JP6022342B2 - 脱臭フィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、食材を加熱調理等する際に発生する煙及び油煙が含まれた排気がもたらす臭気を除去する脱臭フィルタに関する。
魚介類又は肉類等の食材を、電気調理器又は電磁調理器で加熱調理等する際、調理時に発生する排気には、煙及び油煙等が含まれる。この煙及び油煙が含まれた排気は、臭気をもたらすので、このような排気を脱臭するため、以下のような脱臭法が提案されている。
特許文献1には、ハニカム基材にアルミナを層状に担持させ、この層状のアルミナに、PtとPdとを混在させた炭化水素用酸化触媒が開示されている。自動車等から排出される排ガスには、未燃焼の炭化水素が含有されており、この未燃焼の炭化水素は、人体に対し悪影響を及ぼす。この従来技術は、自動車等から排出される排ガスの流路内に、炭化水素用酸化触媒を設置することにより、単一のアルミナ担体層に混在するように担持させたPt及びPdが、炭化水素を酸化分解して除去しようとするものである。
また、特許文献2には、活性炭を吸着剤とするハニカム基材の表面に、MnO及びMn酸化物以外の金属酸化物を、無機バインダにより担持させた脱臭材が開示されている。脱臭材の製造工程において、Mn等の金属塩をハニカム基材に吸着させた後に、この金属塩を金属酸化物にするためには、高温による熱処理を行う必要がある。この特許文献2は、活性炭吸着材を鉱物からなるバインダを用いてハニカム状に成形したハニカム基材を作製し、その後、このハニカム基材の表面に、触媒としてMn酸化物及びMn酸化物以外の金属酸化物を、無機バインダにより担持させることにより、金属塩を金属酸化物にするための高温熱処理工程を不要にして、製造工程を簡略化しつつ、優れた脱臭性能を得ようとするものである。
更に、特許文献3には、吸着材料又は触媒材料を担持させた平板基材と、吸着材料又は触媒材料を担持させた波板基材とを交互に積層させてハニカム形状とした脱臭体が開示されている。この平板基材及び波板基材に担持させる触媒材料として、Mn等の金属酸化物並びにPt及びPd等の貴金属を使用している。この従来技術は、平板基材と波板基材とを交互に積層させてハニカム形状とすることにより、両基材に担持させた吸着材料又は触媒材料の脱臭性能を維持しつつ、脱臭体を小型化させようとするものである。
そして、特許文献4には、ZrO、CeO又はMgOからなる皮膜を、ガラス管表面に形成した紫外線ランプと、Mn酸化物並びにPt又はPdを触媒とする触媒フィルタとからなる脱臭装置が開示されている。この紫外線ランプは、波長域が200nm以下の紫外線を照射するものであり、また、ZrO、CeO又はMgOからなる皮膜は、波長域が200nm以下の紫外線の一部を吸収する。そして、冷蔵庫の冷却風路の上流に紫外線ランプを設置し、また、その風下に触媒フィルタを設置して、紫外線ランプからの紫外光及び触媒により、冷蔵庫内の脱臭及び除菌を行う。この特許文献4は、脱臭性能を向上させるために紫外線ランプの出力を上げても、出力向上により増加する紫外線の一部を皮膜が吸収することにより、この紫外線が外部に漏れることを防止しようとするものである。
特開平8−332392号公報 特開平10−314283号公報 特開2007−111310号公報 特開2005−52714号公報
しかしながら、特許文献1に開示された触媒は、Pt及びPdといった貴金属のみを使用するものであるため、この特許文献1の触媒により、食材調理時に発生する煙及び油煙が含まれた排気を脱臭するためには、Pt及びPdといった希少で高価な貴金属を多く使用しなければならない。
また、特許文献2に開示された脱臭材は、金属酸化物自体をハニカム基材に担持させることにより、金属塩を金属酸化物にするための高温熱処理工程を不要にして、製造工程を簡素化しようとするものであるが、この特許文献2は、活性炭吸着材を基材として、その基材の表面にMn酸化物等を担持させているため、食材調理時に発生するような200℃を超える排気下では、脱臭材の耐熱性及び耐久性が低下する。
更に、特許文献3に開示された脱臭体は、触媒材料として、貴金属及びMn等の金属酸化物を使用するものであるが、この特許文献3の脱臭体も、特許文献1の触媒と同様に、食材調理時に発生する排気を脱臭するためには、貴金属を多く使用しなければならないので、脱臭体の製造コストが高くなる。
また、特許文献4に開示された脱臭装置は、触媒フィルタと共に紫外線ランプを使用するため、触媒フィルタのみによる脱臭よりも、紫外線ランプの分だけコストが高くなる。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、貴金属の使用量を抑え、且つ耐熱性及び耐久性が高い脱臭フィルタを提供することを目的とする。
本発明に係る脱臭フィルタは、Pt及び/又はPdと、Mn酸化物と、Mg酸化物と、を有する触媒が、無機バインダを用いて、金属製又はセラミック製の担持体(以下、主担持体を単に担持体という)に担持されており、前記Mn酸化物のBET比表面積が100m/g以上であることを特徴とする。
本発明に係る他の脱臭フィルタは、Pt及び/又はPdと、Mn酸化物と、Fe、Cu、Co、Zn、Al、Ti、Ni及びSiの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物と、Mg酸化物と、を有する触媒が、無機バインダを用いて、金属製又はセラミック製の担持体に担持されており、前記Mn酸化物のBET比表面積が100m/g以上であることを特徴とする。
本発明に係る更に他の脱臭フィルタは、Pt及び/又はPdと、Fe、Cu、Co、Zn、Al、Ti、Ni及びSiの各元素からなる群から選択された1種又は2種以上の元素とMnとの複合酸化物と、Mg酸化物と、を有する触媒が、無機バインダを用いて、金属製又はセラミック製の担持体に担持されており、前記複合酸化物のBET比表面積が100m/g以上であることを特徴とする。
また、本発明に係る更に他の脱臭フィルタは、Pt及び/又はPdと、Mn酸化物と、Mg酸化物と、Ca、Sr及びKの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物と、を有する触媒が、無機バインダを用いて、金属製又はセラミック製の担持体に担持されており、前記Mn酸化物のBET比表面積が100m/g以上であることを特徴とする。
更にまた、本発明に係る更に他の脱臭フィルタは、Pt及び/又はPdと、Mn酸化物と、Fe、Cu、Co、Zn、Al、Ti、Ni及びSiの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物と、Mg酸化物と、Ca、Sr及びKの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物と、を有する触媒が、無機バインダを用いて、金属製又はセラミック製の担持体に担持されており、前記Mn酸化物のBET比表面積が100m/g以上であることを特徴とする。
そして、本発明に係る更に他の脱臭フィルタは、Pt及び/又はPdと、Fe、Cu、Co、Zn、Al、Ti、Ni及びSiの各元素からなる群から選択された1種又は2種以上の元素とMnとの複合酸化物と、Mg酸化物と、Ca、Sr及びKの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物と、を有する触媒が、無機バインダを用いて、金属製又はセラミック製の担持体に担持されており、前記複合酸化物のBET比表面積が100m/g以上であることを特徴とする。
