JP6017077B1 - 緊急通報管理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】現在地と登録地の受信者装置を切り替える。【解決手段】個別通報者装置管理手段3aは、管理対象の通報者装置U1から、現在位置特定情報が付与された緊急通報を受け取ると、現在位置特定情報および管轄区域情報に基づいて、接続状態とすべき受信者装置5xと対応する個別受信者装置管理手段4xに接続要求し、この個別受信者装置管理手段4xから正常応答がある場合には、通報者装置U1と、この個別受信者装置管理手段4x間のデータ転送可能とする。正常応答がない場合は、個別通報者装置管理手段4aへ接続要求して、通報者装置U1と個別受信者装置管理手段4a間のデータ転送可能とする。【選択図】図1
Description
この発明は緊急通報管理装置に関し、特に接続先の切り替え処理に関する。
特許文献1には、通話による緊急通報が困難な人のための緊急通報システム(以下非通話緊急通報システムという))において、通報位置によって、接続する消防署を切り替える処理について、開示されている。具体的には、下記が開示されている。
ユーザ端末は緊急通報をする際に、GPSなどで現在の位置をサーバに送る。サーバは消防署の管轄データベースを検索する。管轄データベースには、各消防署について管轄地域に加えて、この非通話緊急通報システムが導入されているか否かのフラグが記憶されている。サーバは、前記フラグに基いて、緊急通報のあった位置を管轄する消防署にこのシステムが導入されていれば、当該消防署の受信装置に転送する。そうでなければ、登録地の消防署の受信装置に転送する。
これにより、このシステムが導入されている消防署の管轄であれば、迅速に救援を求めることができ、そうでない消防署の管轄であっても、ユーザが登録した消防署を通じて、救援を求めることができる。
かかるシステムにおいて、転送処理は以下のように行われている。サーバと各消防署の受信装置とは、インターネット回線を介して常時接続されている。サーバはユーザ端末から緊急通報があると、これを各受信装置ごとに割り振られた記憶領域に記憶する。各受信装置は定期的に自己宛の緊急通報があるかを検知しており、自己宛の緊急通報があればサーバに送信要求をおこなう。サーバは要求のあった受信装置に緊急通報を転送する。
しかしながら、上記のように、現在地の消防署にこのシステムが導入されているかを示すリストに基づいて、転送先を切り替える場合、以下のような問題があった。未導入の消防署が新たに受信者装置を導入した場合、リストを更新しなければならない。これは、静的な前記リストに基づいて、現在管轄消防署と登録消防署とを切り替えを行っているからである。
この発明は、上記問題を解決し、このような静的なリストの更新をすることなく、現在管轄と登録受信機関との適切な切り替えを可能とする緊急通報システムを提供することを目的とする。
1)本発明にかかる緊急通報管理装置は、各受信機関の管轄区域情報を記憶する受信機関情報記憶手段、通報者装置から音声以外の方法で入力された緊急通報を受け取ると、所定の受信機関に設置された受信者装置との接続とを接続状態とする接続手段であって、前記緊急通報に現在位置特定情報が付与されている場合には、前記現在位置特定情報および前記管轄区域情報に基づいて、接続状態とする管轄受信機関の受信者装置とを接続状態とする接続手段、を備えた緊急通報管理装置であって、前記接続手段は、各受信者装置に対応して個別受信者装置転送手段を複数有しており、前記各個別受信者装置転送手段は、前記通報者装置との通信を管理する個別通報者装置管理手段および、これと1組をなす前記受信者装置との通信を管理する個別受信者装置管理手段を有しており、前記個別受信者装置管理手段は、前記対応する受信者装置から接続要請があると接続状態とするとともに、当該受信者装置との接続状態を監視しており、かかる接続状態が維持されている場合に緊急通報の要請があると、受信者装置と接続可能であると判断し、前記個別受信者装置管理手段は、受信者装置が存在しない受信機関についても、設けられており、前