段階の摩擦力を生じさせることができるので、少ないスペースで複数段階の摩擦力を生じさせる摩擦ダンパーユニットを提供することができる。
なお、第4実施形態において4面摩擦ダンパー410Wを10セット設けることとしたが、これよりも多くすることもできるし、少なくすることもできる。
また、4面摩擦ダンパーの種類を1種類として説明を行ったが、第2スプライスプレート430−2に並ぶ2つの4面摩擦ダンパーにおいて、それぞれの長孔431c、467c、421c、412c、434cの長さを異ならせることができる。これらの長さを異ならせることで、さらに摩擦力変化の段数を増加させることができる。
図18は、第5実施形態における摩擦ダンパーユニットの側面図である。図19は、第5実施形態における摩擦ダンパーユニットの断面図である。図19は、第1実施形態におけるC−C断面に対応する位置での断面図に相当するものである。図20は、第5実施形態における摩擦ダンパーユニットのE−E断面図である。これらの図において、前述の第1実施形態と共通するものについては、他の実施形態で付した符号に500番台の符号を付して説明を省略している。たとえば、第1スプライスプレートには、符号530−1が付される。また、摩擦力Frに関しては、数字の十の位を「5」に変えて表示している。例えば、第1摩擦ダンパー510−1において生ずる摩擦力はFr51と表示される。
第5実施形態において、ウェブ520aに第1摩擦ダンパー510−1、第2摩擦ダンパー510−2、第1スプライスプレート530−1、第2スプライスプレート530−2、及び、連結ピン550−1が設けられる点で第1実施形態と共通する(図20)。
一方、第5実施形態では、フランジ520bにおいて、第1スプライスプレート530−1上及び第2スプライスプレート530−2上に所謂4面摩擦ダンパーが設けられる。ただし、第4実施形態における4面摩擦ダンパーでは、フランジ420bとフィラー467との間で摩擦力FrW1を生じさせ、第2スプライスプレート430−2と圧接板466との間で摩擦力FrW1を生じさせていたが、第5実施形態における4面摩擦ダンパーでは、フィラー567と第2スプライスプレート530−2との間で摩擦力FrW1を生じさせ、第2スプライスプレート530−2と圧接板566(第6圧接板)との間で摩擦力FrW2を生じさせる点で異なる。
図18及び図19において、第1スプライスプレート530−1側の4面摩擦ダンパーの符号は510−W’で示し、第2スプライスプレート530−2側の4面摩擦ダンパーの符号は510−W’’で示す。
第1スプライスプレート530−1上に設けられる4面摩擦ダンパー510−W’と、第2スプライスプレート530−2上に設けられる4面摩擦ダンパー510−W’’は、若干構成が異なっているが、これは、高さを合わせるために4面摩擦ダンパー510−W’にはフィラー567が含まれないためであり、1つの摩擦ダンパーで2段階の摩擦力を生じさせる点では共通する。
図21は、第5実施形態における摩擦ダンパーユニットの振動エネルギー吸収履歴特性を示すグラフである。
Sp1からSp2において、第1スプライスプレート530−1とH型鋼520とが相対移動する。そうすると、第1摩擦ダンパー510−1において摩擦力Fr51が生ずると共に、4面摩擦ダンパー510−W’において第1の摩擦力FrW1が生ずる。
次に、ウェブ520aにおける第1連結ピン550−1’が第1スプライスプレート530−1’の長孔531bに係合する。第1連結ピン550−1’が係合すると、以降の相対移動において、第2スプライスプレート530−2’もウェブ520aに対して相対移動する。このため、Sp3からSp4において、第2摩擦ダンパー510−2における摩擦力Fr52が加算されることになる。
さらに相対移動が進行すると、フランジ520bにおいて、第1スプライスプレート530−1の長孔531bに第1連結ピン550−1が係合する。第1連結ピン550−1が係合すると、以降の相対移動において、4面摩擦ダンパー510−W’’において第1の摩擦力FrW1が生ずる。すなわち、Sp5からSp6において、さらに、4×FrW1の摩擦力が加算されることになる。
さらに相対移動が進行すると、フランジ520bにおいて、4面摩擦ダンパー510−W’の丸パイプ569が第2スプライスプレート530−2の長孔521cに係合する。丸パイプ569が係合すると、以降の相対移動において、4面摩擦ダンパー510−W’において第2の摩擦力FrW2が生ずる。すなわち、Sp7からSp8において、4×FrW2の摩擦力が加算されることになる。
さらに相対移動が進行すると、フランジ520bにおいて、4面摩擦ダンパー510−W’’の丸パイプ569がフランジ520bの長孔521cに係合する。4面摩擦ダンパー510−W’’の丸パイプ569が係合すると、以降の相対移動において、4面摩擦ダンパー510−W’’において第2の摩擦力FrW2が生ずる。すなわち、Sp9からSp10において、さらに、4×FrW2の摩擦力が加算されることになる。
このように、複数種類の摩擦ダンパーを組み合わせることによっても、摩擦力を多段階にすることができ、荷重に応じて適切な摩擦力を生じさせることができる。
上記実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物が含まれることはいうまでもない。
1 摩擦ダンパーユニット(制振構造)、
10−1 第1摩擦ダンパー(第1の摩擦ダンパー)、
10−2 第2摩擦ダンパー(第2の摩擦ダンパー)、
10−3 第3摩擦ダンパー、10−4 第4摩擦ダンパー、
10−5 第5摩擦ダンパー、
12 摩擦板、
20 H型鋼、20a ウェブ、20b フランジ(第2圧接板)、
30−1 第1スプライスプレート(第1圧接板)、
30−2 第2スプライスプレート、
30−3 第3スプライスプレート、30−4 第4スプライスプレート、
30−5 第5スプライスプレート、
