JP2016138023A - リン酸質肥料の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、原料である下水汚泥および/またはその由来物の使用量を増やすとともに、製造効率をさらに高めて製造コストが低減したリン酸質肥料の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明のリン酸質肥料の製造方法は、下水汚泥および/またはその由来物をロータリーキルンの窯尻から投入するとともに、カルシウム源をロータリーキルンの窯前から投入して、下水汚泥および/またはその由来物とカルシウム源とをロータリーキルンの転動により混合して焼成しリン酸質肥料を製造する方法等である。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のリン酸質肥料の製造方法は、下水汚泥および/またはその由来物をロータリーキルンの窯尻から投入するとともに、カルシウム源をロータリーキルンの窯前から投入して、下水汚泥および/またはその由来物とカルシウム源とをロータリーキルンの転動により混合して焼成しリン酸質肥料を製造する方法等である。
【選択図】図1
Description
本発明は、ロータリーキルンを用いて、下水汚泥および/またはその由来物(以下「下水汚泥等」という。)とカルシウム源からリン酸質肥料を製造する方法に関する。
従来、我が国ではリンは天然資源として産出されず全てを輸入に頼っていた。しかし、近年、天然のリンは世界的に枯渇しつつあり、リンの価格が高騰してリンの確保が難しくなった。そこで、リン酸質肥料の製造分野では天然のリンを補完または代替するものとして、下水汚泥焼却灰中のリンが考えられている。ちなみに、下水汚泥とその焼却灰の発生量は、それぞれ年間220万トンおよび30万トンと多量であり、また、該焼却灰中のリンの含有率は20〜30質量%と高濃度である。
そして、長年にわたり、下水汚泥焼却灰は埋め立て処分されてきたが、最近では、焼却灰を埋め立てるための最終処分場がひっ迫してきたため、焼却灰の処理がさらなる課題となっている。したがって、肥料の原料として、下水汚泥等を活用する技術は、天然リン資源の枯渇問題のほかに、下水汚泥焼却灰の最終処分という社会的要請にも応え得る手段として重要である。
そして、長年にわたり、下水汚泥焼却灰は埋め立て処分されてきたが、最近では、焼却灰を埋め立てるための最終処分場がひっ迫してきたため、焼却灰の処理がさらなる課題となっている。したがって、肥料の原料として、下水汚泥等を活用する技術は、天然リン資源の枯渇問題のほかに、下水汚泥焼却灰の最終処分という社会的要請にも応え得る手段として重要である。
このような状況から、今まで、本出願人らは、下水汚泥等を原料としてリン酸質肥料を製造する方法をいくつか提案した。
例えば、特許文献1に記載のけい酸りん肥の製造方法は、下水汚泥等とカルシウム源を含む原料を、ロータリーキルン等を用いて焼成して、けい酸りん肥を製造する方法である。また、特許文献2に記載のリン酸質肥料の製造方法は、混合工程と焼成工程を含み、下水汚泥等とカルシウム源とを焼成して、CaOの含有率が35〜60質量%であるリン酸質肥料を製造する方法である。
例えば、特許文献1に記載のけい酸りん肥の製造方法は、下水汚泥等とカルシウム源を含む原料を、ロータリーキルン等を用いて焼成して、けい酸りん肥を製造する方法である。また、特許文献2に記載のリン酸質肥料の製造方法は、混合工程と焼成工程を含み、下水汚泥等とカルシウム源とを焼成して、CaOの含有率が35〜60質量%であるリン酸質肥料を製造する方法である。
そして、本発明は、前記特許文献に記載の製造方法の利点を保持しつつ、さらに発展させたものであり、原料である下水汚泥等の使用量を増やすとともに、製造効率をさらに高めて製造コストが低減したリン酸質肥料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、前記目的を達成するため、ロータリーキルンへのカルシウム源の投入手段等を種々検討した結果、下水汚泥等をロータリーキルンの窯尻(焼成原料の投入口側)から投入するとともに、カルシウム源をロータリーキルンの窯前(焼成物の排出口側)から投入すれば、前記目的を達成できることを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の構成を有するリン酸質肥料の製造方法である。
