JP6026332B2 - IGZO系焼結体からのIn−Ga−Zn酸化物の回収方法 - Google Patents

IGZO系焼結体からのIn−Ga−Zn酸化物の回収方法 Download PDF

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Description

本発明は、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)、酸素(O)を含有するIGZO系酸化物焼結体スクラップから、この焼結原料であるIn−Ga−Zn酸化物を回収する方法及びこれによって得られた原料を用いて作製したIGZO系酸化物焼結体スパッタリングターゲットに関する。
従来、薄膜トランジスタ(TFT)の材料としてアモルファスシリコン(a−Si)が広く使用されていたが、優れた導電率と透過率を有するIGZO(Indium−Gallium−Zinc−Oxide)系酸化物半導体が、それに替わる材料として注目を集めている。この透明な酸化物半導体は、多くの場合スパッタリング法による薄膜形成手段を用いて基板等の上に薄膜が形成されることから、今後、このようなIGZO系酸化物焼結体スパッタリングターゲットの需要の拡大が見込まれる。
スパッタリングターゲットを用いて、透明導電性薄膜を形成していくと、該ターゲットは均一に消耗していく訳ではない。このターゲットの一部の消耗が激しい部分を一般にエロージョンと呼んでいるが、このエロージョンの消耗が進行して、ターゲットを支持するバッキングプレートが剥き出しになる直前までスパッタリング操作を続行する。そして、その後新しいターゲットと交換する。したがって、使用済みのスパッタリングターゲットには多くの非エロージョン部、すなわち未使用のターゲット部分が残存することになり、これらは全てスクラップとなる。また、スパッタリングターゲットの製造時においても、端材、研磨粉や切削粉などからスクラップが発生する。
IGZO系酸化物焼結体スパッタリングターゲット材料には高純度材が使用されており、また、インジウム(In)やガリウム(Ga)は希少な金属であり価格も高いので、このような金属を上記のようなスパッタリングターゲットのスクラップから回収し、再度原料として使用することができれば、ターゲットの作製費用を低廉にすることができると共に、資源を効果的に循環させることができるので、省資源化にも貢献することができる。
一般に、スクラップ材からInやGaを個別に回収することが行われている。その回収方法としては、酸溶解法、イオン交換法、溶媒抽出法などの湿式精製を組み合わせた方法が用いられている。
例えば、本出願人は先に、インジウム含有スクラップを塩酸で溶解して塩化インジウム水溶液とする工程、該溶液に水酸化ナトリウム水溶液を添加してスクラップ中に含有する錫を水酸化錫として除去し、さらに水酸化ナトリウム水溶液を添加して水酸化インジウムとする工程、水酸化インジウムを濾過しケーキとして回収した後、硫酸を添加して硫酸インジウムとする工程、該硫酸インジウムを電解採取によりインジウムとする工程からなることを特徴とするインジウムの回収方法について出願した(特許文献1参照)。
また、本出願人は、上記の技術をさらに改良して、微細な水酸化インジウム又はイオンとなっているインジウム溶液中に、水酸化ナトリウム又は水酸化アンモニウム水溶液を添加してpHを7〜10に調整し水酸化インジウムを凝集させる工程、さらにこの水酸化インジウムを濾過する工程からなることを特徴とする水酸化インジウムの回収方法について出願した(特許文献2参照)。
一方、ガリウムの回収方法として、特許文献3は、インジウム等の不純物を含有するガリウム原料に多量のアルカリ剤を所定の温度で接触させることによって、液中に選択的にガリウムを溶出させ、固液分離することによって、インジウム等の不純物からガリウムを分離回収する方法を提案している。また、特許文献4は、ガリウムを含有するスクラップを焼成処理して得られた酸化物を硝酸に溶解した後、固液分離し、得られた浸出残渣を湯洗し、再度固液分離した後、固体側のスラリーに苛性ソーダを添加してアルカリ浸出を行った後、濾過して得られた濾液からガリウムを回収する方法を提示している。
特開2002−69684号公報 特開2002−201025号公報 特開2007−63044号公報 特開2004−143531号公報
上記の通り、InやGaを含有するスクラップからInやGaを個々に回収する技術はいくつか提案されているが、このようなスクラップからIn、Ga、さらにはZnを同時に回収することは行われておらず、また、各元素の回収技術を単に組み合わせても工程が多くなってコスト的に不利となり、また、これを実現するには多くの課題が残り、現実的ではなかった。
