JP3692317B2 - 汚染土壌の浄化装置 - Google Patents

汚染土壌の浄化装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3692317B2
JP3692317B2 JP2001296223A JP2001296223A JP3692317B2 JP 3692317 B2 JP3692317 B2 JP 3692317B2 JP 2001296223 A JP2001296223 A JP 2001296223A JP 2001296223 A JP2001296223 A JP 2001296223A JP 3692317 B2 JP3692317 B2 JP 3692317B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
contaminated soil
solvent
soil
container
tank
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001296223A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003094035A (ja
Inventor
究 有川
勲 石田
徹 栄藤
理 吉住
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2001296223A priority Critical patent/JP3692317B2/ja
Publication of JP2003094035A publication Critical patent/JP2003094035A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3692317B2 publication Critical patent/JP3692317B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油、PCB、ダイオキシンなどの有害な有機物質や水銀や鉛等の重金属、シアン類などの有害な無機物質により複合汚染された土壌を浄化する汚染土壌の浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年では、生活排水、工場、事業所等からの排液などの浸漬による土壌汚染、また、工場跡地等の土壌汚染により本来自然に分解不可能な化学物質で汚染された土壌、地下水が増加し、その結果、生態系や社会生活基盤としての土壌環境に深刻な影響を与えている。そのため、このような汚染された土壌や地下水を浄化処理する各種の方法が提案されている。しかし、上述した油、PCB、ダイオキシン、水銀や鉛等の重金属、シアン類などに関しては有効な処理方法がなく、焼却や封じ込めなどの対策が行われているのが現状である。
【0003】
従来から一般的に行われている焼却処理は、油、PCB、ダイオキシン等の各種有害物質に汚染された土壌をロータリキルン等の焼却設備により高温度雰囲気下で焼却処理し、汚染土壌に含まれている各種の有害物質を焼却して分解し、浄化土壌として環境に戻すものである。また、この焼却設備にて各種の有害物質が分解されて排出されるガスは無害化され、燃焼ガスと共に排ガスとして大気に放出される。
【0004】
しかし、このような大規模な焼却設備に関しては、膨大な汚染土壌を処理するのにエネルギコストが大きく、また、処理後の土壌の変質等により廃棄物の取り扱いとなる可能性を含んでおり、再利用するのが困難となる恐れがある。一方、前述した汚染土壌の封じ込め処理は、本質的には汚染土壌の浄化対策とは言えず、単に自然界からの遮断と言う消極的な処理方法である。そのため、油、PCB、ダイオキシン等の各種有害物質に汚染された土壌を適正に浄化して自然界に戻すための経済的に有利な土壌の処理方法が望まれている。
【0005】
そこで、例えば、特開平11−5075号公報に開示された土壌浄化処理方法では、油汚染土に水溶性有機溶剤を添加して混合攪拌し、汚染土中の油分を抽出した後に固液分離し、その液状体を引き抜くことにより汚染土内の油分を有機溶剤に混合された状態で汚染土から分離除去し、固液分離で生じた液状体を蒸留して有機溶剤を回収する一方、油分を分離して処理している。従って、土中における油分の含有率を著しく低下させ、適正に汚染土を浄化して再利用を可能とすることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した工場跡地などの土壌を浄化処理する場合、大量の汚染土壌を短期間で効率よく処理する必要がある。上述した従来の土壌浄化処理方法では、油汚染土に水溶性有機溶剤を添加して混合攪拌することで汚染土中の油分を抽出しており、この混合攪拌により土が微粒化してしまい、固液分離に長時間を有すると共に、汚染土から液状体を引き抜くときにフィルタが目詰まりして効率よく分離することができず、汚染土壌の処理に長期間を要してしまうという問題がある。
【0007】
また、汚染土壌には、油分の他に、PCB、ダイオキシン、水銀や鉛等の重金属、シアン類などの有害物質が含有している場合が多く複合汚染された土壌となっており、同時に複数の有害物質を取り除く必要がある。
【0008】
本発明はこのような問題を解決するものであって、大量の複合汚染土壌を適正に効率よく浄化処理して短期間で浄化処理可能とした汚染土壌の浄化装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するための第一番目の発明の汚染土壌の浄化装置は、汚染土壌に溶剤を供給して浸漬洗浄することで、該汚染土壌に含有する有害物質を分離する汚染土壌の浄化装置において、前記溶剤の供給口及び浄化土壌を乾燥させるエアの供給口を上方に有すると共に前記溶剤の排出口及び前記エアの排出口を下方に有し、内周部の上下方向略中間部に支持フランジを固定された外部容器と、前記外部容器内の上方及び下方に空間部を有して当該外部容器内の上下方向略中間部に着脱自在に吊下げ支持されるように当該外部容器の前記支持フランジに載置される支持部材を外周部に固定され、上部に前記汚染土壌の投入口を有して下部に前記溶剤が通過するフィルタを有する内部容器と、前記外部容器の前記支持フランジと前記内部容器の前記支持部材との間に介装されるシール部材と、前記外部容器に装着して内部を密閉する蓋とを具える洗浄槽と、前記洗浄槽の前記外部容器の前記エアの排出口に連絡し、当該洗浄槽内を吸引して浄化土壌を乾燥させるブロアとを具えていることを特徴とするものである。
