JP6025218B2 - 放射性汚染土洗浄装置及びシステム - Google Patents

放射性汚染土洗浄装置及びシステム Download PDF

Info

Publication number
JP6025218B2
JP6025218B2 JP2014193176A JP2014193176A JP6025218B2 JP 6025218 B2 JP6025218 B2 JP 6025218B2 JP 2014193176 A JP2014193176 A JP 2014193176A JP 2014193176 A JP2014193176 A JP 2014193176A JP 6025218 B2 JP6025218 B2 JP 6025218B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
radioactive
contaminated soil
cleaning
pressure water
washing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014193176A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015211956A (ja
Inventor
加藤 行平
行平 加藤
Original Assignee
加藤 行平
行平 加藤
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 加藤 行平, 行平 加藤 filed Critical 加藤 行平
Priority to JP2014193176A priority Critical patent/JP6025218B2/ja
Publication of JP2015211956A publication Critical patent/JP2015211956A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6025218B2 publication Critical patent/JP6025218B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Description

本発明は、一般に、汚染物質を含む土壌の洗浄を行う装置及びに関し、特に、密閉状態で、放射性の汚染土を洗浄する装置及びシステムに関する。
汚染された土壌の除染、特に、放射性物質によって汚染された土壌の除染は、原子力発電所の災害の復旧に向けて、極めて重要な事項となっている。ここで、汚染土壌に付着した放射性物質のみを、水などの液体により洗浄することで除去できる装置があれば、その後の処理が容易となる。
そのような装置としては、特許文献1に記載されているように、汚染土壌をふるい上に供給し、そこに高圧水を噴射して、汚染土壌を洗浄する装置の技術思想が開示されている。
また、洗浄後の汚染物質を含む廃水の処理については、特許文献2に記載されているような、ゲル化剤を用いて廃水を固形化する廃水処理方法の技術思想が開示されている。更に、特許文献3には、そのような処理方法を略密閉状態で実行する廃水処理装置の技術思想が開示されている。
特開2005−279454号公報 特許第5175378号公報 特願2014−045783号公報
しかし、特許文献1に記載された装置によると、汚染土壌の対象となる汚染物質は重金属、油、ダイオキシンであり、特別な取扱いを要する放射性物質ではなく、また、洗浄後の汚染物質を含む廃水については、フィルタープレスされた後に、下水道に放流されるか、洗浄用に再利用されるようになっており、これも、特別な取扱いを要する放射性物質を対象とする場合には問題がある。
そこで、本発明では、放射性物質を含む汚染土を洗浄する際に、放射性物質に適合する取扱いを可能とした、安全で、効率のよい放射性汚染土洗浄装置及びシステムを提供することを課題とする。
本発明は、上記課題を解決するための、放射性汚染物質を含む土壌を洗浄する放射性汚染土洗浄装置であって、
A)略密閉状態の底部と側面を有し、上部が開放されており、内部で放射性汚染土を洗浄する洗浄槽と、
B)底部が開放され、その底部と前記洗浄槽の上部とを密閉可能に連結する上蓋と、
C)洗浄槽の内部で上部に設けられた第1の高圧水噴射部と、
D)洗浄槽の内部で第1の高圧水噴射部の下方に設けられ、その上方に放射性汚染土を載置できるフィルターと、
E)洗浄槽の内部でフィルターの下方に設けられた放射性汚染水排出口と
を有し、略密閉状態で、フィルターの上方に載置された放射性汚染土に第1の高圧水噴射部からの高圧水を噴射し、フィルターを通過しうる放射性汚染物質をフィルター下方に導き、放射性汚染水排出口から排出させることを特徴とする。
