JP6027881B2 - 無電解ニッケルりんめっき液の再生方法及び再生装置 - Google Patents

無電解ニッケルりんめっき液の再生方法及び再生装置 Download PDF

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Description

本発明は、無電解ニッケルりんめっき液の排液から、この排液に含有されるニッケル、次亜りん酸及び水などの有効成分を回収し、回収された有効成分を用いてめっき液を再生する無電解ニッケルりんめっき液の再生方法及び再生装置に関する。
無電解ニッケルりんめっきは、次亜りん酸塩(例えば、次亜りん酸ナトリウム)を還元剤としてニッケルイオンを還元し、金属やプラスチックなどの被処理物の表面を金属ニッケルで被覆するめっき方法である。この無電解ニッケルりんめっきは、電導性を持たないプラスチックやガラス・セラミックスなどの被処理物に対してもめっき膜の成膜が可能となるため、さまざまな分野で用いられている。
ところで、無電解ニッケルりんめっきでは、硫酸ニッケルと次亜りん酸塩とを主成分として、これらに錯化剤、光沢剤、安定剤、またはpH調整剤として作用するさまざまな種類の有機酸を加えた無電解ニッケルりんめっき液(以降、単に「めっき液」という)が用いられている。このようなめっき液を用いてめっきを行うと、めっき液の使用量(処理量)が嵩むにつれてニッケルイオンと次亜りん酸イオンとが化学反応で消費され、その代わりに亜りん酸イオンなどの副産物が生成する。
一般に、めっき液に主成分として含まれるニッケルイオンや次亜りん酸イオンについては、濃度の低下分に合わせて硫酸ニッケルや次亜りん酸塩が新たに補充されるため、めっき液中でこれらの濃度はほぼ一定である。しかし、副産物である亜りん酸塩や硫酸ナトリウムはめっき液中から除去されず徐々に蓄積されるため、これらの副産物の蓄積量が予め定められた許容量を超えると、pH調整剤などを用いてpH調整を行ってもめっき液は最適なpH値を維持することができなくなり、成膜を安定して行うことができなくなる。このようにめっき液を用いてこれ以上めっきが行えなくなった場合を「めっき液が老化(または劣化)した」と言い、その場合はめっき液を新たなものに交換しなくてはならない。
また、めっき液は使用量が大きくなると、硫酸ニッケルなどの薬剤に不純物として含まれるビスマス、鉛、スズなどの不純物イオンがめっき液中に蓄積される。これらの不純物イオンは、いわゆる触媒毒として作用する物質であり、ニッケルの表面にめっき膜が連続的に且つ安定して成膜されることを阻害する。それゆえ、これらの不純物イオンのめっき液中での濃度が許容濃度を超えても、成膜を安定して行うことができなくなる。そこで、このような不純物イオンについても、あらかじめ定められた許容濃度を超えた場合に、めっき液を新たなものに交換する必要がある。
ところで、上述したような理由により新たなめっき液をめっき槽に入れる場合は、使用済みのめっき液を廃棄するのが一般的である。廃棄されるめっき液の排液には、ニッケルだけでなく、鉛、ビスマス、スズなどといった重金属イオン、COD(化学的酸素要求量)を大きくする原因ともなる次亜りん酸イオン、亜りん酸イオン、有機酸などが含まれている。このような排液に含まれる成分はそのままでは他の用途に使用できず、嘗てはその殆どが海洋投棄や埋め立て処分されてきた。
特に、1996年のロンドンダンピング条約により海洋投棄が禁止されて以降は、上述した排液の処分は陸上での埋め立て処分に全面的に依存しており、産業廃棄物の処分場の確保などの課題が年々深刻化しているのが現状である。
そこで、特許文献1〜特許文献3には、上述しためっき液の排液に含まれる亜りん酸イオンに対して、酸化剤を用いて化学的に酸化させたり電極間で電解酸化させたりして、りん酸イオンをりん酸カルシウムの状態で回収する方法が提案されている。
特開平09−99288号公報 特開平06−99178号公報 特開平06−145995号公報
ところで、特許文献1〜特許文献3の方法は、上述しためっき液の排液に含まれる成分の中でも、次亜りん酸塩や亜りん酸塩といったりんを含む成分を回収するものである。これらの成分は、COD(化学的酸素要求量)が大きく、埋め立てられたものが溶出などすると環境汚染を起こす原因となるので、りんを含む成分は可能な限り回収されるのが好ましい。
しかし、めっき液の排液の中には、りんを含む成分以外にも、鉛、ビスマス、スズといった廃棄や排水を行う際に厳しい規制が設けられているものや、上述の方法では分離ができない有機酸などが含まれており、これらの成分は特許文献1〜特許文献3の方法では全く取り除くことができない。
また、排液に含まれるニッケルやりんはめっき膜を構成する主成分となる物質であり、そのまま廃棄してしまうことは資源を有効活用する上で好ましいことではない。つまり、無電解ニッケルりんめっき液の排液に含まれる成分については、廃棄するよりは、回収して再びめっき液に再利用する方が、資源を有効活用する上では好ましい。
さらに、水資源が日本ほど豊富でない外国では、水も資源として回収したいという要望が高い。特許文献1〜特許文献3の方法は、このような要望に対していずれも応えられるものではない。
本発明は、上述した問題点を鑑みて為されたものであり、めっき液の排液を、水を含めた複数の成分に分離し、分離する際に不純物などの不要な成分を除去し、各成分を再びめっき液として再生させることができる無電解ニッケルりんめっき液の再生方法及び再生装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は以下の技術的手段を講じた。
