JP6021049B2 - 電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア及び該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤 - Google Patents

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本発明は、複写機、プリンター等に用いられる二成分系電子写真現像剤に使用される電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア及び該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤に関し、詳しくは現像剤としたときに帯電量を制御することができ、また良好な強度を有し、しかも、耐刷時における帯電安定性に優れた電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア及び該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤に関する。
電子写真現像方法は、現像剤中のトナー粒子を感光体上に形成された静電潜像に付着させて現像する方法であり、この方法で使用される現像剤は、トナー粒子とキャリア粒子からなる二成分系現像剤及びトナー粒子のみを用いる一成分系現像剤に分けられる。
こうした現像剤のうち、トナー粒子とキャリア粒子からなる二成分系現像剤を用いた現像方法としては、古くはカスケード法等が採用されていたが、現在では、マグネットロールを用いる磁気ブラシ法が主流である。
二成分系現像剤において、キャリア粒子は、現像剤が充填されている現像ボックス内において、トナー粒子と共に撹拌されることによって、トナー粒子に所望の電荷を付与し、さらにこのように電荷を帯びたトナー粒子を感光体の表面に搬送して感光体上にトナー像を形成するための担体物質である。マグネットを保持する現像ロール上に残ったキャリア粒子は、この現像ロールから再び現像ボックス内に戻り、新たなトナー粒子と混合、撹拌され、一定期間繰り返して使用される。
二成分系現像剤は、一成分系現像剤とは異なり、キャリア粒子はトナー粒子と混合、撹拌され、トナー粒子を帯電させ、さらに搬送する機能を有しており、現像剤を設計する際の制御性が良い。従って、二成分系現像剤は高画質が要求されるフルカラー現像装置及び画像維持の信頼性、耐久性が要求される高速印刷を行う装置等に適している。
このようにして用いられる二成分系現像剤においては、画像濃度、カブリ、白斑、階調性、解像力等の画像特性が、初期の段階から所定の値を示し、しかもこれらの特性が耐刷期間中に変動せず、安定に維持されることが必要である。これらの特性を安定に維持するためには、二成分系現像剤中に含有されるキャリア粒子の特性が安定していることが必要になる。
二成分系現像剤を形成するキャリア粒子として、従来は、表面を酸化被膜で覆った鉄粉あるいは表面を樹脂で被覆した鉄粉等の鉄粉キャリアが使用されていた。このような鉄粉キャリアは、磁化が高く、導電性も高いことから、ベタ部の再現性のよい画像が得られやすいという利点がある。
しかしながら、このような鉄粉キャリアは真比重が約7.8と重く、また磁化が高すぎることから、現像ボックス中におけるトナー粒子との撹拌、混合により、鉄粉キャリア表面へのトナー構成成分の融着、いわゆるトナースペントが発生しやすくなる。このようなトナースペントの発生により有効なキャリア表面積が減少し、トナー粒子との摩擦帯電能力が低下しやすくなる。
また、樹脂被覆鉄粉キャリアでは、耐久時のストレスにより表面の樹脂が剥離し、高導電性で絶縁破壊電圧が低い芯材(鉄粉)が露出することにより、電荷のリークが生ずることがある。このような電荷のリークにより、感光体上に形成された静電潜像が破壊され、ベタ部にハケスジ等が発生し、均一な画像が得られにくい。これらの理由から、酸化被膜鉄粉及び樹脂被覆鉄粉等の鉄粉キャリアは、現在では使用されなくなってきている。
近年は、鉄粉キャリアに代わって真比重約5.0程度と軽く、また磁化も低いフェライト粒子を芯材として用い、表面に樹脂を被覆した樹脂コートフェライトキャリアが多く使用されており、現像剤寿命は飛躍的に伸びてきた。
しかしながら、最近、オフィスのネットワーク化が進み、単機能の複写機から複合機への時代に進化し、サービス体制も、契約したサービスマンが定期的にメンテナンスを行って現像剤等を交換するようなシステムから、メンテナンスフリーシステムの時代へシフトしてきており、市場からは、現像剤の更なる長寿命化に対する要求が一層高まってきている。
また、オフィスではフルカラー画像が認知され、更なる高画質の要求が高まってきており、トナー粒径も、高解像度を得るため小粒径になってきている。
これに対応し、キャリア粒径もトナーに所望の電荷を素早く帯電させる必要があり、高比表面積を有する小粒径の方向にシフトしてきている。全体的に粒度分布を小粒径化した場合、特に、微粉側の粒子が、感光体へ飛散又は付着する現象、いわゆるキャリア付着が起きやすくなり、白抜け等の致命的な画像欠陥を誘発しやすくなる。従って、小粒径キャリアは、粒度分布幅をさらに狭く管理することも要求されてきている。
このような中で、キャリア粒子の軽量化を図り、現像剤寿命を伸ばすことを目的として、微細な磁性微粒子を樹脂中に分散させた磁性粉分散型キャリアも多く提案されている。
このような磁性粉分散型キャリアは、磁性微粒子の量を少なくすることにより真密度を下げることができ、撹拌によるストレスを軽減できるため、被膜の削れや剥離を防止することができ、長期にわたって安定した画像特性を得ることができる。
しかしながら、磁性粉分散型キャリアは、バインダー樹脂が磁性微粒子を覆っているため、キャリア抵抗が高い。そのため、充分な画像濃度を得ることが難しいという問題がある。
また、磁性粉分散型キャリアは、磁性微粒子をバインダー樹脂で固めているものであり、撹拌ストレスや現像機内での衝撃により磁性微粒子が脱離したり、従来用いられてきた鉄粉キャリアやフェライトキャリアに比べ機械的強度に劣るためか、キャリア粒子自体が割れたりするという問題が発生することがあった。そして、脱離した磁性微粒子や割れたキャリア粒子は感光体に付着し、画像欠陥を引き起こす原因となることがあった。
さらに、磁性粉分散型キャリアは、微細な磁性微粒子を用いるため、残留磁化及び保磁力が高くなり、現像剤の流動性が悪くなるという欠点がある。特にマグネットロール上に磁気ブラシを形成した場合、残留磁化及び保磁力が高いために、磁気ブラシの穂が硬くなり、高画質を得にくい。また、マグネットロールを離れても、キャリアの磁気凝集がほぐれず、補給されたトナーとの混合が速やかに行われないため、帯電量の立ち上がりが悪く、トナー飛散やかぶりといった画像欠陥を起こすという問題があった。
磁性粉分散型キャリアに代わるものとして多孔性キャリア芯材の空隙に樹脂を充填した樹脂充填型キャリアが提案されている。例えば特許文献1(特開平11−295933号公報)には、コアと、コアの細孔に含まれるポリマーと、コアを覆うコーティングとを含むキャリアが記載されている。これらの樹脂充填型キャリアにより、衝撃が少なく、所望の流動性を持ち、摩擦帯電値の範囲が広く、所望の伝導率であり、体積平均粒径が一定範囲にあるキャリアが得られるとされている。
ここで、特許文献1には、コア材として、既知の多孔性コア等の、様々な適当な多孔性固体状コアキャリア物質を用いることができるとされている。
しかし、同特許文献1の実施例に記載の様に、BET面積が1600cm/g程度の多孔度では、樹脂を充填させても充分な低比重化が図れるものではなかった。
また、このような芯材に多量の樹脂を充填しようとすると、充填しきれなかった樹脂が、芯材と密着せずに単独で存在し、キャリア中で浮遊したり、粒子間の凝集が多量発生し、流動性が悪くなったり、使用期間中に凝集が解れた際に、帯電特性が大きく変動する等、安定した特性を得ることが困難である。
加えて、同特許文献1には、多孔性コアを用い、そこに充填する樹脂とさらにその表面を被覆する樹脂の総含有量がキャリアの約0.5重量%〜約10重量%であることが好ましいとされている。さらに同特許文献1の実施例では、それらの樹脂の含有量は、キャリアに対して高々6重量%に満たない。このような少量の樹脂では、所望とする低比重を実現することはできず、従来から使用されてきた樹脂被覆キャリアと同様の性能しか得ることができない。
さらには、特許文献1に記載のキャリアは、コア材の多孔性が充分でない上に、樹脂の量が少ないため、樹脂層とフェライト層とが交互に存在する立体的積層構造をなしている樹脂充填型キャリアを得ることはできない。本発明者らは、表面から連続する空隙が芯材内部まで達している多孔質フェライト芯材の空隙に樹脂を充填することにより、樹脂層とフェライト層とが交互に存在する立体的積層構造が複数回存在している樹脂充填型キャリアを得ることができることを知見している。ここでいう立体的積層構造とは、キャリア粒子の断面において、粒子の中心を通る直線(直径)を引いた場合、その直線に沿って粒子の端から端まで通過する間に、樹脂層とフェライト層とが交互に複数存在する構造である。本発明者らは、また、このような立体的積層構造をなすことにより、コンデンサー的な性質を保有しているため帯電付与能力に優れ、さらにその安定性に優れ、しかも、磁性粉分散型キャリアに比して高強度であり、熱や衝撃による割れ、変形、溶融がないという効果を奏することを知見している。