【0010】
第二番目の発明の汚染土壌の浄化装置では、第一番目の発明において、前記内部容器の側部又は下部に浄化土壌の排出口が設けられると共に、該排出口を開閉する開閉扉が設けられたことを特徴としている。
【0011】
第三番目の発明の汚染土壌の浄化装置では、第一番目の発明において、前記洗浄槽の前記内部容器内の土壌に対して通気孔を形成する穿孔装置を前記蓋に着脱自在に設けたことを特徴としている。
【0012】
第四番目の発明の汚染土壌の浄化装置では、汚染土壌に溶剤を供給して浸漬洗浄することで、該汚染土壌に含有する有害物質を分離する汚染土壌の浄化装置において、上部に前記汚染土壌の投入口を有して下部に前記溶剤が通過するフィルタを有し、側部又は下部に浄化土壌の排出口が設けられると共に、該排出口を開閉する開閉扉が設けられた内部容器と、前記溶剤の供給口及び排出口を有して前記内部容器を着脱自在に収容する外部容器と、前記外部容器に装着して内部を密閉する蓋とを具えたことを特徴としている。
【0013】
第五番目の発明の汚染土壌の浄化装置では、第四番目の発明において、前記内部容器は前記外部容器内の上下方向略中間部に上方及び下方に空間部を有して支持され、該上方空間部に前記溶剤の供給口が連通し、該下方空間部に前記溶剤の排出口が連通することを特徴としている。
【0014】
第六番目の発明の汚染土壌の浄化装置では、第五番目の発明において、前記内部容器は外周部に固定された支持部材が前記外部容器の内周部に固定された支持フランジに載置されて吊下げ支持されたことを特徴としている。
【0015】
第七番目の発明の汚染土壌の浄化装置では、第六番目の発明において、前記支持部材と前記支持フランジとの間にはシール部材が介装されたことを特徴とする。
【0016】
第八番目の発明の汚染土壌の浄化装置では、第四番目の発明において、前記外部容器に浄化土壌を乾燥させるエアの供給口及び排出口を設けると共に、前記蓋に前記内部容器内に土壌に対して通気孔を形成する穿孔装置を着脱自在に設けたことを特徴としている。
【0017】
第九番目の発明の汚染土壌の浄化装置では、第一番目又は第四番目の発明において、前記外部容器に、前記汚染土壌に含有する有害な有機物質を分離する溶剤の供給口及び排出口が形成されると共に、前記汚染土壌に含有する有害な無機物質を分離する洗浄液の供給口及び排出口が形成されたことを特徴としている。
第十番目の発明の汚染土壌の浄化装置では、第一番目又は第四番目の発明において、前記溶剤の供給口には供給配管を介して溶剤精製タンクが連結されると共に、前記溶剤の排出口には排出配管を介して排出溶剤タンクが連結され、該供給配管と該排出配管との間に溶剤を循環する循環配管が連結されたことを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を詳細に説明するが、本発明は以下に説明する実施の形態に限定されるものではない。
【0019】
図1に本発明の第1実施形態に係る汚染土壌の浄化システムに使用される洗浄槽の概略、図2に洗浄槽の分解斜視、図3に本実施形態の汚染土壌の浄化システムの全体概略を示す。
【0020】
本実施形態の汚染土壌の浄化システムにおいて、図3に示すように、汚染土壌を投入して浄化処理するための洗浄槽11は汚染土壌の処理場所に設置して使用するものである。タンクユニット12は、精製溶剤タンク13と、排出溶剤タンク14,15と、洗浄液タンク16とを有している。精製溶剤タンク13は、汚染土壌に含有する有害な有機物質(例えば、油、PCB、ダイオキシン等)を抽出するための溶剤を貯留するものであって、精製溶剤供給ポンプ(溶剤供給手段)17を有する供給配管18を介して各洗浄槽11に連結されている。一方、排出溶剤タンク14,15は、洗浄槽11内で汚染土壌から抽出した有機物質を含有する溶剤を貯留するものであって、操作弁19及び抽出溶剤排出ポンプ(溶剤排出手段)20を有する排出配管21を介して各洗浄槽11に連結されている。また、供給配管17と排出配管21との間には、操作弁22及び循環ポンプ23を有する循環配管24が連結されている。
【0021】
従って、操作弁19,22を閉止した状態で精製溶剤ポンプ17を駆動すると、精製溶剤タンク13内の溶剤を供給配管18を介して各洗浄槽11に供給することができ、また、操作弁19を開放して抽出溶剤排出ポンプ20を駆動すると、各洗浄槽11内の抽出溶剤を排出配管21を介して各排出溶剤タンク14,15に排出することができる。一方、操作弁19を閉止して操作弁22を開放した状態で、循環ポンプ23を駆動すると、洗浄槽11に対して循環配管24により溶剤を循環給排することができる。
【0022】
また、洗浄液タンク16は、汚染土壌に含有する有害な無機物質(水銀や鉛等の重金属、シアン類等)を溶解抽出または分解する洗浄液を貯留するものであって、洗浄液供給ポンプ(洗浄液供給手段)25を有する供給配管26を介して各洗浄槽11に連結されている。そして、この各洗浄槽11には操作弁27及び洗浄液排出ポンプ(洗浄液排出手段)28を有する排出配管29が連結されている。そして、また、供給配管26と排出配管29との間には、操作弁30及び循環ポンプ31を有する循環配管32が連結されている。
【0023】
従って、操作弁27,30を閉止した状態で洗浄液ポンプ25を駆動すると、洗浄液タンク16内の洗浄液を供給配管26を介して各洗浄槽11に供給することができ、また、操作弁27を開放して洗浄液排出ポンプ28を駆動すると、各洗浄槽11内の抽出洗浄液を排出配管29を介して排出することができる。一方、操作弁27を閉止して操作弁30を開放した状態で、循環ポンプ31を駆動すると、洗浄槽11に対して循環配管32により洗浄液を循環給排することができる。
【0024】
なお、排出配管21には抽出溶剤に含まれる有害な有機物質の濃度を検出する濃度センサ33が装着される一方、排出配管29には抽出洗浄液に含まれる有害な無機物質の濃度を検出する濃度センサ34が装着されている。この場合、有害な有機物質、無機物質の種類に応じて高精度な濃度を検出する複数のセンサを配設することが望ましい。
【0025】
また、浄化ユニット35は、洗浄槽11から排出されて排出溶剤タンク14,15に貯留された抽出溶剤から有機物質を除去して精製する溶剤精製装置36と、洗浄槽11から排出された抽出洗浄液から無機物質を除去して精製する洗浄液精製装置37と、各洗浄槽11のガスを吸引して有機物質または無機物質が除去された土壌に対して、残留した溶剤または洗浄液を除去して乾燥する乾燥装置38とを有している。
