JP6025540B2 - りん酸肥料の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、下水汚泥や下水汚泥焼却灰等を含む調合原料を焼成(焼却)してなるりん酸肥料の製造方法に関する。なお、本発明において焼成は焼却も含む概念である。
我が国において、下水汚泥及びその焼却灰は、それぞれ年間220万トン及び30万トンと大量に発生するため、これらの処分は社会的な課題になっている。従来、下水汚泥焼却灰は最終処分場に埋め立てられていたが、近年、該処分場が逼迫しつつあることから、該処分場の延命化を図るため、埋め立てに代わる該焼却灰の処分方法が模索されている。
下水汚泥焼却灰は天然のリン鉱石と同じく20〜30質量%のリンを含み、また我が国では天然のリンが産出しないことから、前記処分方法の一つに、該焼却灰をりん酸肥料の原料として有効活用することが考えられている。例えば、非特許文献1には、下水汚泥焼却灰に炭酸カルシウムを添加して1200〜1300℃で焼成するりん酸肥料の製造例が報告されている。
一方、下水汚泥焼却灰の発生源の多くは各市町村が設置する下水汚泥焼却施設であり、平成21年度版下水道統計によれば、我が国にはおよそ300の焼却施設が存在する。
該焼却施設で用いられている焼却炉のタイプは、ストーカ式、流動床式、ロータリーキルン式等があり、これらの炉の焼却温度は、炉内の耐火材の損傷やダイオキシンの発生を抑制するため、800〜950℃程度である。したがって、前記焼却施設の焼却炉を用いてゴミから直接りん酸肥料が製造できれば、生産効率及び付加価値の高い資源化製品が提供できると期待される。しかし、前記焼却温度は、前記りん酸肥料の焼成温度と比べ300〜400℃程度低いため、焼却炉では品質の高い肥料を安定的に製造することは難しい。
秋山尭、「下水汚泥の肥料への利用」、季刊雑誌「肥料」、109号、110〜114頁(2008年2月19日)
そこで、本発明は、より低い焼成温度でも品質の高いりん酸肥料の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記目的を達成するために検討した結果、下水汚泥、下水汚泥乾燥物、下水汚泥炭化物、及び下水汚泥焼却灰から選ばれる1種以上(以下「下水汚泥類」という。)と、マグネシウム源とを含む調合原料を焼成してなるりん酸肥料の製造方法において、MgOの含有率等が特定の範囲にあるりん酸肥料の製造方法は、前記目的を達成できることを見い出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、以下の構成を有するりん酸肥料の製造方法を提供する。
[1](1)下水汚泥、下水汚泥乾燥物、下水汚泥炭化物、及び下水汚泥焼却灰から選ばれる1種以上とマグネシウム源とを混合して調合原料を得る調合工程と、
(2)該原料を焼成炉を用いて950〜1100℃で焼成して、MgOの含有率が10〜25質量%、及びP/Siのモル比が1.3以上の焼成物であるりん酸肥料を得る焼成工程と
を含む、りん酸肥料の製造方法。
[4]前記[1]〜[3]のいずれかに記載のりん酸肥料の製造方法であって、
(1)下水汚泥類とマグネシウム源とを混合して調合原料を得る調合工程と、
(2)該原料を焼成炉を用いて950〜1100℃で焼成して、焼成物であるりん酸肥料を得る焼成工程と
を含む、りん酸肥料の製造方法。
なお、前記焼成炉は焼却炉及び焼却設備も含む。
発明のりん酸肥料の製造方法は、焼成温度が従来よりも低いため省エネルギーに寄与する。
さらに、本発明のりん酸肥料の製造方法において、焼成炉として下水処理場の焼却炉や焼却設備を用いる場合、下水汚泥から直接りん酸肥料を製造できるため、生産効率及び付加価値の高い資源化製品を提供できる。
