JP6018585B2 - 心血管イメージングに関連する材料および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、プラーク(斑)のイメージング(画像化)に関連する材料および方法、より詳細には、プラークの負荷および不安定性、疾患の進行、ならびに療法に対する応答を評価するために、プラークをイメージングできる物質を用いて心血管プラークをイメージングすることに関する。
急性心筋梗塞(AMI)および発作(脳卒中)は、西洋諸国において依然として死亡および罹病の主因である。AMIは、主に不安定/易損性アテローム硬化プラークの破裂または浸食により起きる。内皮機能障害、炎症、血管新生、外部リモデリング、および細胞外マトリックス組織崩壊を含めた複雑な一群の生物学的プロセスが、プラークの進行および脱安定と関連している。同様に、大動脈瘤の発生および破裂は炎症およびマトリックス分解の結果であると考えられている。
破裂/浸食しやすいプラークを識別できることが望ましいので、プラークの負荷および不安定性、疾患の進行を評価し、療法に対する応答を評価することは、この領域における研究の主題であった。冠血管造影法、すなわち冠血管壁の間接的視覚化に限定された手法を用いる初期の研究により、疾患の程度、疾患の進行、および関連する心血管疾患死亡率の間の関係が確立された。血管壁を高い空間解像度でイメージングして正確なプラーク負荷の定量を可能にするために、血管内超音波(intravascular ultrasound)(IVUS)および光学コヒーレンス断層法が開発された。しかし、これらの手法の侵襲性のため、大きな患者集団のスクリーニングまたは追跡調査は実施できない。疾患の負荷と進行は、有害な転帰に対する独立した予測因子として確立された。FDG−PETは、プラークのマクロファージ含量と関連があること、またIVUSにおけるエコー透過性(echolucency)、MRにおけるプラーク出血および脂質に富んだプラーク、ならびにマクロファージ特異的CT造影剤の取込みを含めた、易損性プラークのイメージング特徴と関連があることが示された。
分子磁気共鳴イメージング(MRI)は非侵襲的手法であり、インビボでの生物学的マーカーの視覚化を可能にする。他の臨床用分子イメージング様式と比較して有意に高い空間解像度を達成できるので、それは比較的薄い動脈血管壁の評価に好適である。たとえばWO 2007/05491には、プラークのイメージングのためにヒドラジドコンジュゲートをMRI剤として使用することが開示されている。しかし、緩和度(relaxivity)の高い造影剤の設計において前進はなされたが、感度は依然として陽電子放射断層撮影法、単光子放射コンピューター断層撮影法および光学イメージングと比較した分子MRIに対する主な制限因子である。
動脈プラーク中のエラスチンおよびトロポエラスチンの存在は研究の主題であった。Krettek et al. (1)は、ヒトのアテロームおよび腹部大動脈瘤中に非罹患動脈と比較してトロポエラスチンが増加することを記載している。彼らは、マクロファージがトロポエラスチンの供給源の可能性があることも示している。Xu et al. (2)は、トロポエラスチン発現を泡沫細胞病変の発生と密接に関連したものとして記載している。Akima et al. (3)は、脂質に富んだプラークおよび破裂プラーク中のエラスチンmRNAのレベルは高いけれどもエラスチンのレベルは低いことを記載している。
トロポエラスチンおよびエラスチンの視覚化が種々の方法で試みられた;Kozel et al. (4)は色素で標識した抗体を利用して細胞内のエラスチンを視覚化し、Starcher et al. (5)はエラスチンではなくトロポエラスチン上のエピトープに対する抗体を記載している。WO 2011/005322 (6)は、エラスチンに富んだ組織をイメージングするための化合物を記載している。
他のコンジュゲートを用いて血管傷害が調べられた。US 5972890 (7)には、血管傷害の部位に結合させるためにペプチド標識コンジュゲートを用いることが示唆されている。US 4877599 (8)には、ヒト−エラスチンに対する抗体をI−125にコンジュゲートさせたものをウサギに使用することが記載されている。
WO 2007/05491 WO 2011/005322 US 5972890 US 4877599
したがって、当該技術分野では、プラークのイメージングのための、特にプラークが破裂/浸食しやすいかどうかを評価するための、さらに他の方法を提供することが依然として求められている。
概して、本発明は、破裂または浸食のリスクをもつ易損性プラークは安定なプラークと比較してトロポエラスチン含量が高く、トロポエラスチンに特異的に結合することができるイメージング剤をプラークのイメージングのために、たとえばプラークの負荷および不安定性、疾患の進行、ならびに/あるいは療法に対する応答の評価のために使用できるという知見に基づく。あるいは、またはさらに、不安定プラーク中では安定なプラークと比較してリシルオキシダーゼ活性が低下することを示す本明細書に開示する結果に基づいて、本発明は不安定プラークのマーカーとしてのリシルオキシダーゼの使用を含む。如何なる特定の理論によっても拘束されることを望むものではないが、リシルオキシダーゼはトロポエラスチンを架橋して成熟エラスチンを生成するのに関与する酵素であるため、これらの知見は関連している。したがって、本発明は、リシルオキシダーゼの存在、量または活性を検出するための新規なトロポエラスチン特異的造影剤および/またはイメージング剤を用いて不安定な破裂しやすいプラークの検出を改善するための手段を提供し、こうしてこのハイリスク患者集団においてより良好な誘導処置を行なうことができる。
エラスチンは血管壁において重要な構造的役割を果たすが、生物学的シグナル伝達機能も備えている。幾つかの病的刺激がアテローム硬化症におけるエラスチン形成(elastogenesis)を誘発してプラークの発生に際してエラスチン含量を顕著に増大させるのに関与している可能性がある。未熟な弾性線維は、炎症細胞を動員するためのアテローム形成刺激を生じる可能性がある。ヒトのアテローム硬化プラークはそれらの相対エラスチン含量に基づいて潜在的に線維サブタイプとアテロームサブタイプに区別できることが指摘されているので、プラーク内エラスチン含量の量的変化のイメージングは単独で特にプラークの負荷を評価するための補足情報を与えることができる。
したがって、第1観点において本発明は、トロポエラスチン特異的結合剤またはリシルオキシダーゼ特異的結合剤を含むプラークイメージング用コンジュゲートであって、結合剤がイメージングプローブに連結したものを提供する。
さらに他の観点において、本発明は、トロポエラスチン特異的結合剤またはリシルオキシダーゼ特異的結合剤を含む、プラークのイメージング方法に使用するためのコンジュゲートであって、結合剤がイメージングプローブに連結したものを提供する。
さらに他の観点において、本発明は、プラークのイメージングのための医薬の調製におけるコンジュゲートの使用であって、該コンジュゲートがトロポエラスチン特異的結合剤およびイメージングプローブを含むものを提供する。
