本発明の実施の形態について説明する
〔第1の実施の形態〕
第1の実施の形態における光デバイスは、複数の面発光レーザにより構成される面発光レーザアレイを有する面発光レーザモジュールである。
前述のとおり、これまでの面発光レーザを用いた光源モジュールは端面発光レーザを用いた光源モジュールと異なり、モニタ光学系を必要としていた。このようにモニタ光学系を有する光源ユニット400は、一例として図5に示されるように、レーザモジュール500と光学モジュール600とで構成されていた。
このレーザモジュール500は、面発光レーザモジュール510、この面発光レーザモジュール510を駆動制御する不図示のレーザ制御装置、この面発光レーザモジュール510及びレーザ制御装置が実装されているPCB(Printed Circuit Board)基板580を有している。
また、光学モジュール600は、第1の部分610と第2の部分630から構成されている。第1の部分610は、ハーフミラー611、集光レンズ612、及びフォトダイオード613を有している。また、第2の部分630は、カップリングレンズ631、及び開口板632を有している。
第1の部分610は、面発光レーザモジュール510の+Z側であって、面発光レーザアレイチップから出射された光の光路上にハーフミラー611が位置するように配置されている。ハーフミラー611に入射した光の一部は−Y方向に反射され、集光レンズ612を介してフォトダイオード613で受光される。フォトダイオード613は、モニタ用フォトダイオードとなっており、受光光量に応じた信号(光電変換信号)をレーザモジュール500のレーザ制御装置に出力する。
第2の部分630は、第1の部分610の+Z側であって、ハーフミラー611を透過した光の光路上にカップリングレンズ631が位置するように配置されている。カップリングレンズ631は、ハーフミラー611を透過した光を略平行光とする。開口板632は、開口部を有し、カップリングレンズ631を介した光を整形する。開口板632の開口部を通過した光が、光源ユニット400から出射される光となる。
しかしながら、このモニタ用のフォトダイオード613にレーザ光を導入する光学系を組み込むコストが、これら光源ユニット400の高価格化の原因となっていた。このため、図2及び図3に示す構造の面発光レーザモジュールとすることにより、低コストにすることができ、窓部50における反射光が面発光レーザにおける活性層内に侵入することを防ぐことができ、ダストの侵入を防止しつつ、光量変動が少なく、安定したレーザ発振を行なうことができる。尚、このような構造の面発光レーザモジュールでは、窓部50が取り付けられている金属製のリッド40をパッケージ10に設置されたシールリング60を用い、シーム溶接により接合されており、結露による不具合が生じないことが確認されている。
しかしながら、このような形状の金属製のリッド40は、手間のかかる絞り加工等を施し形成されるものであるため、このようにして作製された面発光レーザモジュールはコストをあまり低下させることができず高コストなものとなってしまう。
(光デバイス)
次に、図6に基づき本実施の形態における光デバイスについて説明する。本実施の形態における光デバイスは、面発光レーザモジュールであり、凹部を有するパッケージ110、面発光レーザ素子120、モニタ用のフォトダイオード(受光素子)130、パッケージ110に接合される平板状リッド140を有している。面発光レーザ素子120は、複数の面発光レーザがアレイ状に形成されているものであり、面発光レーザアレイチップともいう。尚、図6においては、便宜上、面発光レーザ素子120とパッケージ110のリード配線等とを接続するためのボンディングワイヤ等は省略されている。また、面発光レーザ素子120への戻り光の入射を防ぐことを目的とする場合には、フォトダイオード130を有しない構成であってもよい。
面発光レーザ素子120は、パッケージ110の凹部の底面111に設置されており、凹部の周辺部分であって底面111よりも高い段部112にモニタ用のフォトダイオード130が設置されている。
平板状リッド140は、平板状に形成されており、面発光レーザ素子120からの光を透過する窓部150が低融点ガラス141により接続されている。窓部150は、面発光レーザ素子120の面発光レーザから出射された光が、再び光を出射した面発光レーザに戻らないように、面発光レーザの出射光に垂直な面に対し所定の角度で傾斜するように形成されている。即ち、面発光レーザ素子120のレーザ光の出射面に対し所定の角度で傾斜するように窓部150が接続されている。尚、この傾斜角度は、面発光レーザからの出射光のうち、窓部150において反射した反射光がフォトダイオード130に入射するように、所定の角度となるように形成されている。具体的には、本実施の形態では、この傾斜角度は、約17°となるように形成されているが、傾斜角度は、10°以上、25°以下であることが好ましい。
パッケージ110は、セラミックスにより形成されたCLCCと呼ばれるフラットパッケージである。このパッケージ110は、凹部を有しており、セラミックスと複数の不図示のリード配線となる金属配線の多層構造となっている。
このリード配線は、面発光レーザ素子120が設置される領域より放射状に外側に向かって伸びるように形成されており、パッケージ110の内部の金属配線を介し、パッケージ110の外側の不図示の電極端子と接続されている。
また、パッケージ110には、平板状リッド140を所定の角度で接合することができるようバッケージ上部110aが設けられており、パッケージ110の上面となるバッケージ上部110aの上端の傾斜部116には、シールリング160が銀ろう等のメタライズペーストにより接着されている。また、平板状リッド140は、この所定の角度で傾斜しているシールリング160に溶接することにより接合される。これにより、シールリング160を介し、パッケージ110と平板状リッド140により、密封することができる。バッケージ上部110aは、パッケージ110の底面111に対し略垂直に延びるように形成されており、傾斜部116において、窓部150が所定の角度で設置することができるように形成されている。尚、バッケージ上部110aはパッケージ110の一部でありセラミックスにより形成されている。
