JP6019695B2 - 希土類永久磁石の製造方法 - Google Patents

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本発明は、金属間化合物と希土類酸化物を混合して塗布した磁石体に拡散のための熱処理を施すことで、焼結磁石体の残留磁束密度の低減を抑制しながら保磁力を増大させたR−Fe−B系永久磁石及びその製造方法に関する。
Nd−Fe−B系永久磁石は、その優れた磁気特性のために、ますます用途が広がってきている。近年、環境問題への対応から、家電をはじめ、産業機器、電気自動車、風力発電へ磁石の応用が広がったことに伴い、Nd−Fe−B系磁石の高性能化が要求されている。
磁石の性能の指標として、残留磁束密度と保磁力の大きさを挙げることができる。Nd−Fe−B系焼結磁石の残留磁束密度増大は、Nd2Fe14B化合物の体積率増大と結晶配向度向上により達成され、これまでに種々の改善が行われてきている。保磁力の増大に関しては、結晶粒の微細化を図る、Nd量を増やした組成合金を用いる、あるいはAl、Gaなど高保磁力化の効果のある元素を添加する等があるが、現在最も一般的な方法はDyやTbでNdの一部を置換した組成合金を用いることである。
Nd−Fe−B磁石の保磁力機構はニュークリエーションタイプであり、結晶粒界面での逆磁区の核生成が保磁力を支配するといわれている。一般に、結晶粒の界面では、結晶構造の乱れが生じるが、磁石の主相であるNd2Fe14B化合物結晶粒の界面近傍では、深さ方向に数nm程度の結晶構造の乱れがあると結晶磁気異方性の低下を引き起こし、逆磁区の生成を助長して保磁力を低下させる(非特許文献1)。Nd2Fe14B化合物のNdをDyやTb元素で置換することで、化合物相の異方性磁界は増大するため、保磁力を増大することができる。しかし、通常の方法でDyやTbを添加した場合、主相の界面近傍だけでなく、主相の内部までDyやTbで置換されるため、残留磁束密度の低下が避けられない。更に、高価なTbやDyを多く使用しなければならないという問題があった。
これに対し、Nd−Fe−B磁石の保磁力を増大させるため、これまでにも様々な試みが行われている。例えば、2種類の組成の異なった合金粉体を混合、焼結してNd−Fe−B磁石を製造することもその1つである(2合金法)。即ち、R2Fe14B主相(ここで、RはNd、Prを主体とする)からなる合金Aの粉末と、DyやTbをはじめとする種々の添加元素(Dy、Tb、Ho、Er、Al、Ti、V、Mo等)を含む合金Bの粉末を混合した後、微粉砕、磁界中成形、焼結、時効処理を経て、Nd−Fe−B磁石を作製する。得られた焼結磁石は、R2Fe14B化合物主相結晶粒の中心部にDyやTbを含まず、結晶粒の粒界部近傍にDy、Tb等の添加元素が偏在することで、残留磁束密度の低下を抑制しつつ、高い保磁力を得ることができる(特許文献1,2)。しかしこの方法では、焼結中にDyやTbが主相粒内部に拡散していくため、粒界部近傍のDy,Tbが偏在する厚みは1μm程度以上となり、逆磁区の核生成を生じる深さに比べて著しく厚くなってしまい、その効果はまだ十分とはいえない。
最近、特定の元素をR−Fe−B焼結体の表面から内部へ拡散させて特性を向上させる手段がいくつか開発されている。例えば、蒸着やスパッタリング法を用いて、Nd−Fe−B磁石表面にYb、Dy、Pr、Tb等の希土類金属やAl、Ta等を成膜した後、熱処理を行う方法や(特許文献3〜5、非特許文献2,3)、焼結体表面にフッ化物や酸化物等の希土類無機化合物粉末を塗布した後、熱処理を施す方法等である(特許文献6)。これらの手法を用いると、例えば焼結体表面に設置されたDyやTb等の元素は、熱処理によって焼結体組織の粒界部を経路として焼結体の内部まで拡散していく。
これにより、DyやTbを粒界部や焼結体主相粒内の粒界部近傍に極めて高濃度に濃化させることが可能であり、前述の2合金法の場合と比べてより理想的な組織形態となる。磁石特性もこの組織形態を反映して、残留磁束密度の低下抑制と高保磁力化が更に顕著に発現する。しかし、特に蒸着やスパッタリング法を用いる方法は、設備や工程等の観点から量産するには問題点が多く、生産性が悪いという欠点があった。
上記の方法以外にも、焼結体表面にフッ化物や酸化物等の希土類無機化合物粉末を塗布した後、熱処理を施す方法(特許文献6)や、Al、Cu、Zn粉とフッ化物を混合し磁石に塗布した後、熱処理を施す方法(特許文献8)が開示されている。この方法では、非金属系無機化合物粉末を水に分散させ、そこに磁石を浸して乾燥させるというスパッタや蒸着と比較して極めて簡便なコーティング工程であり、熱処理時にワークを大量に充填しても磁石同士が溶着することがないなど生産性が高いことが特徴に挙げられる。しかし、DyやTbは粉末と磁石成分との置換反応により拡散するためにそれらを多量に磁石内に導入することは困難であるという欠点があった。
