JP2010539112A - 抗腫瘍薬のための分類マーカーとしてのed‐bフィブロネクチン - Google Patents
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Abstract
本発明は(a)分析されるべき腫瘍細胞を含むサンプルを提供する、(b)前記サンプルをED‐Bフィブロネクチン特異的分子と接触させ、そして前記サンプル中でのそれの腫瘍細胞への結合を評価する、及び(c)段階(b)の評価に基づいて前記腫瘍細胞を分類する:段階を含む、腫瘍細胞の分類方法に関する。
Description
本発明は、抗腫瘍薬に対する腫瘍の感受性について腫瘍を分類するための診断薬としての、及び詳細にはEGF/EGFRアンタゴニストのための分類マーカーとしての、例えばED‐Bドメインに対する標識化抗体又は抗体断片の、フィブロネクチンのエキストラドメインB(ED‐B)に対する分子の使用に関する。
表皮成長因子受容体(EGFR)の阻害剤は腫瘍治療において、詳細には非小細胞肺癌(NSCLC)を有する患者の治療のために使用されている。EGFR阻害に対するEGFRを含むヒトNSCLC細胞系の感受性はそれらが上皮間葉移行(EMT)を経験した程度に因る。上皮細胞連結タンパク質E‐カドヘリンを発現するNSCLC細胞系はEMTを経験した細胞系に比較してEGFR阻害に対してより大きな感受性を示す(Thomson et al., Cancer Res. 65(2005), 9455−9462)。
さらに、NSCLC患者におけるEGFRアンタゴニストの臨床活性はヒト腫瘍細胞におけるEMT決定により予想されうることが分かっている(Yauch et al., Clin. Cancer Res. 11(2005), 8686−8698)。
EMTは上皮マーカー、例えばE‐カドヘリンの欠損、及び間葉マーカー、例えばヴィメンチンの獲得により特徴づけられる。EMTは脱分化、粘着性の拘束の欠損及び断節及び侵襲の高まりを引き起こす。これらの特性は悪化した悪性疾患の顕著な特徴である。したがって、EMTは癌細胞がこのより侵襲性の表現型を獲得する機構を提供する(Lee et al., J. Cell. Biol. 172(2006), 973−981;Christiansen and Rajasekaran, Cancer Res. 66(2006), 8319−8326)。しかしながら、このプロセスはおそらく腫瘍内の別々の領域で一過的に起こるので、ルーチンの分析法によるEMTの検出は困難である(Gotzman et al., Mutation Res. 566(2004)9−20)。
したがって、ヒト腫瘍細胞若しくは組織又は関心のある他の細胞若しくは組織における上皮対間葉表現型の決定を可能にする信頼性のある及び感度の高い方法を提供することが本発明の目的であった。
第一の局面において、本発明は
(a)ED‐Bフィブロネクチン特異的分子を腫瘍細胞又は腫瘍組織と接触させ、そして上記ED‐Bフィブロネクチン特異的分子の上記腫瘍細胞又は上記腫瘍組織への結合を評価する、及び
(b)段階(a)の評価に基づいて前記腫瘍細胞又は腫瘍組織を分類する
の段階を含む、腫瘍細胞又は腫瘍組織の分類方法について言及する。
(a)ED‐Bフィブロネクチン特異的分子を腫瘍細胞又は腫瘍組織と接触させ、そして上記ED‐Bフィブロネクチン特異的分子の上記腫瘍細胞又は上記腫瘍組織への結合を評価する、及び
(b)段階(a)の評価に基づいて前記腫瘍細胞又は腫瘍組織を分類する
の段階を含む、腫瘍細胞又は腫瘍組織の分類方法について言及する。
さらなる局面において、本発明は細胞又は組織における、詳細には腫瘍細胞又は腫瘍組織における上皮間葉移行(EMT)の検出、詳細にはイメージング方法であって、
(a)ED‐Bフィブロネクチン特異的分子を細胞又は組織と接触させ、そしてED‐Bフィブロネクチン特異的分子の上記細胞又は組織への結合を評価する、及び
(b)段階(a)の評価に基づいて上皮型細胞若しくは組織として又は間葉型細胞若しくは組織として前記細胞又は組織を同定する
の段階を含む方法について言及する。
(a)ED‐Bフィブロネクチン特異的分子を細胞又は組織と接触させ、そしてED‐Bフィブロネクチン特異的分子の上記細胞又は組織への結合を評価する、及び
(b)段階(a)の評価に基づいて上皮型細胞若しくは組織として又は間葉型細胞若しくは組織として前記細胞又は組織を同定する
の段階を含む方法について言及する。
さらなる局面において、本発明はED‐Bフィブロネクチン特異的分子の実質的な結合が観察されている場合上皮型腫瘍細胞又は組織として又はED‐Bフィブロネクチン特異的分子の実質的な結合が観察されない場合間葉型腫瘍細胞又は組織として腫瘍細胞又は腫瘍組織を分類する方法であって、
(a)ED‐Bフィブロネクチン特異的分子を腫瘍細胞又は腫瘍組織と接触させ、そして上記ED‐Bフィブロネクチン特異的分子の上記腫瘍細胞又は上記腫瘍組織への結合を評価する、及び
(b)段階(a)の評価に基づいて前記腫瘍細胞又は腫瘍組織を分類する
の段階を含む方法について言及する。
(a)ED‐Bフィブロネクチン特異的分子を腫瘍細胞又は腫瘍組織と接触させ、そして上記ED‐Bフィブロネクチン特異的分子の上記腫瘍細胞又は上記腫瘍組織への結合を評価する、及び
(b)段階(a)の評価に基づいて前記腫瘍細胞又は腫瘍組織を分類する
の段階を含む方法について言及する。
特に好ましい態様において、前記ED‐Bフィブロネクチン特異的分子の実質的な結合はEGF/EGFRアンタゴニストの投与を含む抗腫瘍治療に対する感受性を示している。