また、面発光レーザ素子120が設置される領域には、金属膜が設けられており、この金属膜は、ダイアタッチエリアとも呼ばれるものであり、共通電極になっている。面発光レーザ素子120は、この金属膜上にAuSn等の半田材を用いてダイボンドされており、このようにして、面発光レーザ素子120は、凹部の底面に設置される。
また、フォトダイオード130は、段部112においてダイボンドされている、フォトダイオード130のアノード電極とパッケージ110の金属配線とがワイヤボンディングにより電気的に接続され、裏面に形成されたフォトダイオード130のカソードは導電性接着剤により接地されている。
本実施の形態において、パッケージ110は、セラミックグリーンシート積層法により形成されている。具体的には、セラミックグリーンシートを略垂直に打ち抜き、打ち抜いたシートを上下に重ねて接着し、次に、これらを高温で焼成することにより、焼成体として硬質のパッケージ筐体が形成されている(メタライズ配線工程については省略)。このような方法により形成した場合では、図7に示すように、端の傾斜部116aとなる部分が階段状に形成されるため、この上に平板状リッド140を接合しても、隙間ができてしまい内部を完全に密閉することは困難である。
本実施の形態では、パッケージ110における傾斜部116は、表面がなめらかな形状となるように形成されている。具体的には、図8に示すように、階段状に形成されている部分を銀ろう等のメタライズペースト117により埋めることにより、表面がなめらかな傾斜部116bを形成している。また、図9に示すように、端の部分に傾斜を有するセラミックグリーンシートを積層した構造のものや、セラミックグリーンシートを積層した後、研磨等により表面がなめらかな傾斜を形成することにより傾斜部116cを形成してもよい。このようにして、パッケージ110におけるバッケージ上部110aの上端の傾斜部116の表面をなめらかに形成することにより、シールリング160を高い密着性で接着することができる。
この後、シールリング160に平板状リッド140を溶接等により接合することにより、容易に窓部150が所定の角度となるように接合することができる。また、シールリング160が接合されるパッケージ110の傾斜部116は、なめらかな形状で形成されているため、密封性の高い封止を行なうことができる。
平板状リッド140は、図2及び図3に示すリッド40のような絞り加工等を施すことなく、低コストで容易に作製をすることができる。また、透明部材(ガラスなど)を取り付けるための窓部を開けた平面状のリッドには、透明部材を低融点ガラスなどで融着する。そしてそのリッドをシールリング160にシーム溶接などの手段によって封止することで、パッケージ内部を完全に密封することができる。このようにして、低コストで密封性の高い面発光レーザモジュールを得ることができる。よって、本実施の形態における面発光レーザモジュールでは、ダストの侵入を防止し、光量変動が少なく安定したレーザ発振を行なうことができる。また、面発光レーザモジュール内部に水分が侵入することもなくなるため、水分による結露等による不具合も防止することができ、酸素等も透過しないため面発光レーザモジュール内部の面発光レーザ素子120の腐食も完全に防止することができる。
(窓部の反射率)
ところで、窓部150における反射光をモニタ光として用いる場合、2つの問題点を有している。1つは、膜等が形成されていない窓部150の反射率が上下面合わせても4〜5%程度と低いこと(例えば、780nmの波長にて)であり、この程度の反射率ではフォトダイオードに入射させるモニタ光としては光量が低すぎ、十分な起電流を発生させることができない。即ち、モニタ光の光量をフォトダイオードで検出し、面発光レーザの光強度を制御するが、フォトダイオードにより検出されたモニタ光の信号が小さいと、ノイズに埋もれてしまい、S/Nが低下するため、面発光レーザの制御を正確に行なうことができなくなる。このように、モニタ光により生じた電流が小さいと、面発光レーザの制御を適切に行なうことができない。
もう1つは、窓部150となる透明部材の上面と下面とにおける反射光の干渉によりエタロン効果が生じることである。特に、面発光レーザでは、温度による周波数変動が顕著であり、これにより、モニタ光の強度に振動が生じ、モニタ光が線型性を有しないものとなる。
そこで、本発明者は検討の末、窓部150となる透明部材の下面において反射層を形成し、この反射層による反射率が7〜15%、より好ましくは、9〜12%程度とすることにより、面発光レーザの制御を良好に行なうことができることを見出した。この反射層による反射率は、あまりに低いと、モニタ光により発生する電流が小さくなり、信号がノイズに埋もれてしまい好ましくなく、また、あまりに高いと、面発光レーザによる発光の多くがモニタ光となるため、出射されるレーザ光の光量が低下してしまい好ましくない。よって、反射層における反射率は、上記範囲であることが好ましい。このような反射層は、誘電体膜、誘電体多層膜又は、光を透過する薄い金属膜等により形成されている。
また、窓部150となる透明部材の上面には、反射防止膜が形成されており、この反射防止膜により、反射率が1%以下、更には、0.5%以下となっていることがより好ましい。このような反射防止膜は、誘電体膜又は、誘電体多層膜等により形成されている。
以上により、同一のモジュール内に面発光レーザ素子120とフォトダイオード130とを設置した面発光レーザモジュールにおいて、十分な光量のモニタ光をフォトダイオードに入射させることが可能となり、エタロン効果によるモニタ光の強度の振動が極めて少なく、安定したモニタ光による電流を得ることができる。