すなわち、本発明に係る無電解ニッケルりんめっき液の再生方法は、硫酸ニッケルと次亜りん酸塩とが含まれた無電解ニッケルりんめっき液を用いてめっきを行うめっき工程と、前記めっき工程で使用された無電解ニッケルりんめっき液のめっき排液を、水分子と水分子よりより大きな粒子とを分離可能なR.Oメンブランに透過させることにより、前記めっき排液をR.Oメンブランで保留された濃縮排液とR.Oメンブランを透過した純水とに分離する純水回収工程と、前記純水回収工程においてR.Oメンブランで保留された濃縮排液を、R.Oメンブランより孔径が大きなNFメンブランに透過させることにより、前記濃縮排液から硫酸ニッケルが含まれた硫酸ニッケル排液を分離する硫酸ニッケル分離工程と、前記硫酸ニッケル分離工程においてNFメンブランで分離された硫酸ニッケル排液を、ビスマス、鉛またはスズに対して選択性を有するカチオン交換樹脂に通過させることで、前記硫酸ニッケル排液の不純物イオンであるビスマス、鉛又はスズのイオンを除去する金属不純物イオン除去工程と、前記金属不純物イオン除去工程において不純物が除去された硫酸ニッケル排液、及び前記純水回収工程で回収された純水から、前記めっき工程に用いられる無電解ニッケルりんめっき液の硫酸ニッケルを得る建浴工程と、を備えていて、前記めっき排液から純水を回収する複数のR.Oメンブランと、複数のR.Oメンブランのそれぞれにめっき排液を循環させる循環回収系統と、それぞれのR.Oメンブランに捕集された成分を洗浄して保留液として回収する洗浄ラインと、を設けておき、前記洗浄ラインを経由して回収された保留液を前記濃縮排液として硫酸ニッケル分離工程に送ることを特徴とする。
例えば、一般にめっき槽から廃棄される濃厚なめっき排液から有効成分や水を取り出す際には、目が粗いフィルタ(メンブラン)から目が細かいフィルタ、目が細かいフィルタから目がさらに微細なフィルタというように、フィルタの目を徐々に小さくしながら各成分を回収し、最後に純水を回収する。このようにする方が、フィルタの目を詰まらせることなく、フィルタ交換までの時間を稼ぎつつ濾過を行うことが可能となるからである。
しかし、めっき処理が終了した被処理品を水洗した水洗水のように有効成分の濃度が低いめっき排液(希薄なめっき排液)を含む場合は、めっき排液の濃度が低くなり、排液の量も非常に多くなる。めっき排液の再生に用いられるフィルタの目は非常に細かいので、個々のフィルタを通過させるのに膨大な時間が必要となり、排液から有効成分や水を取り出す処理の効率が著しく悪化する。
そこで、本発明者は、めっき排液をこのめっき排液が濃縮された濃縮排液と純水とに分
離する純水回収工程を最初に行うことで、めっき排液を濃縮排液に濃縮し、濃縮することで量が減じた濃縮排液に対してニッケルの回収や不純物の除去を行った方が、めっき排液を再生する際の処理効率がトータルで格段に向上することを見出して、本発明を完成させたのである。
つまり、上述したように最初に純水回収工程を設けて、めっき排液から純水を回収しようとすると、純水の分離に用いられるR.Oメンブランがすぐに目詰まりして、純水の回収が継続して行えなくなる。このような場合は、上述したようにR.Oメンブランを複数設けておいて、目詰まりしたR.Oメンブランを洗浄ラインを用いて洗浄すれば、R.Oメンブランの目詰まりを短時間で回復させて、R.Oメンブランに捕集された成分を濃縮排液として回収し続けることができる。
なお、好ましくは、前記硫酸ニッケル分離工程においてNFメンブランにより分離されたもののうち、前記NFメンブランを透過したNFメンブラン透過液を、カチオン透過膜を介して直流電圧が印加された電気イオン透析装置の陽極セルへ投入し、カチオン透過膜を介して陽極セル側から陰極セル側にナトリウムイオンを電気泳動させると共に、前記NFメンブラン透過液に含まれる次亜りん酸イオン及び/又は亜りん酸イオンを陽極セル側で酸化させてりん酸イオンに変化させる電気イオン透析工程と、前記電気イオン透析工程で酸化されたりん酸イオンを、カルシウムを用いた中和剤に作用させて、前記NFメンブラン透過液に含まれる次亜りん酸イオン及び/又は亜りん酸イオンをすべてりん酸カルシウムとして回収するりん酸回収工程と、をさらに備えているとよい。
なお、好ましくは、前記建浴工程は、前記りん酸回収工程において回収されたりん酸カルシウムからりん酸を分離し、分離されたりん酸を還元して次亜りん酸塩とし、得られた次亜りん酸塩を前記めっき工程に用いられる無電解ニッケルりんめっき液の建浴に用いるとよい。
一方、本発明に係る無電解ニッケルりんめっき液の再生装置は、硫酸ニッケルと次亜りん酸塩とが含まれた無電解ニッケルりんめっき液を用いためっきラインに設けられて、当該めっきラインから排出されるめっき排液を再生する無電解ニッケルりんめっき液の再生装置であって、水分子と水分子よりより大きな粒子とを分離可能に形成されると共に前記めっき排液を取り込んで濃縮排液と純水とに分離するR.Oメンブランユニットと、前記R.Oメンブランより孔径が大きく、且つ、R.Oメンブランユニットで分離された濃縮排液から硫酸ニッケルが含まれた硫酸ニッケル排液を分離するNFメンブランユニットと、前記NFメンブランユニットで分離された硫酸ニッケル排液を取り込んで、当該硫酸ニッケル排液の不純物イオンであるビスマス、鉛又はスズのイオンを除去するカチオン交換樹脂を備えた金属不純物除去ユニットと、前記金属不純物除去ユニットにおいて不純物が
除去された硫酸ニッケル排液、及び/又は前記純水回収工程で回収された純水を用いて、前記めっき工程に用いられる無電解ニッケルりんめっき液を建浴していて、前記R.Oメンブランユニットは、前記めっき排液から純水を回収する複数のR.Oメンブランと、複数のR.Oメンブランのそれぞれにめっき排液を循環させる循環回収系統と、複数のR.Oメンブランのそれぞれで捕集された保留液を前記濃縮排液として回収する洗浄ラインと、を備えていることを特徴とする。
なお、好ましくは、前記NFメンブランユニットは、前記濃縮排液を、前記硫酸ニッケル排液とNFメンブラン透過液とに分離する構成とされているのが良い。更に、再生装置には、前記NFメンブラン透過液に含まれるナトリウムイオンを選択的に透過すると共に膜間に電位が印加されたカチオン透過膜と、このカチオン透過膜を透過せずに残った前記NFメンブラン透過液中の次亜りん酸イオン及び亜りん酸イオンを酸化する陽極セルと、前記カチオン透過膜を透過したナトリウムイオンを貯留する陰極セルとを備えた電気イオン透析ユニットと、前記電気イオン透析ユニットで酸化されたりん酸イオンに、カルシウムを用いた中和剤に作用させて、前記NFメンブラン透過液に含まれる次亜りん酸イオン及び/又は亜りん酸イオンをすべてりん酸カルシウムとして回収するりん酸回収ユニット
と、をさらに備えているとよい。