これによれば、汚染土に付着した放射性物質が高圧水によって除去され、特に粒径の小さい放射性物質はフィルターを通過して汚染水として排出口から排出され、かつ、洗浄槽と上蓋からなる装置全体は、略密閉状態、すなわち、土壌や水などの出入口を除き密閉状態にすることができるため、放射性物質の飛散などの危険を最小限とすることができる。
また、本発明の放射性汚染土洗浄装置は、更に、
F)洗浄槽の内部で、フィルターの上方に設けられ、放射性汚染土を攪拌する攪拌部を有することを特徴としてもよい。これによれば、放射性汚染土の奥まで洗浄水が行き渡り、洗浄効果が高まる。
また、本発明の放射性汚染土洗浄装置は、更に、
G)洗浄槽の内部で、フィルターの下方に設けられ、フィルターを載置する仕切板
を有することを特徴としてもよい。これによれば、フィルターを載置するための仕切板を設けたから、フィルターの設置が容易となる。
また、本発明の放射性汚染土洗浄装置は、更に、
H)洗浄槽の内部で仕切板の下方で、放射性汚染水排出口の上方に設けられた、フィルターを洗浄するために高圧水を噴射する第2の高圧水噴射部
を有することを特徴としてもよい。これによれば、フィルターを洗浄するための高圧水を噴射できるようにしたから、長時間の使用が可能となる。
また、本発明の放射性汚染土洗浄装置は、洗浄槽が、上部の中間槽と下部の処理槽に分離していることを特徴としてもよい。
これによれば、例えば、第1の高圧水噴射部を中間槽に設け、フィルターなどを処理槽に設けることで、放射性物質除去後の残汚染土の処理などが容易になることが考えられる。
別の本発明においては、本発明の放射性汚染土洗浄装置と、ゲル化剤を用いた廃水処理装置とを含む放射性汚染土洗浄システムである。
これによれば、放射性汚染土洗浄装置から排出される放射性汚染水を廃水処理装置によって処理して固形化するという一連の作業が可能となり、放射性汚染水を浄化して、下水道に放流するというような危険を伴う処理が不要となる。
別の本発明においては、本発明の放射性汚染土洗浄装置と、放射性汚染土を洗浄するための高圧水を供給する高圧水供給部と、高圧水に表面張力降下剤を添加するための表面張力降下剤添加部とを含む放射性汚染土洗浄システムである。
これによれば、放射性汚染土の表面張力を低下させることにより、放射性汚染土表面での浸透の阻害を減らすことができ、放射性汚染土内部にまで洗浄水が浸透することを可能にする。これにより、汚染土から小粒径の物質をより多く除去することが可能となり、効率のよい放射性汚染土洗浄システムとなる。
本発明の放射性汚染土洗浄装置によれば、放射性汚染土に含まれる放射性物質を、略密閉状態で、洗浄水によって除去するようにしたから、放射性物質による被爆などの危険を最小限にすることができ、安全で、かつ効率的な処理が可能となる。
また、本発明の放射性汚染土洗浄システムによれば、放射性汚染土の洗浄から、放射性汚染水の固形化処理までを一貫して実施することができ、高い効率性を得ることができる。
本発明の一実施形態の放射性汚染土洗浄装置の斜視図である。 本発明の一実施形態の放射性汚染土洗浄装置の断面図である。 本発明の一実施形態の放射性汚染土洗浄装置の攪拌部を含む斜視図である。 本発明の一実施形態の放射性汚染土洗浄装置に用いられる攪拌部の平面図である。 本発明の別の実施形態の放射性汚染土洗浄システムの説明図である。 本発明の別の実施形態の放射性汚染土洗浄システムの一部の斜視図である。 本発明の別の実施形態の放射性汚染土洗浄システムの一部の模式的断面図である。 本発明の更に別の実施形態の放射性汚染土洗浄システムの説明図である。
図面を参照しながら、本発明の実施の形態について以下に説明する。
図1は本発明の一実施形態の放射性汚染土洗浄装置1の斜視図であり、図2は本発明の一実施形態の放射性汚染土洗浄装置1の断面図である。
汚染土の洗浄処理を行う洗浄槽10と、洗浄槽の上部と密閉可能に連結される上蓋20とを有する。ここで、洗浄槽10は、下部の処理槽11と上部の中間槽12に分かれている。処理槽11と中間槽12、中間槽12と上蓋20は、それぞれのフランジ部分においてボルト及びナットにより、脱着可能に連結されている。また、この間の密閉性を確保するため、適宜、ゴムパッキングが用いられる。
中間槽12の側面には、中間槽12内へと高圧水送水管31が挿入され、図示しない高圧水供給部から高圧水送水管31に高圧水が送られる。高圧水送水管31には、下方に向けて高圧水を噴射する複数の開口部32を設け、この高圧水送水管31と開口部32によって、(第1の)高圧水噴射部30が構成される。
ここで、高圧水供給部としては、市販の高圧洗浄機などを用いればよい。圧力や流量を調整できるものが望ましく、圧力は最高8ないし12MPa程度であることが望ましいが、これに限定されるものでなく、状況によっては、調整不可のものや、最高圧力が高いものや低いものであっても使用できる場合もある。