本発明は、心血管プラークのイメージングに関するものであってもよい。場合により、本発明の観点のいずれか1つによれば、プラークは心血管プラークであってもよい。場合により、本発明の観点のいずれか1つによれば、プラークはアテローム硬化性の心血管プラークであってもよい。
さらに他の観点において、本発明は、本発明のコンジュゲートを含む医薬組成物を提供する。一般に、組成物は患者に静脈内投与するためのものであろう。
さらに他の観点において、本発明は対象において心血管プラークをイメージングする方法を提供し、この方法は下記を含む:
(a)対象に、トロポエラスチン特異的結合剤およびイメージングプローブを含む心血管プラークイメージング用コンジュゲートを含む組成物を投与し;
(b)イメージング剤を対象の血管系のプラーク中に存在するいずれかのトロポエラスチンに結合させ;
(c)イメージングプローブを検出してプラークの存在を判定する。
したがって本発明の方法は、心血管プラーク、たとえばアテローム硬化プラークをコンジュゲートでイメージングすることにより、患者がプラークの破裂または不安定性により起きる状態、たとえば急性心筋梗塞(AMI)、発作または大動脈瘤を発現する可能性を判定するために使用できる。さらに、あるいはその代りに、本発明の方法は、コンジュゲートによる心血管プラーク、たとえばアテローム硬化プラークのイメージングを、下記のために使用することをさらに含んでもよい:(i)患者のための処置コースを決定する;および/または(ii)患者を特定の療法のための患者クラスに配属する;および/または(iii)プラークの負荷を評価する;(iv)疾患の進行をモニターする;および/または(v)ある療法に対する患者の応答を判定する。これらの方法のいずれかの一部として、段階(c)はプラーク中に存在するトロポエラスチンの定量を含むことができる。
本発明の態様をここで添付の図面および例を参照して記載するが、これらは例示であって限定ではない。
本明細書中で用いる“および/または”は、2つの特定した特徴または成分それぞれの具体的開示であって他方を含むものまたは含まないものであると解釈すべきである。たとえば“Aおよび/またはB”は、(i)A、(ii)B、および(iii)AとBの具体的開示であって、それぞれを個別に本明細書に述べたと同様であると解釈すべきである。
状況からそうではないことが指示されない限り、前記に述べた特徴の記載および定義は本発明のいずれか特定の観点または態様に限定されず、記載したすべての観点および態様に同等に適用される。
図1は、トロポエラスチンからのエラスチン生成を示す図である。 図2は、IHCによるウサギの安定プラークおよび不安定プラークにおけるトロポエラスチン線維の定量であり、安定プラークと対比して不安定プラークではトロポエラスチンのアップレギュレーションがみられることを示す。 図3は、ウサギの安定プラークおよび易損性プラークにおける総エラスチン(トロポエラスチンおよび成熟エラスチン)線維の定量であり、安定プラークと比較して易損性プラークは総エラスチン(トロポエラスチン+成熟エラスチン)含量が高いことを示す。 図4は、易損性プラークではLOXがダウンレギュレートされていることを示す。 図5は、ペプチド配列VVGSPSAQDEASPLSがトロポエラスチン上のヘキサペプチドVGVAPGを結合することを示す図である。 図6は、ガドリニウム標識(DOTA-Gd)-VVGSPSAQDEASPLSによるApoE−/−マウスモデルにおけるプラークのインビボイメージングであり、このコンジュゲートはプラーク負荷された腕頭動脈および大動脈弓に優先的に取り込まれるが、プラークを含まない頚動脈には取り込まれないことを示す。 図7は、ガドリニウム標識K-(DOTA-Gd)-YPDHVQYTHYによるApoE−/−マウスモデルにおけるインビボイメージングであり、このコンジュゲートはプラーク負荷された腕頭動脈および大動脈弓に優先的に取り込まれるが、プラークを含まない頚動脈には取り込まれないことを示す。 図8は、免疫組織化学的検査を示す。トロポエラスチン染色(褐色)により、罹患した腕頭動脈において新生内膜(白い矢印)および外膜(黒い矢印)にトロポエラスチンが存在するが、プラークを含まない腕頭動脈およびプラークが負荷された腕頭動脈の両方において中膜には全くないしほとんどトロポエラスチンが存在しないことが確認される。 図9は、K-(DOTA-Gd)-YPDHVQYTHYの生体内分布であり、腎クリアランス、および腕頭動脈における優先的取込みを示す。
トロポエラスチン特異的またはリシルオキシダーゼ特異的結合剤
トロポエラスチンはマトリックスタンパク質であり、それは合成されて血管壁の一部を形成する。未熟なトロポエラスチンの発現後、それは酵素リシルオキシダーゼ(LOX)により共有結合架橋して構造性の成熟エラスチンになり(図1)、これが血管壁に引張り強さを与える。したがって本発明は、デノボ合成されたトロポエラスチンと成熟した架橋エラスチンとを、特にインビボで識別できるコンジュゲートに関するものである;前者はプラークの不安定性および破裂のリスク増大と関連し、これがAMIおよび/または発作および/または大動脈瘤を生じる。ヒトのトロポエラスチン、リシルオキシダーゼおよびエラスチンの配列は、ウサギなどの動物モデルにおける対応するポリペプチドの配列と共に配列データベースにおいて入手できる(後記の配列セクションも参照されたい)。特異的結合ペプチドを設計し、あるいは抗体に基づく結合剤をスクリーニングするために、他の種に由来するトロポエラスチンを用いることもできる。たとえば同じコンジュゲートを動物モデルとヒト患者においてプラークのイメージングに使用するために、1種より多いトロポエラスチンに特異的に結合できるペプチドまたは抗体を設計することが有利な場合がある。
場合により、本発明の観点のいずれか1つによれば、トロポエラスチン特異的結合ペプチドはトロポエラスチンを特異的に結合することができる。場合により、本発明の観点のいずれか1つによれば、トロポエラスチン特異的結合ペプチドはエラスチンには実質的に結合しない。好ましい態様において、トロポエラスチン特異的結合剤は、インビボでトロポエラスチンを特異的に結合することができ、かつインビボでエラスチンには実質的に結合しない。
場合により、本発明の観点のいずれか1つによれば、トロポエラスチン特異的結合ペプチドは、血管内の他の成分またはタンパク質と比較してトロポエラスチンに対して特異的である。好ましい態様において、トロポエラスチン特異的結合剤は、インビボで血管内の他の成分またはタンパク質と比較してトロポエラスチンに対して特異的である。
一般に、トロポエラスチン特異的結合剤は、トロポエラスチンに特異的に結合することができるポリペプチドまたはペプチドであってもよく、あるいはトロポエラスチンに特異的に結合することができる抗体分子であってもよい。好ましい態様において、トロポエラスチン特異的結合剤は、インビボでトロポエラスチンに特異的に結合することができるポリペプチドまたはペプチドであってもよく、あるいはインビボでトロポエラスチンに特異的に結合することができる抗体分子であってもよい。同様に、リシル−オキシダーゼ特異的結合剤は、リシルオキシダーゼに特異的に結合することができるポリペプチドまたはペプチドであってもよく、あるいはリシルオキシダーゼに特異的に結合することができる抗体分子であってもよい。
