JP6024338B2 - カーテンエアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、カーテンエアバッグ装置に関するものである。
従来、車両の乗員保護装置の一つとして、車両前後方向の衝撃から乗員を保護するためのフロントエアバッグ装置が知られている。フロントエアバッグ装置には、例えば車両の前面衝突時に乗員を前方から受け止める緩衝材として機能する袋体と、袋体を膨張させるインフレータとが設けられる。インフレータは、車両に所定値以上の前後加速度が作用したときに作動してガスを袋体の内部へと供給し、袋体を瞬時に展開する機能を持つ。したがって、衝撃力によって乗員の頭部が急激に前方に移動したとしても、クッション状の袋体が頭部を受け止め、衝撃エネルギーを吸収する。これにより、乗員の頭部が保護される。
近年では、車両前後方向の衝撃だけでなく、車幅方向の衝撃から乗員を保護するためのカーテンエアバッグ装置も製品化されている。カーテンエアバッグ装置の袋体は、ルーフサイドレール部やピラー部といった車室内側面部上方の部位に格納されている。カーテンエアバッグ装置では、インフレータがオフセット前面衝突時や側面衝突時、さらには車両横転時等に作動してガスを袋体の内部へと供給し、袋体をサイドウィンドウに沿ってカーテン状に展開するように機能させることが一般的に行われている。
カーテンエアバッグ装置の袋体の端部には、袋体の展開姿勢を矯正するためのストラップ部材が設けられる。このストラップ部材は、その一端部がピラー部に固定され、その他端部が袋体の端部に結合された紐状の部材であり、袋体の展開時にその端部を車両前後方向へと牽引するように機能する。これにより、展開中から展開完了時にかけての袋体の姿勢がサイドウィンドウに対して平行となるように適正化され、袋体の展開が迅速に完了する。なお、このようなカーテンエアバッグ装置に関する従来技術としては、例えば特許文献1,2に記載のものが存在する。
特開2012−62042号公報 特開2003−291771号公報
ところで、上記の特許文献1や特許文献2に例示される従来のカーテンエアバッグ装置では、ストラップ部材が袋体の前端部とピラー部との間、すなわちサイドウィンドウの前端部となるピラー部の下方に配置されている。つまり、ストラップ部材が配置されるサイドウィンドウの前端部には袋体が展開されないものが一般的であった。したがって、従来のカーテンエアバッグ装置では、袋体の展開されないサイドウィンドウの前端部に向かって頭部や腕部等の乗員の一部が急激に移動した場合には、乗員を適切に保護できないおそれがある。
このような課題に対し、カーテンエアバッグ装置の袋体のサイズをサイドウィンドウの前端部まで拡大することで、乗員保護性を高めることも考えられる。しかしこの場合、袋体の展開時の姿勢が不安定になりやすく、迅速かつ適切な姿勢で袋体を展開できない場合がある。また、袋体のサイズを拡大することによってインフレータで発生させるガス量が増加するほか、袋体の展開時間が延長されるというデメリットが生じる。
また、袋体のサイズをサイドウィンドウの前端部まで拡大した場合には、袋体を収容するための空間がルーフサイドレール部からピラー部へと延長される。一方、一般的な車両のピラー部は、化粧内装材としてのガーニッシュが被覆されている。そのため、袋体の展開時にその袋体がピラー部の内部に引っ掛かったまま膨張し続け、ガーニッシュを破損させてしまうおそれが生じる。これにより、乗員保護性が阻害されるおそれがある。
このように、従来のカーテンエアバッグ装置では、乗員保護性に関して改善の余地があった。
本件の目的の一つは、上記のような課題に鑑み創案されたもので、簡素な構成で乗員保護性を向上させることができるようにしたカーテンエアバッグ装置を提供することである。
なお、この目的に限らず、後述する発明を実施するための形態に示す各構成により導かれる作用効果であって、従来の技術によっては得られない作用効果を奏することも本件の他の目的として位置づけることができる。
(1)上記の目的を達成するために、本発明のカーテンエアバッグ装置は、車室内側面部上方に収容され、圧力供給を受けて収容状態からサイドウィンドウに沿って下方にカーテン状に膨張展開するメインエアバッグと、一端が前記メインエアバッグと連通可能に結合され他端がピラー部に結合される長尺の袋状に形成され、前記メインエアバッグの前方又は後方の領域で膨張展開する膨張ストラップと、を備え、前記膨張ストラップには、前記メインエアバッグとの境界部に、前記メインエアバッグ及び前記膨張ストラップの収容時に捩られた状態とされ、前記メインエアバッグの展開に伴って前記捩られた状態が解消される変形部が設けられていることを特徴としている。なお、ここでいう長尺とは、細長いことを意味する。
前記膨張ストラップは、前記圧力供給を受けて膨張する主膨張部と、前記主膨張部と前記メインエアバッグとの間に配置されて前記メインエアバッグに結合され、膨張展開時の断面積が前記主膨張部よりも小さく形成された幅狭部と、を有しており、前記変形部は、前記幅狭部に設けられる。
)前記膨張ストラップは、前記メインエアバッグの内圧上昇に応じて開放する弁部を有することが好ましい。
)前記弁部は、前記膨張ストラップにおける前記幅狭部と前記メインエアバッグとの結合箇所に設けられることが好ましい。
)また、前記弁部は、前記膨張ストラップの内部を接着剤で接着して形成されたことが好ましい。なお、前記接着剤による具体的に接着方法としては、前記接着剤をべた塗りした全面接着や、前記接着剤を網点状に散在させた部分接着を採用することができる。また、前記接着剤の塗布量や濃度をその位置に応じて変更してもよい。