更に、DyやTbの酸化物やフッ化物にカルシウム又は水酸化カルシウム粉末を混合して磁石に塗布する方法(特許文献7)も開示されている。この方法では、カルシウム還元反応を利用して熱処理時にDyやTbを還元させてから拡散させている。DyやTbを多量に導入するという観点からは優れた手法であるといえるが、カルシウムあるいは水素化カルシウム粉末の取り扱いが容易ではなく、生産性がよいとはいえない。
焼結体表面にフッ化物や酸化物等の希土類無機化合物粉末を塗布する替わりに金属合金を塗布し、熱処理を施す方法等がある(特許文献9〜13)。これらの金属合金のみを塗布する方法では、金属合金を磁石表面に多量にかつ均一に塗布するのが難しいという欠点がある。特許文献14,15ではDy及び又はTbを含む金属粉末を母合金に拡散させているが、母合金の酸素濃度を0.5質量%以下に規定し、インパクトメディアを容器の中で振動攪拌させるバレルペインティング法によって希土類を含む金属粉を母合金に密着させて拡散を行っている。この方法だと本特許の金属間化合物と希土類酸化物の混合粉を溶媒中に分散して母合金磁石に塗布する方法と比べて工程数が多く、時間もかかるため工業化上有用ではない。
特許第1820677号公報 特許第3143156号公報 特開2004−296973号公報 特許第3897724号公報 特開2005−11973号公報 特許第4450239号公報 特許第4548673号公報 特開2007−287874号公報 特許第4656323号公報 特許第4482769号公報 特開2008−263179号公報 特開2009−289994号公報 特開2010−238712号公報 WO2008/032426 WO2008/139690
K.−D.Durst and H.Kronmuller,"THE CORCIVE FIELD OF SINTERED AND MELT−SPUN Nd−Fe−B MAGNETS",Journal of Magnetism and Magnetic Materials 68(1987)63−75 K.T.Park,K.Hiraga and M.Sagawa,"Effect of Metal−Coating and Consecutive Heat Treatment on Coercivity of Thin Nd−Fe−B Sintered Magnets",Proceedings of the Sixteenth International Workshop on Rare−Earth Magnets and Their Applications,Sendai,p.257(2000) 町田憲一、川嵜尚志、鈴木俊治、伊東正浩、堀川高志、"Nd−Fe−B系焼結磁石の粒界改質と磁気特性"、粉体粉末冶金協会講演概要集平成16年度春季大会、p.202
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みなされたもので、焼結磁石体上に塗布、拡散処理する材料に金属間化合物を主体とする合金粉末と希土類の酸化物の混合粉体を用いることによって、生産性に優れ、高性能で、かつTbあるいはDyの使用量が少なく、残留磁束密度の低減を抑制しながら保磁力を増大させたR−Fe−B系焼結磁石及びその製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、かかる課題を解決するために、R−Fe−B系焼結体の表面に、生産性の観点から最も優れている希土類酸化物の塗布に対し、拡散量を増大させるべく創意工夫した結果、DyやTb等の希土類を含有した酸化物に金属間化合物又は金属の粉末を混合させることで熱処理時に酸化物が部分的に還元され、フッ化物や酸化物等の希土類無機化合物粉末を塗布した後に熱処理を施す方法と比較して、より多量のDyやTbを粒界部を経路として磁石内の主相粒の界面近傍に導入することが可能であることを見出し、残留磁束密度の低下を抑制しつつ保磁力を増大できることを見出し、従来の方法に比べて生産性に優れると共に、この発明を完成したものである。
即ち、生産性の観点から最も優れている酸化物の塗布に対し、拡散量を増大させるべく創意工夫した結果、DyやTb等の希土類を含有した酸化物に金属間化合物、又は金属粉を混合させることで熱処理時に酸化物が部分的に還元され、フッ化物や酸化物等の希土類無機化合物粉末を塗布した後に熱処理を施す方法と比較して、より多量のDyやTbを磁石内に導入することが可能であることを見出し、本発明に至った。