本発明に係る無電解ニッケルりんめっき液の再生方法及び再生装置によれば、めっき液の排液を水を含めた複数の成分に分離し、分離する際に不純物などの不要な成分を除去し、各成分を再びめっき液として再生させることができる。
本発明の無電解ニッケルりんめっき液の再生装置のうち、R.Oメンブランユニットの平面レイアウトを示した図である。 本発明の無電解ニッケルりんめっき液の再生装置のうち、R.Oメンブランユニット以外の部分を側方から見た側面図である。 本発明の無電解ニッケルりんめっき液の再生方法を構成する工程を示す図である。
[第1実施形態]
以下に、本発明の無電解ニッケルりんめっき液の再生方法及び再生装置1に係る第1実施形態を図を基に説明する。
第1実施形態の再生方法及び再生装置1は、無電解ニッケルりんめっきに用いられためっき液の再生に関するものである。より具体的には、第1実施形態の再生方法及び再生装置1は、予め定められた使用量だけめっきに使用することにより老化しためっき液を建浴直後の状態に戻すものであり、これ以上はめっき処理ができなくなっためっき液を再びめっきが可能なように再生するものである。
つまり、無電解ニッケルりんめっきは、次亜りん酸ナトリウム(次亜りん酸塩)を還元剤として、めっきの成膜材料である硫酸ニッケル、さらには錯化剤、光沢剤、安定剤及び/又はpH緩衝剤として複数種の有機酸(例えば、クエン酸、乳酸、りんゴ酸、コハク酸、酒石酸、酢酸、グリシンまたはこれらの塩など)を備えている。無電解ニッケルりんめっきでは、次亜りん酸ナトリウムの還元作用により、ニッケルイオンが金属ニッケルとして自己触媒析出を起こしてめっき膜(ニッケルとりんとの合金皮膜)が被処理品の表面に成膜される。このとき、次亜りん酸イオンは酸化されて亜りん酸イオンやりん酸イオン(オルトりん酸イオン)になる。つまり、めっきの成膜が進むと、めっき液中には副産物である亜りん酸イオンやオルトりん酸イオンが徐々に蓄積する。また、硫酸ニッケルのうち、ニッケルイオンがめっき膜の成膜に消費されると、残った硫酸イオンが硫酸ナトリウムとしてめっき液中に蓄積される。このようにして亜りん酸ナトリウム、オルトりん酸ナトリウム及び硫酸ナトリウムのめっき液中での濃度が所定の範囲を超えると、例えばpH緩衝剤を用いてもpHをめっきに適した範囲に調整することが困難になってめっきの成膜を継続することが不可能になる。
また、硫酸ニッケルなどの薬剤には不純物としてビスマス、鉛、スズなどの金属塩が含まれており、被処理物によっては鉄や亜鉛などの金属がめっき液に混入する場合もある。これらの不純物イオンは、触媒毒として作用してニッケル上での成膜反応を阻害するといった問題を起こすため、これらの不純物イオンがめっき液中で所定の濃度範囲を超えるまで蓄積されても、めっきの成膜が安定して行えなくなる。
本発明の再生方法及び再生装置1は、このようにめっきの成膜が困難になっためっき液、又は成膜は可能であっても老化が進んだめっき液(以降、これらのめっき液を「めっき液の排液」または単に「めっき排液」という)を、再びめっきに使用できるように再生するものである。
なお、上述した無電解ニッケルりんめっきのめっき液には、使用する酸性度に応じて2つの種類が用いられる。1つはpH4.5〜5.2の酸性浴であり、70〜100℃の高温で使用され、成膜速度が2〜3μm/minと速い。また、もう一つはpH6.5〜7.5の中性浴であり、40〜60℃の低温で使用され、成膜速度が1.0〜1.5μm/minと遅い。本発明の再生方法及び再生装置1は、酸性浴に用いられるめっき液の排液に対しても、中性浴に用いられるめっき液の排液に対しても、どちらにも用いることができる。
具体的には、本発明のめっき液の再生装置1は、R.Oメンブランユニット2、NFメンブランユニット3、金属不純物除去ユニット4の3つのユニットを備えている。また、第1実施形態のめっき液の再生装置1は、上述した3つのユニットに加えて、さらに電気イオン透析ユニット5とりん酸回収ユニット6との2つのユニットを備えていても良い。
次に、第1実施形態のめっき液の再生装置1を構成する5つのユニットについて詳しく説明する。
図1は、第1実施形態の本実施形態による無電解ニッケルりんめっき液の再生装置1を図示したものであり、再生装置1の中でもR.Oメンブランユニット2のレイアウトを平面的に示したものである。
図1に示すように、R.Oメンブランユニット2は、めっき液が貯留されためっき槽(図示略)に対して配管を介して連結されており、めっき槽のめっき排液を取り込んで濃縮排液と純水とに分離する構成となっている。具体的には、R.Oメンブランユニット2は、めっき槽から取り込まれためっき排液を貯留する排液貯槽7と、排液貯槽7に貯留されためっき排液から異物(有機固形粒子や塩素)を除去する異物除去回路8と、排液貯槽7のめっき排液から純水を分離して回収するR.Oメンブランを備えた第1の循環回収系統9及び第2の循環回収系統10と、それぞれの循環回収系統9、10のR.Oメンブランに捕集された成分を洗浄して保留液として回収する洗浄ライン11とで構成されている。これらの第1の循環回収系統9及び第2の循環回収系統10は、孔径が0.3nm〜1nm、好ましくは0.6nm〜0.8nmとされたR.Oメンブラン(逆浸透膜)をそれぞれ有しており、めっき排液を循環させつつ濃縮排液と純水とに分離できるようになっている。
排液貯槽7は、めっき槽から送られてきためっき排液を貯留すると共に、純水に浄化する槽である。排液貯槽7は、取り込まれためっき排液を最初に貯留するA槽12と、A槽12から図示を省略する槽下部流路を通じてめっき排液が流れ込んでいるB槽13と、B槽13でオーバーフローしためっき排液を貯留するオーバーフロー槽14とを有している。
排液貯槽7のA槽12には、A槽12に貯留されためっき排液から異物を取り除く異物除去回路8が設けられている。この異物除去回路8は、A槽12に貯留されためっき排液を炭素繊維フィルタ16に送る入側配管15と、入側配管15を通じて送られてきためっき排液から異物を除去する炭素繊維フィルタ16と、炭素繊維フィルタ16で異物が除去されためっき排液をA槽12に戻す出側配管17とが設けられている。また、異物除去回路8の入側配管15には、A槽12のめっき排液を炭素繊維フィルタ16側に圧送するポンプ18が設けられている。さらに、炭素繊維フィルタ16は、炭素繊維を用いて多孔状に形成されたフィルタであり、めっき排液に含まれるめっき滓やゴミ(有機固形物)などの異物、あるいは塩素ガスの気泡を除去できるようになっている。このようにして異物除去回路8を循環しつつ異物が除去されためっき排液は、A槽12の下側に設けられた槽下部流路を通じて排液貯槽7のB槽13に送られる。