特許文献1で開示されているキャリアは、樹脂又は電気絶縁性樹脂の微粉末を充填するものであるが、その形態は実質的には、従来から知られているコア表面を樹脂で被覆したキャリアの樹脂量を増やしたものに過ぎず、僅かな空孔にしみ込んでいる程度のものであり、帯電付与能力やその安定性に関して、満足できるレベルではなかった。
特許文献2(特開2006−337579号公報)には、空隙率が10〜60%であるフェライト芯材に樹脂を充填してなる樹脂充填型キャリアが提案されている。同特許文献2では、この樹脂充填型キャリアは、樹脂を充填しているため真密度が軽くなり長寿命化が達成でき、流動性に優れ、また充填する樹脂の選択により、帯電量等の制御が容易にでき、しかも磁性粉分散型キャリアに比して高強度であり、また熱や衝撃による割れ、変形、溶融がないとされている。この充填型キャリアは、上記特許文献1に記載されているような樹脂充填型キャリアの課題を解決するものである。
さらに、特許文献3(特開2007−57943号公報)には、表面から連続する空隙が内部まで達している多孔質フェライト芯材の空隙に樹脂を充填してなる樹脂充填型フェライトキャリアであって、樹脂層とフェライト層が交互に存在する立体的積層構造が複数回存在している電子写真現像剤用キャリアが開示されている。また、同特許文献3の実施例においては、フェライト芯材100重量部に対して、縮合架橋型シリコーン樹脂12〜20重量部を充填する例が記載されている。
このように多量の樹脂を多孔質フェライト芯材に充填しようとすると、充填しきれずに、フェライト芯材に密着しない状態で存在する樹脂が発生し、その結果、トナーとの摩擦帯電を阻害する等の問題があった。
また、浮遊した樹脂微粒子が静電潜像に移行し、白斑等の画像欠陥につながることがあった。さらには、このような浮遊した樹脂微粒子の存在量が樹脂充填型キャリアの製造の度に変わり、現像剤特性の変動につながり、生産安定性を著しく悪くしていた。
上記特許文献1〜特許文献3には、充填又は被覆する樹脂の例として、様々な種類の樹脂が開示されている。しかし、これらの特許文献1〜特許文献3には、使用する樹脂の性状等に関する開示はなく、どのような樹脂でも使用できるとの説明があるのみである。
例えば、特許文献2では縮合架橋型シリコーン樹脂SR−2411(東レダウコーニングシリコーン社製)や熱可塑性アクリル樹脂(三菱レイヨン社製)が用いられている。このような樹脂では、多量の樹脂を充填しようとした場合、芯材に密着せずに浮遊した樹脂が多量に発生することが考えられ、帯電安定性の欠如の原因となるものと考えられる。
そこで特許文献4(特開2008−242348号公報)には、多孔質フェライト芯材に充填する樹脂として、40℃以上の軟化点をもち、該軟化点以上で硬化されているシリコーン系樹脂を用いることが記載されている。そして、この特許文献4には、特定の熱的性質を持つシリコーン樹脂を用いることで、浮遊樹脂をほとんどなくすことが可能であると開示されている。
しかし、特許文献4にて示されるようなシリコーン系樹脂を用いただけでは、帯電付与能力が極端に低く、実際の使用においては、帯電能力を上げるため、充填樹脂中に、アミノシランカップリング剤等のアミノ基含有物質を添加することが必要となる。特許文献4の実施例に示されたようなシリコーン系樹脂(ポリメチルシルセスキオキサン)にアミノシランカップリング剤を添加した場合、シラノール基の縮合反応が急速に進み、充填が完了する前に樹脂溶液がゲル化することが多く見られる。そのため、帯電量を制御することが非常に困難であるという課題があった。
さらに、特許文献4の実施例で開示されているようなシリコーン系樹脂を用いた場合には、確かに多孔質フェライト芯材内部まで樹脂が浸透するものの、その浸透の仕方はなお不完全であり、内部に樹脂が浸透しない空孔が形成されることがあるために、キャリア粒子が脆弱となり、使用中に割れや欠けが生じる場合があった。
そこで、特許文献5(特開2010−256855号公報)には、多孔質フェライト芯材に充填する樹脂として、フェニル基を有するメチルフェニルシリコーン樹脂を用いることが記載されている。そして、この様な樹脂を使用することにより、アミノシランカップリング剤等のアミノ基含有物質と併用することができ、高帯電化や帯電量の制御が可能となる旨が記載されている。しかも、樹脂が多孔質フェライト芯材の空隙部により完全に浸透するため、フェライトキャリアの強度が強まり、現像剤として使用中に割れや欠けが減少する旨の記載がある。
しかし、特許文献5に示されるようなメチルフェニルシリコーン樹脂を用いた場合、一般的には、フェニル基は有機基との相溶性が良いため、トナーによるキャリア表面の汚染、所謂トナースペントと呼ばれる現象が発生しやすくなる。そのため、特に耐刷時において帯電付与能力の低下が起きるため、そのため、現像剤の更なる長寿命化に対する要求を満たすことが困難であった。
一方、特許文献6(特開平7−104522)には、アミノシランカップリング剤の含有量が6〜25重量%、かつアミノ当量が163〜235であるアミノシランカップリング剤を含有させたシリコーン系樹脂又は変性シリコーン系樹脂をキャリア芯材に被覆した、電子写真現像剤用樹脂コートキャリアが開示されている。
この特許文献6には、使用するシリコーン系樹脂の性状等に関する開示はなく、市販品を使用してよいとの記載がある。また、アミノシランカップリング剤に関しては、帯電付与能力やトナーとの立ち上がり帯電特性を良好化するため、アミノシランカップリング剤の含有量やアミノ当量を規定している。しかしながら、特許文献6では、実際に帯電付与能力に寄与するアミノ基が、シリコーン樹脂表面にどの程度存在するかの量的な規定がない。そのため、特許文献6は、被覆樹脂に関するものではあるが、仮に充填樹脂として使用した場合には、含有させたアミノシランカップリング剤中のアミノ基がシリコーン樹脂表面に過剰に存在すると、耐刷時においてトナーや現像器への衝突等のストレスにより、キャリア表面に摩耗が生じ、樹脂表面に存在したアミノ基の量が減少し、帯電付与能力が低下する。それ故、現像剤の更なる長寿命化に対する要求を満たすことが困難であった。
特開平11−295933号公報 特開2006−337579号公報 特開2007−57943号公報 特開2008−242348号公報 特開2010−256855号公報 特開平7−104522号公報
このように、上記した樹脂充填型キャリアの利点を保持しつつ、また良好な強度を有し、耐刷時において帯電安定性に優れた樹脂充填型キャリアが求められている。
従って、本発明の目的は、樹脂充填型キャリアの利点を保持しつつ、また良好な強度を有し、耐刷時において帯電安定性に優れた樹脂充填型フェライトキャリア及び該フェライトキャリアを用いた電子写真現像剤を提供することにある。
本発明者らは、上記のような課題を解決すべく鋭意検討した結果、充填樹脂として、特定のシリコーン樹脂とアミノシランカップリング剤を用いて、充填樹脂中のN原子の分布を制御することによって、上記目的が達成されることを知見し、本発明に至った。
すなわち、本発明は、多孔質フェライト芯材の空隙に樹脂が充填されている電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアであって、該充填樹脂は、室温硬化型のメチルシリコーン樹脂、アミノシランカップリング剤及び架橋剤が縮合した樹脂であり、かつ該充填樹脂の表面を二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)で測定した際に、N原子の強度が、下記式(1)で表されることを特徴とする電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアを提供するものである。
Figure 0006021049
本発明に係る上記電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアにおいて、上記充填樹脂は、上記室温硬化型のメチルシリコーン樹脂100重量部の固形分に対して、上記アミノシランカップリング剤を2〜30重量部含有することが望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアにおいて、上記メチルシリコーン樹脂のゲルパーミテーションクロマトグラフィーによる重量平均分子量が4000〜30000であることが望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアにおいて、上記多孔質フェライト芯材の細孔容積が40〜160mm/g、ピーク細孔径が0.3〜2.0μmであり、細孔径分布において、下記式(2)で表される細孔径のばらつきdvが1.5以下であることが望ましい。
Figure 0006021049
本発明に係る上記電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアにおいて、上記多孔質フェライト芯材100重量部に対して、上記シリコーン樹脂の充填量が5〜20重量部であることが望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、被覆樹脂により表面が被覆されていることが望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアにおいて、上記被覆樹脂の被覆量が、上記充填樹脂が充填されているフェライトキャリア100重量部に対して、0.1〜5.0重量部であることが望ましい。
