JP6021181B2 - りん酸肥料の製造装置及び製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、りん酸肥料の製造装置及び製造方法に関し、特に、下水処理施設又はし尿処理施設で発生する汚泥に含まれるリンを用いてりん酸肥料を製造する装置及び方法に関する。
肥料の三要素の1つであるリンは、その原料をリン鉱石に依存し、鉱物資源の乏しいわが国ではその全量を輸入している。リン鉱石は将来枯渇することが予想されるなど、今後入手が極めて困難になる可能性があり、リンを多量に含む下水等から如何に効率的に質のよいリンを回収するか、循環利用するかが今般のわが国における技術開発の課題となっている。
わが国の下水処理施設の中には、溶融炉を所有し、下水の脱水汚泥にカルシウム源又はマグネシウム源を添加して溶融温度を制御して溶融スラグ化しているところがある。しかし、この溶融スラグ化は肥料化を目的としたものではなく、路盤材等の土木資材化、あるいは単に最終処分量を削減するための減容化を目的としたものであり、リン資源の循環利用という上記課題は何ら考慮されていない。
そこで、肥料化を目的として、例えば、特許文献1には、鉄系凝集剤を汚水に添加し、汚水に含まれるリン成分を沈降させ、その沈降物を汚泥と共に収集し、これらを脱水、焼却してリン成分の濃度が高い汚泥焼却灰を得た後、この汚泥焼却灰にコークス、酸化マグネシウム等を加えて溶融炉内で加熱し、溶融スラグを水砕槽へ選択的に出滓させて急冷して粒状とすることで、リン成分の濃度が高く、安全な肥料を製造する方法が記載されている。
特開2003−112988号公報
しかし、上記特許文献に記載のりん肥料製造方法等では、脱水汚泥を焼却灰にする焼却工程と、溶融して肥料化する溶融工程とを必要とする。そのため、多量の熱エネルギーが必要となり、製造コストが高騰するという問題があった。
そこで、本発明は、上記解決課題に鑑みてなされたものであって、下水汚泥又はし尿汚泥に含まれるリンを有効活用し、低コストで高品質の肥料を得ることができるりん酸肥料の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、りん酸肥料の製造装置であって、下水汚泥又はし尿汚泥を焼却する流動床炉と、該流動床炉で焼却された焼却物を焼成する焼成炉と、前記下水汚泥もしくはし尿汚泥、又は前記焼却物にカルシウム源を添加するカルシウム源添加装置とを備えることを特徴とする。
本発明によれば、カルシウム源添加装置によってカルシウム源を添加することで、溶融開始温度が上昇し、溶融より処理温度の低い焼成工程によってりん酸肥料を製造することができるため、消費エネルギーを低減することができ、製造コストを大幅に削減することができる。また、カルシウム源の添加によりリン酸カルシウムシリケートやアルカリ土類リン酸塩が生成され、りん酸のく溶率及びけい酸の可溶率の高い、特に稲作に適した肥料を得ることができる。
さらに、流動床炉を用いて下水汚泥等を焼却すると、粒径が小さく、均一に混合された焼却物を得ることができるため、焼却物を粉砕して混合する工程が不要となり、製造コストをさらに削減することができる。
上記りん酸肥料の製造装置に、下水汚泥又はし尿汚泥を貯留する貯留槽と、該貯留槽から下水汚泥又はし尿汚泥を固液分離する固液分離機とを設け、該固液分離機で分離された脱水汚泥を前記流動床炉で焼却することができ、含水率の高い下水汚泥又はし尿汚泥を効率よく処理することができる。
前記焼成炉をロータリーキルンとすることができ、焼却物から連続して効率よくりん酸肥料を製造することができる。流動床炉から排出された焼却物をそのままロータリーキルンに投入して焼成することにより消費エネルギーを削減することができる。
また、本発明は、りん酸肥料の製造方法であって、下水汚泥又はし尿汚泥にカルシウム源を添加し、流動床炉を用いて焼却した後焼成することを特徴とする。さらに、下水汚泥又はし尿汚泥を流動床炉を用いて焼却し、該流動床炉によって焼却された焼却物にカルシウム源を添加した後焼成することもできる。
