JP6028348B2 - 電気集塵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ディーゼルエンジンからの排ガスを処理する電気集塵装置に関する。
ディーゼルエンジンから排出される排気ガスには、窒素化合物(NOx)、硫黄酸化物SOx、の他、炭素を主成分とする粒子状物質(PM:Particulate Matter)などの有害物質が含まれている。特に、粒子状物質は、人間が呼吸により粒子状物質を体内に吸い込むと様々な健康被害が発生することが知られており、粒子状物質を効率良く除去する粒子状物質除去装置が必要となる。
このようなディーゼルエンジンの粒子状物質除去装置として、排気ダクト中に、フィルタを設置する方法があるが、フィルタは目詰まりし易く、圧力損失が大きいなどの課題がある。これに対して電気集塵機は、目詰まりせず、圧力損失が小さいため、内燃機関の排気ダクトに取り付けるには有効である。
このため、従来、排気ガスの流れと交差する方向に設けたコロナ電極に高電圧を印加すると共に、コロナ電極の下流側に間隔を有して対向して設けた集塵電極の面内に、廃棄ガスを通過させて、コロナ放電により帯電した排気ガス中の粒子状物質を、集電電極で集し、集塵電極の近傍に設けた燃焼用電極に通電することによって、集塵電極に集された粒子状物質を燃焼除去するようにした内燃機関の排気ガス浄化方法及びその装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2004−293416号公報
ところで、上記特許文献1に記載された従来例にあっては、集塵電極で集した粒子状物質を、集塵電極の近傍に設けた燃焼用電極に通電することにより、燃焼除去することができるものであるが、集塵電極が排気ガス流と交差する方向に配置されている関係で、集塵電極をメッシュ状金網、パンチングメタル、エキスパンダメタル、コイル状ワイヤ、金属繊維の集合体で排気ガスを通過可能な形状とする必要がある。このため、燃焼用電極も排ガスが通過可能な構成とする必要があるとともに、集塵電極との間に必要な絶縁距離を保つ必要があり、燃焼用電極の発熱を集塵電極に有効に伝達することができず、集塵電極で集した粒子状物質の燃焼効率を高めることができないとともに、燃焼用電極の燃焼温度を高めるために消費電力が大きくなるという未解決の課題がある。このため、例えば舶用ディーゼルエンジンのように排気量の大きなディーゼルエンジンでは有効に活用することができない。
また、集塵電極も排気ガスが通過可能な形状とするので、排ガス中の粒子状物質の集効率を高めることができないという未解決の課題もある。
そのほか、船舶ディーゼルエンジンではエンジンの排圧で排気ガスを流すため、集塵機の圧損を大きくても1000Pa程度以下にする必要があるほか、非常に狭いスペースに設置しなければならないため、装置の大きさも極力小さくすることが求められている。しかし、特許文献1のようなフィルタ状の電極間を排ガスが流れるような構造の場合、圧損を1000Pa以下にするためには、流路面積を排ガスダクトの数倍〜10倍以上に大きくして、流速を数m/s以下に下げるか、巨大なブロワを設置する、といった工夫が必要となる。その結果、装置全体が大きくなってしまい船舶に搭載するのが困難になるという未解決の課題もある。
そこで、本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、ディーゼルエンジンの排ガス中に含まれる粒子状物質を集塵電極で効率よく集塵可能とするとともに、粒子状物質の燃焼除去を効率よく行い、さらに消費電力を低減することができる電気集塵装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するために、本発明に係る電機集塵装置の第1の態様は、ディーゼルエンジンの燃焼による排ガス中の粒子状物質を捕集する電気集塵装置であって、前記粒子状物質及びNOを含む排ガス流路に前記NOをNOに変換するプラズマ放電領域と、前記プラズマ放電領域の下流側に前記粒子状物質を帯電させ集塵する集塵領域とを備え、前記集塵領域には、平板状の高圧電極及び当該高圧電極と離間して配置された平板状の接地電極で形成される集塵部が排ガス流れ方向と直交する方向に複数並列配置され、前記接地電極内に当該接地電極で捕集した前記粒子状物質を加熱燃焼させる加熱部が配置され、前記集塵領域の加熱部に対して電力を供給する加熱制御部を備えている。