(A)MgOとPとを除く成分、(B)MgO、及び(C)Pの質量比を示す三角線図である。 前記(A)、(B)、及び(C)の質量比が、より好ましい範囲に限定された三角線図である。
本発明は、前記のとおり、下水汚泥類及びマグネシウム源を含む調合原料を焼成してなるりん酸肥料の製造方法であって、MgOの含有率が10〜25質量%等であるりん酸肥料の製造方法である。
以下に、りん酸肥料とその製造方法に分けて説明する。なお、以下、%は特に示さない限り質量%である。
1.りん酸肥料
(1)調合原料
ん酸肥料の調合原料は、下水汚泥類及びマグネシウム源を含むものである。前記下水汚泥類は、下水汚泥(し尿汚泥を含む。)、下水汚泥乾燥物、下水汚泥炭化物、及び下水汚泥焼却灰から選ばれる1種以上である。なお、本発明において下水汚泥には脱水汚泥も含まれる。
(i)下水汚泥類
該下水汚泥は、下水処理場やし尿処理場において、下水やし尿等の汚水を処理する過程で、汚水から沈殿や濾過等により分離して得た有機物及び無機物を含む泥状物である。下水汚泥には、該泥状物を嫌気性条件下で微生物処理(消化)して得られる消化汚泥も含む。また、一般に、下水処理場等において、汚水は最初沈澱池に導かれ、汚水中の土砂や固形物を沈澱させて一次分離した後、曝気設備において曝気され、さらに最終沈澱池に導かれる。前記下水汚泥の分離は、それぞれの沈殿池にある汚泥を沈澱させて濾過等することにより行われる。
また、前記下水汚泥乾燥物は、前記下水汚泥を天日干し又は乾燥機により乾燥して、含水率を概ね50%以下にしたものである。
また、前記下水汚泥炭化物は、下水汚泥を加熱して下水汚泥に含まれる有機物の一部又は全部を炭化物としたものである。該加熱温度は好ましくは300〜800℃、より好ましくは500〜700℃である。加熱温度が300℃未満では炭化に時間がかかり、800℃を超えると炭化物が燃焼するおそれがある。炭化物の燃焼を抑制するために、無酸素又は低酸素状態で加熱するのが好ましい。炭化物は、りん酸肥料の製造(焼成)において燃料の一部にもなるため、その分、焼成に要するエネルギーを節約できる。
また、前記下水汚泥焼却灰は、下水汚泥を焼却して得られる残渣である。該焼却灰の化学組成(単位は%)は、一例として、SiO;28、P;25、Al;15、CaO;11、Fe;7、Cr;0.02、Ni;0.02、Pb;0.009、As;0.001、Cd;0.001等である。該焼却灰は、一般に、リン鉱石と比べSiOが多く重金属を含むという違いがある
本発明に用いる下水汚泥類中のP/Siのモル比は、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.9以上である。該モル比が0.7以上であれば、該下水汚泥類を用いて製造したりん酸肥料のりん酸のく溶率及び苦土のく溶率は高くなる。なお、Pが多くSiOが少ない程、りん酸のく溶率及び苦土のく溶率は高くなるため、該モル比の上限は問わないが、ちなみに、下水汚泥類の該比は最大でも5程度である。
(ii)マグネシウム源
該マグネシウム源は、りん酸肥料の化学組成比が前記範囲内になるように、下水汚泥類と混合する。該マグネシウム源としては、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、リン酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、ドロマイト、及びドロマイト質煉瓦屑等から選ばれる1種以上である。
(2)化学組成
ん酸肥料のMgOの含有率は10〜25%である。該値が該範囲であれば、後掲の表2に示すように、焼成温度を950〜1100℃の範囲に下げることができる。