本発明のカーテンエアバッグ装置によれば、圧力供給時には、メインエアバッグが収容状態からサイドウィンドウに沿って下方にカーテン状に展開され膨張される。さらに、このメインエアバッグに加えて、一端がメインエアバッグの内部と連通可能に結合され、他端がピラー部に連結される膨張ストラップは、メインエアバッグの前方又は後方の領域、即ち、サイドウィンドウの前端部又は後端部に展開され膨張される。したがって、車両のオフセット前面衝突時,側面衝突時又は横転時等の非常時に、この衝撃によって頭部や腕部等の乗員の一部がメインエアバッグの展開されないサイドウィンドウの端部側へ向けて急激に移動したとしても、乗員を膨張ストラップで適切かつ確実に保護することができる。このように、簡素な構成で乗員をより適切に保護することができ、乗員保護性を向上させることができる。
また、膨張ストラップの変形部は、メインエアバッグとの境界部に設けられ、メインエアバッグ及び膨張ストラップの収容時に捩られた状態とされ、メインエアバッグの展開に伴って捩られた状態が解消されるため、圧力供給直後には、変形部が捩られた状態であり、膨張ストラップはメインエアバッグとの連通が遮断されている、或いは、僅かに連通しているだけである。そして、メインエアバッグの展開に伴って膨張ストラップとメインエアバッグとの連通度合が大きくなる。これにより、膨張ストラップは、メインエアバッグよりも遅延して膨張が開始されることとなる。
このように、膨張ストラップがメインエアバッグよりも遅れて膨張されることで、膨張ストラップは、膨張を開始する前、或いは膨張度合が小さい段階で例えば収容部であるピラー部から車室内側へ展開されることとなる。すなわち、膨張ストラップはメインエアバッグが車室内側に展開してから膨張される。したがって、車室内側への膨張展開時において、ガーニッシュやピラー部材等への膨張ストラップの引っ掛かりを回避することができ、例えばピラー部の内部で膨張ストラップが膨張し続けることを抑制することができる。よって、ピラー部の破損を抑制することができる。これにより、乗員保護性が阻害されることを回避することができる。
本発明の第1実施形態に係るカーテンエアバッグ装置を車室内側から見た側面図である。この図1の破線は収容状態の膨張ストラップ及びメインエアバッグを示し、二点鎖線は展開状態の膨張ストラップ及びメインエアバッグを示す。 本発明の第1実施形態に係るカーテンエアバッグ装置の膨張ストラップを取り出して示す平面図である。 本発明の第1実施形態に係るカーテンエアバッグ装置の収容状態の膨張ストラップ及びメインエアバッグを示す模式図である。 本発明の第1実施形態に係るカーテンエアバッグ装置の膨張ストラップが収容されるAピラー部の断面図(図1のA−A断面図)である。なお、図4では、展開状態のAピラーガーニッシュを二点鎖線で示している。 本発明の第1実施形態に係るカーテンエアバッグ装置のメインエアバッグが収容されるルーフサイドレール部の断面図(図1のB−B断面図)である。なお、図5では、展開状態のメインエアバッグ及びヘッドライニングを二点鎖線で示している。 本発明の第1実施形態に係るカーテンエアバッグ装置の展開時の作用を説明する図であり、時系列に沿って(a),(b)の順に示している。 本発明の第1実施形態に係るカーテンエアバッグ装置の膨張ストラップの変形例を示す図であり、(a)は第1変形例を示し、(b)は第2変形例を示し、(c)は第3変形例を示し、(d)は第4変形例を示す。 本発明の第2実施形態に係るカーテンエアバッグ装置のメインエアバッグが収容されるルーフサイドレール部の断面図(図1のB−B断面図に対応)である。なお、図8では、展開状態のメインエアバッグ及びヘッドライニングを二点鎖線で示している。
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態について説明する。本発明のカーテンエアバッグ装置は、自動車やバス,トラック等を含む車両の乗員を保護するための乗員保護装置であり、車両に搭載される。このカーテンエアバッグ装置は、車両のオフセット前面衝突時,側面衝突時又は横転時等の非常時に備えて配備されたものであり、何れも袋状に形成された膨張ストラップ及びメインエアバッグと、非常時にガスを供給することでこれらの膨張ストラップ及びメインエアバッグに圧力(ガス圧)を供給するインフレータとを有している。これらの膨張ストラップ及びメインエアバッグは、車室内側の側面部上方、具体的にはサイドウィンドウの上方に収容されており、インフレータからの圧力供給を受けるとサイドウィンドウの車室内側面に沿って下方にカーテン状に膨張展開される。なお、本実施形態では、膨張ストラップ及びメインエアバッグが収容された状態を「収容状態」と呼び、これらの膨張ストラップ及びメインエアバッグが膨張展開された状態を「展開状態」と呼ぶ。また、車両の前進方向を前方とし、この逆方向を後方とし、重力の作用方向を下方とし、この逆方向を上方とし、これらの前後方向及び上下方向の何れの方向にも直交する方向を車幅方向とする。また、車室の中心に向かう側を車室内側とし、その逆を車室外側として説明する。
〔第1実施形態〕
[構成]
図1に示すように、車両のサイドウィンドウWの上方には、前方から順に、Aピラー部1,ルーフサイドレール部5が設けられている。ルーフサイドレール部5は、車両ルーフの左右両端辺に設けられた構造体であり、典型的には溝型断面や閉断面に形成される。このルーフサイドレール部5は、車両のドアが取り付けられるドア開口部の上枠をなして、車両前後方向に延設される。
Aピラー部1は、その後端側がルーフサイドレール部5の前端に接合され、前端側が車両前方の下方に向かって延設された溝型断面の構造体である。このAピラー部1は、車両のフロントガラスの左右枠をなす部位に相当し、フロントガラス面の勾配に応じた傾斜を持って配置される。これらのAピラー部1及びルーフサイドレール部5は、サイドウィンドウWの上方に架け渡された一本の連続的な骨格構造を形成する。本実施形態のカーテンエアバッグは、この骨格構造に内蔵される。