【0026】
この溶剤精製装置36は、砂などの粗粒子を除去するストレーナ39と、油脂を除去するオイルストレーナ40と、ボイラ41が連結された蒸留塔42とから構成されている。そして、排出溶剤タンク14,15とストレーナ39とが移送ポンプ43を有する移送配管44により接続されている。一方、蒸留塔42と精製溶剤タンク13とが凝縮器45及び返送配管46により連結されている。また、ストレーナ39、オイルストレーナ40、蒸留塔42には有機物質排出管47を介して有機物質処理装置(貯溜タンク、処理装置)48が連結されている。
【0027】
従って、移送ポンプ43を駆動して排出溶剤タンク14,15の抽出溶剤が移送配管44を通して溶剤精製装置36に送られると、ここで、溶剤から油、PCB、ダイオキシン等の有機物質が取り除かれ、浄化された溶剤を凝縮器45を介して返送配管46を通って精製溶剤タンク13に戻すことができる。一方、溶剤精製装置36で除去された有機物質は有機物質排出管47を通して有機物質処理装置48に送られ、ここで貯留保管して無害化処理することができる。
【0028】
洗浄液精製装置37は、砂ろ過塔49と樹脂吸着塔50とから構成されており、洗浄液の排出配管29の下流端部が砂ろ過塔49に連結され、樹脂吸着塔50と洗浄液タンク16とが返送配管51により連結され、砂ろ過塔49及び樹脂吸着塔50には無機物質排出管52を介して無機物質処理装置53が連結されている。
【0029】
従って、洗浄液排出ポンプ28を駆動して各洗浄槽11から排出配管29を通して抽出洗浄液が洗浄液精製装置37に送られると、ここで、洗浄液から水銀や鉛等の重金属、シアン類等の無機物質が取り除かれ、浄化された洗浄液を返送配管51を通して洗浄液タンク16に戻すことができる。一方、洗浄液精製装置37で除去された無機物質は無機物質排出管52を通して無機物質処理装置53に送られ、ここで無害化あるいは濃縮処理することができる。
【0030】
また、乾燥装置38は、洗浄槽11から排出された溶剤(ミスト)を含んだエアを取り込んで含有するミストを分離するノックアウトポット54と、エアを冷却する熱交換器55と、ブロワ56と、溶剤蒸気を吸着する活性炭塔57とから構成されている。洗浄槽11はエア排出配管58を介してノックアウトポット54に連結され、活性炭塔57はエア供給配管59を介して洗浄槽11に連結されている。また、ノックアウトポット54及び熱交換器55は溶剤返送ポンプ64を有する返送配管65を介して排出溶剤タンク15に連結されている。
【0031】
従って、ブロワ56を作動して洗浄槽11内のエアを吸引すると、エアはノックアウトポット54内で含有する溶剤ミストが分離され、また、熱交換器55で冷却されて溶剤蒸気が液状となり、更に、活性炭塔57で浄化されて洗浄槽11に供給され、洗浄槽11内に残留する溶剤を蒸発して土壌から除去することができる。
【0032】
なお、ユーティリティユニット60としてボイラユニット61、冷却ユニット62、コンプレッサユニット63等が設けられている。このボイラユニット61は洗浄槽11に供給するエアを必要に応じて加熱するためのものであり、冷却ユニット62は熱交換器55で洗浄槽11から排出されたエアを冷却して溶剤蒸気を凝縮するためのものであり、コンプレッサユニット63は各種のポンプを作動するためのものである。
【0033】
ここで、上述した本実施形態の洗浄槽11の具体的な構造について説明する。洗浄槽11は、図1及び図2に示すように、内部容器71と外部容器72と蓋73とから構成されている。内部容器71は上部に汚染土壌を投入する投入口74が形成された箱型形状(あるいは円筒形状)をなし、上端外周部に補強を兼ねた角パイプ状の支持部材75が固定される一方、下部に格子状のフィルタ支持床76が形成され、このフィルタ支持床76上にろ過フィルタ77が敷設されている。また、内部容器71は側部には浄化処理済の浄化土壌を排出する排出口(図示略)が形成され、この排出口に左右一対の開閉扉78a,78bが開閉自在に設けられると共に、ロック装置79が設けられている。なお、内部容器71の支持部材75には所定の位置に複数の吊具80が取付けられている。
【0034】
外部容器72は上部に内部容器71を収容する収容口81が形成された箱型形状(あるいは円筒形状)をなし、上部の内周部に内部容器71の支持部材75を受け止める支持フランジ82が固定されると共にこの支持フランジ82上にはシール部材83が固定されている。そのため、内部容器71は支持部材75が外部容器72の支持フランジ82に載置されることで、この外部容器72内の上下方向略中間部に上方及び下方に空間部85,86を有して吊下げ支持されている。そして、上方空間部85に連通して溶剤の供給口87a、洗浄剤の供給口88a、エアの供給口89aが形成される一方、下方空間部86に連通して溶剤の排出口87b、洗浄剤の排給口88b、エアの排給口89bが形成されている。また、外部容器72はその底部に溶剤や洗浄液を各排出口87b,88bに導く傾斜板90が固定されている。
【0035】
なお、溶剤の供給口87aは供給配管18が連結され、洗浄剤の供給口88aは供給配管26が連結され、エアの供給口89aは形成供給配管59が連結される一方、溶剤の排出口87bは排出配管21が連結され、洗浄剤の排給口88bは排出配管29が連結され、エアの排給口89bは排出配管58が連結され、各供給配管18,26と各排出配管21,29との間には循環配管24,32が架設されている。
【0036】
蓋73は平板形状をなし、外部容器72の収容口81を閉塞して内部容器71の汚染土壌を密閉するものであって、外周フランジ91が外部容器72の外周部に固定された取付フランジ92に密着して締結ボルト93等により取付可能となっている。なお、外部容器72の蓋73には所定の位置に複数の吊具94が取付けられている。
【0037】
なお、汚染土壌に含まれる油、PCB、ダイオキシンなどの有害な有機物質を抽出するための溶剤と、汚染土壌に含まれる水銀や鉛等の重金属、シアン類などの有害な無機物質を溶解抽出する洗浄液は、事前に汚染土壌の調査を行うことで、汚染土壌に含まれる有害物質の含有量や濃度に応じてその種類を設定する必要がある。この場合、溶剤として親水性溶剤(例えば、アルコール)が好適であり、洗浄液として水、アルカリ液、酸性液が好適である。具体的には、アルコール貯留タンクや水タンク、アルカリ液タンク、酸性液タンクを設ける必要がある。