即ち、本発明は、以下の希土類永久磁石及びその製造方法を提供する。
請求項1:
組成Ra1 bcd(RはY及びScを含む希土類元素から選ばれる1種又は2種以上、T1はFe及びCoのうちの1種又は2種、MはAl、Si、C、P、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Pb、Biから選ばれる1種又は2種以上、Bはほう素、a、b、c、dは原子百分率を示し、12≦a≦20、0≦c≦10、4.0≦d≦7.0、bは残部で、a+b+c+d=100)からなる焼結磁石体に対し、組成M1 d2 e(M1、M2はAl、Si、C、P、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Pb、Biから選ばれる1種又は2種以上であるが、M1とM2とは互いに相違する。d、eは原子百分率を示し、0.1≦e≦99.9、dは残部で、d+e=100)からなり、かつ金属間化合物相を70体積%以上含む平均粒子径500μm以下の合金の粉末と、平均粒子径が100μm以下のR1の酸化物(R1はSc及びYを含む希土類元素から選ばれる1種又は2種以上)の粉末とを混合した混合粉体であって、当該酸化物粉末の含有量が混合粉体全体の10質量%以上である混合粉体を上記焼結磁石体の表面に存在させた状態で、当該焼結磁石体及び当該混合粉体を当該焼結磁石体の焼結温度以下の温度で真空又は不活性ガス中において熱処理を施すことにより、R1、M1、M2の1種又は2種以上の元素を上記焼結磁石体の内部の粒界部、及び/又は、焼結磁石体主相粒内の粒界部近傍に拡散させることを特徴とする希土類永久磁石の製造方法。
請求項2:
組成Ra1 bcd(RはY及びScを含む希土類元素から選ばれる1種又は2種以上、T1はFe及びCoのうちの1種又は2種、MはAl、Si、C、P、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Pb、Biから選ばれる1種又は2種以上、Bはほう素で、a、b、c、dは原子百分率を示し、12≦a≦20、0≦c≦10、4.0≦d≦7.0、bは残部でa+b+c+d=100)からなる焼結磁石体に対し、平均粒子径500μm以下のM1の粉末(M1はAl、Si、C、P、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Pb、Biから選ばれる1種又は2種以上)と、平均粒子径が100μm以下のR1の酸化物(R1はSc及びYを含む希土類元素から選ばれる1種又は2種以上)の粉末とを混合した混合粉体であって、当該酸化物粉末の含有量が混合粉体全体の10質量%以上である混合粉体を上記焼結磁石体の表面に存在させた状態で、当該焼結磁石体及び当該混合粉体を当該焼結磁石体の焼結温度以下の温度で真空又は不活性ガス中において熱処理を施すことにより、R1、M1の1種又は2種以上の元素を上記焼結磁石体の内部の粒界部、及び/又は、焼結磁石体主相粒内の粒界部近傍に拡散させることを特徴とする希土類永久磁石の製造方法。
請求項3:
熱処理を、焼結磁石体の焼結温度TS℃に対し(TS−10)℃以下200℃以上の温度で1分〜30時間とすることを特徴とする請求項1又は2記載の希土類永久磁石の製造方法。
請求項4:
混合粉体を有機溶媒もしくは水中に分散させたスラリーに焼結磁石体を浸してから引き上げた後乾燥させることで混合粉体を焼結磁石体表面に塗布し、熱処理を施すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の希土類永久磁石の製造方法。
請求項5:
熱処理される焼結磁石体の最小部の寸法が20mm以下の形状を有する請求項1乃至4のいずれか1項記載の希土類永久磁石の製造方法。
本発明によれば、R−Fe−B系焼結磁石体の表面に、生産性の観点から最も優れている希土類酸化物の塗布に対し、拡散量を増大させるべく創意工夫した結果、DyやTb等の希土類元素を含有した酸化物に金属間化合物を混合させることで、熱処理時に酸化物が部分的に還元され、フッ化物や酸化物等の希土類無機化合物粉末を塗布した後に熱処理を施す方法と比較して、より多量のDyやTb等の希土類元素を粒界部を経路として磁石内の主相粒の界面近傍に導入することが可能で、残留磁束密度の低下を抑制しつつ保磁力を増大でき、従来の方法に比べて生産性に優れると共に、高性能で、かつTbあるいはDyの使用量の少ない、残留磁束密度の低減を抑制しながら保磁力を増大させたR−Fe−B系焼結磁石を提供することができる。