排液貯槽7のB槽13には、このB槽13に貯留されためっき排液を純水と濃縮排液とに分離する第1の循環回収系統9及び第2の循環回収系統10が設けられている。これらの第1の循環回収系統9及び第2の循環回収系統10は、いずれもB槽13の下側に形成された流入口(後述する第1流入口及び第2流入口)からめっき排液を取り込み、R.Oメンブランで清浄化された透過液(純水)をB槽13の上部に設けられた流出口22から戻すことができるようになっている。なお、第1の循環回収系統9及び第2の循環回収系統10については後ほど詳しく説明する。
オーバーフロー槽14は、第1の循環回収系統9及び第2の循環回収系統10を通過することで、有効成分が取り除かれためっき排液を純水として取り出す槽である。この純水はB槽13に貯留されためっき排液の中でも上澄みの部分であり、上澄みだけを汲み出すことができるようにオーバーフロー槽14はB槽13の上部に隣接して配備されている。このオーバーフロー槽14に汲み出された純水は、後述する建浴工程に送られてめっき液の再建浴に用いられたり、めっき後に被処理物を洗浄する際の水洗水などとして用いられ
る。
なお、R.Oメンブランユニット2で回収される純水は、一般に電導率が1.0〜0.1μS/cmの範囲にあるような「イオン交換水」や「蒸留水」だけではなく、例えばめっき液の建浴に用いることができる程度に清浄化された水をも含むものである。
次に、第1の循環回収系統9及び第2の循環回収系統10について詳しく説明する。
第1の循環回収系統9は、B槽13の下部に設けられた第1の流入口21から流入しためっき排液を第1R.Oメンブラン19に送り、第1R.Oメンブラン19を透過しためっき排液をB槽13の上部に設けられた流出口22からB槽13内に帰還させるものである。また、第2の循環回収系統10は、B槽13の下部に設けられた第2の流入口27からめっき排液を流入しためっき排液を第2R.Oメンブラン20に送り、第2R.Oメンブラン20を透過しためっき排液を第1R.Oメンブラン19を透過しためっき排液に合流させた上で、B槽13の上部に設けられた流出口22からB槽13内に帰還させるものである。すなわち、これら第1の循環回収系統9及び第2の循環回収系統10は、いずれも排液貯槽7のめっき排液を循環させつつ濃縮排液と純水とに分離し、分離された純水だけを排液貯槽7(B槽13)に戻す構成となっている。
具体的には、第1の循環回収系統9は、第1の流入口21と流出口22との間を結ぶ第1循環配管23を有しており、この第1循環配管23上に第1高圧ポンプ24、圧力計25、流量計26、第1R.Oメンブラン19を上流側から下流側に向かって順番に備えている。また、第2の循環回収系統10も、第2の流入口27と流出口22との間を結ぶ第2循環配管28を有しており、この第2循環配管28上に第2高圧ポンプ29、圧力計25、流量計26、第2R.Oメンブラン20を順番に備えている。これらの第1の循環回収系統9及び第2の循環回収系統10は、B槽13に対して互いに並列となるように配備されている。
上述した第1高圧ポンプ24及び第2高圧ポンプ29は、いずれもB槽13から取り込まれためっき排液を第1R.Oメンブラン19及び第2R.Oメンブラン20に圧送するものである。また、圧力計25及び流量計26は、第1循環配管23及び第2循環配管28を流通するめっき排液の圧力や流量を計測するものであり、計測された圧力や流量から第1R.Oメンブラン19及び第2R.Oメンブラン20の目詰まり状態を判断できるようになっている。
上述した第1R.Oメンブラン19及び第2R.Oメンブラン20は、いずれも筒状のケースにカートリッジ式のメンブランフィルタを収容したものであり、メンブランフィルタには0.3nm〜1nm、好ましくは0.6nm〜0.8nmの孔径を備えた細孔を多数備えた多孔質の部材が用いられる。第1R.Oメンブラン19及び第2R.Oメンブラン20は、水の分子(約0.3nm)は透過するが、水の分子より大きなニッケルイオンなどのイオンの透過を規制できるようになっている。このようなメンブランフィルタを用いれば、取り込まれためっき排液の容積の94〜95%は純水として回収され、残りの5%〜6%は濃縮排液になる。つまり、この第1R.Oメンブラン19及び第2R.Oメンブラン20は、回収しためっき排液を20倍前後に濃縮して、濃縮排液と純水とに分離する部材であると言うこともできる。
一方、第1R.Oメンブラン19及び第2R.Oメンブラン20には、B槽13に貯留されためっき排水を用いて、各メンブランに捕集されためっき水洗水に含まれる有効成分を洗い流すことにより、捕集された有効成分を保留液の状態で回収する洗浄ライン11が設けられている。この洗浄ライン11は、B槽13から送られてきためっき排液を途中で2つに分岐し、分岐した一方を第1R.Oメンブラン19に送って、第1R.Oメンブラン19に捕集された有効成分を洗浄できるようになっている。また、分岐したもう一方の洗浄ライン11は第2R.Oメンブラン20に送られ、第2R.Oメンブラン20に捕集された有効成分を洗浄できるようになっている。このようにして第1R.Oメンブラン19と第2R.Oメンブラン20とに送られためっき排水には、洗い流された有効成分が溶け込み、濃縮排液(R.Oメンブランの保留液)として濃縮排液タンク30に貯留される。
例えば、上述した第1R.Oメンブラン19を洗浄する場合であれば、第1循環配管23を流通するめっき排液の流通を一旦遮断し、上述した洗浄ライン11を通じてめっき排液を第1R.Oメンブラン19に対して濾過時とは逆向きに透過させる。そうすると、第1R.Oメンブラン19に捕集された有効成分が洗浄ライン11を通じて流れてきためっき排液に溶け込み、洗浄後のめっき排液を濃縮排液として回収することができる。