(面発光レーザ)
次に、面発光レーザ素子120である面発光レーザアレイチップに形成される面発光レーザについて説明する。面発光レーザアレイは、複数の面発光レーザが2次元的にアレイ状に配列されているものであり、面発光レーザアレイチップは、このような面発光レーザアレイを一つのチップとしたものである。
図10に基づき面発光レーザアレイを構成する一つの面発光レーザ200について説明する。尚、図10(a)は面発光レーザ200のXZ面における断面図であり、図10(b)は面発光レーザ200のYZ面における断面図である。また、本明細書では、前述のとおり、レーザ発振方向をZ軸方向とし、Z軸方向に垂直な面内における互いに直交する2つの方向をX軸方向及びY軸方向として説明する。
面発光レーザ200は、発振波長が780nm帯の面発光レーザであり、基板201、バッファ層202、下部半導体DBR203、下部スペーサ層204、活性層205、上部スペーサ層206、上部半導体DBR207、コンタクト層209等を有している。更に、活性層205、上部スペーサ層206、上部半導体DBR207、コンタクト層209及び下部スペーサ層204の一部にはメサ210が形成されている。また、メサ210の側面及び上部には、保護層211が形成されており、更に、メサ210の正面に接続されるp側電極213が形成されており、基板201の裏面にはn側電極214が形成されている。透明層211A及び211Bは、保護膜211が形成される際に同時に形成されている。尚、本実施の形態では、透明層211A及び211Bを小領域と記載する場合があり、透明層211A及び211B等によりモードフィルタが形成される。また、上部DBR207と上部スペーサ層206との間、または、上部DBR207の内部には、電流狭窄層208が形成されており、電流狭窄層208は、メサ210の周辺部分において酸化されている酸化領域208aとメサ210の中央部分で酸化されていない電流狭窄領域208bとを有している。
基板201は、表面が鏡面研磨面であり、図11(a)に示されるように、鏡面研磨面(主面)の法線方向が、結晶方位[1 0 0]方向に対して、結晶方位[1 1 1]A方向に向かって15度(θ=15度)傾斜したn−GaAs単結晶基板である。すなわち、基板201はいわゆる傾斜基板である。ここでは、図11(b)に示されるように、結晶方位[0 −1 1]方向が+X方向、結晶方位[0 1 −1]方向が−X方向となるように配置されている。
尚、基板201として、このような傾斜基板を用いることによって、偏光方向を所定の方向、例えば、X軸方向に安定させようとする偏光制御作用が働く。
(面発光レーザモジュールの特性の評価)
次に、上述した面発光レーザ素子により形成される面発光レーザモジュールの特性について説明する。面発光レーザモジュール及び光源ユニットとして、図5に示した構造を模した光学系を利用して特性の評価を行った。特性評価は、出射された光の光量をフォトダイオード(PD)にて検出することにより行なう。得られる理想的な波形データを図12(a)に示すが、戻り光の影響を受けると、光量が不安定となり変動が生じる。図12(b)において模式的に、光量変動のない正常波形125aと光量変動がある場合の異常波形125b及び125cをと比較して示す。図12(b)に示されるように、異常波形125b及び125cは、波形の前半部分に波を打つように現れることが多いが、これに限らず、後半部分に波を打つように現れる場合もある。また、周波数も1kHzの場合や、もっと大きい、例えば、数100kHzの波形においても、波形変動が生じる場合がある。特に、1kHzにおける波形を画像形成装置に必要な1ラインを安定して描く際の基準とした場合、その安定性は画像形成装置によっては、数%レベル、例えば、5%レベルの変動であっても問題となる。ここで、画像形成装置に必要な特性として、この特性値を定量化する方法について説明する。一般的には、熱によるレーザ光量の変動を評価する指標であり、ドループ値として利用されている。具体的には、図12(a)に示すように、レーザ立ち上がり時間帯の光量と、十分に時間が経過した状態の時間帯での光量の差をとる。その一例として、1kHzでデューティー比が50%の波形を示している。
Dr=(Pa−Pb)/Pa
Pa:時間Taにおける光出力値
Pb:時間Tbにおける光出力値
上式で示される数値Dr(単位:%)をドループ値として定義する。本実施の形態では、1kHzでデューティーが50%、Taは1kHzにおける1μsecの位置で、Tbは480μsecの位置とした。光出力は1.4mW相当とし、測定温度は25℃になるように温調冶具で調整した。本実施の形態では上記のような出力、温度としているが、利用される出力値、温度に対して、本測定が行われるので、これに限定されるものではない。また、上記周波数、デューティー比、および、Ta、Tbは、画像形成装置として、高精度な画像を形成する上で、必要な条件となる。
また、面発光レーザを複数配列し面発光レーザアレイとした場合、1つ1つのドループ値が一致してないと、形成される画像の視認性が著しく悪化する。面発光レーザアレイの特性として、ドループ値の最大値と最小値の差(以下これをばらつきと表現する)を小さくする必要がある。しかし、先の異常波形125b及び125c等が現れると、ばらつきは大きくなる。そこで、このドループ値のばらつきを以下の式に満たすことを条件とした。
ドループのばらつき(%)=Dr(max)−Dr(min)
Dr(max):複数ある素子の中で最もDr値が大きい素子のDr値
Dr(min):複数ある素子の中で最もDr値が小さい素子のDr値
図13には、21個の発光部(ch1〜ch21)を有する面発光レーザアレイ、及び無反射層を表面にコーティングしていない透明部材との一体型樹脂リッド(反射率:約5.2%)を有し、この透明部材を面発光レーザアレイの出射面に対して傾斜させていない面発光レーザモジュール(光デバイスAという)におけるドループ率を示す。尚、各発光部には、モードフィルタは設けられていない。