上記両発明によれば、カルシウム源を添加することで溶融開始温度が上昇し、溶融より処理温度の低い焼成によってりん酸肥料を製造することができるため、消費エネルギーを低減することができ、製造コストを大幅に削減することができると共に、りん酸のく溶率及びけい酸の可溶率の高いりん酸肥料を得ることができ、流動床炉を用いて下水汚泥等を焼却することで、粒径が小さく均一な焼却物を得ることができ、焼却物の粉砕・混合工程が不要となり、さらに製造コストを削減することができる。
上記焼成を、焼成温度1150℃以上1350℃以下で行うことができる。
また、前記焼成物のCaO濃度が35質量%以上になるようにカルシウム源を添加することで、りん酸肥料を焼成により得ることができ、また、得られた焼成物(りん酸肥料)のりん酸のく溶率(リン含有量のうちく溶性りん酸である割合)、及びけい酸の可溶率(珪素含有量のうち可溶性けい酸である割合)を高くすることができると共に、流動床炉による焼却の際の焼却灰中のK2O濃度を低く抑え、K2Oを含有する低融点物の凝縮・付着堆積による配管の閉塞トラブルを回避することができる。
また、前記カルシウム源を平均粒径が100μm以下とすることができ、カルシウム源CAの平均粒径を100μmより大きくすると、りん酸肥料F中に未反応の石灰が残留して、く溶率が低下したり、農地に施肥した場合に土壌のpHが高くなり植物の生育を阻害するおそれがある。
上記りん酸肥料の製造方法において、前記カルシウム源を、下水汚泥又はし尿汚泥を貯留する貯留槽、該貯留槽から下水汚泥又はし尿汚泥を固液分離する固液分離機、該固液分離機の入口に接続される汚泥輸送手段、該固液分離機から排出された脱水汚泥を焼却する流動床炉の入口に接続される脱水汚泥輸送手段の少なくとも一箇所に添加することができる。
以上のように、本発明に係るりん酸肥料の製造装置及び製造方法によれば、下水汚泥又はし尿汚泥から低コストでりん酸肥料を製造することができる。
本発明に係るりん酸肥料の製造装置を備える下水処理施設を示す全体構成図である。
次に、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明に係るりん酸肥料の製造装置を備える下水処理施設を示し、この下水処理施設1は、大別して、下水処理施設1へ持ち込まれた下水S1を濃縮し、脱水汚泥S9と脱水ろ液W3とに分離する水処理設備2と、水処理設備2で分離された脱水汚泥S9にカルシウム源CAを添加して焼却し、焼却物Iを焼成して得られた焼成物Bを粉砕、造粒してりん酸肥料Fを得る混合焼成設備4からなる。
水処理設備2は、下水S1中の沈殿し易い浮遊物や泥MUを濃縮して重力濃縮槽12へ送る最初沈殿池5と、沈殿処理を終えた最初沈殿池5からの有機物、窒素、リン等を含む汚水S2を微生物等で処理する生物処理槽6と、生物処理槽6で処理された活性汚泥S3を時間をかけて沈殿させ、上澄み水Dを放流する最終沈殿池7と、最終沈殿池7からの余剰汚泥S4をさらに遠心力により濃縮する遠心濃縮機8と、遠心濃縮機8からの濃縮汚泥S5及び重力濃縮槽12からの濃縮汚泥S6を分解するメタン発酵槽9と、メタン発酵槽9から排出された汚泥S7を貯留する貯槽10と、貯槽10から排出された汚泥S8を脱水汚泥S9と脱水ろ液W3とに固液分離する固液分離機11とで構成される。固液分離機11には、ベルトプレス、ベルトフィルター、デカンター、スクリュープレス、フィルタープレス等を用いることができる。
混合焼成設備4は、水処理設備2で分離された脱水汚泥S9に、カルシウム源CAを添加するカルシウム源添加装置13と、脱水汚泥S9とカルシウム源CAの混在物Mを焼却する流動床炉15と、焼却物Iを焼成するロータリーキルン16と、焼成物Bを所望の大きさに粉砕する粉砕機17と、粉砕された焼成物Bに造粒補助剤Aを添加して造粒する造粒機18とで構成される。
カルシウム源添加装置13は、脱水汚泥S9にカルシウム源CAを添加するために備えられ、このカルシウム源添加装置13には、粉粒体を供給するための種々の装置から添加するカルシウム源CAの性状に適したものを選択する。