処理槽11の上方には、網目状の仕切板70が固定されている。仕切板70は防食性の金属が好ましいが、その他の材質であってもよい。形状も網目状に限定されず、すのこ状など、粒径の小さな物質の通過を阻害しない形状であればよい。また、仕切板70の上には、目の細かい非含水性繊維からなる4層のフィルター40a、40b、40c、40d(総称して40)が載置されている。4層のうち、最上層40aと最下層40dは、ステンレススチール製のやや粗めの網目状とし、中間の2層40bと40cは、ポリプロピレンの繊維からなる、やや細かめの、異なる、あるいは同一の網目のものとする。ここで、ポリプロピレンを用いるのは、樹脂の中ではポリプロピレンが非含水性であり、使用中に水分の吸収により寸法や性能の変化を起こさないためであるが、その他の物質であっても状況によっては使用が可能である。
また、仕切板70の下方には、処理槽11の側面から処理槽11内へとフィルター40清掃用の高圧水送水管52が挿入され、図示しない高圧水供給部から高圧水送水管51に高圧水が送られる。高圧水送水管51には、上方に向けて高圧水を噴射する複数の開口部52を設け、この高圧水送水管51と開口部52によって、(第2の)高圧水噴射部50が構成される。
処理槽11の最下部に近い側面に、処理槽11で処理された汚染水Wを排出する汚染水排出口60が設けられており、ここからは、直接に、または、配管やホースを接続して、汚染水Wを、次工程へと導くようになっている。なお、汚染水排出口60の近傍には、排出口をふさぐことができる、漏れ防止のねじ止め構造の封止栓61を有している。
なお、4層のフィルター40の上方に、汚染土を攪拌する攪拌部を設けてもよい。図3は本発明の一実施形態の放射性汚染土洗浄装置1の攪拌部45を含む斜視図である。図4は、本発明の一実施形態の放射性汚染土洗浄装置に用いられる攪拌部45の平面図である。攪拌部45は、、3本の、金属製(好ましくはステンレス製)で、軸461にらせん状の羽根462を取り付けた攪拌ロータ46とそれらを回転自在に保持するハウジング47と、攪拌ロータ46を図示しない外部駆動源によって回転駆動させる駆動伝達部48とからなる。ここで、3本の攪拌ロータ46のらせんの巻き方向は、中央の1本のみ逆方向になっており、汚染土攪拌の効率を向上しているが、状況によっては、全て同じ方向か、端部のいずれかのみ逆方向であってもよい。また、攪拌ロータ46の本数は3本に限定されず、1本以上であればよい。更に、攪拌部45は、図示する汚染土攪拌ロータの構造、形状には限定されず、汚染土を攪拌できるものであれば、回転機構によるもの、振動を加えるもの、気体や液体を吹き付けるものなど、いかなる方式または構造であってもよい。
このような構成の放射性汚染土洗浄装置1の作用について説明する。
まず、上蓋20及び中間槽12を、処理槽11から取り外しておく。処理槽11の上方が開放された状態で、仕切板70の上に載置されたフィルター40の、その上に、放射性物質などで汚染された汚染土Dが、図示しない供給機構(コンベヤ、パワーシャベルなど)により、供給される。
次に、処理槽11の上に、中間槽12及び上蓋20を載置し、ボルトナット及びゴムパッキングなどを用いて、それらを略密閉状態に結合する。
次に、中間槽12に設けられた高圧水噴射部30から、高圧水が下方に向けて噴出される。これにより、汚染土Dに付着している比較的細かい粒径の物質M2、M3、M4、M5が除去される。そのような細かな粒径の物質として、放射性物質も含まれる。
除去された物質(放射性物質を含む)M2−M5は、洗浄水とともに、処理槽11に設けられた仕切板70の上に載置された4層のフィルター40を通過し、その際に粒径の大きな物質(放射性物質をほとんど含まない)M1は、フィルター40を通過できず、粒径の小さなもの(放射性物質を多く含む)は、フィルター40及び更に目の粗い仕切板70を通過して、処理槽11の底部へと落とされる。
なお、4層のフィルター40の上部に攪拌部45を設けた場合には、汚染土Dが、ロータのらせん状の羽根462の回転によってほぐされ、汚染土Dの奥まで洗浄水が行き渡り、 汚染土Dからの小粒径物質の除去の効率を向上することができる。ここで、ロータのらせん状の羽根462の巻き方向は、3本のロータのうち中央の1本のみが逆方向となっており、汚染土Dが一方的に軸の前後方向に移動させられることを防止している。
処理槽11の底部近くの側面には、汚染水排出口60があり、この汚染水排出口60は、排出の必要がない場合は、封止栓61を用いて、汚染水Wの排出を停止するようにする。この場合、汚染水Wは、処理槽11の下部に蓄積されることになる。排水の必要がある場合には、封止栓61を開いて、汚染水Wを、直接、または、配管やホースなどを接続して、汚染水の処理装置へと送り込むか、ドラム缶などの容器に注入するようにする。
ここで、汚染土Dから小粒径のものを除去した残り(残土)については、中間槽12及び上蓋20を取り外し、図示しない取り出し機構(パワーシャベル、真空ポンプ、容器上下反転機構など)を用いて外部へと取り出す。望ましくは放射線量が所定の数値以下になっていれば、埋め立てに用いることが可能である。そうでない場合は、焼却や指定された区域での保存などの、適切な処理方法によって処理する。