さらに、本発明のさらなる局面は腫瘍細胞又は腫瘍組織を治療に対して感受性が高い又は抵抗性であると分類するための薬剤の製造のためのED‐Bフィブロネクチン特異的分子の使用について言及する。
さらなる態様において、本発明は腫瘍細胞又は腫瘍組織をEGF/EGFRアンタゴニストでの治療に対して感受性が高い又は抵抗性であると分類する方法のためのED‐Bフィブロネクチン特異的分子の使用に関する。
さらに、本発明のさらなる局面は腫瘍細胞又は腫瘍組織をEGF/EGFRアンタゴニストでの治療に対して感受性が高い又は抵抗性であると分類するための薬剤の製造のためのED‐Bフィブロネクチン特異的分子の使用について言及する。好ましい態様において、上記腫瘍細胞又は腫瘍組織へのED‐Bフィブロネクチン特異的分子の実質的な結合は患者がEGF/EGFRアンタゴニストでの治療に対して感受性が高いことを表示している。
さらに、本発明のさらなる局面は上皮間葉移行を検出するための薬剤の製造のためのED‐Bフィブロネクチン結合分子の使用について言及する。さらに、本発明のさらなる局面は上皮間葉移行の検出方法におけるED‐Bフィブロネクチン結合分子の使用について言及する。好ましい態様において、ED‐Bフィブロネクチン特異的分子の上記腫瘍細胞又は腫瘍組織への実質的な結合は上皮間葉移行を経験していない又はまだ経験していない組織を表示している。
さらに、本発明のさらなる局面は検出可能な標識基と結合されたED‐Bフィブロネクチン特異的結合分子を含む腫瘍細胞又は腫瘍組織を分類するための組成物又はキットについて言及する。
さらに、本発明のさらなる局面は検出可能な標識基と結合されたED‐Bフィブロネクチン特異的結合分子を含む上皮間葉移行を検出するための組成物又はキットについて言及する。
さらに、本発明のさらなる局面は検出可能な標識基と結合されたED‐Bフィブロネクチン特異的結合分子及びEGF/EGFRアンタゴニストを含む腫瘍を治療するための組成物又はキットに関する。
好ましい態様において、本発明は腫瘍の治療方法における、検出可能な標識基と結合されたED‐Bフィブロネクチン特異的結合分子及びEGF/EGFRアンタゴニストを含む組成物又はキットの使用に関する。
特に好ましい態様において、検出可能な標識基と結合された上記ED‐Bフィブロネクチン特異的結合分子は検出可能な標識基と結合されたAP39、詳細には99mTc標識化AP39である。
さらに、本発明のさらなる局面は腫瘍細胞又は腫瘍組織を分類し、そしてEGF/EGFRアンタゴニストでの治療に対して感受性が高いと同定された患者を治療することを含む腫瘍患者を治療するための組成物又はキットについて言及し、ここで上記キットは検出可能な標識基と結合されたED‐Bフィブロネクチン特異的結合分子及びEGF/EGFRアンタゴニストを含む。
さらに、本発明のさらなる局面は上皮間葉移行を検出し、そして上皮間葉移行を経験していない患者を治療することを含む腫瘍患者を治療するための組成物又はキットについて言及し、ここで上記キットは検出可能な標識基と結合されたED‐Bフィブロネクチン特異的結合分子及びEGF/EGFRアンタゴニストを含む。
さらなる態様において、本発明は
(a)腫瘍患者に検出可能な標識基と結合された診断として有効な量のED‐Bフィブロネクチン特異的結合分子を投与する
(b)ED‐Bフィブロネクチン特異的結合分子が組織に実質的に結合するかどうかを決定することにより、上記患者がEGF/EGFRアンタゴニストでの治療に対して感受性が高いかどうかを決定する、及び
(c)上記患者がED‐Bフィブロネクチン特異的結合分子の実質的な結合を示している場合、上記腫瘍患者に治療的に有効な量のEGF/EGFRアンタゴニストを投与する
の段階を含む、腫瘍患者の治療方法に関する。
(a)腫瘍患者に検出可能な標識基と結合された診断として有効な量のED‐Bフィブロネクチン特異的結合分子を投与する
(b)ED‐Bフィブロネクチン特異的結合分子が組織に実質的に結合するかどうかを決定することにより、上記患者がEGF/EGFRアンタゴニストでの治療に対して感受性が高いかどうかを決定する、及び
(c)上記患者がED‐Bフィブロネクチン特異的結合分子の実質的な結合を示している場合、上記腫瘍患者に治療的に有効な量のEGF/EGFRアンタゴニストを投与する
の段階を含む、腫瘍患者の治療方法に関する。
本発明によると、ED‐Bフィブロネクチンの決定は腫瘍細胞又は腫瘍組織の選択又は分類のために及び/又はEMTの検出のために使用されうることが驚くべきことに発見された。腫瘍細胞又は腫瘍組織のED‐B特異的分子への結合はEGF/EGFRアンタゴニストの如き抗腫瘍薬に対する感受性及び/又は上皮性表現型を表示している。腫瘍細胞又は腫瘍組織のED‐B特異的分子に対する結合の欠損又は結合の減少はEGF/EGFRアンタゴニストの如き抗腫瘍薬に対する抵抗性及び/又は間葉性表現型を表示している。したがって、本発明は腫瘍患者及びEGF/EGFRアンタゴニストでの治療の如き、抗腫瘍治療に対する患者の感受性の選択又は分類に特に好適である。
フィブロネクチンのED‐Bドメインについて特異的な分子、上記フィブロネクチン分子への代替のスプライシングにより挿入される(Castellani et al., (1994), Int. J. Cancer 59, 612−18)91アミノ酸の配列は本明細書中に引用されるWO 97/45544、WO 01/62800、WO 03/055917、WO 03/07649及びWO 2005/0223318中に既に示されている。好ましい結合分子は、例えば、ED‐Bドメインに対する抗体又は上記抗体の断片、例えば、タンパク質分解切断により得られうる抗体断片、例えば、Fab‐、Fab’‐F(ab2)断片等又は組換え抗体断片、例えば、一重鎖Fv‐断片の如き、ED‐Bドメインに直接的に及び特異的に結合する分子である。上記ED‐B結合分子は診断適用に好適な標識基との結合体として好ましく使用される。