更に、前記Pt及び/又はPdの担持量が、前記担持体に対し、0.1乃至1mg/ccであるように構成してもよく、また、前記Mn酸化物又は前記複合酸化物を含む場合は、その担持量を、Mnの量に換算した量で、前記担持体に対し、1乃至100mg/ccであるように構成してもよい。
また、前記Mg酸化物中のMg量と、前記Ca、Sr及びKの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物中のCa,Sr,Kの元素の量との総量が、前記担持体に対し、0.3乃至10mg/ccであるように構成してもよい。
更に、前記複合酸化物は、前記Fe、Cu、Co、Zn、Al、Ti、Ni及びSiの各元素からなる群から選択された1種又は2種以上の元素の割合が、前記Mnの割合を1とすると、0.2乃至3であるように構成してもよい。
また、前記無機バインダは、シリカゾル、セリアゾル及びジルコニアゾルからなる群から選択された1種又は2種以上であるように構成してもよい。
また、前記Pt及び/又はPdを、Al、Si、Ce、Zr及びTiの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物からなる副担持体(以下、副担持体を酸化物担持体という)に担持させたものを、前記担持体に担持させたものとして構成してもよく、また、Al、Si、Ce、Zr及びTiの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物からなる酸化物担持体と、前記Pt及び/又はPdの錯体とを前記担持体に担持させたものとして構成してもよい。
また、前記担持体は、ハニカム構造体であるように構成してもよく、この場合、例えば、前記ハニカム構造体は、ハニカムを貫通する孔であるセル数が、80乃至500cpsiである。
本発明によれば、Pt及び/又はPdによる臭気分子の分解量の一部を、Mg酸化物による分解作用により負担するため、貴金属の使用量が低減される。また、このMg酸化物は、触媒担持加工においてスラリー化させた担持液の分散性及び均一性を向上させるため、高温下においてPt及び/又はPdの触媒粒子並びにMn酸化物の触媒粒子が凝集して粒子成長するシンタリングを抑制するので、脱臭フィルタの耐熱性が向上する。更に、Mg酸化物は、担持液の分散性及び均一性を向上させるため、脱臭フィルタの脱臭性能が均一となることにより、脱臭初期性能及び脱臭耐久性能が向上する。
以下、本発明の実施の形態について、具体的に説明する。本実施形態に係る脱臭フィルタは、担持体に、Pt及び/又はPdと、Mn酸化物と、Mg酸化物とを有する触媒が、担持されているものである。
「担持体」
このPt及び/又はPd、Mn酸化物並びにMg酸化物を担持する担持体は、金属製又はセラミック製である。金属製の担持体としては、例えば、金属製発泡フォーム、ワイヤメッシュ、ハニカム焼結体又はアルミニウム展張ハニカム等が使用され、また、セラミック製の担持体としては、例えば、セラミック発泡フォーム多孔体、ハニカム焼結体又はセラミック繊維ペーパーコルゲートハニカム等が使用される。なお、この担持体は、ハニカム構造体であることが好ましい。担持体をハニカム構造体とすることにより、脱臭フィルタの圧力損失を低減させると共に、担持体の表面積が増加し、担持される触媒の量が増えるため、大風量の排気を短時間で処理することができる。
また、担持体がハニカム構造体である場合、このハニカム構造体は、ハニカムを貫通する孔であるセル数が、80乃至500cpsiであることが好ましい。このcpsi(cell per square inch)は、1平方インチあたりのセル数を示す単位である。セル数が、80cpsiを下回ると、孔の大きさが大きくなるため、排気中の臭気が、触媒によって酸化分解されることなく、脱臭フィルタを通過してしまうので、十分な脱臭性能が得られない。また、セル数が、500cpsiを上回ると、孔の大きさが小さくなるため、排気に含まれる油煙等がハニカムに付着して、ハニカムの孔を塞ぐことにより、目詰まりが発生する。更に好ましくは、ハニカム構造体は、セル数が、120乃至350cpsiであるものであり、これにより、更に、性能が高く、目詰まりも起こさない脱臭フィルタを得ることができる。
「Pt及び/又はPd」
次に、Pt及び/又はPdについて説明する。Pt及び/又はPdは、臭気分子の酸化分解を活性化させるものであり、この酸化分解により、臭気分子は無臭の分子となる。このように、このPt及び/又はPdは、分子の酸化分解を促進することにより、煙及び油煙を含有する排気中の臭気分子を除去するものである。そして、このPt及び/又はPdの担持量は、担持体(担持体の単位容積(cc)あたり)に対し、0.1乃至1mg/ccであることが好ましい。このPt及び/又はPdの担持量が、0.1mg/ccよりも少ないと、Pt及び/又はPdの酸化活性作用が低下するため、脱臭フィルタの脱臭性能が低下する。また、Pt及び/又はPdの担持量が、1mg/ccよりも多い場合、脱臭フィルタの製造コストが高くなってしまう。
更に、Pt及び/又はPdを、Al、Si、Ce、Zr及びTiの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物担持体に担持させたものを、担持体に担持させることが好ましい。このAl等の酸化物の粉末に、Pt及び/又はPdを均一に担持させたものと、その他の触媒とを、バインダ及び水に分散させてスラリーを作製し、このスラリーを担持体に含浸添着させることにより、Pt及び/又はPdを、担持体に担持させる。これにより、Pt及び/又はPd触媒の活性作用を向上させ、また、耐熱性及び脱臭耐久性を向上させることができる。一方、Al、Si、Ce、Zr及びTiの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物担持体と、Pt及び/又はPdの錯体とを担持体に担持させることにより、Pt及び/又はPdを担持体に担持させるようにしてもよい。この担持方法においても、Pt及び/又はPdによる酸化活性作用を高めると共に、耐熱性及び脱臭耐久性が優れた脱臭フィルタを得ることができる。
「Mn酸化物」
次に、Mn酸化物について説明する。Mn酸化物は、Pt及び/又はPdによる作用と同様に、煙及び油煙を含有する排気中の臭気分子の酸化分解を活性化させることにより、この臭気分子を除去するものである。そして、このMn酸化物のBET比表面積は、粉体の単位質量(g)あたり、100m/g以上である。BET法による粉体の比表面積の測定方法は、JIS Z8830に規定されている。このBET比表面積が100m/gを下回ると、Mn酸化物の担持量が少なくなるため、分解触媒性能が低下し、脱臭フィルタの脱臭性能が低下する。また、Mn酸化物の担持量(以下、Mnの量に換算して表す)は、担持体に対し、1乃至100mg/ccであることが好ましい。Mn酸化物(Mn量)が、1mg/ccを下回ると、Mn酸化物による触媒活性作用が低下するので、脱臭フィルタの脱臭性能が劣化する。また、Mn酸化物(Mn量)が、100mg/ccを上回ると、担持体に担持されるMn酸化物の量が過多となるため、Mn酸化物が剥離しやすくなる。
「Fe、Cu、Co、Zn、Al、Ti、Ni及びSiの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物」
