JP6025174B2 - アロマターゼ阻害剤 - Google Patents

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Description

本発明は、アロマターゼ阻害作用を有し、薬剤、各種皮膚外用剤、機能性食品等に好適に配合することができるアロマターゼ阻害剤又は当該アロマターゼ阻害剤を含有する薬剤に関する。更に詳しくは、本発明は生体内で男性ホルモン(アンドロゲン)を女性ホルモン(エストロゲン)に変換する酵素であるアロマターゼの活性を阻害して、男性ホルモンの減少又は女性ホルモンの増加を抑制し、閉経後女性の乳癌のみならず、男性更年期障害及び内臓脂肪蓄積によるメタボリックシンドローム等の性ホルモン依存性疾患の治療及び/又は予防に有効なアロマターゼ阻害剤又は当該アロマターゼ阻害剤を含有する薬剤に関する。
近年、子宮筋腫、子宮内膜症、子宮内膜癌、閉経後乳癌等のエストロゲン依存性疾患では、病巣局所においてエストロゲン合成が亢進し(insitu estrogen)、それにより生じた局所エストロゲンが病巣の増殖・進展に深く関与することが明らかにされてきた。従来、閉経後女性の乳癌等エストロゲン依存性疾患の治療には、エストロゲン受容体に結合して抗エストロゲン作用を示す薬剤であるタモキシフェンが用いられてきた。しかし、同薬剤については耐性発現の問題があるため、現在ではエストロゲン合成を担う律速酵素であるアロマターゼの阻害剤が治療薬として注目されている(非特許文献1、2)。
アロマターゼとは、男性ホルモン、即ちアンドロゲン(アンドロステンジオン、テストステロン)のステロイド骨格のA環を芳香化して女性ホルモン、即ちエストロゲン(エストロン、エストラジオール)に変換する性ホルモン生合成系の最終段階を担う律速酵素である。
閉経前女性における主たるエストロゲンの供給源は卵巣であるが、閉経後女性においては、エストロゲンは主として副腎から分泌されたアンドロゲンが筋肉や脂肪等の末梢組織のアロマターゼによって変換されることによって供給される。そのために、特に閉経後乳癌のホルモン療法において、アロマターゼはその標的酵素として注目されている。
前記の閉経後乳癌等の治療に用いられているアロマターゼ阻害剤に関しては、主に合成化合物を中心とする研究が多く、既に市販又は臨床試験中の阻害剤はその構造からType1(ステロイド系)とType2(非ステロイド系)に大別される。しかし、これらの合成化合物は臨床では肝障害や投与部位の疼痛等の副作用に加えて、Stevens−Johnson症候群を招来する懸念があるため、服用期間中に定期的な検査を受ける必要があるという問題点がある(非特許文献3)。
従って、安全で副作用のない天然素材で治療や予防効果が期待できる医薬品又は健康食品の開発が望まれている。更に、そのような素材を基に、新薬開発のための新たな先導化合物の発見も期待されている。
しかしながら、多種・多様な成分を有する天然素材、例えば生薬や植物からアロマターゼ阻害剤を探索する研究はほとんど行われていない(非特許文献4)。
一方、近年、男性においては、中高年以降に起きるいわゆる「男性更年期障害」が問題となっている。
「更年期障害」と言えば、以前は女性特有の疾患と考えられていたが、近年では男性に
も更年期障害が存在することが認知されてきた。男性更年期障害の症状には易疲労、うつ、精力減退等があるが、その原因には加齢による男性ホルモンの減少が考えられている(非特許文献5)。
臨床では、男性ホルモンの減少に起因する男性更年期に対して、テストステロン等男性ホルモンの補充療法が行なわれているが、それには肝障害や前立腺癌、脱毛等の副作用が懸念されている(非特許文献6)。
そこで、本発明者は、前記の男性ホルモンを女性ホルモンに変換する酵素であるアロマターゼに着目し、本酵素を阻害することで男性ホルモンの減少を防ぐことができるのではないかと考えた。
男性では加齢と共に男性ホルモンから女性ホルモンへの変換率が増加することが報告されている(非特許文献7)。また、性腺機能低下又は男性ホルモン欠乏症の男性に対してアロマターゼ阻害剤を投与することで、血中テストステロン値が回復又は増加することが報告されている(非特許文献8、特許文献1)。