トロポエラスチン特異的結合ペプチドの例には、アミノ酸配列VVGSPSAQDEASPLS、EGFEPGまたはYPDHVQYTHYをもつペプチドが含まれる。場合により、本発明の観点のいずれか1つによれば、トロポエラスチン特異的結合ペプチドは、配列VVGSPSAQDEASPLS、EGFEPGまたはYPDHVQYTHYからなる。当業者は、トロポエラスチンおよび/またはリシルオキシダーゼに結合することが知られているポリペプチドの既知のアミノ酸配列を利用し、交差反応を避ける必要性を考慮して、たとえばトロポエラスチン特異的結合剤の場合には特にインビボで成熟エラスチンに有意な程度に結合しないように、別のペプチド配列を容易に設計することができるであろう。実施例において、用いたペプチドは設計された後にPeptide Synthetics(Peptide Protein Research Ltd)により化学合成された。
場合により、本発明の観点のいずれか1つによれば、トロポエラスチン特異的結合ペプチドは、アミノ酸配列VVGSPSAQDEASPLSからの少なくとも4、6、8、10、12または14個のアミノ酸の配列を含む。場合により、本発明の観点のいずれか1つによれば、トロポエラスチン特異的結合ペプチドは、50個を超えない、30、20、18または16個を超えないアミノ酸の長さである。場合により、本発明の観点のいずれか1つによれば、トロポエラスチン特異的結合ペプチドは、アミノ酸配列VVGSPSAQDEASPLSを含むか、あるいはそれからなる。
場合により、本発明の観点のいずれか1つによれば、トロポエラスチン特異的結合ペプチドは、アミノ酸配列YPDHVQYTHYからの少なくとも4、6または8個のアミノ酸の配列を含む。場合により、本発明の観点のいずれか1つによれば、トロポエラスチン特異的結合ペプチドは、50個を超えない、30、20、18、16、14、12または10個を超えないアミノ酸の長さである。場合により、本発明の観点のいずれか1つによれば、トロポエラスチン特異的結合ペプチドは、アミノ酸配列YPDHVQYTHYを含むか、あるいはそれからなる。
本発明において、トロポエラスチン特異的結合剤は、アミノ酸配列VGVAPGを特異的に結合することができるペプチドまたは抗体分子であってもよい。場合により、本発明の観点のいずれか1つによれば、トロポエラスチン特異的結合剤は、アミノ酸配列QDEAを含むペプチドであってもよい。場合により、本発明の観点のいずれか1つによれば、トロポエラスチン特異的結合ペプチドは、50個を超えない、30、20、18、16、14、12または10個を超えないアミノ酸の長さである。如何なる特定の理論によっても拘束されることを望むものではないが、トロポエラスチン特異的結合剤上のアミノ酸残基QDEAがトロポエラスチンのヘキサペプチドVGVAPGを結合すると考えられる(図5)。
本発明において、トロポエラスチン特異的結合剤は、トロポエラスチンに特異的に結合することができるペプチドまたは抗体分子であってもよく、好ましくはエラスチンおよび/または血管系の他の成分に実質的に結合しない。好ましい態様において、トロポエラスチン特異的結合剤は、インビボでトロポエラスチンに特異的に結合することができ、かつ好ましくはエラスチンおよび/または血管系の他の成分に実質的に結合することができない、ペプチドまたは抗体分子であってもよい。トロポエラスチン特異的結合剤(たとえば、ペプチドまたは抗体分子)は、トロポエラスチンに対して50nM未満、40nM未満、30nM未満、20nM未満、10nM未満、または1nM未満の解離定数をもつことができる。これに対し、好ましくは、トロポエラスチン特異的結合剤(たとえば、抗トロポエラスチン抗体またはペプチド)はエラスチンに対して100μmol/Lを超える解離定数をもつことができる。たとえば、トロポエラスチン特異的結合剤(たとえば、抗トロポエラスチン抗体またはペプチド)は、インビボでのエラスチン(たとえば、哺乳動物、たとえばヒト対象中に存在するか、またはそれに由来するエラスチン)に対して1、10、100または200μmol/Lを超える解離定数をもつことができる。
本発明において、リシルオキシダーゼ特異的結合剤が、リシルオキシダーゼに特異的に結合することができかつ血管系の他の成分には結合しないペプチドまたは抗体分子である場合、このペプチドまたはリシルオキシダーゼ抗体は、リシルオキシダーゼに対して50nM未満、40nM未満、30nM未満、20nM未満、10nM未満、または1nM未満の解離定数をもつことができる。
トロポエラスチン特異的結合ペプチドまたは抗トロポエラスチン抗体分子の結合反応速度および親和性(平衡解離定数Kとして表わす)は、たとえばBIAcore分析を用いる表面プラズモン共鳴などの標準法を用いて測定できる。
本明細書に記載する抗トロポエラスチン抗体分子または抗リシルオキシダーゼ抗体分子は、免疫グロブリンまたはそのフラグメントであってもよく、天然のもの、または部分もしくは完全合成により製造したもの、たとえば組換え分子であってもよい。抗トロポエラスチン抗体分子の一例は、Calbiochemから購入できる:Cat No.324756。
抗トロポエラスチン抗体分子または抗リシルオキシダーゼ抗体分子には、抗体の抗原結合部位を含むいずれかのポリペプチドまたはタンパク質を含めることができ、これにはいずれかのイソ型またはサブクラスのFab、Fab、Fab、ディアボディー、トリアボディー、テトラボディー、ミニボディー、および単一ドメイン抗体、ならびに完全抗体が含まれる。抗体分子、ならびにそれらを構築および使用するための方法は、たとえばHolliger & Hudson, Nature Biotechnology 23(9): 1126-1136 (2005)に記載されている。
ある好ましい態様において、抗トロポエラスチン抗体分子または抗リシルオキシダーゼ抗体分子は、完全抗体であってもよい。たとえば、IgG、IgA、IgEもしくはIgM、またはいずれかのイソ型サブクラス、特にIgG1およびIgG4。抗トロポエラスチン抗体分子はモノクローナル抗体であってもよい。
抗トロポエラスチン抗体分子または抗リシルオキシダーゼ抗体分子は、キメラ抗体、ヒト化抗体またはヒト抗体であってもよい。
本明細書に記載する抗トロポエラスチン抗体分子または抗リシルオキシダーゼ抗体分子は、夾雑物、たとえば他のポリペプチドおよび/または血清成分を結合することができる抗体を含まないという意味で、単離されていてもよい。モノクローナル抗体はある目的に好ましいが、ポリクローナル抗体も使用できる。
抗トロポエラスチン抗体分子または抗リシルオキシダーゼ抗体分子は、当該技術分野で標準的な手法を用いて得ることができる。抗体を産生する方法には、哺乳動物(たとえば、マウス、ラット、ウサギ、ウマ、ヤギ、ヒツジまたはサル)をタンパク質またはそのフラグメントで免疫化することが含まれる。抗体は、免疫化した動物から当該技術分野で周知の多様な手法のいずれかを用いて採取し、好ましくは目的抗原に対する抗体の結合を利用してスクリーニングすることができる。たとえば、ウェスタンブロット法または免疫沈降法を使用できる(Armitage et al., 1992, Nature 357: 80-82)。動物からの抗体および/または抗体産生細胞の分離は、動物をと殺する段階を含む場合がある。