【0038】
ここで、上述した本実施形態の汚染土壌の浄化システムによる浄化処理方法について説明する。この場合、事前に土壌の浄化処理を行う現地の汚染状態を事前に調査し、必要な機材や処理剤等を準備し、現地に各種の装置を搬送して組み立てて浄化設備を設置する。なお、処理現場の広さや浄化処理する汚染土壌の処理量などに応じて洗浄槽11の設置数を設定する。そして、汚染土壌を浄化処理するための設備が設置されると、図3に示すように、まず、パワーショベル等を用いて各洗浄槽11内に汚染土壌を所定量投入して密閉する。
【0039】
即ち、図1に示すように、まず、洗浄槽11の外部容器72から内部容器71を取り外して汚染土壌の投入位置に載置し、パワーショベル等を用いてこの内部容器71の投入口74から内部に汚染土壌を所定量投入する。次に、この汚染土壌が投入された内部容器71を搬送し、所定の処理位置に設置された外部容器42に収容口81から内部容器71を収容する。このとき、内部容器71の支持部材75を外部容器72の支持フランジ82上に載置することで、この内部容器71を外部容器72の中間位置に吊り下げて収容する。そして、外部容器72の収容口81に蓋73を載せ、締結ボルト93で締結することで、汚染土壌を洗浄槽11内に密閉する。
【0040】
このように汚染土壌が洗浄槽11内に投入されて密閉されると、この状態で、図1及び図3に示すように、次に、操作弁19,22を閉止した状態で、精製溶剤ポンプ17により精製溶剤タンク13の溶剤(例えば、アルコール)を供給配管18を介して各洗浄槽11に供給する。この場合、溶剤は外部容器72の上方空間部85に供給されてから、シール部材83により下方に流れずに内部容器71内に導かれて汚染土壌に浸透し、ろ過フィルタ77を通過して下方空間部86に至り、この溶剤は洗浄槽11の汚染土壌が浸漬するまで所定量貯留される。そして、溶剤が洗浄槽1に所定量貯留されたら、精製溶剤ポンプ17を停止して操作弁22を開放し、循環ポンプ23により循環配管24を介して溶剤を洗浄槽11に循環給排する。このように溶剤の循環給排を所定時間行うことで、汚染土壌に含有する有機物質、つまり、油、PCB、ダイオキシンを抽出することができる。なお、溶剤を洗浄槽11に供給する当初は、溶剤を洗浄槽11の下方空間部86に供給してろ過フィルタ77を浸水させてから、上方空間部85に供給して汚染土壌を浸漬させるまで所定量供給することで、ろ過フィルタ77の目詰まりを抑制することができる。
【0041】
溶剤を洗浄槽11に所定時間(例えば、3〜4時間)循環して汚染土壌に含有する油、PCB、ダイオキシンが抽出されると、操作弁22を閉じると共に循環ポンプ23を停止して操作弁19を開放し、抽出溶剤排出ポンプ20を作動して排出配管21を介して各洗浄槽11内の抽出溶剤を排出溶剤タンク14,15に排出する。そして、再び、精製溶剤タンク13の新しい溶剤を洗浄槽11に供給して循環し、前述と同様に、この溶剤の循環給排を所定時間行うことで有機物質を抽出する。この作業を数サイクル行いながら、排出された溶剤における油、PCB、ダイオキシンの濃度を濃度センサ33により計測する。そして、この濃度センサ33の計測値が予め設定された所定値以下になったら、洗浄槽11の土壌に含有する有機物質の残留量が公定法で定められた基準値以下になったものとし、洗浄作業を終了する。
【0042】
そして、ブロワ56を作動して洗浄槽11内のガスを吸引することで、洗浄槽11内の土壌に残留する溶剤を蒸発してエアと共に排出してこの土壌を乾燥させる。そして、排出されたエアをノックアウトポット54内で隔壁に衝突させることで溶剤のミストを分離し、また、熱交換器55で冷却することで溶剤蒸気を凝縮し、更に、エアに含有する気体状の溶剤を活性炭塔57で吸着する。そして、ノックアウトポット54及び熱交換器55で除去した残留溶剤を溶剤返送ポンプ64により返送配管65介して排出溶剤タンク15に戻す。
【0043】
このように洗浄槽11内の汚染土壌から有害な有機物質が除去されたら、続いて、洗浄液ポンプ25により洗浄液タンク16内の洗浄液(例えば、水)を供給配管26を介して各洗浄槽11に供給し、前述した溶剤による有機物質の抽出方法と同様の方法で、洗浄槽11内の汚染土壌を水により浸漬させる。そして、循環ポンプ31により循環配管32を介して液を洗浄槽11に循環することで、汚染土壌に含有する有害な無機物質を溶解する。そして、水を洗浄槽11に所定時間循環すると、この液の循環を停止して洗浄剤排出ポンプ28により各洗浄槽11内の抽出水を洗浄液精製装置37に排出する。そして、再び、新しい液を洗浄槽11に供給して循環し、この液の循環給排を所定時間行うことで有害な無機物質を抽出する。この作業を数サイクル行いながら、排出された液における有害物質の濃度を濃度センサ34により計測する。そして、この濃度センサ334の計測値が予め設定された所定値以下になったら、洗浄槽11の土壌に含有する有害物質の残留量が公定法で定められた基準値以下になったものとし、洗浄作業を終了する。
【0044】
そして、液による汚染土壌の浄化処理が完了したら、同様に、アルカリ液を洗浄槽11に所定時間循環給排してこの処理を数サイクル行うことで、汚染土壌に含まれる有害な無機物質を除去する。更に、酸性液を洗浄槽11に所定時間循環給排してこの処理を数サイクル行うことで、汚染土壌に含まれる有害な無機物質を除去する。
【0045】
一方、排出溶剤タンク14,15の抽出溶剤(アルコール)を移送ポンプ43により移送配管44を介して溶剤精製装置36に送り、ここで溶剤から油、PCB、ダイオキシン等の有機物質を除去し、浄化された溶剤を精製溶剤タンク13に戻す。一方、溶剤精製装置36で除去された有機物質は有機物質排出管47を通して有機物質処理装置48に送られ、ここで無害化処理する。この場合、油は焼却処理し、PCBは水熱分解処理する。また、洗浄液精製装置37では、洗浄液(水、アルカリ液、酸性液)から重金属などの無機物質を取り除き、浄化された洗浄液を洗浄液タンク16に戻す。一方、洗浄液精製装置37で除去された無機物質は無機物質排出管52を通して無機物質処理装置53に送られ、ここで無害化処理する。
【0046】
その後、必要に応じてブロワ56を作動して洗浄槽11内のガスを吸引することで、洗浄槽11内の土壌に残留する水分を蒸発して乾燥させる。
【0047】