その後に、再び、汚染土Dを供給して、処理を続行することも可能であるが、フィルター40が目詰まりしてしまった場合には、フィルター40の下方に設けられたフィルター清掃用の高圧水噴射部50から高圧水を噴射させて、目詰まりを解消することができる。
なお、本発明の放射性汚染土洗浄装置は、汚染土を内蔵した状態で、トラックの荷台に搭載して運搬できる程度の外形寸法であることが望ましいが、それに限定されず、使用環境によっては更に大きくても小さくてもよい。
また、これまでの説明で、本発明の放射性汚染土洗浄装置は、洗浄槽10として、処理槽11と中間槽12の2つの部分からなるとした。これは、中間槽12に高圧水噴射部30を設けたことから、汚染土Dの供給の支障とならないように、分割可能な中間槽12を設けたものであるが、高圧水噴射部30が汚染土Dの供給の支障にならないようであれば、処理槽11と中間槽12を一体化し、洗浄槽10としてもよく、その場合には、汚染土Dの供給・残土の取り出しは、上蓋20のみを脱着すればよく、部材の低減、脱着時間の短縮などの利点もある。
処理槽11、中間槽12(あるいは一体の洗浄槽10)、上蓋20などの間の結合方法は、ボルト及びナットやゴムパッキングを用いることとしたが、これに限定されず、はめ込み構造や、ラッチ構造であってもよく、また、ゴムパッキングによらず、他の隙間充填方法を用いたり、構造によっては隙間充填なしであってもよい。いずれの場合でも、実質的に略密閉ができればよい。
また、フィルター40を載置するために仕切板70を設けてあり、これにより、フィルター40は、その外形寸法を適切に選べば、仕切板70上に載置するのみで、簡便に設置ができるが、状況によっては仕切板70を用いずに、フィルター40を直接処理槽11に固定するようにしてもよい。取り付けが若干複雑にはなるが、部材が減少し、製作費が低減する利点もある。
次に、本発明の別の実施形態について、添付の図面を参照しながら、以下に説明する。
図5は本発明の別の実施形態の放射性汚染土洗浄システム100の説明図である。放射性汚染土洗浄システム100は、放射性汚染土洗浄装置1と、廃水処理装置2とを含んでいる。放射性汚染土洗浄装置1は、置き台90の上に載置され、放射性汚染土洗浄装置1と廃水処理装置2とは、配管80により接続される。放射性汚染土洗浄装置1については、本発明の一実施形態において詳しく説明した。
図6は、放射性汚染土洗浄システム100の一部である廃水処理装置2の斜視図であり、図7は、廃水処理装置2の模式的な断面図である。
廃水処理装置2の構成は、廃水を処理する処理槽102と、処理槽102と気密状態で結合する中間槽103と、中間槽103と気密状態で結合する上蓋104と、上蓋104に設けられ、気密状態を保つことができる廃水注入孔143と、上蓋104に設けられ、気密状態を保つことができるゲル化剤投入孔144と、上蓋104に設けられ、気密状態を保つことができる送風孔145と、上蓋104に設けられ、気密状態を保つことができる排気孔146とを有する。
廃水処理装置2の作用は、気密状態に保たれた本装置において、処理槽102内で、廃水注入孔143から注入された廃水と、ゲル化剤投入孔144から投入されたゲル化剤とにより、ゲル化廃水が形成され、送風孔145からの送風により、水分が気化し、気化した水蒸気が排気孔146へ排気される。その際に、水分とともに気化した有害物質も排気孔146だけに導かれるため、その後の処理を適切に行うことにより大気中への放散が防止できる。
なお、ゲル化剤としては、特許文献2に開示されているように、多孔質土類とポリアクリル酸ナトリウムのようなアクリル系重合体とからなるものが望ましく、それを廃水に投入することにより、廃水がゲル状になるものであり、その後、ゲル化廃水の水分を気化させることにより、再度、ゲル化剤が廃水を受けいれてゲル化することができ、大量の廃水の処理において、その体積を大幅に減少することができる。
本発明の一部である廃水処理装置2は、更に、上蓋104に、グリコール類を投入する、グリコール類投入孔147を有してもよく、これにより、ゲル化廃水を、水分再吸収の少ない、安定した固形物とすることができる。
なお、本発明の一部である廃水処理装置2において、上蓋104と処理槽102の間に設けた中間槽103は必須ではなく、処理槽102と上蓋104とを直接結合するようにしてもよい。
ここで、本発明の放射性汚染土洗浄システムの作用を説明する。
放射性汚染土洗浄装置1によって生成された、放射性物質を含む汚染水が、汚染水排出口60から、配管80を経由して、廃水処理装置2の廃水注入孔143へと注入される。放射性汚染土洗浄装置1は、置き台90上に載置されているため、特に動力を要せず汚染水の注入が可能である。
廃水処理装置2においては、汚染水は、廃水処理装置2の作用で説明したように、ゲル化され、更に、水分再吸収の少ない固形物となる。