本発明に係る上記電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、体積平均粒径が20〜50μm、飽和磁化が30〜80Am/kg、真密度が2.5〜4.5g/cm、見掛け密度が1.0〜2.2g/cmであることが望ましい。
また、本発明は、上記樹脂充填型フェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤を提供するものである。
本発明に係る上記電子写真現像剤は、補給用現像剤としても用いられる。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、樹脂充填型フェライトキャリアであるため、真密度が軽くなり長寿命化が達成でき、流動性に優れ、帯電量等の制御が容易にでき、しかも磁性粉分散型キャリアに比して高強度であり、また熱や衝撃による割れ、変形、溶融がない。また、特定のシリコーン樹脂とアミノシランカップリング剤を用い、充填樹脂中のN原子の分布を制御することによって、良好な強度を有し、耐刷時において優れた帯電安定性を維持することができる。
図1は、実施例1〜2と比較例1のN強度比と膜厚(μm)との関係を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
<本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア>
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、多孔質フェライト芯材の空隙に樹脂を充填してなり、該樹脂としてアミノシランカップリング剤を含有する架橋剤を有する室温硬化型のメチルシリコーン樹脂を用いる。このようなシリコーン樹脂充填型フェライトキャリアは、真密度が軽くなり長寿命化が達成でき、流動性に優れ、帯電量等の制御が容易にでき、しかも磁性粉分散型キャリアに比して高強度であり、また熱や衝撃による割れ、変形、溶融がない。また、シリコーン樹脂はある程度の硬度が得られる上に、表面張力が低いために、キャリアとして用いられた場合にトナーによる汚染(トナースペント)を軽減できる。
本発明で用いられるアミノシランカップリング剤を含有したシリコーン樹脂中のN原子強度は、二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)で測定した際に、下記式(1)で表されるような分布をしていることが必要である。
Figure 0006021049
また、本発明に用いられるアミノシランカップリング剤を含有したシリコーン樹脂中のN原子強度は、上記したN10とN50とが、N10≦N50であることが望ましい。
本発明で用いられるシリコーン樹脂中には、帯電量制御剤としてのアミノシランカップリング剤が含有されているため、N10及びN50は、充填樹脂内部におけるアミノ基の存在割合を表している。従って、N10>100、かつN50>100とは、充填樹脂中のアミノ基が、厚さ方向に対して濃度勾配をもち、表面よりも内部の方が、アミノ基の存在割合が多いことを表している。
このようなアミノ基の濃度勾配をもつ充填樹脂を用いることにより、耐刷時におけるキャリア粒子間の摩擦、又はキャリア粒子と現像機との摩擦等の機械的摩擦で、充填樹脂表層が摩耗や削れが発生しても、樹脂層内部の方がアミノ基の存在割合が多いため、帯電特性の低下が防止される。
従って、アミノ基の存在割合が、より樹脂の内部にいくほど増加傾向が好ましいため、上記のように、N10>100かつN50>100で、更にN10≦N50である方がより望ましい。
反対に、充填樹脂中のアミノ基の存在割合が、表面に配向していると、即ち、N10<100あるいはN50<100であると、耐刷時における充填樹脂層の摩耗や削れにより、アミノ基の存在割合が低下するため帯電量の低下が生じ、トナー飛散等の画像品質の悪化が生じることとなる。
[シリコーン樹脂中のN原子強度の測定]
上記したシリコーン樹脂中のN原子強度の測定は、二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)によって測定される。多孔質フェライト芯材の空隙に充填された状態でのシリコーン樹脂のTOF−SIMS測定は困難であるため、シリコーン樹脂のみを測定する必要がある。従って、本発明においては、Alプレートに、充填樹脂のみを塗布した塗膜のTOF−SIMS測定を行うことで、擬似的に多孔質フェライト芯材の空隙に充填されたシリコーン樹脂中のN原子強度を特定する方法を採った。
具体的な測定方法は、次の通りである。
すなわち、実際に多孔質フェライト芯材の空隙に充填する樹脂溶液を準備し、厚さ1mm、10cm×10cmのAlプレートに、約40cmの距離から、エアーガンにて塗布を行う。ここで、塗布条件は、下記の通りである。
塗布速度:20g/min
エアー圧力:50L/min
塗布時間:30秒
その後、実際の樹脂充填型フェライトキャリアの樹脂充填のときと同じ焼付け条件にて硬化を行う。
得られた塗膜プレートを、下記の条件にてTOF−SIMS(AMETEK(CAMECA)社製、型式IMS−6F)を用いて測定を行う。
測定元素;N、Al
一次イオン種;Cs+
一次イオン加速電圧(kV);14.5
ラスター領域(μm□);100
分析領域(μmφ);30
二次イオン極性;Negative
質量分解能;High
測定真空度(Pa);1×10−7
電荷補償;導電膜コート、e−gun
本発明における膜厚は、次のように定義する。即ち、TOF−SIMS測定においては、塗膜に照射するイオンビームが、Alプレートまで到達するのに要した時間が、その膜厚に比例する。イオンビームがAlプレートに到達したことは、Al原子の強度を確認することで理解できる。そこで、イオンビームの照射時間に対するAl原子の強度変化(照射時間に対する強度の微分値)が最大になる時間を、塗膜の厚さ=100とする。
一方、本発明における樹脂表面のN原子強度とは、TOF−SIMS測定において、最初に測定された強度値とし、充填樹脂中のN原子の存在割合は、この値に対する相対強度で表す。
本発明に用いられるシリコーン樹脂としては、メチルシリコーン系樹脂が好ましい。一般的にシリコーン樹脂には、側鎖にメチル基のみを含むメチルシリコーンとメチル基以外にフェニル基を持つメチルフェニルシリコーンとが知られている。フェニル基の臨界表面張力はおよそ35dyne/cmであるが、メチル基の臨界表面張力はおよそ20dyne/cmであるため、メチル基の方が撥水性は高く、トナーとの摩擦帯電における環境(湿度)依存性としてはメチル系のシリコーン系樹脂が好ましいと言える。また、上記のようにフェニル基は臨界表面張力が高く、また有機基との相溶性が良いため、トナーによるキャリア表面の汚染に対してもメチル系の方が良好である。
次に、この樹脂の硬化機構について説明する。
シリコーン樹脂の硬化機構としては、一般的に、加熱硬化型と室温硬化型に分類され、更に、加熱硬化型としては、過酸化物硬化反応、付加反応、脱水縮合反応等が知られている。
加熱硬化型の過酸化物硬化反応では、架橋反応中にアルコールやカルボン酸等の副生成物が必ず発生する。このような副生成物が発生すると、多孔質フェライト芯材内部に充填された樹脂中に空隙や空孔が発生するため、充填後のキャリアの強度が弱くなりやすく好ましくない。また、同時に体積変化も大きく、充填後のキャリアの強度低下を招く原因となり、やはり樹脂充填型フェライトキャリアとしては好ましくない。
また、加熱硬化型の付加反応であるヒドロシリル化架橋反応は、硬化時に副生成物を発生させないこと、硬化前後で体積変化がないという特徴から、本発明のような樹脂充填型フェライトキャリアには適していると言える。しかし、この架橋反応は無触媒ではほとんど進まない。従って、一般的には白金化合物を触媒として用いる。しかし、ヒドロシリル化架橋反応は未硬化状態をある程度維持するために、硬化遅延剤を併用するなどの工夫はなされているものの、その制御は難しく、本発明のような樹脂充填型フェライトキャリアに用いた場合、充填される前に硬化してしまう等の問題が発生することが予測される。
一方、シリコーン系樹脂にもともと含まれるシラノール基同士の間で起こる脱水縮合反応型は、本発明のように帯電制御剤としてアミノシランカップリング剤を含有させて樹脂充填型フェライトキャリアとして用いた場合、初期においては非常に高い帯電付与能力をもつが、耐刷時において、帯電量が低下するという問題が発生する。TOF−SIMSを用いて、上述した方法により、樹脂の塗膜中のN原子強度を測定すると、N原子が塗膜の表面に多く存在し、逆に樹脂内部の存在量が少ない。これは、極性基としてのアミノ基が表面に多く存在していることを表しているが、この様な特性をもつ樹脂を充填型フェライトキャリアに使用した場合、耐刷時において、キャリア粒子間の摩擦等により、充填樹脂表層に摩耗が発生し、その結果、表面に存在するアミノ基が脱離し、キャリアの帯電付与能力が低下するものと考えられる。