本発明は、焼結磁石体上に金属間化合物を主体とする合金粉末と希土類の酸化物の混合粉体又は金属粉末と希土類の酸化物の混合粉体を塗布して拡散処理を施すことによって得られる、高性能で、かつTbあるいはDyの使用量の少ない、R−Fe−B系焼結磁石及びその製造方法に関するものである。
本発明において、母材となるRa1 bcd焼結磁石体において、RはSc及びYを含む希土類元素から選ばれる1種又は2種以上で、具体的にはSc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Yb及びLuが挙げられ、好ましくはNd及び/又はPrを主体とする。これらSc及びYを含む希土類元素は、焼結体全体の12〜20原子%(12≦a≦20)、特に、13〜18原子%(13≦a≦18)であることが好ましい。この場合、Nd、Prは希土類全体の50〜100原子%、特に70〜100原子%であることが好ましい。T1はFe、Coのうちの1種又は2種である。MはAl、Si、C、P、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Pb、Biから選ばれる1種又は2種以上で焼結体全体の0〜10原子%(0≦c≦10)、特に、0〜5原子%(0≦c≦5)が好ましい。Bはボロン元素であり、焼結体全体の4〜7原子%(4≦d≦7)が好ましい。特に5〜6原子%(5≦d≦6)のときは、拡散処理による保磁力の向上が大きい。なお、残部はT1であるが、60〜84原子%(60≦b≦84)、特に、70〜82原子%(70≦b≦82)であることが好ましい(なおa+b+c+d=100である)。
焼結磁石体母材作製用の合金は、原料金属あるいは合金を真空又は不活性ガス、好ましくはAr雰囲気中で溶解したのち、平型やブックモールドに鋳込む、あるいはストリップキャスト法により鋳造することで得られる。また、本系合金の主相であるR2Fe14B化合物組成に近い合金と焼結温度で補助助剤となる希土類に富む合金とを別々に作製し、粗粉砕後に秤量混合する、いわゆる2合金法も本発明には適用可能である。但し、主相組成に近い合金に対しては、鋳造時の冷却速度や合金組成に依存して初晶のα−Feが残存し易く、R2Fe14B化合物相の量を増やす目的で必要に応じて均質化処理を施す。その条件は真空あるいはAr雰囲気中にて700〜1,200℃で1時間以上熱処理する。又は、ストリップキャスト法により主相組成に近い合金を作ることもできる。液相助剤となる希土類に富む合金については上記鋳造法のほかに、いわゆる液体急冷法や、ストリップキャスト法も適用できる。
上記合金は、通常0.05〜3mm、特に0.05〜1.5mmに粗粉砕される。粗粉砕工程にはブラウンミルあるいは水素粉砕が用いられ、ストリップキャストにより作製された合金の場合は水素粉砕が好ましい。粗粉は、例えば高圧窒素を用いたジェットミルにより通常0.2〜30μm、特に0.5〜20μmに微粉砕される。
微粉末は磁界中圧縮成形機で成形され、焼結炉に投入される。焼結は真空又は不活性ガス雰囲気中、通常900〜1,250℃、特に1,000〜1,100℃で行われる。得られた焼結磁石体は、正方晶R2Fe14B化合物を主相として60〜99体積%、特に好ましくは80〜98体積%含有し、残部は0.5〜20体積%の希土類に富む相、0.1〜10体積%の希土類の酸化物及び不可避的不純物により生成した炭化物、窒化物、水酸化物のうち少なくとも1種あるいはこれらの混合物又は複合物を含む。
得られた焼結磁石体ブロックは所定形状に研削加工することができる。本発明において焼結磁石体内部に拡散するM1、M2及びR1は焼結磁石体表面より供給されるため、焼結磁石体母材の最小部の寸法が大きすぎる場合、本発明の効果を達成できなくなる。そのため、最小部の寸法が20mm以下、好ましくは10mm以下、その下限は0.1mm以上であることが求められる。また、特に焼結磁石体母材の最大部の寸法に上限はないが、200mm以下が望ましい。
次いで、焼結磁石体母材上に塗布して拡散処理させる材料としては、M1 d2 eの組成からなり、かつ金属間化合物相を70体積%以上含む平均粒子径500μm以下の合金(以後、この合金を拡散合金と称する)粉末又は平均粒子径500μm以下の 1 金属粉末と平均粒子径が100μm以下のR1の酸化物(R1はSc及びYを含む希土類元素から選ばれる1種又は2種以上)の粉末とを混合した混合粉体で該酸化物粉末の含有量が混合粉体全体の10質量%以上である混合粉体が用いられ、この混合粉体を当該焼結磁石体の表面に存在させた状態で、当該焼結磁石体及び当該混合粉体を当該焼結磁石体の焼結温度以下の温度で真空又は不活性ガス中において熱処理を施すことにより、希土類酸化物に金属間化合物又は金属粉末を混合させることで酸化物を部分的に還元し、従来より多量のM1、M2及びR1の1種又は2種以上の元素を上記焼結磁石体の内部の粒界部、及び/又は、焼結磁石体主相粒内の粒界部近傍に拡散させることができる。