ドループ率は、大きいもので4%、小さいものでは−1.5%であった。これは、出力波形が異常波形となっており、その異常形状が、発光部によって一様でないことを示している。無反射コーティングをしていない場合のわずか5.2%という反射率でもこのようなばらつきが観測されてしまう。このように、発光部間にドループ率の大きなばらつきがある面発光レーザモジュールを用いると、高品質な画像を形成することができない。
また、図14には、21個の発光部(ch1〜ch21)を有する面発光レーザアレイ、及びカバーガラスとして高価な無反射ガラス板(反射率:0.1%)を有し、このガラス板を面発光レーザアレイの出射面に対して傾斜させていない面発光レーザモジュール(光デバイスBという)におけるドループ率を示す。尚、各発光部には、モードフィルタは設けられていない。ドループ率は、大きいもので1.5%、小さいもので0.2%であり、飛躍的にばらつきが低減されているのが分かる。
このように、反射率が非常に低い高価な無反射ガラスを用いることにより、戻り光への耐性が強くなり、ドループ率のばらつきが小さくなる。そして、異常波形の抑制、光量変動の抑制が可能となる。しかしながら、高価な無反射ガラスの使用は、面発光レーザモジュールの大幅なコスト上昇を招いてしまう。
そこで、発明者らは、安価な無反射層が表面にコーティングされていない透明部材となるガラスを窓部に用い、この透明部材を傾斜させてドループ率のばらつきを調べた。
図15には、21個の発光部(ch1〜ch21)を有する面発光レーザアレイ、及び無反射層を表面にコーティングしていない透明部材との一体型樹脂リッド(反射率:5.2%)を有し、樹脂材料のリッドにおける窓部を面発光レーザアレイの出射面に対して8°傾斜させた面発光レーザモジュール(光デバイスCという)におけるドループ率を示す。尚、各発光部には、モードフィルタは設けられていない。ドループ率は、大きいもので3%、小さいもので0.5%であり、上記光デバイスAよりもばらつきが低減されているのが分かる。しかしながら、上記光デバイスBよりもドループ率のばらつきは大きく、傾斜角8°ではまだ充分ではないといえる。
また、図16には、21個の発光部(ch1〜ch21)を有する面発光レーザアレイ、及び無反射層を表面にコーティングしていない透明部材との一体型樹脂リッド(反射率:5.2%)を有し、樹脂材料のリッドにおける窓部を面発光レーザアレイの出射面に対して10°傾斜させた面発光レーザモジュール(光デバイスDという)におけるドループ率を示す。尚、各発光部には、モードフィルタは設けられていない。
また、図17には、21個の発光部(ch1〜ch21)を有する面発光レーザアレイ、及び無反射層を表面にコーティングしていない透明部材との一体型樹脂リッド(反射率:5.2%)を有し、樹脂材料のリッドにおける窓部を面発光レーザアレイの出射面に対して15°傾斜させた面発光レーザモジュール(光デバイスEという)におけるドループ率を示す。尚、各発光部には、モードフィルタは設けられていない。
光デバイスD及び光デバイスEでは、ドループ率のばらつきは、光デバイスBと同等、あるいはそれ以下であった。
このように、反射防止膜が表面にコーティングされていない透明部材であるガラスを用いても、透明部材を傾斜させることにより、反射防止コーティングされたガラスと同様の効果を得ることができることがわかった。即ち、光を反射する透明部材を用いても、透明部材を傾斜させることにより、戻り光の問題を解決することができる。
以上に基づき、本実施の形態においては、透明部材である窓部150の傾斜角が約17°となるように、平板状リッド140及びパッケージ110が形成されている。
(面発光レーザモジュールの製造方法)
次に、図6に基づいて、本実施の形態における面発光レーザモジュールの製造方法について説明する。
最初に、パッケージ110の凹部の底面111に、面発光レーザ素子120である面発光レーザアレイチップをダイボンドする。
次に、面発光レーザ素子120である面発光レーザアレイチップにおける複数の電極パッドとパッケージ110における複数の不図示のリード(金属配線)とを各々ワイヤボンディングにより電気的に接続する。
次に、パッケージ110の段部112に、フォトダイオード130をダイボンドする。
次に、フォトダイオード130のアノード電極とパッケージ110の不図示のリード配線(金属配線)とをワイヤボンディングにより電気的に接続し、裏面のカソードは導電性接着剤により接地する。
次に、面発光レーザ素子120である面発光レーザアレイチップとフォトダイオード130とが固定され、電気的に接続されているパッケージ110に平板状リッド140を接合する。具体的には、パッケージ110の傾斜部116に銀ろうによりシールリング160を取り付け、シールリング160の上に、平板状リッド140を載置し、シーム溶接を行なうことにより接合し封止する。尚、平板状リッド140には、低融点ガラス141により透明部材であるガラスにより形成された窓部150が接合されており、窓部150には上面に反射防止膜、下面に約10%の反射率を有する反射層が形成されている。尚、窓部150をパッケージ110に平板状リッド140を接合することにより、窓部150の面が、面発光レーザ素子120が形成する面に対し約17°となるようにパッケージ110におけるバッケージ上部110a及び傾斜部116が形成されている。
以上のように、窓部150は、面発光レーザ素子120から出射されたレーザ光の出射面に対し、10〜25°の範囲となるように設置されている。よって、傾斜部116は、窓部150の下面において反射された光がフォトダイオード130に入射するように形成されている。
これにより、高コスト化を招くことなく、光量変動が少なく安定した光を出射することのできる面発光レーザモジュールとなる光デバイスを得ることができる。