34 滑動板(滑り板)、
50−1 第1連結ピン(連結ピン)、50−2 第2連結ピン、
50−3 第3連結ピン、50−4 第4連結ピン、
61 皿ばね積層体、62 高力ボルト(ボルト部材)、63 ナット、64 座金、
65 ブッシュ、66 圧接部材、67 フィラー(フィラー部材)、
469 丸パイプ(パイプ部材)、
330−C 定摩擦用スプライスプレート(第3圧接板)、
320a 第3実施形態におけるウェブ(第4圧接板)、
466 圧接板(第5圧接板)、
566 圧接板(第6圧接板)

Claims (19)

  1. 建物架構において所定方向に相対移動する一対の部材の間に配置され、前記相対移動に伴って摺動する圧接板同士の摩擦力により、前記相対移動を抑制する摩擦ダンパーを複数設け、該摩擦ダンパーが連動して制振する制振構造であって、
    前記摩擦ダンパーは、
    前記一対の部材のうちの一方の部材に設けられる第1圧接板と、
    前記一対の部材のうちの他方の部材に設けられる第2圧接板と、
    を備え、
    前記第2圧接板は、所定移動量を摺動可能とする長孔が設けられ、第1の前記摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、第2の前記摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、は前記所定移動量より短い移動量を相対移動可能に連結されており、
    前記第1の摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、前記第2の摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、のいずれか一方に連結用長孔が設けられ、他方に連結用孔が設けられ、
    前記第1の摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、前記第2の摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板は、前記連結用孔と前記連結用長孔とを挿通するピン部材により連結されることを特徴とする制振構造。
  2. 請求項1に記載の制振構造であって、
    前記摩擦ダンパーは、前記第1圧接板に設けられた貫通孔と、前記第2圧接板に設けられた前記長孔と、を挿通するボルト部材を有することを特徴とする制振構造。
  3. 請求項1または請求項2に記載の制振構造であって、
    前記ピン部材は、前記連結用長孔において前記相対移動する方向に移動可能であることを特徴とする制振構造。
  4. 建物架構において所定方向に相対移動する一対の部材の間に配置され、前記相対移動に伴って摺動する圧接板同士の摩擦力により、前記相対移動を抑制する摩擦ダンパーを複数設け、該摩擦ダンパーが連動して制振する制振構造であって、
    前記摩擦ダンパーは、
    前記一対の部材のうちの一方の部材に設けられる第1圧接板と、
    前記一対の部材のうちの他方の部材に設けられる第2圧接板と、
    を備え、
    前記第2圧接板は、所定移動量を摺動可能とする長孔が設けられ、第1の前記摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、第2の前記摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、は前記所定移動量より短い移動量を相対移動可能に連結されており、
    前記第1の摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、前記第2の摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板は、それぞれの一部が前記相対移動する方向について互いに重なり、
    前記第1の摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、前記第2の摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板のいずれか一方は、フィラー部材を介して前記第2圧接板を圧接することを特徴とする制振構造。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の制振構造であって、
    前記第1の摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、前記第2の摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、のいずれか一方に設けられた連結用長孔の長さは、前記第2圧接板に設けられた前記長孔の長さよりも短いことを特徴とする制振構造。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の制振構造であって、
    前記第1圧接板と前記第2圧接板との間に挟まれる摩擦板と、
    前記第2圧接板の面に固定的に設けられ、前記摩擦板に接する滑り板と、
    を備えることを特徴とする制振構造。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の制振構造であって、
    前記第2圧接板は、少なくとも2枚の第1圧接板に挟まれることを特徴とする制振構造。
  8. 請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の制振構造であって、
    前記第1の摩擦ダンパー及び前記第2の摩擦ダンパーの少なくともいずれか一方を複数設けたことを特徴とする制振構造。
  9. 請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の制振構造であって、