ルーフサイドレール部5の下方には、前方から順に、Bピラー部2,Cピラー部3,Dピラー部4が設けられる。Bピラー部2及びCピラー部3の上端はそれぞれ、ルーフサイドレール部5の中間部に対して接合される。また、Dピラー部4の上端はルーフサイドレール部5の後端に対して接合される。このDピラー部4は、車両のリヤガラスの左右枠をなす部位に相当し、リヤガラス面の勾配に応じた傾斜を持って配置される。
本実施形態のカーテンエアバッグ装置は、膨張ストラップ20とメインエアバッグ30とを備えており、これらの膨張ストラップ20及びメインエアバッグ30がAピラー部1及びルーフサイドレール部5に跨って収容されている。また、膨張ストラップ20及びメインエアバッグ30は、何れも袋状に形成され、互いの内部が連通して設けられている。なお、図1には、膨張ストラップ20とメインエアバッグ30の収容状態を破線で示し、展開状態を二点鎖線で示す。収容状態ではガスが膨張ストラップ20,メインエアバッグ30の内部から抜き取られた状態である。一方、展開状態ではガスが膨張ストラップ20,メインエアバッグ30の内部に充填された状態である。
まず、膨張ストラップ20の構成について説明する。
図2に示すように、膨張ストラップ20は、長尺の袋状に形成され、前方から順に、帯部20aと主膨張部20bと幅狭部20cとを有して構成されている。なお、長尺とは長細いことを意味する。また、膨張ストラップ20には、長手方向の一端(後端)側に幅狭部20cが設けられ、長手方向の他端(前端)側に帯部20aが設けられている。
帯部20aは帯状の部材であり、その内部にガスが流入しない。また、主膨張部20b及び幅狭部20cは互いに内部が連通した袋状に形成され、ガスが流入すると膨張する。なお、図2には、収容状態の膨張ストラップ20を取り出して平らに押し広げたものを示している。
帯部20aは、Aピラー部1(図1参照)に連結される部位である。この帯部20aの前端は、Aピラー部1に固定され、後端には主膨張部20bが結合される。この帯部20aには、従来のカーテンエアバッグ装置のストラップ部材と同様のものの一部分を用いることができる。
主膨張部20bは、帯袋状に形成された部位である。ここでいう帯袋状とは、例えば割り箸袋のように、長手方向の一端のみが開放された矩形の袋状である。言い換えると、底面及び頂面が開放された筒状の物体を平らに押し潰して帯状にし、かつ、その筒軸方向の一端(ここでは前端)を閉塞した形状である。なお、図2では、主膨張部20bにおいて前後方向に直交する長さ(幅)が後側になるに従って大きくなるようなテーパー形状のものを示すが、これに限らず種々の形状のものを採用することができる。例えば主膨張部20bにおいて前後方向に直交する長さがほぼ一定の矩形状のものを用いてもよい。
この主膨張部20bは、その内部にガスが流入すると、圧力供給を受けて膨張する。この主膨張部20bの後端には幅狭部20cが結合される。言い換えると、主膨張部20bとメインエアバッグ30(図1参照)との間には幅狭部20cが配置されている。
幅狭部20cは、筒帯状に形成された部位である。ここでいう筒帯状とは、底面及び頂面が開放された筒状の物体を平らに押し潰して帯状にした形状である。この幅狭部20cは、その内部にガスが流入すると、圧力供給を受けて膨張する。膨張展開時における幅狭部20cの断面積は、膨張展開時の主膨張部20bの断面積よりも小さくなるように形成されている。言い換えると、幅狭部20cの幅は、主膨張部20bの幅よりも狭く形成されている。
この幅狭部20cの後端には、メインエアバッグ30(図1参照)の前端部が結合され、幅狭部20cの内部とメインエアバッグ30の内部とは連通可能とされている。したがって、メインエアバッグ30の内部に供給されたガスは、幅狭部20cを通って主膨張部20bに供給される。つまり、メインエアバッグ30が圧力供給を受けて膨張すると、この圧力供給に伴って幅狭部20c及び主膨張部20bも圧力供給を受けて膨張する。
幅狭部20cの後端とメインエアバッグ30の前端部とは、例えば縫合や接着等で結合されている。図1に示すようにメインエアバッグ30の前端部のうち上下方向中央部に膨張ストラップ20の後端が結合され、この膨張ストラップ20は、車両前後方向に配向された状態とされる。なお、膨張ストラップ20の後端部がメインエアバッグ30の前端部のうち上部又は下部に結合されていてもよい。
また、膨張ストラップ20とメインエアバッグ30との結合箇所にかかわらず、膨張ストラップ20は、車両前後方向に沿って配向されてもよいし、上下に傾斜して配向されていてもよい。つまり、膨張ストラップ20の展開状態での姿勢は、水平であってもよいし、水平でなくてもよい。少なくとも、膨張ストラップ20の一端がメインエアバッグ30に接続され、他端がAピラー部1やDピラー部4等のピラー部に固定されていればよい。
図3に示すように、収容状態の膨張ストラップ20は、その幅狭部20cが捩られた状態とされている。この膨張ストラップ20を取り付ける際には、その帯部20a及び主膨張部20bを押さえて、メインエアバッグ30をロール状に巻回する。そうすると、メインエアバッグ30の巻回に伴って膨張ストラップ20の幅狭部20cが捩られた状態になる。この幅狭部20cは、メインエアバッグ30の展開に伴って、その捩られた状態が捩り戻されつつ下方に展開し、捩られた状態が解消すると膨張する。