また、面発光レーザ素子120における発光部は各々レーザ光の出射面が誘電体膜で覆われており、半導体層が露出していないため、出射領域における酸化や汚染を防ぐことができる。また、レーザ光の出射領域の中心部は、光学的な厚さがλ/4の偶数倍となる誘電体膜により覆われているため、誘電体膜が形成されていない場合と同等となり、反射率を低下させることがない。
また、本実施の形態においては、小領域となる透明層211A及び211Bの形状が長方形である場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、図18に示すように、p側電極213の開口部内において、小領域となる透明層211C及び211Dは輪帯状のものを2つに分割した形状に形成したものであってもよい。この際、モードフィルタとなる透明層211C及び211Dは、光学的な厚さがλ/4のSiNからなる保護膜211を形成する際に同時に形成される。
また、図19に示すように、所望の偏光方向PをY軸方向とする場合には、p側電極213の開口部内において、小領域となる透明層211A及び211Bの長手方向をX軸方向とすればよい。
更に、偏光方向を考慮する必要がない場合には、等方的に形成してもよい。即ち、p側電極213の開口部内において、図20に示されるように、透明層231Aとなる低反射率領域を方形状(方形状の開口部を有する)に形成してもよく、また、図21に示されるように、透明層231Bとなる低反射率領域を輪帯状に形成してもよい。
また、本実施の形態は、図22に示されるように、保護膜217を形成したもの、即ち、小領域となる透明層211A及び211B上に保護膜217を形成することにより、小領域となる透明層221A及び221Bを形成したものであってもよい。また、保護層211及び保護層217としてはSiNが用いられるが、これに限らず、例えば、SiNx、SiOx、TiOx及びSiONのいずれかであってもよい。それぞれの材料の屈折率に合わせて膜厚を設計することにより、同様の効果を得ることができる。また、各モードフィルタは保護層211及び保護層217と同じ材料であってもよく、また、異なる材料であってもよい。
また、本実施の形態では、基板の主面の法線方向が、結晶方位[1 0 0]方向に対して、結晶方位[1 1 1]A方向に向かって15°傾斜している場合について、一例として説明したが、これに限定されるものではなく、基板の主面の法線方向が、結晶方位[1 0 0]の一の方向に対して、結晶方位[1 1 1]の一の方向に向かって傾斜していればよい。また、本実施の形態では、基板が傾斜基板の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、非傾斜基板ではない基板を用いてもよい。
(面発光レーザアレイ)
次に、本実施の形態における面発光レーザアレイについて説明する。本実施の形態における面発光レーザアレイは、上述した面発光レーザが2次元的に複数形成されているものである。
図23に基づき、本実施の形態における面発光レーザアレイ240について説明する。本実施の形態における面発光レーザアレイ240は、複数(ここでは32個)の発光部300となる面発光レーザが同一基板上に配置されている。尚、X軸方向は主走査対応方向であり、Y軸方向は副走査対応方向である。複数の発光部300は、すべての発光部300をY軸方向に伸びる仮想線上に正射影したときに等間隔d2となるように配置されている。このようにして、32個の発光部300は2次元的に配列されている。また、本明細書では、「発光部間隔」とは2つの発光部300の中心間距離を意味する。また、図23では発光部300の数が32個であるものを示しているが、発光部300の個数は、複数であればよく、例えば、発光部300が40個のものであってもよい。また、本実施の形態においては、発光部300は発振波長が780nmであるものとする。
図24には、図23における破線23A−23Bにおいて切断した断面図を示す。本実施の形態における面発光レーザアレイ240において、各発光部300は、前述した面発光レーザ200により構成されている。このため、面発光レーザアレイ240は、前述した面発光レーザ200と同様な方法により製造することが可能である。これにより、各発光部300間で均一な偏光方向を持つ単一基本横モードの複数のレーザ光を発する面発光レーザアレイを得ることができる。このようにして得られた面発光レーザアレイ240により、円形で且つ光密度の高い微小な光スポットを32個同時に、後述する感光体ドラム上に形成することが可能となる。
また、面発光レーザアレイ240では、各発光部を副走査対応方向に延びる仮想線上に正射影したときの発光部間隔が等間隔d2であるので、点灯のタイミングを調整することにより、後述する感光体ドラム上において副走査方向に等間隔で発光部が並んでいる場合と同様な構成と捉えることができる。
そして、例えば、上記間隔d2を2.65μm、後述する光走査装置の光学系の倍率を2倍とすれば、4800dpi(ドット/インチ)の高密度書込みができる。もちろん、主走査対応方向の発光部数を増加したり、副走査対応方向のピッチd1を狭くして間隔d2を更に小さくした構成のアレイ配置としたり、光学系の倍率を下げる等を行えばより高密度化することが可能であり、より高品質の印刷が可能となる。なお、主走査方向の書き込み間隔は、発光部の点灯のタイミングで容易に制御できる。
ところで、本実施の形態における面発光レーザアレイ240において、隣接する2つの発光部300の間の溝は、各発光部の電気的及び空間的分離のために、5μm以上であることが好ましい。あまり狭いと製造時のエッチングの制御が難しくなるからである。また、メサ210の大きさ(1辺の長さ)は10μm以上であることが好ましい。あまり小さいと動作時に熱がこもり、特性が低下するおそれがあるからである。