この第1の態様によると、プラズマ放電空間で、排ガス中に含まれるNOをNO に変換することができる。このようにNOをNO に変換することにより、排ガス中のNO が増加し、加熱部で粒子状物質を燃焼させる際にNO も同時に燃焼させることができる。
本発明によれば、集塵領域の上流側にプラズマ放電領域が形成され、このプラズマ放電領域で排ガス中のN0をNO に変換するので、排ガスが燃焼し易くなり、この分加熱部の加熱温度を低下させることができる。
本発明に係る電気集塵装置を舶用ディーゼルエンジン排ガス処理装置に適用した場合の一実施形態を示すシステム構成図である。 電気集塵装置の第1の実施形態を示す全体構成図である。 電気集塵装置の帯電部及び集塵部を模式的に示す図である。 図3の接地電極の平面図及びそのA−A線上の断面図である。 本発明の第2の実施形態を示す複数の集塵部の模式図である。 集塵部の具体的構成を示す拡大断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の第1の実施形態を示す全体構成図である。
図中、1は例えば総トン数が数千トン以上の比較的大きな船舶である。この船舶1には、スクリュープロペラ等の推進機2を回転駆動する主機用ディーゼルエンジンや、船内の電源等を賄う補機用ディーゼルエンジンなどの舶用ディーゼルエンジン3を備えている。
この舶用ディーゼルエンジン3からは、燃料の燃焼による排ガスが排出される。この排ガスには、前述したように、窒素酸化物(N0x)、硫黄酸化物(SOx)、炭素を主成分とする粒子状物質(PM)が含有されている。
この舶用ディーゼルエンジン3から排出される排ガスは、先ず、配管4を介してSCR脱硝装置5に供給される。このSCR脱硝装置5は、排気ガス通路に設けたチタン・バナジウム系の脱硝触媒に還元剤となるアンモニアを供給することにより、排ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)と反応させて水と窒素とに分解するアンモニア選択接触還元法(SCR法)が適用されている。そして、触媒に供給するアンモニアは、尿素タンク6に貯留された尿素水を空気と混合させた尿素水などの液状還元剤を噴射ノズル5aから噴射し、尿素を分解することにより生成する。
このSCR脱硝装置5から出力される窒素酸化物(NOx)を除去した排ガスは、電気集塵装置7に供給され、この電気集塵装置7で、排ガス中に含まれる炭素を主成分とする粒子径が100μm以下の粒子状物質(PM)を除去する。この電気集塵装置7から排出される粒子状物質を除去した排ガスは、熱交換を行うエコノマイザ8を介して海水スクラバ9に供給され、この海水スクラバ9で排ガスに海水を噴霧して排ガス中に含まれる窒素酸化物(SOx)を除去してからサイレンサ10Aを介して煙突10Bから大気に放出される。ここで、海水スクラバ9は汲み上げた海水を循環使用することが好ましい。
電気集塵装置7は、ディーゼルエンジン3の排気ガス中に含まれる炭素を主成分とする粒子径が100μm以下の粒子状物質(PM:Particulate Matter)、特に粒子径が10μm以下の浮遊粒子状物質(SPM:Suspended Particulate Matter)を集可能な電気集塵装置である。
この電気集塵装置7は、図1に示すように、電気集塵装置本体7Aと、この電気集塵装置本体7Aに供給する高電圧又は電流を制御する集塵制御部7Bとで構成されている。
電気集塵装置本体7Aは、図2に示すように、筐体11内に、舶用ディーゼルエンジン3から供給される粒子状物質含有ガスを導入して粒子状物質を帯電する帯電機構12と、この帯電機構12の下流側に連接して帯電した粒子状物質を集塵する集塵機構13とで構成されている。