本発明は上記の問題を解決するために、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)を含有するIGZO系酸化物焼結体を酸で浸出し、得られる浸出液をアルカリ溶液で中和してIn、Ga、Znの複合水酸化物とし、これを乾燥させた後焙焼してIn、Ga、Znの複合酸化物とすることで、効率的に低コストで不純物を除去した該酸化物焼結体原料となるIn、Ga、Znの複合酸化物の回収方法及びこれによって用いて作製したIGZO系焼結体スパッタリングターゲットを提供することを課題とする。
本発明のIn、Ga、Znの複合酸化物の回収方法は、その1として、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)を含有する酸化物焼結体を酸で浸出した後、この浸出液をアルカリ溶液で中和してIn、Ga、Znの複合水酸化物とし、これを乾燥した後、焙焼して、In、Ga、Znの複合酸化物を得ることを特徴とする。
本発明は、その2として、前記酸化物焼結体を酸で浸出する際に、希釈した硫酸又は塩酸で浸出することを特徴とする上記1記載のIn、Ga、Znの複合酸化物の回収方法を提供する。
本発明は、その3として、前記酸化物焼結体を酸で浸出した後、この浸出液をそのまま或いは水で希釈してから、陽イオン交換樹脂及び/又はキレート樹脂に通過させた後、アルカリ溶液で中和してIn、Ga、Znの複合水酸化物とし、これを乾燥した後、焙焼して、In、Ga、Znの複合酸化物とすることを特徴とする上記1又は2記載のIn、Ga、Znの複合酸化物の回収方法を提供する。
本発明は、その4として、上記3記載の方法で回収されたIn、Ga、Znの複合酸化物におけるジルコニウム(Zr)の含有量が20wtppm以下であることを特徴とするIn、Ga、Znの複合酸化物の回収方法を提供する。
本発明は、その5として、前記焙焼の際に、焙焼温度を1000℃以上とすることを特徴とする上記1〜4のいずれか一に記載のIn、Ga、Znの複合酸化物の回収方法を提供する。
本発明は、その6として、上記5記載の方法で回収されたIn、Ga、Znの複合酸化物における塩素(Cl)の含有量が1wtppm以下、硫黄(S)の含有量が10wtppm未満であることを特徴とするIn、Ga、Znの複合酸化物の回収方法を提供する。
本発明は、その7として、上記1〜6のいずれか一に記載の回収方法により得られたIn、Ga、Znの複合酸化物を原料として用いて作製したIn、Ga、Znを含有するIGZO系酸化物焼結体を提供する。
本発明は、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)を含有するIGZO系酸化物焼結体を酸で浸出し、得られる浸出液をアルカリ溶液で中和してIn、Ga、Znの複合水酸化物とし、これを乾燥させた後焙焼してIn、Ga、Znの複合酸化物とすることで、効率的に低コストで不純物を除去した該酸化物焼結体原料となるIn、Ga、Znの複合酸化物の回収方法及びこれによって用いて作製したIGZO系焼結体スパッタリングターゲットを提供することができるという優れた効果を有する。
本発明のIn、Ga、Znの複合酸化物の回収方法は、IGZO系スパッタリングターゲットのスクラップなどのように、インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)を含有する酸化物焼結体を酸浸出した後、この浸出液をアルカリ溶液で中和して、In、Ga、Znの複合水酸化物とし、これを乾燥させた後、焙焼してIn、Ga、Znの複合酸化物を得、これを回収するものである。前記IGZO系スパッタリングターゲットとしては、公知の組成のものに採用することができる。
酸の浸出工程では、酸化物焼結体(スクラップ)を酸溶液に浸漬することで、In、Ga、Znを浸出する。この工程では、酸化物中の酸素が酸と反応して水となり、In、Ga、Znがイオンとして液中に溶けだす反応が起こっている。
使用する酸溶液としては、酸化物焼結体との反応性が良いことから、希釈した硫酸又は塩酸を用いることが好ましい。希釈した硫酸の濃度としては、4〜6モル/Lが好ましい。硫酸濃度が4モル/L未満であると溶解速度が遅くなり、また、硫酸濃度が6モル/L超であっても溶解速度が遅くなるからである。また、希釈した塩酸の濃度としては、3〜12モル/Lが好ましい。3モル/L未満であると溶解速度が遅くなり、一方、12モル/L超であっても溶解速度にそれほど影響はないが、安価なものを調達することが困難となり、コスト高になるため好ましくない。