流動床炉15は、加圧空気を上方へ吹き上げるなどして混在物Mを上昇気流中に浮遊(流動化)させて焼却するものであり、流動化媒体として砂を流動化させてその中で混在物Mを焼却する。この流動床炉15として、下水処理施設等に既設のものを使用することもできる。
ロータリーキルン16は、耐火材を内張りし、原料の投入と焼成を連続的に行うことができる回転式の窯であって、流動床炉15での焼却物Iを焼成するために備えられる。
粉砕機17は、焼成物Bを粉砕するために備えられ、ジョークラッシャー、ハンマークラッシャー、ボールミル、振動ミル、ディスクミル等を用いることが好ましい。粉砕機17と共に、汎用の振動ふるいや気流式分級器を用いることができる。
造粒機18は、粉砕された焼成物Bに造粒補助剤Aを添加して造粒するために備えられ、パンペレタイザー、パン型ミキサー、撹拌造粒機、ブリケットマシン、ロールプレス、押出成形機等を用いることができる。
次に、上記下水処理施設1におけるりん酸肥料の製造方法について、図1を参照しながら説明する。
下水処理施設1に流入した下水S1を最初沈殿池5に導き、最初沈殿池5で沈殿し易い浮遊物や泥MUを濃縮して重力濃縮槽12へ送ると共に、有機物等を含む汚水S2を生物処理槽6に供給して微生物等で処理する。
生物処理槽6で生成された活性汚泥S3を最終沈殿池7で時間をかけて沈殿させ、沈殿した汚泥を余剰汚泥S4として遠心濃縮機8に供給すると共に、最終沈殿池7で得られた上澄み水Dを放流する。尚、通常余剰汚泥S4の一部は生物処理槽6へ返流される。
最終沈殿池7からの余剰汚泥S4を遠心濃縮機8で濃縮し、重力濃縮槽12に貯留された濃縮汚泥S6と共に、メタン発酵槽9に供給する。メタン発酵槽9で、濃縮汚泥S5、S6を微生物によって分解し、発生した汚泥S7を貯槽10に一旦貯留した後、汚泥S8を固液分離機11に供給し、固液分離して脱水汚泥S9を得る。
次に、カルシウム源添加装置13によって脱水汚泥S9にカルシウム源CAを添加する。カルシウム源CAを添加するのは、焼成によりりん酸肥料を得るためであって、最終的に得られるりん酸肥料Fの酸化カルシウム含有率を35質量%以上、より好ましくは40質量%以上とする。一般に、下水汚泥はカルシウムの含有率が低いため、カルシウム源CAを混合してりん酸肥料F中のカルシウムを補う必要がある。下水汚泥等とカルシウム源CAを焼成すると、リン酸カルシウムシリケートやアルカリ土類リン酸塩が生成され、得られたりん酸肥料Fのりん酸のく溶率及びけい酸の可溶率が高くなる。一方、りん酸肥料Fの酸化カルシウム含有率を60質量%より高くすると、りん酸肥料F中のリン含有量自体が低くなって施肥効果が低下したり、農地に施肥した場合に土壌のpHが高くなり植物の生育を阻害するおそれがある。
添加するカルシウム源CAとしては、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、リン酸カルシウム、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、石灰石、生石灰、消石灰、セメント、鉄鋼スラグ、石膏、生コンスラッジ(その乾燥物も含む。)、廃モルタル、廃コンクリート、鶏糞から選ばれる少なくとも1種類以上を使用することができる。これらの中でも、炭酸カルシウムと石灰石は、入手が容易でカルシウムの含有率が高いため好ましい。
また、カルシウム源CAは、平均粒径(50%通過粒子径)が100μm以下、より好ましくは50μm以下、さらに好ましくは30μm以下にまで粉砕されたものが好ましい。カルシウム源CAの平均粒径を100μmより大きくすると、りん酸肥料F中に未反応の石灰が残留して、く溶率が低下したり、農地に施肥した場合に土壌のpHが高くなり植物の生育を阻害するおそれがある。