上述した処理により洗浄槽11内で汚染土壌から有害な有機物質及び無機物質を分離除去されると、洗浄槽11から浄化土壌を排出し、自然界に戻して再利用が可能となる。即ち、各締結ボルト93を弛緩してクレーン等により蓋73を吊り上げて外部容器72から取り外し、更に、浄化土壌が入った内部容器71をクレーンにより吊り上げて外部容器72から取り出し、このクレーンあるいは搬送台車を用いて内部容器71を所定の処理場に搬送する。そして、ロック装置79を解除して各開閉扉78a,78bを開放することで排出する。この場合、浄化土壌は現地に戻されるか、埋め立て用の土砂として再利用される。
【0048】
このように本実施形態の汚染土壌の浄化システムにあっては、複数の洗浄槽11に精製溶剤タンク13と洗浄液タンク16とを連結し、各洗浄槽11内に投入された汚染土壌に対して、まず、精製溶剤タンク13の溶剤を供給して所定時間浸漬させることで、汚染土壌に含有する有機物質(例えば、油、PCB、ダイオキシン等)を分離し、次に、洗浄槽11内の溶剤を排出してから、洗浄液タンク16の洗浄液を供給して所定時間浸漬させることで、汚染土壌に含有する無機物質(水銀や鉛等の重金属、シアン類等)を分離するようにしている。
【0049】
従って、洗浄槽11の汚染土壌を溶剤により浸漬して含有する有機物質を分離すると共に、洗浄液により浸漬して含有する無機物質を分離しており、汚染土壌と溶剤、また、汚染土壌と洗浄液とを混合攪拌せずに浸漬して分離することで、土の微粒化により分離処理に長時間を要することがなく、また、フィルタが目詰まりすることもなく、汚染土壌の浄化処理を短期間で適正に行うことができる。
【0050】
また、洗浄槽11を、溶剤、洗浄液、乾燥エアの供給口87a,88a,89a及び排出口87b,88b,89bを有する外部容器72内に、上部に投入口74を有して下部にろ過フィルタ77を有する内部容器71を収容可能として構成している。従って、洗浄槽11内に汚染土壌を投入するときや処理された浄化土壌を外部に排出するときには、外部容器72から内部容器71を取り外して処理現場に搬送して作業を行うこととなり、溶剤や洗浄液等の各種配管を外して洗浄槽11全体を処理現場に搬送する必要がなくなり、作業性を向上することができる。この場合、溶剤や洗浄液等の配管には抽出された有害物質が付着している可能性があり、この有害物質が付着した配管の着脱作業が不要となることで、作業者の十分な安全性を確保することができる。
【0051】
そして、内部容器71の外周部に固定された支持部材75を外部容器72の内周部に固定された支持フランジ82に載置することで内部容器71を吊下げ支持し、外部容器72の上方空間部85に各供給口87a,88a,89aを連通し、下方空間部86に排出口87b,88b,89bを連通している。従って、外部から溶剤や洗浄液等を外部容器72を介して内部容器71内の汚染土壌に対して確実に供給することができると共に、各種の有害物質を抽出した溶剤や洗浄液等を外部容器72を介して外部に適正に排出することができる。
【0052】
更に、内部容器71の側部に浄化土壌の排出口を設けて開閉扉78a,78bにより開閉自在としている。従って、浄化処理した内部容器71内の土砂を容易に排出することができ、作業性を向上することができる。
【0053】
なお、上述の実施形態では、溶剤として親水性溶剤(例えば、アルコール)を使用し、洗浄液として水、アルカリ液、酸性液を使用して説明したが、親水性溶剤としてアルコールの他、ケトン等を用いることができ、溶剤として親水性溶剤の他、疎水性溶剤として炭化水素類、芳香族類等を用いることができる。また、この親水性溶剤(アルコール、ケトン等)と疎水性溶剤(炭化水素類、芳香族類等)とを用い、含水状態にある汚染土壌中の水分を親水性溶剤で脱水した後、有機物質に対して抽出・溶解能力の高い疎水性溶剤により汚染土壌に含有する有害の有機物質を抽出除去し、洗浄剤により無機物質を溶解・分解して除去するようにしてもよい。また、この場合、親水性溶剤と疎水性溶剤を混合した混合溶剤を用いることで、処理時間を短縮することができる。
【0054】
また、上述した洗浄槽11の構造も上述した実施形態に限定されるものではない。図4に本発明の第2実施形態に係る汚染土壌の浄化システムにおける洗浄槽を構成する内部容器の概略、図5に本発明の第3実施形態に係る汚染土壌の浄化システムにおける洗浄槽の概略を示す。なお、前述した実施形態で説明したものと同様の機能を有する部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0055】
第2実施形態において、図4に示すように、洗浄槽を構成する内部容器101は、上部に汚染土壌を投入する投入口102が形成された箱型形状をなし、上端外周部に支持部材103が固定される一方、下部に浄化処理済の浄化土壌を排出する排出口(図示略)が形成され、この排出口に左右一対の開閉扉104a,104bが開閉自在に設けられている。この開閉扉104a,104bは格子状をなしてロック装置105により施錠可能となっており、施錠状態にて開閉扉104a,104bの上にろ過フィルタ106が敷設されている。なお、支持部材103には所定の位置に複数の吊具107が取付けられている。
【0056】
従って、ロック装置105により各開閉扉104a,104bが施錠された状態では、ろ過フィルタ106が敷設されており、内部容器101内に汚染土壌を投入して貯留することができる。一方、内部容器101内の汚染土壌が適正に浄化処理されたら、所定の位置に搬送し、ロック装置105を解錠することにより各開閉扉104a,104bを下方に開放し、内部容器101内に浄化土壌を容易に排出することができる。
【0057】
第3実施形態において、図5に示すように、洗浄槽111は、内部容器71と外部容器72と蓋73とから構成されており、内部容器71は上部に汚染土壌を投入する投入口74が形成されると共に外周部に支持部材75が固定される一方、下部にはフィルタ支持床76上にろ過フィルタ77が敷設されている。外部容器72は上部に収容口81が形成されると共に内周部に支持フランジ82(シール部材83)が固定されている。そのため、内部容器71は支持部材75が外部容器72の支持フランジ82に載置されて吊下げ支持されており、外部容器72の上部に各供給口87a,88a,89aが形成される一方、下部に各排出口87b,88b,89bが形成されている。
【0058】
また、蓋73は平板形状をなし、多数の貫通孔112が形成されると共に、この各貫通孔112には蓋73の内側に位置して開閉板113が装着されている。そして、蓋73には洗浄槽111の内部土壌に対して上方から通気孔Hを形成する穿孔装置114が着脱自在であり、穿孔装置114の突出部115を貫通孔112から洗浄槽111の内部に挿入可能となっている。