更に、近年、男性更年期年齢にあたる中高年以降では、前記のような易疲労、うつ、精力減退等の諸症状の他に、上半身型の脂肪蓄積パターン、即ち内臓脂肪蓄積が高頻度で認められることから、メタボリックシンドロームの発症との関連が注目されている。即ち、メタボリックシンドロームの原因の一つにも加齢に伴うテストステロン等の男性ホルモンの減少が関与することが示唆されている(非特許文献9)。
また、男性においては、アロマターゼは他の部位に比べて内臓脂肪に多く分布し、加齢と共に本酵素の活性が増加することが知られている(非特許文献10)。更に、内臓脂肪蓄積の程度と血中テストステロン値とは逆相関を示すことが知られている。これらのことから、内臓脂肪におけるアロマターゼは、テストステロンの減少に起因する内臓脂肪蓄積において重要な因子として働いていると考えられている(非特許文献11)。
ちなみに、高齢男性へのテストステロン補充は、体脂肪量、血中レプチン値、食事摂取量を減少させ、基礎代謝を亢進させる。また、性腺機能低下症の男性では、加齢とともに体脂肪量の有意な増加が認められるが、テストステロンの投与によって体脂肪量が減少することが報告されている(非特許文献12)。
一方、皮膚に発現しているアロマターゼに関する研究は殆ど報告されていない。近年、皮膚性状の加齢変化などにはアロマターゼが関与していることが報告され、特に加齢したヒト皮膚繊維芽細胞においてはアロマターゼ活性が有意に増加していることが報告されている。(非特許文献13)
そこで、本発明者は、前記のアロマターゼを標的として、閉経後女性の乳癌のみならず、男性更年期障害及び内臓脂肪蓄積によるメタボリックシンドローム等の性ホルモン依存性疾患に対して治療及び/又は予防効果、またはアロマターゼ活性の増加による皮膚老化など皮膚トラブルに対する予防効果を示す、副作用のない薬剤を求めて、アロマターゼ阻害活性を有する新規素材の探索を行った。
また、性ホルモンのバランスが崩れることによって、ニキビ等の皮膚疾患を生じやすくなるといった問題も知られている。このような原因によって生じた皮膚疾患に対しては対症療法では充分な改善を図ることは困難であり、これらを性ホルモンのバランスを整えることによって改善することも期待されている。
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特表平10−505848号公報
本発明は、このような事情に鑑みなされたものであって、安全性が高く、各種の組成物
(各種皮膚外用剤、機能性食品等)に好適に配合することができ、優れたアロマターゼ阻害作用を有するアロマターゼ阻害剤及び性ホルモン依存性疾患の治療及び/又は予防に有効な薬剤を提供することを目的とするものである。
本発明は、マメ目(Fabales)マメ科(Favaceae)ハバルディア属(Havardia)ハバルディア・メキシカーナ(Havardia Mexicana)樹皮の抽出物を有効成分とするアロマターゼ阻害剤である。
本発明によって、安全性に優れ、アロマターゼ活性に対しては高い阻害作用を示すアロマターゼ阻害剤及び性ホルモン依存性疾患の治療・予防剤または組成物を提供できる。
本発明者らは、マメ目マメ科ハバルディア属ハバルディア・メキシカーナ(以下、ハバルディア・メキシカーナと記す)樹皮の抽出物について、アロマターゼ阻害作用の実験を行い、これによってハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物が強いアロマターゼ活性阻害作用を有することを明らかにすることによって本発明を完成したものである。
ハバルディア・メキシカーナは、マメ目マメ科ハバルディア属ハバルディア・メキシカーナの樹皮を乾燥させたものである。
上記ハバルディア・メキシカーナは、メキシコ原産の樹木であり、本発明においてはその樹皮を使用する。アロマターゼ阻害剤として使用することができるハバルディア・メキシカーナの樹皮の抽出物の抽出方法は特に限定されないが、例えば、ハバルディア・メキシカーナの樹皮を水又は水溶性溶媒の抽出溶媒を使用して抽出することができる。また、抽出溶媒を使用して抽出した後に、加水分解を行うこともできる。また、酵素を用いて分解した後に抽出溶媒を使用して抽出することもできる。
抽出溶媒としては、水、生理食塩水、アルコール類(例えば、メタノール、無水エタノール、エタノール等の低級アルコール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等の多価アルコール)、アセトン等のケトン類、エチルエーテル、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチルエステル等のエステル類、キシレン、ベンゼン、クロロホルム等を挙げることができる。なかでも、水を使用することが好ましい。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