なお、R.Oメンブランユニット2に取り込まれるめっき排液には、老化(劣化)しためっき槽のめっき液以外にも、例えばめっき成膜済のワークを洗浄した際に排出されるめっき水洗水などが含まれていてもよい。これらのめっき水洗水に含まれる有効成分も回収する方が資源を有効活用する上では好ましいからである。
また、R.Oメンブランユニット2で回収される純水は、一般に電導率が1.0μS/cmまでの範囲にあるような「イオン交換水」や「蒸留水」だけではなく、例えばめっき液の建浴に用いることができる程度に清浄化された水をも含むものである。
図2は、R.Oメンブランユニット2より下流側に設けられる再生装置、すなわちR.Oメンブランユニット2以外の4つのユニット(NFメンブランユニット3、金属不純物除去ユニット4、電気イオン透析ユニット5及びりん酸回収ユニット6)を正面から見た図である。上述したR.Oメンブランユニット2の洗浄ライン11で洗浄された濃縮排液(保留液)は、図2の中央下部に配備された濃縮排液タンク30に濃縮排液として貯留される。そして、濃縮排液タンク30に貯留された濃縮排液は、第3高圧ポンプ31によりNFメンブランユニット3に送られる。
NFメンブランユニット3は、R.Oメンブランユニット2で分離された濃縮排液から硫酸ニッケルが含まれた硫酸ニッケル排液を分離するものであり、R.Oメンブランユニット2と同様に筒状のケースにカートリッジ式のメンブランフィルタを収容したものである。このNFメンブランユニット3のメンブランフィルタには孔径が1nm〜5nm、好ましくは孔径が1.8nm〜2.0nmとされた細孔が多数設けられている。NFメンブランユニット3は、濃縮排液に含まれる薬剤のうち、分子径の大きな硫酸イオンやクエン酸イオンのようなアニオン、またはニッケルイオンやビスマスイオンのような重金属のカチオンを捕集して回収している。また、NFメンブランユニット3では、これら以外の成分、すなわち次亜りん酸イオン、亜りん酸イオン、オルトりん酸イオンなどといった分子径の小さなアニオンや、水素イオンやナトリウムイオンなどといった分子径の小さなカチオンは透過し、透過液として分離される。なお、この透過液には、メンブランフィルタで濾過できなかった硫酸基が硫酸根として残留するような有機物イオンも含まれる。このようにしてNFメンブランユニット3を透過した透過液は電気イオン透析ユニット5に送られ、NFメンブランユニット3で保留(捕集)された保留液は金属不純物除去ユニット4に送られる。
金属不純物除去ユニット4は、NFメンブランユニット3で分離された硫酸ニッケル排液を取り込んで、この硫酸ニッケル排液に不純物イオンとして含まれるビスマス、鉛又はスズのイオンを除去するカチオン交換樹脂を備えている。具体的には、このカチオン交換樹脂は、カチオンの中でも、ニッケルイオン以外の金属イオンに対して選択的に吸着可能となっており、例えばビスマス、鉛、スズ、亜鉛、鉄などのカチオンを吸着して、吸着された金属のカチオンをナトリウムイオンや水素イオンなどに交換して液中に放出し、これらの重金属のカチオンを取り除くことができるようになっている。また、カチオン交換樹脂では、このようにして金属不純物除去ユニット4においてビスマス、鉛、スズ、亜鉛、鉄などのカチオンが吸着された硫酸ニッケル排液は、硫酸ナトリウムや触媒毒が取り除かれた状態となっており、めっき液の硫酸ニッケルの原液として建浴に再利用することができるようになる。それゆえ、上述したユニットを用いてめっき排液から硫酸ニッケルの原液だけを回収し、回収された原液を用いてめっき液を再建浴しても良い。
電気イオン透析ユニット5は、上述したNFメンブランユニット3において透過液として分離されたNFメンブラン透過液に含まれる次亜りん酸イオン、亜りん酸イオンをオルトりん酸イオンに酸化し、酸化後にりん酸カルシウムとしてりんを回収するものである。具体的には、電気イオン透析ユニット5は、NFメンブランユニット3から送られてきた
NFメンブラン透過液を貯留する陽極セル32と、NFメンブラン透過液に含まれるナトリウムイオンだけを選択的に透過するカチオン透過膜33と、カチオン透過膜33を透過したナトリウムイオンを貯留する陰極セル34とを備えている。これらのセル間には、言い換えればカチオン透過膜33の膜間に、20V以上、好ましくは20V〜30V程度の直流電位が印加されており、陽極セル32のナトリウムイオン(カチオン)に電位差を付与して透過膜を強制的に透過させられるようになっている。
また、上述した陽極セル32では、NFメンブラン透過液中の次亜りん酸イオン及び亜りん酸イオンが電極酸化させられており、次亜りん酸イオンが亜りん酸イオンに酸化され、さらに亜りん酸イオンがすべてオルトりん酸イオンに酸化させられるというように、りんを含むアニオンが全てオルトりん酸イオン(りん酸イオン)に変化している。このようにして電気イオン透析ユニット5で酸化させられたオルトりん酸イオンは、陽極セル32からカルシウムシリンダ35に送られる。
カルシウムシリンダ35は、内部に消石灰(水酸化カルシウム)が充填されたカートリッジ式の吸収剤であり、りん酸カルシウムや硫酸カルシウムの沈殿物を捕集できるようになっている。また、カルシウムシリンダ35は、カートリッジが着脱可能となっており、カートリッジごとりん酸カルシウムの沈殿物を回収することができるようになっている。また、カルシウムシリンダ35では、NFメンブランで捕集されずに通過した微量な硫酸イオン、言い換えればNFメンブラン透過液中に微量に含まれる硫酸イオンも、硫酸カルシウムとして回収される。
上述したようにして金属不純物除去ユニット4において不純物が除去された硫酸ニッケル排液、純水回収工程で回収された純水を、そのまま用いればめっき工程に用いられる無電解ニッケルりんめっき液の硫酸ニッケル成分を建浴することができる。また、カルシウムシリンダ35で回収されたりん酸カルシウムや硫酸カルシウムを再び還元すれば次亜りん酸塩を得ることができ、無電解ニッケルりんめっき液の次亜りん酸塩を得ることも可能となる。さらに、炭素繊維フィルタ36を通過した有機酸を、めっき工程に用いられる無電解ニッケルりんめっき液の錯化剤、安定剤、光沢剤及びpH緩衝剤としてそのまま用いることもできる。
次に、本発明の無電解ニッケルりんめっき液の再生方法について説明する。