本発明の好ましい態様は標識基との結合体として存在している抗体L19又はこの抗体の断片(L19誘導体)の使用に関する。
L19はフィブロネクチンのエキストラ‐ドメインB(ED‐B)に対するモノクローナル抗体のscFv断片(scFv:一本鎖可変抗体断片)であり、そして以下のアミノ酸配列(配列ID番号1)を有している:
(aa)表1中に示されている相補性決定領域HCDR3及び/又はLCDR3を含むフィブロネクチンのエキストラ‐ドメインB(ED‐B)に対する少なくとも1の抗原結合部位又はその変形であって、HCDR3領域内に5アミノ酸までの及びLCDR3領域内に6アミノ酸までの欠損、挿入及び/又は置換を示しており、ここで上記抗原結合部位は配列ID番号1中に示されている天然L19と同じ機能を示している
(ab)表1中に示されている相補性決定領域HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含むフィブロネクチンのエキストラ‐ドメインB(ED‐B)に対する少なくとも1の抗原結合部位又はその変形であって、HCDR1領域内に3アミノ酸までの、HCDR2領域内に8アミノ酸までの、HCDR3領域内に5アミノ酸までの、LCDR1領域内に6アミノ酸までの、LCDR2領域内に4アミノ酸までの及びLCDR3領域内に6アミノ酸までの欠損、挿入及び/又は置換を示しており、ここで上記抗原結合部位は配列ID番号1中に示されている天然L19と同じ機能を示している又は
(ac)配列ID番号1中に示されている天然L19の配列を含むフィブロネクチンのエキストラ‐ドメインB(ED‐B)に対する少なくとも1の抗原結合部位又はその変形であって、30アミノ酸までの欠損、挿入及び/又は置換を示しており、ここで上記抗原結合部位は配列ID番号1中に示されている天然L19と同じ機能を示している
及び場合により
(ba)アミノ酸配列Xaa1‐Xaa2‐Xaa3‐Cys(配列ID番号2)、ここでXaa1、Xaa2、及びXaa3は互いに独立にどの天然アミノ酸でも示している
(bb)アミノ酸配列Xaa1‐Xaa2‐Xaa3‐Cys‐Xaa4(配列ID番号3)、ここでXaa1、Xaa2、Xaa3、及びXaa4は互いに独立にどの天然アミノ酸でも示している
(bc)アミノ酸配列(His)n(配列ID番号4)、ここでnは4〜6の整数である又は
(bd)配列ID番号5、配列ID番号6又は配列ID番号7中に示されている配列を含むアミノ酸配列
を含むL19誘導体は特に好ましく、ここで(aa)、(ab)又は(ac)のC末端は(ba)、(bb)、(bc)又は(bd)のN末端へのペプチド結合を介して任意に結合されている。
(ab)表1中に示されている相補性決定領域HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含むフィブロネクチンのエキストラ‐ドメインB(ED‐B)に対する少なくとも1の抗原結合部位又はその変形であって、HCDR1領域内に3アミノ酸までの、HCDR2領域内に8アミノ酸までの、HCDR3領域内に5アミノ酸までの、LCDR1領域内に6アミノ酸までの、LCDR2領域内に4アミノ酸までの及びLCDR3領域内に6アミノ酸までの欠損、挿入及び/又は置換を示しており、ここで上記抗原結合部位は配列ID番号1中に示されている天然L19と同じ機能を示している又は
(ac)配列ID番号1中に示されている天然L19の配列を含むフィブロネクチンのエキストラ‐ドメインB(ED‐B)に対する少なくとも1の抗原結合部位又はその変形であって、30アミノ酸までの欠損、挿入及び/又は置換を示しており、ここで上記抗原結合部位は配列ID番号1中に示されている天然L19と同じ機能を示している
及び場合により
(ba)アミノ酸配列Xaa1‐Xaa2‐Xaa3‐Cys(配列ID番号2)、ここでXaa1、Xaa2、及びXaa3は互いに独立にどの天然アミノ酸でも示している
(bb)アミノ酸配列Xaa1‐Xaa2‐Xaa3‐Cys‐Xaa4(配列ID番号3)、ここでXaa1、Xaa2、Xaa3、及びXaa4は互いに独立にどの天然アミノ酸でも示している
(bc)アミノ酸配列(His)n(配列ID番号4)、ここでnは4〜6の整数である又は
(bd)配列ID番号5、配列ID番号6又は配列ID番号7中に示されている配列を含むアミノ酸配列
を含むL19誘導体は特に好ましく、ここで(aa)、(ab)又は(ac)のC末端は(ba)、(bb)、(bc)又は(bd)のN末端へのペプチド結合を介して任意に結合されている。
本発明の範囲内で、上記標識化L19誘導体は抗原結合部位(aa)、(ab)又は(ac)から選択されるフィブロネクチンのエキストラ‐ドメインB(ED‐B)に対するN末端抗原結合部位及び場合によりアミノ酸配列(ba)、(bb)、(bc)又は(bd)から選択されるC末端アミノ酸配列を含み、ここで上記抗原結合部位は配列ID番号1中に示されている天然L19と同じ機能を示している。
本発明によると、上記標識化L19誘導体(aa)又は(ab)のフィブロネクチンのエキストラ‐ドメインB(ED‐B)に対する抗原結合部位は表1中に示されている相補性決定領域HCDR3及び/又はLCDR3又はHCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3を含む。本発明の範囲内で、上記相補性決定領域HCDR1、HCDR2、HCDR3、LCDR1、LCDR2及びLCDR3は以下のように定義されている:
表1中に定義されている相補性決定領域に加えて、上記標識化L19誘導体(aa)又は(ab)のフィブロネクチンのエキストラ‐ドメインB(ED‐B)に対する抗原結合部位はこれらの領域の変形をもまた含みうる。本発明によると、上記HCDR1領域の変形は上記HCDR1領域内に3アミノ酸までの欠損、挿入及び/又は置換、すなわち、表1中に示されている配列(配列ID番号8)と比較して1、2又は3アミノ酸の欠損、挿入及び/又は置換を含む。上記HCDR2領域の変形は上記HCDR2領域内に8アミノ酸までの欠損、挿入及び/又は置換、すなわち、表1中に示されている配列(配列ID番号9)と比較して1、2、3、4、5、6、7又は8アミノ酸の欠損、挿入及び/又は置換を含む。さらに、上記HCDR3領域の変形は上記HCDR3領域内に5アミノ酸までの欠損、挿入及び/又は置換、すなわち、表1中に示されている配列(配列ID番号10)と比較して1、2、3、4又は5アミノ酸の欠損、挿入及び/又は置換を含む。しかしながら、上記LCDR1領域の変形は上記LCDR1領域内に6アミノ酸までの欠損、挿入及び/又は置換、すなわち、表1中に示されている配列(配列ID番号11)と比較して1、2、3、4、5又は6アミノ酸の欠損、挿入及び/又は置換を含む。さらに、上記LCDR2領域の変形は上記LCDR2領域内に4アミノ酸までの欠損、挿入及び/又は置換、すなわち、表1中に示されている配列(配列ID番号12)と比較して1、2、3又は4アミノ酸の欠損、挿入及び/又は置換を含む。上記LCDR3領域の変形は上記LCDR3領域内に6アミノ酸までの欠損、挿入及び/又は置換、すなわち、表1中に示されている配列(配列ID番号13)と比較して1、2、3、4、5又は6アミノ酸の欠損、挿入及び/又は置換を含む。
本発明によると、上記標識化L19誘導体(ac)のフィブロネクチンのエキストラ‐ドメインB(ED‐B)に対する抗原結合部位は配列ID番号1中に示されている天然L19の配列又はその変形を含み、それは30アミノ酸までの欠損、挿入及び/又は置換、すなわち、配列ID番号1中に示されている配列と比較して1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29又は30アミノ酸の欠損、挿入及び/又は置換を示している。
上記標識化L19誘導体のアミノ酸配列(ba)、(bb)又は(bc)は配列Xaa1‐Xaa2‐Xaa3‐Cys(配列ID番号2)、Xaa1‐Xaa2‐Xaa3‐Cys‐Xaa4(配列ID番号3)又は(HIS)n(配列ID番号4)を含む。
本発明の好ましい態様において、上記アミノ酸配列(ba)Xaa1‐Xaa2‐Xaa3‐Cys(配列ID番号2)は配列Gly‐Gly‐Gly‐Cys(配列ID番号14)又はGly‐Cys‐Gly‐Cys(配列ID番号15)である。配列Gly‐Gly‐Gly‐Cys(配列ID番号14)は特に好ましい。
本発明の他の好ましい態様において、上記アミノ酸配列(bb)Xaa1‐Xaa2‐Xaa3‐Cys‐Xaa4(配列ID番号3)は配列Gly‐Gly‐Gly‐Cys‐Ala(配列ID番号16)又はGly‐Cys‐Gly‐Cys‐Ala(配列ID番号17)である。配列Gly‐Gly‐Gly‐Cys‐Ala(配列ID番号16)は特に好ましい。
本発明の他の好ましい態様において、上記アミノ酸配列(bc)(His)n(配列ID番号4)はnが6に等しい配列(His)6(配列ID番号18)である。
本発明の他の好ましい態様において、(aa)、(ab)又は(ac)のN末端はリンカーアミノ酸配列のC末端へのペプチド結合を介して任意につなげられている。上記リンカーアミノ酸配列は好ましくは30アミノ酸まで、好ましくは25アミノ酸まで、及び特に好ましくは22アミノ酸までの長さを有する。配列ID番号19中に示されている配列であるリンカーアミノ酸配列は特に好ましい。
本発明によると、特に好ましい標識化L19誘導体は配列ID番号1(天然L19)、配列ID番号20(AP38)、配列ID番号21(AP39)、配列ID番号22(L19‐GlyCysGlyCys)、配列ID番号23(L19‐GlyCysGlyCysAla)、配列ID番号24(ZK225293)、配列ID番号25(ZK217691/217695)、配列ID番号26(ZK210917)及び配列ID番号27(ZK248219/248220)中に示されている配列を含む。AP39は特に好ましい。
99mTc‐標識化AP39は好ましくは非経口又は静脈内投与により、より好ましくは静脈内注射により患者に適用される。上記ヒト投与量は典型的に一人の患者当たり約0.01〜10mgの範囲内、好ましくは約0.1〜1mgの範囲内である。
上記ED‐Bドメインに対する結合分子は好ましくは標識基との結合体の形態で存在している。標識基として、診断適用、詳細にはin vivoでの診断適用に好適な全ての標識物質、例えば、放射活性検出、例えば、放射活性イメージング法のための放射性標識物質又は非放射活性検出、例えば、光学イメージング又は磁気共鳴イメージングに好適な標識物質の如き非放射活性イメージング法のための標識物質が使用されうる。特に好ましい態様において、上記標識基はSPECT(単光子放出コンピューター化トモグラフィー)に好適な標識基、詳細には放射性同位体99mTcである。さらに特に好ましい態様において、上記標識基はPET(陽電子放出トモグラフィー)に好適な標識基、詳細には放射性同位体18Fである。PET又はSPECTにおける本発明に係る方法及び使用の適用は好ましい。