上記抽出を行った後は、濾過、遠心分離又はデカンテーション等により固形物を除去し、目的とする抽出物を得ることができる。
上記ハバルディア・メキシカーナの抽出物は、必要に応じてpHを調整し、ゲル濾過又は限外濾過にて高分子を除去しても活性は失われることはない。また、上記酵素分解物又はその分画成分は、減圧濃縮、限外濾過又は凍結濃縮等の方法により濃縮してもよく、凍結乾燥、噴霧乾燥又は平板乾燥等の方法により乾燥粉末化することもできる。
本発明のアロマターゼ阻害剤は、男性ホルモンの減少又は女性ホルモンの増加を抑制し、閉経後女性の乳癌の治療及び/又は予防への効果が期待されるものである。また、男性更年期障害及び内臓脂肪蓄積によるメタボリックシンドローム等の性ホルモン依存性疾患の治療及び/又は予防に寄与することも期待される。また、アロマターゼに起因する皮膚トラブルに対する予防・改善効果を有する組成物を提供するものでもある。
本発明のアロマターゼ阻害剤は、医薬品組成物、化粧料や医薬部外品を含む皮膚外用剤、機能性食品等の形態で使用することができる。
本発明の医薬品組成物の剤型としては特に限定されず、経口投与製剤でも非経口投与製剤のいずれであっても構わない。具体的には、液剤、エキス剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤、散剤、注射剤、煎剤・浸剤などが挙げられる。これらの製剤は、製剤技術分野における慣用方法にて製造でき、例えば、日本薬局方記載の方法で製造することができる。これらの製剤は、ヒトを含む哺乳類動物に対して安全に投与することができるものである。
上述したようなアロマターゼ阻害剤としての機能を有するハバルディア・メキシカーナは、皮膚外用剤の配合成分として使用することもできる。皮膚外用剤の成分として使用する場合は、皮膚の加齢状態(例えば皮膚のかさつき、かゆみ、皮膚炎等)を改善する機能を有するものであるから、老化防止用化粧料の有効成分として特に好適に使用することができる。更に、性ホルモンのバランスが崩れることによって生じるニキビ等の皮膚疾患に対しても、性ホルモンのバランスを整えることによる改善を行うことができる。また、経皮吸収によって有効成分が体内に取り込まれることによる性ホルモン依存性疾患の治療及び/又は予防剤として使用するものであってもよい。
ハバルディア・メキシカーナを配合した皮膚外用剤としては特に限定されず、例えば、皮膚化粧料類、皮膚貼付用シート、化粧用シート、入浴剤等を挙げることができる。上記皮膚外用剤は、医薬部外品、指定医薬部外品、外用医薬品等を含むものであり、その剤形も目的に応じて任意に選択することができる。上記皮膚外用剤において、ハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物の配合量は、固形分基準で0.001〜10質量%であることが好ましく、0.1〜2質量%であることがより好ましく、0.5〜1質量%であることが更に好ましい。
上記アロマターゼ阻害剤は、機能性食品の形態において使用することもできる。上述したように、上記ハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物は、天然植物由来であるから、安全性の高いものであり、各種食品に配合して上述した機能を得るための機能性食品とすることもできる。食品の形態としては特に限定されず、例えば、液体、クリーム状、ジェル状、ペースト状等を挙げることができる。また、本発明の飲食品の種類としても特に限定されず、例えば、菓子類(チューインガム、キャンディ、グミ、タブレット、チョコレート、ゼリー等)、氷菓(アイスキャンディー、アイスクリーム、シャーベット等)、冷菓(ゼリー、プリン、水ようかん等)、麺類をはじめとする澱粉系食品、飲料(スープ、コーヒー、茶類、ジュース、炭酸飲料、ココア、アルコール飲料、ゼリー状ドリンク等)、油脂食品(マーガリン、ショートニング、ファットスプレッド等)、乳製品(牛乳、ヨーグルト、乳清飲料、乳酸菌飲料、バター、クリーム、チーズ等)等を挙げることができる。これらは公知の任意の方法によって製造することができる。