[1]下水汚泥等をロータリーキルンの窯尻から投入するとともに、カルシウム源をロータリーキルンの窯前から投入して、下水汚泥等とカルシウム源とをロータリーキルンの転動により混合して焼成しリン酸質肥料を製造する、リン酸質肥料の製造方法。
[2]前記カルシウム源の投入が、ロータリーキルンの窯前に設置したカルシウム源専用の吹き込みノズルを通して空気流により行われる、前記[1]に記載のリン酸質肥料の製造方法。
[3]前記カルシウム源の投入が、ロータリーキルンのメインバーナーにおける主燃料のポート以外のポートを通して空気流により行われる、前記[1]に記載のリン酸質肥料の製造方法。
[4]前記カルシウム源の投入が、粉砕機を用いてカルシウム源と主燃料を混合して粉砕した粉砕物を、ロータリーキルンの主燃料のバーナーを通して空気流により行われる、前記[1]に記載のリン酸質肥料の製造方法。
[5]ロータリーキルンから排出された焼成物の化学組成を測定し、該測定値に基づき、リン酸質肥料の化学組成の目標値の範囲を満たすように、ロータリーキルンおよび/または粉砕機へのカルシウム源の投入量を制御してリン酸質肥料を製造する、前記[1]〜[4]のいずれかに記載のリン酸質肥料の製造方法。
[6]前記カルシウム源のCaOの含有率が30質量%以上である、前記[1]〜[5]のいずれかに記載のリン酸質肥料の製造方法。
[7]前記カルシウム源が、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、およびスラグ類からなる群より選ばれる1種以上である、前記[1]〜[6]のいずれかに記載のリン酸質肥料の製造方法。
[1]下水汚泥等をロータリーキルンの窯尻から投入するとともに、カルシウム源をロータリーキルンの窯前から投入して、下水汚泥等とカルシウム源とをロータリーキルンの転動により混合して焼成しリン酸質肥料を製造する、リン酸質肥料の製造方法。
[2]前記カルシウム源の投入が、ロータリーキルンの窯前に設置したカルシウム源専用の吹き込みノズルを通して空気流により行われる、前記[1]に記載のリン酸質肥料の製造方法。
[3]前記カルシウム源の投入が、ロータリーキルンのメインバーナーにおける主燃料のポート以外のポートを通して空気流により行われる、前記[1]に記載のリン酸質肥料の製造方法。
[4]前記カルシウム源の投入が、粉砕機を用いてカルシウム源と主燃料を混合して粉砕した粉砕物を、ロータリーキルンの主燃料のバーナーを通して空気流により行われる、前記[1]に記載のリン酸質肥料の製造方法。
[5]ロータリーキルンから排出された焼成物の化学組成を測定し、該測定値に基づき、リン酸質肥料の化学組成の目標値の範囲を満たすように、ロータリーキルンおよび/または粉砕機へのカルシウム源の投入量を制御してリン酸質肥料を製造する、前記[1]〜[4]のいずれかに記載のリン酸質肥料の製造方法。
[6]前記カルシウム源のCaOの含有率が30質量%以上である、前記[1]〜[5]のいずれかに記載のリン酸質肥料の製造方法。
[7]前記カルシウム源が、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、およびスラグ類からなる群より選ばれる1種以上である、前記[1]〜[6]のいずれかに記載のリン酸質肥料の製造方法。
本発明のリン酸質肥料の製造方法は、製造効率が高く製造コストを低減するという効果のほかに、下水汚泥等の使用量の増加に資することができる。
本発明のリン酸質肥料の製造方法は、前記のとおり、下水汚泥等をロータリーキルンの窯尻から投入するとともに、カルシウム源をロータリーキルンの窯前から投入して、下水汚泥等およびカルシウム源をロータリーキルンの転動により混合して焼成し、リン酸質肥料を製造する方法である。以下、本発明についてリン酸質肥料の製造方法とリン酸質肥料に分けて、図1〜5を用いて説明する。
1.リン酸質肥料の製造方法
(1)下水汚泥等とカルシウム源の投入
図1に、本発明のリン酸質肥料の製造方法を実施するために用いる製造設備の一例を示す。下水汚泥等貯蔵タンク1に貯蔵された下水汚泥等は、ロータリーキルンの窯尻に投入されるが、造粒機4に移送して粒状に成形した後に、ロータリーキルンの窯尻に投入してもよい。前記造粒機は、例えば、パンペレタイザー、パン型ミキサー、撹拌造粒機、ブリケットマシン、ロールプレス、押し出し成型機などが挙げられる。なお、造粒に際し、ベントナイト、セメント、固化材、増粘剤等の賦形剤を添加したり、また、肥料の用途に応じて、カリやマグネシウム等のその他の肥料成分を下水汚泥等に添加してもよい。