また、必要量としては、硫酸ならばIn1モル当たり1.7モル、Ga1モル当たり1.7モル、Zn1モル当たり1.1モル程度の量が好ましく、塩酸ならばIn1モル当たり3.3モル、Ga1モル当たり3.3モル、Zn1モル当たり2.2モル程度の量が好ましく、それより多くても問題はないが、極端に多くすると薬品コストがかさむため、好ましくない。
また、浸出させる際、加熱することで化学反応を促進することができる。その温度、時間については、適宜調整することが可能であるが、温度が低すぎたり、反応時間が長すぎたりすることは生産性の低下につながるため、70〜80℃での反応が好ましい。
上記の条件で反応させることにより、工業的には約16〜20時間程度でほぼ溶解が終了するため、1日サイクルでの操業が可能となる。なお、それ以上のタイムスパンでの操業が可能であれば、より温度が低い条件での設定が可能であるが、その分生産性が低下することは言うまでもない。
また、より温度が高い条件であれば、反応時間は短くなるが、これ以上温度を上げて反応させると、反応槽に損傷を与えることがあるため、好ましくない。もっとも、フッ素系樹脂容器などを使用することで、反応槽への損傷を防ぐことができ、より高温での反応も可能となる。したがって、上記の温度範囲はあくまで生産性、操業実情、さらに装置への投資可能額などを考慮して一応の範囲を示したに過ぎず、反応の可否という観点から、その温度範囲に特に制限はない。
なお、この浸出液の成分組成は、例えばIGZO系スパッタリングターゲットの場合、そのターゲットの成分組成が反映されたものとなる。
次に、得られた浸出液をアルカリ溶液で中和して、In、Ga、Znの複合水酸化物を得る。液性が酸性から中性付近に近づくことで、In、Ga、Znが水酸化物イオンと反応し、水酸化物が発生するが、これらは同時に反応するために各々単独の水酸化物ではなく、複合の水酸化物となっていると推察される。使用するアルカリ溶液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、炭酸水素ナトリム、アンモニア水が挙げられるが、アルカリ金属、アルカリ土類金属の混入を防止するために、アンモニア水を用いることが好ましい。
本発明において、さらに、アルカリ溶液で中和する前に、浸出液を陽イオン交換樹脂及び/又はキレート樹脂に通過させることが好ましい。一般にIGZO系焼結体スパッタリングターゲットを作製するに際して、原料粉末の粒径調整のためにボールミル(粉砕媒体:ジルコニアボール)による粉砕が行われているため、作製したターゲット及びそのスクラップにはジルコニウム(Zr)が不純物として取り込まれることがある。浸出液を陽イオン交換樹脂やキレート樹脂に通過させることで、ジルコニウム不純物を吸着分離できる。
浸出液を直に陽イオン交換樹脂やキレート樹脂に通過させることもできるが、通過させる前に浸出液を水で希釈して浸出液中のIn、Ga、Zn濃度を低下させることで、InやGaなどが陽イオン交換樹脂やキレート樹脂に吸着されてしまうことを抑制することができ、Zrを効率的に吸着除去することができる。これは液中においてIn、Ga、Znの濃度が高いと、樹脂周囲のIn、Ga、Znの存在確率も高いため、Zrよりも優先的に吸着されるからと考えられる。一方、希釈しすぎると廃液が増えるため、コスト面から好ましくない。好ましくは、In濃度:10〜20g/L、Ga濃度:5〜15g/L、Zn濃度:5〜15g/Lとする。
硫酸浸出液の下ではInやGaなどが陽イオン交換樹脂やキレート樹脂に吸着され易いため、Zrを効率的に吸着することができないが、塩酸浸出液の下ではInやGaなどの樹脂への吸着があまりなく、効率的にZrを除去することができる。これは塩酸浸出液では、InやGaなどがマイナス電荷をもった塩化物錯体として存在することで、陽イオン交換樹脂などの吸着しにくくなっているためであり、硫酸浸出液では、このような錯体を形成しないため、樹脂に吸着され易い状態にあると考えられる。したがって、塩酸浸出液と陽イオン交換樹脂やキレート樹脂とを組み合わせることで、Zrをより効果的に吸着除去することが可能となり、In、Ga、Znの複合水酸化物において、Zr含有量を20wtppm以下まで低減することができる。
次に、得られたIn、Ga、Znの複合水酸化物を乾燥させた後、大気雰囲気中で焙焼して、In、Ga、Znの複合酸化物を得る。回収した水酸化物には、酸溶液として用いる塩酸や硫酸に起因する塩素(Cl)や硫黄(S)が不純物として含まれており、これらは焼結体密度を低下させる原因となることがあるが、1000℃以上で焙焼することで、これらの不純物を揮発除去することができ、回収したIn、Ga、Znの複合酸化物において、塩素含有量を5wtppm以下、硫黄含有量を10wtppm以下まで低減することができる。好ましくは、1050℃以上で焙焼することが望ましい。なお、焙焼温度の上限に特に制限はないが、装置上の観点から1100℃以下であることが好ましい。