記個別通報者装置管理手段は、管理対象の通報者装置から、前記現在位置特定情報が付与された緊急通報を受け取ると、前記現在位置特定情報および前記管轄区域情報に基づいて、接続状態とすべき受信者装置と対応する個別受信者装置管理手段に接続要求し、この個別受信者装置管理手段から正常応答がある場合には、前記通報者装置と前記個別受信者装置管理手段間のデータ転送可能とし、前記正常応答がない場合には、当該個別通報者装置管理手段と1組をなす個別受信者装置管理手段へ接続要求することにより、前記通報者装置と当該通報者の登録受信機関の受信者装置とのデータ転送を可能とする。
2)本発明にかかる緊急通報管理装置においては、前記通報者の使用可能な言語を特定する通報者言語特定情報を記憶する通報者情報記憶手段を備え、前記受信機関情報記憶手段には、各受信機関の対応者が対応可能な言語を特定する対応可能言語特定情報を記憶しており、前記個別通報者装置管理手段は、前記受信機関の対応可能言語特定情報で特定される言語が前記通報者言語特定情報で特定される言語と合致しない場合には、前記現在位置特定情報および前記管轄区域情報に基づいて接続状態とすべき受信者装置と対応する個別受信者装置管理手段に接続要求をすることなく、当該個別通報者装置管理手段と1組をなす個別受信者装置管理手段に接続要求する。したがって言語が異なる場合に対応可能な受信者装置に接続することができる。
3)本発明にかかる緊急通報管理装置においては、前記通報者の使用可能な言語を特定する通報者言語特定情報を記憶する通報者情報記憶手段を備え、前記受信機関情報記憶手段には、各受信機関の対応者が対応可能な言語を特定する対応可能言語特定情報を記憶しており、前記個別受信者装置管理手段は、前記受信機関の対応可能言語特定情報で特定される言語が前記通報者言語特定情報で特定される言語と合致しない場合にはエラー送信し、前記個別通報者装置管理手段は、前記エラー送信を受け取ると正常応答がないと判断して、当該個別通報者装置管理手段と1組をなす個別受信者装置管理手段に接続要求する。したがって言語が異なる場合に対応可能な受信者装置に接続することができる。
1・・・・ 緊急通報システム
23・・・CPU
27・・・メモリ
23・・・CPU
27・・・メモリ
1.機能ブロック図
図1に、本発明にかかる緊急通報管理システム1の機能ブロック図を示す。緊急通報管理装置1は 受信機関情報記憶手段7、通報者情報記憶手段8、接続手段6を備えている。
図1に、本発明にかかる緊急通報管理システム1の機能ブロック図を示す。緊急通報管理装置1は 受信機関情報記憶手段7、通報者情報記憶手段8、接続手段6を備えている。
受信機関情報記憶手段7は、各受信機関の管轄区域情報を記憶する。通報者情報記憶手段8は通報者の登録情報を記憶する。
接続手段6は、複数の個別受信装置転送手段2a〜2yを有している。個別受信装置転送手段2aは、個別通報者装置管理手段3aおよび個別受信装置転送手段4aを有している。他の個別受信装置転送手段2b〜2yについても同様である。
通報者装置U1が受信者装置5xの管轄地域から緊急速報を要請した場合について説明する。
個別受信者装置管理手段4aは、対応する受信装置5aから接続要請があると、接続状態とするとともに、受信装置5aとの接続状態を監視しており、かかる接続状態が維持されている場合に緊急通報の要請があると、受信者装置と接続可能であると判断する。他の受信者装置管理手段についても同様である。なお、個別受信者装置管理手段4yは、受信者装置5yが存在しない受信機関についても、設けられており、この場合、対応する受信装置5aから接続要請がないので、接続状態ではないと判断する。
個別通報者装置管理手段3aは、管理対象の通報者装置U1から、前記現在位置特定情報が付与された緊急通報を受け取ると、前記現在位置特定情報および前記管轄区域情報に基づいて、接続状態とすべき受信者装置5xと対応する個別受信者装置管理手段4xに接続要求し、この個別受信者装置管理手段4xから正常応答がある場合には、前記通報者装置U1と、この個別受信者装置管理手段4x間のデータ転送可能とする。これに対して、前記正常応答がない場合には、前記1組をなす個別通報者装置管理手段4aへ接続要求して、通報者装置U1と、前記1組をなす個別受信者装置管理手段4a間のデータ転送可能とする。
