JP6017721B2 - 採光面材 - Google Patents
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Description
太陽光を室内の奥まで導くように工夫した採光面材としては、屋外面にプリズムシートを被覆した窓板が提案されている(例えば、特許文献1)。また、ドーム型の採光装置において、採光口に乳白色のドームカバーを取付け、出射口にプリズム加工された配光板を設けた技術が提案されている(特許文献2)。
なお、遮光性を高める技術としては、屈折フィルムを設けた窓ガラスがある(例えば、特許文献3)。
屋外側に設けられる非拡散性の透光板と、屋内側に設けられ透過光を拡散させる拡散板と、これら透光板と拡散板とに挟み付けられている屈折フィルムと、他の透光板とを備え、
前記他の透光板は、前記透光板または前記拡散板に対して空気層を介して組み合わせられ、前記屈折フィルムは前記空気層に触れていない。
前記建物の開口部は、外壁の他、間仕切り壁、バルコニー腰壁等の種々の壁、屋根面等に設けられる窓開口、出入り口等である。
この発明の採光面材において、前記他の透光板は、前記拡散板の屋内側に設けられていても良い。
この発明の採光面材において、前記屈折フィルムは、前記透光板と前記拡散板とで隙間なく挟み付けられていても良い。この場合、前記屈折フィルムは、屋外面や屋内面だけでなく、採光面材内部の空気層とも触れず、より一層良好に、汚れ防止や変性防止の作用が得られる。
この構成の場合、開口部内の一部にこの発明の採光面材を設けたので、この部分では、入射光を例えば上向きに屈折して室内に入射させることができ、従来では目隠しを目的として不透明ガラスなどを採光面材として用いた場合と同等の機能を担うだけでなく、自然光を室内の奥まで取入れる機能も担うことができる。開口部の残りの部分に設けられる透光板からは、屋外からの光が直進して室内に入射される。これにより、室内空間を十分に明るくでき、より快適な室内環境をつくることができる。
この構成の場合、開口部の下側部分に設けられた採光面材に入射して来る光が上向きに屈折して拡散光となり、室内の壁や天井を照らす。他方、開口部の上側部分に設けられた透光板に下向きに入射して来る光はそのまま直進して室内の床面を照らす。そのため、室内の壁や天井だけでなく床面も照らすことができ、より室内空間を明るくすることができて、明るさ感がより一層向上する。
この構成の場合、開口部の位置に応じて、開口部からの入射光の屈折角度を異ならせるので、各開口部の位置の日照条件に応じて、各開口部からの入射光で室内の床面、壁、天井を屋内の奥部まで適切に照らすことができる。
このように入射光L1が屈折フィルム4で屈折することにより、屋外からの光を屋内の奥まで取入れることができて、明るさ感の上で重要となる壁や天井が明るくなることから、明るさ感を向上させることができる。また、屈折フィルム4を透過した光は拡散板3で拡散されるので、屈折フィルム4を透過することにより透過光に生じる虹状の光模様のプリズム現象を拡散板3で緩和することができ、屋内に違和感のない光を届けることができる。また、自然光が居住者の目に入ることで、サーカディアンリズムの調整作用が働き、健康にも寄与できる。
なお、窓戸6の採光面材が例えば透光板2だけからなる従来例の場合には、透光板2を下向きに透過した入射光L1はそのまま下向きの光L4として屋内に取込まれるので、屋内の奥まで光が届かず屋内を暗くしてしまう。このような問題が、採光面材1によって解消される。
また、屈折フィルム4は透光板2と拡散板3の間に介在するので、屋外面や屋内面に露出させる場合と異なり、傷や汚れが生じにくく、また紫外線による変性等によりその屈折の効果が低下することが防止され、長期に渡って屈折の性能が維持される。
これに対して、採光面材が例えば上記した透光板2だけからなる従来の窓で前記開口部11を塞ぐ場合には、開口部11に下向きに入射して来た光L1がそのまま直進するので、図2(B)のように直進してきた光L4は室内の奥のキッチンKまで届かず、また部屋全体が暗くなってしまう。
図3は、前記採光面材1を開口部11に用いた建物10の開口部構造の他の例の縦断面図を示している。この開口部構造では、開口部11の位置が図2の場合よりも下位置となっている。そのため、採光面材が例えば上記した透光板2だけからなる従来の窓で前記開口部11を塞ぐ場合には、高い位置にある太陽Sから開口部11へ下向きに入射して来た光L1はそのまま直進し、採光面材を透過してきた光L4は室内の一部床面を照射するだけとなり、開口部11が高い位置にある図2の場合に比べて、部屋全体はさらに暗くなってしまう。
この開口部構造では、開口部11の下側部分に設けられた窓戸6に下向きに入射して来る光L1が上向きに屈折して拡散光L3となり、室内の壁や天井を照らす。他方、開口部11の上側部分に設けられた窓戸16に下向きに入射して来る光L1はそのまま直進して室内の床面を照らす。そのため、室内の壁や天井だけでなく床面も照らすことができ、より室内空間が明るくなって明るさ感を向上させることができる。
この開口部構造では、開口部11の高さ方向の中間部分に前記採光面材1を用いた窓戸6を用いているので、開口部11の中間部分では屋外からの入射光L1が上向きに屈折して室内に入射することになり、従来目隠しを目的として不透明ガラスなどを採光面材として用いた窓と同等の機能を担うだけでなく、自然光を室内の奥まで取入れる機能も担うことになる。開口部11の上部分や下部分に設けられる窓戸16からは屋外からの光L1が直進して室内に入射される。これにより、室内空間を十分に明るくでき、快適な室内環境をつくることができる。
この構成の場合、開口部11の位置に応じて、開口部11からの入射光の屈折角度を異ならせるので、各開口部11の日照等の採光条件等に応じて、いずれの開口部11からも室内の奥部まで入射光を届かせることができる。また、室内の床面、壁、天井に過不足無く均等に照らすことも可能となる。
この採光面材1Aでは、屈折フィルム4が透光板2と拡散板3とで隙間なく挟み付けられるので、屈折フィルム4は、屋外面や屋内面だけでなく、採光面材内部の空気層とも触れず、より一層良好に、汚れ防止や変性防止の作用が得られる。その他の効果は図1の提案例の場合と同様である。
図7,図8の例の採光面材1Aにおいても、透光板2および拡散板3は、合成樹脂製であっても良い。
2…透光板
3…拡散板
4…屈折フィルム(屈折素材層)
11…開口部
Claims (3)
- 建物の開口部に設けられて前記開口部を塞ぎ屋外の光を屋内に取入れる複層の採光面材であって、
屋外側に設けられる非拡散性の透光板と、屋内側に設けられ透過光を拡散させる拡散板と、これら透光板と拡散板とに挟み付けられている屈折フィルムと、他の透光板とを備え、
前記他の透光板は、前記透光板または前記拡散板に対して空気層を介して組み合わせられ、
前記屈折フィルムは前記空気層に触れていない、
採光面材。 - 請求項1記載の採光面材において、前記他の透光板は、前記拡散板の屋内側に設けられている採光面材。
- 請求項1または請求項2に記載の採光面材において、前記屈折フィルムは、前記透光板と前記拡散板とで隙間なく挟み付けられている採光面材。
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