また、前記MgOの含有率の下限は、好ましくは12%であり、より好ましくは15%であり、その上限はこの好ましくは23%であり、より好ましくは21%である。
また、りん酸肥料中のP/Siのモル比は、好ましくは0.7以上、より好ましくは0.8以上、さらに好ましくは0.9以上である。該モル比が0.7以上であれば、りん酸のく溶率及び苦土のく溶率は高くなる。なお、Pが多くSiOが少ない程、りん酸のく溶率及び苦土のく溶率は高くなるため、該モル比の上限は問わないが、下水汚泥類中のP/Siのモル比は最大で5程度であるため、例えば、PやSiを含む他の原料を用いない場合、該値が焼成物中のP/Siのモル比の上限になる。
ここで、りん酸のく溶率とは、りん酸肥料中の全りん酸(全リン)に対するく溶性りん酸の質量比(%)であり、苦土のく溶率とは、りん酸肥料中の全苦土に対するく溶性苦土の質量比(%)である。
く溶性りん酸は肥料分析法(農林水産省農業環境技術研究所法)に規定されているバナドモリブデン酸アンモニウム法により、く溶性苦土は同法に規定されている原子吸光光度法、エチレンジアミン四酢酸塩法等により測定することができる。また、調合原料やりん酸肥料中の酸化物の定量は、蛍光エックス線装置を用いてファンダメンタルパラメーター法や、前記肥料分析法により行うことができる。
また、りん酸肥料は、三角線図上で示すと、(A)MgOとPとを除く成分、(B)MgO、及び(C)Pの質量比が、図1に示す三角線図の、
点(ア)〔(A)/(B)/(C)=69/10/21〕、
点(イ)〔(A)/(B)/(C)=56/25/19〕、
点(ウ)〔(A)/(B)/(C)=47/25/28〕、及び、
点(エ)〔(A)/(B)/(C)=58/10/32〕
で囲まれる範囲内にある。前記質量比が、前記範囲内にあれば、りん酸のく溶率、苦土のく溶率ともに高くなる。ちなみに、後掲の表2に示すように、質量比が図1に示す範囲内にある実施例1〜15のりん酸のく溶率は62%以上、苦土のく溶率は61%以上である。したがって、りん酸肥料は、りん酸肥料本来の肥効に加え苦土肥料の肥効も有するため、下水汚泥類に含まれるリンのみならず、添加したマグネシウム源に含まれるマグネシウムも有効に利用できる。
また、りん酸肥料は、好ましくは、(A)MgOとPとを除く成分、(B)MgO、及び(C)Pの質量比が、図2に示す三角線図の、
点(ア)〔(A)/(B)/(C)=67/10/23〕、
点(イ)〔(A)/(B)/(C)=63/15/22〕、
点(ウ)〔(A)/(B)/(C)=51/20/29〕、及び、
点(エ)〔(A)/(B)/(C)=55/15/30〕
で囲まれる範囲内にある。前記質量比が、前記範囲内にあれば、りん酸のく溶率及び苦土のく溶率はより高くなる。ちなみに、後掲の表2に示すように、質量比が図2に示す範囲内にある実施例6、7、10、11のりん酸のく溶率は78%以上、かつ苦土のく溶率は80%以上である。
なお、前記(A)、(B)及び(C)の合計は100であり、前記「囲まれる範囲内」には境界線上も含まれる。
2.りん酸肥料の製造方法
該製造方法は、(1)下水汚泥類とマグネシウム源とを混合して調合原料を得る調合工程と、(2)前記肥料の調合原料を、焼成炉を用いて950〜1100℃で焼成して、焼成物であるりん酸肥料を得る焼成工程を含む。また、肥料の粉末度等を調整する必要がある場合は、さらに、(3)該焼成物を粉砕して造粒する粉砕及び造粒工程を含むものである。以下に、各工程について説明する。
(1)調合工程
該工程は、りん酸肥料中のMgOの含有率が10〜25%等となるように、少なくとも下水汚泥類とマグネシウム源を混合して調合原料を得る必須の工程である。
該工程において、前記原料は、含水スラリー、脱水ケーキ、及び粉粒体等の何れの形態でも用いることができる。