このように、対応する受信者装置との回線が接続されていないことを監視することにより、各個別受信者装置管理手段との通信が可能か否かだけでなく、対応する受信者装置の存在も同様に把握することができる。したがって、対応する受信者装置が存在しない場合を含めて、前記回線が確保されていない状態について、その都度、受信者装置に問い合わせることなく、迅速に現在地の受信者管理機関または登録した受信者管理機関への緊急通報を切り替えることができる。
すなわち、本件緊急通報管理装置は、受信者装置が導入されており、かつ、回線がつながっている管轄については、緊急通報をした通報者装置と、現在地の受信者管理機関とを迅速に接続状態とすることができる。一方、受信者装置が存在しない、または、存在するが回線がつながっていない場合には、エラー応答がなされて、登録する受信者機関への緊急通報が可能となる。
また、受信者装置5yが存在しない受信機関についても、対応する個別受信者装置管理手段を事前に設けている。これにより、ある受信機関が新たに受信者装置を導入した場合でも、従来のような仕組みのように、導入しているか否かのリストを更新することなく、運用が可能である。
特に、本件緊急通報管理装置は、複数台の緊急通報管理装置を用いて、システムを構成する場合に有用である。
また、通報者情報記憶手段8は、前記通報者の使用可能な言語を特定する通報者言語特定情報を記憶しており、受信機関情報記憶手段7には、各受信機関の対応可能な言語を特定する対応可能言語特定情報を記憶している。また、個別通報者装置管理手段2a〜2yは、受信機関の対応可能言語特定情報で特定される言語が前記通報者言語特定情報で特定される言語と合致しない場合には、前記現在位置の管轄の受信機関の受信者装置への転送をすることなく、前記登録管轄受信機関に対応する個別受信者装置管理手段に接続要求する。したがって、言語が異なる場合でも適切な管轄受信機関に緊急通報を送ることができる。
図1に示す緊急通報管理装置1を2つ用いて、それぞれ第1サーバ31、第2サーバ32として、緊急通報システムを構成した場合の構成を図2に示す。
ユーザ端末が図1の通報者装置に該当する。図2ではユーザ端末61のみが接続されている状態を示しているが、1のCallerモジュールには複数のユーザが接続される。また、2台のサーバで地域を分散管理している。これは、1台で構成した場合に、一部に不都合があると、全体としてシステムダウンしてしまうからである。また、第1サーバ、第2サーバ、それぞれについて、管轄受信機関情報およびユーザ情報を記憶しているが、これについては図示していない。
2.ハードウェア構成
第1サーバ31のハードウェア構成について、図3を用いて説明する。
第1サーバ31のハードウェア構成について、図3を用いて説明する。
第1サーバ31は、CPU23、メモリ27、ハードディスク26、モニタ30、光学式ドライブ25、入力デバイス28、通信ボード31、およびバスライン29を備えている。CPU23は、ハードディスク26に記憶された各プログラムにしたがいバスライン29を介して、各部を制御する。
ハードディスク26は、オペレーティングシステムプログラム26o(以下OSと略す)、メインプログラム26p、Callerモジュールプログラム(以下モジュールと略す)26r、Calleeモジュール26eが記憶される。
メインプログラム26pは一般的な管理プログラムである。Callerモジュール26r、Calleeモジュール26eの処理については後述する。
データ記憶部26k には、図4に示すユーザ情報、図5に示す受信機関情報が記憶される。
本実施形態においては、オペレーティングシステムプログラム(OS)26oとして、FreeBSD(登録商標または商標)を採用したが、これに限定されるものではない。