図3に示すように、本発明の無電解ニッケルりんめっき液の再生方法では、まず硫酸ニッケルと次亜りん酸ナトリウムとが含まれた無電解ニッケルりんめっき液を用いてめっきが行われる(めっき工程)。このめっき工程では、上述したようにめっき反応の副産物である亜りん酸、オルトりん酸、硫酸ナトリウムなどが蓄積されて、めっき液が老化(劣化)する。
そこで、老化しためっき液及びめっき済のワーク(被処理物)などの洗浄に用いためっき水洗水を回収し、これらを混合してめっき排液とする。このめっき排液は、めっき水洗水を大量に含むため、まず純水回収工程においてめっき排液を濃縮して濃縮排液を得る。
すなわち、めっき工程で使用された無電解ニッケルりんめっき液のめっき排液を、水分子と水分子よりより大きな粒子とを分離可能なR.Oメンブラン、具体的には孔径が0.3nm〜1nm、好ましくは0.6nm〜0.8nmのR.Oメンブランに透過させることにより、めっき排液を容積で5%〜6%の濃縮排液と94%〜95%の純水とに分離する。このようにしてR.Oメンブランを透過した透過液は、純水として無電解ニッケルりんめっき液の再建浴に用いられる。一方、R.Oメンブランで保留された保留液には、硫酸ニッケルなどの有効成分が含まれているため、この保留液を次の硫酸ニッケル分離工程に送って、硫酸ニッケルを分離する。
具体的には、図1に示すように、本実施形態には第1R.Oメンブラン19及び第2R.Oメンブラン20の2つのR.Oメンブランが設けられており、2つのR.Oメンブランのそれぞれに第1循環配管23または第2循環配管28を用いてめっき排液を供給できるようになっている。そして、これらの第1R.Oメンブラン19及び第2R.Oメンブラン20には、それぞれの目が詰まった際にメンブランフィルタを洗浄する洗浄ライン11が設けられている。
例えば、第1循環配管23に設けられた圧力計25や流量計26において第1R.Oメンブラン19の目詰まりが確認されたら、第3高圧ポンプ31を停止させて第1循環配管23を通じて第1R.Oメンブラン19に供給されるめっき排液の流通を遮断する。そして、洗浄ライン11を用いて、第1R.Oメンブラン19を洗浄し、第1R.Oメンブラン19に捕集されためっき排液中の有効成分を保留液に溶かし込んで濃縮排液タンク30に濃縮排液として回収する。第2循環配管28に設けられた圧力計25や流量計26により第2R.Oメンブラン20の目詰まりが確認された場合にも、同様な洗浄を行う。
上述した第1R.Oメンブラン19及び第2R.Oメンブラン20は非常に目が細かいフィルタであるので頻繁に目詰まりが起こる可能性があるが、上述したようにR.Oメンブランを複数設けておき、いずれかのR.Oメンブランが目詰まりを起こす度に洗浄ライン11で即座に洗浄を行えば、めっき排液の再生処理を停滞なく行うことが可能となり、再生処理の処理効率を向上させることが可能となる。
言い換えれば、上述したようにR.Oメンブランを複数設けておき、それぞれのR.Oメンブランに洗浄ライン11を個別に設けておくことは、めっき排液に対して最初から目が細かいR.Oメンブランを用いる本発明の再生方法に特有の構成であるということもできる。
硫酸ニッケル分離工程では、純水回収工程においてR.Oメンブランで保留された濃縮排液を、孔径が1nm〜5nmのNFメンブランユニット3に透過させることにより、濃縮排液から硫酸ニッケルが含まれた硫酸ニッケル排液を分離する。具体的には、この硫酸ニッケル排液には、分子径の大きな硫酸イオンやクエン酸イオンのようなアニオン、またはニッケルイオンやビスマスイオンのような重金属のカチオンが含まれている。一方、硫酸ニッケル分離工程においてNFメンブランユニット3を透過した透過液には、次亜りん酸イオン、亜りん酸イオン、オルトりん酸イオンなどといった分子径の小さなアニオンや、水素イオンやナトリウムイオンなどといった分子径の小さなカチオンが含まれている。それゆえ、NFメンブランユニット3で保留された硫酸ニッケル排液を不純物イオン除去工程に送って、ビスマスや鉛といった不純物イオンを除去する。また、NFメンブランユニット3を透過したNFメンブラン透過液を電気イオン透析工程に送り、電気イオン透析工程で次亜りん酸イオンや亜りん酸イオンをオルトりん酸イオンに酸化した上で、りん酸カルシウムの状態で回収する。
不純物イオン除去工程は、硫酸ニッケル分離工程においてNFメンブランユニット3で分離された硫酸ニッケル排液を、ビスマス、鉛またはスズに対して選択性を有するカチオン交換樹脂(金属不純物除去ユニット4)に通過させることで、硫酸ニッケル排液の不純物イオンであるビスマス、鉛及び/又はスズのイオンを除去するものである。この不純物イオン除去工程では、ビスマス、鉛、スズといったカチオン以外にも、亜鉛、鉄といった不純物イオンを吸着することもできる。このようにしてカチオン交換樹脂に吸着された不純物イオンはカチオン交換樹脂のカートリッジごと破棄される。また、不純物イオンが取り除かれた硫酸ニッケル排液は、硫酸ニッケルの原液としてめっき液の建浴に用いられる。
一方、NFメンブランユニット3を透過したNFメンブラン透過液は電気イオン透析工程に送られ、電気イオン透析工程で次亜りん酸イオンや亜りん酸イオンがオルトりん酸イオンに酸化させられる。すなわち、NFメンブランユニット3から送られてきたNFメンブラン透過液は電気イオン透析ユニット5の陽極セル32に入れられる。このようにして陽極セル32に入れられたNFメンブラン透過液は、陽極セル32に隣接するカチオン透過膜33を介してナトリウムイオン(カチオン)だけが膜間に加えられた20V以上、好ましくは20V〜30Vの直流電位の作用で選択的に透過させられ、陰極セル34側に移動する。
一方、陽極セル32では、次亜りん酸イオンや亜りん酸イオンが陽極の電極上で酸化させられて、オルトりん酸イオンに変化する。このようにして電極酸化により生成したオルトりん酸イオンはカルシウムシリンダ35に送られ、カルシウムシリンダ35の消石灰により中和させられてりん酸カルシウムの状態に変化する。このようにして生成したリン酸
カルシウムは沈降し、カルシウムシリンダ35内に設けられた保留フィルタで回収される(りん酸回収工程)。そして、りん酸カルシウムが含まれたカルシウムシリンダ35のカートリッジから取り出したりん酸イオン(りん酸塩)を還元等することで次亜りん酸イオンを再生することが可能となる。