ペプチドによる動物の免疫化の代替または補足として、あるタンパク質に対して特異的な抗体は、組換え製造した発現免疫グロブリン可変ドメインのライブラリーから、たとえばそれらの表面に機能性免疫グロブリン結合ドメインを提示するラムダバクテリオファージまたは繊維状バクテリオファージを用いて得ることができる;たとえば、WO92/01047を参照。ライブラリーは、ナイーブなもの、すなわちいかなるタンパク質(またはフラグメント)によっても免疫化されたことがない生物から得た配列から構築したものであってもよく、あるいは目的抗原に曝露された生物から得た配列を用いて構築したものであってもよい。
ある態様において、抗トロポエラスチン抗体分子または抗リシルオキシダーゼ抗体分子を、いずれか好都合な手段、たとえば前記方法により調製し、次いでエラスチン(および/または血管壁の他の成分)と対比したトロポエラスチンへの差示結合についてスクリーニングすることができる。適切なスクリーニング方法は当該技術分野で周知であり、それらによりエラスチンなどの非トロポエラスチンタンパク質と対比してトロポエラスチンへの結合増大を示す抗体またはリシルオキシダーゼに結合することができる抗体を当業者が同定できる。
調製および/または単離した後、抗トロポエラスチン抗体分子または抗リシルオキシダーゼ抗体分子の生物活性を、たとえば前記の結合実験により、あるいはイメージング剤としてのコンジュゲートの特性を判定できるようにコンジュゲートの製造に際して、試験することができる。
抗体分子は普通は免疫グロブリン重鎖可変ドメイン(VH)および免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン(VL)を含む抗原結合ドメインを含むが、重鎖可変ドメイン(VH)のみを含む抗原結合ドメインもありうる(たとえば、ラクダまたはサメの抗体)。
この用語には、抗体の結合ドメインを含むいずれかのポリペプチドまたはタンパク質も含まれる。抗原結合ドメインを含む抗体フラグメントは、たとえばFab、scFv、Fv、dAb、Fd;およびディアボディーである。モノクローナル抗体および他の抗体を採取すること、また組換えDNA技術の手法を用いて元の抗体の特異性を保持した他の抗体またはキメラ分子を作製することができる。そのような手法は、抗体の免疫グロブリン可変部または相補性決定領域(CDR)を、異なる免疫グロブリンの定常部に、または定常部プラス枠組み構造領域に導入するのを伴うことができる。たとえばEP 0 184 187 A、GB 2,188,638 AまたはEP 0 239 400 Aを参照。
トロポエラスチン特異的抗体および抗リシルオキシダーゼ抗体分子は当該技術分野で既知であり、Calbiochem/Abcamなどの業者から市販されている。あるいは、当業者が前記に従って候補抗体を容易に調製およびスクリーニングすることができる。
C:イメージングプローブ
本発明のコンジュゲートは、トロポエラスチン特異的結合剤のほかに、イメージング法、たとえばMRI、PETもしくはSPECTまたはその組合わせにより検出できる、イメージングプローブを含む。イメージングプローブのタイプの例には、放射性核種、光学標識または常磁性標識が含まれる。本発明は、たとえばマルチモードイメージングの実施が可能になるように、コンジュゲートと連結または会合できるさらに他の標識プローブの使用も伴うことができる。光学プローブならびに放射性核種およびMRI造影剤の取込みが可能であることにより、診断および検出を増強する様式を組み合わせるきっかけが得られる;たとえば、PETまたはSPECTを用いる全身スキャンにより、全身レベルの疾患位置を同定することができる。同様に、PETとMRイメージングの組合わせにより、高感度(PET、SPET)、信号の定量(PET)、および解剖学的解像(MR)、ならびに微小環境の測定(MRコントラスト増強)を得ることができる。
本発明の好ましい一群のコンジュゲートは、トロポエラスチン特異的結合剤がガドリニウムなどのMRI活性原子に錯化しうる基に連結したものを含むMRI剤である。別のMRI信号素子は酸化鉄を含有することができる。さらに他の可能性は、NMRもしくはMRI標識としての19F、および/またはたとえばPETもしくはCTイメージングのための標識としての18Fの使用である。
1態様において、MRI活性原子に錯化しうる基はDOTAを含む。ある態様において、MRI活性原子に錯化しうる基はDOTA−リシンである。
本発明に従って使用される放射性核種プローブは、それらのプローブが用いられる用途に応じて広範な種々の放射性核種を使用できる。本発明のプローブの一部を形成しうる放射性核種の例には、テクネチウム、レニウム、銅、コバルト、ガリウム、イットリウム、ルテチウム、インジウム、ジルコニウム、カーボン、ヨウ素、フッ素、およびアスタチン同位体、たとえばTc−99m、Ga−67、In−111、I−123(SPECT)、Cu−64、Cu−60、Cu−61、Cu−62、Tc−94m、Ga−68、Co−55、F−18、C−11、I−124、Zr−89(PET)、Cu−67、Re−186、Re−188、Y−90、Lu−177、I−131(放射性核種療法)が含まれる。本発明は、放射性核種を単独で、または組み合わせて使用できる。一般に、テクネチウム同位体はイメージング目的に、レニウム同位体は療法目的に、また銅およびハロゲン同位体はイメージングと療法の両方に用いられる。
光学プローブの例には、蛍光体、たとえばフルオレセイン、発光分子、および錯体、たとえばランタニド錯体が含まれる。
リンカーおよびコンジュゲーション化学
ある態様において、コンジュゲートは、トロポエラスチン特異的結合剤とイメージングプローブを連結するためのリンカーまたは官能基を含むことができる。リンカーは短いペプチド配列であってもよく、あるいは化学物質リンカーであってもよい。ペプチドリンカー配列の使用は6〜25個のアミノ酸の長さのものであり、より好ましくは9〜16個のアミノ酸の長さが当該技術分野で知られている。リンカーは一般に結合剤およびイメージングプローブに連結するための反応性基、たとえば遊離システイン残基を含む。
コンジュゲート
ある態様において、コンジュゲートは下記のうちのいずれかである:
(DOTA-Gd)-VVGSPSAQDEASPLS、
(DOTA-Gd)-VVGSPSAQDEASPLS-K(DOTA-Gd)、
K(DOTA-Gd)-VVGSPSAQDEASPLS-K(DOTA-Gd)、
K(DOTA-Gd)K(DOTA-Gd)-VVGSPSAQDEASPLS、
K(DOTA-Gd)-VVGSPSAQDEASPLS、
K(DOTA-Gd)-YPDHVQYTHY-K(DOTA-Gd)、
(DOTA-Gd)-YPDHVQYTHY-K(DOTA-Gd)、
(DOTA-Gd)-YPDHVQYTHY、
K(DOTA-Gd)-YPDHVQYTHYまたは
K(DOTA-Gd)K(DOTA-Gd)-YPDHVQYTHY。
使用
1観点において、本発明は、対象の心血管系中のトロポエラスチンのイメージング方法に使用するための、特にプラークのイメージングのための、コンジュゲートを提供する。この方法は一般に下記の段階を伴う:
(a)対象に、トロポエラスチン特異的結合剤およびイメージングプローブを含む心血管プラークイメージング用コンジュゲートを含む組成物を投与し;
(b)イメージング剤を対象の血管系のプラーク中に存在するいずれかのトロポエラスチンに結合させ;
(c)イメージングプローブを検出してプラークの存在を判定する。
プラーク中のトロポエラスチンと接触して結合させるために、一般に、前記コンジュゲートを含む組成物は対象に静脈内投与するためのものとなるであろう。結合が起きるのに適切な猶予後に、本明細書に記載するイメージング法を用いてイメージングプローブを検出することができる。検出段階の結果は、次いでプラーク中に存在するトロポエラスチンを定量するために使用でき、次いでプラークの負荷および/またはプラーク破裂の可能性を評価するために、ならびに/あるいは疾患の進行および/または療法に対する応答をモニターするために使用できる。これの目的は、特にAMI、発作および/または大動脈瘤のリスクに関して対象の予後を判定すること、ならびに/あるいは対象の状態の改善を意図とした療法介入を決定する補助とすることであろう。
前記コンジュゲートを用いるイメージングの主な手段はMRIを利用するが、これを他の核医学イメージング法、たとえば単光子放射断層撮影法(SPET)、すなわち放射性核種から放射されるガンマ線を検出して試料または対象における放射性核種の分布の三次元イメージを作成するイメージング法、および陽電子放射断層撮影法(PET)、すなわち試料または対象に導入した陽電子放射型の放射性核種によって間接的に放射されるガンマ線の対を検出することにより三次元イメージを提供するイメージング法と併用できる。たとえば、SPET試験は99mTcを用いて、またPET試験は94mTcを用いて実施できる。しかし、当業者には、本発明に利用できる他の適切なSPETおよびPET放射性核種を承知しているであろう。一般に本発明は、イメージングプローブの適切な選択により、陽電子放射断層撮影法(PET)、単光子放射断層撮影法(SPET)、光学イメージング(OI)および/または磁気共鳴イメージング(MRI)に利用できる。
したがって、本発明のコンジュゲートは、マルチモードイメージングの方法、すなわち情報またはイメージが2つの異なる手法から得られるものに使用できる;2つの異なる手法を用いて検出できるイメージングプローブの検出によるもの、あるいは、生体系内でナノ粒子が局在化する部位に第2標識を付与することによるもの、最も簡便には第2標識を前記に詳細に説明したコンジュゲートと連結または会合させることによるもの。マルチモード試験は2つの様式で同時記録されて同時イメージングを行なうことができ、あるいは2段階で行なう必要があるが、2つの手法を用いて得た空間情報を比較できるように一般に同一試料を利用する。マルチモードイメージングの例には、PET/CT、SPET/CT、PET/MRおよびSPET/MRが含まれる。
たとえば、下記の例示プロトコルを本発明の方法によるイメージングに使用できる。冠動脈壁および大きな血管、たとえば大動脈における造影剤取込みを視覚化するためには、ナビゲーターゲーティッド、心電同期型、脂肪抑制T1−強調3Dグラディエントエコー反転回復法 ターゲティッドまたは全心臓シーケンス(navigator-gated, cardiac-triggered, fat-suppressed T1-weighted 3D gradient echo inversion recovery targeted or whole heart sequence)(3D IR TFEまたは3D IR SSFP)を使用できる。3D IR TFEシーケンスのイメージングパラメーターは、視野(field of view)=320×320mm、行列(matrix)=256×256、取得平面内解像度(acquired in-plane resolution)=1.25×1.25mm、再構築切片厚さ(reconstructed slice thickness)=1.5mm(取得(acquired):3mm)、取得ウインドウ(acquisition window)=80〜100ms、反復時間/エコー時間(repetition time/echo time)=5.8ms/1.9ms、フリップ角(flip angle)=30°、始動サイクル数(startup cycles)=5、および切片数(number of slices)=20を含むことができるが、全心臓およびSSFPプロトコルについては異なる場合がある。Look Lockerシーケンスを用いて、患者特異的な反転時間(inversion time)(TI)をゼロ血液信号の血液に調整する。
材料および方法
トロポエラスチン特異的結合剤
3種類の異なるペプチド(VVGSPSAQDEASPLS、EGFEPGおよびYPDHVQYTHY)をトロポエラスチン結合剤として選択し、ガドリニウムおよびPET/SPECT標識のためのDOTA−リシンとコンジュゲートさせた。
実験設計
コンジュゲートのインビボおよびエクスビボ試験について本明細書に記載する原理実験の証明には、マウスモデルおよびウサギモデルを用いた。
結合試験
トロポエラスチンおよびTNF−アルファでコートしたペトリ皿を用いる結合試験を実施して、結合剤の特異性を立証する。さらに、エラスチンおよびマクロファージの視覚化のために血管検体の透過型電子顕微鏡検査を実施し、一方で、プラーク負荷された血管壁試料におけるガドリニウム分布との共局在性判定(colocalization)のためにX線スペクトルを取得する。
組織学的検査
動物をMRI直後に安楽死させる。その後、腕頭動脈および腹部大動脈を切除して3mmの断片に切断する。断片を、パラフィン包埋断片については3μm切片、OCT包埋断片については6μmに切断する。断片を、次いで細胞浸潤についてヘマトキシリンおよびエオシン(H&E)、エラスチンについてミラーのエラスチカ−ワンギーソン染色(Miller’s elastica van Gieson)(EVG)、ならびにプラークの形態およびコラーゲン沈着についてマッソンの三重染色法(Masson’s trichrome)およびピクロシリウスレッド(Picrosirius Red)で染色する。さらに、トロポエラスチン、TNF−アルファおよびLOXに対して特異的な抗体による免疫染色を実施する。検査する血管検体中のGdのモル濃度を定量するために、質量分析(MS)を適用する。
ApoEマウスモデル
進行性アテローム硬化症のマウスモデルにおいて高脂肪食開始後4、8および12週目に、またアンギオテンシンII(Ang−II)誘発による大動脈瘤形成のモデルにおいてAng−II放出ミニポンプ埋込み後1、2、3および4週目に、MRIを実施する。トロポエラスチンまたはTNF−アルファ結合性の造影剤(contrast agent)(CA)のいずれかを投与した各時点で10匹のマウスをスキャンする;それぞれ合計が60匹および80匹のマウスになる。動物に各時点で造影剤の前と後にMRIセッションを受けさせ、その後、組織学的検査、免疫染色、電子分光法および質量分析による評価のためにと殺する。処置効果を立証するために、10匹のマウスをスタチン類による12週間の治療後にトロポエラスチン結合性造影剤でスキャンする。トロポエラスチン合成におけるLOXの役割を立証するために、10匹のマウスをLOX阻害剤処置の開始後12週目にトロポエラスチン造影剤でスキャンする。