一方、本発明は、Mn酸化物と共に、Fe、Cu、Co、Zn、Al、Ti、Ni及びSiの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物を担持体に担持させてもよい。Fe酸化物等は、Mn酸化物と共に、排気中の臭気分子の酸化分解を活性化させることにより、この臭気分子を除去する作用をもたらす。この場合も、Mn酸化物のBET比表面積は100m/g以上である。また、Mn酸化物の担持量(Mn量)は、担持体に対し、1乃至100mg/ccであることが好ましい。
「Fe、Cu、Co、Zn、Al、Ti、Ni及びSiの各元素からなる群から選択された1種又は2種以上の元素とMnとの複合酸化物」
また、本発明は、Mn酸化物の代わりに、Fe、Cu、Co、Zn、Al、Ti、Ni及びSiの各元素からなる群から選択された1種又は2種以上の元素とMnとの複合酸化物を担持体に担持させてもよい。Mnを含む複合酸化物は、Mn酸化物と同様に、煙及び油煙を含有する排気中の臭気分子の酸化分解を活性化させることにより、この臭気分子を除去する。この場合、この複合酸化物のBET比表面積は、100m/g以上である。また、この複合酸化物の担持量(以下、Mnの量に換算して表す)は、担持体に対し、1乃至100mg/ccであることが好ましい。この複合酸化物において、特に、MnとFeとの複合酸化物は、耐熱性及び脱臭耐久性に優れる。また、Fe以外に、Cu,Co,Zn,Al,Ti,Ni,SiとMnとの複合酸化物においても、MnとFeとの複合酸化物と同じ効果を奏する。この複合酸化物を担持体に担持させる場合、このFe、Cu、Co、Zn、Al、Ti、Ni及びSiの各元素からなる群から選択された1種又は2種以上の元素の割合は、複合酸化物中のMnの割合を1とすると、0.2乃至3であることが好ましい。この割合が、0.2よりも小さいと、Fe等の酸化物触媒による酸化活性作用が低下し、脱臭フィルタの脱臭性能が低下する。また、この割合が、3よりも大きいと、Mn量が低下するため、Mn酸化物による触媒活性効果が低減し、高い脱臭性能が得られない。
「Mg酸化物」
次に、Mg酸化物について説明する。Mg酸化物は、Pt及び/又はPd並びにMn酸化物による酸化分解作用を有すると共に、このPt及び/又はPd並びにMn酸化物による酸化活性を向上させる触媒助剤となる。更に、このMg酸化物は、触媒担持加工においてスラリー化させた担持液の分散性及び均一性を向上させる。このため、Mg酸化物は、高温下においてPt及び/又はPdの触媒粒子並びにMn酸化物の触媒粒子が凝集して粒子成長するシンタリングを抑制するので、このMg酸化物は、脱臭フィルタの耐熱性を向上させる。更に、Mg酸化物は、担持液の分散性及び均一性を向上させるため、脱臭フィルタの脱臭性能が均一となる。このため、脱臭初期性能及び脱臭耐久性能を向上させることができる。
「Ca、Sr及びKの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物」
触媒担持加工においてスラリー化させた担持液の分散性及び均一性を向上させるという上記の効果は、Mg酸化物と共に、Mg酸化物以外の塩基性物質、例えば、Ca、Sr又はKの酸化物等を添加することでも得ることができる。この塩基性物質のうち、特に、2価の塩基性物質であるMg、Ca又はSrの酸化物等において、顕著に上記効果を得ることができる。このように、本発明は、Mg酸化物と共に、Ca、Sr及びKの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物を担持してもよい。この場合、Mg酸化物の担持量(以下、Mgの量に換算して表す)と、Ca、Sr及びKの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物の担持量(これらも、Ca,Sr,Kの量に換算して表す)との総量が、担持体に対し、0.3乃至10mg/ccであることが好ましい。この量(Mg量とCa等の量との総量)が、0.3mg/ccよりも少ない場合、スラリー化させた担持液の分散性を向上させることができない。また、この量(Mg量とCa等の量との総量)が、10mg/ccよりも多い場合、触媒活性効果が低下する。
「無機バインダ」
このPt及び/又はPdと、Mn酸化物と、Mg酸化物とを有する触媒を、担持体に担持させるため、本実施形態では、水を分散媒として無機バインダを用いる。この無機バインダは、シリカゾル、アルミナゾル、セリアゾル及びジルコニアゾルからなる群から選択された1種又は2種以上であることが好ましい。無機バインダを使用して、触媒を担持体に担持させることにより、脱臭フィルタの耐熱性能及び脱臭性能を向上させることができる。
次に、本発明の実施形態に係る脱臭フィルタの動作について説明する。Pt及び/又はPdと、Mn酸化物と、Mg酸化物とを有する触媒は、魚介類等を加熱調理する際に発生する煙及び油煙が含まれた排気において、排気中の臭気分子の酸化分解を活性化させるものであり、これらの触媒は、この酸化分解により、臭気分子を無臭の分子にする。また、これらの触媒のうち、Mg酸化物は、Pt及び/又はPd並びにMn酸化物による臭気分子の酸化分解の活性作用を向上させる。そして、このMg酸化物は、触媒を担持体に担持させる工程において、触媒を無機バインダと水に分散させてスラリー化させた担持液の分散性及び均一性を向上させる。
このように、本実施形態の脱臭フィルタは、Pt及び/又はPdによる臭気分子の酸化分解量の一部を、Mg酸化物による酸化分解作用により負担するため、Pt,Pdの使用量が低減される。また、このMg酸化物は、触媒担持加工においてスラリー化させた担持液の分散性及び均一性を向上させるため、高温下においても、Pt及び/又はPdの触媒粒子並びにMn酸化物の触媒粒子が凝集しづらくなる。このため、Mg酸化物は、高温下において、これらの触媒粒子が凝集して粒子成長するシンタリングを抑制するので、触媒粒子が凝集して触媒粒子の表面積が低下することを防止して、脱臭性能の低下を防止することができる。このように、Mg酸化物は、高温下におけるシンタリングを抑制するため、脱臭フィルタの耐熱性を向上させる。また、Mg酸化物は、担持液の分散性及び均一性を向上させるため、脱臭フィルタの脱臭性能が均一となる。このため、Mg酸化物は、脱臭フィルタにおける脱臭初期性能及び脱臭耐久性能を向上させる。これにより、この脱臭フィルタにおいて、長期脱煙と長期脱臭性能の維持とを、比較的安価にて実現することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて、本発明の効果について説明する。
先ず、比較例について説明する。比較例1乃至3として、Pt及び/又はPdをアルミナ粉末に担持させたものを、シリカゾルと水に分散させたスラリーを作り、このスラリーを、セラミックハニカム基材に含浸添着した。なお、このセラミックハニカム基材のハニカムを貫通する孔であるセル数を、200cpsiとした。その後、この含浸添着したものを取り出し、電気乾燥炉で乾燥させることにより、脱臭フィルタを作製した。比較例1は、Ptの担持量を1.0mg/ccとし、比較例2は、Pdの担持量を1.0mg/ccとし、比較例3は、Pt及びPdの担持量をいずれも0.5mg/ccとした。