(1)下水汚泥等とカルシウム源の投入
図1に、本発明のリン酸質肥料の製造方法を実施するために用いる製造設備の一例を示す。下水汚泥等貯蔵タンク1に貯蔵された下水汚泥等は、ロータリーキルンの窯尻に投入されるが、造粒機4に移送して粒状に成形した後に、ロータリーキルンの窯尻に投入してもよい。前記造粒機は、例えば、パンペレタイザー、パン型ミキサー、撹拌造粒機、ブリケットマシン、ロールプレス、押し出し成型機などが挙げられる。なお、造粒に際し、ベントナイト、セメント、固化材、増粘剤等の賦形剤を添加したり、また、肥料の用途に応じて、カリやマグネシウム等のその他の肥料成分を下水汚泥等に添加してもよい。
一方、カルシウム源貯蔵タンク2に貯蔵されたカルシウム源は、ロータリーキルン5の窯前から投入される。
カルシウム源の投入手段は、特に限定されないが、カルシウム源をより遠方に投入できるため、好ましくは、図2に例示するように、ロータリーキルン5の窯前に設置したカルシウム源専用の吹き込みノズルを通して空気流により行う。また、カルシウム源専用の吹き込みノズルを設置する必要がなく、メインバーナーのみで吹き込みができるという利点があるため、図3に例示するように、前記カルシウム源の投入は、ロータリーキルン5の窯前に設置した、図4に例示する断面を有するメインバーナーの主燃料のポート以外のポートを通して空気流により行なってもよい。ここで、主燃料とは、石炭、または石炭とオイルコークスの混合物をいう。
さらに、カルシウム源の吹き込み用の風車を共通化できるという利点があるため、図5に例示するように、前記カルシウム源の投入は、カルシウム源と主燃料とを混合して粉砕した粉砕物を、ロータリーキルン5の主燃料のバーナーを通して空気流により行なうことができる。
また、カルシウム源と前記主燃料の粉砕物は造粒してもよく、造粒手段として、例えば、パンペレタイザー、パン型ミキサー、撹拌造粒機、ブリケットマシン、ロールプレス、押し出し成型機などが挙げられる。
そして、ロータリーキルン5内のカルシウム源の着地(落下)位置は、混合時間をより長く確保できるため、できるだけ下水汚泥等が落下する位置である窯尻付近に近づけることが好ましい。そして、下水汚泥等とカルシウム源は、ロータリーキルン5の転動により混合しながら焼成が進行する。
カルシウム源の投入手段は、特に限定されないが、カルシウム源をより遠方に投入できるため、好ましくは、図2に例示するように、ロータリーキルン5の窯前に設置したカルシウム源専用の吹き込みノズルを通して空気流により行う。また、カルシウム源専用の吹き込みノズルを設置する必要がなく、メインバーナーのみで吹き込みができるという利点があるため、図3に例示するように、前記カルシウム源の投入は、ロータリーキルン5の窯前に設置した、図4に例示する断面を有するメインバーナーの主燃料のポート以外のポートを通して空気流により行なってもよい。ここで、主燃料とは、石炭、または石炭とオイルコークスの混合物をいう。
さらに、カルシウム源の吹き込み用の風車を共通化できるという利点があるため、図5に例示するように、前記カルシウム源の投入は、カルシウム源と主燃料とを混合して粉砕した粉砕物を、ロータリーキルン5の主燃料のバーナーを通して空気流により行なうことができる。
また、カルシウム源と前記主燃料の粉砕物は造粒してもよく、造粒手段として、例えば、パンペレタイザー、パン型ミキサー、撹拌造粒機、ブリケットマシン、ロールプレス、押し出し成型機などが挙げられる。
そして、ロータリーキルン5内のカルシウム源の着地(落下)位置は、混合時間をより長く確保できるため、できるだけ下水汚泥等が落下する位置である窯尻付近に近づけることが好ましい。そして、下水汚泥等とカルシウム源は、ロータリーキルン5の転動により混合しながら焼成が進行する。
(2)焼成温度と焼成時間
焼成温度は1000〜1350℃、好ましくは1100〜1300℃である。焼却温度が1000〜1350℃の範囲にあれば、得られるリン酸質肥料のりん酸のく溶率やけい酸の可溶率は高い。