カルシウム源CAに加え、さらにシリカ源やマグネシウム源を添加してもよい。一般に、下水汚泥は珪素(SiO2)を多く含むためシリカ源を添加する場合は少ないが、けい酸の加給性も付与したいが下水汚泥の珪素含有量が少ない場合にはシリカ源を補う必要がある。この場合のシリカ源は、珪石、珪砂、砂、珪藻土、シラス、生コンスラッジ、廃モルタル、廃コンクリート、酸性火山灰、酸性火山岩、及びケイ酸カルシウムから選ばれる少なくとも1種類以上が挙げられる。
また、りん酸肥料に苦土成分を補填する場合には、マグネシウム源として、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、マグネシア、ドロマイト、フェロニッケルスラグ、橄欖岩、及び蛇紋岩等から選ばれる少なくとも1種類以上を選択する。
流動床炉15で焼却すると、ストーカー炉で焼却した場合と異なり、粒径が平均粒径で50μm以下と小さく、しかもカルシウム源CAが均一に混合された焼却物Iを得ることができる。そのため、焼却物Iを粉砕して混合するなどの工程が不要となる。
また、流動床焼却においては、一般的に焼却灰中のK2O濃度が上昇すると、流動床焼却炉と、炉の燃焼排ガスを集塵する集塵器とを接続する配管の内壁に、K2Oを含有した低融点物質が冷却過程で凝縮して付着堆積を繰り返す。そのため、焼却時間の経過とともに、燃焼排ガスの吸引ができなくなり、やがて配管が閉塞し、焼却炉の運転を停止せざるを得なくなる。この際のK2O濃度の目安は、3.5質量%以下である。
しかし、本発明では、図1に示したりん酸肥料FのCaO濃度が35質量%以上になるようにカルシウム源CAを添加することで、焼却灰中のK2O濃度を低く抑え、K2Oを含有する低融点物の凝縮・付着堆積による配管の閉塞トラブルを回避することができる。尚、りん酸肥料FのP25濃度が30%以下、Ca/Pモル比が1.5以上になるように制御することで同様の効果を奏する。
次に、流動床炉15による焼却物Iを1150℃以上1350℃以下の温度域内でロータリーキルン16で焼成する。この温度域で焼成することで、得られたりん酸肥料Fのりん酸のく溶率やけい酸の可溶率が高まる。
ロータリーキルン16から排出される焼成物Bは、大きなものでは10cm程度小さなものでは1mm程度、平均で5cm程度の粒径を有する塊状の焼成物である。この粒径のままでは肥料製品として流通させることができないため、粒度範囲を1mmから5mmの間が中心となるように粉砕機17で粗粉砕し、篩い分け等による整粒を行う。整粒装置には市販の振動ふるい装置を用いることができる。この範囲に整粒されたものは、そのままりん酸肥料として農用地へ施肥することができる。
また、前記粗粉砕で細かくなり過ぎたものや、あるいは焼成物Bを平均粒子径が100μm以下となるまで微粉砕したものを、造粒補助材とともに造粒し、整粒操作により所望の粒度範囲のものを選別する方法によっても農用地へ直接施肥することができる肥料とすることができる。
後段の造粒機18で造粒補助剤Aと共に、所望の寸法となるように造粒成形する。造粒補助剤Aには、リグニン、ポリビニルアルコール、メチルセルロース等を用いることができる。また、この工程において、肥料の用途に応じて、適宜、けい酸やりん酸の成分を追加したり、窒素、加里、苦土等のその他の肥料成分を新たに添加することができる。
該造粒成型や整粒工程は、農用地へ施肥する際に粉塵の発生を抑制して肥料の取り扱いを容易にするためや、肥料効果を十分に発揮させるために、肥料の粒度を調整する必要がある場合に選択される任意の工程である。
尚、上記実施の形態においては、脱水汚泥S9とカルシウム源CAとを流動床炉15に供給して焼却したが、固液分離機11に直接、又は固液分離機11の入口に接続される汚泥輸送手段、すなわち貯槽10と固液分離機11との間の汚泥S8に添加してもよく、その場合には、カルシウム源CAも固液分離機11で固液分離の対象となるが、カルシウム源CAの添加量と汚泥S8の含水率を考慮すると、固液分離機11の負荷の増加は問題となる程度ではない。また、流動床炉15の入口に接続される脱水汚泥輸送手段にカルシウム源CAを添加したり、脱水汚泥S9とカルシウム源CAとを流動床炉15に直接投入し、流動床炉15において両者を混合しながら焼却することもできる。