また、比較例4及び5は、Pt及び/又はPdをアルミナ粉末に担持させたものとMg酸化物とを、シリカゾルと水に分散させたスラリーを、200cpsiのセラミックハニカム基材に含浸添着することにより作製したものである。この比較例4は、Ptの担持量を0.8mg/cc及びMg酸化物の担持量(Mg量)を8.0mg/ccとし、比較例5は、Ptの担持量を0.3mg/cc、Pdの担持量を0.5mg/cc及びMg酸化物の担持量(Mg量)を8.0mg/ccとした。
そして、比較例6として、200cpsiのセラミックハニカム基材にいずれの触媒も担持させないものを作製した。また、比較例7は、Mg酸化物をシリカゾルと水に分散させたスラリーを、200cpsiのセラミックハニカム基材に含浸添着することにより作製した脱臭フィルタであり、Mg酸化物の担持量(Mg量)を8.0mg/ccとした。
更に、比較例8乃至10として、200cpsiのセラミックハニカム基材に、Mn酸化物又はMnを含む複合酸化物とMg酸化物とを、シリカゾルと水に分散させたスラリーを含浸添着した脱臭フィルタを作製した。比較例8は、MnとFeとの比を1:0.9とした複合酸化物を使用し、複合酸化物(Mn量)を100mg/ccとし、複合酸化物のBET比表面積を130m/gとした。また、比較例9は、MnとCuとの比を1:0.4とした複合酸化物を使用し、複合酸化物(Mn量)を100mg/ccとし、複合酸化物のBET比表面積を150m/gとした。そして、比較例10は、Mn酸化物を使用し、Mn酸化物の担持量(Mn量)を100mg/ccとし、Mn酸化物のBET比表面積を200m/gとした。なお、比較例8,9,10は、いずれも、Mg酸化物の担持量(Mg量)を0.77mg/ccとした。
次に、実施例について説明する。実施例1乃至5として、Pt及び/又はPdをアルミナ粉末に担持させたもの、MnとFeとの複合酸化物及びMg酸化物を、シリカゾルと水に分散させたスラリーを作り、このスラリーを、200cpsiのセラミックハニカム基材に含浸添着し、これを、電気乾燥炉で乾燥させることにより、脱臭フィルタを作製した。実施例1は、Ptの担持量を0.03mg/cc、Pdの担持量を0.15mg/ccとし、実施例2は、Ptの担持量を0.03mg/cc、Pdの担持量を0.07mg/ccとしたものである。また、実施例3は、Pt及びPdの担持量をいずれも0.03mg/ccとし、実施例4は、Ptの担持量を1.0mg/ccとし、実施例5は、Ptの担持量を2.0mg/ccとした。なお、実施例1乃至5においては、いずれも、MnとFeとの比を1:0.9とした複合酸化物とし、この複合酸化物の量(Mn量)を1.3mg/cc、複合酸化物のBET比表面積を130m/gとした。そして、実施例1乃至5は、いずれも、Mg酸化物の量(Mg量)を0.77mg/ccとした。
第1の評価方法として、油臭の代表的な臭気成分であるプロピオンアルデヒドの濃度を5ppmとし、これを、250℃の雰囲気下で、風量が2.95L/分、空間速度SVが36000h−1で、脱臭フィルタ内に30分間通気した。そして、脱臭フィルタの入口におけるプロピオンアルデヒドの濃度(入口濃度)及び脱臭フィルタの出口におけるプロピオンアルデヒドの濃度(出口濃度)を測定して、下記数式1により脱臭効率を算出した。
Figure 0006022342
そして、この脱臭効率を、プロピオンアルデヒドを通気させている30分間算出し、その30分の平均値をPA脱臭性能(30分)とした。このPA脱臭性能(30分)は、30分という比較的短い時間による性能結果であるため、これを、脱臭初期性能の指標とした。
第2の評価方法として、このプロピオンアルデヒドの濃度を50ppmとし、これを、250℃の雰囲気下で、風量が2.95L/分、空間速度SVが36000h−1で、脱臭フィルタ内に480分間通気した。そして、入口濃度及び出口濃度を測定し、上式により、脱臭効率を、プロピオンアルデヒドを通気させている480分間算出し、その480分の平均値をPA脱臭性能(480分)とした。このPA脱臭性能(480分)は、比較的長い時間による性能結果であるため、これを、脱臭耐久性能の指標とした。なお、第1及び第2の評価方法において、脱臭フィルタの担持体は、直径25mm、厚さ10mmのものを使用した。評価結果を表1に示す。
Figure 0006022342
表1に示すように、Pt及び/又はPdを担持させた比較例1乃至5は、PA脱臭性能(30分)及びPA脱臭性能(480分)が良好であったため、脱臭初期性能及び脱臭耐久性能が高いことが確認された。これに対し、Pt及び/又はPdを担持させず、Mn酸化物も担持させていない比較例6及び7は、PA脱臭性能(30分)及びPA脱臭性能(480分)のいずれも悪かったため、脱臭初期性能及び脱臭耐久性能が低いことが確認された。また、Pt及び/又はPdを担持させていないが、Mn酸化物及びMg酸化物を担持させている比較例8乃至10は、PA脱臭性能(30分)は良好であったが、PA脱臭性能(480分)が悪化していたため、脱臭初期性能は高いが、脱臭耐久性能が低いことが確認された。
これに対し、Pt及び/又はPd、Mn酸化物及びMg酸化物を担持させた実施例1乃至5は、後述する表5に示す従来例1よりも、PA脱臭性能(30分)とPA脱臭性能(480分)とがいずれも良好であり、その脱臭初期性能及び脱臭耐久性能が高いことが確認された。特に、実施例1及び2のPt及びPdの担持量は、比較例1乃至5のPt及び/又はPdの担持量より少ないが、同等の脱臭初期性能及び脱臭耐久性能を示した。これにより、Mg酸化物を担持体に担持させることにより、脱臭フィルタの脱臭性能を維持しつつ、Pt及び/又はPdといった高価な貴金属の使用量を低減させることができることが確認された。なお、Pt及び/又はPdの担持量を、0.1mg/cc以上とした実施例1,2,4,5の脱臭性能は、特に良好であった。しかし、実施例5のように、Ptの担持量が1mg/ccを超えると、製造コストが高くなる。従って、Pt及び/又はPdの担持量は、担持体に対し、0.1乃至1mg/ccであることが好ましい。
次に、表1に示す実施例1と同様のPtの担持量(0.03mg/cc)、Pdの担持量(0.15mg/cc)及びMg酸化物の担持量(Mg量)(0.77mg/cc)で、Pt、Pd及びMg酸化物とMn酸化物とを実施例1と同様の担持体に担持させた実施例6乃至9について説明する。実施例6は、Mn酸化物(Mn量)を0.5mg/ccとし、そのBET比表面積を100m/gとした。そして、実施例7は、Mn酸化物(Mn量)を1.0mg/ccとし、そのBET比表面積を100m/gとした。また、実施例8は、Mn酸化物(Mn量)を100mg/ccとし、そのBET比表面積を100m/gとした。実施例9は、Mn酸化物(Mn量)を200mg/ccとし、そのBET比表面積を100m/gとした。つまり、この実施例6乃至9は、Mn酸化物において、BET比表面積を同じくして、Mn酸化物の量(Mn量)のみを変えたものである。この実施例6乃至9において、上述の第1及び第2の評価方法で評価した結果を表2に示す。
Figure 0006022342
表2に示すように、Mn酸化物(Mn量)を1mg/cc以上とした実施例7乃至9は、Mn酸化物(Mn量)を0.5mg/ccとした実施例6よりも、PA脱臭性能(30分)とPA脱臭性能(480分)とがいずれも良好であり、その脱臭初期性能及び脱臭耐久性能が高いことが確認された。しかし、Mn酸化物(Mn量)を200mg/ccとした実施例9は、Mn酸化物(Mn量)を100mgとした実施例8よりも、初期性能及び耐久性能のいずれも劣っていた。これは、Mn酸化物(Mn量)が過剰になったことにより、Mn酸化物が担持体から剥離したためと考えられる。よって、Mn酸化物(Mn量)は、担持体に対し、1乃至100mg/ccであることが好ましい。なお、実施例6乃至9の脱臭初期性能及び脱臭耐久性能は、いずれも、後述する表5に示す従来例1よりも高かった。