尚、図25には、面発光レーザアレイ240における配線構造を示す。このように面発光レーザアレイ240では、2次元的に配列されている32個の発光部300、及び32個の発光部の周囲に設けられ各発光部300に対応した32個の電極パッド310を有している。また、各電極パッド310は、対応する発光部300と配線部材320によって電気的に接続されている。
また、上述した2次元的に面発光レーザ200が配列された面発光レーザアレイ240に代えて、発光部300となる面発光レーザ200が1次元配列された面発光レーザアレイを用いてもよい。
また、本実施の形態では、面発光レーザ200となる発光部300の波長が780nm帯の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、画像形成装置の感光体等の特性に応じて、発光部300における発振波長を変更してもよい。具体的には、650nm帯、850nm帯、980nm帯、1.3μm帯、1.5μm帯等の波長であってもよい。この場合、活性層を構成する半導体材料は、発振波長に応じた混晶半導体材料が用いられる。例えば、650nm帯では、AlGaInP系混晶半導体材料、980帯ではInGaAs系混晶半導体材料、1.3μm帯及び1.5μm帯では、GaInNAs(Sb)系混晶半導体材料を用いることができる。
また、上部反射鏡及び下部反射鏡となる上部半導体DBR及び下部半導体DBRは、発振波長に対応して材料及び構成を選択して作製される。例えば、AlGaInP系混晶半導体材料等のAlGaAs系混晶半導体材料以外のものを用いることができる。尚、上部半導体DBR及び下部半導体DBRを形成するための低屈折率材料及び光屈折率材料は、共に発振波長に対して透明であって、かつ、相互における屈折率差が可能な限り大きいくなる材料を選択して形成されていることが好ましい。
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態における面発光レーザモジュールを用いた光走査装置1010及び画像形成装置としてのレーザプリンタ1000である。
図26に基づき、本実施の形態におけるレーザプリンタ1000について説明する。本実施の形態におけるレーザプリンタ1000は、光走査装置1010、感光体ドラム1030、帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034、クリーニングユニット1035、トナーカートリッジ1036、給紙コロ1037、給紙トレイ1038、レジストローラ対1039、定着ローラ1041、排紙ローラ1042、排紙トレイ1043、通信制御装置1050、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置1060等を備えている。なお、これらは、プリンタ筐体1044の中の所定位置に収容されている。
通信制御装置1050は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
感光体ドラム1030は、円柱状の部材であり、その表面には感光層が形成されている。すなわち、感光体ドラム1030の表面が被走査面である。そして、感光体ドラム1030は、矢印Xで示す方向に回転するようになっている。
帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034及びクリーニングユニット1035は、それぞれ感光体ドラム1030の表面近傍に配置されている。そして、感光体ドラム1030の回転方向に沿って、帯電チャージャ1031→現像ローラ1032→転写チャージャ1033→除電ユニット1034→クリーニングユニット1035の順に配置されている。
帯電チャージャ1031は、感光体ドラム1030の表面を均一に帯電させる。
光走査装置1010は、帯電チャージャ1031で帯電された感光体ドラム1030の表面を、上位装置からの画像情報に基づいて変調された光束により走査し、感光体ドラム1030の表面に画像情報に対応した潜像を形成する。ここで形成された潜像は、感光体ドラム1030の回転に伴って現像ローラ1032の方向に移動する。なお、この光走査装置1010の構成については後述する。
トナーカートリッジ1036にはトナーが格納されており、このトナーは現像ローラ1032に供給される。
現像ローラ1032は、感光体ドラム1030の表面に形成された潜像にトナーカートリッジ1036から供給されたトナーを付着させて画像情報を顕像化させる。ここでトナーが付着した潜像(以下では、便宜上「トナー像」ともいう)は、感光体ドラム1030の回転に伴って転写チャージャ1033の方向に移動する。
給紙トレイ1038には記録紙1040が格納されている。この給紙トレイ1038の近傍には給紙コロ1037が配置されており、この給紙コロ1037は、記録紙1040を給紙トレイ1038から1枚づつ取り出し、レジストローラ対1039に搬送する。このレジストローラ対1039は、給紙コロ1037によって取り出された記録紙1040を一旦保持するとともに、この記録紙1040を感光体ドラム1030の回転に合わせて感光体ドラム1030と転写チャージャ1033との間隙に向けて送り出す。
転写チャージャ1033には、感光体ドラム1030の表面のトナーを電気的に記録紙1040に引きつけるために、トナーとは逆極性の電圧が印加されている。この電圧により、感光体ドラム1030の表面のトナー像が記録紙1040に転写される。ここで転写された記録紙1040は、定着ローラ1041に送られる。
定着ローラ1041では、熱と圧力とが記録紙1040に加えられ、これによってトナーが記録紙1040上に定着される。ここで定着された記録紙1040は、排紙ローラ1042を介して排紙トレイ1043に送られ、排紙トレイ1043上に順次スタックされる。
除電ユニット1034は、感光体ドラム1030の表面を除電する。
クリーニングユニット1035は、感光体ドラム1030の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラム1030の表面は、再度帯電チャージャ1031に対向する位置に戻る。