なお、上記各プログラムは、光学式ドライブ25を介して、プログラムが記憶されたCD−ROM25aから読み出されてハードディスク26にインストールされたものである。なお、CD−ROM以外に、フレキシブルディスク(FD)、ICカード等のプログラムをコンピュータ可読の記録媒体から、ハードディスクにインストールさせるようにしてもよい。さらに、通信回線を用いてダウンロードするようにしてもよい。
本実施形態においては、プログラムをCD−ROMからハードディスク26にインストールさせることにより、CD−ROMに記憶させたプログラムを間接的にコンピュータに実行させるようにしている。しかし、これに限定されることなく、CD−ROMに記憶させたプログラムを光学式ドライブ25から直接的に実行するようにしてもよい。なお、コンピュータによって、実行可能なプログラムとしては、そのままインストールするだけで直接実行可能なものはもちろん、一旦他の形態等に変換が必要なもの(例えば、データ圧縮されているものを、解凍する等)、さらには、他のモジュール部分と組合して実行可能なものも含む。
なお、サーバ2のハード構成については、サーバ1と同様であるので説明は省略する。
3.フローチャート
つぎに、図2の第1サーバ31、第2サーバ32における緊急通報処理について説明する。以下では、受信者管理機関は6つであり(受信者管理機関A〜F)、そのうち、受信者管理機関A〜Eについては、緊急通報の受信者装置が導入されており(受信者装置5a〜5e)、受信者管理機関Fには未だ受信者装置が導入されていない場合(図2では 破線で表記された受信者装置5fが該当)を例として説明する。
つぎに、図2の第1サーバ31、第2サーバ32における緊急通報処理について説明する。以下では、受信者管理機関は6つであり(受信者管理機関A〜F)、そのうち、受信者管理機関A〜Eについては、緊急通報の受信者装置が導入されており(受信者装置5a〜5e)、受信者管理機関Fには未だ受信者装置が導入されていない場合(図2では 破線で表記された受信者装置5fが該当)を例として説明する。
まず、第1サーバ31のCalleeモジュール51a〜51cはそれぞれ受信者装置5a〜5cと、第2サーバ32のCalleeモジュール52a〜52bはそれぞれ受信者装置5d〜5eと以下のようにして、それぞれ接続される。以下では、Calleeモジュール51aと受信者装置5aとの接続を例として説明する。
受信者装置5aはCalleeモジュール51aにハンドシェイク要求(接続要求)を行う(図示せず)。Calleeモジュール51aは、ハンドシェイク要求があるか否か判断しており(図6AステップS41)、かかる要求があると、応答を返すとともに、接続確認モードとする(ステップS43)。これにより、Calleeモジュール51aと受信者装置5aとが接続状態となる。
Calleeモジュール51aは接続確認モードにおいて、接続が維持されているか否か判断している。具体的には図6Bに示すように、確認信号を受信者装置5aから受け取ったか否か判断する(ステップS51)。もし、かかる確認信号を受け取ると接続状態と判断する(ステップS59)。これに対して、かかる確認信号を受け取らない場合、所定時間が経過するか否か判断しており(ステップS53)、所定時間経過すると非接続状態と判断する(ステップS57)。
これによりCalleeモジュール51aと受信者装置5aとの現在の、接続状態を、Calleeモジュール51aは把握することができる。
なお、受信者装置5aは何らかのトラブルでCalleeモジュール51aと非接続状態となると、図6Aの接続要求を行う。
他のCalleeモジュールと受信者装置についても同様である。これにより、図2に示す第1サーバ31のCalleeモジュール51a〜51cは受信者装置5a〜5cとの接続状態を第1サーバ31は把握することができる。
本実施形態においては、図6Bに示す接続確認処理として、ウェブサーバーとウェブブラウザ間の双方向通信用の規格であるWebSocket(ウェブソケット)を採用し、各受信者装置に対して、接続されているか否かのプッシュ通知を定期的に(たとえば1回/秒)、行うようにしたが、これに限定されない。
第2サーバ32についても同様である。