このように膨張ストラップ20には、収容状態で捩られた状態とされ、メインエアバッグ30の展開に伴って捩られた状態が解消される変形部が、メインエアバッグ30との境界部に設けられている。なお、ここでは、膨張ストラップ20の変形部が幅狭部20cに設けられたものを説明したが、主膨張部20bと幅狭部20cとに跨るように変形部を設けてもよいし、主膨張部20bだけに設けてもよい。ただし、変形部は、膨張ストラップ20においてメインエアバッグ30側に設けられることが好ましい。
この変形部や上記の幅狭部20cは、メインエアバッグ30の内圧上昇に対して膨張ストラップ20の内圧上昇を遅延させる圧力伝達制限部として機能する。
図1に示すように、膨張ストラップ20は、その前端に設けられた帯部20aがAピラー部1に固定され、その後端に設けられた幅狭部20cがメインエアバッグ30に結合されている。展開状態の膨張ストラップ20は、その主膨張部20bと幅狭部20cとがメインエアバッグ30の前方の領域でサイドウィンドウWの前端部FEに沿って車室内側面に展開され膨張する。一方、収容状態の膨張ストラップ20は、Aピラー部1の内部においてメインエアバッグ30が配置される領域よりも前方に配置されている。
次に、メインエアバッグ30の構成について説明する。
メインエアバッグ30は、袋状に形成され、その内部にガスが流入すると膨張する。このメインエアバッグ30には複数の縫い目S(図1では一つの縫い目にのみ符号を付して示す)が形成されている。これらの縫い目Sは、メインエアバッグ30の内部を複数の気室に区画するとともに、膨張展開時の厚み(車幅方向の長さ)を規制する機能を有する。
収容状態のメインエアバッグ30は、ロール状に巻回されており(図3参照)、Aピラー部1の後側とルーフサイドレール部5とに跨って配置されている。一方、展開状態のメインエアバッグ30は、側面視でサイドウィンドウWの略全域を覆うようにカーテン状に展開される。ただし、サイドウィンドウWの前端部FE及び後端部REは、展開状態のメインエアバッグ30に覆われない。
メインエアバッグ30にはインフレータ60(破線で示す)が接続され、このインフレータ60には車両ECU70が接続されている。インフレータ60は、メインエアバッグ30の内部にガスを供給して膨張させる装置である。インフレータ60でのガスの供給手法は種々考えられ、例えば固体のガス発生剤を燃焼させてガスを生成するパイロ方式や、予め容器内に封入された加圧ガスを放出するストアード方式、これらを組み合わせたハイブリッド方式等を採用することができる。
車両ECU70は、少なくともカーテンエアバッグ装置を制御する機能を持った電子制御装置であり、例えばマイクロプロセッサやROM,RAM等を集積したLSIデバイスや組み込み電子デバイスとして構成される。車両ECU70の信号入力側には、例えば車両に作用する加速度(減速度)を検出するセンサや、ロール角を検出するセンサ等が接続される。一方、車両ECU70の信号出力側には、インフレータ60が接続される。車両ECU70は、上記のような各種センサの検出情報に基づき、カーテンエアバッグ装置の作動条件が成立するか否かを判定し、この判定結果に基づいてインフレータ60を作動させる。
カーテンエアバッグ装置の作動条件としては、例えば車両の加速度が所定値以上であることや、車両のロール角が所定角度以上であること、ロールレイトが所定値以上であること等が想定される。少なくとも、車両のオフセット前面衝突時,側面衝突時又は横転時等の非常時であることが把握されるような作動条件が設定されていればよい。
上記の作動条件の成立時に、車両ECU70からインフレータ60に駆動信号が出力される。例えば、乗員(図示略)の頭部が損傷するおそれのあるような車両への衝撃作用を検知又は予知(以下、これらの検知又は予知をまとめて単に「検知」という)すると、インフレータ60が駆動される。これにより、圧力供給を受けたメインエアバッグ30が膨張展開し、これに伴って膨張ストラップ20も膨張展開する。
次に、膨張ストラップ20が収容されるAピラー部1の構成について説明する。
図4に示すように、Aピラー部1は、Aピラーガーニッシュ10とこれよりも車室外側に設けられたAピラー部材11とテザークリップ12とを有して構成され、膨張ストラップ20の収容部として機能する。Aピラー部材11は、例えば鋼板をプレス加工して形成され、車両ルーフの支柱として機能する車両強度の一部を担う部分である。また、Aピラーガーニッシュ10は、例えば樹脂材料がインジェクション成形(射出成形)により成形されたものであって、車室内に面する内装部材である。また、テザークリップ12は、Aピラーガーニッシュ10をAピラー部材11に取り付ける取付部材である。
Aピラーガーニッシュ10とAピラー部材11との間であってテザークリップ12よりも下方の空間には、膨張ストラップ20が収容される。また、図4には図示しないがメインエアバッグ30の前側の一部も収容されている。なお、図4では収容状態の膨張ストラップ20の断面が平板状のものを示すが、収容状態の膨張ストラップ20の形状はこれに限られず、その断面が湾曲していてもよいし蛇腹状に折畳まれていてもよい。
Aピラーガーニッシュ10には、その車室外側に突設された台座部10aが形成されている。この台座部10aは、その基部10bとその突端に位置する頂面部10tとを有して構成されている。この基部10bには、係合孔ehが形成されており、また、頂面部10tには、差込孔shが形成されている。
また、Aピラー部材11は、延在方向に直交する方向の中央部に、取付孔ahが形成されている。なお、図4では、Aピラー部材11が断面ハット形状に形成されたものを示すが、これに限られず種々の断面形状を採用することができ、断面形状が例えばチャンネル形状やZ形状に形成されていてもよい。