前記原料が含水スラリーや脱水ケーキの場合、水分を有したままで混合するか、又は、各原料を別々に若しくは一緒に乾燥した後に粉砕し混合してもよく、さらには、混合を兼ねて粉砕を行ってもよい。
また、マグネシウム源が粉末状であれば、下水処理場やし尿処理場においてマグネシウム源を下水汚泥に直接添加することも可能である。その場合には、マグネシウム源も脱水機による固液分離の対象となるが、マグネシウム源の添加量と汚泥の含水率を考慮すると調合原料の重量増加は少なく、脱水機の負荷が増加しても問題となる程度ではない。
また、焼成炉としてロータリーキルンを用いる場合、ロータリーキルンの前段の位置(例えば、窯尻又は仮焼炉等)に前記各原料を投入し、ロータリーキルンの転動を利用して混合してもよい。
なお、前記原料が粉粒体の場合、さらに混合し易い粒度や粉末度になるように、必要に応じてボールミル、ローラーミル、又はロッドミル等で粉砕してもよい。
各原料の混合方法として、例えば、各原料の一部を電気炉等で焼成した後、該焼成灰中の酸化物を定量し、該定量値と所定の配合に基づき、各原料を混合する方法が挙げられる。該酸化物の定量は、蛍光エックス線装置を用いてファンダメンタルパラメーター法により行うことができる。後記するように、焼成前の調合原料の化学組成は、焼成後のりん酸肥料の化学組成と、焼成による揮発成分を除きほぼ同一であるから、MgOの含有率が10〜25%等のりん酸肥料を得るためには、通常、MgOの含有率等が該範囲を満たす調合原料を用いれば十分である。ただし、正確を期すためには、該原料の一部を電気炉等で焼成して、該原料中のMgOの含有率等と、該焼成物中のMgOの含有率等との相関を事前に把握しておき、該相関に基づき、各原料の混合割合を、目的とするりん酸肥料中のMgOの含有率等になるように修正することが好ましい。
(2)焼成工程
該工程は、調合原料を、焼成炉を用いて焼成する必須の工程である。調合原料は、粉末のままで、又は該粉末に水を添加してスラリーにした状態や脱水ケーキの状態で焼成するか、該粉末のまま、又は該粉末にセメント等の造粒助材を添加して、パンペレタイザー等の造粒機、ブリケットマシン又はロールプレス等の成形機で、それぞれ造粒や成形してから焼成する。
該焼成温度は950〜1100℃であり、好ましくは1000〜1050℃である。950〜1100℃の温度範囲内で焼成したりん酸肥料は、りん酸のく溶率や苦土のく溶率が高い。また、焼成時間は、好ましくは10〜60分、より好ましくは20〜40分である。該時間が10分未満では焼成が不十分であり、60分を超えると製造効率が低下する。
また、焼成工程において用いる焼成炉は、例えば、ロータリーキルン式焼成炉、ストーカ式焼成炉、流動床式焼成炉、電気炉等が挙げられる。なお、前記焼成炉は焼却炉及び焼却設備も含む。
(3)粉砕及び造粒工程
該工程は、前記焼成物の粒度を調整する工程であり、粉塵の発生を抑制して肥料の取り扱いを容易にする又は肥料効果を十分に発揮させる等の目的で、肥料の粒度を調整する必要がある場合に選択される任意の工程である。該粒度は0.1〜10mmが好ましく、0.5〜5mmがより好ましい。
粉砕手段として、例えば、ジョークラッシャー、ローラーミル、ボールミル、又はロッドミル等を用いることができる。また、造粒手段として、例えば、パン型ミキサー、パンペレタイザー、ブリケットマシン、ロールプレス、又は押出成型機等を用いることができる。
また、該工程において、肥料の用途に応じて、適宜、りん酸や苦土の成分を追加したり、窒素、加里、けい酸等のその他の肥料成分を、新たに添加することができる。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
1.りん酸肥料の製造
(1)電気炉による焼成