帯電機構12は、ディーゼルエンジン3から排出される排ガスの流れ方向に沿って配置された排ガス流れ方向に比較的長さが長く設定された平板状の接地電極14aと、この接地電極14aより排ガス流れ方向の長さが短い高圧電極14bとで構成される放電部14が排ガス流れ方向と直交する上下方向に所定間隔を保って複数組例えば9組配置され、最下部の高圧電極14bの下側に対向して接地電極14aが配置されている。ここで、高圧電極14bは、排ガス流れ方向に沿う一本の断面円形の中心導体の外周面に半径方向に延長する例えば4本の針状電極を等間隔に形成した構成を有する電極線が図でみて紙面と直交する方向に所定間隔を保って複数本平行配置されている。
各帯電機構12の高圧電極14b及び接地電極14a間には、例えば−9kVの直流高電圧を供給し、高圧電極14bで負のコロナ放電を行わせて、排ガス中に含まれる粒子状物質を帯電させる。
集塵機構13は、比較的厚い平板状の接地電極15と、この接地電極15に対して上下方向に所定距離離間して配置された高圧電極16とで構成される集塵部17が排ガス流れ方向と直交する上下方向に所定間隔を保って複数組例えば9組並列配置された構成を有する。
接地電極15は、図4(b)に示すように、例えばステンレス鋼板で形成された一対の平板状電極板15a及び15b間にそれぞれ例えばマイカで形成された板状の絶縁体15c及び15dを介して加熱部としてのヒータを構成するニクロム線15eを挟持した構成とされている。ここで、ニクロム線15aは、図4(に示すように、一対の平板状電極板15a及び15bの排ガス流れ方向の下流側の隅部から一対の平板状電極板15a及び15b間に入り排ガス流れ方向の上流側に向かって配線され、その上流端からUターンして配線されてから排ガス流れ方向の下流側に向かって配線され、次いで、下流側端からUターンして配線され、さらに排ガス流れ方向の上流側に向かって配線され、その後上流端でUターンして配線されてから排ガス流れ方向の下流側に配線されることを繰り返し、最後端側の配線から入口に戻るように配線されている。
このニクロム線15eには、例えば100Vの商用交流が供給されて、一対の平板状電極板15a及び15bを例えば600℃に加熱して、接地電極15に集された粒子状物質を燃焼除去する。
一方、高圧電極16は、接地電極15と同じ大きさで所定距離を保って平行に配置された接地電極15に比較して厚みの薄い平板電極板で構成されている。この平板電極板には集塵効率を向上させるために多数の開口を設けることが好ましい。この高圧電極16と接地電極15との間には、例えば−7.5kVの直流高電圧を印加している。このとき、平板電極板に多数の開口を設けることにより、平板状の接地電極15との間電界が均一電界とならず、高電界と低電界とが分布する不平等電界部となり、高電界となる部分でナノメータクラスの超微細粒子状物質を接地電極15に効率よく集させることができる。
また、各集塵部17のニクロム線15eの通電は、加熱制御部18によって通電制御される。この加熱制御部18は、例えば上部側の集塵部17から下部側の集塵部17に時分割で100Vの交流電力を通電し、最下段の集塵部17のニクロム線15eへの通電が完了して通電サイクルが終了すると最上段の集塵部17のニクロム線15eへの通電を開始して、次の通電サイクルに移行する。ここで、ニクロム線15eへの通電時間は、1の通電サイクルからその次通電サイクルまでの間に接地電極15の平板状電極板15a及び15bに集される粒子状物質を完全に燃焼可能な通電時間に設定されている。したがって、加熱制御部18は、1回の通電サイクルにおける全ての集塵部17のニクロム線15eへの通電時間の合計が予め設定された全ての集塵部17を通電するサイクルタイム以下であるときには、全ての集塵部17のニクロム線15eを1台の加熱制御部18で制御する。しかしながら、全ての集塵部17のニクロム線15eへの通電時間の合計が予め設定されたサイクルタイムを超える場合には、加熱制御部18を複数設置して管理可能な集塵部のニクロム線15eの数を制限する。
次に、上記実施形態の動作を説明する。