また、テザークリップ12はゴムやウレタン等の弾性部材から成形された取付部材である。このテザークリップ12は、Aピラー部材11に係合する爪部12aと、収容状態でAピラーガーニッシュ10をAピラー部材11に取り付ける保持部12bと、展開状態でAピラーガーニッシュ10をAピラー部材11に連結するアンカー部12cと、このアンカー部12cが先端部に形成されたテザー部12dとを有して構成されている。
爪部12aは、Aピラー部材11の取付孔ahに差し込まれて係合している。
保持部12bは、台座部10aの頂面部10tに形成された差込孔shに差し込まれて係合している。詳細には、保持部12bは、その外径の一部が差込孔shの内径よりも大きく形成されており、また、例えば中空に形成されて弾性変形し易く構成されている。このため、保持部12bが縮径するように弾性変形して差込孔shに挿入され、この保持部12bが差込孔shを通過して拡径するように弾性変形すると、差込孔shの内径よりも大きい保持部12bの外径が引っ掛かる。このようにして保持部12bは差込孔shが形成された頂面部10tに係合している。また、保持部12bと差込孔shとの係合力は、上記の爪部12aとAピラー部材11との係合力よりも弱くなっている。
アンカー部12cは、台座部10aの基部10bに形成された係合孔ehに係合している。このアンカー部12cが先端部に形成されたテザー部12dは、収容状態で弛んだ状態になっている。
Aピラー部1の後側に収容されたメインエアバッグ30(図1等参照)が圧力供給を受けると、膨張しながらAピラーガーニッシュ10がAピラー部材11から離れる方向に押圧される。この押圧により、テザークリップ12の保持部12bが縮径するように弾性変形してこの係合が解除される。そして、Aピラーガーニッシュ10とAピラー部材11との間に隙間が形成される。この際、テザー部12dが張った状態となり、この先端に形成されたアンカー部12cがAピラーガーニッシュ10に係合し続けている。このため、Aピラーガーニッシュ10とAピラー部材11とは連結されている。したがって、展開状態でのAピラーガーニッシュ10(二点鎖線で示す)の飛散が防止されている。そして、膨張中のメインエアバッグ30とこの前方に結合された膨張ストラップ20は、Aピラーガーニッシュ10とAピラー部材11との間の隙間を通って、車室内側に展開される。
次に、メインエアバッグ30が収容されるルーフサイドレール部5の構成について説明する。
図5に示すように、ルーフサイドレール部5は、ヘッドライニング50とこれよりも車室外側に設けられたルーフサイドレール部材51とを有して構成されている。このヘッドライニング50は、不織材料や樹脂材料等から成形された可撓性を有する部材であって、車室内に面する内装部材である。このヘッドライニング50の下方には、Bピラー部2(図1参照)の内装部材2aが位置している。この内装部材2aは、例えば樹脂材料から成形された部材である。また、ルーフサイドレール部材51は、例えば鋼板をプレス加工して形成された車両ルーフの支持部材である。
ヘッドライニング50とルーフサイドレール部材51との間の空間には、メインエアバッグ30が収容されている。収容状態のメインエアバッグ30は、ロール状に巻回されており、上端部がルーフサイドレール部材51に固定されている。
メインエアバッグ30が圧力供給を受けると、膨張しながらヘッドライニング50を車室内側に押圧する。この押圧によりヘッドライニング50は撓みながら車室内側に押し遣られ、ヘッドライニング50と内装部材2aとの間に隙間が形成される。そして、膨張中のメインエアバッグ30は、ヘッドライニング50と内装部材2aとの間の隙間を通って、車室内側面に沿って下方に展開される。このようにして展開されたメインエアバッグ30(二点鎖線で示す)は、車室内側面に沿って上下方向に延在する。
[作用及び効果]
第1実施形態のカーテンエアバッグ装置は、上述のように構成されているため、以下のような作用及び効果を得ることができる。
車両のオフセット前面衝突時,側面衝突時又は横転時等の非常時には、車両ECU70からインフレータ60に駆動信号が出力される。この駆動信号を受けて、インフレータ60からメインエアバッグ30へとガスが供給され、その圧力でメインエアバッグ30が膨張を開始する。このような車両の非常時における本実施形態のカーテンエアバッグ装置の作用を図6(a)及び(b)に示す。なお、カーテンエアバッグ装置は、図6(a)に示す状態から図6(b)に示す状態に移行する。
まず、図6(a)に示すように、圧力供給を受けてメインエアバッグ30がサイドウィンドウWの車室内側面に沿って下方に展開しはじめる。このとき、メインエアバッグ30の下部は巻回された状態となっており、この巻回に伴って、膨張ストラップ20の幅狭部20cも捩られた状態となっている。つまり、膨張ストラップ20の変形部が捩られた状態が捩り戻されつつあるが、捩られた状態が完全には解消されてはいない状態にある。この際、膨張ストラップ20の内部とメインエアバッグ30の内部とは遮断されている。又は、仮に遮断されていないとしても、僅かに連通しているだけである。よって、膨張ストラップ20には圧力が供給されない、又は、僅かに圧力が供給されるだけである。
そして、メインエアバッグ30がさらに展開すると、図6(b)に示すように、メインエアバッグ30の巻回された状態は解消し、これに伴って、膨張ストラップ20の幅狭部20cの捩られた状態も解消する。つまり、膨張ストラップ20の内部とメインエアバッグ30の内部とが連通し、膨張ストラップ20は圧力供給を受ける。この際、膨張ストラップ20はメインエアバッグ30の前方側でサイドウィンドウWの前端部FEの車室内側に沿って位置する。