上記機能性食品において、ハバルディア・メキシカーナの配合量は、固形分基準で0.001〜10質量%であることが好ましく、0.1〜2質量%であることがより好ましく、0.5〜1質量%であることが更に好ましい。
(ハバルディア・メキシカーナ抽出物の調製方法)
ハバルディア・メキシカーナ樹皮粉末500gに対し、15L純水を加えて、低温(4℃)、5日間抽出したのち、遠心分離(5000rpm×30分間)によって沈殿を除去し、上澄みを凍結乾燥し、ハバルディア・メキシカーナ樹皮の水抽出物(81g)を得た。
実施例1 〔アロマターゼ阻害活性の測定〕
アロマターゼ阻害活性の測定は、既知論文(Sresser DM,Tuner SD,et al.,A High−throughput screen to identify inhibitors of aromatase(CYP19),Analytical Biochemistry,284;427―430,2000.)にて公表された方法に基づき、BD Biosciences社(米国)製の試薬を用いて行った。なお。比較例(ポジティブコントロール)としてはchrysin(Extrasynthese, France, Lot No.06042506)を使用した(図2)。
即ち、96穴マイクロプレートを用い、予め用意したNADPH産生系溶液(NADPH−Cofactor Mix)144μLと被検抽出物溶液6μLとを混合した後、37℃で10分間インキュベートし、酵素と基質の溶液(Enzyme Substrate
Mix)100μLを加え混合後、37℃で30分間反応させた。その後、反応停止液75μLを加え、生成した基質の代謝物であるHFC(7−hydroxy−4−trifluoromethyl coumarin)量をプレートリーダー(SPECTRAFluor, TECAN)を用い、励起波長409nm, 蛍光波長 538nmにて蛍光強度を測定することにより求めた。なお、ブランクには、10分間インキュベート後に、酵素と基質の溶液に代わりに反応停止液75μLを添加した。アロマターゼ阻害率は式1により算出した。
(式1)
アロマターゼ阻害率(%)={1−(A−B)/A}×100

A=(被検試料無添加の酵素反応後の吸光度−そのブランクの吸光度)
B=(各濃度の被検試料の酵素反応後の吸光度−その各ブランクの吸光度)
表1に示すように、アロマターゼ活性に対してハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物が強い阻害作用を示した。
実施例4〜9
以下の組成により、製造例1で得られたハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物を含む皮膚化粧料(化粧水、乳液、クリーム、シート状パック、粉末状パック、入浴剤)を調製した。
実施例4(化粧水)
[組成]
原料成分 配合量(質量%)
エタノール 10.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 1.0
プラセンタエキス 3.0
1,3−ブチレングリコール 12.0
ジプロピレングリコール 3.0
ポリエチレングリコール1500 1.0
リン酸塩 0.5
ハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物 0.5
精製水 残量
実施例5(乳液)
[組成]
原料成分 配合量(質量%)
(A成分)
ステアリン酸 1.0
ステアリン酸グリセルエステル 2.0
セタノール 1.0
コレステロール 0.5
ワセリン 2.0
スクワレン 5.0
流動パラフィン 5.0
シリコーン油 1.0
プチルパラベン 0.1
ハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物 0.1
(B成分)
アシルグルタミン酸塩 1.0
アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.2
グリセリン 2.0
ジプロピレングリコール 3.0
精製水 総量を100とする残量
〔調製法〕
上記に示す成分Bを成分Aに添加し攪拌することにより、乳液を調製した。
実施例6(クリーム)
[組成]
原料成分 配合量(質量%)
(A成分)
ステアリン酸 2.0
ステアリン酸グリセリンエステル 2.0
セタノール 3.0
コレステロール 0.5