舶用ディーゼルエンジン3から排気される排ガスは、まず、SCR脱硝装置5に供給し、このSCR脱硝装置5で排ガスに尿素水に空気を混合して噴射することにより、窒素酸化物(NOx)を除去する。
次いで、窒素酸化物(NOx)を除去した排ガスを電気集塵装置7に供給し、この電気集塵装置7の電気集塵装置本体7Aで排ガス中に含まれる粒子状物質(PM)を除去する。
いで、粒子状物質が除去された排ガスは、エコノマイザ8で熱交換されてから海水スクラバ9に供給されて窒素酸化物SOxが除去されて清浄化され、サイレンサ10Aa及び煙突10Bを介して大気に放出される。
このとき、電気集塵装置7では、先ず、舶用ディーゼルエンジン3から排出される排ガスが帯電機構12に供給される。この帯電機構12では、排ガス流れ方向と平行に接地電極14a及び放電電極14bが配置されている。したがって、隣接する接地電極14a間の放電電極14bを配置した空間を排ガスが流れることにより、前述した従来例のように流路抵抗が大きくなることなく排ガスを流すことができる。
そして、帯電機構12を流れる排ガスに含まれる粒子状物質は、マイナスコロナ放電によって発生されたマイナスイオンにより帯電されて集塵機構13に送られる。この集塵機構13では、上下方向に集塵部17が並列配置され、隣接する接地電極15及び高圧電極16間の空間を排ガスが流れることにより、前述した従来例のように流路抵抗が大きくなることなく排ガスを流すことができる。
そして、集塵部17を流れる排ガス中の帯電された粒子状物質は、接地電極15及び高圧電極16間に供給される直流の高電圧によって、静電界を形成し、接地電極15が帯電機構12で帯電された粒子状物質をクーロン力により吸引して集する。
このとき、各集塵部17のニクロム線15eには、加熱制御部18によって時分割されて時間順次に通電が制御される。したがって、例えば、最上部の集塵部17のニクロム線15eに通電されることにより、一対の平板電極板15a及び15bが例えば600℃に加熱されて集された粒子状物質が燃焼除去される。
その後、最上部の集塵部17の接地電極145に捕集された粒子状物質が燃焼除去されるに十分な通電時間が経過すると、加熱制御部18によって、最上部の集塵部17のニクロム線15eに対する通電が停止され、次いで、その下段側の集塵部17のニクロム線15eに対する通電が開始されて、この集塵部17の接地電極15に集された粒子状物質が燃焼除去される。
その後、加熱制御部18によって、順次下段側の集塵部17のニクロム線15eへの通電が制御されて、接地電極15に集された粒子状物質が燃焼除去される。
そして、最下段の集塵部17のニクロム線15eへの通電が完了すると、加熱制御部18は、次の通電サイクルの開始時間となるまで待機し、通電サイクルの開始時間となると、上記と同様に最上段の集塵部17のニクロム線15eから順次通電を開始する。
このように、上記第1の実施形態によると、帯電機構12と集塵機構13とのそれぞれで、接地電極14a及び高圧電極14bと接地電極15及び高圧電極16とが排ガス流れ方向と平行に配置されているので、排ガスの流路抵抗を前述した従来例に比較して小さくすることができる。
また、集塵機構13の帯電された粒子状物質を集する接地電極15内に、ニクロム線15eで構成される加熱部が配置されており、このニクロム線15eによって一対の平板状電極板15a及び15bが直接加熱される。このため、接地電極15を構成し、表面に粒子状物質を集する一対の平板状電極板15a及び15bを効率よく加熱することができ、集した粒子状物質を確実に燃焼除去することができる。
しかも、集塵機構13で排ガス流れ方向と直交する方向に並列配置された各集塵部のニクロム線15eが加熱制御部18によって時間順次に通電制御されるので、一回の通電に使用される電力量は一つの集塵部17のニクロム線15eだけである。このため、全ての集塵部17のニクロム線15eを同時に通電する場合に比較して通電電力量を大幅に削減することができる。特に、船舶では、使用可能な電力量が限られているので、省電力化が要望されており、この要望に十分に応えることができる。