上記に説明したように、本実施形態のカーテンエアバッグ装置によれば、メインエアバッグ30の前方の領域、即ち、サイドウィンドウWの前端部FEには、膨張ストラップ20が展開され膨張される。したがって、車両のオフセット前面衝突時,側面衝突時又は横転時等の非常時に、この衝撃によって頭部や腕部等の乗員の一部がサイドウィンドウWの前端部FEへ向けて急激に移動したとしても、乗員を膨張展開した膨張ストラップ20で受けとめて衝撃を吸収することができる。このように、簡素な構成で乗員の頭部を適切に保護することができ、乗員保護性を向上させることができる。
また、膨張ストラップ20は、圧力供給を受けて膨張展開したときの断面積が圧力供給を受けて膨張展開したときの主膨張部20bの断面積よりも小さい幅狭部20cを有するため、この幅狭部20cが所謂ボトルネックとなって膨張ストラップ20への圧力供給が制限される。したがって、膨張ストラップ20は、メインエアバッグ30よりも遅延して膨張が開始される。膨張ストラップ20が膨張を開始する前、或いは膨張度合が小さい段階で膨張ストラップ20の収容部であるAピラー部1から車室内側へ展開されこととなる。すなわち、膨張ストラップ20はメインエアバッグ30が車室内側に展開してから膨張される。したがって、車室内側への膨張展開時において、Aピラーガーニッシュ10やAピラー部材11等への膨張ストラップ20の引っ掛かりを回避することができ、Aピラー部1の内部で膨張ストラップ20が膨張し続けることを抑制することができる。よって、Aピラー部1の破損を抑制することができる。これにより、乗員保護性が阻害されることを回避することができる。
また、膨張ストラップ20の変形部は、メインエアバッグ30との境界部に設けられ、膨張ストラップ20及びメインエアバッグ30の収容時に捩られた状態とされ、メインエアバッグ30の展開に伴って捩られた状態が解消されるため、圧力供給直後には、変形部が捩られた状態であり、膨張ストラップ20の内部はメインエアバッグ30の内部との連通が遮断されているか、僅かに連通しているだけである。そして、メインエアバッグ30の展開するに連れて、膨張ストラップ20の内部とメインエアバッグ30の内部との連通度合が大きくなる。したがって、メインエアバッグ30への圧力供給直後には、膨張ストラップ20へのガスの流入を高効率に制限することができ、例えば膨張ストラップ20がAピラーガーニッシュ10とAピラー部材11との間の隙間を通過した後には、膨張ストラップ20へのガスの流入の制限を緩和することができる。言い換えれば、膨張ストラップ20へのガスの流入度合を、メインエアバッグ30への圧力供給後の序盤には小さくし、その後には大きくするように切換えることができる。このように、膨張ストラップ20の膨張を、メインエアバッグ30の膨張よりもより確実に遅延させることができる。
上記のようにメインエアバッグ30の内圧上昇よりも膨張ストラップ20の内圧上昇を遅延させる変形部が、同機能を有する幅狭部20cに設けられているため、より確実に膨張ストラップ20の膨張を遅延させることができる。したがって、Aピラー部1の内部から車室内側への移動時における膨張ストラップ20の引っ掛かりをより確実に回避して、Aピラー部1の内部で膨張ストラップ20が膨張し続けることをさらに抑制することができる。よって、Aピラー部1を破損させることがなく、或いは、破損の発生をさらに確実に抑制することができる。
また、収容状態の膨張ストラップ20では、幅狭部20cの幅が主膨張部20bの幅よりも狭く形成されているため、容易に捩られた状態を形成することができる。この幅狭部20cに変形部を設けて捩られた状態を集中させることで、捩られた状態を安定して保持することができる。一方、メインエアバッグ30の展開に伴う捩られた状態の解消も容易である。したがって、膨張ストラップ20における変形部の動作にかかる信頼性を向上させることができる。
[変形例]
次に、図7を参照して本発明の第1実施形態に係る変形例について説明する。本実施形態の変形例にかかるカーテンエアバッグ装置では、膨張ストラップの構成が上述の構成と異なる。以下の説明では、これらの異なる点を第1〜第4変形例のそれぞれで説明する。なお、これらの異なる点を除いては上述の構成と同様の構成になっており、これらについては、同様の符号を付し、詳細な説明は省略する。また、本変形例の各構成は、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせてもよい。以下の説明で参照する図7(a)〜(d)のそれぞれは、上述の第1実施形態で参照した図2の膨張ストラップ20に対応しており、ガスが流入する前のストラップを平らに押し広げたものを示し、図示省略するが各膨張ストラップの前端にはAピラー部1が連結され、後端にはメインエアバッグ30(図1等参照)が結合されている。
〈第1変形例〉
図7(a)に示すように、本変形例の膨張ストラップ21は、第1実施形態で上述の膨張ストラップ20に形成された幅狭部20cを有しておらず、上述の主膨張部20bをメインエアバッグ30側に延長した主膨張部21bを有する。この主膨張部21bは、上述の主膨張部20bと同様に袋帯状に形成されているが、その後端部がメインエアバッグ30の前端部に結合されている。
この膨張ストラップ21は、メインエアバッグ30の内圧上昇に応じて開放する弁部40を有する。この弁部40は、主膨張部21bの内部を接着剤で接着して形成されている。具体的に接着方法としては、接着剤をべた塗りした全面接着でもよいし、接着剤を網点状に散在させた部分接着を採用することができる。また、接着剤の塗布量や濃度をその位置に応じて変更してもよい。図7(a)では、弁部40が、膨張ストラップ21におけるメインエアバッグ30との結合箇所に設けられたものを示すが、膨張ストラップ21の任意の位置に設けることができる。ただし、弁部40は、膨張ストラップ21においてメインエアバッグ30側に設けられることが好ましい。