次に、図27に基づき光走査装置1010について説明する。光走査装置1010は、偏向器側走査レンズ1111a、像面側走査レンズ1111b、ポリゴンミラー1113、光源ユニット1114、シリンドリカルレンズ1117、反射ミラー1118、及び走査制御装置(図示省略)などを備えている。そして、これらは、光学ハウジング1030の所定位置に組み付けられている。尚、光源ユニット1114は、第1の実施の形態における面発光レーザモジュールを含む光源ユニット1114が用いられている。
また、本明細書では、光源ユニット1114からの光の出射方向をZ軸方向、このZ軸方向に垂直な平面内で互いに直交する2つの方向をX軸方向及びY軸方向として説明する。また、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と記載し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と記載する場合がある。
シリンドリカルレンズ1117は、光源ユニット1114から出射された光を、反射ミラー1118を介してポリゴンミラー1113の偏向反射面近傍に集光する。
面発光レーザ120とポリゴンミラー1113との間の光路上に配置される光学系は、偏向器前光学系とも呼ばれている。本実施形態では、偏向器前光学系は、カップリングレンズと開口板とシリンドリカルレンズ1117と反射ミラー1118とから構成されている。
ポリゴンミラー1113は、高さの低い正六角柱状部材からなり、側面に6面の偏向反射面が形成されている。そして、不図示の回転機構により、図27に示される矢印の方向に一定の角速度で回転されている。従って、光源ユニット1114から出射され、シリンドリカルレンズ1117によってポリゴンミラー1113の偏向反射面近傍に集光された光は、ポリゴンミラー1113の回転により一定の角速度で偏向される。
偏向器側走査レンズ1111aは、ポリゴンミラー1113で偏向された光の光路上に配置されている。像面側走査レンズ1111bは、偏向器側走査レンズ1111aを介した光の光路上に配置されている。そして、この像面側走査レンズ1111bを介した光が、感光体ドラム1030の表面に照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー1113の回転に伴って感光体ドラム1030の長手方向に移動する。即ち、感光体ドラム1030上を走査する。このときの光スポットの移動方向が「主走査方向」である。また、感光体ドラム1030の回転方向が「副走査方向」である。
ポリゴンミラー1113と感光体ドラム1030との間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施形態では、走査光学系は、偏向器側走査レンズ1111aと像面側走査レンズ1111bとから構成されている。なお、ポリゴンミラー1113と偏向器側走査レンズ1111aとの間の光路上、偏向器側走査レンズ1111aと像面側走査レンズ1111bの間の光路上、及び像面側走査レンズ1111bと感光体ドラム1030の間の光路上の少なくともいずれかに、少なくとも1つの折り返しミラーが配置されてもよい。
本実施の形態におけるレーザプリンタ1000では、第1の実施の形態における面発光レーザモジュールを用いているため、レーザプリンタ1000では書きこみドット密度が上昇しても印刷速度を落とすことなく印刷することができる。また、同じ書きこみドット密度の場合には印刷速度を更に速くすることができる。
また、この場合には、各発光部からの光束の偏光方向が安定して揃っているため、レーザプリンタ1000では、高品質の画像を安定して形成することができる。
尚、本実施の形態における説明では、画像形成装置としてレーザプリンタ1000の場合について説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、レーザ光によって発色する媒体(例えば、用紙)に直接、レーザ光を照射する画像形成装置であってもよい。
例えば、媒体が、CTP(Computer to Plate)として知られている
印刷版であってもよい。つまり、光走査装置1010は、印刷版材料にレーザアブレーシ
ョンによって直接画像形成を行い、印刷版を形成する画像形成装置にも好適である。
また、例えば、媒体が、いわゆるリライタブルペーパーであってもよい。これは、例え
ば紙や樹脂フィルム等の支持体上に、以下に説明するような材料が記録層として塗布され
ている。そして、レーザ光による熱エネルギー制御によって発色に可逆性を与え、表示/
消去を可逆的に行うものである。
透明白濁型リライタブルマーキング法とロイコ染料を用いた発消色型リライタブルマー
キング法があり、いずれも適用できる。
透明白濁型は、高分子薄膜の中に脂肪酸の微粒子を分散したもので、110℃以上に加
熱すると脂肪酸の溶融により樹脂が膨張する。その後、冷却すると脂肪酸は過冷却状態に
なり液体のまま存在し、膨張した樹脂が固化する。その後、脂肪酸が固化収縮して多結晶
の微粒子となり樹脂と微粒子間に空隙が生まれる.この空隙により光が散乱されて白色に
見える。次に、80℃から110℃の消去温度範囲に加熱すると、脂肪酸は一部溶融し、
樹脂は熱膨張して空隙を埋める。この状態で冷却すると透明状態となり画像の消去が行わ
れる。
ロイコ染料を用いたリライタブルマーキング法は、無色のロイコ型染料と長鎖アルキル
基を有する顕消色剤との可逆的な発色及び消色反応を利用している。レーザ光により加熱
されるとロイコ染料と顕消色剤が反応して発色し、そのまま急冷すると発色状態が保持さ
れる。そして、加熱後、ゆっくり冷却すると顕消色剤の長鎖アルキル基の自己凝集作用に
より相分離が起こり、ロイコ染料と顕消色剤が物理的に分離されて消色する。
また、媒体が、紫外光を当てるとC(シアン)に発色し、可視光のR(レッド)の光で