ワセリン 2.0
カカオ脂 5.0
流動パラフィン 10.0
シリコーン油 1.0
ブチルパラベン 0.1
ハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物 0.5
(B成分)
アシルグルタミン酸塩 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.15
アルキル変性カルボキシビニルポリマー 0.15
グリセリン 5.0
ジプロピレングリコール 3.0
精製水 残量
(調製法)
上記に示したA、B成分を各々80℃に加熱溶解した後、混合して撹拌しつつ、30℃まで冷却して各スキンクリ−ムを調製した。
実施例7(シート状ゲルパック)
[組成]
原料成分 配合量(質量%)
ハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物 1.0
ポリアクリル酸ナトリウム 2.0
ポリビニルピロリドン 0.5
グリセリン 25.0
1、3−ブチレングリコール 10.0
パラベン 0.1
香料 0.1
L−メントール 0.1
含浸不織布 10.0
精製水 残量
実施例8(粉末状パック)
[組成]
原料成分 配合量(質量%)
ハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物 2.0
アルギン酸ナトリウム 15.0
タルク 20.0
クエン酸 0.2
クエン酸ナトリウム 0.6
パラベン 0.1
香料 微量
焼セッコウ 残量
実施例9(入浴剤)
[組成]
原料成分 配合量(質量%)
ハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物 0.5
マカデミアナッツ油 0.05
ヒバ油 0.1
1、3−ブチレングリコール 0.05
キシリトール 0.5
モノラウリン酸ポリオキシエチレンソルビタン 0.07
無水硫酸ナトリウム 残量
実施例4〜9においては、製造例1で得られたハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物を含む化粧水、乳液、クリーム、シート状パック、粉末状パック、入浴剤を好適に調製することができた。
得られた化粧料は、使用感、安定性等において問題ないものであった。
実施例10(粉末飲料)
[組成]
原料成分 配合量(質量%)
ハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物 20.0
カラギーナン 0.2
トレハロース 5.0
デキストリン 残量
実施例11(カプセル)
[組成]
原料成分 配合量(質量%)
ハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物 30.0
結晶セルロース 0.05
ビタミンC 3.0
デキストリン 残量
上記を混合し、ゼラチンハードカプセルに300mg充填した。
実施例12(錠剤)
[組成]
原料成分 配合量(質量%)
ハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物 10.0
結晶セルロース 0.1
ビタミンC 3.0
トレハロース 10.0
デキストリン 残量
上記を混合し、500mgをφ10mmの錠剤に打錠した。
実施例4〜9においては、製造例1で得られたハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物を含む食品を好適に調製することができた。
本発明によりアロマターゼ阻害作用が見出されたハバルディア・メキシカーナ樹皮の抽出物は閉経後女性の乳癌のみならず、男性更年期障害及び内臓脂肪蓄積によるメタボリックシンドローム等の性ホルモン依存性疾患の治療及び/又は予防に寄与し得ると考えられる。また、アロマターゼに起因する皮膚トラブルに対しても予防効果が期待できる。

Claims (2)

  1. マメ目マメ科ハバルディア属ハバルディア・メキシカーナ樹皮の水又は含水有機溶媒での抽出物を有効成分とすることを特徴とするアロマターゼ阻害剤。
  2. 請求項1に記載のアロマターゼ阻害剤を含有することを特徴とするエストロゲン増加に起因する性ホルモン依存性疾患の治療及び/又は予防剤。
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