【0059】
従って、洗浄槽11に溶剤を供給して汚染土壌を浸漬洗浄することで、この汚染土壌に含有する油、PCB、ダイオキシン等を抽出し、これらの有害物質が完全に抽出されたら内部の抽出溶剤を排出する。そして、洗浄槽11内の汚染土壌に残留する溶剤の乾燥作業を行うが、溶剤が浸透した土壌は締め固まっているために通気性が不十分であるために多数の通気孔Hを形成する。即ち、作業者が穿孔装置114を用いて突出部115を各貫通孔112から開閉板113を押し開いて洗浄槽111の内部に挿入することで、多数の通気孔Hを形成することで、汚染土壌の通気性が良好となる。このように多数の通気孔Hを形成されたら、ブロワ56を作動して洗浄槽11内のガスを吸引することで、洗浄槽11内の土壌に残留する溶剤を蒸発してエアと共に排出してこの土壌を乾燥させる。この場合、汚染土壌に多数の通気孔Hがあるため、汚染土壌の通気性が良好となり、短時間で乾燥することができる。続いて、洗浄槽11内に洗浄液を供給して汚染土壌を浸漬洗浄することで、この汚染土壌に含有する水銀や鉛等の重金属、シアン類などを除去する。
【0060】
なお、上述した各実施形態では、洗浄槽11内に溶剤を供給して汚染土壌に含有する有害な有機物質(例えば、油、PCB、ダイオキシン等)を分離すると共に、洗浄槽11内に洗浄液を供給して汚染土壌に含有する有害な無機物質(水銀や鉛等の重金属、シアン類等)を分離するようにしたが、汚染土壌に含まれる有害物質の種類に応じて溶剤だけ、あるいは洗浄液だけを供給して浄化処理を行ってもよい。
【0061】
【発明の効果】
以上、実施形態において詳細に説明したように第一番目の発明の汚染土壌の浄化装置によれば、汚染土壌に溶剤を供給して浸漬洗浄することで、該汚染土壌に含有する有害物質を分離する汚染土壌の浄化装置において、前記溶剤の供給口及び浄化土壌を乾燥させるエアの供給口を上方に有すると共に前記溶剤の排出口及び前記エアの排出口を下方に有し、内周部の上下方向略中間部に支持フランジを固定された外部容器と、前記外部容器内の上方及び下方に空間部を有して当該外部容器内の上下方向略中間部に着脱自在に吊下げ支持されるように当該外部容器の前記支持フランジに載置される支持部材を外周部に固定され、上部に前記汚染土壌の投入口を有して下部に前記溶剤が通過するフィルタを有する内部容器と、前記外部容器の前記支持フランジと前記内部容器の前記支持部材との間に介装されるシール部材と、前記外部容器に装着して内部を密閉する蓋とを具える洗浄槽と、前記洗浄槽の前記外部容器の前記エアの排出口に連絡し、当該洗浄槽内を吸引して浄化土壌を乾燥させるブロアとを具えているので、容器内に汚染土壌を投入するときや処理された浄化土壌を外部に排出するときには、外部容器から内部容器を取り外して処理現場に搬送して作業を行うこととなり、溶剤を給排するための各種配管を外して容器全体を処理現場に搬送する必要がなくなり、作業性を向上することができ、また、溶剤の各配管には抽出された有害物質が付着している可能性があり、この有害物質が付着した配管の着脱作業が不要となることで、作業者の安全性を向上することができる。また、外部から溶剤を外部容器を介して内部容器内の汚染土壌に対して確実に供給することができると共に、各種の有害物質を抽出した溶剤を外部容器を介して外部に適正に排出することができる。また、簡単な構造で内部容器を外部容器内の適正位置に支持することができ、製造コストを低減することができる。また、外部から外部容器内に供給された溶剤を下方に流さずに内部容器内の汚染土壌に対して上方から導入することができ、この汚染土壌に含有する有害物質を確実に抽出することができる。
【0062】
第二番目の発明の汚染土壌の浄化装置によれば、第一番目の発明において、前記内部容器の側部又は下部に浄化土壌の排出口が設けられると共に、該排出口を開閉する開閉扉を設けたので、浄化処理した土壌を容易に排出することができる。
【0063】
第三番目の発明の汚染土壌の浄化装置によれば、第一番目の発明において、前記洗浄槽の前記内部容器内の土壌に対して通気孔を形成する穿孔装置を前記蓋に着脱自在に設けたので、穿孔装置を用いて汚染土壌に多数の通気孔を形成することで、浄化土壌の通気性が良好となり、エアの供給による乾燥を短時間で行うことができる。
【0064】
第四番目の発明の汚染土壌の浄化装置によれば、汚染土壌に溶剤を供給して浸漬洗浄することで、該汚染土壌に含有する有害物質を分離する汚染土壌の浄化装置において、上部に前記汚染土壌の投入口を有して下部に前記溶剤が通過するフィルタを有し、側部又は下部に浄化土壌の排出口が設けられると共に、該排出口を開閉する開閉扉が設けられた内部容器と、前記溶剤の供給口及び排出口を有して前記内部容器を着脱自在に収容する外部容器と、前記外部容器に装着して内部を密閉する蓋とを具えたので、容器内に汚染土壌を投入するときや処理された浄化土壌を外部に排出するときには、外部容器から内部容器を取り外して処理現場に搬送して作業を行うこととなり、溶剤を給排するための各種配管を外して容器全体を処理現場に搬送する必要がなくなり、作業性を向上することができ、また、溶剤の各配管には抽出された有害物質が付着している可能性があり、この有害物質が付着した配管の着脱作業が不要となることで、作業者の安全性を向上することができる。また、浄化処理した土壌を容易に排出することができる。
【0065】
第五番目の発明の汚染土壌の浄化装置によれば、第四番目の発明において、前記内部容器は前記外部容器内の上下方向略中間部に上方及び下方に空間部を有して支持され、該上方空間部に前記溶剤の供給口が連通し、該下方空間部に前記溶剤の排出口が連通するので、外部から溶剤を外部容器を介して内部容器内の汚染土壌に対して確実に供給することができると共に、各種の有害物質を抽出した溶剤を外部容器を介して外部に適正に排出することができる。
【0066】
第六番目の発明の汚染土壌の浄化装置によれば、第五番目の発明において、前記内部容器は外周部に固定された支持部材が前記外部容器の内周部に固定された支持フランジに載置されて吊下げ支持されているので、簡単な構造で内部容器を外部容器内の適正位置に支持することができ、製造コストを低減することができる。
【0067】
第七番目の発明の汚染土壌の浄化装置によれば、第六番目の発明において、前記支持部材と前記支持フランジとの間にはシール部材が介装されているので、外部から外部容器内に供給された溶剤を下方に流さずに内部容器内の汚染土壌に対して上方から導入することができ、この汚染土壌に含有する有害物質を確実に抽出することができる。