また、焼却時間は、下水汚泥等とカルシウム源の供給量にもよるが、一般に、好ましくは10〜60分、より好ましくは20〜40分である。該時間が10分未満では焼成が不十分になり易く、60分を超えると製造効率が低下する。
焼成温度は1000〜1350℃、好ましくは1100〜1300℃である。焼却温度が1000〜1350℃の範囲にあれば、得られるリン酸質肥料のりん酸のく溶率やけい酸の可溶率は高い。
また、焼却時間は、下水汚泥等とカルシウム源の供給量にもよるが、一般に、好ましくは10〜60分、より好ましくは20〜40分である。該時間が10分未満では焼成が不十分になり易く、60分を超えると製造効率が低下する。
(3)冷却および粉砕等
前記焼成物は、焼成物クーラー6で冷却された後、粉砕機7により粉砕され、さらに粒度を改善する必要がある場合、造粒機8により造粒した後に篩等の分級装置9により分級して、目的の粒度の焼成物(リン酸質肥料)が得られる。造粒機8は、前記と同様に、パンペレタイザー、パン型ミキサー、撹拌造粒機、ブリケットマシン、ロールプレス、押し出し成型機などが挙げられる。
なお、前記焼成物に、必要に応じて、窒素、カリ、マグネシウム等のその他の肥料成分を添加してもよい。
前記焼成物は、焼成物クーラー6で冷却された後、粉砕機7により粉砕され、さらに粒度を改善する必要がある場合、造粒機8により造粒した後に篩等の分級装置9により分級して、目的の粒度の焼成物(リン酸質肥料)が得られる。造粒機8は、前記と同様に、パンペレタイザー、パン型ミキサー、撹拌造粒機、ブリケットマシン、ロールプレス、押し出し成型機などが挙げられる。
なお、前記焼成物に、必要に応じて、窒素、カリ、マグネシウム等のその他の肥料成分を添加してもよい。
また、本発明のリン酸質肥料の製造方法は、ロータリーキルン5から排出された焼成物の化学組成を測定し、該測定値に基づき、リン酸質肥料の化学組成の目標値の範囲を満たすように、ロータリーキルン5および/または粉砕機7へのカルシウム源の投入量を制御して、リン酸質肥料を製造する方法を含む。該方法によれば、リン酸質肥料の品質変動を抑制できる。
2.リン酸質肥料
次に、本発明の製造方法において用いるリン酸質肥料の原料と、製造されるリン酸質肥料について説明する。
(1)リン酸質肥料の原料
(a)カルシウム源等
カルシウム源のCaOの含有率は、好ましくは30質量%以上である。該カルシウム源は、例えば、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、およびスラグ類からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。ここで、前記スラグ類は、高炉スラグ、製鋼スラグ(転炉または電気炉において生成するスラグ)、非鉄(銅、鉛または亜鉛等)製錬工程で発生するスラグ、および一般廃棄物の処理過程で発生するスラグ(いわゆる「溶融スラグ」)からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。
なお、本発明において、カルシウム源として炭酸カルシウムや水酸化カルシウムを用いる場合、ロータリーキルン5内で、それぞれ脱炭酸および脱水が進行するから、脱炭酸および脱水の工程を別途設ける必要はない。
一般に、下水汚泥等はSiO2を多く含むため、通常、シリカ源を添加する場合は少ないが、SiO2の含有率が少ない場合は、適宜、珪砂やケイ酸カルシウム等のシリカ源を添加してもよい。したがって、図1に掲載されたシリカ源貯蔵タンク3は、本発明において、必要に応じて設置する任意の設備である。
次に、本発明の製造方法において用いるリン酸質肥料の原料と、製造されるリン酸質肥料について説明する。
(1)リン酸質肥料の原料
(a)カルシウム源等
カルシウム源のCaOの含有率は、好ましくは30質量%以上である。該カルシウム源は、例えば、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、およびスラグ類からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。ここで、前記スラグ類は、高炉スラグ、製鋼スラグ(転炉または電気炉において生成するスラグ)、非鉄(銅、鉛または亜鉛等)製錬工程で発生するスラグ、および一般廃棄物の処理過程で発生するスラグ(いわゆる「溶融スラグ」)からなる群から選ばれる1種以上が挙げられる。