表1に示す化学組成を有する下水汚泥焼却灰(a〜d、f)、し尿汚泥焼却灰(e)、及びマグネシウム源として酸化マグネシウムを用いて、表2の配合に従い調合原料を調製した。
次に、該原料を一軸加圧成形機を用いて成形し、直径15mm、高さ20mmの円柱状の調合原料を作製した。さらに、該円柱状の調合原料を、電気炉内に載置した後、昇温速度20℃/分で表2に示す温度まで昇温し、該温度の下で10分間焼成して焼成物を得た。
該焼成物の肥料特性を確認するために、鉄製乳鉢を用いて、該焼成物を目開き212μmのふるいを全通するまで粉砕して、粉末状のりん酸肥料(実施例1〜14、比較例1〜8)を製造した。
なお、焼成後のりん酸肥料の化学組成は、揮発成分を除き焼成前の調合原料の化学組成とほぼ同一であった。
(2)ストーカ炉による焼成
計画処理人口45万人のA下水処理場において、下記の(i)〜(iv)に従い、ストーカ炉を用いて下水汚泥からりん酸肥料を製造した。ちなみに、該処理場の下水の排除方式は分流式(一部合流式)、処理方法は標準活性汚泥法、下水の流入量は約80000m/日であった。
(i)最初沈殿池の汚泥(初沈汚泥)と最終沈殿池の汚泥(余剰汚泥)を、重力濃縮槽内で混合して濃縮し、該濃縮汚泥を700m/日の割合で濃縮汚泥貯槽へ送泥した。
(ii)送泥した濃縮汚泥から30m/時間の割合で濃縮汚泥(固形分濃度は1.9%)を抜き取り、凝集剤添加槽内において、高分子凝集剤及び23.2kg/時間の割合で純度90%の軽焼マグネサイト粉末(325メッシュ品)を混合した。
(iii)該混合物は後段の固液分離装置へ送泥して、含水率が80%の脱水汚泥を得た。
(iv)前記脱水汚泥はパドル式撹拌乾燥機を用いて含水率40%まで乾燥した後、スクリューフィーダーを介して350kg/時間の割合でストーカ焼却炉(炉幅1.5m、長さ3.5m)へ投入し、炉内最高温度950℃(熱電対を用いた測定では焼成温度は1000℃)、燃焼排気ガスの酸素濃度5vol%、平均滞留時間約60分で焼却処理して、表2に示す実施例15の焼成物を得た。
Figure 0006025540
2.く溶性りん酸及びく溶性苦土の測定
りん酸肥料中のく溶性りん酸の測定は、肥料分析法(農林水産省農業環境技術研究所法)に規定されているバナドモリブデン酸アンモニウム法により、また、く溶性苦土は同法に規定されている原子吸光光度法により測定した。また、これらの測定値を用いて、常法により、りん酸のく溶率及び苦土のく溶率を算出した。その結果を表2に示す。
Figure 0006025540
表2に示すように、りん酸肥料(実施例1〜15)は、りん酸のく溶率が62%(実施例14)〜90%(実施例7等)、苦土のく溶率は61%(実施例14)〜100(実施例2)といずれも高かった。
また、ストーカ炉を用いた実施例15のりん酸肥料は、りん酸のく溶率は72%、苦土く溶率は95%といずれも高かった。
これに対し、比較例1〜8のりん酸肥料は、りん酸のく溶率が25%(比較例5)〜58%(比較例4)で、苦土のく溶率は40%(比較例4等)〜73%(比較例2)であり、りん酸のく溶率は実施例と比べて低く、苦土のく溶率も実施例と比べて低い傾向にあった。

Claims (1)

  1. (1)下水汚泥、下水汚泥乾燥物、下水汚泥炭化物、及び下水汚泥焼却灰から選ばれる1種以上とマグネシウム源とを混合して調合原料を得る調合工程と、
    (2)該原料を焼成炉を用いて950〜1100℃で焼成して、MgOの含有率が10〜25質量%、及びP/Siのモル比が1.3以上の焼成物であるりん酸肥料を得る焼成工程と
    を含む、りん酸肥料の製造方法。
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