一方、カルシウムシリンダ35を透過した透過液には、錯化剤などが有機酸の形で残っているので、炭素繊維フィルタ36などを用いて異物(りん酸カルシウムの微粒子など)を取り除いた上で、透過液をめっき液の建浴に用いることもできる。
最後に、建浴工程において、金属不純物イオン除去工程において不純物が除去された硫酸ニッケル排液と、純水回収工程で回収された純水とを用いれば、めっき工程に用いられる無電解ニッケルりんめっき液の硫酸ニッケルを得ることができる。また、りん酸回収工程で回収されたりん酸カルシウムを還元等することで、無電解ニッケルりんめっき液の次亜りん酸を得ることもできる。さらに、カルシウムシリンダ35を透過した透過液に残る有機酸を再建浴に用いれば、めっき液の建浴に必要な有効成分のうち、殆ど全てを再生で入手することが可能となる。
実施例は、PCB回路のボンディングなどに用いられる無電解ニッケルりんめっき液を再生したものである。この無電解ニッケルりんめっきは、後工程のシアン浴を用いた金メッキで置換するために形成され、パラジウムコロイド溶液を用いた前処理を行ったプラスチックなどに対して行われる。そして、このめっき液には、ニッケル源である硫酸ニッケル、還元剤である次亜リン酸ナトリウム、錯化剤や安定剤として添加されるクエン酸、乳酸、コハク酸、グリシンなどが含まれている。
これらのめっき液を所定の使用量だけ使用し、使用済みのめっき液(めっき排液)を次のR.Oメンブランユニット2(孔径0.6nm〜0.8nm)、NFメンブランユニット3(孔径1.8nm〜2.0nm)、金属不純物除去ユニット4(ビスマス、鉛、鉄、銅および亜鉛を酸性領域で吸着)、電気イオン透析ユニット5(カチオン透過膜33の膜間に15Vの電圧を印加)、カルシウムシリンダ35(平均粒径20μm程度の消石灰粒子を充填したシリンダであり、モル比で1.2倍の亜りん酸イオンを吸収する)、炭素繊維フィルタ16、36(2μm以下の異物粒子を除去)からなる実験装置にて処理したものである。なお、処理は実験日を変えて、4回に分けて行っている。
結果を、表1に示す。
なお、表1の「RO透過液」はR.Oメンブランユニット2を透過しためっき排液、「
NF透過液」はNFメンブランユニット3を透過しためっき排液、「NF保留液」はNFメンブランユニット3で保留されためっき排液と示している。また、「保留率」は、透過液の濃度をa、原水の濃度をbとした場合に、(b−a)/b×100で示される数値である。
表1の「電導率」の結果に着目すると、「RO透過液」の電導率の結果が、「めっき排液」や「NF透過液」の電導率に比して0.004ms/cm2〜0.007ms/cm2と極めて低くなっており、めっき排液からめっき液の建浴に用いることができる程度の純水が再生されていることが明らかである。
また、表1の「COD」の結果に着目すると、「NF透過液」のCODの結果が、「めっき排液」のCODに比して584mg/l〜980mg/l と約10倍程度に濃縮されており、めっき排液からりんを含む成分が確実に回収されていることが明らかである。
さらに、表1の「Ni濃度」の結果に着目すると、「NF保留液」のNi濃度の結果が、「めっき排液」のNi濃度に比して54.5mg/l〜92.17mg/l と約10倍程度に濃縮されており、めっき排液からニッケルを含む成分が確実に回収されていることが明らかである。
これらの結果から、「NF透過液」に含まれる亜りん酸イオンや次亜りん酸イオンなどのイオン、及び「NF保留液」に含まれるニッケルイオンなどが、めっき排液の状態から10倍程度に濃縮され、さらにこれぞれのイオン種毎に分離されていることが分かる。それゆえ、上述したような手段で亜りん酸イオンや次亜りん酸イオンなどをりんとして取り出し、再び還元して次亜リン酸ナトリウムにしたり、「NF保留液」に含まれるニッケル溶液や「RO透過液」に含まれる純水を用いてめっき液を再建浴すれば、めっき排液から完全にクローズドの状態でめっき液を再生できることがわかる。
また、本発明の無電解ニッケルりんめっき液の再生方法は、R.Oメンブランユニット2を透過した際に生じる保留液を濃縮排液として利用し、この濃縮排液をNFメンブランユニット3に透過させるものとなっている。
例えば、NFメンブランユニット3→R.Oメンブランユニット2という順番であれば、NFメンブランユニット3を透過した透過液を、そのままR.Oメンブランユニット2に透過させるので、いずれかのフィルタでの濾過に時間がかかる場合は、このフィルタでの処理が律速になって処理速度を短時間化することが困難になる。
しかし、本発明のようにR.Oメンブランユニット2の保留液をNFメンブランユニット3に透過させる方式の場合は、NFメンブランユニット3での濾過に透過液でなく保留液を用いるので、R.Oメンブランユニット2での濾過とNFメンブランユニット3での濾過とが独立となり、一方の処理がもう一方の処理に律速されることがない。
加えて、R.Oメンブランユニット2の保留液は濃縮排液となっており嵩が大きく減っているため、NFメンブランユニット3以降の処理が極めて効率的に行え、処理効率を大幅に向上させることが可能となる。また、嵩が大きく減じた濃縮排液は、保存したり運搬したりすることも簡単に行え、これらの点でも排液処理の効率が良くなる。
それゆえ、本発明の無電解ニッケルりんめっき液の再生方法では、処理効率を大幅に向上させた状態で、めっき液の排液を、水を含めた複数の成分に分離し、分離する際に不純物などの不要な成分を除去し、各成分を再びめっき液として再生させることができるのである。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。特に、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、運転条件や操作手順、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 無電解ニッケルりんめっき液の再生装置
2 R.Oメンブランユニット
3 NFメンブランユニット
4 金属不純物除去ユニット
5 電気イオン透析ユニット