なお、本発明において、カルシウム源として炭酸カルシウムや水酸化カルシウムを用いる場合、ロータリーキルン5内で、それぞれ脱炭酸および脱水が進行するから、脱炭酸および脱水の工程を別途設ける必要はない。
一般に、下水汚泥等はSiO2を多く含むため、通常、シリカ源を添加する場合は少ないが、SiO2の含有率が少ない場合は、適宜、珪砂やケイ酸カルシウム等のシリカ源を添加してもよい。したがって、図1に掲載されたシリカ源貯蔵タンク3は、本発明において、必要に応じて設置する任意の設備である。
(b)下水汚泥等
下水汚泥等は、下水汚泥、脱水汚泥、乾燥汚泥、炭化汚泥、および下水汚泥焼却灰からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
前記下水汚泥は、下水処理場における下水や排水などの汚水を処理する過程において、汚水から沈殿や濾過等により分離して得た、有機物や無機物を含む泥状物である。下水汚泥には、該泥状物を嫌気性条件下で微生物処理(消化)して得られる消化汚泥も含む。また、一般に、下水処理場において、汚水は最初沈澱池に導かれ、汚水中の土砂や固形物を沈澱させて一次分離した後、曝気設備において曝気され、さらに最終沈澱池に導かれるが、前記下水汚泥の分離は、それぞれの沈殿池に残存する汚泥を沈澱させて濾過等することにより行われる。
また、前記脱水汚泥は、下水汚泥を遠心分離等により脱水して得られる、含水率が70〜90質量%程度の汚泥である。脱水汚泥は、下水汚泥の一種として下水汚泥に含める場合もあるが、本発明では、脱水汚泥を下水汚泥とは別物として扱う。
また、前記乾燥汚泥は、前記下水汚泥または脱水汚泥を、天日干し、または乾燥機により乾燥して得られる、含水率が概ね50質量%以下の汚泥である。
また、前記炭化汚泥は、下水汚泥、脱水汚泥、または乾燥汚泥を加熱して、これらに含まれる有機物の一部または全部を炭化物としたものである。該加熱温度は、一般に、低酸素状態において200〜800℃である。炭化汚泥は原料になるほか、本発明の製造方法においては燃料の一部にもなるため、その分、焼成に要するエネルギーを節約することができる。
また、前記下水汚泥焼却灰は、下水汚泥、脱水汚泥、乾燥汚泥、または炭化汚泥を焼却して得られる焼却残渣である。
下水汚泥等は、下水汚泥、脱水汚泥、乾燥汚泥、炭化汚泥、および下水汚泥焼却灰からなる群より選ばれる1種以上が挙げられる。
前記下水汚泥は、下水処理場における下水や排水などの汚水を処理する過程において、汚水から沈殿や濾過等により分離して得た、有機物や無機物を含む泥状物である。下水汚泥には、該泥状物を嫌気性条件下で微生物処理(消化)して得られる消化汚泥も含む。また、一般に、下水処理場において、汚水は最初沈澱池に導かれ、汚水中の土砂や固形物を沈澱させて一次分離した後、曝気設備において曝気され、さらに最終沈澱池に導かれるが、前記下水汚泥の分離は、それぞれの沈殿池に残存する汚泥を沈澱させて濾過等することにより行われる。
また、前記脱水汚泥は、下水汚泥を遠心分離等により脱水して得られる、含水率が70〜90質量%程度の汚泥である。脱水汚泥は、下水汚泥の一種として下水汚泥に含める場合もあるが、本発明では、脱水汚泥を下水汚泥とは別物として扱う。
また、前記乾燥汚泥は、前記下水汚泥または脱水汚泥を、天日干し、または乾燥機により乾燥して得られる、含水率が概ね50質量%以下の汚泥である。
また、前記炭化汚泥は、下水汚泥、脱水汚泥、または乾燥汚泥を加熱して、これらに含まれる有機物の一部または全部を炭化物としたものである。該加熱温度は、一般に、低酸素状態において200〜800℃である。炭化汚泥は原料になるほか、本発明の製造方法においては燃料の一部にもなるため、その分、焼成に要するエネルギーを節約することができる。
また、前記下水汚泥焼却灰は、下水汚泥、脱水汚泥、乾燥汚泥、または炭化汚泥を焼却して得られる焼却残渣である。
(2)リン酸質肥料
本発明の製造方法により製造したリン酸質肥料中のCaOの含有率は、好ましくは35〜60質量%である。該含有率が35〜60質量%の範囲にあれば、リン酸質肥料のりん酸のく溶率、およびけい酸の可溶率は高い。なお、リン酸質肥料中のCaOの含有率は、より好ましくは40〜55質量%である。