次に、表1に示す実施例1と同様のPtの担持量(0.03mg/cc)、Pdの担持量(0.15mg/cc)及びMg酸化物の担持量(Mg量)(0.77mg/cc)で、Pt、Pd及びMg酸化物とMn酸化物とを実施例1と同様の担持体に担持させた実施例10及び11並びに比較例11について説明する。実施例10は、Mn酸化物(Mn量)を1.3mg/ccとし、そのBET比表面積を200m/gとした。実施例11は、Mn酸化物(Mn量)を1.3mg/ccとし、そのBET比表面積を300m/gとした。一方、比較例11は、Mn酸化物(Mn量)を1.3mg/ccとし、そのBET比表面積を80m/gとした。即ち、実施例10及び11並びに比較例11は、Mn酸化物(Mn量)をいずれも1.3mg/ccとして、BET比表面積のみを変えたものである。この実施例10及び11並びに比較例11において、上述の第1及び第2の評価方法で評価した結果を表3に示す。なお、BET比表面積が100m/gである表2に示す実施例7の評価結果も、表3に合わせて示す。
Figure 0006022342
表3に示すように、Mn酸化物のBET比表面積を100m/g以上とした実施例7,10,11は、BET比表面積を80m/gとした比較例11よりも、PA脱臭性能(30分)とPA脱臭性能(480分)とがいずれも良好であり、その脱臭初期性能及び脱臭耐久性能が高いことが確認された。よって、高い脱臭性能を得るためには、Mn酸化物のBET比表面積を100m/g以上にする必要がある。なお、実施例10及び11の脱臭初期性能及び脱臭耐久性能は、いずれも、後述する表5に示す従来例1よりも高かった。
次に、表1に示す実施例1と同様のPtの担持量(0.03mg/cc)、Pdの担持量(0.15mg/cc)及びMg酸化物の担持量(Mg量)(0.77mg/cc)で、Pt、Pd及びMg酸化物を実施例1と同様の担持体に担持させ、更に、Mn酸化物とMn酸化物以外の複数種類の酸化物又はMnとMn以外の金属との複合酸化物を、実施例1と同様の担持体に担持させた実施例12乃至24について説明する。実施例12は、MnとCuとが1:0.4の比率の複合酸化物であり、この複合酸化物の量(Mn量)を2.8mg/cc、複合酸化物のBET比表面積を150m/gとした。実施例13は、MnとCoとが1:0.5の比率の複合酸化物であり、この複合酸化物の量(Mn量)及び複合酸化物のBET比表面積を、実施例12と同様に、夫々2.8mg/cc及び150m/gとした。実施例14は、MnとZnとの比が1:0.5の複合酸化物であり、この複合酸化物の量(Mn量)及び複合酸化物のBET比表面積を、実施例12,13と同様に、夫々2.8mg/cc及び150m/gとした。実施例15は、MnとAlとの比が1:0.5の複合酸化物であり、この複合酸化物の量(Mn量)を2.8mg/cc、複合酸化物のBET比表面積を130m/gとした。実施例16は、MnとTiとの比が1:0.5の複合酸化物であり、この複合酸化物の量(Mn量)及び複合酸化物のBET比表面積を、実施例12,13,14と同様に、夫々2.8mg/cc及び150m/gとした。実施例17は、MnとNiとが1:0.5の比率の複合酸化物であり、この複合酸化物の量(Mn量)及び複合酸化物のBET比表面積を、実施例15と同様に、夫々2.8mg/cc及び130m/gとした。実施例18は、MnとSiとが1:0.5の比率の複合酸化物であり、この複合酸化物の量(Mn量)及び複合酸化物のBET比表面積を、実施例15,17と同様に、夫々2.8mg/cc及び130m/gとした。実施例19は、MnとFeとCuとの比が1:1:1の複合酸化物であり、この複合酸化物の量(Mn量)及び複合酸化物のBET比表面積を、実施例1と同様に、夫々1.3mg/cc及び130m/gとした。実施例20乃至23は、MnとFeとの複合酸化物であり、この複合酸化物の量(Mn量)を1.3mg/cc、複合酸化物のBET比表面積を130m/gとしたものであり、これは、実施例1と同様であるが、実施例1とは、MnとFeとの比を変えている点で異なる。実施例20は、MnとFeとの比が1:0.2の複合酸化物であり、実施例21は、この比が1:3の複合酸化物である。また、実施例22は、MnとFeとの比が1:3.5の複合酸化物であり、実施例23は、MnとFeとの比が1:0.1の複合酸化物である。一方、実施例24は、Mn酸化物とFe酸化物とを混合させたものであり、Mn酸化物(Mn量)とFe酸化物(Fe量)とを1:0.9の割合で担持させ、Mn酸化物(Mn量)を1.3mg/cc、BET比表面積を130m/gとした。この実施例12乃至24において、上述の第1及び第2の評価方法で評価した結果を表4に示す。なお、MnとFeとの比が1:0.9の複合酸化物を使用した実施例1の評価結果も、表4に合わせて示す。
Figure 0006022342
表4に示すように、MnとMn以外の金属との複合酸化物を担持体に担持させた実施例1及び実施例12乃至23のいずれも、後述する表5に示す従来例1よりも、PA脱臭性能(30分)及びPA脱臭性能(480分)が良好であり、脱臭初期性能及び脱臭耐久性能が高いことが確認された。このように、脱臭フィルタは、Mnと、Fe、Cu、Co、Zn、Al、Ti、Ni及びSiの各元素からなる群から選択された1種又は2種以上の元素との複合酸化物を担持することにより、高い脱臭性能が得られる。特に、MnとFeとを含む複合酸化物を担持させた実施例1及び実施例19乃至23は、脱臭初期性能と脱臭耐久性能とがいずれも高かった。また、複合酸化物の量(Mn量)を、1.3mg/ccとした実施例1及び実施例19乃至23において、実施例1,19,20,21は、Mnの割合を1とすると、Feの割合を、0.2乃至3としたものである。そして、実施例22及び23は、MnとFeとの比が上記範囲0.2乃至3から外れるものである。よって、実施例1,19,20,21は、実施例22,23よりも、脱臭性能が高かった。これは、Fe等の量の割合が、0.2を下回ると、Fe等の酸化物触媒による酸化活性作用が低下し、脱臭フィルタの脱臭性能が低下するためであり、また、この割合が、3を上回ると、Mn量が低下して、Mn酸化物による触媒活性効果が低下することにより、脱臭性能が低下するためである。従って、脱臭フィルタにおいて、Fe、Cu、Co、Zn、Al、Ti、Ni及びSiの各元素からなる群から選択された1種又は2種以上の元素の割合は、Mnの量を1とすると、0.2乃至3であることが好ましい。なお、この評価は、脱臭性能を単純比較するため、複合酸化物の量(Mn量)が1.3mg/ccと等しい実施例1及び実施例19乃至23において評価を行った。また、Mn酸化物とFe酸化物とを混合させた実施例24も、後述する表5に示す従来例1よりも、PA脱臭性能(30分)及びPA脱臭性能(480分)が良好であり、脱臭初期性能及び脱臭耐久性能が高いことが確認された。このように、脱臭フィルタは、Mn酸化物と共に、複数種類の酸化物を担持体に担持させても、高い脱臭性能が得られる。この酸化物としては、例えば、Fe、Cu、Co、Zn、Al、Ti、Ni及びSiの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物とすることができる。