耐刷時における帯電特性の安定化を図るためには、最も良好な硬化形態として、室温硬化であり、室温硬化型シリコーン樹脂を用いることが望ましい。室温硬化型シリコーン樹脂は、ベースポリマーと呼ばれる高分子のポリシロキサン以外に、加水分解性官能基をもつ低分子のシラン化合物である架橋剤を添加する。架橋剤は、各種様々な種類があるが、用いられる架橋剤の種類により、室温硬化型は、脱アルコール型、脱オキシム型、脱酢酸型、脱アセトン型等に分類される。
この様な架橋剤を用いる室温硬化型シリコーン系樹脂に、本発明のように、帯電制御剤としてアミノシランカップリング剤を含有させて、樹脂充填型フェライトキャリアの充填樹脂として用いた場合、耐刷時における帯電特性が安定化する。上記と同様に、TOF−SIMSを用いて樹脂の塗膜中のN原子強度を測定すると、塗膜表面のN原子は少なく、それよりも樹脂内部のN原子の分布は、比較的安定か、やや増加傾向を示す結果が得られる。これは、極性基としてのアミノ基が樹脂表面よりも、内部の方が多く存在していることを表しているが、この様な特性をもつ樹脂を樹脂充填型フェライトキャリアの充填樹脂に使用した場合、耐刷時において、キャリア粒子間の摩擦等により、充填樹脂表層に摩耗が発生し、その結果、表面に存在するアミノ基が脱離したとしても、内部には更に量の多いアミノ基が存在するため、帯電量の低下が防止され、キャリアの帯電特性が安定化する。
室温硬化型のシリコーン系樹脂で使用される架橋剤としては、本発明のようにアミノシランカップリング剤を含有させて、樹脂充填型フェライトキャリアの充填樹脂として用いた場合、反応性等を考慮すると、脱オキシム型や脱アルコール型が好ましい。脱オキシム型の架橋剤としては、メチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シランやビニルトリス(メチルエチルケトオキシム)シラン等がある。また、脱アルコール型の架橋剤としては、メチルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン等が知られているが、特に脱オキシム型のメチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シランが最も好ましい。含有量としては、ベースポリマー100重量部に対して、30〜80重量部が好ましい。より望ましくは40〜70重量部、更に望ましくは50〜60重量部である。
本発明では、シリコーン系樹脂中に、帯電制御剤としてアミノシランカップリング剤を含有させるが、他の帯電制御剤、例えば、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料やアミノシランカップリング剤以外のカップリング剤と併用しても良い。
アミノシランカップリング剤としては、下記の一般式で表される各種のもの、例えば3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3―アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、3−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン等があり、特に、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン等が好ましく使用できる。
Figure 0006021049
上記一般式のnの値は、2より3の方が好ましい。これは、シリコーン樹脂と反応したアミノシランカップリング剤の構造として、n=3の方が、直鎖状縮合体の生成割合が低く、その結果、シリコーン樹脂表面のアミノ基の存在割合が低く、耐刷時での帯電特性が安定化しやすい。
また、上記一般式のR,Rはいずれも水素であること、即ち1級アミンであることが好ましい。メチル基、エチル基、フェニル基等で置換された2級又は3級のアミンでは極性が弱いため、帯電付与能力が低く好ましくない。
このアミノシランカップリング剤の含有量は、架橋剤を有する室温硬化型のメチルシリコーン樹脂100重量部に対して、2〜30重量部が好ましい。より望ましくは3〜20重量部、更に望ましくは5〜10重量部である。アミノシランカップリング剤の含有量が2重量部未満であると、十分な帯電付与能力が与えられない。また、アミノシランカップリング剤の含有量が30重量部を超えると、アミノ基の絶対量が多いため、耐刷時において帯電上昇が発生しやすくなるため好ましくない。
本発明に用いられるシリコーン樹脂は、ゲルパーミテーションクロマトグラフィーによる重量平均分子量が4000〜30000であることが好ましく、より望ましくは4000〜10000、更に望ましくは4000〜7000である。重量平均分子量は、小さい方が充填樹脂の表面に更に樹脂による被覆を行った際、被覆樹脂との相溶性が向上し、充填樹脂との密着性が向上され好ましい。しかしながら、重量平均分子量が4000を下回った場合、硬化できなかった低分子量成分が発生し、経時の使用において徐々にキャリア表面に染み出して、キャリア特性に悪影響を及ぼす恐れがある。また、重量平均分子量が30000を超える場合には、粘性が高くなりすぎフェライト芯材の空隙に十分に浸透することができなくなる恐れがある。重量平均分子量は下記によって測定される。
[重量平均分子量の測定]
ゲルパーミテーションクロマトグラフィー(ゲル浸透クロマトグラフィー)を用いて測定した。具体的には次のようにして測定した。樹脂が溶液である場合には、ドラフト中で1日風乾して溶媒を除去した。固形分濃度として3mg/mLとなるように試料を精秤し、HPLC用THF10mLに溶解した。試料溶液をPTFE製0.45μm孔径ディスポーザブルフィルターでろ過した後、その一部をTHF系GPC測定に用いた。GPC装置はHLC−8220システム(東ソー社製)を用いた。ガードカラムにTSKguardcolum HXL−Hを1本用いた。カラムにはTSKgel GMHXL 2本と、TSKgel G3000HXLおよびG3000HXLをそれぞれ1本ずつ用いた。カラム温度を40℃とし、溶離液にはHPLC用THFを用い、その流量は1.0mL/分とした。試料溶液の注入量は200μLとし、分析時間は50分とした。検出にはRIを用いた。解析ソフトにはGPC8020 modelII(東ソー社製)を用いた。また、標準試料にはShodex STANDARD ポリスチレンSM−105(分子量3.73E6,2.48E6,5.79E5,1.97E5,5.51E4,3.14E4,1.28E4,3.95E3,1.20E3)とShodexポリスチレンA−300(分子量3.70E2)を用いた。
シリコーン樹脂の硬化触媒として有機チタン系触媒を含有することが望ましい。シリコーン樹脂の硬化触媒としては、有機スズ系触媒、有機チタン系触媒、4級アンモニウム塩系触媒、酢酸系触媒、Al系触媒等様々なものが挙げられる。通常の樹脂被覆キャリアに用いられる被覆樹脂と異なり、本発明のような充填樹脂の硬度は、キャリア自体の強度に関わってくるため、十分な樹脂硬度を与える必要がある。そのため、硬化速度の遅い4級アンモニウム塩系触媒、酢酸系触媒、Al系触媒は、充填樹脂に十分な硬度を与えることができず、充填樹脂の硬化触媒としては好ましくない。一方、硬化速度の速い有機スズ系触媒は、近年の環境負荷の低減や労働安全衛生等の観点から、できる限り使用しないことが望まれている。この様な観点から、本発明で使用する硬化触媒としては、有機チタン系触媒を使用することが望ましい。
上記有機チタン系触媒は、チタンモノマー、チタンキレート化合物等を挙げることができるが、チタンキレート化合物は、チタンモノマー触媒に比べて安定性があり、分解や自己架橋しにくい特性を有するものであるので好ましい。チタンキレート触媒としては、例えば、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)、チタンジオクチロキシビス(オクチレングリコレート)ジイソプロポキシビス(アセチルアセトナト)チタン、イソプロポキシ(2−エチルヘキサンジオラト)チタン、ビス(アクリロイルオキシ)イソプロポキシイソステアロイルオキシチタン、ビス(2,4−ペンタンジオナト)(1,3−プロパンジオラト)チタン等を挙げることができる。
さらに、本発明において、有機チタン系触媒の含有量は、有機チタン化合物中のTi原子換算で、シリコーン樹脂100重量部に対して、0.1〜5.0重量部であることが望ましく、1.0〜5.0重量部がさらに望ましく、2.0〜4.0重量部が最も望ましい。有機チタン系触媒の含有量が少なすぎると充填樹脂に十分な硬度を与えることができず、充填後のキャリアの強度が弱くなり好ましくない。有機チタン系触媒の含有量が多すぎると、硬化速度が速くなりすぎ、硬くて脆い樹脂となり、樹脂充填型キャリアの充填樹脂として使用した場合、現像機内のストレスにより、充填樹脂表面の樹脂が剥れてしまい好ましくない。