ここで、M1 d2 e合金において、M1、M2はAl、Si、C、P、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Pb、Biから選ばれる1種又は2種以上であるが、M1とM2とは互いに相違する。M1 d2 e合金においてd、eは原子百分率を示し、0.1≦e≦99.9、好ましくは10≦e≦90、さらに好ましくは20≦e≦80であり、dは残部である。
また、M1の金属粉においては、M1はAl、Si、C、P、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Pb、Biから選ばれる1種又は2種以上である。
これらの拡散合金は、窒素(N)、酸素(O)等の不可避的な不純物も含み得るが、許容量は合計量で4原子%以下、好ましくは2原子%以下、更に好ましくは1原子%以下である。
前記M1 d2 eで表される金属間化合物相を70体積%以上含む拡散合金は、焼結磁石体母材作製用の合金と同じく、原料金属あるいは合金を真空又は不活性ガス、好ましくはAr雰囲気中で溶解したのち、平型やブックモールドに鋳込む、あるいは高周波溶解法、ストリップキャスト法により鋳造することで得られる。この合金はブラウンミルや水素粉砕等の手段を用いて通常0.05〜3mm、特に0.05〜1.5mm程度に粗粉砕された後、更に例えばボールミル、振動ミルや高圧窒素を用いたジェットミルにより微粉砕される。この粉末の粒径は小さいほど拡散効率が高くなるので、M1 d2 eで表される金属間化合物相は、その平均粒子径は500μm以下、好ましくは300μm以下、更に好ましくは100μm以下であることが好ましい。しかし、粒径が細かすぎる場合は、表面酸化の影響が大きく、取り扱いも危険となるので、その平均粒子径の下限は、1μm以上であることが好ましい。なお、本発明において、平均粒子径は、例えばレーザー回折法等による粒度分布測定装置等を用いて質量平均値D50(即ち、累積質量が50%になるときの粒子径又はメジアン径)等として求めることができる。
また、前記M1で表される金属粉は金属塊をジョークラッシャーやブラウンミル等の手段を用いて通常0.05〜3mm、特に0.05〜1.5mm程度に粗粉砕された後、更に例えばボールミル、振動ミルや高圧窒素を用いたジェットミルによって微粉砕することができる。あるいは金属溶湯を小孔より噴出させて高圧ガスにより霧状にするアトマイズ法により微粉砕することもできる。M1の金属粉の平均粒子径は500μm以下、好ましくは300μm以下、更に好ましくは100μm以下であることが好ましい。しかし、粒径が細かすぎる場合は、表面酸化の影響が大きく、取り扱いも危険となるので、その平均粒子径の下限は、1μm以上であることが好ましい。なお、本発明において、平均粒子径は、例えばレーザー回折法などによる粒度分布測定装置等を用いて質量平均値D50(即ち、累積質量が50%になるときの粒子径又はメジアン径)などとして求めることができる。
一方、R1の酸化物としては、Y及びScを含む希土類元素の酸化物であればよいが、Dy又はTbを含む酸化物が好ましい。その平均粒子径は100μm以下、好ましくは50μm以下であり、更に好ましくは20μm以下である。上記R1の酸化物の使用量は、上記拡散合金粉末の混合粉体全体の10質量%以上であり、好ましくは20質量%以上、更に好ましくは30質量%以上である。10質量%より少ないと、希土類酸化物の混合効果が少なくなる。なお、R1の酸化物の使用量上限は99質量%以下、特に90質量%以下である。
上記拡散合金の粉末又は上記M1の金属粉と平均粒子径が100μm以下のR1の酸化物(R1はSc及びYを含む希土類元素から選ばれる1種又は2種以上)の粉末とを混合した混合粉体で該酸化物粉末の含有量が混合粉体全体の10質量%以上である混合粉体を当該焼結磁石体母材の表面に存在させ、拡散合金粉末とR1の酸化物の混合粉体を表面に存在させた焼結磁石体を真空あるいはAr、He等の不活性ガス雰囲気中で焼結温度以下の温度にて熱処理する。以後、この処理を拡散処理と称する。拡散処理により希土類酸化物に金属間化合物を混合させることで酸化物を部分的に還元し、従来より多量に混合粉体のR1、M1、M2は焼結磁石体内部の粒界部、及び/又は、焼結磁石体主相粒内の粒界部近傍に拡散される。