また、脱水汚泥S9等にカルシウム源CAを添加してから流動床炉15で焼却するのではなく、脱水汚泥S9を流動床炉15で焼却した後、焼却物Iにカルシウム源CAを添加して焼却物Iとカルシウム源CAとを混合してロータリーキルン16で焼成してもよい。この場合も粉体のカルシウム源CAを用いれば、粉砕を行う必要はない。また、焼成炉としてロータリーキルンを用いる場合、ロータリーキルンの前段の位置(例えば、窯尻又は仮焼炉等)に前記各原料を投入し、ロータリーキルンの転動を利用して混合することもできる。
さらに、貯槽10にリン回収材を添加したり、脱水ろ液W3にリン回収材を添加し、リンを吸着したリン回収物を固液分離するなどして得て、リン回収物と脱水汚泥S9とをカルシウム源CAとの混在物Mを流動床炉15で焼却してもよい。
リン回収材には、カルシウムを含む回収材、例えば、非晶質ケイ酸カルシウムを好適に用いることができ、非晶質ケイ酸カルシウムは、リンとの親和性が高く、多孔質で比表面積が大きいため、リンの吸着能力が高く、選択的に効率よくリンを吸着することができる。その他に、水酸化カルシウム、塩化カルシウム等を用いることもできる。
尚、本発明では、カルシウム源添加装置13によってカルシウム源CAを添加することで溶融開始温度が上昇し、溶融法に比べて低い温度で加熱処理することに加え、成分調整剤として塩素等を添加しないため、ロータリーキルン16の腐食が低減される。
上記実施の形態においては、本発明に係るりん酸肥料の製造装置を下水処理施設に適用した場合について説明したが、し尿処理施設に適用することもできる。
し尿処理施設は、し尿の脱窒を行うための脱窒素槽及び硝化槽を備える点が下水処理施設とは異なるが、その他の装置は下水処理施設と共通する。そこで、図示を省略するが、し尿処理施設においても、上記下水処理施設1と同様の装置構成及び運転要領によってりん酸肥料を製造することができる。
尚、し尿は、陸上土壌成分の混合がないため、し尿を焼却した灰中にシリカ、アルミナ分が乏しいが、本発明によれば下水汚泥と同様にりん酸肥料を得ることができる。
また、し尿についても下水汚泥を用いる場合と同様、流動床炉による焼却の際の焼却灰中のK2O濃度を低く抑え、K2Oを含有する低融点物の凝縮・付着堆積による配管の閉塞トラブルを回避することが必要となる。
表1に示す化学組成を有する下水汚泥焼却灰A〜C、し尿汚泥焼却物Dと、カルシウム源として純度99%の石灰石粉末(325メッシュ品)を、表2に示す各実施例及び比較例の配合に従ってビニール袋に入れて混合して原料を調製した。次に、該原料を用いて、一軸加圧成形機により成形し、直径15mm、高さ20mmの円柱状の原料を作製した。さらに、該円柱状の原料を、電気炉内に載置した後、昇温速度20℃/分で、表2に示す温度まで昇温し、該温度の下で10分間焼成して焼成物を得た。さらに、該焼成物を、鉄製乳鉢を用いて目開き212μmのふるいを全通するまで粉砕して、粉末状のりん酸肥料を製造した。原料やりん酸肥料中の酸化物の定量は、蛍光エックス線装置を用いてファンダメンタルパラメーター法により行った。りん酸肥料中のく溶性りん酸の測定は、肥料分析法(農林水産省農業環境技術研究所法)に規定されているバナドモリブデン酸アンモニウム法により、また、りん酸肥料中の可溶性けい酸は、同法に規定されている過塩素酸法により測定した。また、これらの測定値から、りん酸のく溶率やけい酸の可溶率を算出した。
Figure 0006021181
Figure 0006021181
表2に示されるように、各実施例では、焼成物のCaO濃度を35質量%以上とし、焼成温度1150℃以上1350℃以下でりん酸く溶率が60%以上で、けい酸可溶率も高いりん酸肥料が得られることが判る。