プラーク破裂モデル
ニュージーランドシロウサギに高コレステロール食(Special Diets Services)を2週間給餌し、次いで腹部大動脈のバルーン傷害を施す。その後、高脂肪食をさらに6週間続けた後、4週間の普通食を与える。このプロトコルを用いたプラークは、AHA II〜VI型病変と比較して類似の特徴を発現することが示されている(石灰化病変の存在を除外する)。ヒスタミンおよびラッセルクサリヘビ蛇毒(RVV)を用いてプラーク破裂を誘発する前に、トロポエラスチン結合性MR造影剤を用いてMRIを実施する。プラークの破裂/浸食を誘発した後48時間目に、管腔内血栓の存在を検出して血栓の位置と誘発前トロポエラスチン−Gdとの相関性を求めるためにMRIを反復する。合計16匹のウサギをスキャンして、プラーク破裂を伴うウサギまたは伴わないウサギは約8匹(50%)となる。最終スキャンの直後に、動物を組織学的検査、免疫染色、質量分析および電子分光法による評価のためにと殺する。
ウサギ大動脈断片を凍結保護し(30%ショ糖)、組織凍結媒体中に包埋し、−80℃で保存した。一連の10μm厚さの横断切片(300μm長さに及ぶ)を500μm間隔で採集した。切片を、プラークの全般的な形態検査のためのマッソンの三重染色法、成熟および未熟エラスチン線維の検出のためのワンギーソンのエラスチン染色、ならびにトロポエラスチン線維、LOXおよびマクロファージの検出のための免疫組織化学的検査に用いた。破壊されたプラークはマッソンの三重染色法により分類され、ヒトのプラークについて定義されるように破裂したものと浸食されたものの両方を含んでいた。破壊されていないプラークには血栓が覆っていないものを含めた。
免疫組織化学的検査をアビジン−ビオチン−ペルオキシダーゼ法(Vector Laboratories,No.PK−6102)により実施した。下記に対する抗ウサギポリクローナル抗体:トロポエラスチン(Calbiochem,# 324756)、LOX(IMGENEX,#IMG−6442A)およびマクロファージ(Dako,クローンRAM11,No.M0633)を用い、下記の段階を実施した:1)切片を10%ホルマリン中、室温で20分間インキュベートして、組織切片をスライドに付着させた;2)切片をクエン酸系溶液(10mMクエン酸、0.05% Tween 20,pH6.0)(Vector Laboratories,カリフォルニア州バーリンガム,No.H−3300)中、100℃で20分間、加圧調理器を用いてインキュベートして、エピトープを回収した;3)1%過酸化水素中、室温で10分間インキュベートして、内因性ペルオキシダーゼ活性をブロックした;4)10%ウマ血清中で60分間インキュベートして、抗血清の非特異的結合を低下させた;5)一次抗体と共に室温で2時間インキュベートした。陰性対照切片を10%ウマ血清のみと共にインキュベートした;6)ビオチニル化ウマ抗マウス免疫グロブリンG(希釈度1:200)と共に室温で1時間インキュベートした;そして7)希釈度1:50のアビジン−ビオチニル化西洋わさびペルオキシダーゼ複合体(Vectastain Elite,Vector Laboratories,No.PK−6102)と共に室温で1時間インキュベートした。免疫反応部位を希釈度1:50の3,3−ジアミノベンジジン(DAB基質色原体,Vector Laboratories,No.SK−4100)と共に3〜5分間インキュベートすることにより視覚化した。トリス緩衝化生理食塩水(pH7.4)を用いて各溶液を希釈し、かつ各段階の間で切片を3回洗浄した。最後に、組織切片をヘマトキシリンで対比染色した(1分間)。
未熟(トロポ)エラスチンに結合すると思われる抗体、およびプラーク破壊が制御されたウサギモデルを用いて、本発明者らは下記のことを見出した:
1.アテローム硬化症の進行中および易損性プラークにトロポエラスチン線維の沈着が増大する;
2.初期段階でトロポエラスチン線維が内膜全体に散乱し、その後期にそれらの密度が増大してそれらは外膜中にも見出される;
3.易損性プラーク中のエラスチン含量の増大は、そのような病変のインビボ検出のための分子イメージングに利用できる;
4.場合により、トロポエラスチン線維はCD68陽性マクロファージと共局在化すると思われ、これはマクロファージがエラスチンの供給源である可能性があることを指摘する;
5.しかし、マクロファージがエラスチン線維と共局在化しない場合もあり、これは異なる局所機能性をもつマクロファージ亜集団の多様性がある可能性を指摘する。
さらに他の実験でトロポエラスチン特異的結合ペプチドを用いるイメージングを検討した。
ペプチドVVGSPSAQDEASPLSおよびYPDHVQYTHYの潜在的開裂部位を調べた。主に消化器系中に存在する酵素のみがペプチドVVGSPSAQDEASPLSおよびYPDHVQYTHYを開裂することが見出された。これらの酵素はいずれも血液またはプラーク中に報告されておらず、したがってペプチドVVGSPSAQDEASPLSまたはYPDHVQYTHYは血管壁/プラーク特異的な標的トロポエラスチンに結合する前に開裂しないと思われる。
タンパク質BLASTを実施して相同性をスクリーニングした。アミノ酸配列VVGSPSAQDEASPLSおよびYPDHVQYTHYKは、トロポエラスチンと相互作用すると記載されているタンパク質(それぞれ、エラスチン結合タンパク質(EBP)およびミクロフィブリル関連糖タンパク質−1(MAGP−1))中にのみ見出され、他のタンパク質中にはみられない。これらの結果は、これらの選択したペプチドが目的タンパク質であるトロポエラスチンに高特異的であることを示唆する。
ガドリニウム標識(DOTA-Gd)-VVGSPSAQDEASPLSを注射した高脂肪食(HFD)給餌ApoE−/−マウスにおける12週間のインビボ実験は、プラーク負荷された腕頭動脈(BCA)および大動脈弓に優先的に取り込まれるがプラークを含まない頚動脈には取り込まれない好ましい生体内分布(図6)、ならびに造影剤注射の1時間後に既にイメージング可能となる迅速な腎クリアランスを示した。
HFD給餌ApoE−/−マウスにおけるガドリニウム標識K-(DOTA-Gd)-YPDHVQYTHYを用いたインビボ実験は、プラーク負荷された腕頭動脈および大動脈弓に取り込まれかつプラークを含まない頚動脈には取り込まれないという有望な結果を示した(図7)。このペプチドは、迅速な腎クリアランスおよびBCAへの優先的取込みを伴う好ましい生体内分布も示した(図9)。
免疫組織化学的検査は、罹患BCAの新生内膜および外膜にトロポエラスチンが存在すること、ならびにプラーク負荷した(罹患)およびプラークを含まない(非罹患)BCA血管壁の両方において中膜にはトロポエラスチンが存在しないことを証明した(図8)。
3Tにおける結合緩和度は20.88mM−1−1と測定された。
本明細書に述べたすべての文献の全体を本明細書に援用する。
ある態様において、本発明は以下であってもよい。
[態様1]トロポエラスチン特異的結合剤およびイメージングプローブを含む、斑のイメージング方法に使用するためのコンジュゲートであって、該コンジュゲートによるプラークのイメージングが、患者がプラークの破裂または不安定性により起きる状態を発現するリスクを判定するために用いられる、コンジュゲート。