また、接地電極15に集された粒子状物質を焼却除去するために、接地電極15内にニクロム線15eによるヒータを設けるだけでよく、全体の構成を小型化することができる。また、排ガスの通流中でも粒子状物質の焼却除去を確実に行うことができる。
また、粒子状物質が燃焼除去されることにより、集塵部17にダストが残留することがないので、集塵部17の清掃を行う必要がなくランニングコストを低減することができる。
次に、本発明の第2の実施形態を図5及び図6について説明する。
この第2の実施形態では、帯電機構12を省略して集塵機構13で帯電及び集塵を同時に行うようにしたものである。
すなわち、第2の実施形態においては、集塵機構13が、図5に示すように、前述した帯電機構12の高圧電極14bと同一の排ガス流れ方向と直交する前後方向に平行配置された複数の高圧電極21と接地電極22とで構成される集塵部23が排ガス流れ方向と直交する上下方向に複数例えば9段並列配置されている。
高圧電極21は、排ガス通流方向の長さが接地電極22の例えば1/3以下に分割された3つの分割体21、21及び21で構成されている。
接地電極22は、図6に拡大図示するように、高圧電極22と対向する面に多数の開口24を形成したケーシング電極25と、このケーシング電極25内に配置された接地電極部26とで構成されている。ここで、ケーシング電極25に形成された開口24は例えばパンチングメタルを適用することにより形成されている。
接地電極部26は、前述した第1の実施形態の接地電極15と同一の構成を有し、図4に示すように、一対の平板状電極板15a及び15bと、これら平板状電極板15a及び15b間に例えばマイカで形成される絶縁板15c及び15dを介して配置されたニクロム線15eとで構成されている。そして、ニクロム線15eが第1の実施形態と同様に加熱制御部18によって集塵部23毎に時間順次に通電される。
次に、上記第2の実施形態の動作を説明する。
舶用ディーゼルエンジン3から排出される粒子状物質含有排ガスは、排ガス通流方向と直交する上下方向に並列配置された集塵部23を通過する際に、粒子状物質が高圧電極21で発生されるコロナ放電によって帯電され、帯電された粒子状物質がクーロン力によってケーシング電極25の開口24を通じてケーシング電極25内の集空間23に移動し、この集空間23に配置された接地電極部26及びケーシング電極25の内周面に付着集される。
そして、接地電極部26内にはニクロム線15eが配置されており、このニクロム線15eへの通電が加熱制御部18で制御される。このため、接地電極部26及びケーシング電極25内に所定量の粒子状物質が集された時点で加熱制御部18によって、ニクロム線15eに通電されて、ニクロム線15eが発熱し、一対の平板状電極板15a及び15bが例えば600℃程度に加熱される。したがって、平板状電極板15a及び15bの表面に集された粒子状物質が燃焼除去される。これと同時に、平板状電極15a及び15bに近接対向するケーシング電極25の内周面に集された粒子状物質も燃焼除去される。
このように、第2の実施形態によると、上記第1の実施形態と同様の効果を得ることができる他、電気集塵装置7に集塵部23を設けるだけでよく、電気集塵装置の構成を簡略化することができるとともに、小型化することができる。
また、高圧電極2で発生するコロナ放電によって帯電された粒子状物質をケーシング電極25の開口24を通じてケーシング電極25内の集空間で集するので、集した粒子状物質がケーシング電極25外を流れる排ガスの影響を殆ど受けず、再飛散を確実に防止することができる。このため、接地電極部26に内装されたニクロム線15eの通電周期を長くすることができる。しかも、加熱された平板状電極板15a及び15bに直接排ガスが接触することがなく、排ガスによって発熱が奪われることを防止することができ、粒子状物質の燃焼時間を短縮することができる。
なお、上記第1及び第2の実施形態では、電気集塵装置7の上流側にSCR脱硝装置5を配置しているので、このSCR脱硝装置5で窒素酸化物(NOx)を除去することができるが、このSCR脱硝装置5を電気集塵装置7の下流側に設置することができる。