以上によって、IGZO系酸化物焼結体(スクラップ)から、その焼結体の原料となるIn、Ga、Znの複合酸化物を効率よく回収することができる。そして、このIn、Ga、Zn複合酸化物を用いてIGZO系スパッタリングターゲット製造した場合には、焼結性が向上し、密度を高くすることが容易となり、不良品の発生が少なくなって歩留まりが向上し、結果として、結果としてターゲットの品質を向上させることができる。そして、特には、スクラップから原料が得ることができるので、コストや環境面に優れている。
なお、これを原料としてIGZO系スパッタリングターゲットを再生する場合には、製品によってIn、Ga、Zn組成比が異なるため、スクラップ化される前のターゲット材と再生後のターゲット材との間に組成的な相違がある場合があるので、その不足分については、In、Ga、ZnOの粉末を必要量補填すればよい。
次に、実施例について説明する。なお、本実施例は発明の一例を示すためのものであり、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。すなわち、本発明の技術思想に含まれる他の態様及び変形を含むものである。以下に、実施例と対比して、比較例も説明する。
(実施例1−1)
IGZO(In:36.6%、Ga:22.2%、Zn:20.8%)焼結体ターゲットのスクラップ50gを、96%硫酸40ml、純水120mlの酸溶液に浸漬し、80℃、24時間加熱して全量浸出した。この浸出液をアンモニア水でpH7.5に中和してIn、Ga、Znの複合水酸化物を得た。次に、これを150℃にて乾燥して、23.88gの乾燥水酸化物を得た。Zr濃度分析したところ、その濃度は92wtppmであった。
(実施例1−2)
IGZO(In:36.6%、Ga:22.2%、Zn:20.8%)焼結体ターゲットのスクラップ50gを、96%硫酸40ml、純水120mlの酸溶液に浸漬し、80℃、24時間加熱して全量浸出した。この浸出液を4倍に希釈した上で三菱化学製陽イオン交換樹脂(SK−1B)50mlに流量SV=25で通過させた。次に、これをアンモニア水でpH7.5に中和してIn、Ga、Znの複合水酸化物を得た。これを150℃にて乾燥して、12.39gの乾燥水酸化物を得た。Zr濃度分析したところ、その濃度は90wtppmであった。
(実施例1−3)
IGZO(In:36.6%、Ga:22.2%、Zn:20.8%)焼結体ターゲットのスクラップ50gを、35%塩酸125ml、純水125mlの酸溶液に浸漬し、80℃、16時間加熱して全量浸出した。この浸出液をアンモニア水でpH7.5に中和してIn、Ga、Znの複合水酸化物水酸化物を得た。次に、これを150℃にて乾燥して、21.22gの乾燥水酸化物を得た。Zr濃度分析したところ、その濃度は86wtppmであった。
(実施例1−4)
IGZO(In:36.6%、Ga:22.2%、Zn:20.8%)焼結体ターゲットのスクラップ50gを、35%塩酸125ml、純水125mlの酸溶液に浸漬し、80℃、16時間加熱して全量浸出した。この浸出液を希釈せずに三菱化学製陽イオン交換樹脂(SK−1B)50mlに流量SV=25で通過させた。次に、これをアンモニア水でpH7.5に中和してIn、Ga、Znの複合水酸化物を得た。これを150℃にて乾燥して、21.54gの乾燥水酸化物を得た。Zr濃度分析したところ、その濃度は36wtppmであった。
(実施例1−5)
IGZO(In:36.6%、Ga:22.2%、Zn:20.8%)焼結体ターゲットのスクラップ50gを、35%塩酸125ml、純水125mlの酸溶液に浸漬し、80℃、16時間加熱して全量浸出した。この浸出液を2倍に希釈した上で三菱化学製陽イオン交換樹脂(SK−1B)50mlに流量SV=25で通過させた。次に、これをアンモニア水でpH7.5に中和してIn、Ga、Znの複合水酸化物を得た。これを150℃にて乾燥して、21.54gの乾燥水酸化物を得た。Zr濃度分析したところ、その濃度は23wtppmであった。
(実施例1−6)
IGZO(In:36.6%、Ga:22.2%、Zn:20.8%)焼結体ターゲットのスクラップ50gを、35%塩酸125ml、純水125mlの酸溶液に浸漬し、80℃、16時間加熱して全量浸出した。この浸出液を4倍に希釈した上で三菱化学製陽イオン交換樹脂(SK−1B)50mlに流量SV=25で通過させた。次に、これをアンモニア水でpH7.5に中和してIn、Ga、Znの複合水酸化物を得た。これを150℃にて乾燥して、21.54gの乾燥水酸化物を得た。Zr濃度分析したところ、その濃度は10wtppm未満であった。