次に、表5を参照して、実施例25乃至34及び従来例1について説明する。これらの実施例25乃至34及び従来例1のうち、実施例25乃至32及び従来例1は、Ptの担持量を0.03mg/cc、Pdの担持量を0.15mg/ccとし、また、MnとFeとの比が1:0.9の複合酸化物の量(Mn量)を1.3mg/cc、この複合酸化物のBET比表面積を130m/gとして、Pt、Pd及びMn-Fe複合酸化物を200cpsiのセラミックハニカム担持体に担持させたことが、表1に示す実施例1と共通する。また、実施例33及び34は、Ptの担持量を0.03mg/cc、Pdの担持量を0.15mg/ccとしたことが、表1に示す実施例1と共通する。そして、実施例1との相違点は、実施例25乃至28が、Mg酸化物を担持体に担持させたものであり、また、実施例29乃至32が、Mg酸化物と共に、Mg酸化物以外の酸化物を担持体に担持させたものである。実施例25は、Mg酸化物の量(Mg量)を0.1mg/ccとし、実施例26は、Mg酸化物の量(Mg量)を0.3mg/ccとし、実施例27は、Mg酸化物の量(Mg量)を10mg/ccとし、実施例28は、Mg酸化物の量(Mg量)を20mg/ccとした。そして、実施例29は、Mg酸化物とCa酸化物とを担持し、Mg酸化物の量(Mg量)を0.4mg/cc、Ca酸化物の量(Ca量)を0.4mg/ccとした。実施例30は、Mg酸化物とSr酸化物とを担持し、Mg酸化物の量(Mg量)及びSr酸化物の量(Sr量)のいずれも、0.4mg/ccとした。実施例31は、Mg酸化物とK酸化物とを担持し、Mg酸化物の量(Mg量)を0.4mg/ccとし、K酸化物の量(K量)も0.4mg/ccとした。実施例32は、Mg酸化物とCa酸化物とSr酸化物とを担持し、Mg酸化物の量(Mg量)、Ca酸化物の量(Ca量)及びSr酸化物の量(Sr量)を、いずれも0.3mg/ccとした。そして、実施例33は、Pt及びPdに加え、Mn酸化物の量(Mn量)を1.3mg/cc、BET比表面積を200m/gとして、Mn酸化物を担持体に担持させ、更に、Mg酸化物(Mg量)を0.4mg/ccとし、Ca酸化物(Ca量)を0.4mg/ccとしたものを担持体に担持させたものである。また、実施例34は、Pt及びPdに加え、Mn酸化物(Mn量)とFe酸化物(Fe量)とを1:0.9の比率で担持させたMn酸化物とFe酸化物との混合物(Mn酸化物の量(Mn量):1.3mg/cc、BET比表面積:130m/g)を担持体に担持させ、更に、実施例33と同様に、Mg酸化物(Mg量)を0.4mg/ccとし、Ca酸化物(Ca量)を0.4mg/ccとしたものを担持体に担持させたものである。実施例33及び34における担持体は、200cpsiのセラミックハニカム担持体である。従来例1は、Pt及びPdと、Mn-Fe複合酸化物とを担持させ、Mg酸化物を担持させずに作製した従来技術の脱臭フィルタである。この実施例25乃至34及び従来例1において、上述の第1及び第2の評価方法で評価した結果を表5に示す。なお、Mg酸化物の量(Mg量)を0.77mg/ccとした実施例1の評価結果も、表5に合わせて示す。
Figure 0006022342
表5に示すように、Mg酸化物を担持させた実施例1及び実施例25乃至34は、Mg酸化物を担持させていない従来例1よりもPA脱臭性能(30分)及びPA脱臭性能(480分)が良好であり、脱臭初期性能及び脱臭耐久性能が高いことが確認された。これにより、Mg酸化物を担持体に担持させることにより、脱臭フィルタの脱臭性能を高めることができることが確認された。また、Mg酸化物(Mg量)を0.3乃至10mg/ccとした実施例1,26,27は、Mg酸化物(Mg量)を0.1mg/ccとした実施例25よりも、脱臭性能が高かった。これは、実施例25においては、Mg酸化物(Mg量)が少ないことにより、触媒担持加工においてスラリー化させた担持液の分散性を向上させることができなかったためであると考えられる。また、Mg酸化物(Mg量)を20mg/ccとした実施例28は、Mg酸化物(Mg量)を10mg/ccとした実施例27よりも、脱臭性能が低かったが、これは、Mg酸化物が過剰になったことにより、触媒活性効果が低下したためであると考えられる。
また、前述の如く、実施例29乃至32は、いずれも脱臭性能が高かった。このように、脱臭フィルタは、Mnを含む複合酸化物と、Mg酸化物と共に、Ca、Sr及びKの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物を担持することにより、高い脱臭性能が得られる。この場合、複合酸化物は、Mnと、Fe、Cu、Co、Zn、Al、Ti、Ni及びSiの各元素からなる群から選択された1種又は2種以上の元素との複合酸化物とすることができる。更に、Mn酸化物と、Mg酸化物及びCa酸化物とを担持させた実施例33も、前述の如く、脱臭初期性能及び脱臭耐久性能が高かった。このように、脱臭フィルタは、Mn酸化物及びMg酸化物と共に、複数種類の酸化物を担持体に担持させても、高い脱臭性能が得られる。この酸化物としては、例えば、Ca、Sr及びKの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物とすることができる。また、Mn酸化物及びFe酸化物と、Mg酸化物及びCa酸化物とを担持させた実施例34も、前述の如く、脱臭初期性能及び脱臭耐久性能が高かった。実施例34では、Mn酸化物及びMg酸化物に、Fe酸化物とCa酸化物とを担持体に担持させたが、これらの酸化物は、例えば、Fe、Cu、Co、Zn、Al、Ti、Ni及びSiの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物並びにCa、Sr及びKの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物とすることもできる。
これらの実施例29乃至34のうち、実施例29,33,34におけるMgとCaとの総量は、0.8mg/cc、実施例30のMgとSrとの総量も、0.8mg/cc、実施例31のMgとKとの総量も、0.8mg/cc、実施例32のMgとCaとSrとの総量は、0.9mg/ccである。これらの量は、いずれも、0.3乃至10mg/ccに含まれるため、Mg酸化物の量(Mg量)と、Ca、Sr及びKの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物の量(Ca,Sr,Kの量)との総量が、担持体に対し、0.3乃至10mg/ccであることが好ましい。
次に、脱臭フィルタの耐熱性の評価を行った実施例35について説明する。実施例35は、表2に示す実施例7において、Mg酸化物(Mg量)を0.1mg/ccとしたものであり、それ以外の構成は、実施例7と同様である。この実施例35及び実施例7において、脱臭フィルタの耐熱性を評価するため、第3の評価方法として、先ず、脱臭フィルタを500℃の雰囲気下で72時間保持した後、濃度が5ppmのプロピオンアルデヒドを、250℃の雰囲気下で、脱臭フィルタ内に30分間通気した。その際、風量を2.95L/分とし、空間速度SVを36000h−1とした。そして、脱臭フィルタの入口濃度及び出口濃度を測定し、上述の数式1により、脱臭効率を、プロピオンアルデヒドを通気させている30分間算出し、その30分の平均値を、高温保持後のPA脱臭性能(30分)とした。実施例7及び35において、この第3の評価方法及び上述の第1の評価方法において評価した結果を表6に示す。