ただ、第2サーバ32については、受信者装置5fは実在しない。かかる受信者装置からは、当然のことながら、ハンドシェイク要求がなされない。したがって、Calleeモジュール52cは、セッション未確立状態となり、図6Bの接続確認処理もなされず、Calleeモジュール52cは、受信者装置とは接続されていないと判断する。
つぎに、図4に示す通報者ID「1001」のユーザ(以下ユーザ1001という)が、ユーザ端末61から、受信者装置5dを管轄する受信者管理機関Dの地域から緊急通報をする場合の処理について説明する。
ユーザ1001は、ユーザ端末61のブラウザプログラム(図示せず)から、このサービスに登録した時に指定されたURLにアクセスして、この緊急通報サービスにログインする。この場合、URLとして「xxx.jp/1001」が指定されているとすると、このURLにアクセスをする。かかるURLは以下のように決定される。かかるURLは、ユーザごとにユニークなURLであり、ユーザ1001が、受信者装置5aを管轄する受信者管理機関Aにて登録された受信者管理機関A用のCalleeモジュール51aに対応するCallerモジュール41aによって管理される。
Callerモジュール41aは、ユーザからの緊急通報要求のメッセージを受け取るか否か判断している(図7ステップS1)。
かかる緊急通報要求があると、該当するCalleeモジュールへセッション確立要求をメッセージ送信する(ステップS3)。該当するCalleeモジュールの決定は以下のようにしてなされる。
Callerモジュール41aは、ユーザから受け取った現在地情報と図5に示す管轄地域とから、管轄地域を決定する。現在地から管轄地域を決定するには、既知の判断手法を用いればよい。管轄地域が決定されると、Callerモジュール41aは、さらに図5を参照して、その受信機関の受信者装置への通信を管理するCalleeモジュールを特定する。この場合、当該ユーザは、受信者管理機関Dの地域に位置するので、Callerモジュール41aは図5に示す受信機関情報を参照して、Calleeモジュール52aを、該当するCalleeモジュールとして決定する。
Calleeモジュール52aは、セッション確立要求のメッセージを受け取ると、現在の受信者装置との通信が確立されているか判断する(図7ステップS7)。かかる判断は既に説明したように、図6の処理にてなされる。この場合、Calleeモジュール52aは受信者装置5dとはセッション確立状態である。したがって、Calleeモジュール52aは、応答を転送モードとし(図7ステップS9)、転送モードした旨の応答をメッセージ送信する(ステップS13)。
Callerモジュール41aは、Calleeモジュール52aからのメッセージがあるか否か判断し(ステップS21)、メッセージがあれば、内容がエラーか否か判断する(ステップS23)。この場合、エラーではないので、Callerモジュール41aは、ユーザ端末61を当該Calleeモジュール52aへの転送モードとする。
このようにして、ユーザ端末61について、Callerモジュール41aおよびCalleeモジュール52aを介して、受信者装置5dとの間で、緊急通報メッセージのやりとりが可能となる。
もし、Calleeモジュール52aと受信者装置5dとの接続がなんらかの理由で中断している場合、Calleeモジュール52aは図6Bに示す確認処理により、セッションが未確立状態であると判断しているので、ステップS7にて、応答をエラーとし、かかる応答をメッセージ送信する(ステップS13)。
Callerモジュール41aは、Calleeモジュール52aからのメッセージがあるか否か判断し(ステップS21)、メッセージがあれば、内容がエラーか否か判断する(ステップS23)。この場合、エラーであるので、Callerモジュール41aは、ユーザ端末61を登録受信機関への転送モードとする(ステップS33)。具体的には、Callerモジュール41aとペアとなっているCalleeモジュール51aへの転送モードとする。これにより、ユーザ端末61は、Callerモジュール41aおよびCalleeモジュール51aを介して、受信者装置5aとの間で、緊急通報メッセージのやりとりが可能となる。