【0068】
第八番目の発明の汚染土壌の浄化装置によれば、第四番目の発明において、前記外部容器に浄化土壌を乾燥させるエアの供給口及び排出口を設けると共に、前記蓋に前記内部容器内に土壌に対して通気孔を形成する穿孔装置を着脱自在に設けたので、穿孔装置を用いて汚染土壌に多数の通気孔を形成することで、浄化土壌の通気性が良好となり、エアの供給による乾燥を短時間で行うことができる。
【0069】
第九番目の発明の汚染土壌の浄化装置によれば、第一番目又は第四番目の発明において、外部容器に、汚染土壌に含有する有害な有機物質を分離する溶剤の供給口及び排出口を形成すると共に、汚染土壌に含有する有害な無機物質を分離する洗浄液の供給口及び排出口を形成したので、洗浄槽の汚染土壌を溶剤により浸漬して含有する有機物質を分離すると共に、洗浄液により浸漬して含有する無機物質を分離することとなり、汚染土壌と溶剤、また、汚染土壌と洗浄液とを混合攪拌せずに浸漬して分離することで、土の微粒化により分離処理に長時間を要することがなく、また、フィルタが目詰まりすることもなく、汚染土壌の浄化処理を短期間で適正に行うことができ、その結果、大量の複合汚染土壌を適正に効率よく浄化処理することで浄化処理効率を向上することができる。
第十番目の発明の汚染土壌の浄化装置によれば、第一番目又は第四番目の発明において、溶剤の供給口に供給配管を介して溶剤精製タンクを連結すると共に、溶剤の排出口に排出配管を介して排出溶剤タンクを連結し、供給配管と排出配管との間に溶剤を循環する循環配管を連結したので、溶剤を容器内に所定時間循環して汚染土壌を浸漬洗浄することとなり、容器内で均一に浄化処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る汚染土壌の浄化システムに使用される洗浄槽の概略図である。
【図2】洗浄槽の分解斜視図である。
【図3】本実施形態の汚染土壌の浄化システムの全体概略図である。
【図4】本発明の第2実施形態に係る汚染土壌の浄化システムにおける洗浄槽を構成する内部容器の概略図である。
【図5】本発明の第3実施形態に係る汚染土壌の浄化システムにおける洗浄槽の概略図である。
【符号の説明】
11,101 ,111 洗浄槽
13 精製溶剤タンク
14,15 排出溶剤タンク
16 洗浄液タンク
18 供給配管
21 排出配管
24 循環配管
26 供給配管
29 排出配管
32 循環配管
35 浄化ユニット
36 溶剤精製装置
37 洗浄液精製装置
38 乾燥装置
71,101 内部容器
72 外部容器
73 蓋
74,102 投入口
75,103 支持部材
77,106 ろ過フィルタ
78a,78b,104a,104b 開閉扉
82 支持フランジ
83 シール部材
85 上方空間部
86 下方空間部
87a,88a,89a 供給口
87b,88b,89b 排出口
112 貫通孔
113 開閉板
114 穿孔装置

Claims (10)

  1. 汚染土壌に溶剤を供給して浸漬洗浄することで、該汚染土壌に含有する有害物質を分離する汚染土壌の浄化装置において、
    前記溶剤の供給口及び浄化土壌を乾燥させるエアの供給口を上方に有すると共に前記溶剤の排出口及び前記エアの排出口を下方に有し、内周部の上下方向略中間部に支持フランジを固定された外部容器と、
    前記外部容器内の上方及び下方に空間部を有して当該外部容器内の上下方向略中間部に着脱自在に吊下げ支持されるように当該外部容器の前記支持フランジに載置される支持部材を外周部に固定され、上部に前記汚染土壌の投入口を有して下部に前記溶剤が通過するフィルタを有する内部容器と、
    前記外部容器の前記支持フランジと前記内部容器の前記支持部材との間に介装されるシール部材と、
    前記外部容器に装着して内部を密閉する蓋と
    を具える洗浄槽と、
    前記洗浄槽の前記外部容器の前記エアの排出口に連絡し、当該洗浄槽内を吸引して浄化土壌を乾燥させるブロアと
    を具えていることを特徴とする汚染土壌の浄化装置。
  2. 請求項1記載の汚染土壌の浄化装置において、
    前記内部容器の側部又は下部に浄化土壌の排出口が設けられると共に、該排出口を開閉する開閉扉が設けられた
    ことを特徴とする汚染土壌の浄化装置。
  3. 請求項1記載の汚染土壌の浄化装置において、
    前記洗浄槽の前記内部容器内の土壌に対して通気孔を形成する穿孔装置を前記蓋に着脱自在に設けた
    ことを特徴とする汚染土壌の浄化装置。
  4. 汚染土壌に溶剤を供給して浸漬洗浄することで、該汚染土壌に含有する有害物質を分離する汚染土壌の浄化装置において、
    上部に前記汚染土壌の投入口を有して下部に前記溶剤が通過するフィルタを有し、側部又は下部に浄化土壌の排出口が設けられると共に、該排出口を開閉する開閉扉が設けられた内部容器と、
    前記溶剤の供給口及び排出口を有して前記内部容器を着脱自在に収容する外部容器と、
    前記外部容器に装着して内部を密閉する蓋と
    を具えたことを特徴とする汚染土壌の浄化装置。
  5. 請求項記載の汚染土壌の浄化装置において、
    前記内部容器は前記外部容器内の上下方向略中間部に上方及び下方に空間部を有して支持され、該上方空間部に前記溶剤の供給口が連通し、該下方空間部に前記溶剤の排出口が連通する
    ことを特徴とする汚染土壌の浄化装置。
  6. 請求項記載の汚染土壌の浄化装置において、
    前記内部容器は外周部に固定された支持部材が前記外部容器の内周部に固定された支持フランジに載置されて吊下げ支持された
    ことを特徴とする汚染土壌の浄化装置。
  7. 請求項記載の汚染土壌の浄化装置において、
    前記支持部材と前記支持フランジとの間にはシール部材が介装された
    ことを特徴とする汚染土壌の浄化装置。
  8. 請求項記載の汚染土壌の浄化装置において、
    前記外部容器に浄化土壌を乾燥させるエアの供給口及び排出口を設けると共に、前記蓋に前記内部容器内に土壌に対して通気孔を形成する穿孔装置を着脱自在に設けた
    ことを特徴とする汚染土壌の浄化装置。
  9. 請求項1又は4記載の汚染土壌の浄化装置において、
    前記外部容器に、前記汚染土壌に含有する有害な有機物質を分離する溶剤の供給口及び排出口が形成されると共に、前記汚染土壌に含有する有害な無機物質を分離する洗浄液の供給口及び排出口が形成された