Figure 0006022342
表6に示すように、Mg酸化物(Mg量)を0.77mg/ccとした実施例7は、高温保持していないPA脱臭性能(30分)が83%であり、高温保持後のPA脱臭性能(30分)が82%であった。即ち、この実施例7においては、プロピオンアルデヒドの通気前に、高温保持されても、脱臭性能はほとんど低下しなかった。これに対し、Mg酸化物(Mg量)を0.1mg/ccとした実施例35は、高温保持していないPA脱臭性能(30分)が74%であり、高温保持後のPA脱臭性能(30分)が60%であったことから、この実施例35においては、高温保持により、脱臭性能が低下していたことが確認された。Mg酸化物は、触媒担持加工においてスラリー化させた担持液の分散性及び均一性を高めるため、高温下においても、Pt及び/又はPdの触媒粒子並びにMn酸化物の触媒粒子が凝集しづらくなる。このため、Mg酸化物は、高温下において、これらの触媒粒子が凝集して粒子成長するシンタリングを抑制するので、触媒粒子が凝集して触媒粒子の表面積が低下することを防止して、脱臭性能の低下を防止する。実施例7は、実施例35よりも、Mg酸化物(Mg量)が多いため、上記のMg酸化物添加による高温下における脱臭性能を低下させる効果が高かった。このように、本評価結果から、Mg酸化物を担持体に担持させることによる耐熱性の向上が確認された。
次に、触媒を担持体に担持させる際に使用するバインダを変えた実施例36乃至39及び比較例12について説明する。このバインダとして、実施例36はアルミナゾル、実施例37はセリアゾル、実施例38はジルコニアゾル、実施例39は、シリカゾルとセリアゾル、比較例12はアクリルエマルジョンを、夫々使用した。つまり、実施例36乃至39は、無機バインダを使用したものであり、比較例12は有機バインダを使用したものである。なお、この実施例36乃至39及び比較例12は、バインダ以外の構成は、表1に示す実施例1と同様である。この実施例1は、バインダとして、無機バインダであるシリカゾルを使用した。この実施例36乃至39及び比較例12において、上述の第1及び第2の評価方法で評価した結果を表7に示す。なお、バインダをシリカゾルとした実施例1の評価結果も、表7に合わせて示す。
Figure 0006022342
表7に示すように、無機バインダを使用した実施例1及び実施例36乃至39は、有機バインダを使用した比較例12よりも、PA脱臭性能(30分)及びPA脱臭性能(480分)が良好であり、脱臭初期性能及び脱臭耐久性能が高いことが確認された。従って、触媒担持に使用するバインダを、無機バインダにすることにより、優れた脱臭性能を得ることができることが確認された。また、本評価結果からわかるように、無機バインダは、シリカゾル、アルミナゾル、セリアゾル及びジルコニアゾルからなる群から選択された1種又は2種以上であることが好ましい。なお、実施例36乃至39の脱臭初期性能及び脱臭耐久性能は、いずれも、表5に示す従来例1よりも高かった。
次に、Pt及び/又はPdを担持体に担持させるために使用する酸化物担持体を変えたか、又は酸化物担持体を使用しない実施例40乃至45について説明する。この酸化物担持体は、Al酸化物等であり、このAl酸化物等の粉末に、Pt及び/又はPdを均一に担持させたものと、その他の触媒とを、バインダ及び水に分散させてスラリーを作製し、このスラリーを担持体に含浸添着させることにより、Pt及び/又はPdを、担持体に担持させるものである。実施例40は、この酸化物担持体を使用せずにPt及び/又はPdを担持体に担持させたものである。また、実施例41はSi酸化物、実施例42はCe酸化物、実施例43はZr酸化物、実施例44はTi酸化物、実施例45はAl酸化物及びCe酸化物を、夫々酸化物担持体として使用した。なお、この実施例40乃至45は、酸化物担持体以外の構成は、表1に示す実施例1と同様である。この実施例1は、酸化物担持体として、Al酸化物を使用した。実施例40乃至45において、上述の第1及び第2の評価方法で評価した結果を表8に示す。なお、酸化物担持体として、Al酸化物を使用した実施例1の評価結果も、表8に合わせて示す。
Figure 0006022342
表8に示すように、Al、Si、Ce、Zr又はTiの酸化物からなる酸化物担持体を使用して、Pt及び/又はPdを担持体に担持させた実施例1及び実施例41乃至45は、酸化物担持体を使用せずにPt及び/又はPdを担持体に担持させた実施例40よりも、PA脱臭性能(30分)及びPA脱臭性能(480分)が良好であり、脱臭初期性能及び脱臭耐久性能が高いことが確認された。従って、脱臭フィルタは、Pt及び/又はPdを、Al、Si、Ce、Zr及びTiの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物担持体に担持させたものを、担持体に担持させることが好ましい。なお、実施例40乃至45の脱臭初期性能及び脱臭耐久性能は、いずれも、表5に示す従来例1よりも高かった。
次に、担持体の構造を変えた実施例46乃至51及び従来例2について説明する。この実施例46乃至51及び従来例2は、担持体をセラミック製のハニカム構造体であるセラミックハニカムとしたものであるが、夫々ハニカムを貫通する孔であるセルの数を変えた。実施例46は、ハニカムを貫通する孔であるセル数を、35cpsiとした。実施例47は、80cpsi、実施例48は、120セル/cpsi、実施例49は、350cpsi、実施例50は、500cpsi、実施例51は、600cpsiとした。また、従来例2は、セル数を、35cpsiとし、Mg酸化物を担持体に担持させないものとした。なお、この実施例46乃至51は、ハニカムのセル数以外の構成は、表1に示す実施例1と同様であり、また従来例2は、ハニカムのセル数以外の構成は、表5に示す従来例1と同様である。実施例1及び従来例1は、担持体をセラミックハニカムとし、セル数を、200cpsiとしたものである。この実施例46乃至51及び従来例2において、上述の第1及び第2の評価方法で評価した結果を表9に示す。なお、セル数を200cpsiとした実施例1及び従来例1の評価結果も、表9に合わせて示す。
Figure 0006022342
表9に示すように、セラミックハニカムのセル数を80乃至500cpsiとした実施例1及び実施例47乃至50は、セル数を35cpsiとした実施例46よりも、PA脱臭性能(30分)及びPA脱臭性能(480分)が良好であり、脱臭初期性能及び脱臭耐久性能が高いことが確認された。セル数を600cpsiとした実施例51は、PA脱臭性能(30分)及びPA脱臭性能(480分)が共に高かったが、セル数を500cpsiとした実施例50と同等の性能であるため、セル数を500cpsiより多くしても、脱臭性能はあまり向上しないことが確認された。また、セル数が多いと、ハニカムを貫通する孔が小さくなるため、排気に含まれる油煙等が、孔を塞ぐことにより、目詰まりを引き起こす虞がある。よって、担持体をハニカム構造体とした場合、セル数を、80乃至500cpsiとすることが好ましい。更に好ましくは、セル数を、120乃至350cpsiとすることである。これにより、更に、性能が高く、目詰まりも起こさない脱臭フィルタを得ることができる。なお、実施例47乃至51の脱臭初期性能及び脱臭耐久性能は、いずれも、従来例1よりも高かったが、実施例46は、従来例1よりも脱臭性能が低かった。これは、従来例1のハニカムのセル数は、200cpsiであるため、この従来例1と、従来例1よりもセル数が35cpsiと少ない実施例46とは、担持体に担持された触媒の量が異なるので、単純比較することができないからである。従来例2は、ハニカムのセル数を実施例46と同じ35cpsiとし、且つMg酸化物を担持させていないものであるが、実施例46は、Mg酸化物を担持させているので、この従来例2よりも、脱臭初期性能及び脱臭耐久性能が高かった。これにより、ハニカムのセル数が同等であれば、Mg酸化物を担持体に担持させることによって、脱臭性能が向上することが確認された。