キャリアの電気抵抗や帯電量、帯電速度をコントロールすることを目的に、充填樹脂中に導電剤を含有することができる。導電剤はそれ自身の持つ電気抵抗が低いことから、含有量が多すぎると急激な電荷リークを引き起こしやすい。従って、含有量としては、充填樹脂の固形分に対し0.25〜20.0重量%であり、好ましくは0.5〜15.0重量%、特に好ましくは1.0〜10.0重量%である。導電剤としては、導電性カーボンや酸化チタン、酸化スズ等の酸化物、各種の有機系導電剤が挙げられる。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型キャリアは、上述のように、多孔質フェライト芯材に樹脂を充填する。この樹脂の充填量は、多孔質フェライト芯材100重量部に対して5〜20重量部が望ましく、より望ましくは7〜18重量部、更に望ましくは7〜15重量部、最も好ましくは7〜9重量部である。樹脂の充填量が5重量部未満であると、十分な軽量化が図れない。また、樹脂の充填量が20重量部を超えると、充填しきれずに残った遊離樹脂が多量に発生するため、帯電不良等の不具合の原因となる。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアの芯材の組成は、Mn、Mg、Li、Ca、Sr、Cu、Znから選ばれる少なくとも1種を含むことが望ましい。近年の廃棄物規制を始めとする環境負荷低減の流れを考慮すると、Cu、Zn、Niの重金属を、不可避不純物(随伴不純物)の範囲を超えて含まないことが好ましい。
この多孔質フェライト粒子の細孔容積は、望ましく40〜160mm/g、さらに望ましくは40〜100mm/g、最も望ましくは50〜80mm/gである。多孔質フェライト粒子の細孔容積が40mm/g未満であると、十分な量の樹脂を充填することができないため軽量化が図れない。また、多孔質フェライト粒子の細孔容積が160mm/gを超えると、樹脂を充填してもキャリアの強度を保つことができない。
多孔質フェライト粒子のピーク細孔径は、望ましくは0.3〜2.0μm、さらに望ましくは0.6〜1.8μm、最も好ましくは0.7〜1.5μmである。多孔質フェライト粒子のピーク細孔径が0.3μm以上であると、芯材表面の凹凸の大きさが適度な大きさとなるため、トナーの接触面積が増加し、トナーとの摩擦帯電が効率よく行われるため、低比重でありながら、帯電の立ち上がり特性が良化する。多孔質フェライト粒子のピーク細孔径が0.3μm未満では、このような効果が得られず、充填後のキャリア表面は平滑となるため、低比重であるキャリアにとっては、トナーとの十分なストレスが与えられず、帯電の立ち上がりが悪化する。また、多孔質フェライト粒子のピーク細孔径が2.0μmを超えると、粒子の表面積に対して、樹脂が存在する面積が大きくなるため、樹脂を充填する際に、粒子間の凝集が発生し易く、樹脂を充填したあとのキャリア粒子中に、凝集粒子や異形粒子が多く存在する。このため、耐刷におけるストレスで凝集粒子が解れ、帯電変動を引き起こす原因となる。更に、ピーク細孔径が2.0μmを超える様な多孔質フェライト粒子を用いたキャリア芯材は、キャリア芯材表面の凹凸が大きいことを表し、このことは、粒子そのものの形状が悪いということであり、また強度的にも劣るため、耐刷におけるストレスにより、キャリア粒子自体の割れが生じ、帯電変動を引き起こす原因となる。
多孔質フェライト粒子の細孔径分布において、細孔径のばらつきdvが1.5以下であることが望ましく、より望ましくは0.9以下、最も望ましくは0.8未満である。ここで、高圧領域における全水銀圧入量を100%とし、圧入量が84%に達した時の水銀への印加圧力から計算した細孔径をd84、圧入量が16%に達した時の水銀への印加圧力から計算した細孔径をd16とした。また、dv値は下記式(2)により計算した。
Figure 0006021049
多孔質フェライト粒子の細孔径のばらつきdvが1.5を超えると、粒子間の凹凸と芯材形状のばらつきが大きくなることを意味している。従って、dv値が所望の範囲を超えると、粒子の形状や充填による凝集について、粒子間ばらつきが発生しやすいため、結果的に帯電の立ち上がりが悪くなったり、帯電変動が大きくなったりする原因となる。
本発明に係るシリコーン樹脂充填型フェライトキャリアは、樹脂が被覆されていることが望ましい。被覆樹脂は特に制限されない。例えば、フッ素樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキッド樹脂、フェノール樹脂、フッ素アクリル樹脂、アクリル−スチレン樹脂、シリコーン樹脂、あるいはアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、アルキッド樹脂、ウレタン樹脂、フッ素樹脂等の各樹脂で変性した変性シリコーン樹脂等が挙げられる。樹脂の被覆量は、シリコーン樹脂充填型フェライトキャリア(樹脂被覆前)100重量部に対して、0.5〜5.0重量部が好ましい。
これら被覆樹脂中にも上記と同様な目的で導電剤や帯電制御剤を含有することができる。導電剤や帯電制御剤の種類や含有量は、上記充填樹脂の場合と同様である。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、その平均粒径が20〜50μmであることが望ましく、この範囲でキャリア付着が防止され、また良好な画質が得られる。平均粒径が20μm未満では、キャリア付着が発生しやすくなるため好ましくない。平均粒径が50μmを超えると、画質が劣化しやすくなり好ましくない。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、その飽和磁化が望ましくは30〜80Am/kg、さらに望ましくは50〜70Am/kgである。飽和磁化が30Am/kg未満では、キャリア付着を誘発しやすくなり、80Am/kgを超えると、磁気ブラシの穂が高くなり、高画質を得にくく好ましくない。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、その真密度が望ましくは2.5〜4.5g/cm、さらに望ましくは2.8〜4.0g/cm、最も望ましくは3.0〜4.0g/cmである。真密度が2.5g/cm未満では、キャリアの真密度が低すぎ、流動性が悪化するため、帯電速度が低下したり、1粒子当たりの磁化が下がりすぎ、キャリア付着の原因となる。真密度が4.5g/cmを超えると、真密度が高すぎるため、耐久時のストレスにより、長寿命化が図れない。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、その見掛け密度が望ましくは1.0〜2.2g/cmである。見掛け密度が1.0g/cm未満では、形状が悪く、突起している部分が多くなりやすい。そういった部分は機械的ストレスに弱く、脆いため、強度が低くなりキャリアが破壊されやすくなる。見掛け密度が2.2g/cmを超えると、長寿命化が図りにくい。
<測定方法>
本発明に係る上記樹脂充填型フェライトキャリアの各特性の測定方法を下記に示す。
[平均粒径]
この平均粒径の測定は、日機装株式会社製マイクロトラック粒度分析計(Model9320−X100)を用いて測定される。分散媒には水を用いた。試料10gと水80mlを100mlのビーカーにいれ、分散剤(ヘキサメタリン酸ナトリウム)を2〜3滴添加する。次いで超音波ホモジナイザー(SMT.CO.LTD.製 UH−150型)を用い、出力レベル4に設定し、20秒間分散を行った。その後、ビーカー表面にできた泡を取り除き、試料を装置へ投入した。24μm未満の粒子の体積%も同様に測定して算出した。
[磁気特性]
飽和磁化の測定は、積分型B−HトレーサーBHU−60型((株)理研電子製)を使用して測定した。電磁石間に磁場測定用Hコイル及び磁化測定用4πIコイルを入れる。この場合、試料は4πIコイルに入れる。電磁石の電流を変化させ磁場Hを変化させたHコイル及び4πIコイルの出力をそれぞれ積分し、H出力をX軸に、4πIコイルの出力をY軸に、ヒステリシスループを記録紙に描く。ここで測定条件としては、試料充填量:約1g、試料充填セル:内径7mmφ±0.02mm、高さ10mm±0.1mm、4πIコイル:巻数30回にて測定した。
[真密度]
キャリア粒子の真密度は、JIS R9301−2−1に準拠して、ピクノメーターを用いて測定した。ここで、溶媒としてメタノールを用い、温度25℃にて測定を行った。
[見掛け密度]
この見掛け密度の測定は、JIS−Z2504(金属粉の見掛け密度試験法)に従って測定される。
[多孔質フェライト芯材の細孔容積及びピーク細孔径]
この多孔質フェライト芯材の細孔容積及びピーク細孔径の測定は、次のようにして行われる。すなわち、水銀ポロシメーターPascal140とPascal240(ThermoFisher Scientific社製)を用いて測定した。ディラトメータはCD3P(粉体用)を使用し、試料は複数の穴を開けた市販のゼラチン製カプセルに入れて、ディラトメータ内に入れた。Pascal140で脱気後、水銀を充填し低圧領域(0〜400Kpa)を測定し、1st Runとした。次に再び脱気と低圧領域(0〜400Kpa)の測定を行い、2nd Runとした。2nd Runの後、ディラトメーターと水銀とカプセルとサンプルを合わせた重量を測定した。次にPascal240で高圧領域(0.1Mpa〜200Mpa)を測定した。この高圧部の測定で得られた水銀圧入量をもって、多孔質フェライト芯材の細孔容積及びピーク細孔径を求めた。また、細孔径を求める際には水銀の表面張力を480dyn/cm、接触角を141.3°として計算した。
<本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアの製造方法>