このようにして、放射性汚染土洗浄装置1と廃水処理装置2とを配管80によって連結したから、汚染土投入から、汚染水の固形化まで、一貫した処理が、ほぼ密閉した環境のもとで実行することができる。
なお、廃水処理装置2については、特許文献3に、更に詳細に技術が開示されている。ただし、その構造は、これまでの説明及び特許文献3に記載の内容に限定されるものではなく、ゲル化剤を用いて、汚染水(廃水)を処理できる装置であれば、異なる構造であってもよい。
また、放射性汚染土洗浄装置1を置き台90に載置し、放射性汚染土洗浄装置1と廃水処理装置2の間は、配管80で接続するとしたが、配管に限定せず、ホースのようなものであってもよく、放射性汚染土洗浄装置1を置き台90に載置せず廃水処理装置2と同一高さに置いて、その間に必要に応じて、ポンプなどの動力機器を設けてもよく、また、いずれの設置形態でも中間に追加のフィルターを設けてもよく、更には、放射性汚染土洗浄装置1からドラム缶などの容器に蓄積したのち、それを廃水処理装置2に注入するようにしてもよい。直結しない場合でも、搬送手段を適切に選べば、密閉と同様、放射性物質の漏洩を防止することは可能である。直結の場合より、システムが簡便に実現できる場合もある。
図8は、本発明の更に別の実施形態の放射性汚染土洗浄システム200であり、図1に示す放射性汚染土洗浄装置1に、表面張力降下剤添加部3及び高圧水供給部4を付加したシステムである。
表面張力降下剤添加部3は、底部を有する略直方体の容器301、容器に洗浄水を注入する洗浄水注入部302、容器から洗浄水を排出する洗浄水排出部303、洗浄水排出部303近傍で、洗浄水の排出を停止できる水栓304、容器の中へ表面張力降下剤溶液を注入する表面張力降下剤溶液注入部305、容器の中で表面張力降下剤溶液と洗浄水とを攪拌する攪拌部306を有する。攪拌部306は、例えば回転軸に羽根状の部分を付加したもので軸を回転させることにより、攪拌するものがよいが、それに限らず、攪拌ができる構造であればよい。また、攪拌をしなくとも表面張力降下剤の溶解が進行するようであれば、攪拌部を306削除することも可能である。
ここで表面張力降下剤としては、界面活性剤、例えば、炭化水素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤などが好ましく、特に、フッ素系界面活性剤が、表面張力降下作用からは、より好ましい。フッ素系界面活性剤は、疎水性基としてハイドロカーボンチェインではなく、完全にフッ素化されたフルオロカーボンチェイン(パーフルオロカーボンチェイン)を有する界面活性剤を総称したものである。特に、パーフルオロアルキル基を含むもの、例えばAGCセイミケミカル社のサーフロン(登録商標)は最も望ましい。パーフルオロアルキル基を含むものとしては、この他にも、スリーエムジャパン社のフッ素系界面活性剤FC−4430、FC−4432(商品名)などがあり、また、パーフルオロアルキル基を含まないフッ素系界面活性剤、例えば、ネオス社のフタージェント(商品名)を用いることもできる。いずれも少量の添加で表面張力を低下させることが可能である。
表面張力降下剤添加部3においては、洗浄水に次の手順で表面張力降下剤が添加される。
1)予め少量の水で表面張力降下剤を溶かす(一次溶解)。比率は、例示の表面張力降下剤の場合は、表面張力降下剤1:水10〜100が望ましい。
2)溶解を促進する物質(例えば、ノニオン界面活性剤、ブチル系グリコールエーテルなど)を極く少量、追加する。
3)この表面張力降下剤が溶解した水(表面張力降下剤溶液)を、表面張力降下剤溶液投入部305より洗浄水に添加し(二次溶解)、攪拌部306により攪拌する。
なお、表面張力降下剤を洗浄水に添加する手順は、これまでの説明に限定されず、選択した表面張力降下剤に対応して、一次溶解時の溶解比率、一次溶解をせず直接洗浄水に添加するなどの手順を、適宜決定すればよい。
その表面張力降下剤溶液が添加された洗浄水は、高圧水供給部4の入口401へと送水され、高圧水供給部4において、圧力を高められたのちに、高圧水供給部4の出口402から放射性汚染土洗浄装置1へと送水される。高圧水供給部4としては、市販の高圧洗浄機などを用いればよいが、専用に設計してもよく、また、表面張力降下剤添加部3と一体に構成してもよい。
放射性汚染土洗浄装置1においては、洗浄水に付加された表面張力降下剤は、汚染土Dの表面での表面張力による浸透の阻害を減らすことができ、汚染土内部にまで洗浄水が浸透することを可能にする。これにより、汚染土Dから小粒径の物質をより多く除去することが可能となり、効率のよい放射性汚染土洗浄システムが実現できる。
放射性汚染土洗浄装置
10 洗浄槽
11 処理槽
12 中間槽
20 上蓋
30 高圧水噴射部
40 フィルター
50 高圧水噴射部
60 汚染水排出口
70 仕切板
80 配管
100 放射性汚染土洗浄システム
2 廃水処理装置
200 放射性汚染土洗浄システム
3 表面張力降下剤添加部
4 高圧水供給部