生検はしばしば取ることが困難であり、そして外科的介入を必要とするので、本使用及び方法は生検を取ることなく診断をまた許容するため、in vivoでの診断適用は特に好ましい。また、ED‐Bフィブロネクチンは間質細胞外マトリックスタンパク質であり、そしてin vivoイメージング手順のためにアクセス可能である。それは腫瘍の新生血管形成の外側に及び細胞外に位置している。
ポリペプチド、ペプチド及び詳細にはscFv断片中に標識物質を導入するプロセスは先行技術で周知である。上記結合分子は好ましくは放射性同位体、例えば、ヨウ素(I)、インジウム(In)、イットリウム(Y)、テクネチウム(Tc)、レニウム(Re)、ガリウム(Ga)、臭素(Br)又はフッ素(F)の放射性同位体で標識化される。放射性同位体125I、123I、124I、131I、111In、186Re、188Re、86Y、94mTc、99mTc、67Ga、68Ga、76Br又は18Fは特に好ましい。好ましい放射性同位体は99mTc、18F及び123Iである。
18F‐標識化AP39分子の合成は実施例4及び5中に示されている。これらの18F‐標識化分子は詳細には本発明に係るPETにおける使用に好適である。AP39はWO 03/055917中に示されているL19抗体の誘導体である。
したがって、他の好ましい態様において、詳細には[18F]FBAM‐AP39及び[18F]SFB‐AP39から選択される18F‐標識化AP39は詳細にはPETでの本発明に係る方法及び使用に特に有用である。
本発明の好ましい態様において、抗体断片、例えば、還元型L19誘導体が使用される。本発明の範囲内で、用語「還元型」は、上記断片がモノマー型で存在しており、そして例えば、分子間ジスルフィド架橋により仲介されるダイマー型又は多重結合型では存在していないことを意味する。上記抗体断片の還元型は好ましくは好適な還元剤を添加することにより得られる。好適な還元剤は先行技術で周知であり、そしてTCEP(トリス(2‐カルボキシエチル)フォスフィン)及び1,4‐ジメルカプト‐2,3‐ブタンジオールを含む。
さらに、本発明は、上記医薬組成物又はキットが上記結合分子に加えて、生理学的に適合性の補助剤、賦形剤及び/又は希釈剤を任意に含むことを提供する。好適な補助剤、賦形剤及び/又は希釈剤は医薬品化学の分野における当業者に周知である。
本発明の好ましい態様において、腫瘍は、ED‐Bフィブロネクチン特異的分子の実質的な結合が観察される場合、上皮型腫瘍として又はED‐Bフィブロネクチン特異的分子の実質的な結合が観察されない場合、間葉型腫瘍として分類される。この文脈において、用語「実質的な結合」はコントロール細胞又はコントロール組織への非特異的結合又は間葉型細胞への結合を超えて区別されうる標的抗原との免疫学的反応を含む。この文脈において、用語「実質的な結合」は細胞の取り込みもまた含むことに留意すべきである。実質的な結合はSPECTカメラ及びPET分析の、視覚による観察により又は組織学的染色の分析のための定量的な又は半定量的なプログラムを介して直接的に及び定性的に決定されうる。
本発明にしたがって分析されるべき細胞又は組織は好ましくはEMTを経験することが可能な細胞又はEMTを経験することが可能な細胞を含む組織である。より好ましくは、上記細胞又は組織は腫瘍細胞又は腫瘍組織、例えば、NSCLC細胞又は組織の如き肺癌細胞又は組織又は前立腺癌、乳癌、膵臓癌、結腸癌、頭部及び首の癌、卵巣癌、腎臓癌、胃又は頸部の癌からの細胞又は組織及び例えば、Christiansen及びRajasekaran(上記)により示されている他の腫瘍細胞又は組織である。
好ましくは、上記細胞又は組織はヒト腫瘍患者からの細胞又は組織である。本発明に係る方法はin vitro又はin vivoで行われうることに留意すべきである。in vivo診断法は好ましくはヒト患者に由来する細胞又は組織サンプル、例えば、腫瘍細胞又は腫瘍組織サンプルの体外試験を含む。in vivo法はED‐Bフィブロネクチン特異的分子を患者、例えば、ヒト患者又は実験動物に投与し、そして上記患者において決定、好ましくはイメージング手順を行うことを含む。
本発明に係るin vivo法は好ましくはED‐B結合分子を含む医薬組成物を試験されるべき患者の静脈及び/又は動脈内に注入し、そして存在している場合、細胞又は組織、例えば、腫瘍細胞又は腫瘍組織に結合した標識化ED‐B結合分子を検出することにより行われる。放射性同位体標識化結合分子が使用される場合、上記検出はシンチグラフィー、SPECT又はPETにより行われうる。
本発明に係る方法は治療に対する、好ましくは抗腫瘍治療に対する感受性についての患者、好ましくは腫瘍患者の分類に特に好適である。上記方法はある治療プロトコールに対する感受性を決定するために、上記患者の抗腫瘍治療の開始前に行われうる。あるいは又はさらに、上記方法は上記患者の抗腫瘍治療中にもまた行われうる。上記抗腫瘍治療は好ましくは、任意にさらなる抗腫瘍剤の投与及び/又は放射線治療を伴う、EGF/EGFRアンタゴニストの投与を含む。上記EGF/EGFRアンタゴニストは小分子EGFR阻害剤、例えば、エルロチニブ又はジェフィチニブの如きEGFRキナーゼ阻害剤から選択されうる。あるいは、上記EGF/EGFRアンタゴニストはセツキシマブの如き抗EGFR抗体から選択されうる。
単一治療として又はイリノテカンとの組み合わせで推奨されるセツキシマブのヒトへの用量は静脈内投与される開始ロード用量として400mg/m2である。推奨される毎週の維持用量はこれもまた静脈内投与される250mg/m2である。上記のような用量管理が典型的に本発明にしたがって患者に適用されうるが、より低い又はより高い用量もまた可能である。