また、もし、第2サーバに障害が生じていれば、Calleeモジュール52aからのメッセージがない。この場合、Callerモジュール41aは、所定時間経過しても、Calleeモジュール52aからのメッセージを受け取らない。したがって、ステップS31からステップS33に進み、ユーザ端末61を登録受信機関への転送モードとする。
また、ユーザ1001が、ユーザ端末61から、このサービスが導入されていない受信者管理機関Fの地域から緊急通報をした場合、以下のようにして、登録受信機関への転送モードとする。
Callerモジュール41aは、ユーザ1001から緊急通報要求のメッセージを受け取ると、Calleeモジュール52cへセッション確立要求をメッセージ送信する(図7ステップS3)。
Calleeモジュール52cは、セッション確立要求のメッセージを受け取ると、現在の受信者装置との通信が確立されているか判断する(ステップS7)。この場合、受信者装置5fは実在せず、Calleeモジュール52cはそもそも、受信者装置からの接続要求を受け取っておらず、セッション未確立状態である。ステップS7から、ステップS11に進み、エラーをメッセージ送信する(ステップS13)。
Callerモジュール41aは、Calleeモジュール52cからのメッセージがあるか否か判断し(ステップS21)、メッセージがあれば、内容がエラーか否か判断する(ステップS23)。この場合、エラーなので、Callerモジュール41aは、Callerモジュール41aとペアとなっているCalleeモジュール51aへ、セッション確立要求のメッセージを送る。
このようにして、ユーザ端末61は、受信者装置が存在しない管轄における緊急通報については登録受信機関へ転送される。
本実施形態においては、メッセージキューという汎用ソフトウェアを用いて、メッセージ送信を行うようにした。以下、簡単に説明する。Callerモジュール、Calleeモジュールは自分宛てのボックスに投函されるのを常に監視しており、メッセージが届くとそれを投函された順に受け取る。Callerモジュール, Calleeモジュールのそれぞれ用にキューが作成されている。各キューには名前が付与さられており、たとえばCallerモジュール41aのキューは"/caller/41a", CalleeモジュールAのキューは"/callee/51a"で特定される。このキューの名前は、各サーバで管理されており、別のサーバにあるキューにメッセージを送るには、そのサーバのアドレスを特定してメッセージを送信する。たとえば、Callerモジュール41aが、別のサーバのCalleeモジュール52bにメッセージを届けるには、サーバのアドレスを参照して取得する。たとえば、サーバ2のIPアドレスが192.168.0.2であれば、IPアドレス192.168.0.2に対して、「このメッセージを"/callee/52b"に投函する」と要求すれば、Calleeモジュール52bにメッセージが届く。
上記のように、各Calleeモジュールが対応する受信者装置との通信状況を確認しておき、受信者装置が存在するか否か関係なく、Calleeモジュールを割り当てておき、かつ、Callerモジュールは、所望の受信者装置を担当するCalleeモジュールへメッセージを送り、エラーメッセージがあるか否かで、前記接続する受信者装置を切り替えている。これにより、受信者装置は存在するにもかかわらず、回線異常などにより、接続ができない場合はもちろん、そもそも、受信者装置は存在しない管轄においても、迅速に登録受信機関へ緊急通報を転送することができる。
また、各管轄について、受信者装置が存在する否かのリストを用いる必要がない。すなわち、本実施形態においては、各受信者装置のIPアドレスを管理する必要もない。これは、以下のような理由による。各Calleeと各受信者装置は1対1で対応づけられている。いずれかの受信者装置は対応するCalleeとの間で接続要求をおこなう。すなわち、各Calleeは受信者装置からの接続要求があった場合に、それを保持しておけばよいからである。