上記拡散合金の粉末又はM1の金属粉とR1の酸化物の混合粉体を焼結体母材の表面上に存在させる方法としては、例えば混合粉体を有機溶剤あるいは水に分散させ、このスラリーに焼結磁石体母材を浸した後に熱風や真空により乾燥させたり、あるいは自然乾燥させたりすればよい。この他にスプレーによる塗布等も可能である。なお、スラリー中における上記混合粉体の含有量は、1〜90質量%とすればよく、特に5〜70質量%とするのが好ましい。
拡散処理の条件は、混合粉体の種類や構成元素によって異なるが、R1、M1、M2が焼結磁石体内部の粒界部や焼結磁石体主相粒内の粒界部近傍に濃化するような条件が好ましい。拡散処理温度は焼結磁石体母材の焼結温度以下である。処理温度の限定理由は以下の通りである。当該焼結磁石体母材の焼結温度(TS℃と称する)より高い温度で処理すると、(1)焼結磁石体の組織が変質し、高い磁気特性が得られなくなる、(2)熱変形により焼結磁石体の加工寸法が維持できなくなる等の問題が生じるために、処理温度は焼結温度以下、好ましくは(TS−10)℃以下とする。その下限は200℃以上、特に350℃以上とすることが好ましく、600℃以上であれば、更によい。拡散処理時間は1分〜30時間である。1分未満では拡散処理が完了せず、30時間を超えると、焼結磁石体の組織が変質したり、不可避的な酸化や成分の蒸発が磁気特性に悪い影響を与えたり、あるいはR1、M1、M2が粒界部や焼結磁石体主相粒内の粒界部近傍だけに濃化せずに主相粒の内部まで拡散したりする問題が生じる。より好ましくは1分〜10時間、更に好ましくは10分〜6時間である。
焼結磁石体母材の表面に塗布された混合粉体の構成元素R1、M1、M2は、最適な拡散処理を施すことによって、焼結磁石体組織のうち粒界部を主な経路として焼結磁石体内部に拡散していく。これにより、R1、M1、M2が焼結磁石体内部の粒界部、及び/又は、焼結磁石体主相粒内の粒界部近傍に濃化した組織が得られる。
以上のようにして得られた永久磁石は、R1、M1、M2の拡散によって組織内部の主相粒界面近傍の構造が改質され、主相粒界面の結晶磁気異方性の低下が抑制されたり、あるいは粒界部に新たな相が形成されたりすることで、保磁力が向上する。また、これらの拡散合金元素は主相粒の内部までは拡散していないため、残留磁束密度の低下を抑制することができ、高性能な永久磁石として用いることができる。更に、保磁力の増大効果を増すため、上記の拡散処理を施した磁石体に対して更に200〜900℃の温度で時効処理を施してもよい。
以下、本発明の具体的な内容について実施例及び比較例をもって詳述するが、本発明の内容はこれに限定されるものではない。
[実施例1、比較例1,2]
純度99質量%以上のNd、Co、Al、Feメタルとフェロボロンを所定量秤量してAr雰囲気中で高周波溶解し、この合金溶湯をAr雰囲気中で銅製単ロールに注湯するいわゆるストリップキャスト法により薄板状の合金とした。得られた合金の組成はNdが12.8原子%、Coが1.0原子%、Alが0.5原子%、Bが6.0原子%、Feが残部であり、これを合金Aと称する。合金Aに水素を吸蔵させた後、真空排気を行いながら500℃まで加熱して部分的に水素を放出させる、いわゆる水素粉砕により30メッシュ以下の粗粉とした。更に純度99質量%以上のNd、Dy、Fe、Co、Al、Cuメタルとフェロボロンを所定量秤量し、Ar雰囲気中で高周波溶解した後、鋳造した。得られた合金の組成はNdが23原子%、Dyが12原子%、Feが25原子%、Bが6原子%、Alが0.5原子%、Cuが2原子%、Coが残部であり、これを合金Bと称する。合金Bは窒素雰囲気中、ブラウンミルを用いて30メッシュ以下に粗粉砕された。
続いて、合金A粉末を94質量%、合金B粉末を6質量%秤量して、窒素置換したVブレンダー中で30分間混合した。
この混合粉末は高圧窒素ガスを用いたジェットミルにて、粉末の質量中位粒径4μmに微粉砕された。得られた混合微粉末を窒素雰囲気下15kOeの磁界中で配向させながら、約1ton/cm2の圧力で成形した。次いで、この成形体をAr雰囲気の焼結炉内に投入し、1,060℃で2時間焼結し、10mm×20mm×厚み15mm寸法の磁石ブロックを作製した。磁石ブロックはダイヤモンドカッターにより4mm×4mm×2mm(磁気異方性化した方向)に全面研削加工した。
研削加工された磁石体をアルカリ溶液で洗浄した後、酸洗浄して乾燥させた。各洗浄の前後には純水による洗浄工程が含まれている。
これを焼結磁石体母材とした。その組成は、Nd13.3Dy0.5FebalCo2.4Cu0.1Al0.56.0であった。
純度99質量%以上のAl、Coメタルを用いて、Ar雰囲気中で高周波溶解し、組成がAl50Co50で、AlCoの金属間化合物相を主とする拡散合金を作製した。この合金を有機溶媒を用いたボールミルにより、粉末の質量中位粒径8.9μmに微粉砕した。なお、この合金はEPMA観察により、AlCo金属間化合物相が94体積%であった。