消色するフォトクロミック化合物、紫外光を当てるとM(マゼンタ)に発色し、可視光の
G(グリーン)の光で消色するフォトクロミック化合物、紫外光を当てるとY(イエロー
)に発色し、可視光のB(ブルー)の光で消色するフォトクロミック化合物が、紙や樹脂
フィルム等の支持体上に設けられた、いわゆるカラーリライタブルペーパーであってもよい。
これは、一旦紫外光を当てて真っ黒にし、R・G・Bの光を当てる時間や強さで、Y・
M・Cに発色する3種類の材料の発色濃度を制御してフルカラーを表現し、仮に、R・G
・Bの強力な光を当て続ければ3種類とも消色して真っ白にすることもできる。
このような、光エネルギー制御によって発色に可逆性を与えるものも上記実施形態と同
様な光走査装置を備える画像形成装置として実現できる。
また、像担持体として銀塩フィルムを用いた画像形成装置であってもよい。この場合には、光走査により銀塩フィルム上に潜像が形成され、この潜像は通常の銀塩写真プロセスにおける現像処理と同等の処理で可視化することができる。そして、通常の銀塩写真プロセスにおける焼付け処理と同等の処理で印画紙に転写することができる。このような画像形成装置は光製版装置や、CTスキャン画像等を描画する光描画装置として実施できる。
本実施の形態おける光走査装置1010は、光源ユニット1110において第1の実施の形態における面発光レーザモジュールを有しているため、低コストで安定した光走査を行うことができる。
また、第1の実施の形態における面発光レーザモジュールにおける面発光レーザ素子120は面発光レーザアレイチップであり、複数の発光部を有しているため、同時に複数の光走査が可能となり、画像形成の高速化を図ることができる。
更に、本実施形態におけるレーザプリンタ1000では、光走査装置1010を備えているため、高品質の画像を形成することが可能となる。
また、面発光レーザ素子120である面発光レーザアレイチップは、各発光部を副走査対応方向に延びる仮想線上に正射影したときの発光部間隔が等間隔d2であるので、点灯のタイミングを調整することで感光体ドラム1030上では副走査方向に等間隔で発光部が並んでいる場合と同様な構成と捉えることができる。
そして、例えば、上記間隔d2を2.65μm、光走査装置1010の光学系の倍率を2倍とすれば、4800dpi(ドット/インチ)の高密度書込みができる。もちろん、主走査対応方向の発光部数を増加したり、副走査対応方向のピッチd1を狭くして間隔d2を更に小さくするアレイ配置としたり、光学系の倍率を下げる等を行えばより高密度化でき、より高品質の印刷が可能となる。なお、主走査方向の書き込み間隔は、発光部の点灯のタイミングで容易に制御できる。
また、本実施の形態におけるレーザプリンタ1000では、書きこみドット密度が上昇しても印刷速度を落とすことなく印刷することができる。また、同じ書きこみドット密度の場合には印刷速度を更に速くすることができる。更に、第1の実施の形態における光デバイスである面発光レーザモジュールを用いているため、信頼性の高い高品質の画像を安定して形成することができる。
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態は、複数の感光体ドラムを備えるカラープリンタ2000である。
図28に基づき、本実施の形態におけるカラープリンタ2000について説明する。本実施の形態におけるカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、ブラック用の「感光体ドラムK1、帯電装置K2、現像装置K4、クリーニングユニットK5、及び転写装置K6」と、シアン用の「感光体ドラムC1、帯電装置C2、現像装置C4、クリーニングユニットC5、及び転写装置C6」と、マゼンタ用の「感光体ドラムM1、帯電装置M2、現像装置M4、クリーニングユニットM5、及び転写装置M6」と、イエロー用の「感光体ドラムY1、帯電装置Y2、現像装置Y4、クリーニングユニットY5、及び転写装置Y6」と、光走査装置2010と、転写ベルト2080と、定着ユニット2030などを備えている。
各感光体ドラムは、図28において示される矢印の方向に回転し、各感光体ドラムの周囲には、回転順にそれぞれ帯電装置、現像装置、転写装置、クリーニングユニットが配置されている。各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面を均一に帯電する。帯電装置によって帯電された各感光体ドラム表面に光走査装置2010により光が照射され、各感光体ドラムに潜像が形成されるようになっている。そして、対応する現像装置により各感光体ドラム表面にトナー像が形成される。さらに、対応する転写装置により、転写ベルト2080上の記録紙に各色のトナー像が転写され、最終的に定着ユニット2030により記録紙に画像が定着される。
光走査装置2010は、第1の実施の形態における面発光レーザモジュールを含む光源ユニットを、各々の色毎に有しており、第2の実施の形態において説明した光走査装置1010と同様の効果を得ることができる。また、カラープリンタ2000は、この光走査装置2010を備えているため、第2の実施の形態におけるレーザプリンタ1000と同様の効果を得ることができる。
ところで、カラープリンタ2000では、各部品の製造誤差や位置誤差等によって色ずれが発生する場合がある。このような場合であっても、光走査装置2010の各光源が第1の実施の形態における面発光レーザモジュールを含む光源ユニットにより形成されているため、点灯させる発光部を選択することで色ずれを低減することができる。
よって、本実施の形態におけるカラープリンタ2000では、第1の実施の形態における面発光レーザモジュールを用いているため、信頼性の高い高品質の画像を形成することができる。
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。