また、本実施形態においては、各Calleeモジュールが対応する受信者装置との通信状況を確認しておき、受信者装置が存在するか否か関係なく、Calleeモジュールを割り当てておき、かつ、Callerモジュールは、所望の受信者装置を担当するCalleeモジュールへメッセージを送り、エラーメッセージがあるか否かで、前記接続する受信者装置を切り替えている。このように構成することにより、複数のサーバにて分散処理した場合にでも、より確実にメッセージを送ることができる。
本実施形態におけるメリットについて説明する。一般的に、この種の緊急通報システムにおいては、可用性の確保のためにも、複数台のサーバにて分散管理するのが好ましい。その場合、上記のように、ユーザが登録した地域外から緊急通報をすることもある。たとえば、第1地域のサーバにて登録しているユーザであれば、第1地域のサーバにアクセスし、このサーバを介して、第2地域の管轄受信者装置を管理する第2のサーバにメッセージを転送することになる。この場合、当該第2のサーバの故障、またはこれに接続された各受信機との常時接続回線が故障などの理由で接続が接断されていても、第1のサーバからこれを検出することができない。そうすると、ユーザからの緊急通報メッセージが第2のサーバに溜まったままとなる。これに対して、本実施形態においては、実際の接続状態という動的に変化する情報に基づいて、前記切り替えを行っている。よって、可用性の高いシステムを提供することができる。
4.第2実施形態
画面に表示する言語を選択して、当該言語でやりとりすることも可能である。ただし、全ての管轄において、全ての言語に対応させることは困難である。かかる言語対応は、当該言語サービスを利用するユーザ数によるところも大きいと考えられる。例えば、ある管轄Zでは、在日韓国人が多いため韓国語による通報にも対応できるが、別の管轄ではそれができない場合もありうる。
画面に表示する言語を選択して、当該言語でやりとりすることも可能である。ただし、全ての管轄において、全ての言語に対応させることは困難である。かかる言語対応は、当該言語サービスを利用するユーザ数によるところも大きいと考えられる。例えば、ある管轄Zでは、在日韓国人が多いため韓国語による通報にも対応できるが、別の管轄ではそれができない場合もありうる。
このような言語が異なる場合でも、言語によって、上記切り替え処理を行うことにより、効率的な対応が可能となる。
この場合、図5に示すように、各管轄における担当者が使用可能な言語を記憶しておく。またユーザ登録の際、当該ユーザの使用言語を登録しておく(図4参照)。
図4に示すユーザの使用言語が、図5に示す使用可能言語に存在しない場合には、図7ステップS3にて、該当するCalleeモジュールを登録管轄受信機関のCalleeモジュールとすればよい。
これにより、言語対応が可能な場合にだけ、現在地の受信者管理機関に緊急通報を送ることができる。
また、Callerモジュールが判断するのではなく、受け取ったCalleeモジュールが、送られてきたメッセージの使用言語が図5の使用可能言語に存在するかを判断し、対応できない場合にはエラーを送信するようにしてもよい。
また、日本語以外の使用されている場合、管轄外であっても無条件で登録受信機関に緊急通報要請を送信するようにしてもよい。
5.他の実施形態
本実施形態においては、消防署との間で緊急通報サービスを行う場合について説明したが、それ以外の機関であっても適用可能である。
本実施形態においては、消防署との間で緊急通報サービスを行う場合について説明したが、それ以外の機関であっても適用可能である。
本実施形態においては、各Calleeモジュールは、受信者装置からの確認信号を受け取っているか否かで、受信者装置との接続状態と判断する。これにより各Calleeモジュールは、前記接続状態の監視するようにしたが、Calleeモジュールから接続要求のあった受信者装置に確認信号を送り、応答があるか否かで、前記接続状態の監視をするようにしてもよい。