特に好ましい態様において、本発明に係る方法はエルロチニブの如きEGFRアンタゴニストを用いる抗腫瘍治療の開始前に行われる。それにより治療抵抗性患者は治療感受性患者から区別され、それにより有効でない腫瘍治療を高い率で減少させうる。
さらに、本発明は以下の実施例によりさらに詳細に説明されうる。
実施例1:L19誘導体の生成
L19誘導体AP39の生成は、その内容が本明細書中に援用されるWO 03/055917中に示されているように行われる。
実施例2:L19誘導体の放射性同位体での標識化
標識化L19誘導体AP39‐Tc99mの生成は、その内容が本明細書中に援用されるWO 03/055917中に示されているように行われる。
実施例3:標識化L19誘導体のNSCLC細胞系への結合研究
結合研究をマウスにおける2のヒトNSCLC腫瘍モデル:エルロチニブ感受性上皮型モデルであるNCI‐H292、及びエルロチニブ抵抗性間葉型モデルであるCalu‐6において行った。
L19誘導体AP39の生成は、その内容が本明細書中に援用されるWO 03/055917中に示されているように行われる。
実施例2:L19誘導体の放射性同位体での標識化
標識化L19誘導体AP39‐Tc99mの生成は、その内容が本明細書中に援用されるWO 03/055917中に示されているように行われる。
実施例3:標識化L19誘導体のNSCLC細胞系への結合研究
結合研究をマウスにおける2のヒトNSCLC腫瘍モデル:エルロチニブ感受性上皮型モデルであるNCI‐H292、及びエルロチニブ抵抗性間葉型モデルであるCalu‐6において行った。
TCEP還元AP39を3‐(N‐マレイミドプロピオニル)ビオシチン(Sigma)を用いてビオチン付加した。ビオチン付加AP39のNCI‐H292及びCalu‐6腫瘍組織の凍結切片(5‐10μm)へのin vitro結合をExtrAvidin(Sigma)及び液体DAB基質パック(Liquid DAB Substrate Pack)(BioGenex)を利用することにより製造業者のプロトコールにしたがって決定した。ビオチン付加AP39のより広範囲な結合はCalu‐6腫瘍組織(図1B)に比較してNCI‐H292腫瘍組織(図1A)中で観察された。
Tc‐99m放射性標識AP39を約111kBqの用量でNCI‐H292及びCalu‐6腫瘍保持ヌードマウス(体重約30g)に静脈内注入した。上記腫瘍内の放射活性密度を上記物質の投与1時間後にガンマ‐カウンターを用いてex vivoで計測した。Tc‐99m‐AP39の濃度はNCI‐H292腫瘍組織において実質的により高いことが推測されうる(図2)。
Tc‐99m放射性標識AP39を約150MBqの用量でNCI‐H292及びCalu‐6腫瘍保持ヌードマウス(体重約30g)に静脈内注入した。SPECTイメージングを上記物質の投与4時間後に行った。この調査の結果は、NCI‐H292(図3A)腫瘍はCalu‐6(図3B)腫瘍よりSPECTイメージングによりかなりよく描写されうることを示している。
実施例4:N‐[6‐(4‐[18F]フルオロベンジリデン)アミノオキシヘキシル]マレイミドAP39([18F]FBAM‐AP39)の合成
[18F]FBAMを文献(Berndt et al., Nucl Med Biol. 2007, 34(1), 5‐15)にしたがってGE tracerlab上で1ポット合成で合成し、そしてイソクラティック(無勾配)半調製済みHPLC(tR=15分;65/35 水/MeCN+0.1%TFA;ACE 5 C18‐HL 250*10mm;5μm;Advanced Chromatography Technologies;Cat.No.:ACE321‐2510)により精製した。典型的な実験で、[18F]FBAMを崩壊について修正される30〜40%放射性化学収率で75分後に500〜1,000MBqの量で単離した。HPLC後、総容量をC‐18 SPEにより減少させ、そして[18F]FBAMを2mL MeCN中に調合し、そして乾燥するまで55℃で窒素流中で乾燥させた。[18F]FBAMをDMSO/0.05M Tris/NaCl緩衝液(pH=7.4)(1/9(v/v))中に溶解し、そしてAP39(90μL PBS、pH7.4中の100μg)を添加し、そして37℃で30分間インキュベートした。結合率を分析HPLC(tR=13.2分;TSKgel superSW2000;300*4.6mm;4μ;Toso Biosep;TSK緩衝液(0.1M Na2HPO4/0.1M Na2SO4/0.05% NaN3;pH6.7,イソクラティック 0.3ml/分))により確認した。F‐18標識化AP39をSephadex(商標)NAP5カートリッヂを用いたゲルろ過により精製し、そしてHPLC及び電気泳動により分析した。免疫反応性の評価をBirchler et al.(J. Immunol. Methods 1999, 231, 239‐248)にしたがってED‐Bフィブロネクチン結合Sepharoseを含むカラムを用いたアフィニティクロマトグラフィーにより行った。非修正結合率は[18F]FBAMについて10〜15%であった。
実施例4:N‐[6‐(4‐[18F]フルオロベンジリデン)アミノオキシヘキシル]マレイミドAP39([18F]FBAM‐AP39)の合成