6 りん酸回収ユニット
7 排液貯槽
8 異物除去回路
9 第1の循環回収系統
10 第2の循環回収系統
11 洗浄ライン
12 A槽
13 B槽
14 オーバーフロー槽
15 入側配管
16 炭素繊維フィルタ
17 出側配管
18 ポンプ
19 第1R.Oメンブラン
20 第2R.Oメンブラン
21 第1の流入口
22 流出口
23 第1循環配管
24 第1高圧ポンプ
25 圧力計
26 流量計
27 第2の流入口
28 第2循環配管
29 第2高圧ポンプ
30 濃縮排液タンク
31 第3高圧ポンプ
32 陽極セル
33 カチオン透過膜
34 陰極セル
35 カルシウムシリンダ
36 炭素繊維フィルタ

Claims (5)

  1. 硫酸ニッケルと次亜りん酸塩とが含まれた無電解ニッケルりんめっき液を用いてめっきを行うめっき工程と、
    前記めっき工程で使用された無電解ニッケルりんめっき液のめっき排液を、水分子と水分子よりより大きな粒子とを分離可能なR.Oメンブランに透過させることにより、前記めっき排液をR.Oメンブランで保留された濃縮排液とR.Oメンブランを透過した純水とに分離する純水回収工程と、
    前記純水回収工程においてR.Oメンブランで保留された濃縮排液を、R.Oメンブランより孔径が大きなNFメンブランに透過させることにより、前記濃縮排液から硫酸ニッケルが含まれた硫酸ニッケル排液を分離する硫酸ニッケル分離工程と、
    前記硫酸ニッケル分離工程においてNFメンブランで分離された硫酸ニッケル排液を、ビスマス、鉛またはスズに対して選択性を有するカチオン交換樹脂に通過させることで、前記硫酸ニッケル排液の不純物イオンであるビスマス、鉛又はスズのイオンを除去する金属不純物イオン除去工程と、
    前記金属不純物イオン除去工程において不純物が除去された硫酸ニッケル排液、及び前記純水回収工程で回収された純水から、前記めっき工程に用いられる無電解ニッケルりんめっき液の硫酸ニッケルを得る建浴工程と、
    を備えていて、
    前記めっき排液から純水を回収する複数のR.Oメンブランと、複数のR.Oメンブランのそれぞれにめっき排液を循環させる循環回収系統と、それぞれのR.Oメンブランに捕集された成分を洗浄して保留液として回収する洗浄ラインと、を設けておき、
    前記洗浄ラインを経由して回収された保留液を前記濃縮排液として硫酸ニッケル分離工程に送る
    ことを特徴とする無電解ニッケルりんめっき液の再生方法。
  2. 前記硫酸ニッケル分離工程においてNFメンブランにより分離されたもののうち、前記NFメンブランを透過したNFメンブラン透過液を、カチオン透過膜を介して直流電圧が印加された電気イオン透析装置の陽極セルへ投入し、カチオン透過膜を介して陽極セル側から陰極セル側にナトリウムイオンを電気泳動させると共に、前記NFメンブラン透過液に含まれる次亜りん酸イオン及び/又は亜りん酸イオンを陽極セル側で酸化させてりん酸イオンに変化させる電気イオン透析工程と、
    前記電気イオン透析工程で酸化されたりん酸イオンを、カルシウムを用いた中和剤に作用させて、前記NFメンブラン透過液に含まれる次亜りん酸イオン及び/又は亜りん酸イオンをすべてりん酸カルシウムとして回収するりん酸回収工程と、
    をさらに備えていることを特徴とする請求項に記載の無電解ニッケルりんめっき液の再生方法。
  3. 前記建浴工程は、前記りん酸回収工程において回収されたりん酸カルシウムからりん酸を分離し、分離されたりん酸を還元して次亜りん酸塩を得、得られた次亜りん酸塩を用いて前記めっき工程に用いられる無電解ニッケルりんめっき液を建浴することを特徴とする請求項1または2に記載の無電解ニッケルりんめっき液の再生方法。
  4. 硫酸ニッケルと次亜りん酸塩とが含まれた無電解ニッケルりんめっき液を用いためっきラインに設けられて、当該めっきラインから排出されるめっき排液を再生する無電解ニッケルりんめっき液の再生装置であって、
    水分子と水分子よりより大きな粒子とを分離可能に形成されると共に前記めっき排液を取り込んで濃縮排液と純水とに分離するR.Oメンブランユニットと、
    前記R.Oメンブランより孔径が大きく、且つ、R.Oメンブランユニットで分離された濃縮排液から硫酸ニッケルが含まれた硫酸ニッケル排液を分離するNFメンブランユニットと、
    前記NFメンブランユニットで分離された硫酸ニッケル排液を取り込んで、当該硫酸ニッケル排液の不純物イオンであるビスマス、鉛又はスズのイオンを除去するカチオン交換樹脂を備えた金属不純物除去ユニットと、
    前記金属不純物除去ユニットにおいて不純物が除去された硫酸ニッケル排液、及び/又は前記純水回収工程で回収された純水を用いて、前記めっき工程に用いられる無電解ニッケルりんめっき液を建浴していて、
    前記R.Oメンブランユニットは、前記めっき排液から純水を回収する複数のR.Oメンブランと、複数のR.Oメンブランのそれぞれにめっき排液を循環させる循環回収系統と、複数のR.Oメンブランのそれぞれで捕集された保留液を前記濃縮排液として回収する洗浄ラインと、を備えていることを特徴とする無電解ニッケルりんめっき液の再生装置。
  5. 前記NFメンブランユニットは、前記濃縮排液を、前記硫酸ニッケル排液とNFメンブラン透過液とに分離する構成とされており、
    前記NFメンブラン透過液に含まれるナトリウムイオンを選択的に透過すると共に膜間に電位が印加されたカチオン透過膜と、このカチオン透過膜を透過せずに残った前記NFメンブラン透過液中の次亜りん酸イオン及び亜りん酸イオンを酸化する陽極セルと、前記カチオン透過膜を透過したナトリウムイオンを貯留する陰極セルとを備えた電気イオン透析ユニットと、
    前記電気イオン透析ユニットで酸化されたりん酸イオンに、カルシウムを用いた中和剤に作用させて、前記NFメンブラン透過液に含まれる次亜りん酸イオン及び亜りん酸イオンをすべてりん酸カルシウムとして回収するりん酸回収ユニットと、
    をさらに備えていることを特徴とする請求項に記載の無電解ニッケルりんめっき液の再生装置。
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