本実施形態においては、図5に示すように、CalleeのIDを受信機関ごとに対応するようにしたが、CalleeのIDを受信機関IDと同じにするとの規則を設けておけば、サーバのIPアドレスだけを記憶するようにしてもよい。この場合、サーバのIPアドレスに加えて、メッセージ送信を希望する受信機関IDがわかれば、対応するCalleeを特定することができる。
上記実施形態においては、図1に示す機能を実現するために、CPUを用い、ソフトウェアによってこれを実現している。しかし、その一部若しくはすべてを、ロジック回路等のハードウェアによって実現してもよい。
なお、上記プログラムの一部の処理をオペレーティングシステム(OS)にさせるようにしてもよい。
Claims (3)
- 各受信機関の管轄区域情報を記憶する受信機関情報記憶手段、
通報者装置から音声以外の方法で入力された緊急通報を受け取ると、所定の受信機関に設置された受信者装置との接続とを接続状態とする接続手段であって、前記緊急通報に現在位置特定情報が付与されている場合には、前記現在位置特定情報および前記管轄区域情報に基づいて、接続状態とする管轄受信機関の受信者装置とを接続状態とする接続手段、
を備えた緊急通報管理装置であって、
前記接続手段は、各受信者装置に対応して個別受信者装置転送手段を複数有しており、
前記各個別受信者装置転送手段は、前記通報者装置との通信を管理する個別通報者装置管理手段および、これと1組をなす前記受信者装置との通信を管理する個別受信者装置管理手段を有しており、
前記個別受信者装置管理手段は、前記対応する受信者装置から接続要請があると接続状態とするとともに、当該受信者装置との接続状態を監視しており、かかる接続状態が維持されている場合に緊急通報の要請があると、受信者装置と接続可能であると判断し、
前記個別受信者装置管理手段は、受信者装置が存在しない受信機関についても、設けられており、
前記個別通報者装置管理手段は、管理対象の通報者装置から、前記現在位置特定情報が付与された緊急通報を受け取ると、前記現在位置特定情報および前記管轄区域情報に基づいて、接続状態とすべき受信者装置と対応する個別受信者装置管理手段に接続要求し、この個別受信者装置管理手段から正常応答がある場合には、前記通報者装置と前記個別受信者装置管理手段間のデータ転送可能とし、前記正常応答がない場合には、当該個別通報者装置管理手段と1組をなす個別受信者装置管理手段へ接続要求することにより、前記通報者装置と当該通報者の登録受信機関の受信者装置とのデータ転送を可能とすること、
を特徴とする緊急通報管理装置。 - 請求項1の緊急通報管理装置において、
前記通報者の使用可能な言語を特定する通報者言語特定情報を記憶する通報者情報記憶手段を備え、
前記受信機関情報記憶手段には、各受信機関の対応者が対応可能な言語を特定する対応可能言語特定情報を記憶しており、
前記個別通報者装置管理手段は、前記受信機関の対応可能言語特定情報で特定される言語が前記通報者言語特定情報で特定される言語と合致しない場合には、前記現在位置特定情報および前記管轄区域情報に基づいて接続状態とすべき受信者装置と対応する個別受信者装置管理手段に接続要求をすることなく、当該個別通報者装置管理手段と1組をなす個別受信者装置管理手段に接続要求すること、
を特徴とする緊急通報管理装置。 - 請求項1の緊急通報管理装置において、
前記通報者の使用可能な言語を特定する通報者言語特定情報を記憶する通報者情報記憶手段を備え、
前記受信機関情報記憶手段には、各受信機関の対応者が対応可能な言語を特定する対応可能言語特定情報を記憶しており、
前記個別受信者装置管理手段は、前記受信機関の対応可能言語特定情報で特定される言語が前記通報者言語特定情報で特定される言語と合致しない場合にはエラー送信し、
前記個別通報者装置管理手段は、前記エラー送信を受け取ると正常応答がないと判断して、当該個別通報者装置管理手段と1組をなす個別受信者装置管理手段に接続要求すること、
を特徴とする緊急通報管理装置。
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