    前記第2圧接板は、H型鋼のウェブ及びフランジの少なくともいずれか一方であることを特徴とする制振構造。
  10. 建物架構において所定方向に相対移動する一対の部材の間に配置され、前記相対移動に伴って摺動する圧接板同士の摩擦力により、前記相対移動を抑制する摩擦ダンパーを複数設け、該摩擦ダンパーが連動して制振する制振構造であって、
    前記摩擦ダンパーは、
    前記一対の部材のうちの一方の部材に設けられる第1圧接板と、
    前記一対の部材のうちの他方の部材に設けられる第2圧接板と、
    を備え、
    前記第2圧接板は、所定移動量を摺動可能とする長孔が設けられ、第1の前記摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、第2の前記摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、は前記所定移動量より短い移動量を相対移動可能に連結されており、
    さらに、前記相対移動を行う際に一定の摩擦力を生じさせる定摩擦発生部材を備えることを特徴とする制振構造。
  11. 請求項10に記載の制振構造であって、
    前記定摩擦発生部材は、
    前記一方の部材に設けられる第3圧接板と、
    前記他方の部材に設けられる第4圧接板と、
    を備え、
    前記第3圧接板は貫通孔を備え、
    前記第4圧接板は前記所定方向に長い貫通孔を備え、
    前記第3圧接板の貫通孔と前記第4圧接板の貫通孔とを挿通して設けられるボルト部材を有することを特徴とする制振構造。
  12. 請求項10又は請求項11に記載の制振構造であって、
    前記第3圧接板と前記第4圧接板との間に挟まれる摩擦板と、
    前記第4圧接板の面に固定的に設けられ、前記摩擦板に接する滑り板と、
    を備えることを特徴とする制振構造。
  13. 請求項10乃至請求項12のいずれかに記載の制振構造であって、
    前記摩擦ダンパー及び前記定摩擦力発生部材において、圧接力を生じさせる部材は皿ばねであることを特徴とする制振構造。
  14. 建物架構において所定方向に相対移動する一対の部材の間に配置され、前記相対移動に伴って摺動する圧接板同士の摩擦力により、前記相対移動を抑制する摩擦ダンパーを複数設け、該摩擦ダンパーが連動して制振する制振構造であって、
    前記摩擦ダンパーは、
    前記一対の部材のうちの一方の部材に設けられる第1圧接板と、
    前記一対の部材のうちの他方の部材に設けられる第2圧接板と、
    を備え、
    前記第2圧接板は、所定移動量を摺動可能とする長孔が設けられ、第1の前記摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、第2の前記摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、は前記所定移動量より短い移動量を相対移動可能に連結されており、
    前記第1の摩擦ダンパー及び前記第2の摩擦ダンパーの一方において、
    前記第1圧接板の貫通孔は、前記相対移動方向に長い長孔であり、
    さらに、前記第1圧接板を前記第2圧接板とで挟む第5圧接板を備え、
    前記第5圧接板は、前記ボルト部材が挿通される貫通孔を有する、
    ことを特徴とする制振構造。
  15. 請求項14に記載の制振構造であって、
    前記第1の摩擦ダンパー及び前記第2の摩擦ダンパーの一方における前記第2圧接板の長孔は、前記第1の摩擦ダンパー及び前記第2の摩擦ダンパーの他方における前記第2圧接板の長孔よりも長いことを特徴とする制振構造。
  16. 請求項14又は請求項15に記載の制振構造であって、
    前記第1の摩擦ダンパー及び前記第2の摩擦ダンパーの一方において、
    前記ボルト部材を内側に挿入しつつ、前記第1圧接板の長孔と、前記第2圧接板の長孔と、挿通して設けられるパイプ部材を備えることを特徴とする制振構造。
  17. 請求項14乃至請求項16のいずれかに記載の制振構造であって、
    前記第5圧接板と前記第1圧接板との間に挟まれる摩擦板と、
    前記第1圧接板の面に固定的に設けられ、前記摩擦板に接する滑り板と、
    を備えることを特徴とする制振構造。
  18. 請求項14乃至請求項17のいずれかに記載の制振構造であって、
    前記第1の摩擦ダンパー及び前記第2の摩擦ダンパーの他方において、
    前記第1圧接板の貫通孔は、前記相対移動方向に長い長孔であり、
    さらに、前記第1圧接板を前記第2圧接板とで挟む第6圧接板を備え、
    前記第6圧接板は、前記ボルト部材が挿通される貫通孔を有する、
    ことを特徴とする制振構造。
  19. 建物架構において所定方向に相対移動する一対の部材の間に配置され、前記相対移動に伴って摺動する圧接板同士の摩擦力により、前記相対移動を抑制する摩擦ダンパーを複数設け、該摩擦ダンパーが連動して制振する制振構造であって、
    前記摩擦ダンパーは、
    前記一対の部材のうちの一方の部材に設けられる第1圧接板と、
    前記一対の部材のうちの他方の部材に設けられる第2圧接板と、
    を備え、
    複数の前記摩擦ダンパーは、前記所定方向において異なる位置に、第1の前記摩擦ダンパーと第2の前記摩擦ダンパーを備え、
    前記第2圧接板は、所定移動量を摺動可能とする長孔が設けられ、前記第1の前記摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、前記第2の前記摩擦ダンパーが圧接する前記第1圧接板と、は前記所定移動量より短い移動量を相対移動可能に連結されていることを特徴とする制振構造。
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