[態様2]イメージングプローブに連結したトロポエラスチン特異的結合剤を含む、プラークをイメージングするためのコンジュゲートであって、該コンジュゲートによるプラークのイメージングが、患者がプラークの破裂または不安定性により起きる状態を発現するリスクを判定するために用いられる、コンジュゲート。
[態様3]プラークのイメージングのための医薬の調製におけるコンジュゲートの使用であって、該コンジュゲートがトロポエラスチン特異的結合剤およびイメージングプローブを含み、該コンジュゲートによるプラークのイメージングが、患者がプラークの破裂または不安定性により起きる状態を発現するリスクを判定するために用いられる、使用。
[態様4]プラークが心血管プラークである、前記態様のいずれか1に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様5]心血管プラークがアテローム硬化プラークである、態様4に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様6]状態が急性心筋梗塞(AMI)、発作または大動脈瘤である、態様4または態様5に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様7]コンジュゲートによるプラークのイメージングが、患者のための処置コースを決定すること、患者を特定の療法のための患者クラスに配属すること、プラークの負荷を評価すること、疾患の進行をモニターすること、および/または療法に対する患者の応答を判定することのために用いられる、前記態様のいずれか1に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様8]トロポエラスチン特異的結合剤がトロポエラスチンを特異的に結合することができる、前記態様のいずれか1に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様9]トロポエラスチン特異的結合剤がエラスチンに実質的に結合しない、態様7に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様10]トロポエラスチン特異的結合剤がインビボでトロポエラスチンを特異的に結合することができ、かつインビボでエラスチンに実質的に結合しない、前記態様のいずれか1に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様11]トロポエラスチン特異的結合剤が、血管内の他の成分またはタンパク質と比較してトロポエラスチンに対して特異的である、態様4〜6のいずれか1に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様12]トロポエラスチン特異的結合剤が、インビボで、血管内の他の成分またはタンパク質と比較してトロポエラスチンに対して特異的である、態様4〜6のいずれか1に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様13]トロポエラスチン特異的結合剤が、プラーク中に存在するトロポエラスチンに特異的に結合することができるペプチド、抗体分子、タンパク質、アプタマーまたは小分子リガンドである、前記態様のいずれか1に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様14]トロポエラスチン特異的結合剤がペプチドまたは抗体分子である、態様13に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様15]ペプチドが、アミノ酸配列VVGSPSAQDEASPLSからの少なくとも4個のアミノ酸の配列を含む、態様13または態様14に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様16]ペプチドがアミノ酸配列QDEAを含む、態様13〜15のいずれか1に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様17]トロポエラスチン特異的結合分子がアミノ酸配列VGVAPGに結合することができる、態様13〜16のいずれか1に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様18]ペプチドが、アミノ酸配列YPDHVQYTHYからの少なくとも4個のアミノ酸の配列を含む、態様13または態様14に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様19]ペプチドが、配列VVGSPSAQDEASPLS、EGFEPGまたはYPDHVQYTHYを有する、態様13または態様14に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様20]ペプチドが20個のアミノ酸の長さを超えない、態様13〜19のいずれか1に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様21]ペプチドが、配列VVGSPSAQDEASPLS、EGFEPGまたはYPDHVQYTHYからなる、態様13または態様14に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様22]トロポエラスチン特異的結合剤が、ヒト−エラスチンと比較してヒト−トロポエラスチンに対して特異的である、態様8〜21のいずれか1に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様23]さらに、トロポエラスチン特異的結合剤が、プラークにより起きる状態の動物モデルにおいてエラスチンと比較してトロポエラスチンに対して特異的である、態様8〜21のいずれか1に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様24]コンジュゲートによるプラークのイメージングが、プラーク中に存在するリシルオキシダーゼ(LOX)の量または活性を判定するためにさらに用いられる、前記態様のいずれか1に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様25]イメージングプローブが、MRI、SPECTまたはPETイメージングのためのものである、前記態様のいずれか1に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様26]イメージングプローブが、ガドリニウムを錯化することができる基に連結しているMRI剤である、前記態様のいずれか1に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様27]イメージングプローブが、ガドリニウムに基づくイメージングのためのDOTA−リシンである、前記態様のいずれか1に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様28]イメージングプローブが、ガドリニウムに基づくイメージングのためのDOTA−リシン、または酸化鉄である、態様1〜25のいずれか1に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様29]イメージングプローブが、フッ素、テクネチウム、レニウム、銅、コバルト、ガリウム、イットリウム、ルテチウム、インジウム、ジルコニウム、カーボン、ヨウ素、フッ素またはアスタチン同位体である放射性核種を含む、態様1〜24のいずれか1に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様30]イメージングプローブが、蛍光特性または発光特性をもつ光学標識を含む、前記態様のいずれか1に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様31]イメージングプローブが、MRI造影剤として使用するための常磁性プローブを含む、前記態様のいずれか1に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様32]コンジュゲートが、
(DOTA-Gd)-VVGSPSAQDEASPLS、
(DOTA-Gd)-VVGSPSAQDEASPLS-K(DOTA-Gd)、
K(DOTA-Gd)-VVGSPSAQDEASPLS-K(DOTA-Gd)、
K(DOTA-Gd)K(DOTA-Gd)-VVGSPSAQDEASPLS、
K(DOTA-Gd)-VVGSPSAQDEASPLS、
K(DOTA-Gd)-YPDHVQYTHY-K(DOTA-Gd)、
(DOTA-Gd)-YPDHVQYTHY-K(DOTA-Gd)、
(DOTA-Gd)-YPDHVQYTHY、
K(DOTA-Gd)-YPDHVQYTHYまたは
K(DOTA-Gd)K(DOTA-Gd)-YPDHVQYTHY
のうちの1つである、態様13または態様14に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様33]コンジュゲートが、(DOTA-Gd)-VVGSPSAQDEASPLS、またはK(DOTA-Gd)-YPDHVQYTHYである、態様13または態様14に記載のコンジュゲートまたは使用。
[態様34]前記態様のいずれか1に記載のコンジュゲートを含む組成物。
[態様35](a)対象に、トロポエラスチン特異的結合剤およびイメージングプローブを含む心血管プラークイメージング用コンジュゲートを含む態様34に記載の組成物を投与し;
(b)イメージング剤を対象の血管系のプラーク中に存在するいずれかのトロポエラスチンに結合させ;
(c)イメージングプローブを検出してプラークの存在を判定する
ことを含む、対象において心血管プラークをイメージングする方法。
[態様36]心血管プラークをコンジュゲートでイメージングすることにより、患者がプラークの破裂または不安定性により起きる状態を発現するリスクを判定することをさらに含む、態様35に記載の方法。
[態様37]状態が急性心筋梗塞(AMI)、発作または大動脈瘤である、態様35に記載の方法。
[態様38]コンジュゲートによる心血管プラークのイメージングを、(i)患者のための処置コースを決定する;および/または(ii)患者を特定の療法のための患者クラスに配属する;および/または(iii)プラークの負荷を評価する;(iv)疾患の進行をモニターする;および/または(v)療法に対する患者の応答を判定するために使用することをさらに含む、態様35に記載の方法。
[態様39]工程(c)が、プラーク中に存在するトロポエラスチンを定量することを含む、態様35〜38のいずれか1に記載の方法。
[態様40]組成物が対象に静脈内投与するためのものである、態様35〜39のいずれか1に記載の方法。
[態様41]心血管プラークがアテローム硬化プラークである、態様35〜40のいずれか1に記載の方法。
配列
1.トロポエラスチン特異的結合ペプチド
2.ヒト−トロポエラスチン
3.マウストロポエラスチン
4.ヒトリシルオキシダーゼ
5.マウスリシルオキシダーゼ
6.推定ウサギリシルオキシダーゼ
参考文献

Claims (7)

  1. イメージングプローブに連結したトロポエラスチン特異的結合剤を含むコンジュゲートを含む、プラークをイメージングするための医薬組成物であって、該コンジュゲートによるプラークのイメージングは患者がプラークの破裂または不安定性により起きる状態を発現するリスクを判定するためのものであり、
    該コンジュゲートが、
    (DOTA-Gd)-VVGSPSAQDEASPLS、
    (DOTA-Gd)-VVGSPSAQDEASPLS-K(DOTA-Gd)、
    K(DOTA-Gd)-VVGSPSAQDEASPLS-K(DOTA-Gd)、
    K(DOTA-Gd)K(DOTA-Gd)-VVGSPSAQDEASPLS、
    K(DOTA-Gd)-VVGSPSAQDEASPLS、
    K(DOTA-Gd)-YPDHVQYTHY-K(DOTA-Gd)、
    (DOTA-Gd)-YPDHVQYTHY-K(DOTA-Gd)、
    (DOTA-Gd)-YPDHVQYTHY、
    K(DOTA-Gd)-YPDHVQYTHYまたは
    K(DOTA-Gd)K(DOTA-Gd)-YPDHVQYTHY
    のうちの1つである、前記医薬組成物。
  2. コンジュゲートがアミノ酸配列VGVAPGに結合することができる、請求項に記載の医薬組成物。
  3. プラークが心血管プラークである、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  4. 心血管プラークがアテローム硬化プラークである、請求項に記載の医薬組成物。
  5. 状態が急性心筋梗塞(AMI)、発作または大動脈瘤である、請求項またはに記載の医薬組成物。
  6. コンジュゲートによるプラークイメージングを用いて、患者のための処置コースを決定し、患者を特定の療法のための患者クラスに配属し、プラークの負荷を評価し、疾患の進行をモニターし、および/またはある療法に対する患者の応答を判定する、請求項1〜のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  7. イメージングプローブに連結したトロポエラスチン特異的結合剤を含むコンジュゲートを用いるプラークイメージング方法に使用するための請求項1〜のいずれか1項に記載の医薬組成物であって、該コンジュゲートによるプラークイメージングは患者がプラークの破裂または不安定性により起きる状態を発現するリスクを判定するためのものであり、該方法は下記を含むものである、医薬組成物:
    (a)患者に、コンジュゲートを含む組成物を投与し;
    (b)コンジュゲートを患者の血管系のプラーク中に存在するいずれかのトロポエラスチンに結合させ;
    (c)イメージングプローブを検出してプラークの存在を判定し;そして
    (d)心血管プラークをコンジュゲートでイメージングすることにより、患者がプラークの破裂または不安定性により起きる状態を発現するリスクを判定する。
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