次に、本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアの製造方法の一例について説明する。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアの芯材を製造する場合、原材料を適量秤量した後、ボ−ルミル又は振動ミル等で0.5時間以上、好ましくは1〜20時間粉砕混合する。このようにして得られた粉砕物を加圧成型機等を用いてペレット化した後、700〜1200℃の温度で仮焼成する。加圧成型機を使用せずに、粉砕した後、水を加えてスラリー化し、スプレードライヤーを用いて粒状化しても良い。仮焼成後さらにボ−ルミル又は振動ミル等で粉砕した後、水及び必要に応じ分散剤、バインダー等を添加し、粘度調整後、スプレードラヤーにて粒状化し、酸素濃度を制御し、1000〜1500℃の温度で1〜24時間保持し、本焼成を行う。仮焼後に粉砕する際は、水を加えて湿式ボールミルや湿式振動ミル等で粉砕しても良い。
上記のボールミルや振動ミル等の粉砕機は特に限定されないが、原料を効果的かつ均一に分散させるためには、使用するメディアに1mm以下の粒径を持つ微粒なビーズを使用することが好ましい。また使用するビーズの径、組成、粉砕時間を調整することによって、粉砕度合いをコントロールすることができる。
このようにして得られた焼成物を、粉砕し、分級する。分級方法としては、既存の風力分級、メッシュ濾過法、沈降法など用いて所望の粒径に粒度調整する。
その後、必要に応じて、表面を低温加熱することで酸化皮膜処理を施し、電気抵抗調整を行うことができる。酸化被膜処理は、一般的なロータリー式電気炉、バッチ式電気炉等を用い、例えば300〜700℃で熱処理を行うことができる。この処理によって形成された酸化被膜の厚さは、0.1nm〜5μmであることが好ましい。0.1nm未満であると、酸化被膜層の効果が小さく、5μmを超えると、磁化が低下したり、高抵抗になりすぎたりするため、所望の特性を得にくくなり好ましくない。また、必要に応じて、酸化被膜処理の前に還元を行っても良い。
このようにして得られた多孔質フェライト芯材にシリコーン樹脂を充填する方法としては、様々な方法が使用できる。その方法としては、例えば乾式法、流動床によるスプレードライ方式、ロータリードライ方式、万能撹拌機等による液浸乾燥法等が挙げられる。
加熱方式としては、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼き付けでもよい。温度は、充填する樹脂によって異なるが、充分硬化が進む温度まで上げることにより、衝撃に対して強い樹脂充填型フェライトキャリアを得ることができる。
また、シリコーン樹脂充填後のフェライトキャリアの表面に樹脂をさらに被覆する方法としては、公知の方法、例えば刷毛塗り法、乾式法、流動床によるスプレードライ方式、ロータリードライ方式、万能撹拌機による液浸乾燥法等により被覆することができる。被覆率を向上させるためには、流動床による方法が好ましい。被覆樹脂は上述した通りである。
シリコーン樹脂充填後のフェライトキャリアの表面に樹脂を被覆後、焼き付けする場合には、外部加熱方式又は内部加熱方式のいずれでもよく、例えば固定式又は流動式電気炉、ロータリー式電気炉、バーナー炉でもよく、もしくはマイクロウェーブによる焼き付けでもよい。UV硬化樹脂を用いる場合は、UV加熱器を用いる。焼き付けの温度は使用する樹脂により異なるが、融点又はガラス転移点以上の温度は必要であり、熱硬化性樹脂又は縮合架橋型樹脂等では、充分硬化が進む温度まで上げる必要がある。
<本発明に係る電子写真現像剤>
次に、本発明に係る電子写真現像剤について説明する。
本発明に係る電子写真現像剤は、上記した電子写真現像剤用樹脂充填型キャリアとトナーとからなるものである。
本発明の電子写真現像剤を構成するトナー粒子には、粉砕法によって製造される粉砕トナー粒子と、重合法により製造される重合トナー粒子とがある。本発明ではいずれの方法により得られたトナー粒子を使用することができる。
粉砕トナー粒子は、例えば、結着樹脂、荷電制御剤、着色剤をヘンシェルミキサー等の混合機で充分に混合し、次いで、二軸押出機等で溶融混練し、冷却後、粉砕、分級し、外添剤を添加後、ミキサー等で混合することにより得ることができる。
粉砕トナー粒子を構成する結着樹脂としては特に限定されるものではないが、ポリスチレン、クロロポリスチレン、スチレン−クロロスチレン共重合体、スチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、更にはロジン変性マレイン酸樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びポリウレタン樹脂等を挙げることができる。これらは単独又は混合して用いられる。
荷電制御剤としては、任意のものを用いることができる。例えば正荷電性トナー用としては、ニグロシン系染料及び4級アンモニウム塩等を挙げることができ、また、負荷電性トナー用としては、含金属モノアゾ染料等を挙げることができる。
着色剤(色剤)としては、従来より知られている染料、顔料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー、フタロシアニングリーン等を使用することができる。その他、トナーの流動性、耐凝集性向上のためのシリカ粉体、チタニア等のような外添剤をトナー粒子に応じて加えることができる。
重合トナー粒子は、懸濁重合法、乳化重合法、乳化凝集法、エステル伸長重合法、相転乳化法といった公知の方法で製造されるトナー粒子である。このような重合法トナー粒子は、例えば、界面活性剤を用いて着色剤を水中に分散させた着色分散液と、重合性単量体、界面活性剤及び重合開始剤を水性媒体中で混合攪拌し、重合性単量体を水性媒体中に乳化分散させて、攪拌、混合しながら重合させた後、塩析剤を加えて重合体粒子を塩析させる。塩析によって得られた粒子を、濾過、洗浄、乾燥させることにより、重合トナー粒子を得ることができる。その後、必要により乾燥されたトナー粒子に外添剤を添加する。
更に、この重合トナー粒子を製造するに際しては、重合性単量体、界面活性剤、重合開始剤、着色剤以外に、定着性改良剤、帯電制御剤を配合することができ、これらにより得られた重合トナー粒子の諸特性を制御、改善することができる。また、水性媒体への重合性単量体の分散性を改善するとともに、得られる重合体の分子量を調整するために連鎖移動剤を用いることができる。
上記重合トナー粒子の製造に使用される重合性単量体に特に限定はないが、例えば、スチレン及びその誘導体、エチレン、プロピレン等のエチレン不飽和モノオレフィン類、塩化ビニル等のハロゲン化ビニル類、酢酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエステル及びメタクリル酸ジエチルアミノエステル等のα−メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類等を挙げることができる。
上記重合トナー粒子の調製の際に使用される着色剤(色材)としては、従来から知られている染料、顔料が使用可能である。例えば、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントレッド、クロムイエロー及びフタロシアニングリーン等を使用することができる。また、これらの着色剤はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等を用いてその表面が改質されていてもよい。
上記重合トナー粒子の製造に使用される界面活性剤としては、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両イオン性界面活性剤及びノニオン系界面活性剤を使用することができる。
ここで、アニオン系界面活性剤としては、オレイン酸ナトリウム、ヒマシ油等の脂肪酸塩、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル硫酸エステル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩等を挙げることができる。また、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン、脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキシプロピレンブロックポリマー等を挙げることができる。更に、カチオン系界面活性剤としては、ラウリルアミンアセテート等のアルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロライド等の第4級アンモニウム塩等を挙げることができる。また、両イオン性界面活性剤としては、アミノカルボン酸塩、アルキルアミノ酸等を挙げることができる。
上記のような界面活性剤は、重合性単量体に対して、通常は0.01〜10重量%の範囲内の量で使用することができる。このような界面活性剤の使用量は、単量体の分散安定性に影響を与えるとともに、得られた重合トナー粒子の環境依存性にも影響を及ぼすことから、単量体の分散安定性が確保され、かつ重合トナー粒子の環境依存性に過度の影響を及ぼしにくい上記範囲内の量で使用することが好ましい。
重合トナー粒子の製造には、通常は重合開始剤を使用する。重合開始剤には、水溶性重合開始剤と油溶性重合開始剤とがあり、本発明ではいずれも使用することができる。本発明で使用することができる水溶性重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、水溶性パーオキサイド化合物を挙げることができ、また、油溶性重合開始剤としては、例えば、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系化合物、油溶性パーオキサイド化合物を挙げることができる。
また、本発明において連鎖移動剤を使用する場合には、この連鎖移動剤としては、例えば、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、tert−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類、四臭化炭素等を挙げることができる。
更に、本発明で使用する重合トナー粒子が、定着性改善剤を含む場合、この定着性改良剤としては、カルナバワックス等の天然ワックス、ポリプロピレン、ポリエチレン等のオレフィン系ワックス等を使用することができる。
また、本発明で使用する重合トナー粒子が、帯電制御剤を含有する場合、使用する帯電制御剤に特に制限はなく、ニグロシン系染料、4級アンモニウム塩、有機金属錯体、含金属モノアゾ染料等を使用することができる。
また、重合トナー粒子の流動性向上等のために使用される外添剤としては、シリカ、酸化チタン、チタン酸バリウム、フッ素樹脂微粒子、アクリル樹脂微粒子等を挙げることができ、これらは単独であるいは組み合わせて使用することができる。
更に、水性媒体から重合粒子を分離するために使用される塩析剤としては、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム等の金属塩を挙げることができる。
上記のようにして製造されたトナー粒子の平均粒径は、2〜15μm、好ましくは3〜10μmの範囲内にあり、重合トナー粒子の方が粉砕トナー粒子よりも、粒子の均一性が高い。トナー粒子が2μmよりも小さくなると、帯電能力が低下しカブリやトナー飛散を引き起こしやすく、15μmを超えると、画質が劣化する原因となる。
上記のように製造されたキャリアとトナーとを混合し、電子写真現像剤を得ることができる。キャリアとトナーの混合比、すなわちトナー濃度は、3〜15重量%に設定することが好ましい。3重量%未満であると所望の画像濃度が得にくく、15重量%を超えると、トナー飛散やかぶりが発生しやすくなる。
本発明に係る電子写真現像剤は、補給用現像剤として用いることもできる。この際のキャリアとトナーの混合比、即ちトナー濃度は100〜3000重量%に設定することが好ましい。
上記のように調製された本発明に係る電子写真現像剤は、有機光導電体層を有する潜像保持体に形成されている静電潜像を、バイアス電界を付与しながら、トナー及びキャリアを有する二成分現像剤の磁気ブラシによって反転現像する現像方式を用いたデジタル方式のコピー機、プリンター、FAX、印刷機等に使用することができる。また、磁気ブラシから静電潜像側に現像バイアスを印加する際に、DCバイアスにACバイアスを重畳する方法である交番電界を用いるフルカラー機等にも適用可能である。
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。
MnO:38mol%、MgO:11mol%、Fe:50.3mol%及びSrO:0.7mol%になるように原料を秤量し、乾式のメディアミル(振動ミル、1/8インチ径のステンレスビーズ)で4.5時間粉砕し、得られた粉砕物をローラーコンパクターにて、約1mm角のペレットにした。MnO原料としては四酸化三マンガンを、MgO原料としては水酸化マグネシウムを、SrO原料としては、炭酸ストロンチウムを用いた。このペレットを目開き3mmの振動篩にて粗粉を除去し、次いで目開き0.5mmの振動篩にて微粉を除去した後、ロータリー式電気炉で、1050℃で3時間加熱し、仮焼成を行った。次いで、乾式のメディアミル(振動ミル、1/8インチ径のステンレスビーズ)を用いて平均粒径が約4μmまで粉砕した後、水を加え、さらに湿式のメディアミル(縦型ビーズミル、1/16インチ径のステンレスビーズ)を用いて5時間粉砕した。このスラリーの粒径(粉砕の一次粒子径)をマイクロトラックにて測定した結果、D50は2.1μmであった。このスラリーに分散剤を適量添加し、適度な細孔容積をえるために、バインダーとしてPVA(20%溶液)を固形分に対して0.2重量%添加し、次いでスプレードライヤーにより造粒、乾燥し、得られた粒子(造粒物)の粒度調整を行い、その後、ロータリー式電気炉で、700℃で2時間加熱し、分散剤やバインダーといった有機成分の除去を行った。
その後、トンネル式電気炉にて、焼成温度1150℃、窒素ガス雰囲気下にて、5時間保持した。この時、昇温速度を150℃/時、冷却速度を110℃/時とした。その後、解砕し、さらに分級して粒度調整を行い、磁力選鉱により低磁力品を分別し、多孔質フェライト粒子の芯材を得た。この多孔質フェライト芯材の細孔容積は65mm/g、ピーク細孔径は1.21μm、細孔径のばらつきdvは0.57であった。
[室温硬化型のメチルシリコーン樹脂1の調製]
ベースポリマーとしてメチル基のみを官能基としてもつ重量平均分子量:19664のポリオルガノシロキサンを100重量部、架橋剤としてメチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シランを55重量部、希釈溶剤としてトルエンを620重量部準備し、全てを混合し、室温硬化型の架橋剤を有するメチルシリコーン樹脂溶液1を作成した(メチルシリコーン樹脂:ここで樹脂固形分は、ベースポリマー+架橋剤の重量とする。よって樹脂溶液濃度としては20%)。
次に、架橋剤を有するメチルシリコーン樹脂溶液1を40重量部(樹脂溶液濃度20%のため固形分としては8重量部)に、触媒として、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)を、樹脂固形分に対して25重量%(Ti原子換算で3重量%)加えたあと、アミノシランカップリング剤として3−アミノプロピルトリエトキシシシランを、樹脂固形分に対して5重量%添加し、充填樹脂溶液を得た。
この充填樹脂溶液を、上記多孔質フェライト芯材(粒子)100重量部と、60℃、6.7kPa(約50mmHg)の減圧下で混合撹拌し、トルエンを揮発させながら、樹脂を多孔質フェライト粒子の空隙に浸透、充填させた。容器内を常圧に戻し、常圧下で撹拌を続けながら、トルエンをほぼ完全に除去したのち、充填装置内から取り出し、容器に入れ、熱風加熱式のオーブンに入れ、220℃で2時間、加熱処理を行った。なお、ここで用いられるメチルシリコーン樹脂は室温硬化型の樹脂であるが、速やかな硬化を行うために、上記のように加熱硬化した。
その後、室温まで冷却し、樹脂が硬化されたフェライト粒子を取り出し、200Mの目開きの振動篩にて粒子の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除いた。その後、再度振動篩にて粗大粒子を取り除き樹脂が充填されたフェライトキャリア粒子を得た。
次に、固形のアクリル樹脂(製品名:BR−73、三菱レーヨン社製)を準備し、上記アクリル樹脂20重量部をトルエン80重量部に混合して、アクリル樹脂をトルエンに溶解させ、樹脂溶液を調製した。この樹脂溶液に、更に導電性制御剤子として、カーボンブラック(製品名:Mogul L、Cabot社製)をアクリル樹脂に対して3重量%添加し、被覆樹脂溶液を得た。
得られた樹脂が充填されたフェライトキャリア粒子を万能混合撹拌器に投入し、上記のアクリル樹脂溶液を添加して、液浸乾燥法により樹脂被覆を行った。この際、アクリル樹脂は、充填後粒子の重量に対して2重量%とした。被覆した後、145℃で2時間加熱を行ったのち、200Mの目開きの振動篩にて粒子の凝集を解し、磁力選鉱機を用いて、非磁性物を取り除いた。その後、再度振動篩にて粗大粒子を取り除き表面に樹脂被覆を施した樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
充填する架橋剤を有するメチルシリコーン樹脂溶液を45重量部(樹脂溶液濃度20%のため固形分としては9重量部)とし、アミノシランカップリング剤として3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシランを、架橋剤を有するメチルシリコーン樹脂溶液の固形分に対して20重量%添加した以外は、実施例1と同様にして、表面に樹脂被覆を施した樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
[室温硬化型のメチルシリコーン樹脂2の調製]
ベースポリマーとしてメチル基のみを官能基としてもつ重量平均分子量:4940のポリオルガノシロキサンを100重量部、架橋剤としてメチルトリス(メチルエチルケトオキシム)シランを55重量部、希釈溶剤としてトルエンを620重量部準備し、全てを混合し、室温硬化型の架橋剤を有するメチルシリコーン樹脂溶液2を作成した(メチルシリコーン樹脂2:ここで樹脂固形分は、ベースポリマー+架橋剤の重量とする。よって樹脂溶液濃度としては20%)。
その後、架橋剤を有するメチルシリコーン樹脂溶液2を35重量部(樹脂溶液濃度20%のため固形分としては7重量部)に、触媒として、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)を、樹脂固形分に対して25重量%(Ti原子換算で3重量%)加えたあと、アミノシランカップリング剤として3−アミノプロピルトリエトキシシシランを、樹脂固形分に対して5重量%添加し、充填樹脂溶液を得た以外は、実施例1と同様にして表面に樹脂被覆を施した樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