次にAl50Co50拡散合金と平均粉末粒径が1μmの酸化テルビウムを質量比1対1で混合したのち質量分率50%で純水と混合し、これに超音波を印加しながら磁石体を30秒間浸した。引き上げた磁石は直ちに熱風により乾燥させた。これをAr雰囲気中900℃で8時間という条件で拡散処理を施し、更に500℃で1時間時効処理して急冷することで、実施例1の磁石体を得た。
更に平均粉末粒径が1μmの酸化テルビウムを質量分率50%で純水と混合し、これに超音波を印加しながら磁石体を30秒間浸した。引き上げた磁石は直ちに熱風により乾燥させた。これをAr雰囲気中900℃で8時間という条件で拡散処理を施し、更に500℃で1時間時効処理して急冷することで、比較例1の磁石体を得た。また、混合した拡散粉末を存在させずに焼結体母材のみを同じく真空中900℃で8時間熱処理して比較例2とした。
実施例1及び比較例1,2における焼結磁石体母材と拡散合金、拡散希土類酸化物の組成、拡散混合粉体混合比(質量)を表1に、またそれらの拡散処理温度(℃)、拡散処理時間(h)、磁気特性を表2に示した。本発明による実施例1の磁石の保磁力は比較例1の磁石と比べて90kAm-1の増大が認められた。また、残留磁束密度の低下は比較例1と較べてわずか3mTであった。更に本発明による実施例1の磁石の保磁力は比較例2の磁石と比べて1,040kAm-1の増大が認められた。また、残留磁束密度の低下は4mTであった。
Figure 0006019695
Figure 0006019695
[実施例2、比較例3]
純度99質量%以上のNd、Co、Al、Feメタルとフェロボロンを所定量秤量してAr雰囲気中で高周波溶解し、この合金溶湯をAr雰囲気中で銅製単ロールに注湯するいわゆるストリップキャスト法により薄板状の合金とした。得られた合金の組成はNdが12.8原子%、Coが1.0原子%、Alが0.5原子%、Bが6.0原子%、Feが残部であり、これを合金Aと称する。合金Aに水素を吸蔵させた後、真空排気を行いながら500℃まで加熱して部分的に水素を放出させる、いわゆる水素粉砕により30メッシュ以下の粗粉とした。更に純度99質量%以上のNd、Dy、Fe、Co、Al、Cuメタルとフェロボロンを所定量秤量し、Ar雰囲気中で高周波溶解した後、鋳造した。得られた合金の組成はNdが23原子%、Dyが12原子%、Feが25原子%、Bが6原子%、Alが0.5原子%、Cuが2原子%、Coが残部であり、これを合金Bと称する。合金Bは窒素雰囲気中、ブラウンミルを用いて30メッシュ以下に粗粉砕された。
続いて、合金A粉末を94質量%、合金B粉末を6質量%秤量して、窒素置換したVブレンダー中で30分間混合した。
この混合粉末は高圧窒素ガスを用いたジェットミルにて、粉末の質量中位粒径4.1μmに微粉砕された。得られた混合微粉末を窒素雰囲気下15kOeの磁界中で配向させながら、約1ton/cm2の圧力で成形した。次いで、この成形体をAr雰囲気の焼結炉内に投入し、1,060℃で2時間焼結し、10mm×20mm×厚み15mm寸法の磁石ブロックを作製した。磁石ブロックはダイヤモンドカッターにより4mm×4mm×2mm(磁気異方性化した方向)に全面研削加工した。
研削加工された磁石体をアルカリ溶液で洗浄した後、酸洗浄して乾燥させた。各洗浄の前後には純水による洗浄工程が含まれている。
これを焼結磁石体母材とした。その組成は、Nd13.3Dy0.5FebalCo2.4Cu0.1Al0.56.0であった。
純度99質量%以上のNi、Alメタルを用いて、Ar雰囲気中で高周波溶解し、組成がNi25Al75で、NiAl3の金属間化合物相を主とする拡散合金を作製した。この合金を有機溶媒を用いたボールミルにより、粉末の質量中位粒径9.3μmに微粉砕した。なお、この合金はEPMA観察により、NiAl3金属間化合物相が94体積%であった。
次にNi25Al75拡散合金を平均粉末粒径が1μmのTb47を質量比1対1で混合したのち質量分率50%で純水と混合し、これに超音波を印加しながら磁石体を30秒間浸した。引き上げた磁石は直ちに熱風により乾燥させた。これをAr雰囲気中900℃で8時間という条件で拡散処理を施し、更に500℃で1時間時効処理して急冷することで、実施例2の磁石体を得た。更に混合した拡散粉末を存在させずに焼結磁石体母材のみを同じく真空中900℃で8時間熱処理して比較例3とした。
実施例2及び比較例3における焼結磁石体母材と拡散合金、拡散希土類酸化物の組成、拡散混合粉体混合比(質量)を表3に、またそれらの拡散処理温度(℃)、拡散処理時間(h)、磁気特性を表4に示した。本発明による実施例2の磁石の保磁力は比較例3の磁石と比べて1,010kAm-1の増大が認められた。また、残留磁束密度の低下は4mTであった。