計画処理人口4.5万人のA下水処理場は、分流式(一部合流式)の下水排除方式を採用し、処理方法は標準活性汚泥法である。A下水処理場では、日量約8000m3の下水が流入し、最初沈殿池の汚泥(初沈汚泥)と最終沈殿池の汚泥(余剰汚泥)とは、重力濃縮槽で混合され、日量60m3が後段の濃縮汚泥貯槽へ送泥される。濃縮汚泥は、時間当たり14m3で引き抜かれ、凝集剤添加槽で高分子凝集剤が添加された後、後段の固液分離機へ給泥され、脱水汚泥と脱水ろ液とに分離される。濃縮汚泥の固形分濃度は、1.9%であった。
本実施例では、凝集剤添加槽へ時間あたり48.6kgの純度99%の石灰石粉末(325メッシュ品、平均(中位)粒径7μm、90%通過粒子径35μm)を添加し、高分子凝集剤を添加して固液分離操作を行った。固液分離で発生した脱水汚泥(含水率80%)は、スクリューフィーダーを介して流動床焼却炉へ投入し、焼却処理した。得られた焼却物の平均(中位)粒径は20μmであった。
焼却処理により発生した焼却灰は、ブリケットマシーンで団粒状に成形し、この団粒化原料をロータリーキルン(煉瓦内径370mm×長さ3.2m)に毎時35kgで供給し、設定温度1250℃の条件下で焼成した。キルン燃焼排気ガスの酸素濃度は6%、キルン内の平均滞留時間は約40分であった。焼成によって得られたりん酸肥料の化学組成を表3に示す。
Figure 0006021181
表3に示すように、本実施例では、く溶性りん酸16.2%、りん酸く溶率90%、可溶性けい酸13.3%、けい酸可溶率100%のりん酸肥料が製造され、本発明により、りん酸及びけい酸溶出特性に優れたりん酸肥料が製造できることが示された。
以上、本発明の実施例及び比較例を説明したが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても構わない。
1 下水処理施設
2 水処理設備
4 混合焼成設備
5 最初沈殿池
6 生物処理槽
7 最終沈殿池
8 遠心濃縮機
9 メタン発酵槽
10 貯槽
11 固液分離機
12 重力濃縮槽
13 カルシウム源添加装置
15 流動床炉
16 ロータリーキルン
17 粉砕機
18 造粒機

Claims (9)

  1. 下水汚泥又はし尿汚泥を焼却する流動床炉と、
    該流動床炉で焼却された焼却物を焼成する焼成炉と、
    前記下水汚泥もしくはし尿汚泥、又は前記焼却物にカルシウム源を添加するカルシウム源添加装置とを備えることを特徴とするりん酸肥料の製造装置。
  2. 下水汚泥又はし尿汚泥を貯留する貯留槽と、
    該貯留槽から下水汚泥又はし尿汚泥を固液分離する固液分離機とを備え、
    該固液分離機で分離された脱水汚泥を前記流動床炉で焼却することを特徴とする請求項1に記載のりん酸肥料の製造装置。
  3. 前記焼成炉はロータリーキルンであることを特徴する請求項1又は2に記載のりん酸肥料の製造装置。
  4. 下水汚泥又はし尿汚泥にカルシウム源を添加し、流動床炉を用いて焼却した後焼成することを特徴とするりん酸肥料の製造方法。
  5. 下水汚泥又はし尿汚泥を流動床炉を用いて焼却し、該流動床炉によって焼却された焼却物にカルシウム源を添加した後焼成することを特徴とするりん酸肥料の製造方法。
  6. 前記焼成を、焼成温度1150℃以上1350℃以下で行うことを特徴とする請求項4又は5に記載のりん酸肥料の製造方法。
  7. 前記焼成物のCaO濃度が35質量%以上になるようにカルシウム源を添加することを特徴とする請求項4、5又は6に記載のりん酸肥料の製造方法。
  8. 前記カルシウム源は、平均粒径が100μm以下であることを特徴とする請求項4乃至7のいずれかに記載のりん酸肥料の製造方法。
  9. 前記カルシウム源を、前記下水汚泥又はし尿汚泥を貯留する貯留槽、該貯留槽から下水汚泥又はし尿汚泥を固液分離する固液分離機、該固液分離機の入口に接続される汚泥輸送手段、該固液分離機から排出された脱水汚泥を焼却する流動床炉の入口に接続される脱水汚泥輸送手段の少なくとも一箇所に添加することを特徴とする請求項4乃至8のいずれかに記載のりん酸肥料の製造方法。
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