[18F]FBAMを文献(Berndt et al., Nucl Med Biol. 2007, 34(1), 5‐15)にしたがってGE tracerlab上で1ポット合成で合成し、そしてイソクラティック(無勾配)半調製済みHPLC(tR=15分;65/35 水/MeCN+0.1%TFA;ACE 5 C18‐HL 250*10mm;5μm;Advanced Chromatography Technologies;Cat.No.:ACE321‐2510)により精製した。典型的な実験で、[18F]FBAMを崩壊について修正される30〜40%放射性化学収率で75分後に500〜1,000MBqの量で単離した。HPLC後、総容量をC‐18 SPEにより減少させ、そして[18F]FBAMを2mL MeCN中に調合し、そして乾燥するまで55℃で窒素流中で乾燥させた。[18F]FBAMをDMSO/0.05M Tris/NaCl緩衝液(pH=7.4)(1/9(v/v))中に溶解し、そしてAP39(90μL PBS、pH7.4中の100μg)を添加し、そして37℃で30分間インキュベートした。結合率を分析HPLC(tR=13.2分;TSKgel superSW2000;300*4.6mm;4μ;Toso Biosep;TSK緩衝液(0.1M Na2HPO4/0.1M Na2SO4/0.05% NaN3;pH6.7,イソクラティック 0.3ml/分))により確認した。F‐18標識化AP39をSephadex(商標)NAP5カートリッヂを用いたゲルろ過により精製し、そしてHPLC及び電気泳動により分析した。免疫反応性の評価をBirchler et al.(J. Immunol. Methods 1999, 231, 239‐248)にしたがってED‐Bフィブロネクチン結合Sepharoseを含むカラムを用いたアフィニティクロマトグラフィーにより行った。非修正結合率は[18F]FBAMについて10〜15%であった。
18F‐標識化AP39、詳細には[18F]FBAM‐AP39は詳細にはPETでの本発明に係る方法及び使用のために特に有用である。
実施例5:N‐スクシンイミジル4‐[18F]フルオロ安息香酸塩AP39([18F]SFB‐AP39)の合成
[18F]SFBを文献(Kabalka et al., Journal of Labeled Compounds and Radiopharmaceuticals, 2008, 51, 68‐71)にしたがってGE tracerlab上で1ポット合成で合成し、そしてイソクラティック半調製済みHPLC(tR=16.5分;65/35 水/MeCN+0.1%TFA;ACE 5 C18‐HL 250*10mm;5μm;Advanced Chromatography Technologies;Cat.No.:ACE321‐2510)により精製した。典型的な実験で、[18F]SFBを崩壊について修正される30〜35%放射性化学収率で65分後に400〜800MBqの量で単離した。HPLC後、[18F]SFBの容量をC‐18 SPEにより減少させ、そして[18F]SFBを2mL MeCN中に調合し、そして乾燥するまで55℃で窒素流中で乾燥させた。[18F]SFBをDMSO/0.1Mホウ酸塩緩衝液(pH=8.6)(1/9(v/v))中に再溶解し、そしてAP39(90μL PBS,pH7.4中の100μg)を添加した。インキュベーションを37℃で30分間行った。結合率を分析HPLC(tR=13.2分;TSKgel superSW2000;300*4.6mm;4μ;Toso Biosep;TSK緩衝液(0.1M Na2HPO4/0.1M Na2SO4/0.05% NaN3;pH6.7,イソクラティック 0.3ml/分)により確認した。F‐18標識化AP39をSephadex(商標)NAP5カートリッジを用いたゲルろ過により精製し、そしてHPLC及び電気泳動により分析した。免疫反応性の評価をBirchler et al.にしたがってED‐Bフィブロネクチン結合Sepharoseを含むカラムを用いたアフィニティクロマトグラフィーにより行った。非修正結合率は[18F]FBAMについて10〜12%であった。
実施例5:N‐スクシンイミジル4‐[18F]フルオロ安息香酸塩AP39([18F]SFB‐AP39)の合成
[18F]SFBを文献(Kabalka et al., Journal of Labeled Compounds and Radiopharmaceuticals, 2008, 51, 68‐71)にしたがってGE tracerlab上で1ポット合成で合成し、そしてイソクラティック半調製済みHPLC(tR=16.5分;65/35 水/MeCN+0.1%TFA;ACE 5 C18‐HL 250*10mm;5μm;Advanced Chromatography Technologies;Cat.No.:ACE321‐2510)により精製した。典型的な実験で、[18F]SFBを崩壊について修正される30〜35%放射性化学収率で65分後に400〜800MBqの量で単離した。HPLC後、[18F]SFBの容量をC‐18 SPEにより減少させ、そして[18F]SFBを2mL MeCN中に調合し、そして乾燥するまで55℃で窒素流中で乾燥させた。[18F]SFBをDMSO/0.1Mホウ酸塩緩衝液(pH=8.6)(1/9(v/v))中に再溶解し、そしてAP39(90μL PBS,pH7.4中の100μg)を添加した。インキュベーションを37℃で30分間行った。結合率を分析HPLC(tR=13.2分;TSKgel superSW2000;300*4.6mm;4μ;Toso Biosep;TSK緩衝液(0.1M Na2HPO4/0.1M Na2SO4/0.05% NaN3;pH6.7,イソクラティック 0.3ml/分)により確認した。F‐18標識化AP39をSephadex(商標)NAP5カートリッジを用いたゲルろ過により精製し、そしてHPLC及び電気泳動により分析した。免疫反応性の評価をBirchler et al.にしたがってED‐Bフィブロネクチン結合Sepharoseを含むカラムを用いたアフィニティクロマトグラフィーにより行った。非修正結合率は[18F]FBAMについて10〜12%であった。