[参考例1]
充填する架橋剤を有するメチルシリコーン樹脂溶液1を45重量部(樹脂溶液濃度20%のため固形分としては9重量部)とし、アミノシランカップリング剤として3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシランを、架橋剤を有するメチルシリコーン樹脂溶液の固形分に対して10重量%添加した以外は、実施例1と同様にして、表面に樹脂被覆を施した樹脂充填型フェライトキャリアを得た。
比較例
[比較例1]
[加熱硬化型のメチルフェニルシリコーン樹脂の調製]
ベースポリマーとしてフェニル基とメチル基を官能基としてもつ(フェニル/メチルのモル比が0.63)、重量平均分子量:5429のポリオルガノシロキサンを100重量部、希釈溶剤としてトルエンを400重量部準備して、混合し、加熱硬化型のメチルフェニルシリコーン樹脂溶液を作成した(メチルフェニルシリコーン樹脂1:ここで樹脂固形分は、ベースポリマーの重量とし、樹脂溶液濃度としては20重量%)。
その後、メチルフェニルシリコーン樹脂溶液を40重量部(樹脂溶液濃度20%のため固形分としては8重量部)に、アミノシランカップリング剤として3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシランを、樹脂固形分に対して10重量%添加して充填樹脂溶液を得た以外は、実施例1と同様にして表面に樹脂被覆を施した樹脂充填型キャリアを得た。
実施例1〜3、参考例1及び比較例1で用いた充填樹脂の詳細(種類、硬化形態、架橋剤の種類、重量平均分子量、多孔質フェライト芯材100重量部に対する充填量)、触媒の種類、アミノシランカップリング剤の種類及び樹脂固形分100重量部に対する含有量を表1に示す。
また、実施例1〜3、参考例1及び比較例1で得られた樹脂充填型フェライトキャリアのTOF−SIMSのN強度(N10及びN50)、帯電量(初期及び耐久後)、帯電量変化率、体積平均粒径、見掛け密度、真密度及び飽和磁化を測定すると共に、帯電変動特性を評価し、それらの結果を表2に示す。また、実施例1〜2と比較例1のN強度比と膜厚との関係を示すグラフを図1に示す。帯電量(初期及び耐久後)及び帯電量変化率の測定方法は下記の通りである。その他の測定方法は、上述の通りである。また、帯電変動特性の評価は下記に基づいて行った。
(帯電量)
帯電量は、キャリアとトナーとの混合物を、吸引式帯電量測定装置(Epping q/m−meter、PES−Laboratoriumu社製)により測定し求めた。トナーはフルカラープリンターに使用されている市販の負極性トナー(シアントナー、富士ゼロックス株式会社製DocuPrintC3530用;平均粒径約5.8μm)を用い、現像剤量を10g、トナー濃度を10重量%に調整した。このように調製した現像剤を50ccのガラス瓶に入れ、そのガラス瓶を直径130mm、高さ200mmの円柱のホルダーに収納、固定し、株式会社シンマルエンタープライズ社製のターブラーミキサーにて、5分攪拌し、635Mの網を用いて、帯電量を測定し、初期帯電量とした。
(耐久試験)
上述したトナーと同じ市販の負極性トナー(シアントナー、富士ゼロックス株式会社製DocuPrintC3530用;平均粒径約5.8μm)を用い、現像剤量を10g、トナー濃度を10重量%に調整し、50ccのガラス瓶に入れ、そのガラス瓶を浅田鉄工株式会社製のペイントシェーカーにて、1時間攪拌した。攪拌終了後、現像剤を取り出し、635Mの網を用いて、トナーを吸引し、キャリアのみを取り出した。得られたキャリアを全量使用し、再度、同条件にて、計10回繰り返しを行った。10回目の撹拌が終了し、得られたキャリアを、上述した帯電量の測定方法にて、帯電量を測定し、耐久後の帯電量とした。
そして、下記式により、帯電量変化率を算出し、帯電変動特性とした。
(帯電量変化率)
そして、得られた初期帯電量と耐久後帯電量から下記式により帯電量変化率を算出した。
Figure 0006021049
(帯電変動特性の評価基準)
帯電変動特性の評価基準は下記の通りである。
◎:90%以上110%未満
○:80%以上90%未満、110%以上130%未満
△:70%以上80%未満、130%以上150%未満
×:70%未満、150%以上
Figure 0006021049
Figure 0006021049
表2に示した結果から明らかなように、実施例1〜に示した樹脂充填型フェライトキャリアは、TOF−SIMSのN強度において良好な強度(N10、N50)を示し、また帯電量の耐久試験において初期から安定した帯電性能を保っていることから、実際の使用においても、耐刷時の帯電特性は安定化し、トナー飛散やカブリといった画像欠陥のない良好な画像品質が安定的に得られることが容易に想定される。
これに対して、比較例1の樹脂充填型フェライトキャリアは、TOF−SIMSのN強度において低い強度(N10、N50)を示し、耐久試験において急激な帯電量低下を示している。従って、比較例1で得られた樹脂充填型フェライトキャリアを実際に使用した場合、耐刷時での帯電変動が発生し、トナー飛散やカブリといった画像欠陥を助長し、良好な画像品質を安定的に維持できないことが容易に想定される。
本発明に係る電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアは、樹脂充填型フェライトキャリアであるため、真密度が軽くなり長寿命化が達成でき、流動性に優れ、帯電量等の制御が容易にでき、しかも磁性粉分散型キャリアに比して高強度であり、また熱や衝撃による割れ、変形、溶融がない。また、特定のシリコーン樹脂とアミノシランカップリング剤を用い、充填樹脂中のN原子の分布を制御されることによって、良好な強度を有し、しかも、帯電量の経時劣化が少なく耐久性に優れる。
従って、本発明は、高画質の要求されるフルカラー機並びに画像維持の信頼性及び耐久性の要求される高速機等の分野に広く使用可能である。

Claims (10)

  1. 多孔質フェライト芯材の空隙に樹脂が充填されている電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリアであって、
    該充填樹脂は、室温硬化型のメチルシリコーン樹脂、アミノシランカップリング剤及び架橋剤が縮合した樹脂であり、かつ該充填樹脂の表面を二次イオン質量分析装置(TOF−SIMS)で測定した際に、N原子の強度が、下記式(1)で表されることを特徴とする電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア。
    Figure 0006021049
  2. 上記充填樹脂は、上記室温硬化型のメチルシリコーン樹脂100重量部の固形分に対して、上記アミノシランカップリング剤を2〜30重量部含有する請求項1に記載の電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア。
  3. 上記メチルシリコーン樹脂のゲルパーミテーションクロマトグラフィーによる重量平均分子量が4000〜30000である請求項1又は2に記載の電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア。
  4. 上記多孔質フェライト芯材の細孔容積が40〜160mm/g、ピーク細孔径が0.3〜2.0μmであり、細孔径分布において、下記式(2)で表される細孔径のばらつきdvが1.5以下である請求項1〜3のいずれかに記載の電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア。
    Figure 0006021049
  5. 上記多孔質フェライト芯材100重量部に対して、上記メチルシリコーン樹脂の充填量が5〜20重量部である請求項1〜4のいずれかに記載の電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア。
  6. 被覆樹脂により表面が被覆されている請求項1〜5のいずれかに記載の電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア。
  7. 上記被覆樹脂の被覆量が、上記充填樹脂が充填されているフェライトキャリア100重量部に対して、0.1〜5.0重量部である請求項6に記載の電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア。
  8. 体積平均粒径が20〜50μm、飽和磁化が30〜80Am/kg、真密度が2.5〜4.5g/cm、見掛け密度が1.0〜2.2g/cmである請求項1〜7のいずれかに記載の電子写真現像剤用樹脂充填型フェライトキャリア。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の樹脂充填型フェライトキャリアとトナーとからなる電子写真現像剤。
  10. 補給用現像剤として用いられる請求項9に記載の電子写真現像剤。
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