(実施例1−7)
IGZO(In:36.6%、Ga:22.2%、Zn:20.8%)焼結体ターゲットのスクラップ50gを、35%塩酸125ml、純水125mlの酸溶液に浸漬し、80℃、16時間加熱して全量浸出した。この浸出液を希釈せずに三菱化学製キレート樹脂(CR−11)50mlに流量SV=25で通過させた。次に、これをアンモニア水でpH7.5に中和してIn、Ga、Znの複合水酸化物を得た。これを150℃にて乾燥して、20.89gの乾燥水酸化物を得た。Zr濃度分析したところ、その濃度は10wtppm未満であった。
(実施例2−1)
実施例1−1で得られた水酸化物を大気雰囲気中、1050℃で焙焼して、6.03gのIn、Ga、Znの複合酸化物を得た。Cl濃度を分析したところ、その濃度は1wtppm未満であった。
(実施例2−2)
実施例1−1で得られた水酸化物を大気雰囲気中、1000℃で焙焼して、5.87gのIn、Ga、Znの複合酸化物を得た。Cl濃度を分析したところ、その濃度は5wtppmであった。このように、焙焼温度に下げると、Cl濃度が増加することが分かった。
(実施例2−3)
実施例1−7で得られた水酸化物を大気雰囲気中、1050℃で焙焼して、6.24gのIn、Ga、Znの複合酸化物を得た。S濃度を分析したところ、その濃度は10wtppm未満であった。
(実施例2−4)
実施例1−7で得られた水酸化物を大気雰囲気中、1000℃で焙焼して、6.33gのIn、Ga、Znの複合酸化物を得た。S濃度を分析したところ、その濃度は10wtppmであった。このように、焙焼温度を下げると、S濃度が増加することが分かった。
本発明のIn、Ga、Znの複合酸化物の回収方法は、IGZO系焼結体スパッタリングターゲットのスクラップから、その原料となるIn、Ga、Znの複合酸化物を回収するということのみを目的とすることで、リサイクル工程を簡略化することができるので、低コストかつ省資源に貢献することができる。
本発明で製造したIn、Ga、Zn複合酸化物は、IGZO系酸化物スパッタリングターゲット等の焼結体ターゲットを製造する場合において、焼結性に優れており、密度及び歩留まりが向上し、さらには形成した薄膜の劣化が少ないことから、ターゲットの品質を向上させることが可能となる。このように、IGZO系酸化物薄膜を備えた電子部品用材料を高品質かつ低コストで製造することができるという、産業上有用な発明を提供することができる。

Claims (6)

  1. インジウム(In)、ガリウム(Ga)、亜鉛(Zn)を含有する酸化物焼結体を酸で浸出した後、この浸出液をアルカリ溶液で中和して、In、Ga、Znの複合水酸化物とし、これを乾燥した後焙焼して、In、Ga、Znの複合酸化物を得ることを特徴とするIn、Ga、Znの複合酸化物の回収方法。
  2. 前記酸化物焼結体を酸で浸出する際に、希釈した硫酸又は塩酸で浸出することを特徴とする請求項1記載のIn、Ga、Znの複合酸化物の回収方法。
  3. 前記酸化物焼結体を酸で浸出した後、この浸出液をそのままあるいは水で希釈してから、陽イオン交換樹脂及び/又はキレート樹脂に通過させ、その後、アルカリ溶液で中和してIn、Ga、Znの複合水酸化物とし、これを乾燥した後焙焼して、In、Ga、Znの複合酸化物を得ることを特徴とする請求項1又は2記載のIn、Ga、Znの複合酸化物の回収方法。
  4. 請求項3の方法で回収されたIn、Ga、Znの複合酸化物におけるジュルコニウム(Zr)含有量が20wtppm以下であることを特徴とするIn、Ga、Znの複合酸化物の回収方法。
  5. 前記焙焼の際に、焙焼温度を1000℃以上とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のIn、Ga、Znの複合酸化物の回収方法。
  6. 請求項5の方法で回収されたIn、Ga、Znの複合酸化物における塩素(Cl)含有量が1wtppm以下、硫黄(S)含有量が10wtppm未満であることを特徴とするIn、Ga、Znの複合酸化物の回収方法。
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CN108374091A (zh) * 2018-03-30 2018-08-07 中国科学院过程工程研究所 一种从含难溶镓化合物的废料中回收镓的方法及由该方法得到的镓

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