ここで、りん酸のく溶率とは、リン酸質肥料中の全りん酸に対する、く溶性りん酸の質量比(%)であり、けい酸の可溶率とは、リン酸質肥料中の全けい酸に対する、可溶性けい酸の質量比(%)である。また、く溶性りん酸は、肥料分析法(農林水産省農業環境技術研究所法)に規定されているバナドモリブデン酸アンモニウム法により、また、可溶性けい酸は、同法に規定されている過塩素酸法により定量できる。
なお、原料やリン酸質肥料中の酸化物の定量は、蛍光エックス線装置を用いてファンダメンタルパラメーター法により行うことができる。
本発明の製造方法により製造したリン酸質肥料中のCaOの含有率は、好ましくは35〜60質量%である。該含有率が35〜60質量%の範囲にあれば、リン酸質肥料のりん酸のく溶率、およびけい酸の可溶率は高い。なお、リン酸質肥料中のCaOの含有率は、より好ましくは40〜55質量%である。
ここで、りん酸のく溶率とは、リン酸質肥料中の全りん酸に対する、く溶性りん酸の質量比(%)であり、けい酸の可溶率とは、リン酸質肥料中の全けい酸に対する、可溶性けい酸の質量比(%)である。また、く溶性りん酸は、肥料分析法(農林水産省農業環境技術研究所法)に規定されているバナドモリブデン酸アンモニウム法により、また、可溶性けい酸は、同法に規定されている過塩素酸法により定量できる。
なお、原料やリン酸質肥料中の酸化物の定量は、蛍光エックス線装置を用いてファンダメンタルパラメーター法により行うことができる。
1 下水汚泥等貯蔵タンク
2 カルシウム源貯蔵タンク
3 シリカ源貯蔵タンク
4 造粒機
5 ロータリーキルン
6 焼成物クーラー
7 粉砕機
8 造粒機
9 分級装置
10 二次燃焼室
11 冷却塔
12 サイクロン
13 集塵機
14 一次排気風車
15 脱硫・脱硝設備
16 二次排気風車
17 煙突
2 カルシウム源貯蔵タンク
3 シリカ源貯蔵タンク
4 造粒機
5 ロータリーキルン
6 焼成物クーラー
7 粉砕機
8 造粒機
9 分級装置
10 二次燃焼室
11 冷却塔
12 サイクロン
13 集塵機
14 一次排気風車
15 脱硫・脱硝設備
16 二次排気風車
17 煙突
Claims (7)
- 下水汚泥および/またはその由来物をロータリーキルンの窯尻から投入するとともに、カルシウム源をロータリーキルンの窯前から投入して、下水汚泥および/またはその由来物とカルシウム源とをロータリーキルンの転動により混合して焼成しリン酸質肥料を製造する、リン酸質肥料の製造方法。
- 前記カルシウム源の投入が、ロータリーキルンの窯前に設置したカルシウム源専用の吹き込みノズルを通して空気流により行われる、請求項1に記載のリン酸質肥料の製造方法。
- 前記カルシウム源の投入が、ロータリーキルンのメインバーナーにおける主燃料のポート以外のポートを通して空気流により行われる、請求項1に記載のリン酸質肥料の製造方法。
- 前記カルシウム源の投入が、粉砕機を用いてカルシウム源と主燃料を混合して粉砕した粉砕物を、ロータリーキルンの主燃料のバーナーを通して空気流により行われる、請求項1に記載のリン酸質肥料の製造方法。
- ロータリーキルンから排出された焼成物の化学組成を測定し、該測定値に基づき、リン酸質肥料の化学組成の目標値の範囲を満たすように、ロータリーキルンおよび/または粉砕機へのカルシウム源の投入量を制御してリン酸質肥料を製造する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のリン酸質肥料の製造方法。
- 前記カルシウム源のCaOの含有率が30質量%以上である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のリン酸質肥料の製造方法。
- 前記カルシウム源が、炭酸カルシウム、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、およびスラグ類からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のリン酸質肥料の製造方法。
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JP (1) | JP2016138023A (ja) |
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2015
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