次に、担持体の構造及び材料を変えた実施例52乃至54について説明する。実施例52は、担持体を金属製の発泡フォームとし、実施例53は、担持体をワイヤメッシュとし、実施例54は、担持体をセラミックフォームとしたものである。この実施例52乃至54における担持体は、ハニカム構造体ではない多孔体であるが、その孔は、ハニカム構造体における200cpsiに相当する密度で形成されたものである。なお、この実施例52乃至54は、担持体以外の構成は、表1に示す実施例1と同様である。この実施例1は、前述の如く、担持体をセラミックハニカムとし、200cpsiとしたものである。この実施例52乃至54において、上述の第1及び第2の評価方法で評価した結果を表10に示す。なお、担持体をセラミックハニカムとした実施例1の評価結果も、表10に合わせて示す。
Figure 0006022342
表10に示すように、担持体がハニカム構造体ではない実施例52乃至54は、担持体をハニカム構造体とした実施例1よりも、PA脱臭性能(30分)及びPA脱臭性能(480分)のいずれも悪く、脱臭初期性能及び脱臭耐久性能が低いことが確認された。よって、担持体は、ハニカム構造体であることが好ましい。なお、実施例52乃至54の脱臭初期性能及び脱臭耐久性能は、いずれも、表5に示す従来例1よりも高かった。

Claims (15)

  1. Pt及び/又はPdと、Mn酸化物と、Mg酸化物と、を有する触媒が、無機バインダを用いて、金属製又はセラミック製の担持体に担持されており、
    前記Mn酸化物のBET比表面積が100m/g以上であることを特徴とする脱臭フィルタ。
  2. Pt及び/又はPdと、Mn酸化物と、Fe、Cu、Co、Zn、Al、Ti、Ni及びSiの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物と、Mg酸化物と、を有する触媒が、無機バインダを用いて、金属製又はセラミック製の担持体に担持されており、
    前記Mn酸化物のBET比表面積が100m/g以上であることを特徴とする脱臭フィルタ。
  3. Pt及び/又はPdと、Fe、Cu、Co、Zn、Al、Ti、Ni及びSiの各元素からなる群から選択された1種又は2種以上の元素とMnとの複合酸化物と、Mg酸化物と、を有する触媒が、無機バインダを用いて、金属製又はセラミック製の担持体に担持されており、
    前記複合酸化物のBET比表面積が100m/g以上であることを特徴とする脱臭フィルタ。
  4. Pt及び/又はPdと、Mn酸化物と、Mg酸化物と、Ca、Sr及びKの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物と、を有する触媒が、無機バインダを用いて、金属製又はセラミック製の担持体に担持されており、
    前記Mn酸化物のBET比表面積が100m/g以上であることを特徴とする脱臭フィルタ。
  5. Pt及び/又はPdと、Mn酸化物と、Fe、Cu、Co、Zn、Al、Ti、Ni及びSiの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物と、Mg酸化物と、Ca、Sr及びKの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物と、を有する触媒が、無機バインダを用いて、金属製又はセラミック製の担持体に担持されており、
    前記Mn酸化物のBET比表面積が100m/g以上であることを特徴とする脱臭フィルタ。
  6. Pt及び/又はPdと、Fe、Cu、Co、Zn、Al、Ti、Ni及びSiの各元素からなる群から選択された1種又は2種以上の元素とMnとの複合酸化物と、Mg酸化物と、Ca、Sr及びKの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物と、を有する触媒が、無機バインダを用いて、金属製又はセラミック製の担持体に担持されており、
    前記複合酸化物のBET比表面積が100m/g以上であることを特徴とする脱臭フィルタ。
  7. 前記Pt及び/又はPdの担持量が、前記担持体に対し、0.1乃至1mg/ccであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の脱臭フィルタ。
  8. 前記Mn酸化物又は前記複合酸化物の担持量は、Mnの量に換算した量で、前記担持体に対し、1乃至100mg/ccであることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の脱臭フィルタ。
  9. 前記Mg酸化物中のMg量と、前記Ca、Sr及びKの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物中のCa,Sr,Kの元素の量との総量が、前記担持体に対し、0.3乃至10mg/ccであることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の脱臭フィルタ。
  10. 前記複合酸化物は、前記Fe、Cu、Co、Zn、Al、Ti、Ni及びSiの各元素からなる群から選択された1種又は2種以上の元素の割合が、前記Mnの割合を1とすると、0.2乃至3であることを特徴とする請求項3又は6に記載の脱臭フィルタ。
  11. 前記無機バインダは、シリカゾル、セリアゾル及びジルコニアゾルからなる群から選択された1種又は2種以上であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の脱臭フィルタ。
  12. 前記Pt及び/又はPdを、Al、Si、Ce、Zr及びTiの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物からなる副担持体に担持させたものを、前記担持体に担持させことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の脱臭フィルタ。
  13. Al、Si、Ce、Zr及びTiの各酸化物からなる群から選択された1種又は2種以上の酸化物からなる副担持体と、前記Pt及び/又はPdの錯体とを前記担持体に担持させたことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の脱臭フィルタ。
  14. 前記担持体は、ハニカム構造体であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の脱臭フィルタ。
  15. 前記ハニカム構造体は、ハニカムを貫通する孔であるセル数が、80乃至500cpsiであることを特徴とする請求項14に記載の脱臭フィルタ。
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