この弁部40は、メインエアバッグ30の内圧上昇に対して膨張ストラップ21の内圧上昇を遅延させる圧力伝達制限部として機能する。
したがって、第1変形例の膨張ストラップ21によれば、圧力供給を受けてメインエアバッグ30の内圧が上昇すると、この内圧上昇に応じて、接着剤による接着が剥がれて弁部40が開放される。これにより、メインエアバッグ30から膨張ストラップ21にガスが流入する。したがって、膨張ストラップ21の膨張を、メインエアバッグ30の膨張よりも遅延させることができる。
また、主膨張部21bの内部を接着剤で接着して形成された部分が弁部40として機能するため、接着剤の量や濃度や接着箇所等を変更することで、メインエアバッグ30の内圧と主膨張部21bの膨張時の断面積との関係を自在に設定することができる。これにより、メインエアバッグ30の内圧に対する膨張ストラップ21の展開速度や展開中のサイズを精度よく制御することができる。
〈第2変形例〉
図7(b)に示すように、本変形例の膨張ストラップ21′は、上記の第1変形例の主膨張部21bに弁部40が設けられない代わりに、主膨張部21bに上述の変形部が設けられるものである。つまり、収容状態の膨張ストラップ21′の主膨張部21bは捩られた状態(二点鎖線で示す)とされ、この捩られた状態はメインエアバッグ30の展開に伴って解消される。
したがって、第2変形例の膨張ストラップ21′によれば、上述の変形部による作用及び効果と同様に、膨張ストラップ21′の内部は、メインエアバッグ30の展開に伴ってこの内部との連通度合が大きくなる。よって、メインエアバッグ30への圧力供給直後には、膨張ストラップ21′へのガスの流入を高効率に制限することができ、その後には膨張ストラップ21′へのガスの流入の制限を緩和することができる。
〈第3変形例〉
図7(c)に示すように、本変形例の膨張ストラップ22は、上述の膨張ストラップ20のうちの幅狭部20cの構成が異なる。この膨張ストラップ22の幅狭部22cは、その配設位置がメインエアバッグ30に近いほど、即ち図7(c)では右側に行くほど、圧力供給を受けたときの断面積が小さく設定されている。
したがって、第3変形例の膨張ストラップ22によれば、圧力供給を受けたときの断面積がメインエアバッグ30に近いほど小さい幅狭部22cを有するため、膨張ストラップ22においてメインエアバッグ30側でガスの流入を効率よく制限することができ、膨張ストラップ22へのガスの流入を効率よく制限することができる。
〈第4変形例〉
図7(d)に示すように、本変形例の膨張ストラップ23は、メインエアバッグ30側(後方)から順に、第1幅狭部23cと第1主膨張部23bと第2幅狭部23c′と第2主膨張部23b′とを有し、これらの部位のそれぞれは隣接する部位とその内部が互いに連通している。また、主膨張部23b,23b′の膨張展開時の断面積は、幅狭部23c,23c′の膨張展開時の断面積よりも大きく形成されている。
したがって、第4変形例の膨張ストラップ23によれば、メインエアバッグ30の内圧が上昇すると、第1幅狭部23cが所謂ボトルネックとなって第1主膨張部23bへの圧力供給が制限される。さらに、第1主膨張部23bよりも前方に配置された第2幅狭部23c′がボトルネックとなって第2主膨張部23b′への圧力供給が制限される。よって、第1主膨張部23bは、第2主膨張部23b′よりも早く膨張する。また、第1主膨張部23bは、第2主膨張部23b′よりもメインエアバッグ30側に設けられているため、メインエアバッグ30の展開時には、第2主膨張部23b′よりも早いタイミングで車室内に展開される。このため、早いタイミングで車室内に展開される第1主膨張部23bを膨張させ、その後に展開される第2主膨張部23b′を第1主膨張部23bの膨張に遅延させて膨張させることができる。
このように、膨張ストラップ23における各主膨張部23b,23b′の展開中のサイズを制御することができる。
なお、本変形例の膨張ストラップ23では、二つの主膨張部23b,23b′が設けられ、これらに対応する二つの幅狭部23c,23c′が設けられたものを説明したが、主膨張部及び幅狭部の個数はこれに限られず、三つ以上設けられてもよい。この場合には、各主膨張部の展開中のサイズを制御することができる。また、各幅狭部の膨張展開時の断面積は、同一であってもよいし異なっていてもよい。
〔第2実施形態〕
次に、図面を参照して本発明の第2実施形態について説明する。本発明の第2実施形態に係るカーテンエアバッグ装置は、収容状態のメインエアバッグの構成が異なり、膨張ストラップの構成が限定的になる。なお、ここで説明する点を除いては第1実施形態のカーテンエアバッグ装置と同様の構成になっており、これらについては同様の符号を付し、各部の詳細な説明を省略する。
図8に示すように、ルーフサイドレール部5では、ヘッドライニング50とルーフサイドレール部材51との間の空間に収容されたメインエアバッグ30′は、蛇腹状に折畳まれている。このメインエアバッグ30′が圧力供給を受けると、第1実施形態のメインエアバッグ30と同様に、膨張しながらヘッドライニング50を車室内側に押圧し、この押圧によりヘッドライニング50は撓みながら車室内側に押し遣られ、ヘッドライニング50と内装部材2aとの間に隙間が形成される。そして、メインエアバッグ30′は、ヘッドライニング50と内装部材2aとの間の隙間を通って、車室内側面に沿って下方に展開される。このように展開されたメインエアバッグ30′(二点鎖線で示す)は、車室内側面に沿って上下方向に延在する。