Figure 0006019695
Figure 0006019695
[実施例3〜41]
実施例1と同様に、種々の焼結体母材に種々の拡散合金と希土類酸化物を混合した粉体を塗布し、種々の拡散処理温度、時間を施した。そのときの焼結体母材と拡散合金又は金属、拡散希土類酸化物の組成、拡散混合粉体混合比(質量)を表5に、またそれらの拡散処理温度(℃)、拡散処理時間(h、min)、磁気特性を表6に示す。なお、下記拡散合金の金属間化合物量はいずれも70体積%以上であった。
Figure 0006019695
Figure 0006019695

Claims (5)

  1. 組成Ra1 bcd(RはY及びScを含む希土類元素から選ばれる1種又は2種以上、T1はFe及びCoのうちの1種又は2種、MはAl、Si、C、P、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Pb、Biから選ばれる1種又は2種以上、Bはほう素、a、b、c、dは原子百分率を示し、12≦a≦20、0≦c≦10、4.0≦d≦7.0、bは残部で、a+b+c+d=100)からなる焼結磁石体に対し、組成M1 d2 e(M1、M2はAl、Si、C、P、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Pb、Biから選ばれる1種又は2種以上であるが、M1とM2とは互いに相違する。d、eは原子百分率を示し、0.1≦e≦99.9、dは残部で、d+e=100)からなり、かつ金属間化合物相を70体積%以上含む平均粒子径500μm以下の合金の粉末と、平均粒子径が100μm以下のR1の酸化物(R1はSc及びYを含む希土類元素から選ばれる1種又は2種以上)の粉末とを混合した混合粉体であって、当該酸化物粉末の含有量が混合粉体全体の10質量%以上である混合粉体を上記焼結磁石体の表面に存在させた状態で、当該焼結磁石体及び当該混合粉体を当該焼結磁石体の焼結温度以下の温度で真空又は不活性ガス中において熱処理を施すことにより、R1、M1、M2の1種又は2種以上の元素を上記焼結磁石体の内部の粒界部、及び/又は、焼結磁石体主相粒内の粒界部近傍に拡散させることを特徴とする希土類永久磁石の製造方法。
  2. 組成Ra1 bcd(RはY及びScを含む希土類元素から選ばれる1種又は2種以上、T1はFe及びCoのうちの1種又は2種、MはAl、Si、C、P、Ti、V、Cr、Mn、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Pb、Biから選ばれる1種又は2種以上、Bはほう素で、a、b、c、dは原子百分率を示し、12≦a≦20、0≦c≦10、4.0≦d≦7.0、bは残部でa+b+c+d=100)からなる焼結磁石体に対し、平均粒子径500μm以下のM1の粉末(M1はAl、Si、C、P、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Zr、Nb、Mo、Ag、In、Sn、Sb、Hf、Ta、W、Pb、Biから選ばれる1種又は2種以上)と、平均粒子径が100μm以下のR1の酸化物(R1はSc及びYを含む希土類元素から選ばれる1種又は2種以上)の粉末とを混合した混合粉体であって、当該酸化物粉末の含有量が混合粉体全体の10質量%以上である混合粉体を上記焼結磁石体の表面に存在させた状態で、当該焼結磁石体及び当該混合粉体を当該焼結磁石体の焼結温度以下の温度で真空又は不活性ガス中において熱処理を施すことにより、R1、M1の1種又は2種以上の元素を上記焼結磁石体の内部の粒界部、及び/又は、焼結磁石体主相粒内の粒界部近傍に拡散させることを特徴とする希土類永久磁石の製造方法。
  3. 熱処理を、焼結磁石体の焼結温度TS℃に対し(TS−10)℃以下200℃以上の温度で1分〜30時間とすることを特徴とする請求項1又は2記載の希土類永久磁石の製造方法。
  4. 混合粉体を有機溶媒もしくは水中に分散させたスラリーに焼結磁石体を浸してから引き上げた後乾燥させることで混合粉体を焼結磁石体表面に塗布し、熱処理を施すことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の希土類永久磁石の製造方法。
  5. 熱処理される焼結磁石体の最小部の寸法が20mm以下の形状を有する請求項1乃至4のいずれか1項記載の希土類永久磁石の製造方法。
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