Claims (3)

  1. )略密閉状態の底部と側面を有し、上部が開放されており、内部で放射性汚染土を洗浄する洗浄槽と、
    B)底部が開放され、前記底部と前記洗浄槽の上部とを密閉可能に連結する上蓋と、
    C)前記洗浄槽の内部で上部に設けられた第1の高圧水噴射部と、
    D)前記洗浄槽の内部で前記第1の高圧水噴射部の下方に設けられ、その上方に放射性汚染土を載置できるフィルターと、
    E)前記洗浄槽の内部で前記フィルターの下方に設けられた放射性汚染水排出口と
    を有し、略密閉状態で、前記フィルターの上方に載置された放射性汚染土に前記第1の高圧水噴射部からの高圧水を噴射し、前記フィルターを通過しうる放射性汚染物質を前記フィルター下方に導き、前記放射性汚染水排出口から排出させることを特徴とする放射性汚染土洗浄装置と、前記放射性汚染土を洗浄するための高圧水を供給する高圧水供給部と、前記高圧水に表面張力降下剤を添加するための表面張力降下剤添加部とを含む放射性汚染土洗浄システム。
  2. 請求項1に記載の放射性汚染土洗浄システムであって、前記表面張力降下剤がフッ素系界面活性剤を含むことを特徴とする放射性汚染土洗浄システム。
  3. 請求項1に記載の放射性汚染土洗浄システムであって、更に、ゲル化剤を用いた廃水処理装置を含む放射性汚染土洗浄システム。
JP2014193176A 2014-04-19 2014-09-23 放射性汚染土洗浄装置及びシステム Active JP6025218B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014193176A JP6025218B2 (ja) 2014-04-19 2014-09-23 放射性汚染土洗浄装置及びシステム