このメインエアバッグ30′に接続される膨張ストラップ(図示略)には、上述の主膨張部20bと幅狭部20cとを有するものを用いることができる。ただし、この膨張ストラップには、上述の変形部が設けられていない。メインエアバッグ30′に接続される膨張ストラップの具体例としては、変形部は設けられていないが主膨張部20bと幅狭部20cとを有する膨張ストラップ20、第1変形例における弁部40を有する膨張ストラップ21、第3変形例における断面積の異なる複数の幅狭部22cを有する膨張ストラップ22、或いは、第4変形例における複数の主膨張部23b,23b′及び複数の幅狭部23c,23c′を有する膨張ストラップ23が挙げられる。
したがって、本実施形態のカーテンエアバッグ装置によれば、上述の膨張ストラップ20の主膨張部20b及び幅狭部20c並びに膨張ストラップ21,22,23による効果と同等の効果を得ることができる。
[その他]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。
上述の実施形態では、Aピラー部1に膨張ストラップ20とメインエアバッグ30の前側とが収容されたものを示したが、Aピラー部1に膨張ストラップ20のみが収容されていてもよい。つまり、メインエアバッグ30は、ルーフサイドレール部5にのみ収容されていてもよい。この場合、圧力供給を受けたメインエアバッグ30は、車室内側面のサイドウィンドウWに沿って下方に展開するが、この展開に伴って、メインエアバッグ30の前端部に結合された膨張ストラップ20の後端が引っ張られ、これによりAピラーガーニッシュ10がAピラー部材11から離れる方向に押圧される。これによりテザークリップ12の保持部12bによる係合が解除され、Aピラーガーニッシュ10とAピラー部材11との間に隙間が形成される。そして、Aピラーガーニッシュ10とAピラー部材11との間に隙間を、膨張ストラップ20が通り抜けて車室内側に展開される。
また、上述の実施形態では、Aピラーガーニッシュ10をAピラー部材11に取り付けるテザークリップ12を示したが、このテザークリップ12は必須の構成ではない。つまり、Aピラーガーニッシュ10のAピラー部材11に対する取り付けは、テザークリップ12によるものでなく、種々の方法を用いることができる。例えば、Aピラー部材11にAピラーガーニッシュ10が直接係合し、このAピラーガーニッシュ10が可撓性を有するように構成されていてもよい。この場合、メインエアバッグ30の膨張でAピラーガーニッシュ10がAピラー部材11から離れる側に押圧され、Aピラーガーニッシュ10が撓むことで、このAピラーガーニッシュ10とAピラー部材11との間に隙間が形成される。この隙間を通って、膨張ストラップ20或いはメインエアバッグ30が車室内側に展開される。
また、上述の実施形態では、メインエアバッグ30の前端部に膨張ストラップ20の後端が結合されたものを示したが、メインエアバッグ30の後端部に膨張ストラップ2−の前端(一端)が結合されていてもよい。この場合、膨張ストラップ20は、後端(他端)がルーフサイドレール部5の後方に設けられたピラー部(例えばDピラー部4)に連結されるとともに収容される。かかる構成によれば、ルーフサイドレール部5の後方に設けられたピラー部のピラーガーニッシュの破損を防止することができる。また、膨張ストラップ20がサイドウィンドウWの後端部の車室内側面に沿って膨張展開されるため、特に後部に位置する乗員を適切に保護することができる。これにより、簡素な構成で乗員保護性を向上させることができる。
また、第1実施形態の膨張ストラップ20における幅狭部20cに、第1変形例の弁部40を設けてもよい。つまり、幅狭部20cの内部を接着剤で接着して弁部を形成してもよい。この場合、膨張ストラップ20の内圧上昇を確実に遅延させることができる。
1 Aピラー部
10 Aピラーガーニッシュ
11 Aピラー部材
12 テザークリップ
20 膨張ストラップ
20b 主膨張部
20c 幅狭部
30 メインエアバッグ
40 弁部
5 ルーフサイドレール部
50 ヘッドライニング
51 ルーフサイドレール部材
W サイドウィンドウ
FE 前端部
RE 後端部

Claims (4)

  1. 車室内側面部上方に収容され、圧力供給を受けて収容状態からサイドウィンドウに沿って下方にカーテン状に膨張展開するメインエアバッグと、
    一端が前記メインエアバッグと連通可能に結合され他端がピラー部に結合される長尺の袋状に形成され、前記メインエアバッグの前方又は後方の領域で膨張展開する膨張ストラップと、を備え、
    前記膨張ストラップが、
    前記メインエアバッグとの境界部に設けられ、前記メインエアバッグ及び前記膨張ストラップの収容時に捩られた状態とされ、前記メインエアバッグの展開に伴って前記捩られた状態が解消される変形部と、
    前記圧力供給を受けて膨張する主膨張部と、
    前記主膨張部と前記メインエアバッグとの間に配置されて前記メインエアバッグに結合され、膨張展開時の断面積が前記主膨張部よりも小さく形成された幅狭部と、を有し、
    前記変形部が、前記幅狭部に設けられる
    ことを特徴とする、カーテンエアバッグ装置。
  2. 前記膨張ストラップは、前記メインエアバッグの内圧上昇に応じて開放する弁部を有する
    ことを特徴とする、請求項記載のカーテンエアバッグ装置。
  3. 前記弁部は、前記膨張ストラップにおける前記幅狭部と前記メインエアバッグとの結合箇所に設けられた
    ことを特徴とする、請求項記載のカーテンエアバッグ装置。
  4. 前記弁部は、前記膨張ストラップの内部を接着剤で接着して形成された
    ことを特徴とする、請求項2又は3記載のカーテンエアバッグ装置。
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