このようにSCR脱硝装置5を電気集塵装置7の下流側に設置する場合には、電気集塵装置7の上流側にプラズマ放電空間を設け、このプラズマ放電空間で、排ガス中に含まれるNOをNOに変換することができる。このようにNOをNOに変換することにより、排ガス中のNOが増加し、粒子状物質を燃焼させる際にNOも同時に燃焼させることができ、この分粒子状物質の燃焼温度が高くなるので、ヒータの加熱温度を200℃〜500℃に低下させることができる。
また、上記第1及び第2の実施形態では、加熱部としてニクロム線によるヒータを適用する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、通電によって加熱する形式であれば任意のヒータを加熱部として適用することができる。
また、上記第1及び第2の実施形態においては、集塵部17及び23の設置個数を9個とした場合について説明したが、これに限定されるものではなく、排ガス流量に応じて任意個数の集塵部を設けることができる。
1…船舶、2…スクリュープロペラ、3…舶用ディーゼルエンジン、4…配管、5…SCR脱硝装置、6…尿素タンク、7…電気集塵装置、7A…電気集塵装置本体、7B…集塵制御部、8…エコノマイザ、9…海水スクラバ、11…筐体、12…帯電機構、13…集塵機構、14a…接地電極、14b…高圧電極、15…接地電極、15a,15b…平板状電極板、15c,15d…絶縁板、15e…ニクロム線、16…高圧電極、17…集塵部、21…高圧電極、22…接地電極、23…集塵部、24…開口、25…ケーシング電極、26…接地電極部

Claims (7)

  1. ディーゼルエンジンの燃焼による排ガス中の粒子状物質を捕集する電気集塵装置であって、
    前記粒子状物質及びNOを含む排ガス流路に前記NOをNOに変換するプラズマ放電領域と、前記プラズマ放電領域の下流側に前記粒子状物質を帯電させ集塵する集塵領域とを備え、
    前記集塵領域には、平板状の高圧電極及び当該高圧電極と離間して配置された平板状の接地電極で形成される集塵部が排ガス流れ方向と直交する方向に複数並列配置され、前記接地電極内に当該接地電極で捕集した前記粒子状物質を加熱燃焼させる加熱部が配置され
    前記集塵領域の加熱部に対して電力を供給する加熱制御部を備えていることを特徴とする電気集塵装置。
  2. 前記接地電極は、前記高圧電極との対向面に多数の開口を形成したケーシング電極と、該ケーシング電極内に配置された前記加熱部を内蔵する接地電極部とで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電気集塵装置。
  3. 前記高圧電極は、排ガス流れ方向の長さが前記接地電極の長さ以下に分割された分割体で構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の電気集塵装置。
  4. 前記加熱部は、ヒータの加熱温度が200℃〜500℃に制御されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の電気集塵装置。
  5. 前記集塵領域の下流に脱硝装置を備えていることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の電気集塵装置。
  6. 前記接地電極は、一対の平板状電極板と、該一対の平板状電極板間に絶縁配置された前記加熱部とで構成されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の電気集塵装置。
  7. 前記高圧電極と前記接地電極と前記加熱部は、前記集塵領域に複数設けられ、複数の前記加熱部に対して時間順次に電力を供給することを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の電気集塵装置。
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