18F‐標識化AP39、詳細には[18F]SFB‐AP39は詳細にはPETでの本発明に係る方法及び使用に特に有用である。
Claims (29)
- ED‐Bフィブロネクチン特異的分子の実質的な結合が観察される場合上皮型腫瘍細胞又は組織として又はED‐Bフィブロネクチン特異的分子の実質的な結合が観察されない場合間葉型腫瘍細胞又は組織として腫瘍細胞又は腫瘍組織を分類する方法であって、
(a)ED‐Bフィブロネクチン特異的分子を腫瘍細胞又は腫瘍組織と接触させ、そして上記ED‐Bフィブロネクチン特異的分子の上記腫瘍細胞又は上記腫瘍組織への結合を評価する、及び
(b)段階(a)の評価に基づいて前記腫瘍細胞又は腫瘍組織を分類する
の段階を含む方法。 - 前記ED‐Bフィブロネクチン特異的分子の実質的な結合がEGF/EGFRアンタゴニストの投与を含む抗腫瘍治療への感受性を示す、請求項1に記載の方法。
- 上記腫瘍細胞又は組織が肺癌、詳細にはNSCLCから又は前立腺癌、乳癌、膵臓癌、結腸癌、頭部及び首の癌、胃癌、卵巣癌、腎臓癌又は頸部の癌から選択される、請求項1又は2に記載の方法。
- 上記腫瘍細胞又は腫瘍組織がヒト腫瘍患者に由来する又はヒト腫瘍患者中に存在している、請求項1〜3のいずれか1に記載の方法。
- 前記患者の抗腫瘍治療の開始前に行われる、請求項4に記載の方法。
- 前記患者の抗腫瘍治療中に行われる、請求項4に記載の方法。
- 前記抗腫瘍治療がさらなる抗腫瘍剤及び/又は放射線治療の投与を任意に組み合せてEGF/EGFRアンタゴニストの投与を含む、請求項5又は6に記載の方法。
- 前記EGF/EGFRアンタゴニストが小分子EGFR阻害剤、詳細にはエルロチニブ又はジェフィチニブから選択される、請求項7に記載の方法。
- 前記EGF/EGFRアンタゴニストが抗EGFR抗体、詳細にはセツキシマブから選択される、請求項7に記載の方法。
- 前記ED‐Bフィブロネクチン特異的分子がペプチド又は抗体である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
- 前記ED‐Bフィブロネクチン特異的分子が抗体L19からのCDR配列を有する抗体である、請求項10に記載の方法。
- 前記ED‐Bフィブロネクチン特異的分子が抗体AP39である、請求項11に記載の方法。
- 前記ED‐Bフィブロネクチン特異的分子が検出可能な標識基と、詳細にはイメージング基と結合されている、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
- 上記標識基が放射活性標識基である、請求項13に記載の方法。
- 上記標識基がSPECT標識基、詳細には99mTcである、請求項13又は14に記載の方法。
- 上記標識基がPET標識基、詳細には18Fである、請求項14に記載の方法。
- in vitroで行われる、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
- in vivoで行われる、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
- 細胞又は組織における、詳細には腫瘍細胞又は腫瘍組織における、上皮間葉移行(EMT)の検出方法であって、
(a)ED‐Bフィブロネクチン特異的分子を細胞又は組織と接触させ、そして上記ED‐Bフィブロネクチン特異的分子の上記細胞又は組織への結合を評価する、及び
(b)段階(a)の評価に基づいて前記細胞又は組織を上皮型細胞又は組織として或いは間葉型細胞又は組織として同定する
の段階を含む方法。 - 段階(a)における評価がイメージング手順に基づいている、請求項1又は19に記載の方法。
- 腫瘍細胞又は腫瘍組織をEGF/EGFRアンタゴニストでの治療に対して感受性である又は抵抗性であると分類する方法におけるED‐Bフィブロネクチン特異的分子の使用。
- 上記腫瘍細胞又は腫瘍組織が肺癌、詳細にはNSCLCから又は前立腺癌、乳癌、膵臓癌、結腸癌、頭部及び首の癌、胃癌、卵巣癌、腎臓癌又は頸部の癌から選択される、請求項21に記載の使用。
- 前記抗腫瘍治療がさらなる抗腫瘍剤の投与及び/又は放射線治療を任意に組み合せてEGF/EGFRアンタゴニストの投与を含む、請求項21又は22に記載の使用。
- 上皮間葉移行の検出方法におけるED‐Bフィブロネクチン結合分子の使用。
- 検出可能な標識基と結合されたAP39及びEGF/EGFRアンタゴニストを含む腫瘍を治療するための組成物又はキット。
- 上記検出可能な標識基が放射活性標識基、詳細にはSPECT標識基又はPET標識基である、請求項25に記載の組成物又はキット。
- 腫瘍の治療方法における、請求項25又は26に記載の組成物の使用。
- N‐[6‐(4‐[18F]フルオロベンジリデン)アミノオキシヘキシル]マレイミドAP39([18F]FBAM‐AP39)
- N‐スクシンイミヂル4‐[18F]フルオロ安息香酸塩AP39([18F]SFB‐AP39)
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