JP6020269B2 - エレベータ装置 - Google Patents
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Description
しかし、ガイドレールは、据付時の誤差や経年変化などによってたわみや段差が発生するため、昇降体の昇降時に振動や騒音が発生し、乗り心地の悪化を招くという問題がある。
そこで、この問題を解決するために、ガイド装置をアクティブ制御する装置が考えられている。
図において、101はエレベータの乗かご、102は防振ゴム103,振れ止めゴム104を介して乗かご101を弾性支持するかご枠である。105はかご枠102の上枠,下枠のそれぞれ左右に取り付けられたガイド装置であり、昇降路に立設された一対のガイドレール120に沿って乗かご101の昇降をガイドするものである。
図6はY方向センサ111Rが角度θだけ傾いた場合の例を示す図である。ここで、Z方向下方にZ1の加速度がかかると、Y方向センサ111Rは、一方向にZ1sinθの加速度がかかったと認識することになる。従って、Z方向の加速度がY方向の加速度検出に影響を与えることになる。これはX方向についても同じである。
ラインA上にX方向の加速度を検出するX方向センサ110を設置し、また、ラインA上で、ラインBを中心に対称の位置にY方向の加速度を検出するY方向センサ111Rと111Lを設置する。
この2つのY方向センサ111Rと111Lにより、Y方向の加速度及び矢印で示す水平面上での乗かご101の回転を検出可能としている。
Y方向センサ111Lによって検出した加速度の信号は、アクチュエータ20YL,30YLの制御装置(図示省略)に送られて、ローラ21YL,31YLとガイドレール120の案内部121との当接具合が調整される。
Y方向センサ111Rによって検出した加速度の信号は、アクチュエータ20YR,30YRの制御装置(図示省略)に送られて、ローラ21YR,31YRとガイドレール120の案内部121との当接具合が調整される。
前記図1のセンサの配置は、従来の図5のセンサの配置に類似しているが、振動抑制効果をより向上させるため、本実施の形態では従来よりも厳密に配置位置を特定している。
本実施の形態は、図7(b)の実線で示されるY方向センサ111Rによって検出した加速度は、比較的短時間のうちに「正」「負」を繰り返すY方向の加速度と、破線で示される緩やかに変化するZ方向加速度とが重畳されている点に鑑み、図7(b)の波形からZ方向の加速度成分を除去することにより、正確なY方向加速度を検出するものである。これはX方向センサ110,Y方向センサ111Lの場合も同じであるが、以下ではY方向センサ111Rで説明する。
図7(b)に示すように、Y方向加速度は、短時間のうちに「正」「負」を繰り返すため、比較的短時間であってもY方向の加速度を平均するとほぼゼロになる。これに対して、図7(a)又は図7(b)の破線で示されるように、Z方向の加速度は、その変化が遅いので、短時間で加速度を平均しても、元の波形がほぼそのまま残ることになる。
このようにして抽出されたZ方向の加速度を前記図7(b)の加速度から引くと、Y方向の加速度のみが残ることになり、より正確なY方向加速度を検出することができる。
Y方向センサ111Rから得られた加速度信号bを、加速度平均演算器4によって、現在より所定時間遡った期間(例えば過去2秒間)の加速度の平均を演算し、減算器5により加速度信号bから減算し、ハイパスフィルタ1,積分器2,比例ゲイン3を経由してアクチュエータの制御装置へ送る。
例えば図7(c)の5秒付近や27秒付近では、加速度平均演算器4の出力cが図7(b)の破線(Z方向の加速度成分)よりも若干遅れているため、図7(d) の5秒付近や27秒付近に若干の波形の乱れが残る。しかし補正以前の波形(図7(b))に比べる、図7(b)に破線で示したZ方向の加速度の影響は、大幅に改善されていることがわかる。
例えば、図7(b)で示すY方向加速度の振動数が2Hzであるとすると、1サイクル分、即ち0.5秒間の加速度を演算すればY方向加速度の平均値は0に近くなり、Z方向の加速度の影響だけが残ることになるが、Y方向加速度の振動数は常に一定ではなく、変動したり、エレベータによって相違するので、0.5秒間のような短い時間ではY方向の加速度の成分をゼロにするのは困難なため、Z方向の加速度の影響を十分に抽出することができない。
そのため、現実的な値としては、所定時間は2〜6秒間程度が望ましい。しかしながら個々のエレベータによって状況は異なるため、状況に応じて適当な時間を選択すればよい。
また、本実施の形態では加速度の検出は0.1秒毎の検出としているが、0.1秒に限ることはなく、エレベータの状況に応じて適当な時間を選択すればよい。
以上の説明では、Y方向センサ111Rについて説明したが、Y方向センサ111LやX方向センサ110の場合も同じである。
2 積分器
3 比例ゲイン
4 加速度平均演算器
10XL、10XR、20YL、20YR、30YL、30YR アクチュエータ
11XL、11XR、21YL、21YR、31YL、31YR ローラ
101 乗かご
102 かご枠
105 ガイド装置
110 X方向センサ
111L、111R Y方向センサ
120 ガイドレール
121 案内部
Claims (3)
- 昇降路に設置されたガイドレールに沿って昇降する昇降体と、
この昇降体の水平方向の振動による加速度を検出するセンサと、
前記センサの出力信号を入力してそれに対応する制御信号を出力する制御手段とを備えたものにおいて、
前記センサの出力信号を、現在から所定時間遡った間の平均値を演算する手段を有し、
前記センサの出力から、前記演算する手段の出力を引いた値に対応する制御信号を出力する構成とすることにより、上下方向の加速度による、水平方向の加速度検出への影響を低減したことを特徴とするエレベータ装置。 - 前記センサは、一対の前記ガイドレールを結ぶ水平線上であって、前記昇降体の中心から前記ガイドレール寄りにそれぞれ配置され、前記一対のガイドレールを結ぶ水平線の直角方向の振動による加速度を検出するY方向センサと、
前記一対のガイドレールを結ぶ水平線上に配置され、前記一対のガイドレールを結ぶ水平線の方向の振動による加速度を検出するX方向センサであることを特徴とする請求項1に記載のエレベータ装置。 - 前記所定時間は、2〜6秒であることを特徴とする請求項1又は2に記載のエレベータ装置。
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