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014086939 2014-04-19
JP2014086939 2014-04-19
JP2014193176A JP6025218B2 (ja) 2014-04-19 2014-09-23 放射性汚染土洗浄装置及びシステム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015211956A JP2015211956A (ja) 2015-11-26
JP6025218B2 true JP6025218B2 (ja) 2016-11-16

Family

ID=54696586

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014193176A Active JP6025218B2 (ja) 2014-04-19 2014-09-23 放射性汚染土洗浄装置及びシステム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6025218B2 (ja)

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6265756A (ja) * 1985-09-17 1987-03-25 Catalysts & Chem Ind Co Ltd 粉粒体の湿式分級法
JP4315584B2 (ja) * 2000-09-19 2009-08-19 鹿島建設株式会社 走行式浄化装置
JP3692317B2 (ja) * 2001-09-27 2005-09-07 三菱重工業株式会社 汚染土壌の浄化装置
JP2007209827A (ja) * 2005-10-04 2007-08-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd 汚染土壌の浄化処理方法
JP4889446B2 (ja) * 2006-10-30 2012-03-07 株式会社クボタ 湿式振動篩装置及び湿式振動篩方法
JP2012006004A (ja) * 2010-06-25 2012-01-12 Katsuo Matsuzawa 汚染水等の固化方法及び固化剤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015211956A (ja) 2015-11-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5631160A (en) Method for in situ soil remediation
WO1993016330A1 (en) Surface remediator
JP4562589B2 (ja) 洗浄設備
KR20030087915A (ko) 오염된 토양층의 정화 방법 및 장치
JP2010008091A (ja) 原子力設備の解体工法
JP6025218B2 (ja) 放射性汚染土洗浄装置及びシステム
JP2010075887A (ja) 汚染土壌および地下水の浄化方法
JP2015138014A (ja) 放射性廃液処理装置及び放射性廃液処理方法
CN217726628U (zh) 原位淋洗与多相抽提联合修复复合污染地块的系统
JP2003311251A (ja) 汚染土壌改良方法
JP3567412B2 (ja) 地下水循環による汚染土壌の清浄化方法
JPH10258266A (ja) 汚染地盤の原位置修復方法および汚染物質処理装置
JP2018126703A (ja) 難分解性有機化合物の分解浄化方法
JP2007209914A (ja) 揮発性有機化合物汚染土壌の浄化システム、及びその浄化方法
WO2012165025A1 (ja) 放射性物質により汚染された塵芥、土砂及び土壌の洗浄除染方法
JP5832870B2 (ja) 除染方法及び装置
JP2003159584A (ja) 汚染土壌の処理工法
US6907891B2 (en) Radioactive substance decontamination method and apparatus
JP6243171B2 (ja) 建設汚泥の処理方法
JP4232955B2 (ja) 土壌浄化工法
CN211386253U (zh) 固废填埋场及污染土壤原位多维压力淋滤及生化处理系统
JP2006043650A (ja) 汚染土壌の浄化処理装置
JP2010075883A (ja) 汚染土壌および地下水の浄化方法
JP2004321863A (ja) 汚染土壌の原位置浄化装置
US8845233B2 (en) Soil remediation

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150109

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161006

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6025218

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250