    ことを特徴とする汚染土壌の浄化装置。
  10. 請求項1又は4記載の汚染土壌の浄化装置において、
    前記溶剤の供給口には供給配管を介して溶剤精製タンクが連結されると共に、前記溶剤の排出口には排出配管を介して排出溶剤タンクが連結され、該供給配管と該排出配管との間に溶剤を循環する循環配管が連結された
    ことを特徴とする汚染土壌の浄化装置。
JP2001296223A 2001-09-27 2001-09-27 汚染土壌の浄化装置 Expired - Fee Related JP3692317B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001296223A JP3692317B2 (ja) 2001-09-27 2001-09-27 汚染土壌の浄化装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001296223A JP3692317B2 (ja) 2001-09-27 2001-09-27 汚染土壌の浄化装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003094035A JP2003094035A (ja) 2003-04-02
JP3692317B2 true JP3692317B2 (ja) 2005-09-07

Family

ID=19117508

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001296223A Expired - Fee Related JP3692317B2 (ja) 2001-09-27 2001-09-27 汚染土壌の浄化装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3692317B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5324798B2 (ja) * 2008-02-27 2013-10-23 三菱重工業株式会社 汚染物質を含む処理残渣の処理方法、それに用いる容器
JP6025218B2 (ja) * 2014-04-19 2016-11-16 加藤 行平 放射性汚染土洗浄装置及びシステム
KR101559512B1 (ko) * 2015-03-26 2015-10-14 김성규 바지선을 이용한 골재투입장치
CN114047100B (zh) * 2021-10-20 2023-12-15 长沙理工大学 一种测量多孔介质毛细水上升高度与速率的试验装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003094035A (ja) 2003-04-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2003112160A (ja) 汚染土壌の浄化装置
KR20180131723A (ko) 오염 가스 집진장치
JP3692317B2 (ja) 汚染土壌の浄化装置
JP2000229217A (ja) 焼却炉等における排ガス等の有害物質の除去方法及びその除去装置
KR101691425B1 (ko) 유류오염 지하수의 물리적 및 화학적 복합정화시스템
JP5644031B2 (ja) ドレン水処理方法
EP0412815A2 (en) Method and apparatus for concentrating dissolved and solid radioactive materials carried in a waste water solution
US9737920B2 (en) Method and apparatus for extracting contaminants from soil and from animal manure
JP3924142B2 (ja) 汚染土壌の浄化装置及び方法
JP2003225643A (ja) 有機汚濁物質処理装置及び有機汚濁物質処理方法
JP3049527U (ja) 燃焼炉等における排ガス等の有害物質の除去装置
JP2003245643A (ja) 汚染土壌の浄化方法
CZ22404U1 (cs) Zarízení na zneškodnování odpadu
JP2003245644A (ja) 汚染土壌の浄化装置
JP3692318B2 (ja) 汚染土壌の浄化システム
JP2004057992A (ja) 汚染土壌の浄化方法及び装置
JP2003245646A (ja) 汚染土壌の浄化装置及び方法
JP2006116482A (ja) 土壌浄化装置
JP2012232277A (ja) Pcb汚染廃電気機器の処理装置
KR20110055152A (ko) 클레이 제거법에 의한 오염토양의 제염장치
JP2003245650A (ja) 土壌浄化方法及びその装置
JP3692325B2 (ja) 土壌浄化装置
CN106082490A (zh) 一种海上平台污水的处理方法
JP5324798B2 (ja) 汚染物質を含む処理残渣の処理方法、それに用いる容器
JP2003245647A (ja) 土壌浄化方法及びその装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20041126

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041214

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050524

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050620

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090624

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100624

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100624

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110624

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees